アジアンオープンフィギュア 普通にワンツー

チャレンジャーシリーズ5戦目のアジアンオープンフィギュア。ペアやアイスダンスのエントリーが少なく、チャレンジャーシリーズとして成立しているかは怪しいのですが、男女のシングルは日本からのトップ選手のエントリーがありました。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 KAGIYAMA Yuma JPN 277.78 97.80 179.98
2 SATO Shun JPN 256.16 90.77 165.39
3 JIN Boyang CHN 224.09 85.02 139.07
4 VASILJEVS Deniss LAT 217.68 84.75 132.93
5 BRITSCHGI Lukas SUI 217.04 69.07 147.97
6 CHA Junhwan KOR 214.24 74.47 139.77
7 LEE Sihyeong KOR 209.64 66.09 143.55
8 PENG Zhiming CHN 167.68 55.16 112.52
9 CHEN Yudong CHN 148.35 66.37 81.98
10 YUEN Lap Kan HKG 147.88 48.62 99.26

鍵山優真選手が優勝。スコアはげんさんサマーカップや関東選手権の時よりは伸ばしてきての277.78 世界フィギュアでは291.77まで出ましたのでそれには届きませんが、昨年のNHK杯や全日本くらいのスコアになってきています。270点台というのが鍵山選手の標準スコアになっています

佐藤駿選手が二位。256.16はジュニアグランプリファイナルで優勝した時のスコアを上回るパーソナルベスト相当です。まだ鍵山選手とは差がありますが、PCSの差が詰まってきていますので、あとはジャンプが決まるか決まらないかで届くかも、というくらいまで来ています。

ボーヤンジン選手が3位。旧ルールですが300点実績のある選手。北京オリンピックに合わせてきてほしい選手なのですが、体調が芳しくないというような話も聞きますし心配です。中国は1枠になってしまっているので、このスコアですとハンヤン選手が代表になってボーヤンジン選手は代表から外れる、というケースも考えられます。ただ、ハンヤン選手もグランプリ中国杯にエントリーしていたのが、中国杯が中止になってトリノに移ったらエントリーから消えていたり動きが不透明。北京オリンピックに向けて中国フィギュアが強化されていくかと思っていたのですが、結局強いのはペアだけですか・・・、となってしまっています。

バシリエフス選手が4位。ランビエール先生門下で日本でも人気の選手でしょうか。オリンピック出場は固いのですけど、いまいち最近はスコアが伸びてきていないです。旧ルール最後の18年世界選手権の254.86が超えられていない。もう一声欲しいのですが、今回はジャンプがことごとく決まりませんでした。

3シーズン前のグランプリファイナル銅メダリスト、チャジュンファン選手が6位。ここ2シーズンは前半悪くて後半上げてくるという流れなので今シーズンも年明けてからオリンピックでは上位に入って来るとか、そんな動きになるんでしょうか。狙った試合では結果を出す、というオーサーチームのありがちな流れなので、この試合は、本当に下見に来ただけ、という感じもします。でもカナダにいたら中国との往復は大変そうなので、韓国にいたんでしょうか? その辺はよくわかっていません。

 

○鍵山優真選手のショートプログラム構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 4S   9.70   1.94 11.64 1.75
2 4T+2T   10.80   2.22 13.02 2.25
3 CCSp4   3.20   1.07 4.27 3.38
4 3A   8.80 x 2.67 11.47 3.38
5 FSSp4   3.00   0.80 3.80 2.63
6 StSq4   3.90   1.43 5.33 3.63
7 CCoSp4   3.50   1.11 4.61 3.13
  TES   42.90   11.24 54.14  

全要素プラス評価入りました。四回転サルコウだけ1番ジャッジが-1付けていますが、他は全要素全ジャッジでプラスです。

ノーミス、に見えますが本当は2つ目の要素のコンビネーションはセカンドジャンプを三回転にしたかったのだろうと思います。関東選手権ではセカンド三回転がついていました。そこまでつくとショートで100点に届きます。

 

○佐藤駿選手のショートプログラム構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 4Lze e 9.20   -1.07 8.13 -1.125
2 4T+3T   13.70   2.38 16.08 2.375
3 CSSp4   3.00   0.70 3.70 2.375
4 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.625
5 3A   8.80 x 1.73 10.53 2.250
6 FCSp3   2.80   0.47 3.27 1.750
7 CCoSp4   3.50   0.82 4.32 2.375
  TES   44.30   5.91 50.21  

四回転ルッツ投入もeマークがついて基礎点から減点されました。回転不足ではなくてそっちで減点ですか! という感じですが、結構エッジで!マークがつくことが多いので、それほど驚くことではないんだろうとは思いますが、結構もったいないです。

佐藤駿選手はコンビネーションのセカンド三回転はしっかり着氷。そのため、ルッツで減点されても基礎点は鍵山優真選手より上です。ただ、加点の面で差があって、ルッツで引かれたのを除いても、スピンステップでGOEは+3まで出ないですし、ジャンプの加点も伸びておらず、その辺が鍵山優真選手との差として出ました。ただ、ルッツのeが取れれば、それだけで技術点は鍵山選手に追いつけます。

そんな部分はありますが、佐藤駿選手にとってショートプログラムの90.77というのは過去の国際大会で一番高かった20年のババリアンオープンでの82.18を大幅に上回るパーソナルベスト相当のスコアだったことは確かです。

 

○鍵山優真選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 4Lo   10.50   -3.33 7.17 -3.250
2 4S< 7.76   -3.88 3.88 -5.000
3 4T+3T   13.70   2.69 16.39 2.750
4 3A+1Eu+3S   12.80   2.00 14.80 2.500
5 CSSp4   3.00   0.65 3.65 2.375
6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
7 4T   10.45 x -2.85 7.60 -3.000
8 3F+3Lo   11.22 x 1.68 12.90 3.125
9 3A   8.80 x 2.27 11.07 2.875
10 ChSq1   3.00   1.75 4.75 3.375
11 CCoSp4   3.50   0.93 4.43 2.625
12 FCCoSp4   3.50   1.11 4.61 3.125
  TES   91.53   4.01 95.54  

冒頭の四回転ループは着氷しましたがGOEはマイナス。それは織り込み済みかもしれませんが、次の四回転サルコウが回転不足のうえで転倒となってそこが痛かったです。また、後半の四回転トーループもGOEで大きくマイナス。

そんな感じで出来はそれほど良くはなかったのですが、それでもフリーのスコアは179.98  ミスが複数あっても180点前後のスコアが出るし、180点前後のスコアが出ても驚かれもしないという、そんな選手に高校生のうちになってしまいました、というそっちがすごい。

サルコウがちゃんと回転足りて立てれば技術点100点まで到達します。フリーのベストは世界選手権の190.81 その時の技術点は102.39ですが、サルコウが成功ジャンプに出来ればそれだけでその技術点までは届く。後半のトーループも成功ジャンプに出来れば技術点は110点弱まで。そこまでくれば鍵山選手のPCSならフリー200点が見えます。そこに四回転ループが乗れば・・・。この構成で完成してほしいです。

ちょっと気になるのは後半のコンビネーション。昨シーズンはルッツループでしたが、今シーズンはフリップループにしています。トリプルルッツは余っているのでそちらで跳んだ方が基礎点は高い。それでもフリップに変えてきているというのは、本人にとって飛びやすさがだいぶ違うということかなあ、と思いました。それにしてもセカンドにトリプルループを付けて平均GOEが3を超えるというのはすごいです。

鍵山優真選手の次戦は11月1週目、グランプリシリーズの第3戦、トリノになると思われますが、カレンダー的にはその前の週に東日本選手権があるので、そこに出場する可能性もあるにはあります。

 

○佐藤駿選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 4Lz! ! 11.50   -5.75 5.75 -5.000
2 4F! ! 11.00   -4.77 6.23 -4.250
3 4T+2T   10.80   2.22 13.02 2.375
4 FCCoSp2   2.50   0.29 2.79 1.125
5 4T   9.50   0.48 9.98 0.500
6 3A+2T   10.23 x 0.13 10.36 0.375
7 FSSp4   3.00   0.75 3.75 2.375
8 3F!+1Eu+3S ! 11.11 x -0.71 10.40 -1.250
9 3A   8.80 x 1.47 10.27 1.875
10 StSq4   3.90   0.98 4.88 2.500
11 ChSq1   3.00   1.17 4.17 2.375
12 CCoSp3   3.00   0.75 3.75 2.375
  TES   88.34   -2.99 85.35  

フリーの四回転ルッツはeまでいかず!で収まりましたが、こちらは転倒。不発に終わりました。四回転フリップも大きく減点。セカンド三回転も結局付けられず。トータルのGOEはマイナス。というわけで、本人的にはかなり不本意に終わったと思われるフリーなのですが、それでも技術点が85.35確保してフリーのスコアは165.39まで出ました。このスコアはジュニアグランプリファイナルで優勝した時の177.86に次ぐセカンドベスト相当のものになります。

構成が四回転四本にトリプルアクセル二本あって、それらが基礎点はすべて満額確保できていることで、だいぶベースが高くなっています。回転足りずにステップアウトで踏みとどまるより、回転足りて転んだ方がスコア的には良い、という構図です。

あとはセカンドの2回転をどこかで3回転にできれば、今の鍵山優真選手の基礎点にまでは並びます。そして、その構成でミス少なくできれば技術点100点までは届きます。

あと、今回、ステップでレベル4がつきました。確認できた範囲ですが、佐藤駿選手がステップでレベル4をもらうのは初めてのようです。

構成的には全日本の勝負で一発ありえて、オリンピックの芽はあるんだよなあ、と思わされるものでした。

佐藤駿選手は次週のスケートアメリカで連戦です。ネイサンチェン選手がいますので優勝はなかなか苦しいかと思いますが、宇野昌磨選手やヴィンセントジョー選手を向こうに回して表彰台を目指す新鋭、という立ち位置での勝負となります。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 MIHARA Mai JPN 203.58 67.83 135.75
2 SAKAMOTO Kaori JPN 202.28 76.70 125.58
3 SO Joanna HKG 155.65 53.50 102.15
4 TING Tzu-Han TPE 155.03 51.84 103.19
5 SAARINEN Jenni FIN 154.45 62.25 92.20
6 SCHOTT Nicole GER 148.08 52.84 95.24
7 ZHU Yi CHN 147.38 52.88 94.50
8 ISAEV Kristina GER 146.05 52.43 93.62
9 JIN Hengxin CHN 118.11 51.27 66.84

三原舞依選手の逆転優勝。国際大会での優勝は2019年3月、直後に世界選手権で銀メダルを取るトゥルシンバエワさんに勝ったユニバーシアード以来、ISUの公認大会では2017年2月の四大陸選手権以来の優勝です。

坂本花織選手が2位。まさかの2位ですが、最近フリーがうまくいっていません。プログラムがまだ全然馴染んでいない、という本人のコメントなので、ジャンプがどうとかそういう話以前に、このプログラムで今シーズンいけるのかどうか、というところなのでしょう。試合に出るより滑り込んだ方がいいんじゃ、という気もしますが、試合数こなすスタイルの選手でもありますし、どうするんでしょうこの先。

もう少し下見に来る選手がいるのかと思っていましたが、そうでもなく、トップレベルの選手は二人だけ。結局中野組の独壇場となりました。

内容と関係ないですが、名前の表記がファミリーネームが後ろ。中国もそうですが、アジアに多い形になっています

 

三原舞依選手のショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 2A   3.30   0.88 4.18 2.750
2 3Lz   5.90   0.20 6.10 0.375
3 FSSp4   3.00   0.60 3.60 1.875
4 3F!+3T ! 10.45 x -0.18 10.27 -0.375
5 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
7 LSp4   2.70   0.72 3.42 2.625
  TES   32.15   3.91 36.06  

ジャンプ構成は坂本選手と全く同じ三原選手のショートの構成です。ステップがレベル3なことと、スピンの構成により基礎点は坂本選手に一歩譲ります。

コンビネーションのフリップで!マーク。ここは坂本選手と逆でフリップのエッジが怪しい。日本国内の試合でもよくついています。

 

○坂本花織選手のショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 2A   3.30   1.43 4.73 4.375
2 3Lz   5.90   1.77 7.67 2.875
3 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
4 3F+3T   10.45 X 1.68 12.13 3.125
5 FCSp4   3.20   0.80 4.00 2.500
6 StSq4   3.90   1.43 5.33 3.625
7 LSp4   2.70   0.86 3.56 3.250
  TES   32.95   9.02 41.97  

