21-22 友野一希

1998年5月15日生まれ

シニア5シーズン目

シーズン獲得賞金:$33,000

世界ランキング:13位

シーズンランキング:9位

シーズンベストスコア 269.37(14位) 世界選手権

ショートプログラムシーズンベスト 101.12 世界選手権

フリーシーズンベスト 171.89 四大陸選手権

ショートプログラム楽曲:ニューシネマパラダイスより

フリープログラム楽曲:ラ・ラ・ランド より

スピンレベル4率 37/54=68.5% (国際大会:23/30=76.7%)

ステップレベル4率 4/18=22.2%(国際大会:3/10=30.0%)

スピンオールレベル4 3/8 (国際大会2/5)

スピンステップオールレベル4  1/8(国際大会1/5)

ジャンプ要素回転不足率 5/94=2.82% (国際大会1/50=2.00%)

ジャンプ回転不足なし 5/8(国際大会4/5)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 1/8(国際大会:1/5)

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL げんさんサマーカップ 1 229.49 88.99 140.50
DL 全大阪Ⅱ選手権 1 151.48   151.48
Others Japan Open 5 147.44   147.44
RT 近畿選手権 1 201.24 75.90 125.34
GP Grand Prix Torino 6 245.11 83.91 161.20
GP Rostelecom Cup 3 264.19 95.81 168.38
NC 全日本選手権 5 263.67 87.79 175.88
4CC Four Continents 2 268.99 97.10 171.89
IC Coupe du Printemps 1 228.00 77.76 150.24
WC World Championships 6 269.37 101.12 168.25

大学を卒業して23歳になって迎えた今シーズン。勝負の年でした。

シーズン序盤は国内巡り。げんさんサマーカップは優勝しましたがフリーが伸びずに229.49と平凡なスコア。反省もあったかすぐ翌週にフリーだけの試合に出ますがここでも151.48 4回転3本を着氷しましたが、トリプルアクセルが抜けて点が伸び切らず。ただ、4回転3本降りたことで希望が見えた試合でもありました。

少し間が空いてJapan Openに出場。国内ローカルメンバーだったにもかかわらず147.44で5位に終わります。翌週すぐに近畿選手権。こちらは201.24 ショートで4回転サルコウを転倒。フリーは4回転成功無し。散々な試合です。非常に先行き心配になる10月前半の試合でした。

11月にグランプリシリーズが2試合あります。まずはトリノ。ここでショートフリー合わせて4回転5本を着氷してみせます。他の要素で今一つだったことでスコアはそれほど伸びませんでしたが、難しいところは出来ているので、やっぱりチャンスはあるのかも、と思わせる試合でした。そしてロステレコム杯。ショートノーミス。セカンド3回転付きで4回転2本を決めて95.58で首位に立ちます。フリーは固くなったでしょうか、トリプルループでステップアウト、後半のトリプルアクセルで転倒。最終的に264.19で3位。パーソナルベスト大幅更新ですが、首位と2.14差。グランプリシリーズ2度目の表彰台は喜ばしいのか大魚を逸したのか。惜しい3位でした。

そして迎える全日本。友野選手はその時点でシーズンベスト3位。ただし、羽生結弦選手がカウントされていない3位です。チャンスはあるけど、苦しいかなあ、という代表選考会。ここでショート、セカンド3回転が入らず、サルコウも乱れが出て87.79の7位と出遅れます。第3グループからのフリー。4回転3本を下りてパーソナルベスト相当の175.88 さすがに追い上げてきましたが、上位は強かった。最終順位は5位。オリンピックは届きませんでした。

全日本で得たのは四大陸選手権の代表権。ここでショートプログラムから全要素プラス評価、97.10という高いスコアで2位スタート。首位とは1.86差。フリーは逆転優勝のチャンスを追ってのラ・ラ・ランド。3つ目の4回転トーループの転倒が痛かった。フリー171.89で首位に立ち最終滑走を待ちますが、結果届かず。4.23差の2位に終わりました。4回転トーループ決めていれば勝ち。チャンピオンシップ初メダルではあるのですが、もったいない試合でもありました。

これで大きな試合は終わり。あとはB級大会にでも、とのことでクープドプランタンに向かいますが、その途中で、補欠の世界選手権回ってきたから出てね連絡が入るという代打の切り札。世界選手権の補欠繰上りは4年ぶり2回目。世界ジュニア、グランプリシリーズ、4大陸選手権も補欠繰り上げ経験がありますので、あとはオリンピックだけという補欠あたりっぷり。

