チャレンジャーシリーズの2戦目はカナダ、ケベックでのオータムクラシック。男子は地元カナダ勢数人のみというローカル試合になってしまいましたが、女子は韓国アメリカの上位選手のエントリーもあり、チャレンジャーシリーズらしい顔触れとなりました。
そんななか、優勝したのは大変意外な選手でした。
○女子シングル
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | Marilena KITROMILIS | CYP | 180.72 | 61.33 | 119.39 |
2 | Young YOU | KOR | 180.25 | 60.66 | 119.59 |
3 | Seoyeon JI | KOR | 173.69 | 60.67 | 113.02 |
4 | Karen CHEN | USA | 173.00 | 58.01 | 114.99 |
5 | Starr ANDREWS | USA | 155.25 | 59.21 | 96.04 |
6 | Siwon LEE | KOR | 153.70 | 52.31 | 101.39 |
7 | Emily BAUSBACK | CAN | 149.32 | 51.61 | 97.71 |
8 | Gabrielle DALEMAN | CAN | 146.51 | 51.84 | 94.67 |
9 | Eliska BREZINOVA | CZE | 141.37 | 52.52 | 88.85 |
10 | Alison SCHUMACHER | CAN | 127.06 | 47.51 | 79.55 |
11 | Jenny SHYU | TPE | 113.04 | 40.24 | 72.80 |
優勝は、キプロスのキトロミリス選手。全くのノーマークでしたが、ショートで首位に立ち、フリーも僅差の2位で逃げ切りました。昨シーズンまではショートで50点にも乗せられず、フリーで100点を出したこともない、という選手が、8月のクランベリーカップでパーソナルベストの158.59をだし、この試合で180点に乗せてきました。キプロス勢としてチャレンジャーシリーズ初優勝。キプロスにはオリンピック出場枠は当然無いわけですが、来週のネーベルホルン杯は彼女は補欠扱いで別の選手が出ます。180点出せれば十分射程圏なのですが残念です。2004年10月15日生まれの16歳。ジャンプが後半に入っているのがフリーで1本だけ、ショートはなし、ということで、まだ比較的楽に滑れる構成になっていますが、この先が楽しみになる選手です。
2位には韓国のユヨン選手。クランベリーカップに続いて北米の大会に出ていますので、今は日本ではなくカリフォルニアで練習してますかね? スコアは180.25と平凡。トリプルアクセルがショートは回転不足で転倒、フリーは回転不足とダウングレード。どうしても決まってきません。
カレンチェン選手は4位。アメリカ代表になるには最低200点は欲しいところですが、今回は173点台。オリンピックの前のシーズンに強いのだけど、オリンピックシーズンは今一つという、国の役に立つけど本人的にはちょっと…、みたいなことにはまらなければいいのですが・・。一応、四年前はオリンピック代表にまではなれました。
かつての世界選手権銅メダリストのガブリエルデールマン選手も出場しましたが、146.51の8位。代名詞ともいえる3T+3Tのコンビネーションも入らずセカンドは2回転など、ショートもフリーも全体的に精彩を欠いた演技にしか見えませんでした。98年1月生まれの23歳。宮原知子選手、ブレイディテネルと同じ世代で、トゥクタミシェワ選手よりは1つ下。まだ復活可能な年齢かと思うのですが、なかなか苦しいのでしょうか・・。
○男子シングル
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | Conrad ORZEL | CAN | 207.31 | 80.82 | 126.49 |
2 | Bennet TOMAN | CAN | 172.33 | 63.30 | 109.03 |
3 | Beres CLEMENTS | CAN | 153.48 | 55.48 | 98.00 |
男子シングルはカナダ勢3人のみのエントリーとなりました。
優勝はコンラッドオーゼル選手。オーサー先生のところの選手です。スコアは207.31に終わり本人比で見ても平凡なスコアでした。カナダのオリンピック枠は1つ+ネーベルホルン杯待ちの1つがありますが、2枠目入ったとしてもこの200点ちょっとのスコアでは厳しいです。
余談ですが、この試合はチャレンジャシリーズの一試合ですが、出場3選手でしかも全員同国籍ということで、世界ランキングのポイントからは外されてしまったようです。
国際B級試合では8人以上の出場がランキングポイントとしての認定に必須なのですが、チャレンジャーシリーズでも同じルールが適用されるのはちゃんと把握していなくて今回初めて知りました。
次週はいよいよ、オリンピックの枠が固まるネーベルホルン杯です。男子ではアメリカからヴィンセントジョー選手、カナダのローマンサドフスキー選手などがエントリー。女子はアメリカのアリサリュウ選手のエントリーがあります。気になったのは、カザフスタンからはほぼ実績のないRAKHISHOVA(読めない・・)選手がエントリーしていて、トゥルシンバエワ選手の名前がありません。RAKHISHOVA選手は先日のジュニアグランプリに出ていてトータルスコアで102.58という選手です。どういうことなんでしょう? って、これで実質的にトゥルシンバエワ選手のオリンピックが消えた、ということになるかと思います。女子の四回転認定最年長記録を持っている選手でもあるのですが、それ以来ほとんど試合への出場もありません。非常に残念です。
また、日本では全日本につながる地方大会も始まります。まずは中四国九州選手権と中部選手権です。チャレンジャーシリーズへの派遣が今年もありませんので、中部選手権では松生理乃選手、横井ゆは菜選手などトップ選手が名を連ねています。