全要素全ジャッジで+2以上の評価がついて技術点41.97 フリーが悪いのでトータルスコアが伸びてきませんが、技術的な面で調子が悪い、ということはなさそうです。

コンビネーションを1.1倍に入れて基礎点底上げ狙い。ルッツからにした方が基礎点はさらに上がりますが、そこはルッツが苦手ということでフリップからのコンビネーションになっています。

今シーズンここまで、ロシア勢以外の選手の中でショートは最高点、技術点としても同様です。オリンピックに出たとして、普通に最終グループでフリーを迎える位置にいます。

 

三原舞依選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3Lz+3T   10.10   1.67 11.77 2.750
2 2A   3.30   0.88 4.18 2.750
3 3F   5.30   1.24 6.54 2.375
4 3S   4.30   1.29 5.59 2.875
5 CCoSp4   3.50   1.11 4.61 3.125
6 2A+3T   8.25 x 0.49 8.74 1.250
7 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 0.98 10.77 1.750
8 2Lo   1.87 x -0.43 1.44 -2.375
9 FSSp4   3.00   0.60 3.60 2.000
10 StSq4   3.90   1.04 4.94 2.625
11 ChSq1   3.00   1.42 4.42 2.875
12 FCCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
  TES   59.81   10.99 70.80  

映像情報がまだ全く入ってきていませんが、スピンステップオールレベル4 その辺きっちり滑って技術点で70点に到達しました。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。ジャンプは全体的に良くてノーミスで行けるか、という最後のジャンプが2回転になってしまっています。これが決まっていれば210点に近いところまで行けたのですが残念です。

次戦は国内ローカルに顔を出さなければ、11月1週目のトリノでのグランプリシリーズです。中国杯中止になってどうなるか? というところでしたが、久しぶりのヨーロッパでかえって良かったかもしれません。

 

○坂本花織選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 2A   3.30   1.38 4.68 4.250
2 3Lz   5.90   1.67 7.57 2.875
3 3F+2T   6.60   1.15 7.75 2.250
4 3S< 3.44   -0.97 2.47 -2.750
5 FSSp4   3.00   0.60 3.60 2.000
6 3F+3T   10.45 x 0.97 11.42 1.750
7 2A   3.63 x -1.65 1.98 -4.875
8 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.875
9 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
10 ChSq1   3.00   1.25 4.25 2.375
11 2Lo   1.87 x 0.20 2.07 1.250
12 FCCoSp3   3.00   0.50 3.50 1.750
  TES   51.59   6.97 58.56  

坂本花織選手は序盤は良かったようですが、中盤からうまくいかなかったように見えます。

2回飛ぶジャンプはフリップだけになっているので、おそらくトリプルトーループを2回飛びたいのだろうと思います。3連続も入っていません。今シーズンのフリーでは、昔のプログラムで滑ったげんさんサマーカップ以外では3連続ジャンプを入れられていません。ダブルアクセルでミスが出るような選手ではないのですが・・。プレッシャーには強い選手な感じはするのですが、プレッシャーとは違う何か由来でのメンタルにはそれほど強くなく悩みこむ、というようなところはあるのかもしれないなあ、と思ったりもします。

今回は近畿選手権とは違って、スピンでレベル1Vとか、そこまでのやらかしはないですが、全体的にまとまらず。2試合連続の120点台です。まあ、全日本である程度合わせて、オリンピックにピークが来るようにすればいい、という立ち位置の選手なので、あれこれ心配する時期でもないのでしょうけど、最終的にフリーのプログラムに何を選ぶのか、このままいくのか、というのは気になるところです。

坂本花織選手の次戦は、4週連続の最終週となるスケートアメリカです

 

日本のトップ選手と、男子で一部東アジア圏からの参加はありましたが、欧米からの北京下見ツアーはなく、こじんまりとしたオリンピックの準備試合となりました

チャレンジャーシリーズにトップ選手が参加するのはこのアジアンオープンフィギュアでだいたい終了です。二週後のデニステンメモリアルがチャレンジャーシリーズの6戦目としてありますが、次週にはグランプリシリーズが始まりますので、グランプリレベルの選手の参加はなくなってきています。

 

全日本ノービス直前 21シーズンスコアランキング

6地区のブロック大会が終わったので、次は全日本ノービスがやってきます。

今回は、ノービスカテゴリーの今シーズンのスコア上位選手を取り上げます。

 

○女子シングルノービスA 70点以上

  Event Name 所属 Total TES PCS
1 近畿選手権 島田麻央 木下アカデミー 120.83 70.17 50.66
2 みなとアクルス 和田薫 名古屋市大須小学校 100.76 54.86 46.40
3 近畿選手権 村上遥奈 木下アカデミー 96.55 53.61 42.94
4 西日本中小学生競技会 上園恋奈 グランプリ東海クラブ 85.45 46.78 38.67
5 中部選手権 矢口真央 スペリオール愛知FSC 79.98 39.81 40.67
6 中四国九州選手権 山田恵 パピオフィギュアクラブ 79.16 40.37 38.79
7 東京選手権 鳥居琴子 明治神宮外苑FSC 77.26 38.69 39.07
8 関東選手権 八田琴子 KOSE新横浜プリンスFSC 76.38 41.72 34.66
9 東京選手権 牛山胡香 MFアカデミー 72.97 33.47 40.00
10 東京選手権 北見奏 MFアカデミー 71.61 35.48 36.13
11 東北・北海道選手権 岩本愛子 白鳥FSC 70.86 35.79 35.07

島田麻央選手の120.83は圧倒的です。技術点だけで15点以上の差があります。勝つだけなら四回転は全く不要です。二連覇濃厚。見ている先はここではないので入れるとは思いますけど。

100点突破はもう一人、グランプリ東海の和田薫子選手。いつもの年なら優勝に近い位置なのですが、今年はちょっとこれでもつらいです。

木下アカデミーvs名古屋勢という構図。東日本からMFアカデミーは、まだちょっと上三人には手が届かなそうです。

優勝、表彰台、の次に、全日本ジュニアの推薦券がもらえるとされる4位に入ることも大きな目標となってきますが、それも80点台は必要に見えます。

昨シーズンは100点越えが4人いるという異常事態でしたので、それと比べるとまだまともですが、それでも例年のような、100点超えれば優勝、みたいな水準ではなくなっています

 

○男子シングルノービスA 70点以上

  Event Name 所属 Total TES PCS
1 西日本中小学生競技会 高橋星名 京都宇治FSC 98.70 49.88 48.82
2 東京選手権 蛯原大弥 東京YC 91.06 45.90 45.16
3 東京選手権 中田璃士 西武東伏見FSC 90.19 38.05 53.14
4 関東選手権 西野太翔 神奈川FSC 88.54 43.70 45.34
5 近畿選手権 芳岡優希 木下アカデミー 83.99 40.31 44.18
6 MGCアイスアリーナトロフィー 武田結仁 アイビスSC 83.31 37.49 46.32
7 中部選手権 神谷帆鷹 名古屋FSC 82.47 37.63 45.34
8 西日本中小学生競技会 向野慶 神戸ポートアイランドクラブ 79.74 34.90 44.84
9 中部選手権 佐藤和那 邦和SC 78.28 35.12 43.16
10 中部選手権 花井広人 邦和SC 75.59 35.43 40.66
11 西日本中小学生競技会 小河原泉 倉敷FSC 75.15 29.15 46.50
12 飯塚アイスパレス杯 馬場清輝 岡山SC 74.95 34.05 40.90
13 飯塚アイスパレス杯 吉岡祐誠 沖学園 74.23 31.03 43.20
14 東京選手権 池田立 MFアカデミー 71.95 30.27 41.68
15 中四国九州選手権 植村駿 ユニバースFSC 71.54 27.70 43.84
16 東北・北海道選手権 小山蒼斗 仙台泉F.S.C. 71.04 34.36 36.68
17 中四国九州選手権 名倉一裕 岡山SC 70.89 29.23 41.66

トップは98.70というベストを持っている高橋星名選手。昨年はノービスBで5位だった選手。ノービスA 1年目での優勝なるか? 三浦佳生選手以来の100点超えの可能性もありますが、近畿選手権ではスコアが伸びず86.03で終わっていますので、表彰台に届かないというような結果になる可能性も一方であります。

スコア3番手の中田璃士選手は昨年の優勝者。PCSでは全体トップです。昨年の優勝スコアは90.73 それと同じくらいのスコアを今シーズンも出していますが、もう一歩伸ばせるかどうか。

表彰台ラインは90点前後になるでしょうか? 女子の島田麻央選手が目立ちすぎていますが、男子のノービスAも、かつてないハイレベルな決着になる可能性があります。

 

○女子シングルノービスB  55点以上

  Event Name 所属 Total TES PCS
1 近畿選手権 金沢純禾 木下アカデミー 77.33 41.60 35.73
2 東京選手権 大竹沙歩 MFアカデミー 71.17 34.98 37.19
3 近畿選手権 川勝玲奈 京都宇治FSC 67.59 34.79 32.80
4 西日本中小学生競技会 河野莉々愛 岡山SC 66.79 33.98 32.81
5 近畿選手権 鈴木華乃 木下アカデミー 63.97 31.84 32.13
6 中部選手権 星碧波 グランプリ東海クラブ 61.45 27.05 34.40
7 東京選手権 山中陽菜乃 江戸川クラブ 61.16 26.09 35.07
8 近畿選手権 中島羽菜 ひょうご西宮FSC 59.94 29.00 30.94
9 飯塚アイスパレス杯 加生乙夏 大分ゴールドFSC 59.65 27.25 32.40
10 近畿選手権 増尾 京都宇治FSC 58.92 28.40 30.52
11 西日本中小学生競技会 吉田菫 倉敷FSC 57.34 26.14 31.20
12 近畿選手権 松浪ひかり 関西大学KFSC 55.89 28.24 28.15
13 みなとアクルス 森岡 豊田市立若園小学校 55.59 25.86 29.73
14 東京選手権 野田めぐみ 明治神宮外苑FSC 55.10 28.17 26.93
15 東京選手権 小山美海 MFアカデミー 55.06 23.46 31.60

ノービスBは1年目の金沢純禾選手がランキングトップです。今シーズンのノービスBで回転の足りたトリプルルッツを飛んだのは金沢選手だけ。回転が足りて!もつかないトリプルフリップを飛んだのも金沢選手のみです。ジャンプではもう頭一つ抜けています。

スコア2位の大竹沙歩選手はPCSではトップ。東京選手権では決まらず、まだ確率的には低そうなトリプルルッツが決まれば優勝の可能性もあるでしょうか。

 

○男子シングルノービスB  50点以上

  Event Name 所属 Total TES PCS
1 中四国九州選手権 岡崎隼士 倉敷FSC 69.86 27.20 42.66
2 東京選手権 山本航成 西武東伏見FSC 65.31 26.13 39.18
3 東北・北海道選手権 松本悠輝 帯広FSC 63.43 26.11 37.32
4 東京選手権 吉野咲太朗 西武東伏見FSC 63.43 25.43 38.00
5 東北・北海道選手権 道免優斗 ROYCE'F・S・C 57.70 21.86 35.84
6 東北・北海道選手権 河本英士 仙台FSC 57.25 22.25 35.00
7 中四国九州選手権 谷圭 岡山FSC 56.48 22.98 33.50
8 中四国九州選手権 加来翔映 パピオフィギュアクラブ 54.32 19.50 35.82
9 中部選手権 竹中慎 アテナ豊橋FSC 53.69 23.19 31.50
10 中四国九州選手権 秋元聖輝 飯塚フィギュアクラブ 51.71 19.85 32.36
11 中四国九州選手権 橋上拓矢 広島スケートクラブ 51.39 19.71 31.68
12 西日本中小学生競技会 佐野海音 滋賀ドリームFSC 51.01 17.51 34.00
13 東京選手権 長谷川結音 MFアカデミー 50.86 18.54 32.32
14 関東選手権 高旭 アクアリンクちばSC 50.67 20.51 30.16
15 中四国九州選手権 越野隆清 ユニバースFSC 50.64 18.82 31.82
16 東北・北海道選手権 渡邉柊吾 新潟FCKZ 50.15 17.83 32.32

スコアトップは昨年2位だった岡崎隼士選手。2回転が中心のノービスBのカテゴリで、PCSで2番手以下に3点差をつけているのは大きいです。要素一つ分の余力があることになります。

このカテゴリは、中国地方や北海道といった、ほかのカテゴリーではなかなか優勝争いに絡めないような地域の選手が上位にいます。この年齢で頭角を現すと、何とかアカデミーであったり、名古屋の有名な先生のところであったりへ移籍していく、というような構図もあるかもしれませんが、今の段階では、全国大会の優勝、というような勲章を地方に持ち帰ってもらえると、地元が盛り上がっていいなあ、なんて思ったりもします。

 

ノービスBはこの試合で何位であっても次の大会につながるわけでもありませんし、どの選手も確実に結果を出しに行くというよりは、出来そうなことできたらいいなと練習していることにチャレンジしていくことになるんだろうと思います。ノービスBで優勝しても、全然将来は約束されませんし、全日本まで出てこない選手でも将来伸びてくる選手はいます。紀平梨花選手は、ノービスBの2年目でも近畿選手権を勝ちあがれず全日本にはたどり着けていません。

 

各選手、怪我無く、思い切り滑っていただけたらと思います。

 

 

 

ジュニアグランプリシリーズ終了 やっぱりロシアだけど男子は?