その世界選手権でショートプログラム、ついに100点到達の101.12で3位。まずは小さなメダルをゲットしてフリーへ向かいます。フリーは最後から3人目、176.27を出せばその時点で首位に立ちメダルが確定するという状況。フリーシーズンベストは4大陸の171.89 ノーミスまで行かなくても1ミス位までで出せるスコア。チャンスはあります。ここで冒頭コンビネーションは2つ目が乱れてGOEはマイナス、もったいなかったのが次の4回転サルコウ、こらえきれず座り込むような転倒。3つ目の4回転トーループから立て直しましたが、後半に入ってトリプルアクセルからの3連続は3つ目が回転不足、単独トリプルアクセルもステップアウト。演技を終えて、いやーちょっといまいちかな、うん、でも俺できることした頑張った、みたいな表情の変化が印象的でした。結果は168.25でトータル269.37の6位。表彰台まで8.01の差。4回転サルコウをクリーンに決めていればとか、後半のトリプルアクセルからの2本をしっかり決めていればとか、いろいろ思うところはありますが、代打を全うした世界選手権でした。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
げんさんサマーカップ 1 229.49 113.91 116.58 78.30 1.29 22.30 12.02
全大阪Ⅱ選手権 1 151.48 78.78 73.70 58.51 4.41 7.98 7.88
Japan Open 5 147.44 69.16 79.28 52.97 -1.21 8.31 9.09
近畿選手権 1 201.24 98.58 105.66 82.39 -12.84 16.97 12.06
Grand Prix Torino 6 245.11 121.21 123.90 83.27 8.11 16.18 13.65
Rostelecom Cup 3 264.19 140.85 124.34 100.14 2.93 23.23 14.55
全日本選手権 5 263.67 137.30 126.37 91.04 6.86 24.43 14.97
Four Continents 2 268.99 142.60 127.39 97.24 8.52 23.92 12.92
Coupe du Printemps 1 228.00 112.93 117.07 81.34 -3.67 22.40 12.86
World Championships 6 269.37 139.35 131.02 99.19 1.24 24.01 14.91

トータルスコアはシーズン序盤は心配なスコアでしたが中盤以降上げて行って、全日本含め260点台が4試合ありました。

技術点は4大陸選手権の142.60が最高。PCSは世界選手権で131.02まで出ました。5項目平均は8点台後半です。技術点、PCS、どちらかに偏る感じでもなくバランス型に見えます。

ジャンプの基礎点はロステレコム杯で100.14と100点に乗りました。これで全体順位は14番目です。ジャンプの加点は4大陸で8.52までは出ました。世界選手権が1.24にとどまったのが残念。

スピンは近畿選手権やトリノでは16点台というちょっと驚くような値ですが、世界選手権では24点台までは持ってきました。ステップ系要素も世界選手権が国際大会では最高で14.91でした。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
げんさんサマーカップ 1 55.54 52.67 55.35 55.31 52.46 56.57
近畿選手権 1 47.86 55.29 36.86 38.02 52.63 49.16
Grand Prix Torino 6 59.79 55.85 64.27 35.46 59.50 61.54
Rostelecom Cup 3 64.98 66.65 57.49 58.33 63.39 61.84
全日本選手権 5 64.84 60.83 62.63 62.22 65.20 63.21
Four Continents 2 66.29 64.80 64.80 60.57 56.35 63.90
Coupe du Printemps 1 55.14 54.62 48.86 55.64 56.09 56.90
World Championships 6 66.39 66.04 55.28 60.86 64.94 66.37

要素別に偏差値化するとこうなります。トータルスコアはロステレコム杯以降60台中盤まで出るようになってきました。

ジャンプの基礎点も偏差値60台半ばまで出ます。ジャンプの加点の方もいい時は60台半ば。

スピンが四大陸と世界選手権でようやく偏差値60に乗せてきました。悪い時には偏差値30台という苦手要素です。

ステップ系要素も偏差値60台半ばでPCSも60台半ばまで出ています。

スピンがやや落ちますが、それ以外はどの要素も60台半ばの偏差値となってきています。

21-22シーズン 友野一希要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートを見ると、下が凹みがちという少し変わったチャートです。世界選手権は右下が凹んだ形。ジャンプの加点をしっかり取れていれば表彰台だっただけにもったいなかったでしょうか。

 

