23-24 アダムシャオイムファ

2001年1月31日生まれ

シニア4シーズン目

シーズン獲得賞金:$96,000

世界ランキング:2位

シーズンランキング:2位

シーズンベストスコア 306.78(3位) グランプリフランス

ショートプログラムシーズンベスト 109.04 ニース杯

フリーシーズンベスト 207.17 中国杯

スピンレベル4率 50/54 = 92.6%(国際大会:44/48 = 91.7%)

ステップレベル4率 18/18 = 100.0%(国際大会:16/16 = 100%)

スピンオールレベル4 6/9(国際大会:5/8)

スピンステップオールレベル4 6/9(国際大会:5/8)

ジャンプ回転不足率 2/90 = 2.22%(国際大会:2/80 = 2.50%)

ジャンプ回転不足なし 7/9(国際大会:6/8)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 6/9(国際大会:5/8)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS Nebelhorn Trophy 1 279.57 95.17 184.40
IC Shanghai Trophy 1 282.80 84.00 198.80
IC Trophee Metropole Nice 1 298.61 109.04 189.57
GP Grand Prix de France 1 306.78 101.07 205.71
GP Cup of China 1 298.38 91.21 207.17
GPF Grand Prix Final 4 278.28 88.36 189.92
NC French Championships 1 304.41 99.82 204.59
EC European Championships 1 276.17 94.13 182.04
WC World Championships 3 284.39 77.49 206.90

アダムシャオイムファ選手はシニア4シーズン目になります。昨季はヨーロッパ選手権を制覇。今期はさらに大きなタイトルを狙います。

 

初戦はネーベルホルン杯から。ショートから4回転ルッツを投入。GOE-1.000でしたがしっかり立ちました。そしてフリー、4回転ルッツをついにGOEプラスで成功。初の4回転ルッツ成功となります。他のジャンプでいくつかミスは出ますがフリー184.40でトータル279.57 いきなりパーソナルベストを更新してきます。

 

その後10月に入って上海の招待試合へ。ここではショートフリー共に4回転ルッツを成功。ISU非公認試合ですが282.80までスコアを伸ばします。

10月はもう1試合、ニース杯。これは昨年も出ていたフランスのB級大会です。このショートで4回転ルッツ込みで全要素全ジャッジプラス評価のスピンステップオールレベル4 ISU非公認ではありますが109.04のスーパースコアを出してきます。フリーはミスが出て189.57となりますが、トータル298.61と300点近いところまで来ました。

 

ここまで踏まえてグランプリシリーズへ入っていきます。3戦目の地元フランスで登場です。ショートプログラムは11番滑走で登場。4回転ルッツを見事に決めつつ全要素プラス評価。ノーミス。101.07 パーソナルベスト更新。最終滑走マリニン選手が上へ行きますがそれでも0.51差の2位に付けます。フリーも11番滑走で登場。フリーも4回転ルッツを決めました。以降も全要素プラス評価。205.71とパーソナルベスト大幅更新でトータル306.78 300点に乗せました。このスコアでマリニン選手を逆転。グランプリシリーズ通算2勝目となります。

 

連戦で中国杯へ向かいます。現世界チャンピオンの宇野昌磨選手との対戦です。4回転ルッツをしっかり決めたのですが、トーループで転倒しコンビネーション入らず。91.21で2位。首位宇野選手とは14.04差。これはさすがに優勝は厳しそう、という展開でしたがフリーはまたもノーミスを出します。207.17でパーソナルベストを更新。トータル298.38 このスコアで最終滑走宇野選手を待つと、結果的には大逆転優勝。グランプリ連勝でファイナル進出を決めました。

 

グランプリファイナルは2戦2勝なので最終滑走で登場してきます。ここまで3人100点超えという展開。ここも続きたいところだったのですがルッツが2回転になり零点。これが痛くて88.36と6位スタートになります。フリーは巻き返しますがコレオで転倒するなどすっきり乗り切れない展開。フリー189.92でトータル278.28 順位を上げますが4位。表彰台には届かず終わりました。

 

翌週連戦でナショナルですがこれは304.41で圧勝します。

年が明けてヨーロッパ選手権へ。連覇がかかる試合です。当然優勝候補大本命。ショートプログラムでは4回転ルッツが手をつくミスが出つつ、トーループからのコンビネーションはセカンドが2回転に。思ったほど点は伸びず94.13に留まりますがそれでも首位に立ちます。2位ブリッチギー選手とは2.96差。3位セレフコ選手とは4.08差あります。

