世界フィギュアプレビュー2

前回、女子シングルを見ましたので、今回は男子シングルになります。男子シングルのエントリーは現段階で33選手です。世界ジュニア経由で世界選手権に出る選手も一部いますが、世界選手権前のシニアの大会は、残りはクープドプランタンのみとなっております。クープドプランタンは世界選手権の前の週ですので、そこを経由して世界選手権へ、という選手はまずいませんので、シニアの大会は実質的に終了しました。

 

まず、エントリー選手たちの今シーズンのベストスコアを並べます。ここでいうベストスコアは、B級大会やユースオリンピックまで含めた国際大会で出したスコアです。ISU公認シーズンベストスコアに含まれない大会もここでは含んでいます。

 

Event Pl Name Nation Total SP FS
Grand Prix Final 1 Nathan CHEN USA 335.30 110.38 224.92
Skate Canada 1 Yuzuru HANYU JPN 322.59 109.60 212.99
Challenge Cup 1 Shoma UNO JPN 290.41 91.71 198.70
Grand Prix Final 3 Kevin AYMOZ FRA 275.63 96.71 178.92
Four Continents 2 Jason BROWN USA 274.82 94.71 180.11
Europe Championships 1 Dmitri ALIEV RUS 272.89 88.45 184.44
Lombardia Trophy 1 Boyang JIN CHN 268.31 101.09 167.22
Four Continents 5 Junhwan CHA KOR 265.43 90.37 175.06
Skate Canada 2 Nam NGUYEN CAN 262.77 84.08 178.69
Skate Canada 3 Keiji TANAKA JPN 250.02 80.11 169.91
Shanghai Trophy 1 Matteo RIZZO ITA 248.53 87.76 160.77
Europe Championships 2 Artur DANIELIAN RUS 246.74 84.63 162.11
Europe Championships 3 Morisi KVITELASHVILI GEO 246.71 82.77 163.94
Europe Championships 4 Daniel GRASSL ITA 244.88 76.61 168.27
Nordics Open 1 Deniss VASILJEVS LAT 241.25 73.32 167.93
Rostelecom Cup 9 Michal BREZINA CZE 236.47 80.27 156.20
US International 3 Vincent ZHOU USA 231.95 89.03 142.92
Europe Championships 8 Paul FENTZ GER 230.01 80.41 149.60
Sofia Trophy 1 Larry LOUPOLOVER BUL 222.27 81.89 140.38
Golden Spin 5 Aleksandr SELEVKO EST 221.94 76.18 145.76
JGP Egna 3 Ivan SHMURATKO UKR 221.44 75.26 146.18
Europe Championships 9 Vladimir LITVINTSEV AZE 221.09 70.04 151.05
Cup of China 7 Brendan KERRY AUS 220.31 73.96 146.35
Skate America 7 Alexei BYCHENKO ISR 219.70 79.76 139.94
Europe Championships 15 Nikolaj MAJOROV SWE 212.57 74.39 138.18
Denkova Staviski Cup 1 Maurizio ZANDRON AUT 212.37 73.42 138.95
Skate Canada 9 Julian Zhi Jie YEE MAS 211.63 75.64 135.99
Halloween Cup 3 Burak DEMIRBOGA TUR 205.52 73.47 132.05
Lombardia Trophy 6 Roman GALAY FIN 203.52 67.04 136.48
Tallink Hostels Cup 4 Slavik HAYRAPETYAN ARM 202.91 69.63 133.28
Tayside Trophy 1 Peter James HALLAM GBR 202.47 72.99 129.48
Challenge Cup 4 Lukas BRITSCHGI SUI 201.98 69.02 132.96
Tallink Hostels Cup 5 Aleksandr LEBEDEV BLR 200.99 66.26 134.73

世界ジュニアでシーズンベストを更新する選手もいるかもしれませんが、それがなくても全選手が200点以上のベストスコアで今シーズン来ているようです。

上二人は相変わらずのネイサンチェン選手に羽生結弦選手。二強構造は昨シーズンから変わらず。シーズン前半、おかしな挙動になっていた宇野昌磨選手ですが、全日本あたりから立て直してチャレンジカップではしっかり290点を出してシーズンベストは3番手に位置しています。定位置復帰。