●シーズン最高の基礎点構成

ロステレコム杯 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.111
2 4S   9.70   1.80 11.50 1.778
3 CSSp4   3.00   0.34 3.34 1.111
4 3A   8.80 x 1.83 10.63 2.222
5 FCSp4   3.20   0.50 3.70 1.556
6 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556
7 CCoSp4   3.50   0.55 4.05 1.556
  TES   45.80   9.01 54.81  

ショートプログラムの最高基礎点はロステレコム杯の45.80でした。四大陸選手権と世界選手権ではステップがレベル3で45.20でした。

4回転2本構成でセカンド3回転付き。1.1倍はトリプルアクセル。この45.80が最高基礎点というのは鍵山選手と同じで、ほかにも合計5人いる割とポピュラーな構成で、全体の8位タイにあたります。

 

ロステレコム杯 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+3T   13.70   2.58 16.28 2.778
2 4Sq q 9.70   -3.74 5.96 -3.778
3 4T   9.50   3.12 12.62 3.222
4 3Lo   4.90   -1.61 3.29 -3.000
5 StSq4   3.90   0.89 4.79 2.222
6 FSSp4   3.00   0.64 3.64 2.111
7 3A+1Eu+3S   14.08 x -0.80 13.28 -0.889
8 3A   8.80 x -4.00 4.80 -5.000
9 3F+2T   7.26 x 0.76 8.02 1.444
10 FCCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.444
11 CCoSp4   3.50   0.65 4.15 1.778
12 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.556
  TES   84.84   1.20 86.04  

フリーの最高基礎点は84.84でロステレコム杯のものでした。世界選手権は83.89 四大陸は80.14です。

4回転は2種類3本。2回飛ぶジャンプは4回転トーループトリプルアクセル。スピンステップオールレベル4でこの基礎点が出ます。セカンド3回転を冒頭の4回転のところではなく、最後の1.1倍の3回転からつければ0.29上がります。84.84は全体12位の基礎点になっています。大きく基礎点を上げるには、3種類目の4回転が必要になってきますが、基礎点上げる試みが良いか、完成度上げる方向が良いか。難しいところです。

 

○平均GOE3.000以上(国際大会と全日本より)

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
全日本選手権 FS 12 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.667
World Championships FS 12 ChSq1   3.00   2.29 5.29 4.444
Four Continents FS 12 ChSq1   3.00   2.08 5.08 4.125
Grand Prix Torino FS 12 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.667
Four Continents SP 4 3A   8.80 x 2.80 11.60 3.625
Rostelecom Cup FS 12 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.556
全日本選手権 FS 5 StSq3   3.30   1.18 4.48 3.556
World Championships SP 4 3A   8.80 x 2.74 11.54 3.556
World Championships FS 5 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556
World Championships SP 1 4T+3T   13.70   3.39 17.09 3.444
Four Continents SP 6 StSq3   3.30   1.16 4.46 3.375
Four Continents FS 2 4S   9.70   3.23 12.93 3.375
Grand Prix Torino SP 6 StSq3   3.30   1.08 4.38 3.333
World Championships SP 6 StSq3   3.30   1.08 4.38 3.333
Four Continents FS 8 3A   8.80 x 2.53 11.33 3.250
Grand Prix Torino FS 5 StSq3   3.30   1.04 4.34 3.222
Rostelecom Cup FS 3 4T   9.50   3.12 12.62 3.222
全日本選手権 SP 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
Four Continents SP 7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.125
Four Continents FS 5 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.125
Rostelecom Cup SP 1 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.111
Grand Prix Torino FS 4 3Lo   4.90   1.40 6.30 3.000

評価の高い要素はひたすらコレオです。全日本が最高評価ですが、世界選手権でも四大陸でも高評価で平均GOE4.000を超えました。世界選手権の+4.444は今シーズンの国際大会では4位の評価。日本人選手では最高です。

他にはジャンプも入ってきます。トリプルアクセル、4回転もサルコウトーループからのコンビネーション、それぞれあります。ステップは+3台をよく付けますがレベル3が多いのが痛いところ。

変わっているのは、スピンが全然いません。多くの選手はそれほどスピンが得意な印象の無い選手でも+3台の後半くらいはいくつか入ってくるのですが、友野選手はここに載せていない国内ローカル試合も含め今シーズン54回あったスピン要素で平均GOEが+3.000以上なのは1度だけ。スピンの苦手感がこの辺でも見て取れます。

 