フリーは23番滑走。セレフコ選手は先に滑っていてそれを超えるには162.87でよいですが、ブリッチギー選手が最終滑走にまだいますのである程度しっかり点は出しておかないと危なさは残ります。冒頭の4回転ルッツは耐える形になり次のトーループで転倒。4回転サルコウもすっきり決まらず、後半に入ってのトーループからの4-3はクリーンに決めてきましたが、最後の3連続は3つ目が2回転になります。それほどスコアに余裕があるようには見えなかったのですが、コレオでバックフリップを敢行。減点2をもらいつつフリーは182.04 トータル276.17で首位に立ち最終滑走を待ちます。ブリッチギー選手は185.00で優勝出来るわけですがこの時点の自己ベストは176.49 全く届かないスコアでもないので2点差以内で上へ行ったら面白いな、という展開でしたが、スコア伸びずで結局アダムシャオイムファ選手は2連覇を果たしました。

 

世界選手権は優勝候補の一角です。ショートプログラムは最終滑走となります。そこまでにマリニン選手、宇野選手、鍵山選手と優勝を争う選手たちは105点以上のスコアを出してきていました。それに続きたいところだったのですが4回転ルッツはステップアウト、トリプルアクセルも耐えてなんとか着氷。そして4回転トーループで転倒してコンビネーション付かず。これってもしかしてショート落ちある??? というところに追い込まれましたがこんな流れからステップでまさかの満点を叩きだして77.49 何とか19位でフリーに進出します。

フリーは第一グループ。緊張は溶けたでしょうか、ここで素晴らしい演技を見せます。全要素プラス評価。そして、またコレオでバックフリップを見せて減点マイナス2 勝負捨てただろ感もありましたが、スコアとしては206.90まで出してトータル284.39 当然トップに立ってここから後続をひたすら待ちます。第3グループ終わっても首位のまま。これで2点差以内で表彰台逃したら面白いんだけど、という展開になっていきましたが宇野選手がスコア伸びず2人残してもまだ首位で表彰台確定。さすがに最後2人は上に行きましたが、ショートジャンプ全ミスからの大逆転表彰台となりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Nebelhorn Trophy 279.57 154.22 125.35 109.76 4.99 24.12 15.35
Shanghai Trophy 282.80 157.23 128.57 106.55 11.02 24.00 15.66
Trophee Metropole Nice 298.61 163.38 138.23 110.84 9.71 26.19 16.64
Grand Prix de France 306.78 173.40 133.38 107.52 25.14 24.83 15.91
Cup of China 298.38 164.48 134.90 106.22 16.23 25.90 16.13
Grand Prix Final 278.28 146.08 133.20 98.92 10.19 25.07 11.90
French Championships 304.41 167.00 138.41 112.35 11.46 26.48 16.71
European Championships 276.17 147.18 131.99 104.64 1.45 25.32 15.77
World Championships 284.39 153.03 134.36 104.32 8.84 23.45 16.42

トータルスコアは270点台から300点台まであります。306.78は今期3位のスコアです。

技術点は150点台から170点台まであります。173.40で今期全選手中2位です。マリニン選手の一番いいスコアとの差は25.08になります。

PCSの方は135点という1項目9点平均の前後あたりにいます。ISU公認では134.90が最高です。ISU公認で見ると今期全選手中6位になります。

ジャンプの基礎点は100点台が標準です。4回転フリップまで入れたナショナルは112.35が出ました。ISU公認では109.76が最高です。今シーズン全選手中2位のジャンプ基礎点です。マリニン選手の一番いい基礎点とは19.73差あります。

ジャンプの加点がグランプリシリーズのフランスで+25.14まで出ました。これは今季2位の加点になります。ヨーロッパ選手権ではわずかなプラス、世界選手権でも一桁までとなったあたりは残念なところでした。

スピンは25点台は普通に出て、26点台もナショナルやB級大会で出ています。26.19は今シーズン全選手中3位にあたりますし、ISU公認の中国杯の25.90でもやはり3位です。