そこから少し離れて270点台に三人。グランプリファイナル表彰台、四大陸2位、ヨーロッパ選手権優勝、と、二強に次ぐ成績を上げた三人がここにいます。

260点台にも3人。それぞれ実績のある選手ですね。今シーズンが過去最高なシーズンというわけではないけれど、それぞれに力なりに結果を出している、というように見えます。

 

その上位9人からだいぶ離れますが、250点にはもう一人乗せていて日本の田中刑事選手がいます。

 

次にはその上位10人の今シーズンの戦績を並べてみます

 

Event Pl Name Nation Total SP FS
Grand Prix Final 1 Nathan CHEN USA 335.30 110.38 224.92
Skate Canada 1 Yuzuru HANYU JPN 322.59 109.60 212.99
NHK Trophy 1 Yuzuru HANYU JPN 305.05 109.34 195.71
Four Continents 1 Yuzuru HANYU JPN 299.42 111.82 187.60
Skate America 1 Nathan CHEN USA 299.09 102.71 196.38
Internationaux de France 1 Nathan CHEN USA 297.16 102.48 194.68
Grand Prix Final 2 Yuzuru HANYU JPN 291.43 97.43 194.00
Challenge Cup 1 Shoma UNO JPN 290.41 91.71 198.70
Autumn Classic 1 Yuzuru HANYU JPN 279.05 98.38 180.67
Grand Prix Final 3 Kevin AYMOZ FRA 275.63 96.71 178.92
Four Continents 2 Jason BROWN USA 274.82 94.71 180.11
Europe Championships 1 Dmitri ALIEV RUS 272.89 88.45 184.44
Lombardia Trophy 1 Boyang JIN CHN 268.31 101.09 167.22
Four Continents 4 Boyang JIN CHN 267.67 95.83 171.84
Four Continents 5 Junhwan CHA KOR 265.43 90.37 175.06
Skate Canada 2 Nam NGUYEN CAN 262.77 84.08 178.69
Autumn Classic 2 Kevin AYMOZ FRA 262.47 94.76 167.71
Cup of China 1 Boyang JIN CHN 261.53 85.43 176.10
Rostelecom Cup 2 Dmitri ALIEV RUS 259.88 90.64 169.24
Nepela Memorial 1 Dmitri ALIEV RUS 255.32 101.49 153.83
Finlandia Trophy 1 Shoma UNO JPN 255.23 92.28 162.95
Skate America 2 Jason BROWN USA 255.09 83.45 171.64
Internationaux de France 3 Kevin AYMOZ FRA 254.64 82.50 172.14
Skate America 3 Dmitri ALIEV RUS 253.55 96.57 156.98
Rostelecom Cup 4 Shoma UNO JPN 252.24 87.29 164.95
Four Continents 6 Nam NGUYEN CAN 251.60 85.24 166.36
NHK Trophy 2 Kevin AYMOZ FRA 250.02 91.47 158.55
Skate Canada 3 Keiji TANAKA JPN 250.02 80.11 169.91
US International 1 Keiji TANAKA JPN 249.96 88.76 161.20
Lombardia Trophy 2 Dmitri ALIEV RUS 249.62 81.18 168.44
Rostelecom Cup 5 Nam NGUYEN CAN 246.20 87.01 159.19
Golden Spin 1 Jason BROWN USA 242.39 79.44 162.95
Grand Prix Final 5 Boyang JIN CHN 241.44 80.67 160.77
Challenge Cup 2 Keiji TANAKA JPN 241.18 75.54 165.64
Cup of China 5 Keiji TANAKA JPN 233.62 74.64 158.98
Shanghai Trophy 3 Boyang JIN CHN 232.17 70.71 161.46
NHK Trophy 5 Jason BROWN USA 231.27 73.73 157.54
Autumn Classic 4 Junhwan CHA KOR 230.44 84.23 146.21
Skate America 6 Boyang JIN CHN 224.98 74.56 150.42
Cup of China 6 Junhwan CHA KOR 222.26 69.40 152.86
Grand Prix Final 6 Dmitri ALIEV RUS 220.04 88.78 131.26
Skate America 8 Junhwan CHA KOR 219.67 78.98 140.69
Internationaux de France 8 Shoma UNO JPN 215.84 79.05 136.79
Nebelhorn Trophy 4 Nam NGUYEN CAN 209.84 60.52 149.32
Europe Championships 26 Kevin AYMOZ FRA 64.40 64.40  

