JGPリガ 連勝続く

今シーズンもジュニアグランプリシリーズが始まりました。いつもよりは1週遅く、8月最終週の開催です。

 

○女子シングル(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Mao SHIMADA JPN 204.86 71.67 133.19
2 Elina GOIDINA EST 182.23 62.05 120.18
3 Nayeon KO KOR 176.86 64.04 112.82
4 Lulu LIN CAN 167.82 59.05 108.77
5 Ikura KUSHIDA JPN 166.01 66.36 99.65
6 Anna GERKE GER 161.75 55.68 106.07
7 Anastasia BRANDENBURG SUI 159.55 46.43 113.12
8 Annika CHAO USA 157.66 51.94 105.72
9 Sophia SHIFRIN ISR 149.67 53.98 95.69
10 Sarina JOOS ITA 146.09 56.69 89.40
11 Alexandra ODMAN SWE 143.71 47.42 96.29
12 Julija LOVRENCIC SLO 141.96 49.22 92.74

島田麻央選手が今期初戦を圧勝しました。これでジュニアグランプリシリーズとして5連勝。ファイナル含めると7連勝。ISU公認試合9連勝、ノービス時代から国際大会12連勝となります。

ジュニアグランプリシリーズは4戦4勝という選手は何人かいましたが、たいていはそういった選手はジュニアは2シーズンで通過していく、という時期が長く続きましたので、5勝する選手は数少ないです。過去のジュニアグランプリシリーズの連勝記録は、6戦6勝した安藤美姫さんのものが今のところ残っています。島田選手は今回ファイナル含めての7連勝となりました。ファイナル含めて7連勝は史上初の記録です。安藤美姫さんはファイナル含めて通算8勝という記録もあります(2シーズン目のファイナルが3位なのでファイナル含めた連勝は5)。なお、浅田真央さんはこれも特殊例でジュニアグランプリシリーズは1シーズンしか出ずにシニアにすぐ上がってしまったので、2戦2勝、ファイナル含めて3戦3勝で終えています。

昨季の世界ジュニア11位、今期ジュニア2シーズン目のゴイディナ選手が2位に入ってきました。182.23はパーソナルベスト更新。ただ、4月のB級大会で182.47を出していましたので予想される範疇の結果ではありました。昨季はジュニアグランプリに出ていなかったのですが、今期はいきなりファイナル進出の芽が出てきました。

3位には韓国からコナヨン選手。昨季は1戦だけ、アルメニアに出場して137.44の12位と結果を残せなかったのですが、今期は結果を残してきました。3位表彰台があり、2戦目の権利も持っていますのでファイナルの芽があります。

ショート2位で期待された櫛田育良選手はフリーで伸びずに5位でした。

昨季世界ジュニア7位、ヨーロッパ選手権6位のサリナヨース選手も10位に終わっています。

 

○島田麻央選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   -3.43 4.57 -4.333
2 4T< F < 7.60   -3.80 3.80 -5.000
3 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
4 3S+3T   8.50   1.04 9.54 2.444
5 FCCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.333
6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
7 3F+2A+2A+SEQ   13.09 x 1.14 14.23 1.889
8 3Lo   5.39 x 0.35 5.74 0.778
9 3Lz   6.49 x 0.93 7.42 1.444
10 LSp4   2.70   0.93 3.63 3.333
11 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
  TES   71.87   2.46 74.33  

島田選手は4回転とトリプルアクセルを構成に入れています。このあたりは昨シーズンと同じです。今シーズンはコンビネーションを変えてきました。昨シーズンは3連続がサルコウからの3-3に2回転トーループを付けていたのですが、今期はフリップからアクセル2つです。これにより昨季余っていたダブルアクセルを今期は使えています。結果として、昨季までの基礎点最高は4回転を周りきっての71.06(スピン1つレベル3)でしたが、今回は4回転がアンダーローテーションで基礎点削られても合計で71.87に達しました。4回転まわり切った場合ノーミス基礎点で73.77になり、シニアルールでステップレベル4足せれば77.67まで出ます。トリプルアクセル以上なしの構成の選手だと64点台の基礎点が精いっぱいですので、かなりの差が出ます。現行メンバーでは基礎点ではかなり優位です。

連勝を続ける島田選手の次戦は5戦目のポーランドにエントリーしています。時期的に近畿選手権と丸被りですので、ブロック大会は欠場ということになるかと思います。

 

○櫛田育良選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz   5.90   -0.59 5.31 -1.111
2 3S   4.30   0.31 4.61 0.667
3 FCCoSp3   3.00   0.60 3.60 2.000
4 3Loq F q 4.90   -2.45 2.45 -5.000
5 2A   3.30   -0.94 2.36 -2.889
6 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.222
7 3F+2T+2Loq q 9.13 x -0.83 8.30 -1.556
8 3Lzq+REP F q 4.54 x -2.95 1.59 -5.000
9 3Fq+2A+SEQ q 9.46 x -2.27 7.19 -4.222
10 ChSq1   3.00   1.00 4.00 1.889
11 LSp4   2.70   0.69 3.39 2.444
  TES   53.73   -6.63 47.10  

ショート2位で折り返したのですが、フリーはq4つに2転倒。スコア伸ばせませんでした。

基礎点はqなら削られないのですが、コンビネーションが1つ入らなかったのでそちらの分が大きいです。本来なら冒頭のルッツの後ろに3Tが付いていたはずです。そこで4.2の基礎点、さらにルッツリピートで削られた1.95と合わせて6.15の基礎点が削られた形です。