ジュニアグランプリシリーズも終了しました。今シーズンは何とか開催されたものの、いろいろとイレギュラーな形になっています。日本からの派遣は結局なし。また、通常は一カ国からは二人の出場ですが、コロナの関係で出られない試合があったかわりに、別の試合に4人出たりしています。

そういったわけのわからない状態なこともあり、ジュニアグランプリファイナルへの進出も、通常ルールとは違う形となっています。今回は、各大会で優勝した選手がそのスコアの高い順に進出(出場が1試合でもよい)。それで6枠に足りない場合は、残りは2試合の合計スコアの高い選手を加える、としています。

結果として、日本は1選手も派遣しなかったのですが、男女シングルでは、開催国枠として1つづつ出場権を得ています。どうやって選手を決めるのかは不明ですが、順当にいけば全日本ジュニアのチャンピオンでしょうか。ただ、グランプリシリーズとジュニアグランプリシリーズを同時に出ることは出来ない、という規定があるので、NHK杯にエントリーした三浦佳生選手はそれに引っ掛かってしまうことに理論上なるのですが、こういう場合はどうなるのでしょう?

 

○女子シングル 各試合の優勝者

Event Pl Name Nation Total SP FS
Courchevel 1 Lindsay THORNGREN USA 181.45 62.63 118.82
Courchevel 2 1 Isabeau LEVITO USA 202.35 71.25 131.10
Kosice 1 Veronika ZHILINA RUS 216.92 71.57 145.35
Krasnoyarsk 1 Sofia AKATEVA RUS 233.08 75.89 157.19
Ljubljana 1 Adeliia PETROSIAN RUS 210.57 70.86 139.71
Gdansk 1 Sofia AKATEVA RUS 225.64 71.91 153.73
Linz 1 Sofia MURAVIEVA RUS 211.81 73.28 138.53

全7試合。最初の2試合はロシア勢の出場無し。ロシアのワクチンはヨーロッパで信用してもらえず、入出国手続きがうんぬんかんぬんとか、そんな理由だったらしいです。そういった2試合でアメリカ勢が優勝しました。

残りの5試合はロシア勢が圧勝。アカチエワ選手は2試合で優勝。他は1試合づつです。結果としてこの6名がジュニアグランプリファイナルへ進出することとなりました。

2試合目以降は優勝スコアが200点以上。ショートから70点を超える選手が並びます。ものすごいレベルになっています

 

○女子シングルで190点以上のスコア

Event Pl Name Nation Total SP FS
Krasnoyarsk 1 Sofia AKATEVA RUS 233.08 75.89 157.19
Gdansk 1 Sofia AKATEVA RUS 225.64 71.91 153.73
Kosice 1 Veronika ZHILINA RUS 216.92 71.57 145.35
Linz 1 Sofia MURAVIEVA RUS 211.81 73.28 138.53
Ljubljana 1 Adeliia PETROSIAN RUS 210.57 70.86 139.71
Linz 2 Isabeau LEVITO USA 208.31 71.32 136.99
Kosice 2 Sofia MURAVIEVA RUS 208.25 72.52 135.73
Krasnoyarsk 2 Anastasia ZININA RUS 206.20 67.02 139.18
Ljubljana 2 Sofia SAMODELKINA RUS 205.67 65.56 140.11
Krasnoyarsk 3 Sofia SAMODELKINA RUS 202.39 60.76 141.63
Courchevel 2 1 Isabeau LEVITO USA 202.35 71.25 131.10
Kosice 3 Adeliia PETROSIAN RUS 201.21 69.30 131.91
Krasnoyarsk 4 Elizaveta KULIKOVA RUS 196.83 67.08 129.75
Krasnoyarsk 5 Elizaveta BERESTOVSKAIA RUS 196.07 64.91 131.16
Ljubljana 3 Lindsay THORNGREN USA 193.77 70.24 123.53
Ljubljana 4 Minchae KIM KOR 192.48 70.83 121.65
Courchevel 2 2 Chaeyeon KIM KOR 191.46 66.90 124.56
Linz 3 Anastasia ZININA RUS 190.66 69.77 120.89
Kosice 4 Mariia ZAKHAROVA RUS 190.33 69.04 121.29

ロシアのアカデミーにアメリカと韓国から何人か留学しました、みたいな光景です。

ロシアは200点を超えた選手が6名います。ジュニアですこれ、全員。アメリカから辛うじて一人。190点以上になるとアメリカからもう一人と韓国から2人入っています。ロシアはちょっと置くとしても、アメリカや韓国と比べても日本は負けているかな、という印象です。

ロシアは210点以上が4人います。つまり、210点をジュニアで出している選手が、少なくとも一人、世界ジュニアに出られないわけです。

 

○GOEプラスの四回転要素

Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Anastasia ZININA RUS 1 4T+2T   10.80   2.85 13.65 3.111
Sofia AKATEVA RUS 2 4T+3T   13.70   2.58 16.28 2.667
Sofia SAMODELKINA RUS 2 4S   9.70   2.63 12.33 2.667
Veronika ZHILINA RUS 3 4T+3T   13.70   2.31 16.01 2.333
Sofia SAMODELKINA RUS 2 4S   9.70   2.22 11.92 2.222
Sofia AKATEVA RUS 2 4T+3T   13.70   1.90 15.60 2.000
Sofia AKATEVA RUS 3 4S   9.70   0.65 10.35 0.500
Mia KALIN USA 1 4T+2T   10.80   0.41 11.21 0.444
Sofia AKATEVA RUS 6 4T+1Eu+3S   15.73 x 0.16 15.89 0.125
Sofia SAMODELKINA RUS 1 4Lzq q 11.50   0.16 11.66 0.111

ジュニアで4回転を飛ぶ選手はもう普通にたくさんいます。その中でGOEプラスを出したのは結局4人。飛んだ選手は8人いますので、結局半分か、という感じはありますが、それでも4人決めてきています。

決めた4人にとっては、トーループはコンビネーションが常識。冒頭に飛ぶチャレンジジャンプでもなく、2番目3番目に入ってくる普通の要素、という扱いだったりしています。

 

トリプルアクセルを含む要素

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Sofia AKATEVA RUS 1 3A+3T   12.20   2.51 14.71 3.111
FS Sofia AKATEVA RUS 1 3A   8.00   2.17 10.17 2.667
FS Varvara KISEL BLR 1 3A   8.00   1.94 9.94 2.556
SP Sofia AKATEVA RUS 1 3A+3T   12.20   1.87 14.07 2.250
FS Sofia AKATEVA RUS 1 3A   8.00   -0.40 7.60 -0.375
SP Sofia SAMODELKINA RUS 1 3A+2T   9.30   -2.29 7.01 -2.889
FS Lindsay THORNGREN USA 1 3A<< << 3.30   -1.60 1.70 -4.778
SP Sofia SAMODELKINA RUS 1 3A<+COMBO < 6.40   -3.20 3.20 -5.000
FS Varvara KISEL BLR 1 3A< < 6.40   -3.20 3.20 -5.000

どうも女子にとっては四回転よりトリプルアクセルの方が難しいジャンプという位置づけになるようです。日本人以外にとっては。要素に入れたのは4人。GOEプラスは2人だけです。

ロシアでトリプルアクセルを決めたのはアカチエワ選手だけです。ロシア女子にとっては四回転の方がトリプルアクセルよりはるかに飛びやすいジャンプなようです。

 

○アカチエワ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3A   8.00   2.17 10.17 2.667
2 4T+3T   13.70   2.58 16.28 2.667
3 4S   9.70   -1.25 8.45 -1.111
4 3Lo   4.90   1.26 6.16 2.556
5 FCSp3   2.80   0.96 3.76 3.444
6 4T+1Eu+3S   15.73 x -1.49 14.24 -1.333
7 3F+3T   10.45 x 1.51 11.96 2.667
8 3Lz   6.49 x 1.77 8.26 3.000
9 FCCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.222
10 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
11 CCoSp4   3.50   1.55 5.05 4.333
  TES   82.67   11.90 94.57  

これは157.19を出したクラスノヤルスクでの試合の時の構成です。

4回転3本にトリプルアクセル1本。2回飛ぶジャンプは四回転トーループと三回転トーループです。トリプルアクセルを2本入れようとすると、トリプルループから置き換えて、セカンドのトリプルトーループをダブルに変えてアクセルの後ろに付ける、という形になるのですが、その場合1.1倍のところのトリプルトーループを外して持ってくると合計基礎点が下がる、ということが生じます。従って、トリプルアクセルを2本入れる価値がなくなります。セカンドループを付けられると状況は変わってきますが、そうではない場合、トリプルアクセルを2本入れたいなら、1本は後半に入れられるくらいの余裕がないと価値が出ません。

そんなわけで、この構成は一つの完成形だと思うのですが、基礎点にして82.67 加点も獲って94.57まで稼ぎました。これより上の技術点を出したことがあるのは、トゥルソワ選手とワリエワ選手の二人だけです。

これ、ジュニアなのでコレオシークエンスがまだありません。コレオがもしこれに単純に足されると、ワリエワ選手の最高基礎点を超えます。

アカチエワ選手のワリエワ選手やトゥルソワ選手に対しての強みは、トリプルアクセルがしっかり飛べる、というのがあります。このジュニアグランプリシリーズの2試合、ショートフリーで合計4回飛んで、4回とも着氷しています。まだジュニアルールなのでショートではコンビネーションで無理やりトリプルアクセルを飛んで、それとは別に単独ダブルアクセルを飛ぶという不思議構成を強いられていますが、シニアルールであれば単独トリプルアクセルを飛べて基礎点が上がって来る。

全盛期のコストルナヤ選手のショートに、ノーミスしたワリエワ選手のフリーを足した状態、というのがワカチエワ選手がシニアに上がった時に見られるのかもしれません。あるいは、ロシア選手権でそれが現実化して優勝してしまい、浅田真央トリノオリンピックに出られない事件、みたいなことが起きるのかもしれません。

 

○男子シングル 各試合の優勝者

Event Pl Name Nation Total SP FS
Courchevel 1 Ilia MALININ USA 214.64 80.07 134.57
Courchevel 2 1 Wesley CHIU CAN 199.89 76.26 123.63
Kosice 1 Kirill SARNOVSKIY RUS 215.96 71.48 144.48
Krasnoyarsk 1 Gleb LUTFULLIN RUS 230.42 80.13 150.29
Ljubljana 1 Ilya YABLOKOV RUS 231.99 78.89 153.10
Gdansk 1 Gleb LUTFULLIN RUS 231.26 76.06 155.20
Linz 1 Ilia MALININ USA 245.35 81.31 164.04

男子も最初の二試合にはロシア勢のエントリーがありませんでした。3試合目からロシア勢のエントリーが入り、4試合続けて勝ちましたが、最終戦はロシア勢がいる中でもアメリカのマリンイン選手が優勝しています。

ジュニアグランプリファイナルには、この7試合で優勝した5選手と、ロシアのEgor RUKHIN選手が入っています。

 

○男子シングルの200点以上のスコア

Event Pl Name Nation Total SP FS
Linz 1 Ilia MALININ USA 245.35 81.31 164.04
Ljubljana 1 Ilya YABLOKOV RUS 231.99 78.89 153.10
Gdansk 1 Gleb LUTFULLIN RUS 231.26 76.06 155.20
Krasnoyarsk 1 Gleb LUTFULLIN RUS 230.42 80.13 150.29
Krasnoyarsk 2 Egor RUKHIN RUS 223.29 78.43 144.86
Linz 2 Artem KOVALEV RUS 221.51 80.97 140.54
Krasnoyarsk 3 Wesley CHIU CAN 217.59 76.63 140.96
Linz 3 Kirill SARNOVSKIY RUS 216.70 75.20 141.50
Kosice 1 Kirill SARNOVSKIY RUS 215.96 71.48 144.48
Courchevel 1 Ilia MALININ USA 214.64 80.07 134.57
Krasnoyarsk 4 Artem KOVALEV RUS 212.32 81.31 131.01
Kosice 2 Ilya YABLOKOV RUS 207.39 73.25 134.14
Gdansk 2 Mikhail SHAIDOROV KAZ 207.03 64.51 142.52
Kosice 3 William ANNIS USA 204.60 76.21 128.39
Gdansk 3 Egor RUKHIN RUS 202.28 71.43 130.85
Krasnoyarsk 5 Fedor ZONOV RUS 201.28 63.72 137.56