ネイサンチェン選手がワールドベストスコアの335.30を持っていますが、それだけでなく、今シーズンワーストでも297.16です。ネイサンチェン選手に勝つためには最低でも300点が求められます。これを超える可能性のある選手、というのはもうほとんどいません。どう悪く転んでも表彰台は固い。普通にやったら羽生選手との一騎打ち、という構図なんでしょうねこれ。

 

羽生選手は300点に乗せたのは2試合。四大陸は300点に届かずの優勝。結果的に優勝しましたが、ボーヤンジン選手あたりがショートフリーノーミスやったら届く、という点数でしたので、盤石というわけにはいかなかった感じです。まあ、そうはいっても、羽生選手のシーズンワーストを上回っている選手というのは宇野選手までしかいないわけで、これもどうやっても表彰台には乗るんだろうな、という感じです。ショートは確率5割以上で110点前後を出すのですけれど、フリーがあまり伸びてないんでしょうか。200点に乗ったのは今シーズン1回だけ。高難度プログラムと体力の関係なのでしょうか。

 

ベストスコア三番手は宇野選手。チャレンジカップ、フリーでは200点近いスコアを出しています。上位二人への挑戦権を持っているのは宇野選手だけですかね結局。ショートもしっかりやれば300点は普通に出せるわけですし。ノーミス揃えたら315点くらいまでは出るので、優勝のチャンスもある。今シーズン宇野選手が勝ったら、ドラマチックですけどね。

 

スコアでは四番手のケビンエイモズ選手ですが、ヨーロッパ選手権ではショートでやらかしてまさかのフリー進出ならず。過去の実績が薄い中でグランプリファイナルで3位に入ってきた選手は、どうもシーズン後半苦労する印象があります。昨シーズンのチャジュンファン選手も四大陸は6位に終わり、世界選手権では19位に沈みました。シーズン前半で力使い果たしてしまうイメージでしょうか。今シーズン期待していた選手なのですが、今回はどうかなあ。さすがにショート落ちはしないと思いますが、表彰台争いするにはちょっと苦しいような気もします。後半グループの盛り上がるところで出てきてほしいのですけれど。

 

逆に上り調子なのがジェイソンブラウン選手でしょうか。トリプルアクセル以下のジャンプしか使えないルールで試合したらこの人が勝つんじゃないか、というような完成度の高い選手。ただ、トリプルアクセルも結構失敗率が高くて上位に顔を出せないことが多かったのですけど、それさえ入ればこれくらいの点数は出る。これで、ショートフリーに四回転はいると300点も見えるのだけどなあ、と思う一方で、そんなのいいから、完成度の高いいい演技を見せてください、と思う部分もある。今回、ノーミス出来たら280点くらいまで出せるので、宇野選手崩れたら表彰台あるかもしれないなあ、とも思います。

 

ヨーロッパ選手権チャンピオンのアリエフ選手がシーズンベスト6番手。今シーズンはグランプリファイナルこそ大崩れしましたが、あとはそれほど極端に崩れることなく250点前後の点数まではいつも出してきています。ただ、PCSが上位陣とは差があるんですよね。なのでノーミスしてもPCS差で上位にかなわない。宇野選手崩れたら表彰台の可能性も、というのはあるんですけど、より高い確率で自分も崩れてしまう、というロシア男子の最近の傾向なのですが、今回はどうでしょう?