サルコウから始まる要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ SP 2 4S   9.70   1.94 11.64 2.000
げんさんサマーカップ FS 2 2S   1.30   0.03 1.33 0.250
全大阪Ⅱ選手権 FS 2 4S   9.70   1.36 11.06 1.400
Japan Open FS 2 2S   1.30   0.00 1.30 0.333
近畿選手権 SP 2 4S< 7.76   -3.88 3.88 -5.000
近畿選手権 FS 2 4S< 7.76   -3.88 3.88 -4.600
Grand Prix Torino SP 2 4S   9.70   -0.14 9.56 -0.111
Grand Prix Torino FS 2 4S   9.70   2.49 12.19 2.556
Rostelecom Cup SP 2 4S   9.70   1.80 11.50 1.778
Rostelecom Cup FS 2 4Sq q 9.70   -3.74 5.96 -3.778
全日本選手権 SP 2 4S   9.70   -2.49 7.21 -2.556
全日本選手権 FS 2 4S   9.70   2.77 12.47 2.889
Four Continents SP 2 4S   9.70   2.10 11.80 1.875
Four Continents FS 2 4S   9.70   3.23 12.93 3.375
Coupe du Printemps SP 2 2S* * 0.00   0.00 0.00  
Coupe du Printemps FS 2 4Sq q 9.70   -2.26 7.44 -2.400
World Championships SP 2 4S   9.70   2.77 12.47 2.778
World Championships FS 2 4S   9.70   -4.85 4.85 -5.000

4回転サルコウはショートフリーで1回づつ入っています。

今シーズンとんだ4回転サルコウは18回で2回転になったのが3回、回転不足が2回、転倒が2回、GOEプラスの成功ジャンプは8回。成功率は5割に届いていません。残念だったのはロステレコム杯のフリーと世界選手権のフリーでしょうか。それぞれ成功ジャンプだったら、グランプリ初優勝、世界選手権表彰台、というのがあり得るジャンプでした。

 

トーループで始まる要素(国際大会と全日本より)

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ SP 1 4T+2T   10.80   1.43 12.23 1.500
げんさんサマーカップ FS 1 4T+2T   10.80   2.14 12.94 2.250
げんさんサマーカップ FS 3 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000
全大阪Ⅱ選手権 FS 1 4T+2T   10.80   1.90 12.70 2.000
全大阪Ⅱ選手権 FS 3 4T   9.50   -0.76 8.74 -0.800
Japan Open FS 1 4T+2T   10.80   -0.95 9.85 -0.833
Japan Open FS 3 4T   9.50   -0.71 8.79 -0.500
近畿選手権 SP 1 4T+2T   10.80   1.27 12.07 1.400
近畿選手権 FS 1 4Tq q 9.50   -4.75 4.75 -5.000
近畿選手権 FS 3 2T   1.30   0.00 1.30 -0.200
Grand Prix Torino SP 1 4T+2T   10.80   0.00 10.80 0.000
Grand Prix Torino FS 1 4T+3T   13.70   2.71 16.41 2.889
Grand Prix Torino FS 3 4T   9.50   2.71 12.21 2.778
Rostelecom Cup SP 1 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.111
Rostelecom Cup FS 1 4T+3T   13.70   2.58 16.28 2.778
Rostelecom Cup FS 3 4T   9.50   3.12 12.62 3.222
全日本選手権 SP 1 4T+2T   10.80   0.81 11.61 0.889
全日本選手権 FS 1 4T+2T   10.80   1.49 12.29 1.444
全日本選手権 FS 3 4T   9.50   2.58 12.08 2.667
Four Continents SP 1 4T+3T   13.70   1.43 15.13 1.250
Four Continents FS 1 4T+2T   10.80   -1.58 9.22 -1.500
Four Continents FS 3 4T   9.50   -4.75 4.75 -5.000
Coupe du Printemps SP 1 4T+2T   10.80   1.58 12.38 1.400
Coupe du Printemps FS 1 4T+2T   10.80   2.53 13.33 2.600
Coupe du Printemps FS 3 4T   9.50   -4.75 4.75 -5.000
World Championships SP 1 4T+3T   13.70   3.39 17.09 3.444
World Championships FS 1 4T+3T   13.70   -1.49 12.21 -1.667
World Championships FS 3 4T   9.50   1.76 11.26 1.778

4回転トーループはショートでコンビネーション、フリーでも2回飛ぶジャンプになっています。

今シーズンは28回飛んで、2回転になったのが1回、回転不足が1回、転倒は4回、GOEプラスの成功ジャンプは17回。3分の2程度の成功率です。大事な試合での成功率は高めでしたが、四大陸の転倒が残念だったでしょうか。これを下りていれば優勝もあり得た、というジャンプでした。

