2019年シーズンのフィギュアスケート、地方大会が終了しました。各地の上位選手が次の東日本選手権、あるいは西日本選手権へと進んでいきます。
前回のシニアの女子に続いて、今回はシニア男子の結果を見てみます。
地方大会を通過し、東日本/西日本へ進出した選手の得点をまず並べます。
Event | Pl | Name | Nation | Total | SP TSS | FS TSS |
中部選手権 | 1 | 日 野 龍 樹 | 中京大学 | 215.26 | 74.33 | 140.93 |
近畿選手権 | 1 | 須 本 光 希 | 関西大学 | 209.32 | 69.83 | 139.49 |
近畿選手権 | 2 | 本 田 太 一 | 関西大学 | 205.54 | 71.88 | 133.66 |
近畿選手権 | 3 | 友 野 一 希 | 同志社大学 | 205.03 | 64.32 | 140.71 |
東京選手権 | 1 | 國 方 勇 樹 | 日本大学 | 193.71 | 64.21 | 129.50 |
近畿選手権 | 4 | 中 村 優 | 関西大学 | 193.11 | 76.75 | 116.36 |
北海道・東北選手権 | 1 | 佐 藤 洸 彬 | 南部美人 | 186.37 | 68.66 | 117.71 |
東京選手権 | 2 | 山 隈 太一朗 | 明治大学 | 185.90 | 65.50 | 120.40 |
中四国九州選手権 | 1 | 小 田 尚 輝 | 倉敷芸術科学大学 | 184.43 | 65.63 | 118.80 |
近畿選手権 | 5 | 櫛 田 一 樹 | 関西学院大学 | 179.36 | 58.69 | 120.67 |
北海道・東北選手権 | 2 | 鈴 木 潤 | 北海道大学 | 178.65 | 59.15 | 119.50 |
中四国九州選手権 | 2 | 中 野 紘 輔 | 福岡大学 | 177.86 | 58.28 | 119.58 |
東京選手権 | 3 | 石 塚 玲 雄 | 早稲田大学 | 176.89 | 61.65 | 115.24 |
中四国九州選手権 | 3 | 山 田 耕 新 | SMBC | 172.20 | 59.91 | 112.29 |
東京選手権 | 4 | 鎌 田 英 嗣 | 明治大学 | 168.46 | 59.91 | 108.55 |
近畿選手権 | 6 | 時 國 隼 輔 | 同志社大学 | 166.34 | 55.17 | 111.17 |
近畿選手権 | 7 | 渡 邊 純 也 | 関西学院大学 | 163.66 | 55.99 | 107.67 |
東京選手権 | 5 | 小 林 諒 真 | 法政大学 | 150.73 | 62.01 | 88.72 |
東京選手権 | 6 | 中 野 耀 司 | 明治大学 | 150.13 | 54.04 | 96.09 |
東京選手権 | 7 | 菅 原 生 成 | 東洋大学 | 149.06 | 52.98 | 96.08 |
東京選手権 | 8 | 唐 川 常 人 | 日本大学 | 147.04 | 48.10 | 98.94 |
東京選手権 | 9 | 小 林 建 斗 | 法政大学 | 146.53 | 45.14 | 101.39 |
中部選手権 | 2 | 山 本 恭 廉 | アテナ豊橋FSC | 143.24 | 52.12 | 91.12 |
東京選手権 | 10 | 山 藤 一 悟 | 明治大学 | 140.85 | 57.37 | 83.48 |
近畿選手権 | 8 | 山 田 晋 一 | 関西学院大学 | 139.44 | 47.20 | 92.24 |
東京選手権 | 11 | 古 庄 優 雅 | 日本大学 | 137.55 | 52.18 | 85.37 |
中四国九州選手権 | 4 | 古 家 龍 磨 | 北九州FSC | 135.52 | 50.87 | 84.65 |
北海道・東北選手権 | 3 | 坪 井 聖 弥 | 苫小牧駒澤大学 | 135.20 | 50.39 | 84.81 |
東京選手権 | 12 | 鎌 田 詩 温 | 明治大学 | 132.89 | 43.89 | 89.00 |
中部選手権 | 3 | 竹 内 孝太朗 | 中京大学 | 131.93 | 46.54 | 85.39 |
中四国九州選手権 | 5 | 東 健 太 | 川崎医療福祉大学 | 131.59 | 44.76 | 86.83 |
中四国九州選手権 | 6 | 早 川 晃太郎 | 国際医療福祉大学 | 129.27 | 43.15 | 86.12 |
東京選手権 | 13 | 緑 川 諒 人 | 日本大学 | 122.67 | 40.87 | 81.80 |
東京選手権 | 14 | 齋 藤 翔 | 法政大学 | 121.14 | 44.47 | 76.67 |
東京選手権 | 15 | 鶴 田 翔 真 | 東洋大学 | 120.48 | 41.18 | 79.30 |
東京選手権 | 16 | 神 戸 巧 輝 | 東洋大学 | 112.60 | 36.88 | 75.72 |
近畿選手権 | 9 | 辻 村 岳 也 | 同志社大学 | 110.13 | 38.83 | 71.30 |
北海道・東北選手権 | 4 | 田 村 亮 太 | 宮城鶴ヶ谷FSC | 102.19 | 34.85 | 67.34 |