 

ボーヤンジン選手が今シーズンのベストスコア7番手。今年もあんまり調子よさそうには見えないんですけれど、260点台までは普通に出してくるんですよね流石に。トップテンには悪くても入って、中国2枠を確保はしていくのではないかと思われます。表彰台は、パーフェクトに演じればありえるんですけど、シーズン最後に合わせてきているかどうか? 宇野選手と比べるとPCSでショートフリー合わせて10点ほどは差がつくので、TESの方でそれくらい上まで行かないといけないのですが、どうかなあ。フリーで4Lz,4S,4T2本構成でも、宇野選手が4F,4S,4T2本構成ノーミスだと、あまり差がつかないので、ノーミス勝負すると届かない計算ではあります

 

昨シーズンのグランプリファイナル表彰台、チャジュンファン選手がシーズンベスト8番手。今シーズン前半は今一つ点が伸びていませんでしたが、四大陸選手権で265.43を出してきました。昨シーズンは前半良くて後半いまいちだったのと比べると逆の展開。最初から結果を出していくことが求められた昨シーズンと、最後に結果を出せばいい今シーズンの違いなんでしょうか。韓国男子はトップレベルの選手はチャジュンファン選手一人しかいないような状態なので、多少調子悪くても代表権取れないというようなことがないですし、後半にしっかり合わせるスタイルで今シーズンは出来ている、という可能性もある。

シーズン序盤は四回転フリップに挑戦していましたが決めることができませんでした。また、ショートで4回転二本構成を試した試合もありました。全部そろえばかなりの基礎点になりますが、四大陸ではショートの4回転は1本、フリーはトーループサルコウの2本。トリプルアクセルで二つ回転不足など、回転不足は目立ちましたが、転倒はなくて265点台。ノーミスなら280点くらいまでは出そうですが、この構成だと300点は厳しそうではあります。

 

シーズンベスト9番手はナムグエン選手。スケートカナダの262.77がベスト。今回はカナダ開催。1枠しかないカナダを背負う形になります。ここ数シーズン今一つな出来が続いていたように感じますが、今シーズンはこのスケートカナダ以外でも250点は出していますし、いくらか戻ってきたかなあと感じます。ショートフリーで四回転サルコウを3本飛ぶ構成。ある種無理しない構成で安定感を出そうとしているんでしょうか。ハイスコアが出る構成ではないですが、地元後押しを受けてどこまで出せるでしょう。悪くとも、1枠になったカナダ代表枠を2枠に戻すトップ10に入ることは求められますし、大会的には地元選手にはフリー最終グループにいてもらいたいところ

 

田中刑事選手はトップ9とは少し離れますが、シーズンベスト10番目で250点に乗せています。なんだかんだで世界選手権も4回目です。今シーズンはフリーで4S2本に4T1本という構成で滑ろうとしているようですが、まだ一度も成功はありません。シーズンベストのスケートカナダは、ショートのサルコウは3回転になり、フリーでトーループが3回転になっています。そういう意味では、ノーミスした時の伸び代はまだ十分あって、270点くらいにまでは届く計算ですが、まだ一度もできていないという意味ではミスではなくて、できない方が標準、という見方もできる。シーズンベスト9番目で260点台で10点以上差があるのに対し、シーズンベスト11番目の選手とは1.49しか差がなく、10点以内に5人いますから、下との差の方が小さい。現実的には、過去最高位の14位を上回って、できればトップ10に入りたい、という位置なようです。

 

 ●ショートプログラム90点以上

Event Name Nation TSS TES PCS
Four Continents Yuzuru HANYU JPN 111.82 63.42 48.40
Grand Prix Final Nathan CHEN USA 110.38 63.13 47.25
Skate Canada Yuzuru HANYU JPN 109.60 61.13 48.47
NHK Trophy Yuzuru HANYU JPN 109.34 61.23 48.11
Skate America Nathan CHEN USA 102.71 56.21 46.50
Internationaux de France Nathan CHEN USA 102.48 55.97 46.51
Nepela Memorial Dmitri ALIEV RUS 101.49 58.19 43.30
Lombardia Trophy Boyang JIN CHN 101.09 60.44 40.65
Autumn Classic Yuzuru HANYU JPN 98.38 53.03 46.35
Grand Prix Final Yuzuru HANYU JPN 97.43 50.10 47.33
Grand Prix Final Kevin AYMOZ FRA 96.71 52.50 44.21
Skate America Dmitri ALIEV RUS 96.57 54.54 42.03
Four Continents Boyang JIN CHN 95.83 54.23 41.60
Autumn Classic Kevin AYMOZ FRA 94.76 50.11 44.65
Four Continents Jason BROWN USA 94.71 48.81 45.90
Finlandia Trophy Shoma UNO JPN 92.28 47.60 44.68
Challenge Cup Shoma UNO JPN 91.71 46.31 45.40
NHK Trophy Kevin AYMOZ FRA 91.47 47.72 43.75
Rostelecom Cup Dmitri ALIEV RUS 90.64 48.18 42.46
Four Continents Junhwan CHA KOR 90.37 48.49 41.88