ステップ系要素は16点台まで普通に出ます。ナショナルの16.71は国内参考ですが、世界選手権でも16.42まで出しました。この16.42で今シーズン全選手中3位にあたります。B級大会の16.64なら2位でした。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Nebelhorn Trophy 67.82 70.79 57.72 62.82 67.81 62.88
Shanghai Trophy 68.65 68.87 65.19 62.41 69.22 65.03
Trophee Metropole Nice 72.74 71.44 63.56 69.93 73.70 71.48
Grand Prix de France 74.85 69.45 82.66 65.26 70.37 68.24
Cup of China 72.68 68.67 71.63 68.93 71.37 69.26
Grand Prix Final 67.48 64.29 64.16 66.08 52.05 68.12
French Championships 74.24 72.34 65.73 70.93 74.02 71.60
European Championships 66.94 67.72 53.34 66.94 69.73 67.32
World Championships 69.06 67.53 62.49 60.52 72.69 68.90

偏差値で見るとトータルスコアは70前後出ます。最高で74.85までありました。

ジャンプの基礎点も70前後です。加点の方は60台が多いですが、グランプリシリーズのフランスでは80超えの異常値レベルに達しました。

スピンは60台後半が並びます。ナショナルだけ70に乗りました。

ステップ系要素はグランプリファイナルだけ平均近くに沈んでいますが基本的には70前後出ます。

PCSは60台後半くらいで、ナショナルやB級大会では70を超えました。

全体的に70前後の偏差値を叩きだす力があるということのようです。

 

アダムシャオイムファ選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャートは右下が凹みがちですが、割とバランス型のようにも見えます。世界選手権のように凹むときは全体的に凹んでいたりもします。

あたりまえですがジャンプの出来が鍵、という右下のばらつきかたです。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○ニース杯 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lz   11.50   4.60 16.10 4.000
2 3A   8.00   2.40 10.40 2.800
3 4T+3T   13.70   3.17 16.87 3.200
4 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
5 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.200
6 StSq4   3.90   1.95 5.85 5.000
7 CSSp4   3.00   1.20 4.20 4.200
  TES   46.80   15.33 62.13  

ショートの最高基礎点は46.80がありました。グランプリシリーズのフランス大会でも同じ46.80の基礎点が出ていました。4回転ルッツを飛び、コンビネーションは4回転のトーループから。スピンステップオールレベル4ですが、1.1倍にジャンプを入れない、という構成で46.80です。今シーズン全選手中5位の基礎点になります。

1.1倍にコンビネーションを入れれば1.37基礎点が上がって48.17にまで出来ます。ここまでもっていけば全選手中2位の基礎点です。どうせジャンプの1番最後にコンビネーションを持ってきているわけですから、スピンを間に入れて時間を稼いで1.1倍のジャンプを作った方がスコア的には有利です。それ以外にプログラム全体の構成に関するブノワリショー先生のこだわりがあってジャンプ3つを最初に固めているのでしょうか。

 

○ニース杯 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lz F 11.50   -5.75 5.75 -5.000
2 4T   9.50   -1.27 8.23 -1.200
3 3A+2A+SEQ   11.30   1.07 12.37 1.400
4 4S   9.70   1.29 10.99 1.400
5 4T+3T   15.07 x 1.90 16.97 2.000
6 3A   8.80 x 0.53 9.33 0.800
7 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.200
8 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.77 13.54 3.000
9 FCCoSp4   3.50   0.93 4.43 2.600
10 ChSq1   3.00   2.33 5.33 4.600
11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
12 CSSp4   3.00   1.30 4.30 4.200
  TES   94.54   6.71 101.25  

フリーは94.54が最高基礎点でした。今期全選手中2位の基礎点です。マリニン選手の一番高い基礎点とは15.25差になります。4回転はルッツとサルコウトーループ2本。セカンド3回転あり、シークエンスアクセルあり、3連続は3つ目3サルコウでスピンはレベル4基礎点10.00 ステップレベル4で94.54です。

ナショナルでは4回転フリップも構成にいれて、4回転5本のトリプルアクセル1本で97.45という基礎点を出していました。オリンピックシーズンまでに4回転4種類5本を揃えて、トリプルアクセル2本構成にまでもっていき、100点台の基礎点構成を作り上げる、というのがおそらく戦略として練られているのではないかと想像されます。

 

○平均GOE4.000以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Trophee Metropole Nice SP 6 StSq4   3.90   1.95 5.85 5.000
French Championships SP 6 StSq4   3.90   1.95 5.85 4.857
World Championships SP 6 StSq4   3.90   1.95 5.85 4.778
French Championships FS 10 ChSq1   3.00   2.40 5.40 4.714
Trophee Metropole Nice FS 10 ChSq1   3.00   2.33 5.33 4.600
Cup of China FS 10 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.444
European Championships SP 6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.444
Shanghai Trophy FS 10 ChSq1   3.00   2.20 5.20 4.400
Grand Prix de France FS 10 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.333
Cup of China SP 6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
World Championships FS 7 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.222
Trophee Metropole Nice SP 7 CSSp4   3.00   1.20 4.20 4.200
Trophee Metropole Nice FS 7 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.200
Trophee Metropole Nice FS 12 CSSp4   3.00   1.30 4.30 4.200
Cup of China FS 12 CSSp4   3.00   1.24 4.24 4.111
French Championships FS 7 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
World Championships FS 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
French Championships FS 4 4S   9.70   3.88 13.58 4.000
Trophee Metropole Nice SP 1 4Lz   11.50   4.60 16.10 4.000

