グランプリシリーズ22展望 女子シングル

前回の男子に続いて、今回はグランプリシリーズの女子の展望です。

男子の時と同じように、昨シーズンのベスト、2ndベスト、今シーズンのベストをそれぞれ並べています。ベストスコアはISU公認とは限らずB級大会のものも含めますが、全日本選手権など国内大会は含めません。今シーズンについては国際大会にまだ出ていない日本人選手は国内の試合のスコアを参考記録としてカッコつきで載せています。

 

スケートアメリカ

Skate America   21-22Best 21-22 2nd 22-23Best
Kaori SAKAMOTO JPN 236.09 233.13 205.33
Rino MATSUIKE JPN 224.34 202.21 (192.63)
Haein LEE KOR 213.52 196.55 195.72
Yeonjeong PARK KOR 212.40 186.11 136.17
Isabeau LEVITO USA 208.31 206.55 207.67
Ekaterina KURAKOVA POL 204.73 193.58 188.41
Amber GLENN USA 201.02 183.46 177.01
Ahsun YUN KOR 195.87 170.24  
Nicole SCHOTT GER 188.42 186.66 147.46
Marilena KITROMILIS CYP 180.72 166.95 129.64
Gracie GOLD USA 138.69   180.26
Eliska BREZINOVA CZE 175.41 163.95 159.47

初戦から現世界女王坂本花織選手が登場します。ただ、シーズン序盤はあまり調子が上がらない癖がある。200点ランカーが他に6人もいますので付け入るスキはあるかもしれません。

松生理乃選手がスコア2位。224.34はISU公認スコアではありませんが昨シーズン出しました。そのスコアをここで出せれば優勝も見えてくるのですが中部選手権では192.63でした。勝負に絡んでこられるかどうか。

韓国のイ・ヘイン選手、パクヨンジョン選手が210点台を持っていて、それに続いてアメリカのイサボーレビト選手が安定して200点台を出してきます。さらにクラコワ選手やアンバーグレン選手もいる。高いレベルが揃っています。

そしてここに、久しぶりにグレーシーゴールド選手が戻ってきました。今シーズンB級大会ですが180.26まで出しています。表彰台に絡むのは難しいかもしれませんが、元気な姿を見せてほしいです。

 

スケートカナダ

Skate Canada   21-22Best 21-22 2nd 22-23Best
Young YOU KOR 216.97 213.09 183.40
Rinka WATANABE JPN 190.84 183.69 213.14
Lindsay THORNGREN USA 199.42 193.77 203.62
Madeline SCHIZAS CAN 192.14 188.14 166.31
Niina PETROKINA EST 188.86 187.07 176.32
Yuhana YOKOI JPN 185.34 176.93 (173.36)
Starr ANDREWS USA 177.63 173.01 156.60
Gabrielle DALEMAN CAN 176.74 172.98  
Lindsay VAN ZUNDERT NED 175.81 171.40 164.81
Eliska BREZINOVA CZE 175.41 163.95 159.47
Kate WANG USA 170.93 169.73  
Rika KIHIRA JPN     (154.49)

2戦目はスケートカナダです。スコアトップはユヨン選手。210点台を普通に出せる選手ですが波もあります。グランプリ初優勝のチャンスとなっています。

スコア2番手に渡辺倫果選手がいます。波があるけどノーミスすればいきなり勝つチャンスもあるという立ち位置。東京選手権ではひどいスコアでしたが、先日国体の青森県予選ではトリプルアクセルを決めていました。いい方が出るか悪い方が出るか。

200点ランクでもう一人、アメリカのソーングレン選手がいます。グランプリデビュー戦。いきなり表彰台なるでしょうか。

日本からは後二人。昨シーズン全休の紀平梨花選手が国際大会復帰です。まだ万全の滑りではなさそうなので多くを望むのは難しいかもしれませんがどこまでジャンプが戻ってきているか。もう一人、横井ゆは菜選手。最近調子を落としているようにも感じますが、1度はB級大会とは言え210点台を出した選手です。一発当ててほしいとも思います。