 

ショートプログラム90点以上を並べるとこうなります。

100点以上を4人が出していて、90点以上で名前があるのは8人です。ネイサンチェン選手と羽生選手はしっかり滑ると110点前後のスコアになる。100点に乗せる力があるのはアリエフ選手とボーヤンジン選手。あと今シーズンは出せていませんが宇野選手も力はあると言ってしまってもいいでしょうか。その五人と、それ以下だと、ショートから出せる点数に差が出ています。あとは、今シーズンほとんど試合に出ていませんが、昨年表彰台に乗ったビンセントジョー選手もいます。90点台後半までは何人も出してきますので、100点に乗せる力がある選手も、四回転のコンビネーションで転倒したりすると、フリー最終グループに残れない、という構図になり、表彰台争い、優勝争いが苦しくなります。

 

 ●フリー170点以上

Event Name Nation TSS TES PCS
Grand Prix Final Nathan CHEN USA 224.92 129.14 95.78
Skate Canada Yuzuru HANYU JPN 212.99 116.59 96.40
Challenge Cup Shoma UNO JPN 198.70 104.50 94.20
Skate America Nathan CHEN USA 196.38 102.38 94.00
NHK Trophy Yuzuru HANYU JPN 195.71 101.57 94.14
Internationaux de France Nathan CHEN USA 194.68 102.10 92.58
Grand Prix Final Yuzuru HANYU JPN 194.00 100.36 93.64
Four Continents Yuzuru HANYU JPN 187.60 97.32 91.28
Europe Championships Dmitri ALIEV RUS 184.44 98.10 86.34
Autumn Classic Yuzuru HANYU JPN 180.67 90.97 89.70
Four Continents Jason BROWN USA 180.11 87.53 92.58
Grand Prix Final Kevin AYMOZ FRA 178.92 90.34 89.58
Skate Canada Nam NGUYEN CAN 178.69 92.41 86.28
Cup of China Boyang JIN CHN 176.10 93.80 83.30
Four Continents Junhwan CHA KOR 175.06 88.78 86.28
Internationaux de France Kevin AYMOZ FRA 172.14 86.22 85.92
Four Continents Boyang JIN CHN 171.84 88.72 83.12
Skate America Jason BROWN USA 171.64 80.94 90.70

フリーは170点以上を取り出しました。載っている名前は9人。シーズンベスト上位9人とイコールです。190点以上を出したのは3人。優勝を争えるのはこの三人だけなんでしょうか。

羽生選手のシーズンワーストより高いベストを出しているのはアリエフ選手まで。ただ、選手が技術点は100点近いところまで出しているのですがPCSが86.34と伸びずにシーズンベストが184.44 この辺が上位との差になってます。一方、PCSは90点に乗せるジェイソンブラウン選手、こちらはTESが90点まで乗ってこないので四大陸で180点に乗せるのが精いっぱい、という形。

 

ネイサンチェン選手、羽生結弦選手は、ショートフリーで四回転6本、宇野選手、アリエフ選手、ボーヤンジン選手は5本、田中刑事選手が4本、ケビンエイモズ選手、チャジュンファン選手、ナムグエン選手は3本、ジェイソンブラウン選手は1本、というのが基本構成として予想されます。ボーヤンジン選手は6本入るかも。

成功率、という要素も考えないといけませんが、基本的に表彰台を争うには四回転が5本入らないと厳しいんでしょうか。ただ、5本という本数だけで見るなら、二種類飛べれば足りるは足りる。トーループサルコウをしっかり飛べて、あとは全体の完成度をそろえればたどり着ける領域ではある。

 

ちょっと上二人とその下の差、宇野選手はまだいるのだけど、それ以外との差、というのが広がりすぎている感じがあるので、上二人と争える可能性のある選手、というのがもう少し出てきてほしいなあ、と思ったりもします。

 

 

 

以上、世界選手権の男子シングル展望でした。