アダムシャオイムファ選手の評価の高い要素はステップとコレオです。ステップは今期、ジャッジ全員+5の満点がB級大会でありましたし、スコアとして満点はナショナルでも出して、世界選手権でも出しました。当然、今期の全選手中1位のステップの評価となります。

コレオはナショナルで+4.714 B級大会で+4.600 ISU公認では+4.444があります。今期全選手中3位です。ステップレベル4率100%ですのでとにかくステップは得意です。

スピンでは足替えのシットスピンが高評価です。B級大会では+4.200 ISU公認の中国杯で+4.111があります。+4.200で今期全選手中4位のスピンの評価、+4.111でも4位タイです。足替えのコンビネーションスピンとしては全選手中1位の評価でした。

 

○4回転ルッツ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Nebelhorn Trophy SP 1 4Lz   11.50   -1.15 10.35 -1.000
Nebelhorn Trophy FS 1 4Lz   11.50   3.68 15.18 3.143
Shanghai Trophy SP 1 4Lz   11.50   1.61 13.11 1.400
Shanghai Trophy FS 1 4Lz   11.50   3.68 15.18 3.200
Trophee Metropole Nice SP 1 4Lz   11.50   4.60 16.10 4.000
Trophee Metropole Nice FS 1 4Lz F 11.50   -5.75 5.75 -5.000
Grand Prix de France SP 1 4Lz   11.50   3.78 15.28 3.222
Grand Prix de France FS 1 4Lz   11.50   3.78 15.28 3.111
Cup of China SP 1 4Lz   11.50   4.27 15.77 3.667
Cup of China FS 1 4Lz   11.50   2.14 13.64 1.889
Grand Prix Final FS 1 4Lz   11.50   -0.16 11.34 -0.111
French Championships SP 1 4Lz   11.50   0.69 12.19 0.571
French Championships FS 1 4Lz   11.50   0.46 11.96 0.286
European Championships SP 1 4Lz   11.50   -2.14 9.36 -1.889
European Championships FS 1 4Lz   11.50   0.16 11.66 0.222
World Championships SP 1 4Lz   11.50   -3.29 8.21 -2.889
World Championships FS 1 4Lz   11.50   3.61 15.11 3.111

アダムシャオイムファ選手は今期4回転ルッツを初成功させました。

全試合でショートフリー共に最初の要素として入れています。抜けて4回転にならなかったグランプリファイナルのショートを含めて18回飛んでGOEプラスの成功ジャンプは12回ですので成功率は3分の2です。転倒は1回だけ。そういう意味ではほぼ計算が立つジャンプになりました。

ニース杯の+4.000という評価は今期の全4回転ルッツの中の最高評価です。ISU公認だけで見れば中国杯の+3.667が全選手中2位タイの評価になります。

 

○4回転フリップ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
French Championships SP 3 4F+2T   12.30   -1.32 10.98 -1.143
French Championships FS 3 4F F 11.00   -5.50 5.50 -4.857

国際大会では入れていませんでしたが、ナショナルでは4回転フリップを試みていました。ショートではコンビネーションでGOEマイナスではありますが立っています。フリーは転倒。来期、これが国際大会でも構成に入ってくると、4回転5本構成が作れます。

オリンピックでマリニン選手に勝つ、を目指すにはぜひ欲しい要素となってきます。

 

○4回転サルコウ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Nebelhorn Trophy FS 4 4S   9.70   -0.19 9.51 -0.286
Shanghai Trophy FS 4 4S   9.70   2.13 11.83 2.200
Trophee Metropole Nice FS 4 4S   9.70   1.29 10.99 1.400
Grand Prix de France FS 4 4S   9.70   3.46 13.16 3.444
Cup of China FS 4 4S   9.70   3.60 13.30 3.667
Grand Prix Final FS 4 4S   9.70   -3.05 6.65 -3.111
French Championships FS 4 4S   9.70   3.88 13.58 4.000
European Championships FS 4 4S   9.70   -1.25 8.45 -1.111
World Championships FS 4 4S   9.70   3.19 12.89 3.222