男子もロシア勢が多いですが、女子との違いはトップスコアはアメリカなこと。マリンイン選手の245.35が最高点です。カナダのチウ選手やカザフスタンからシャイドロフ選手も名を連ねています。

日本からの派遣は結局なかったわけですが、東京選手権の三浦佳生選手のスコアは2位相当に位置します。その日の出来次第ということではありますが、上位で戦うことは可能だった、という力関係になりそうです。

なお、ロシア勢の最高得点は女子のアカチエワ選手です、という日本のブロック大会みたいなことがジュニアグランプリレベルで起きています・・・。

 

○四回転を含む要素でGOEがプラス

Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Ilia MALININ USA 2 4S   9.70   2.63 12.33 2.667
Mikhail SHAIDOROV KAZ 1 4T+3T   13.70   2.38 16.08 2.500
Gleb LUTFULLIN RUS 1 4T   9.50   2.22 11.72 2.375
Gleb LUTFULLIN RUS 2 4S+2T   11.00   2.08 13.08 2.111
Egor RUKHIN RUS 1 4T   9.50   2.04 11.54 2.111
Artem KOVALEV RUS 1 4T   9.50   2.04 11.54 2.111
Wesley CHIU CAN 2 4T   9.50   1.76 11.26 1.889
Ilya YABLOKOV RUS 1 4Lo   10.50   1.80 12.30 1.778
Andrei ANISIMOV RUS 1 4S   9.70   1.66 11.36 1.667
Gleb LUTFULLIN RUS 2 4S+2T   11.00   1.46 12.46 1.500
Gleb LUTFULLIN RUS 3 4S   9.70   0.83 10.53 0.889
Mihhail SELEVKO EST 1 4S   9.70   0.97 10.67 0.889
Gleb LUTFULLIN RUS 3 4S   9.70   0.65 10.35 0.750
Lev VINOKUR ISR 2 4T   9.50   0.41 9.91 0.444

男子はジュニアでも四回転が普通に入ってきます。その中でGOEがプラスの成功ジャンプを決めた選手が10人いました。

入っているジャンプはトーループサルコウが基本。ループという変わり種も一人だけいます。二種類跳んでどちらもGOEプラスの成功ジャンプがあった、という選手になると割と少なくて、ロシアのルフリン選手くらいです。二種類をコンスタントに飛ぶのはまだ難しい。

ちょっと意外なのは、女子ではルッツを飛ぶ選手が結構目立つのに対し、男子のジュニアはルッツを飛ぶ選手はいません。女子はジュニアで完成形であってルッツを飛ぼうとするのに対し、男子はジュニアはまだ過程であって、まずはトーループサルコウから、それが飛べたら種類を増やしていく、というそういった違いがあるのかなあ、と感じました。

 

○イリア マリンイン選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 4T   9.50   -2.31 7.19 -2.444
2 4S   9.70   2.63 12.33 2.667
3 3A   8.00   1.94 9.94 2.444
4 3F   5.30   1.44 6.74 2.778
5 FCCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.333
6 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.667
7 3Aq+1Eu+3S q 14.08 x -0.69 13.39 -0.778
8 3Lz+3Loq q 11.88 x -1.18 10.70 -1.889
9 3Lz+3T   11.11 x 0.76 11.87 1.333
10 FSSp4   3.00   0.47 3.47 1.667
11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.111
  TES   82.87   5.81 88.68  

これは164.04を出したリンツの試合の時の構成です

4回転は2種類2本。トリプルアクセルが2本で、2回飛ぶもう一つのジャンプはトリプルルッツです。

マリンイン選手はルッツループ使いで後半の1.1倍のところにコンビネーションをすべてつぎ込み、3回転6本分を1.1倍にするという面白い構成です。

GOEは+2台が多いです。ジャンプは加点が取れないことも多く、qマークも二つ付きました。

2004年12月生まれの16歳ですのでスケート年齢では三浦佳生選手と同じ世代になります。(日本の学齢ではマリンイン選手の方が一つ上)。年齢的にはオリンピック出場可能ですが、アメリカ国内選手権で、そんな選考をするような結果を出せるでしょうか?

 

ジュニアのグランプリファイナルはシニアと同日開催で、今シーズンはオリンピックシーズンなので、4年に1回、開催地が日本へ回って来るターンです。12月9日より大阪の門真で行われます。男女シングル、日本の枠もありますので、誰が出るのか楽しみです。

 

フィンランディア杯 真打登場のワールドレコード

チャレンジャーシリーズ、一つ中止で飛ばしての第四戦。ここで真打登場。ロシアからのエントリーが入り始めました。チャレンジャーシリーズも各国からの出場は最大3ですが、女子は、やはり圧倒的にロシアが強いです。

 

○女子シングル 上位12人

Pl Name Nation Total SP FS
1 Kamila VALIEVA RUS 249.24 74.93 174.31
2 Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 233.30 81.53 151.77
3 Alena KOSTORNAIA RUS 218.83 78.61 140.22
4 Loena HENDRICKX BEL 212.07 68.82 143.25
5 Anastasiia GUBANOVA GEO 203.91 69.50 134.41
6 Karen CHEN USA 202.49 67.50 134.99
7 Eva-Lotta KIIBUS EST 202.04 64.53 137.51
8 Viktoriia SAFONOVA BLR 187.83 64.26 123.57
9 Madeline SCHIZAS CAN 184.73 59.29 125.44
10 Amber GLENN USA 183.46 60.76 122.70
11 Lindsay van ZUNDERT NED 171.40 57.04 114.36
12 Jenni SAARINEN FIN 168.72 67.05 101.67

当然のようにロシアがワンツースリー。しかしながら、4番手のヘンドリックス選手も210点台に乗せてきていて、フリーのスコアはコストルナヤ選手の上に出て3位です。まあ世界選手権5位の選手ですから驚くにはあたらないのですが。ついでに世界選手権4位のカレンチェン選手も今回6位に入ってますし、この試合はかなりの豪華メンバーだったといえます。

そんな中、シニアの国際大会デビュー戦となったワリエワ選手が史上最高得点で優勝。ショートは割と見かけるスコアでしたがフリーは驚異の170点台です。上位3人は後で詳しく見ます。

今回は7位まで200点に乗るというハイレベルな試合でした。

5位のグバノワ選手は2シーズン前まではロシアとして試合に出ていた選手です。紀平選手と同世代で、ジュニアグランプリファイナルでは、ザギトワ-グバノワ-坂本花織-紀平梨花、なんて並びになったこともある選手。国籍変更して復活。高確率でオリンピックに出てくることになると思います。

カレンチェン選手は9月のオータムクラシックでは170点台に終わりどうしたのか? と思ってましたが、今回はしっかり200点台を出しています。アメリカ3枠は結構激戦ですがどうなるでしょう?

エストニアエバロッタキーバス選手が7位。初の200点超えのパーソナルベストです。少しづつ、この200点前後の選手の層が厚くなってきています。

 

○カミラワリエワ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 4S   9.70   1.78 11.48 1.875
2 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000
3 4T+3T   13.70   3.80 17.50 3.875
4 3Lo   4.90   1.31 6.21 2.750
5 FCSp4   3.20   1.60 4.80 4.875
6 ChSq1   3.00   2.17 5.17 4.250
7 4T+1Eu+3S   15.73 x 3.33 19.06 3.375
8 3F+3T   10.45 x 1.33 11.78 2.375
9 3Lz   6.49 x 1.57 8.06 2.750
10 StSq4   3.90   1.76 5.66 4.125
11 FCCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.750
12 CCoSp4   3.50   1.69 5.19 4.625
  TES   84.47   18.42 102.89  

ワリエワ選手の世界最高得点の構成。4回転3本。そのうちトーループはどちらもコンビネーションで、平均GOEで+3を超える評価を出しています。トリプルアクセルは失敗。要素の中に2回転のジャンプが一つもありません。2回飛ぶジャンプは4回転のトーループと3回転のトーループ。基礎点の84.47は4回転を4本入れたトゥルソワ選手の最高基礎点88.40に届きませんが、技術点102.89はトゥルソワ選手の最高点100.20を上回ります。

その要因はジャンプの質もありますが、スピンステップの驚異的なGOEによる部分が大きいです。FCSpは8人のジャッジのうち7人が満点で得られたスコアは4.80の満点。CCoSpも8人中6人のジャッジが満点です。さらにステップシークエンスもレベル4をしっかり取った上で、GOEが+4を超えていく。四回転三本ある選手がスピンステップでこれだけ加点を取っていったら、誰も太刀打ちできません。その上でPCSも平均9を超える72.42 ここにも死角はありません。

唯一の弱点は、トリプルアクセルが決まってこないこと。これによりショートではトップに出られません。トリプルアクセルをショートフリーで3本飛んで、四回転も最低2本入れられる選手なら、何とか勝負になる、という領域です。後はこれを一シーズン続けられるかどうか?

 

エリザベータトゥクタミシェワ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3Aq+2T q 9.30   -0.67 8.63 -0.750
2 3A   8.00   1.60 9.60 1.875
3 3Lz   5.90   1.77 7.67 2.875
4 3F   5.30   1.41 6.71 2.625
5 FCSp4   3.20   1.07 4.27 3.375
6 StSq3   3.30   1.38 4.68 4.000
7 2A+1Eu+3S   8.91 x 0.86 9.77 2.000
8 3Lz+2A+SEQ   8.10 x 1.77 9.87 3.000
9 3Lo   5.39 x -0.49 4.90 -0.875
10 ChSq1   3.00   1.67 4.67 3.375
11 LSp3   2.40   0.60 3.00 2.375
12 CCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.750
  TES   66.30   12.25 78.55  

トゥクタミシェワ選手はトリプルアクセル2本構成で150点を超えてきました。ここまで点が出せるなら、オリンピックの出場チャンスは十分ありそうです。

実際には技術点はここ数年はこれくらい出していました。トリプルアクセル2本入りは数年続いています。ステップやスピンの加点が前よりいくらかつくかな、という感じはありますが、78.55という技術点は本人比で普通です。伸びたのはPCS ショートの35.64 フリーの73.22はどちらも過去最高得点です。2シーズン前あたりと比べると、PCSがショートフリー合わせて10点以上高い、というのがこの試合の結果でした。PCSの評価が上がったことで230点台まで乗ってきています。ワリエワ選手にはちょっと届かないですが、ロシア選手権の表彰台、というのには十分上がれるチャンスがあるように見えます。これ、四回転がない、というのもポイントで、トリプルアクセルまででもここまでは行くんですよね。

25歳で迎えるロシア選手権。そしてそこを勝ち抜けば、ロシアでは異例の、25歳にしての初めてのオリンピックとなります。

 

○アリョーナコストルナヤ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3A< 6.40   -3.09 3.31 -4.625
2 3Lz   5.90   -1.97 3.93 -3.250
3 3Lo   4.90   1.23 6.13 2.375
4 2A+2T   4.60   0.83 5.43 2.500
5 FCSp4   3.20   0.80 4.00 2.500
6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.750
7 3F+3T   10.45 x 1.94 12.39 3.750
8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.59 12.70 2.875
9 3Lz+REP   4.54 x 1.48 6.02 2.375
10 FCCoSp4   3.50   1.11 4.61 3.125
11 ChSq1   3.00   1.17 4.17 2.250
12 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
  TES   64.40   7.08 71.48  

コストルナヤ選手はトリプルアクセルが回転不足。結果として、シニアデビュー後の国際大会での最低スコアとなってしまいました。ショートでもトリプルアクセルはなし。さすがに、トリプルアクセルも無しで今のロシアで戦うのはちょっと苦しい感じはします。実際にはトリプルアクセル無しのザギトワ選手が239点までは出しているので、代表争いくらいまでは不可能ではないはないのですけど心理的にはかなり苦しい。

ちょっとよくわからない部分もあって、最後のジャンプ、普通にトリプルルッツをリピートしています。まあ、ここまでにジャンプ全部使ってしまっているので、ダブルアクセル入れるよりはトリプルルッツのリピートの方が点が高いししょうがないそのまま入れよう、という感じだったのかもしれませんが、その前のフリップからのコンビネーション二つあたりでもう少し手の打ちようがあったようにも感じました。