この大会はトリプルアクセルジャンパーが3人でるわけですが、何本決まって来るかというのも楽しみの一つとしてあります。

 

○グランプリフランス

Grand Prix de France   21-22Best 21-22 2nd 22-23Best
Rino MATSUIKE JPN 224.34 202.21 (192.63)
Loena HENDRICKX BEL 219.05 217.70 208.05
Yelim KIM KOR 209.91 202.63 213.97
Haein LEE KOR 213.52 196.55 195.72
Mana KAWABE JPN 205.44 186.52 180.11
Audrey SHIN USA 203.86 174.73 176.44
Lea SERNA FRA 188.86 171.00  
Olga MIKUTINA AUT 182.98 182.20 160.43
Rion SUMIYOSHI JPN 178.02 174.58 (191.62)
Lindsay VAN ZUNDERT NED 175.81 171.40 164.81
Maia MAZZARA FRA 162.79 155.36 135.04
Mae Berenice MEITE FRA 142.13   120.77

3戦目はフランスです。誰が勝っても初優勝という試合になりました。

スコアランク1位は松生理乃選手になっています。あの224.34はヘンドリックス選手を上回るもの。ノーミスすれば強いのですができるかどうか。

とはいえ本命はヘンドリックス選手なのだろうと思います。今シーズンも早くも208.05まで出してきました。

そこに韓国勢2人が続きます。この試合もレベルが高い。韓国勢も優勝のチャンス、さらにはファイナルのチャンスがあります。

河辺愛菜選手が5番目。今年に入ってから今一つ結果が出ていませんが、トリプルアクセルを飛べる調子が戻っていれば上位進出のチャンスが勿論あります。

200点台でもう一人、アメリカのオードリーシン選手。波があるので難しいですが上位に入ってくる可能性はあります。

日本からは住吉りをん選手も出場です。グランプリデビュー戦。存在感を示せるでしょうか? 挑戦中の4回転をここで決めてきたら世界が衝撃を受けることになります。

 

○MKジョンウィルソン杯

MK John Wilson   21-22Best 21-22 2nd 22-23Best
Mai MIHARA JPN 218.03 214.95 (207.61)
Young YOU KOR 216.97 213.09 183.40
Isabeau LEVITO USA 208.31 206.55 207.67
Ekaterina KURAKOVA POL 204.73 193.58 188.41
Anastasiia GUBANOVA GEO 203.91 200.98 197.56
Nicole SCHOTT GER 188.42 186.66 147.46
Gabriella IZZO USA 182.76 180.06 153.23
Alexia PAGANINI SUI 180.48 178.10 165.71
Gabrielle DALEMAN CAN 176.74 172.98  
Julia SAUTER ROU 170.31 160.50  
Natasha McKAY GBR 167.75 162.54 156.66
Bradie TENNELL USA      

今年のグランプリシリーズはイギリスに4戦目で渡ります。ここも誰が勝っても初優勝という試合になりました。

スコアランクトップは三原舞依選手です。グランプリ初優勝の大きなチャンス。なぜチャレンジャーシリーズに出なかったのかわからないのですが、国内2戦でもきっちり200点は超えていました。今季は大チャンスなので初優勝とファイナル進出を狙う立場です。

ユヨン選手がそこに続きます。こちらは普通にファイナル進出を目指す立ち位置。最近決まってないトリプルアクセル、今シーズン決められるかどうか。

200点台ではアメリカのレビト選手がいます。オリンピック代表3人が誰もグランプリシリーズに出てこないアメリカ。レビト選手がエース格になっているのでシニアに上がったばかりですがファイナルに顔を出してほしい部分もある。