4回転サルコウはフリーで入ってくる要素です。今期9回飛んでGOEプラスの成功ジャンプは6回。3分の2の成功率です。ただ、転倒はありませんので大きな心配はないジャンプとも言えます。

中国杯の+3.667は今期の4回転サルコウを飛んだ選手の中で6位、ISU公認だけなら4位という高い評価になります。

 

○4回転トーループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Nebelhorn Trophy SP 3 4T+3T   13.70   2.28 15.98 2.429
Nebelhorn Trophy FS 2 4T+3T   13.70   2.09 15.79 2.286
Nebelhorn Trophy FS 5 4T   10.45 x -2.66 7.79 -2.857
Shanghai Trophy SP 3 4T+COMBO F 9.50   -4.75 4.75 -5.000
Shanghai Trophy FS 2 4T+3T   13.70   1.90 15.60 2.000
Shanghai Trophy FS 5 4T   10.45 x 3.04 13.49 3.200
Trophee Metropole Nice SP 3 4T+3T   13.70   3.17 16.87 3.200
Trophee Metropole Nice FS 2 4T   9.50   -1.27 8.23 -1.200
Trophee Metropole Nice FS 5 4T+3T   15.07 x 1.90 16.97 2.000
Grand Prix de France SP 3 4T+3T   13.70   1.49 15.19 1.556
Grand Prix de France FS 2 4T+2T   10.80   2.44 13.24 2.444
Grand Prix de France FS 5 4T   10.45 x 2.99 13.44 3.111
Cup of China SP 3 4T+COMBO F 9.50   -4.75 4.75 -5.000
Cup of China FS 2 4T+3T   13.70   0.54 14.24 0.556
Cup of China FS 5 4T   10.45 x 2.71 13.16 2.889
Grand Prix Final SP 3 4T+3T   13.70   1.49 15.19 1.556
Grand Prix Final FS 2 4T+3T   13.70   2.31 16.01 2.333
Grand Prix Final FS 5 4T   10.45 x 2.71 13.16 2.889
French Championships FS 2 4T+3T   13.70   2.47 16.17 2.429
French Championships FS 5 4T   10.45 x 3.61 14.06 3.714
European Championships SP 3 4T+2T   10.80   1.90 12.70 1.889
European Championships FS 2 4T F 9.50   -4.61 4.89 -4.667
European Championships FS 5 4T+3T   15.07 x 2.04 17.11 2.111
World Championships SP 3 4T<+COMBO F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
World Championships FS 2 4T+3T   13.70   2.31 16.01 2.556
World Championships FS 5 4T   10.45 x 3.26 13.71 3.333

4回転トーループはショートフリーで合計3回飛びます。ショートは4-3にしたいわけですが、構成に入れなかったナショナル以外で8回飛んで3転倒。セカンドが2回転になったヨーロッパ選手権は成功に含めるか微妙で、4-3でしっかり成功したのは4回ということで確率5割になります。

フリーは18回飛んで転倒1回、GOEマイナス2回、セカンドが2回転になったのが1回で14回はGOEプラスの成功ジャンプと取れます。フリーでの成功率はそれなりに高くあります。

 

○回転不足の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Nebelhorn Trophy FS 3 3A+2A<+SEQ 10.64   -2.88 7.76 -3.571
World Championships SP 3 4T<+COMBO F 7.60   -3.80 3.80 -5.000

4回転をショートフリーで合計6本飛ぶようになったアダムシャオイムファ選手ですが、その中で回転不足で基礎点を削られるケースは非常に少ないです。ジャンプ要素合計90回の中で2回しかアンダーローテーションはありませんでした。回転の心配をほとんどしなくていい、というのは強みです。

 

今期4回転ルッツを完成させて世界の頂点を争う位置に入ってきたアダムシャオイムファ選手。マリニン選手の後塵を拝する形にはなったものの、すべての試合で存在感は見せてきました。そして、バックフリップで物議をかもしてもいます。

マリニン選手と戦っていけそうな数少ない選手の1人です。4回転フリップまで入って4種類5本構成が組めると、マリニン1強時代、というものが築かれずに、2極体制へ持っていける可能性もあります。来期、そこまで持っていけるかどうか。ショートの不安定さの解消も課題ですが、いずれにしても主役の一人としてしばらく活躍してくれるものと思われます。