まだロシア選手権まで2カ月ちょっとあるので、そこまでにトリプルアクセルをしっかり取り戻せるかもしれませんが、有力選手の中ではトゥクタミシェワ選手に次ぐ18歳4か月で迎えるロシア選手権。ちょっと苦しいかもしれません。

 

なお、この三人はグランプリシリーズの2戦目、スケートカナダにエントリーしていて、そこで紀平梨花選手とぶつかることになります。日本からは他に樋口新葉選手と河辺愛菜選手ですので、トリプルアクセル持ちが何人いるんだこの試合? みたいなことになってます。アリサリュウ選手もいます。

 

○男子シングル 上位12人

Pl Name Nation Total SP FS
1 Jason BROWN USA 262.52 92.39 170.13
2 Mikhail KOLYADA RUS 256.98 82.75 174.23
3 Dmitri ALIEV RUS 249.25 78.28 170.97
4 Keegan MESSING CAN 242.58 92.39 150.19
5 Evgeni SEMENENKO RUS 242.23 69.63 172.60
6 Matteo RIZZO ITA 238.75 62.57 176.18
7 Arlet LEVANDI EST 222.61 70.14 152.47
8 Lukas BRITSCHGI SUI 211.09 65.28 145.81
9 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE ESP 210.36 70.13 140.23
10 Gabriele FRANGIPANI ITA 209.25 73.37 135.88
11 Luc ECONOMIDES FRA 207.69 68.99 138.70
12 Nikita STAROSTIN GER 205.60 70.20 135.40

男子はジェイソンブラウン選手が優勝しました。ショートフリー共に四回転無しの構成で260点までもってきています。

ロシア勢が2位3位。オリンピック代表選考がどうなるか? という厳しい国の厳しいラインのあたりにいる選手が上位に並んでいます。

 

○ジェイソンブラウン選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3F   5.30   2.21 7.51 4.125
2 3A+2T   9.30   1.33 10.63 1.750
3 3A   8.00   -4.00 4.00 -5.000
4 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
5 3Lo   4.90   0.90 5.80 2.000
6 3F+2T   7.26 x 0.97 8.23 1.875
7 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.38 13.15 2.375
8 ChSq1   3.00   2.33 5.33 4.625
9 2A   3.63 x 0.94 4.57 2.875
10 FCCoSp4   3.50   1.34 4.84 3.750
11 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.125
12 CCSp4   3.20   1.49 4.69 4.625
  TES   67.26   11.85 79.11  

ジェイソンブラウン選手は四回転無し構成です。ステップとコレオでどちらもGOE+4超え、スピンも4を超えたものが二つあり、ジャンプでも単独三回転ではありますが4を超えた要素があります。これでトリプルアクセルもしっかり決まってくれば非常に高い完成度のプログラムを見ることができるのですが、その一点だけが残念でした。

こういう戦い方もあるし、これもフィギュアスケートの一つの形であり、こういう選手が長く世界の一線で活躍していることに、非常に大きな価値があると思っています。

 

次週はアジアで唯一のチャレンジャーシリーズ、北京オリンピックの準備試合、アジアンオープンフィギュアがあります。紀平梨花選手は外れましたが、坂本花織選手、三原舞依選手が二人でエントリー、男子では鍵山優真選手と佐藤駿選手、男女とも割と仲のいい二人組でエントリーです。男子はボーヤンジン選手、チャジュンファン選手といったアジアのトップ選手も参加します

一方ヨーロッパでは、単なる国際B級試合ではあるのですが、ブダペストトロフィーに、現世界チャンピオンのシェルバコワ選手がエントリーしています。ロシアからは他に、シニアの国際大会デビュー戦になるフロミフ選手に、かつてのヨーロッパチャンピオンのサムドゥロワ選手もエントリーしています。そちらも注目です。

 

 

 

東京選手権 順当勝ち

東京選手権は、シードや免除で出場しないトップ選手が結構いました。羽生結弦選手も出たことないですが、理論上は東京ブロック所属のはずかな? 出ることはないでしょうけれど。

そんな中出場した選手たちは、割と順当勝ちかな、という結果を出してきています。

 

○女子シングル シニア(上位18人)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 宮  原  知  子 木下グループ 208.85 72.30 136.55
2 渡  辺  倫  果 法政大学 182.67 64.38 118.29
3 松  原      星 明治大学 171.44 54.30 117.14
4 川  畑  和  愛 早稲田大学 170.42 66.26 104.16
5 青  木  祐  奈 日本大学 168.15 64.14 104.01
6 海  津  あすか 東洋大学 153.48 53.70 99.78
7 井  上  千  尋 明治大学 150.50 47.85 102.65
8 横  谷  杏  林 東京歯科大学 145.44 45.78 99.66
9 堀  見  華  那 明治大学 142.02 48.27 93.75
10 佐  上      黎 法政大学 141.40 47.59 93.81
11 増  田  未  夢 東洋大学 140.96 44.28 96.68
12 本  田  真  凜 JAL 140.70 53.58 87.12
13 依  田  茉里紗 日本大学 140.18 48.02 92.16
14 廣  田  彩  乃 専修大学 136.44 47.25 89.19
15 佐  藤  伊  吹 明治大学 132.94 48.52 84.42
16 村  田  直  美 日本大学 132.45 42.29 90.16
17 樋  口  瑞  保 法政大学 132.35 43.28 89.07
18 松  下  紗  千 日本大学 131.61 45.72 85.89

女子シングルシニアの東日本進出枠は16 わかりにくいのですが、この16の中に、ジャパンオープンに出場してこの大会が免除になっている樋口新葉選手を含みますが、逆に宮原知子選手はシード選手なので枠の中には入りません。結果的に見た目通りの16位までの選手が東日本へ進出できることになります。

優勝は宮原知子選手。本人が自分で言ってましたが、宮原選手が東京選手権にいるのは違和感しかないです。スコア208.85 とびぬけてますが本人実績からするとまずまず位のスコアなんでしょうか。ショートフリー合わせて、回転の足りたセカンド三回転がないなど、課題を完全克服は出来ていませんが、それでもこれくらいのスコアが出てきます。6つある地方選手権では、結局この宮原知子選手の208.85が最高得点でした。オリンピック三枠目を狙う選手たちにとって、まずこの得点が一つの基準点になってきます。

2位に入ったのは渡辺倫果選手。ショートでは技術点は宮原選手を超えてトップでした。フリーで3つ目の要素にトリプルアクセルを入れてきましたが、ダウングレード扱いと決めることは出来ませんでした。182.67はパーソナルベスト相当です。ユニバーシアード代表。他国のメンバーはわかりませんが、オリンピックシーズンであることも考えると、180点台の実績があれば表彰台チャンスくらいは回ってくるかもしれません。

全日本常連の松原星選手は、フリーで.1倍のところにセカンド3回転を2つ投入して逆転表彰台です。

全日本表彰台経験のある川畑和愛選手は、ケガ明けとのことでセカンド三回転を構成入れられずスコアが伸びずの4位。5位にはかつての全日本ノービス優勝者青木祐奈選手が入って来ました。

かつての世界ジュニアチャンピオン、本田真凜さんは12位。3回転がしっかり入らないという状態で、スコアは伸びてきませんでした。

 

宮原知子選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3Lz<+2T 6.02   -0.47 5.55 -1.000
2 2A   3.30   0.99 4.29 2.800
3 3Lo   4.90   0.98 5.88 1.800
4 ChSq1   3.00   1.67 4.67 3.400
5 3S   4.30   1.00 5.30 2.400
6 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
7 3Fq+2T+2Lo q 9.13 X -0.18 8.95 -0.400
8 3Lz   6.49 X 1.18 7.67 2.000
9 CCoSp4   3.50   0.93 4.43 2.600
10 2A+3T< 7.33 X -0.34 6.99 -1.000
11 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
12 LSp4   2.70   1.17 3.87 4.200
  TES   57.77   9.45 67.22  

宮原選手は冒頭のコンビネーションでルッツが回転不足。そのまま付けたコンビネーションは2回転になっています。最後のジャンプはダブルアクセルからのコンビネーション。全日本初優勝の頃からの得点源ですが、これもセカンド三回転が回転不足。ジャンプが決まらない、というのは、だいぶ改善された感じではあるものの、セカンド三回転付きのコンビネーションをしっかり決める、というところまでは来ていません。それでもPCSが出ることもあって210点近いところまで来ます。他の選手は、最低線ここまで点が出ないとオリンピックはなさそうに見える。一方、宮原選手視点で見れば、回転不足の二つや三つあっても210点近いところまで行く、というのが去年もそうで今年もそう、という流れ出来ていますが、ここで回転不足の解消までできれば、220点が見えて、2回目のオリンピックがかなり近づいてくるわけです。

スピンステップはショートも含めてオールレベル4 そういうところできっちりとってきてPCSも高い。若手の壁としてしっかり立ちはだかっている、という立ち位置になっています。

 

○男子シングル シニア

Pl Name 所属 Total SP FS
1 長谷川  一  輝 東京理科大学 175.41 61.76 113.65
2 石  塚  玲  雄 早稲田大学 172.97 57.46 115.51
3 山  隈  太一朗 明治大学 153.60 50.26 103.34
4 古  庄  優  雅 日本大学 151.69 48.83 102.86
5 佐  藤  由  基 日本大学 142.48 50.03 92.45
6 堀  義  正 明治大学 140.26 49.30 90.96
7 松  井  努  夢 明治大学 132.29 45.27 87.02
8 緑  川  諒  人 日本大学 121.03 44.14 76.89
9 鈴  木  楽  人 法政大学 120.16 38.32 81.84
10 福  島  寛  輝 専修大学 108.99 36.70 72.29
11 齋  藤      翔 法政大学 106.75 41.77 64.98

男子シングルのシニアは東日本の進出枠が21ありますので、フリーまで滑り切った11人は全員東日本へ進むことになります。

優勝は東京理科大学基礎工学部材料工学科の長谷川一輝選手。スケートエリートの道ではないですが、科学エリートの一角を担う道を歩きながら、東京選手権を制しました。全日本の出場経験もある選手ですし、驚くことでもないのですが、所属:東京理科大学で優勝されると驚いてしまいます。

 

○女子シングルジュニア(上位12人)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 住  吉  りをん 駒場学園高校 176.57 60.17 116.40
2 中  井  亜  美 MFアカデミー 166.08 60.17 105.91
3 髙  木      謠 MFアカデミー 142.48 52.44 90.04
4 奥  野  友莉菜 明治神宮外苑FSC 135.81 53.87 81.94
5 元  榮  愛  子 目黒日本大学高等学校 134.01 48.76 85.25
6 日  比  優  花 西武東伏見FSC 127.05 46.27 80.78
7 新  井  美  海 明治神宮外苑FSC 121.97 43.64 78.33
8 穂  積  乃  愛 駒場学園高校 112.70 37.52 75.18
9 井  瀧  梨  杏 西武東伏見FSC 110.51 42.90 67.61
10 三  木  音  葉 西武東伏見FSC 109.02 37.38 71.64
11 今  瀬  ひより MFアカデミー 105.25 38.56 66.69
12 村  上  姫  菜 西武東伏見FSC 101.18 36.24 64.94

女子シングルジュニアの東日本進出枠は10です。

優勝は18歳、高校三年生になった住吉りをん選手。ショートは1位が同点で技術点の差で順位が決まるという、かつて本田真凜さんが世界ジュニアで優勝した時を思い出させられるシチュエーションから、フリーでスコアを伸ばし優勝しました。

2位は今シーズンからジュニアに上がった中井亜美選手。フリーではトリプルアクセルに挑戦したようですが、2回転半扱いからのダウングレードということで、決まっていません。まだもう少し時間がかかるでしょうか。

3位もMFアカデミー勢の髙木謠選手が入ってきています。

 

○中井亜美選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 2A<< <<  1.10   -0.55 0.55 -4.600
2 3Lz!+3T ! 10.10   0.20 10.30 0.200
3 3Lo   4.90   0.82 5.72 1.600
4 2A+3T   7.50   0.42 7.92 0.800
5 FSSp4   3.00   0.70 3.70 2.400
6 3F!+1Eu+3S ! 11.11 X -0.18 10.93 -0.600
7 2A* * 0.00 X 0.00 0.00  
8 StSq3   3.30   0.66 3.96 1.800
9 3Lz! ! 6.49 X -0.20 6.29 -0.200
10 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
11 LSp3   2.40   0.48 2.88 2.000
  TES   53.40   3.05 56.45  

冒頭にトリプルアクセルを挑んだようですが、ダブルアクセル扱いのダウングレード、ということで点数がほとんどなくなってしまいました。さらに、普通に構成に入っているダブルアクセルは、その理由で二つ目が3回目扱いになりノーカウント。そういった形でスコアをだいぶロスしてしまっています。