 

○アクセルを含む要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ SP 4 3A   8.80 X 1.80 10.60 2.250
げんさんサマーカップ FS 7 3A+1Eu+2S   10.78 X 1.00 11.78 1.250
げんさんサマーカップ FS 8 3Aq q 8.80 X -3.60 5.20 -4.500
全大阪Ⅱ選手権 FS 7 1A   1.21 X -0.02 1.19 -0.200
全大阪Ⅱ選手権 FS 8 3A+1Eu+3S   14.08 X 1.28 15.36 1.600
Japan Open FS 7 3A+1Eu+2S   10.78 X 1.60 12.38 2.000
Japan Open FS 8 3A   8.80 X 1.80 10.60 2.500
近畿選手権 SP 4 3A   8.80 X 2.40 11.20 3.000
近畿選手権 FS 7 3A+1Eu+3S   14.08 X -1.33 12.75 -1.600
近畿選手権 FS 8 3A+2T   10.23 X 0.80 11.03 1.000
Grand Prix Torino SP 4 3A   8.80 x 2.29 11.09 2.889
Grand Prix Torino FS 7 3A   8.80 x -2.74 6.06 -3.444
Grand Prix Torino FS 8 1A   1.21 x 0.08 1.29 0.667
Grand Prix Torino FS 9 3A+REP   6.16 x -0.69 5.47 -0.778
Rostelecom Cup SP 4 3A   8.80 x 1.83 10.63 2.222
Rostelecom Cup FS 7 3A+1Eu+3S   14.08 x -0.80 13.28 -0.889
Rostelecom Cup FS 8 3A   8.80 x -4.00 4.80 -5.000
全日本選手権 SP 4 3A   8.80 X 2.17 10.97 2.667
全日本選手権 FS 7 3A+1Eu+2S   10.78 X -3.66 7.12 -4.333
全日本選手権 FS 8 3A   8.80 X 1.37 10.17 1.667
Four Continents SP 4 3A   8.80 x 2.80 11.60 3.625
Four Continents FS 7 3A+1Eu+3S   14.08 x 0.93 15.01 1.125
Four Continents FS 8 3A   8.80 x 2.53 11.33 3.250
Coupe du Printemps SP 4 3A   8.80 x 2.13 10.93 2.600
Coupe du Printemps FS 7 3A+1Eu+2S   10.78 x 1.60 12.38 1.800
Coupe du Printemps FS 8 3Aq q 8.80 x -2.40 6.40 -2.800
World Championships SP 4 3A   8.80 x 2.74 11.54 3.556
World Championships FS 7 3A+1Eu+3S< 13.13 x -1.94 11.19 -2.444
World Championships FS 8 3A   8.80 x -2.63 6.17 -3.222

トリプルアクセルはショートで当然飛び、フリーでも2回飛ぶジャンプです。

今シーズンはトリノで抜けたのを飛びなおしたのも含め29回飛んで、1回転半になったのが1度、転倒は1度、GOEプラスは18回。成功率は3分の2ほどです。世界選手権のフリーの2本は残念だったなと思います。

また、3連続を9回飛んでいるのですが、3つ目が2回転になったのが4回なので、そこの成功率も5割ちょっとくらいです。

 

代打の神様。でも四大陸では代打ではなくても結果を出しました。大魚は逸した感じではありましたけれど。いいところまで来ているのだけど、あと一つ、ミスが出て取り切れなかったもの、というのが今シーズン多かったように見受けられました。4回転3本そろえるのは大変。でも3本そろうことも出るようになってきた。だけどトリプルアクセルも万全なわけでもないので、4回転とトリプルアクセル、すべてが揃うということがない。それが揃うと280点台の勝負で日本の3強にも絡めるし、その3強に絡めれば世界の表彰台も見える、というところなのですが、なかなかそこまでは難しい。

そんないろいろなことを友野選手の試合では感じながら見ることが多いのですが、そういうごちゃごちゃした思いがすべてフリーの最後のコレオの疾走感で吹き飛ばされる、という感じもありました。

実は世界のトップの選手の多くが年下になってきている世代です。次のオリンピックはまだまだ目指せる年齢ではありますが、すっかりベテラン格でもある。来シーズンは、今シーズン取り損ねたものを取り直す、そんなシーズンであってほしいなとおもいます。