さらにはグバノワ選手にクラコワ選手、元ロシアの選手もいます。

また、ブレイディテネル選手の復帰戦ということにいまのところなっています。怪我の状態がどうなのかわかりませんが、無事に試合に出てきてくれることを祈ります。

 

NHK杯

NHK Trophy   21-22Best 21-22 2nd 22-23Best
Kaori SAKAMOTO JPN 236.09 233.13 205.33
Yelim KIM KOR 209.91 202.63 213.97
Rinka WATANABE JPN 190.84 183.69 213.14
Audrey SHIN USA 203.86 174.73 176.44
Eva-Lotta KIIBUS EST 202.04 171.75 165.21
Amber GLENN USA 201.02 183.46 177.01
Seoyeong WI KOR 186.72 170.54 193.25
Niina PETROKINA EST 188.86 187.07 176.32
Olga MIKUTINA AUT 182.98 182.20 174.70
Rion SUMIYOSHI JPN 178.02 174.58 (191.62)
Starr ANDREWS USA 177.63 173.01 156.60
Seoyeon JI KOR 173.69 172.06  

NHK杯が5戦目。ここに坂本花織選手がいます。2戦2勝でファイナルへと進めるかどうか。NHK杯としては3連覇がかかります。やはりNHK杯は日本勢が勝たないといけません。

韓国のキムイェリム選手が2番手のスコアになっています。安定して200点を超えてくる選手なのでファイナルへ進める可能性もかなりある。

渡辺倫果選手が3番手です。当たれば強いトリプルアクセル。当てられるか。2戦とも当ててくればいきなりファイナルもありえるわけですが、安定感は今一つ。ここではどちらが出てくるでしょうか。

アメリカのオードリーシン選手、アンバーグレン選手あたりも続きます。世界選手権3枠を巡るアメリカ勢の争いもあります。

日本勢では住吉りをん選手もいます。日本は世界王者、トリプルアクセル、4回転挑戦中というそれぞれ特徴ある3人の顔ぶれになっています。

 

○グランプリエスポ―

Grand Prix Espoo   21-22Best 21-22 2nd 22-23Best
Loena HENDRICKX BEL 219.05 217.70 208.05
Mai MIHARA JPN 218.03 214.95 -207.61
Mana KAWABE JPN 205.44 186.52 180.11
Anastasiia GUBANOVA GEO 203.91 200.98 197.56
Lindsay THORNGREN USA 199.42 193.77 203.62
Eva-Lotta KIIBUS EST 202.04 171.75 165.21
Madeline SCHIZAS CAN 192.14 188.14 166.31
Emmi PELTONEN FIN 169.25 163.79  
Linnea CEDER FIN 168.88 161.26 155.95
Jenni SAARINEN FIN 168.72 164.85  
Rika KIHIRA JPN     -154.49
Bradie TENNELL USA      

終戦フィンランドです。スコア的にはヘンドリックス選手と三原舞依選手の一騎打ちの構図にも見えます。

200点台のスコアを持つ後の4人がどこまで絡んでいけるか。

そして、ケガから復帰のシーズンの紀平梨花選手とブレイディテネル選手がこの時期にどこまで復調しているか。この二人が調子を上げていると非常に面白い試合になってくるわけですがどうなっているでしょう。

 

ロシア勢がいないグランプリシリーズ。誰が勝っても初優勝という試合が2試合あります。優勝経験者は坂本花織選手と紀平梨花選手の2人しかいません。紀平選手のケガの状態を考えるとグランプリ初優勝選手が何人も生まれていくことが予想されます。

一方で、ジュニアグランプリで高得点が連発されました。日本からトリプルアクセルジャンパーが3人出て、3人で5勝しました。シニアでも樋口新葉選手が欠場してしまっていますが、それでもトリプルアクセルジャンパーが日本から3人でます。シニアでも高得点を期待したいですし、一方で、グレーシーゴールド選手、ガブリエルデールマン選手といったベテラン勢の元気な姿も見たいグランプリシリーズとなります。