2回飛んだジャンプはルッツとトーループ。セカンドトーループを活かす構成です。

ただ、合わせて3回入っているルッツとフリップですべて!がつくという、片方が苦手ではなく、どちらも踏切が不明瞭という状態です。コロナの影響で国際舞台をこの世代はまだ経験出来ていないのですが、国際舞台では!からeに進化して、基礎点から削られないか心配ではあります。

 

○男子シングル ジュニア(上位13人)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 三  浦  佳  生 目黒日本大学高等学校 235.73 80.74 154.99
2 大  島  光  翔 明治大学 191.55 67.91 123.64
3 門  脇  慧  丞 法政大学 161.82 52.13 109.69
4 小田垣      櫻 目黒日本大学高等学校 149.92 49.83 100.09
5 木  村  智  貴 西武東伏見FSC 147.79 51.17 96.62
6 菊  地  竜  生 目黒日本大学高等学校 145.54 53.28 92.26
7 周  藤      集 MFアカデミー 144.65 52.92 91.73
8 矢  島      司 駒場学園高校 139.28 50.15 89.13
9 北  村  凌  大 MFアカデミー 134.90 45.00 89.90
10 藤  城  柊  治 ID学園高等学校 133.31 48.43 84.88
11 田  中  蓮  音 東大和FSC 133.16 45.51 87.65
12 加  藤  海  里 MFアカデミー 129.65 44.97 84.68
13 廣  田  聖  幸 早稲田大学 119.34 43.01 76.33

男子シングルのジュニアは東日本の進出枠は11にプラスしてシードの三浦佳生選手分まであるので実質12です。

三浦佳生選手の圧勝。235.73は今年の地方選手権のジュニアのスコアとしては断トツの点数です。シニアまで含めても鍵山優真選手に次いで2番目。全日本へはジュニアコースですが、今シーズンはシニアのNHK杯に推薦出場も決まりました。これは来シーズンに向けてランキングポイントも稼げるので大きいです。また、世界ジュニアの代表には問題なくなれると思いますので、そちらでの活躍も期待したいです。

今シーズンは、昨シーズン世界ジュニアが中止されたり、世界ジュニアが3枠あったりする関係からか、大学生のジュニアエントリー選手が目立つ印象です。その一人、明治大学の大島光翔選手が2位。191.55は地方大会のジュニア全体としても2番目。つまり、全日本ジュニアの表彰台の可能性がある位置であり、世界ジュニアが狙える位置でもあります。

ただ、世界ジュニアは、個人的には、鍵山優真選手か佐藤駿選手か、オリンピック外れた選手が回ってくる可能性も高いような感じもしています(四大陸にまわすかもしれませんが。世界ジュニアの枠も欲しい)

 

○三浦佳生選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3A   8.00   2.67 10.67 3.400
2 4S   9.70   2.59 12.29 2.600
3 4T+3T   13.70   3.48 17.18 3.800
4 FCSp4   3.20   0.96 4.16 2.800
5 3A+1Eu+3F   13.80   0.27 14.07 0.600
6 4T< 8.36 X -3.80 4.56 -5.000
7 3F* * 0.00 X 0.00 0.00  
8 CSSp4   3.00   0.80 3.80 2.600
9 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.800
10 3Lz+1T<< <<  6.49 X -1.77 4.72 -3.000
11 CCoSp3   3.00   0.70 3.70 2.400
  TES   72.55   6.78 79.33  

四回転三本ですが、三本目は回転不足で転倒でした。トリプルアクセル2本は成功。四回転トーループからのコンビネーションは平均GOE+3.800と高評価でした。

うっかりミス? なのかトリプルフリップがノーカウントの零点。四回転トーループが2回、トリプルアクセルも2回、普通に飛んでいる後に、トリプルフリップの2回目を入れるという、2回目ジャンプ3種類目で零点です。四回転フリップを飛ぶつもりだった、ということはないと思うのですが、なんでしょうこれ? サルコウジャンプ余ってますし、ループもあまってますので、普通に組み替えれば普通にもっと点が入るはずです。

フリーの154.99というスコアは、今年のジュニアグランプリシリーズと比べると2番目に相当するスコアです。フリップの零点をループでそれなりに点数が入った、というところまで仮定すれば160点を超えるところまでは行きます。しっかり滑れば世界ジュニアの表彰台が見える位置にいます。ジュニアグランプリシリーズ、派遣無しが非常に残念でした。

 

○女子シングル ノービスA(上位7人)

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 鳥  居  琴  子 明治神宮外苑FSC 77.26 38.69 39.07
2 牛  山  胡  香 MFアカデミー 72.97 33.47 40.00
3 北  見      奏 MFアカデミー 71.61 35.48 36.13
4 吉  田  茉  優 明治神宮外苑FSC 67.95 31.55 36.40
5 髙  園  青  依 MFアカデミー 66.41 28.00 38.41
6 長  山  桃  子 MFアカデミー 65.56 29.03 36.53
7 吉  野  心  菜 東京女子学院 64.38 32.52 31.86

女子シングルノービスAの全日本進出枠は5です。推薦選手もいませんし、意外と枠の少ない東京ブロックの女子ノービスAです。優勝はMFアカデミー勢を抑えた神宮外苑の鳥居琴子選手。昨年は東京ブロックで7位で全日本ノービスAに出られなかった選手が、リベンジを果たした形になりました。

 

○男子シングル ノービスA(上位10人)

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 蛯  原  大  弥 東京YC 91.06 45.90 45.16
2 中  田  璃  士 西武東伏見FSC 90.19 38.05 53.14
3 池  田      立 MFアカデミー 71.95 30.27 41.68
4 神  田  龍之介 明治神宮外苑FSC 69.53 27.69 41.84
5 早  川      潤 西武東伏見FSC 66.29 26.63 40.66
6 萩  原  颯  希 東大和FSC 63.06 22.06 41.00
7 浜  中  玲  旺 明治神宮外苑FSC 61.81 25.13 37.18
8 齊  藤  佑太朗 明治神宮外苑FSC 58.81 20.67 38.14
9 鷲  見      玄 西武東伏見FSC 52.79 19.63 33.16
10 清  水      丈 明治神宮外苑FSC 52.17 15.51 37.16

男子シングルノービスAの全日本進出枠は7プラス推薦選手が1人いるので実質8です。

優勝は91.06の蛯原大弥選手。2位に90.19で中田璃士選手が入りました。この二人が今回の六地区全体のノービスAのスコア上位2人になっています。全日本ノービスでも優勝争いをすることになると思われます。

 

○女子シングル ノービスB(上位8人)

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 大  竹  沙  歩 MFアカデミー 71.17 34.98 37.19
2 山  中  陽菜乃 江戸川クラブ 61.16 26.09 35.07
3 野  田  めぐみ 明治神宮外苑FSC 55.10 28.17 26.93
4 小  山  美  海 MFアカデミー 55.06 23.46 31.60
5 久  保  舞  華 MFアカデミー 51.16 22.09 29.07
6 茂  優  碧 青梅フィギュア 48.15 21.08 27.07
7 清  水  恵  茉 明治神宮外苑FSC 47.58 20.78 26.80
8 山  田  ナオミ 明治神宮外苑FSC 45.67 18.48 27.19

女子シングルノービスBは全日本進出枠は6です。ここはMFアカデミー勢から大竹沙歩選手が71.17で優勝。6つのブロック大会の中で、この71.17は全体2番目のスコアになります。

 

○男子シングル ノービスB

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 山  本  航  成 西武東伏見FSC 65.31 26.13 39.18
2 吉  野  咲太朗 西武東伏見FSC 63.43 25.43 38.00
3 長谷川  結  音 MFアカデミー 50.86 18.54 32.32
4 德  下  隼  央 西武東伏見FSC 43.15 14.81 28.34
5 鈴  木      聡 西武東伏見FSC 41.57 16.41 25.16
6 小  川  眞  生 明治神宮外苑FSC 39.03 12.19 26.84
7 箕  内  世  煌 MFアカデミー 38.15 13.65 24.50
8 矢  島      弦 西武東伏見FSC 38.03 11.53 27.00
9 彼  末  武  琉 明治神宮外苑FSC 30.77 9.29 23.48

男子シングルのノービスBは東伏見神宮外苑の対抗戦にMFアカデミーが新規参入という三つ巴の闘い。ノービスは所属名を学校名にする選手がいないので、はっきりこういう構図が出やすいです。

全日本ノービスBへの進出枠は5です

優勝は山本航成選手。ノービスB 1年目の選手です。まだ構成にダブルアクセル以上のジャンプがありませんが、その中で全要素プラス評価を受け、高い得点を出してきています。

 

これで6ブロックの地区大会が終了しました。次は全日本ノービスが10月23・24の日程で行われます。ジュニア以上の選手は、その次の週、10月29日からの東日本選手権や11月5日からの西日本選手権へ進むことになります。

 

 

近畿選手権 あるいは木下アカデミー成果報告会

近畿選手権は、本来なら出る必要のないトップ選手が出てきたシニアは、なかなか見かけないひどい結果もありましたが、ジュニア以下では素晴らしい滑りが見られました。そして、そのジュニア以下では木下アカデミー勢が席巻しています。

 

○女子シングル シニア(上位15人)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 坂  本  花  織 シスメックス 192.14 72.02 120.12
2 河  辺  愛  菜 木下アカデミー 184.14 65.16 118.98
3 籠  谷  歩  未 同志社大学 163.87 56.80 107.07
4 白  岩  優  奈 関西大学 159.99 51.89 108.10
5 野  口  望々花 関西学院大学 139.81 49.30 90.51
6 森  下  実  咲 関西大学 139.31 49.47 89.84
7 加  藤  日向子 同志社大学 135.68 48.66 87.02
8 高  村  幸  来 臨海フィギュアSC 131.81 48.72 83.09
9 小  嶋  孝  夏 西宮甲英高等学院 127.54 46.57 80.97
10 片  平  陽  冬 立命館大学 117.66 40.24 77.42
11 三  善  友  奈 立命館大学 117.10 41.90 75.20
12 井  上  晴  絵 立命館大学 114.28 38.35 75.93
13 杉  田  明花里 同志社女子大学 109.68 35.74 73.94
14 久  保  舞  和 関西大学 109.48 35.99 73.49
15 藤  由妃乃 同志社大学 106.83 37.44 69.39

女子シングルのシニアの西日本への進出枠は12ですが、シードの坂本花織選手を含まないため、順位としては13位まで進めることになります。

優勝は坂本花織選手、というところまでは普通ですが、そのスコアが192.14 大崩れした2シーズン前の全日本選手権以来の200点割れです。ショートはまずまずでしたがフリーがなかなかひどかった。コンビネーションは一つだけ、スピンは1Vが二つというめったに見られないものが出ています。坂本選手にとってはほんとにただの調整試合とはいえ、なかなかひどい。そういえばこの選手はたくさんの試合をこなして合わせたい試合に合わせていく、というスタイルでした。今シーズンは大会が何とか開催されていることでそのスタイルを取り戻せている、と言えるかもしれませんし、大事なところにはきっと合わせてくれるのでしょう。

2位には木下アカデミーから河辺愛菜選手が入りました。ショートでトリプルアクセル成功。フリーは転倒にこそなりませんでしたがqマーク付きでGOEは実質-5 ショートフリーと2本そろえることは出来ませんでした。大逆転のオリンピックを目指すにはショートフリーで2本そろえるのがたぶん最低条件になってきそうなのですが、あと2カ月半でそこまで持っていけるかどうか。

3位は坂本選手と同門の籠谷歩未選手が入りました。全日本出場経験もある選手。来週北京に行くことになったため欠場した三原舞依選手の代わりに中野組を盛り上げました。

白岩優奈選手が4位。グランプリ常連組だったのですが、最近はうまくいっておらず心配です。今回もショートフリー通じて、構成にセカンド三回転がありませんでした。ジュニアの頃はセカンドループも跳んでいた選手なのですが。ノービスからジュニアに上がったころは、黄金世代というような見方をされていたこの本田真凜、白岩優奈、青木祐奈といった現在の大学2年生世代が、シニアに上がるというか高校生になったあたりから結果がついてこずに苦しんでいるのを見るのが何だか悲しいです。こんなところでロシアに似なくていい・・

 

○男子シングル シニア

Pl Name 所属 Total SP FS
1 友  野  一  希 セントラルスポーツ 201.24 75.90 125.34
2 本  田  ルーカス剛史 木下アカデミー 176.28 63.12 113.16
3 櫛  田  一  樹 関西学院大学 175.82 65.22 110.60
4 森  口  澄  士 木下アカデミー 167.90 65.85 102.05
5 須  本  光  希 関西大学 165.25 60.43 104.82
6 辻  村  岳  也 同志社大学 146.27 47.22 99.05
7 木  科  雄  登 関西大学 127.84 40.30 87.54
8 前  川  裕  士 大阪市立大学FSC 72.90 20.55 52.35