東京選手権 | 17 | 伊 東 良 真 | 日本大学 | 94.20 | 36.07 | 58.13 |
関東選手権 | 1 | 有 江 克 生 | 神奈川FSC | 92.33 | 34.68 | 57.65 |
地方大会を通過したのは以上の40選手。実際には、通過枠よりも出場選手数の方が少ない、というブロックがほとんどで、枠より選手数が多かったのは中四国九州選手権のみでした。
男子は地方ブロックではなく、東日本/西日本からが勝負、というところ。この辺が競技人口の男女差を反映しているなあ、と感じさせられます。
全国トップスコアは日野龍樹選手。全日本最高位4位の選手ですから、特に驚くことでもないのですが、そういえば今シーズンは強化指定選手になってなくて、チャレンジャーシリーズへのエントリーもなかったなあ、と今更ながら思いました。215.26というスコアは世界のトップで戦うには厳しいですが、チャレンジャーシリーズ、あるいはグランプリシリーズでも普通に見かけるスコアではあります。男子のいまの層の厚みのなかでは、もう一度国際大会の舞台に立ってほしいし立てる選手なような気はします。
今年の地方ブロック大会では、男女とも中京大学の選手、かつ、長久保先生の元で育った選手がトップスコアだった、ということになりました。
200点台は近畿選手権から3人。ジュニアグランプリファイナルでメダルを取った経験のある須本選手、世界選手権5位のある友野選手の間に、本田太一選手が入っています。200点オーバーはパーソナルベストかと思います。国内参考記録ではありますが。本田家は三女の望結選手以外はアメリカでアルトゥニアンコーチの元で現在トレーニングを積んでいるようですが、あまりこれまで結果が出ていません。四女の紗来選手も今年から渡米したようですが、近畿選手権ではノービスAで3位と調子は上がっておらず、真凛選手もチャレンジャーシリーズでは170点台と今一つ。そんな中で、目立たない立ち位置ではありますが、200点を超えてパーソナルベストを出した、ということで一つ結果を出した形です。アルトゥニアン先生を信じてついて行っていいんだ、と、家族に勇気を与える一つの結果だったのかもしれません。
男子も女子と同じく西高東低で、東日本勢の最上位は國方選手の193.71でした。おそらく全日本未経験で、今年大学生になってシニアに上がった、という選手ですが、この調子なら
東日本も向けて全日本までたどり着きそうです。
グランプリシリーズ経験組の佐藤洸彬選手は全体7番目の186.37 あまり伸びていません。
全日本への出場枠は、東日本からは7ですが、島田高志郎選手がグランプリ免除で入るので、実質6 西日本からは13あります。西日本選手権には、上記のリストにある選手のほかに、中部選手権をチャレンジャーシリーズの出場で免除された山本草太選手が加わります。高橋大輔選手がエントリーしている姿を見ますが、昨年全日本2位で予選は免除のため、西日本選手権の成績は関係なく全日本の出場権があります。したがって、西日本選手権は、高橋大輔選手を除いて上位13人が全日本へ進めるということになります。
地方大会の結果からすると、東日本の6番手は168.46 西日本の12番手は143.24となっています。160点台までは結構いるのですが、150点台は150.13と73で二人だけ、となっていて、160点台以上の選手とそれ未満の選手でだいぶ差がついています。
昨年のボーダーラインは東日本が160.92 西日本は160.52 どちらも160点台に乗せること、というところになっていました。今シーズンもやはり近いところがボーダーラインになるでしょうか。
なお、今回の地方大会で4回転に挑んだ選手は以下のようにいました
Event | Name | Nation | Elements | BaseValue | GOE | |||
北海道・東北選手権 | SP | 佐藤洸彬 | 南部美人 | 1 | 4T+2T | 10.8 | 1.27 | |
北海道・東北選手権 | SP | 田村亮太 | 宮城鶴ヶ谷FSC | 1 | 4S<< | << | 4.3 | -2.15 |
北海道・東北選手権 | FS | 佐藤洸彬 | 南部美人 | 1 | 4T | 9.5 | -4.75 | |
北海道・東北選手権 | FS | 佐藤洸彬 | 南部美人 | 3 | 4T+2T | 10.8 | -0.63 | |
北海道・東北選手権 | FS | 田村亮太 | 宮城鶴ヶ谷FSC | 1 | 4S<< | << | 4.3 | -1.86 |
北海道・東北選手権 | FS | 田村亮太 | 宮城鶴ヶ谷FSC | 2 | 4S<<+2T< | << | 5.34 | -2.15 |
東京選手権 | FS | 古庄優雅 | 日本大学 | 1 | 4T<< | << | 4.2 | -2.1 |
近畿選手権 | FS | 友野一希 | 同志社大学 | 1 | 4T+2T | 10.8 | 1.9 | |
近畿選手権 | FS | 中村優 | 関西大学 | 1 | 4S<< | << | 4.3 | -2.15 |
5選手が延べ9回挑んでいます。回転が足りたのは佐藤洸彬選手と友野一希選手の二人だけ。加点が付いた成功ジャンプはそれぞれ1回だけ。ということで、地方選手権レベルの大会では、やはりまだまだ四回転というのはレアなジャンプ、ということが見て取れます。