男子シングルは西日本への通過枠が14ありますので、出場全選手が通過となります。

優勝は友野一希選手。それは誰もが予想通りかと思いますが、スコアは201.24と低調も低調。フリーは四回転トーループは転倒、次の四回転サルコウは回転不足、次の要素のトーループは2回転に。スピンも2Vとか1Vとか、ほとんど見たことないようなレベルがついています。これ以上悪い結果なんてなかなか出せないというくらい散々でした。グランプリ2戦での復調が期待されます。

2位は、この優勝スコアなら優勝するチャンスもあった本田ルーカス剛史選手。ショートから崩れていましたが、フリーも冒頭の四回転は三回転になり、その結果として最後に飛んだコンビネーションのトリプルトーループがノーカウントになるわ、アクセルは抜けて半回転で零点だったり、もう一回飛びなおそうと入れたら今度は一回転半になったり、最後のスピンも零点だったりと、こちらもこちらで散々でした。本田ルーカス剛史選手もチャレンジャーシリーズですが国際大会の派遣があり、西日本免除ですから問題なく全日本には出られるはずなのですが、今回はひどい躓いた試合となりました。

 

○女子シングル ジュニア(上位12人)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 櫛  田  育  良 木下アカデミー 183.47 62.80 120.67
2 柴  山      歩 木下アカデミー 179.97 64.20 115.77
3 吉  田  陽  菜 木下アカデミー 178.41 54.22 124.19
4 大  門  桜  子 木下アカデミー 169.52 58.52 111.00
5 田  中  梓  沙 木下アカデミー 166.07 58.59 107.48
6 清  水  咲  衣 大阪スケート倶楽部 147.97 51.04 96.93
7 岩  崎  陽  菜 なみはやクラブ 140.38 54.14 86.24
8 吉  本      玲 神戸クラブ 133.19 49.02 84.17
9 緒  方  美  揺 ひょうご西宮FSC 132.25 46.36 85.89
10 柚  木  心  結 京都宇治FSC 132.09 47.58 84.51
11 高  橋  萌  音 神戸クラブ 128.38 40.97 87.41
12 杉  山  菜  那 京都宇治FSC 128.01 40.97 87.04

関東選手権の女子シングルジュニアとならぶ、全国でも最多の65人が出場した女子シングルのジュニア。西日本への通過枠は10 ただし吉田陽菜選手はシード扱いなので、枠外扱いになるはずです。上位は木下アカデミーの選手が占めました。

優勝は櫛田育良選手。ショートフリー共にパーソナルベスト相当のスコアです。昨年は全日本ノービスで4位、全日本ジュニアでは12位。島田麻央選手や柴山歩選手の影にやや隠れがちでしたが、今回は180点台の高スコアで優勝しました。

柴山歩選手は2位。ショート1位で折り返しましたが、フリーはトリプルアクセルがダウングレードので転倒。結局これが致命傷となり勝ち切れませんでした。ただ、この段階では勝ち負けにこだわるより、トリプルアクセルを飛びに行くことの方がたぶん価値があるのだろうと思います。

3位は吉田陽菜選手。ショートはジャンプが決まらず5位スタートでしたが、フリーはトリプルアクセル2本を決めてきました。一つ目はセカンドでトリプルトーループまでついています。ただ、スコア的には3連続ジャンプが入らなかったことなどで期待ほどは伸びず、本人比では普通の点数で終わりました。世界ジュニアの枠は2つしかありませんので、3位では届きません。トリプルアクセル2本決めても、他を揃えないと世界ジュニアにも出られない。そんな時代になってきました。

 

○櫛田育良選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3Lz+3T   10.10   0.98 11.08 1.600
2 3S+3T   8.50   1.15 9.65 2.400
3 3Lz   5.90   1.38 7.28 2.400
4 FSSp3   2.60   0.43 3.03 1.800
5 2A   3.30   0.66 3.96 2.200
6 StSq3   3.30   0.44 3.74 1.400
7 3F   5.83 X 1.59 7.42 2.600
8 LSp4   2.70   0.54 3.24 2.200
9 3Lo   5.39 X 0.82 6.21 1.600
10 2A+2T+2Lo   6.93 X 0.33 7.26 0.800
11 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.200
  TES   58.05   9.02 67.07  

櫛田選手は冒頭からトリプル-トリプルを二つ入れるという構成になっています。3本目にトリプルルッツ。ということで2回飛ぶジャンプはルッツとトーループです。結果的に.1倍のところが、3連続を入れてはいるもののやや弱く、ボーナス利用度がすくなくなっています。

今回のフリーは全要素プラス評価。強かったです。

 

○吉田陽菜選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3A+3T   12.20   1.33 13.53 1.800
2 3A   8.00   1.60 9.60 1.800
3 3F! ! 5.30   0.18 5.48 0.400
4 3Lo   4.90   1.31 6.21 2.600
5 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
6 3Lz+2T   7.92 X 0.59 8.51 1.000
7 3Lz   6.49 X 1.18 7.67 1.600
8 3S   4.73 X -0.14 4.59 -0.400
9 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.600
10 SSp3   2.10   0.56 2.66 2.800
11 FCCoSp4V   2.63   0.53 3.16 1.800
  TES   61.07   8.72 69.79  

吉田陽菜選手はトリプルアクセル2本を決めてきました。しかも一つ目はセカンドトリプル付。紀平梨花選手の全日本ジュニア優勝時の演技を思い起こさせます。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツ。これ以上はないという構成です。

ただ、終盤息切れしましたでしょうか。3連続が結局はいらず、最後の方のスピンはレベル3と4V この辺をしっかり決められれば技術点が70点台後半まで来て130点台まで乗ってくるのですが、今回はそこまでのものにはなりませんでした。ただ、そうはいってもやはりトリプルアクセル2本は驚異的。今シーズンはこれで5本飛んで5本とも着氷、4本はGOEプラスの成功ジャンプです。GOEマイナスの一本は、シニアカテゴリーの試合のショートでとんだものだけでした。トリプルアクセルの成功率がかなり高くなっています。なので、ショートで失敗しがちなのが惜しいです。来シーズン以降を考えると、どうしても世界ジュニアには出て、上位に入り、出来るだけランキングを上げておきたい。そのためにはトリプルアクセルの前に、ショートの安定感を高めることが求められていそうです。

 

○男子シングル ジュニア(上位18人)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 中  村  俊  介 木下アカデミー 183.91 68.81 115.10
2 壷  井  達  也 神戸大学 173.08 79.51 93.57
3 吉  岡      希 西宮甲英高等学院 170.51 59.57 110.94
4 片伊勢      武 神戸クラブ 165.78 64.79 100.99
5 垣  内  珀  琉 ひょうご西宮FSC 159.64 53.10 106.54
6 森  本  涼  雅 木下アカデミー 152.14 47.61 104.53
7 朝  賀  俊太朗 木下アカデミー 147.53 61.04 86.49
8 小  林      隼 滋賀短期大学附属高校 146.07 52.06 94.01
9 小  島  志  凰 浪速中・高スケート部 138.75 46.17 92.58
10 磯  和  大  智 京都宇治FSC 127.32 39.34 87.98
11 磯  和  大  雅 京都宇治FSC 116.73 45.50 71.23
12 石  原  弘  斗 京都宇治FSC 114.72 42.05 72.67
13 織  田  信  義 大阪スケート倶楽部 114.21 42.56 71.65
14 定  山  照  永 臨海フィギュアSC 110.79 45.48 65.31
15 佐  藤      光 ひょうご西宮FSC 108.52 43.57 64.95
16 生  田  琉  悟 大阪スケート倶楽部 102.59 37.60 64.99
17 森  岡  知  也 京都アクアリーナSC 100.44 36.88 63.56
18 髙  木  航  太 臨海フィギュアSC 99.15 36.68 62.47

男子シングルのジュニアは西日本への進出枠が17あります。

優勝は、ここでも木下アカデミーからの中村俊介選手でした。昨年の全日本ジュニアが6位、全日本選手権で17位だった選手です。16歳の高校1年生。四回転トーループで転倒していますし、本人としては納得いっていないようですが、このスコアは今シーズンの成績としては全日本ジュニアで表彰台が狙える位置にいます。男子は3つある世界ジュニアの枠。鍵山選手や佐藤駿選手の出戻り、なんてことが無ければ十分チャンスのある位置にいます。

全日本ジュニア優勝経験もある壺井達也選手が2位。神戸大学への進学の受験勉強でしばらく練習できていなかったとか。今回はフリーで四回転サルコウトリプルアクセルはじめ各種ジャンプが決まらず苦しみました。

3位の吉岡希選手は冒頭の四回転トーループこそ決まりましたが、以降のジャンプは今一つ。

上位選手がジャンプに苦しむ大会だったという印象です。

なお、最近はあまり話題に上らなくなっていますが、13位の織田信義選手は織田信成さんの甥です。無事に西日本選手権へ進出しましたが、全日本ジュニアはこのスコアだと苦しいです。ショートフリー合わせて構成に入っている3回転が4つ、回転が足りたのはそのうちの1つだけ、ということですので、ちょっと力的には厳しそうです。

 

○女子シングル ノービスA(上位12人)

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 島  田  麻  央 木下アカデミー 120.83 70.17 50.66
2 村  上  遥  奈 木下アカデミー 96.55 53.61 42.94
3 嶋  田  愛  和 関西大学KFSC 68.79 34.93 33.86
4 北  谷  美  結 京都宇治FSC 63.80 30.13 34.67
5 柚  木  心  春 京都宇治FSC 63.52 28.85 34.67
6 北  村  かえで 関西大学中・高スケート部 63.09 29.05 34.54
7 大  山  莉  奈 神戸クラブ 62.47 29.14 33.33
8 藤  原  ゆりあ 京都宇治FSC 61.49 26.55 34.94
9 豊  島  小  晴 尼崎スポーツの森FSC 60.80 27.34 33.46
10 乾  汐  希 ひょうご西宮FSC 60.34 26.61 33.73
11 池  田      希 尼崎スポーツの森FSC 58.76 29.56 29.20
12 大  石  釉  菜 大阪スケート倶楽部 58.13 27.56 31.07

女子シングルのノービスAの全日本への進出枠は7にプラスして推薦枠の2人分もあるので9位まであります。

島田麻央選手の圧勝。120.83はノービスA新記録。今年の近畿選手権でこれより上の点を出した選手はジュニアの吉田陽菜選手と男子シングルの友野一希選手しかいません。技術点の70.17は男女通じて全選手中最高点。全地方大会を通じても男子で3人、女子では松生理乃選手一人しかこれより上のスコアはありません。

2位の村上遥奈選手の96.55というのもいつもの年なら十分に高いスコアなのですが、島田麻央選手の前でかすんでしまいました。ただ、全日本ノービスで表彰台チャンスのあるスコアですし、そうなると必然的に全日本ジュニアの出場権が回ってくる可能性のあるスコアでもあります。

 

○島田麻央選手の構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 4T   9.50   1.90 11.40 2.200
2 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 2.800
3 3F   5.30   1.24 6.54 2.200
4 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
5 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.000
6 2A+3T+2T   9.68 X 0.56 10.24 1.200
7 3Lz   6.49 X 1.77 8.26 2.800
8 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.600
9 FSSp3   2.60   0.52 3.12 2.000
10 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.200
  TES   58.07   12.10 70.17  

冒頭の四回転トーループをGOEで+2.2という高い評価を受けて決めました。

島田麻央選手がすごいのは、そのジャンプ一本だけでなく、トータルに評価が高いこと。三連続ジャンプ以外はすべて平均GOEが+2.00以上あります。

ノービスAなので、まだ要素は10個しかなく、コンビネーションと1.1倍は二つしかありません。その状態で70.17という技術点を出しているわけです。ここにシニアルールで3S+2Tとコレオを足したりすれば技術点80点を超えてきます。

まだノービスA シニアに上がるのは3シーズン後です。それまで四回転が飛べているか? というのは確かにわかりませんが、ジャンプだけではなく他の要素が高水準で安定しているので、仮に四回転が無くても上位に残っていられるのだろうと思います。願わくば、寿命の長い選手として活躍してほしいです。おそらく今シーズンは2月か3月に国際大会の派遣があると思いますので、そこで結果を出す姿も見たいです。

 

○男子シングル ノービスA

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 高  橋  星  名 京都宇治FSC 86.03 39.37 47.16
2 芳  岡  優  希 木下アカデミー 83.99 40.31 44.18
3 向  野      慶 神戸ポートアイランドクラブ 74.92 31.22 44.20
4 柴  山  旺  大 京都宇治FSC 69.02 31.02 38.00
5 飛  永  恭  兵 大阪スケート倶楽部 62.40 24.56 38.34
6 水  越  遼  弥 なみはやクラブ 61.99 23.15 38.84
7 山  田  志太朗 関西スケーティングC 53.04 18.70 34.84
8 西  谷  永  遠 関西大学KFSC 46.35 17.01 30.84
9 大  内  幹  太 尼崎スポーツの森FSC 34.71 8.23 26.98

男子シングルのノービスAからの全日本ノービス進出枠は6プラス推薦枠1で実質7です。

優勝したのはシードの高橋星名選手。昨シーズンは全日本ノービスBで5位。その頃と比べると構成はだいぶ上がっています。今回は86点で終わっていますが、8月の西日本中小学生では98.70というスコアを出しており、全日本ノービスでは優勝を争う選手となってきます。

 

○女子シングル ノービスB

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 金  沢  純  禾 木下アカデミー 77.33 41.60 35.73
2 川  勝  玲  奈 京都宇治FSC 67.59 34.79 32.80
3 鈴  木  華  乃 木下アカデミー 63.97 31.84 32.13
4 中  島  羽  菜 ひょうご西宮FSC 59.94 29.00 30.94
5 増  尾      歩 京都宇治FSC 58.92 28.40 30.52
6 松  浪  ひかり 関西大学KFSC 55.89 28.24 28.15
7 上  田      琴 神戸ポートアイランドクラブ 53.41 25.54 27.87
8 能  登  咲  空 ひょうご西宮FSC 50.03 23.59 26.94
9 宮  岡      光 ひょうご西宮FSC 48.60 22.99 25.61
10 國  時  理  沙 神戸クラブ 46.38 20.91 25.47
11 松  崎  利  夢 ひょうご西宮FSC 45.47 19.98 25.99
12 相  馬  愛  可 京都宇治FSC 43.99 19.58 24.41
13 亀  井  美  杜 ひょうご西宮FSC 43.52 20.92 23.60
14 田  村  優  和 ひょうご西宮FSC 43.42 20.98 22.94
15 水  越      蒼 大阪スケート倶楽部 42.62 20.10 22.52
16 檜  垣  花  楓 ひょうご西宮FSC 42.17 19.34 23.33

女子シングルのノービスBの全日本進出枠は10にプラス推薦枠で2があるので12位まで入ります。

優勝は金沢純禾選手。まだ9歳小学校4年生のノービスB1年目の選手です。この年代では1年の差というのは大きいはずで、ノービスBの1年目から結果を出すというのは至難の業なのですが、この77.33というのは昨シーズンの全日本ノービスBの優勝スコアを上回りますし、今シーズンのこれまでのノービスBカテゴリーの最高スコアでもあります。

2位の川勝玲奈の67.59というスコアも十分素晴らしいスコアで、全日本ノービスの表彰台候補になってきます。

 

○金沢純禾選手の構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3Lz   5.90   -1.77 4.13 -3.200
2 3S+3T   8.50   0.14 8.64 0.400
3 3T   4.20   0.14 4.34 0.400
4 LSp3   2.40   0.72 3.12 2.600
5 3F<< <<  1.80   -0.54 1.26 -3.200
6 2A+1Eu+3S   8.10   0.43 8.53 1.200
7 FSSp4   3.00   0.50 3.50 1.600
8 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.000
9 CCoSp4   3.50   0.58 4.08 1.800
  TES   40.40   1.20 41.60  

ノービスBは要素が9つです。ジャンプ要素は5つでコンビネーションは2回まで。1.1倍ボーナスタイムはありません。

ノービスBは三回転もなかなか出てこない世界なのですが、金沢選手はルッツジャンプまで構成に入れています。構成にないのがループジャンプ。単独トリプルトーループがあるところを見ると、3回転のループはまだ完成していないのかもしれませんが、それでも3回転4種類を構成に入れているというのは恐ろしい9歳です。スピンレベル4をすでに2つとってますし加点もしっかりとっています。

 

○男子シングル ノービスB

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 佐  野  海  音 滋賀ドリームFSC 50.68 18.68 32.50
2 多々納      怜 臨海フィギュアSC 39.02 14.34 25.18

男子シングルのノービスBは出場選手が2名だけでした。優勝は佐野海音選手でした。

二人とも全日本ノービスへ進出となります。

 

木下アカデミー勢が4部門で優勝。3部門で2位。みんな、長生きしてね、と祈りたくなるような近畿選手権でした。シニアはこの先本格的にシーズンに入ってからの復調をお待ちしております。

 

 

東北北海道選手権 寂しい顔ぶれ

東北北海道地域には仙台という古くからのスケートどころを抱え、かつては羽生結弦選手もここからシーズンが始まっていましたし、数年前まではグランプリシリーズにも出ていた佐藤洸彬さんなども出場していました。しかしながら最近は、寂しい顔ぶれになってきてしまっています。

 

○女子シングル シニア

Pl Name 所属 Total SP FS
1 廣  谷  帆  香 岩手大学 141.07 48.45 92.62
2 宮  本  藍  里 北海高等学校 109.82 41.61 68.21
3 三  浦  向日葵 宮城FSC 108.62 40.99 67.63
4 種  市  和  夏 八戸工大一 104.95 33.87 71.08
5 清  水  柚梨恵 北海道教育大学 102.64 34.12 68.52
6 佐  藤  妃  依 東海大学付属札幌高校 98.49 35.38 63.11
7 加  藤  花  怜 北海学園大学 92.25 27.19 65.06
8 藤  﨑      鈴 東北高校 86.46 30.61 55.85
9 長谷川  祥  子 北星学園大学 76.07 25.33 50.74

女子シングルシニアの東日本進出枠は7 ボーダーラインは92.25と100点を割るラインになっています。

優勝は、ただ一人の全日本選手権経験者の廣谷帆香選手。スコア的には圧勝です。国立の岩手大学に通う選手。フィギュアスケートでは今でも、全日本級の選手で国立の大学に通う選手が何人かいますね。

 

○男子シングル シニア

Pl Name 所属 Total SP FS
1 坪  井  聖  弥 北洋大学 126.69 43.31 83.38
2 田  村  亮  太 宮城鶴ヶ谷FSC 94.79 28.30 66.49

男子シングルは出場選手2名。当然全員が東日本進出となります。

 

○女子シングル ジュニア(上位12人)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 千  葉  百  音 東北高校 147.57 53.79 93.78
2 聖  前  埜乃華 八戸工大一 111.80 41.53 70.27
3 長  岡  柚  奈 藤女子 109.08 38.54 70.54
4 伊  藤  領  那 新潟FC 106.27 33.86 72.41
5 中  川      涼 仙台FSC 105.56 39.34 66.22
6 長  澤  朋  花 盛岡FSC 104.69 40.73 63.96
7 森  本  美  羽 東北高校 104.29 38.01 66.28
8 伊  吹  有  紗 札幌第一高校 104.25 36.78 67.47
9 鈴  木  杏  梨 三沢GOLD F・S・C 100.56 37.26 63.30
10 嶺  岸  優  那 宮城FSC 100.30 36.64 63.66
11 岸  部  香  美 東海大学付属札幌高校 99.21 36.10 63.11
12 瀬  川  穂  乃 仙台FSC 98.33 37.90 60.43

女子シングルのジュニアは最多の36名が出場。やはりこのカテゴリーがどの地区でも最多の出場数となっています。優勝はこれもただ一人の全日本選手権経験者である千葉百音選手。シニアの優勝スコアを上回りました。本人比では140点台だと平凡なスコアです。今シーズンこそ、シーズン後半のB級大会への選手派遣もきっとあるでしょうから、そこに名を連ねるために、全日本ジュニアでは上位に入り全日本へ進みたい、という立ち位置の選手。本人としてはもう少し点を出したかったのではないかと思われます。

東日本への進出枠は10 ジュニアは100.30と100点出さないと東日本へは進めない、という形でした。

 

○男子シングル ジュニア

Pl Name 所属 Total SP FS
1 岡  本  和  彩 アイビスSC 134.70 44.09 90.61
2 本  田  大  翔 仙台泉F.S.C. 128.48 44.03 84.45
3 尾  形  広  由 仙台FSC 105.84 33.29 72.55
4 金  子  陽  哉 新潟FCKZ 104.14 34.37 69.77
5 中  森  飛佑伽 北海学園大学 100.81 33.76 67.05
6 赤  間  天  翔 仙台FSC 95.91 32.33 63.58

男子シングルのジュニアは東日本への進出枠は4つ ボーダーラインは104.14でした。

優勝スコアは130点台。全日本ジュニアなら20位前後にあたるスコアです

 

○女子シングル ノービスA(上位8人)

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 岩  本  愛  子 白鳥FSC 70.86 35.79 35.07
2 岩  﨑  日  香 帯広FSC 67.11 31.10 36.01
3 在  津  咲  幸 釧路銀盤FSC 65.65 31.25 34.40
4 宮  本  琉  花 白鳥T・FSC 62.64 28.87 34.27
5 小  田  佳名美 アイビスSC 61.08 31.74 29.34
6 本  間  久  愛 アイビスSC 60.97 29.87 31.60
7 岡  万佑子 美香保FSC 60.27 29.30 31.47
8 藤  原  愛  菜 八戸FSC 59.47 26.63 33.34

女子シングルのノービスAは全日本への進出枠は5。ボーダーラインは61.08 だいたい60点前後にどの地区もボーダーラインが来ています。優勝スコアは70.86 昨シーズンの全日本ノービスなら20位前後のスコアになります。

 

○男子シングル ノービスA(上位8人)

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 武  田  結  仁 アイビスSC 80.69 38.69 42.50
2 小  山  蒼  斗 仙台泉F.S.C. 71.04 34.36 36.68
3 金  子  ヒ  ロ 新潟FCKZ 64.82 30.16 34.66
4 山  口  陽  依 盛岡FSC 58.73 23.23 35.50
5 堀  野  伊  織 八戸FSC 57.59 19.41 39.18
6 瀧  元  琉  音 月寒FSC 55.80 19.94 35.86
7 松  岡  晃太朗 月寒FSC 52.50 19.34 33.66
8 種  市  晃  大 八戸FSC 50.75 16.43 34.82

男子のノービスAは全日本への進出枠が5 ボーダーラインは57.59になります。

優勝したのは昨年の全日本ノービスAで7位の武田結仁選手。今年は80点に乗せてきました。このスコアだと全日本ノービスの表彰台が狙える水準です。全日本ジュニアまで進める可能性があります。

 

○女子シングル ノービスB

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 浅  利  羚  聖 白鳥FSC 51.65 22.69 29.46
2 横  内  杏  花 北海道FOREST.F.S.C 50.01 21.85 28.66
3 佐々木  望  凪 帯広FSC 48.70 21.10 27.60
4 花  等  貴咲乃 仙台泉F.S.C. 47.89 22.02 25.87
5 光  部  心  香 札幌オーロラ・FSC 43.63 18.53 25.60
6 山  形  彩  織 八戸WAVE・FSC 40.59 18.06 24.53
7 犾  守      梓 八戸WAVE・FSC 29.83 12.18 18.65

女子のノービスBの全日本への進出枠は4です。ノービスは北海道の選手が上位に目立ちます。北海道はフィギュアよりスピードスケートが盛んと聞きますが、フィギュアでも東北勢に負けないくらいの選手が小学校くらいまで入るようです。それより上になると、フィギュアで上を目指す選手は他の地域へ出ていく、なんてこともあるんでしょうか。

 

○男子シングル ノービスB

Pl Name 所属 Total TES PCS
1 松  本  悠  輝 帯広FSC 63.43 26.11 37.32
2 道  免  優  斗 ROYCE'F・S・C 57.70 21.86 35.84
3 河  本  英  士 仙台FSC 57.25 22.25 35.00
4 渡  邉  柊  吾 新潟FCKZ 50.15 17.83 32.32
5 阿  部  快  斗 八戸FSC 46.28 16.14 30.64
6 佐々木  虎ノ介 盛岡FSC 43.26 15.60 27.66
7 上  田  将  生 仙台 Pearl FSC 40.05 13.55 28.00

男子のノービスBの全日本進出枠は5あります。

優勝は北海道の帯広の松本悠輝選手。昨シーズンの全日本ノービスでは48.63で17位でしたが今年は60点台まで伸ばしてきました。このスコアならトップ10まで入ってきます。

 

 

来週はブロック大会のいよいよ最後。レベルが高い近畿選手権と東京選手権です。