1つ目のルッツはまだ後半のリカバリーが可能だったのでそれほど問題はなかったのですが、ループで転倒したところからおかしくなってしまいました。110.51で表彰台確定、2位になるには115.88以上が必要という場面。国際大会ではこれまで110.51を下回ったことはなかったですし、今期の国内戦3戦でもワーストは116.73ということで、普通に滑れば表彰台、ちゃんと滑れば2位というのが見えていたところだったので、非常に残念なフリーでした。

櫛田選手はいまのところ次戦は4戦目のアンカラにエントリーしています。これに出場すれば、翌週にある近畿選手権は免除になる権利がありまし、昨季の全日本ジュニア表彰台があるので、元々シード免除でもあります。

 

○男子シングル(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Sena TAKAHASHI JPN 229.66 81.05 148.61
2 Jaekeun LEE KOR 220.26 73.78 146.48
3 Shunsuke NAKAMURA JPN 212.73 68.39 144.34
4 Lukas VACLAVIK SVK 194.01 73.52 120.49
5 Nikita SHEIKO ISR 193.48 75.61 117.87
6 Genrikh GARTUNG GER 191.42 54.56 136.86
7 Aleksandr FEGAN USA 190.07 61.51 128.56
8 Anthony PARADIS CAN 184.28 64.84 119.44
9 Yehor KURTSEV UKR 168.66 61.21 107.45
10 Jarvis HO HKG 165.18 53.32 111.86
11 Donghan YU KOR 155.56 54.22 101.34
12 Arttu JUUSOLA FIN 154.17 54.23 99.94

高橋星名選手、国際大会デビュー戦初優勝。ショートフリー共に1位のスコアで勝ちました。

昨季世界ジュニア12位の韓国、イジェグン選手が2位です。ナショナルでは226点まで出していましたが、国際大会としてはパーソナルベスト更新です。フリーで初めてトリプルアクセル2本、それも1つはセカンド3回転で決めてきてスコアを伸ばしました。

中村俊介選手は3位。ショート5位で心配されましたがフリー巻き返してしっかり表彰台を確保。ジュニアグランプリシリーズ4回目の表彰台です。これでファイナル進出の芽をしっかり残しました。

 

○高橋星名選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A+2T   9.30   1.26 10.56 1.667
2 3Lz+3T+2T   11.40   1.01 12.41 1.667
3 3F   5.30   1.29 6.59 2.444
4 FCSp4   3.20   0.64 3.84 2.111
5 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.556
6 3A   8.00   0.23 8.23 0.222
7 CSSp4   3.00   0.77 3.77 2.556
8 3Lo   5.39 x 1.19 6.58 2.444
9 3S+3T   9.35 x 0.92 10.27 2.222
10 2A   3.63 x 0.57 4.20 1.667
11 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.444
  TES   65.07   9.94 75.01  

スピンオールレベル4 基礎点削られるジャンプ無し、抜けなし、コンビネーションすべて入って全要素プラス評価。初の国際大会で最終滑走という緊張する場面だったかと思いますが、ノーミスで決めました。

2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルとトリプルトーループです。ダブルアクセルはまだ余っていますし、1.1倍の構成は弱いですし、この持ち札の状態でもまだ基礎点を上げる手段はあります。ただ、実際には次に入ってくるのは4回転トーループのはず。今季国内戦3戦ではすべて4回転を構成にいれていました。その3試合ではすべてダウングレードでしたので、この優勝が懸かった試合ではしっかり勝ちに行くという選択をしたようです。

高橋選手は次戦は5戦目のポーランドにエントリーしています。島田選手と同様、近畿選手権と日程重なりますのでブロック大会は免除となるはずです。

 

中村俊介選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   -1.63 7.87 -1.556
2 3A+3T   12.20   1.60 13.80 2.000
3 3Lz   5.90   0.59 6.49 1.111
4 CSSp4   3.00   0.69 3.69 2.333
5 3F!+3T ! 9.50   0.30 9.80 0.444
6 3Lo   5.39 x 0.98 6.37 2.000
7 1A   1.21 x 0.02 1.23 0.111
8 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 0.51 12.28 0.889
9 ChSq1   3.00   1.07 4.07 2.222
10 FCSp4   3.20   0.64 3.84 2.111
11 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.111
  TES   68.17   5.87 74.04  

3位まで5.39差、逆転を賭けてのフリー。冒頭の4回転トーループを降りました。トリプルアクセルが2本目は1回転半になったものの、全体的にいい出来で逆転表彰台です。

2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルとトリプルトーループ予定でしたが、アクセルが入らなかったので余ったルッツを最後に入れて2回にした、という形なはずです。2本目のトリプルアクセルが普通に飛べていれば、2本飛ぶジャンプが3種類になってしまっていたので、最後のルッツはどうするつもりだったのだろう?? ダブルアクセル跳びに行ってのシングルには見えなかったのですが

トータルスコアの212.73は本人比で普通ですが、フリーの144.34はパーソナルベスト更新でした。フリー140点台は国際大会ではもう普通に出していますので、ショートがしっかり決まってくれば、トータル220点台は見えてきています。

次戦は4戦目のアンカラにエントリーです。優勝すればファイナルが見えます。近畿選手権の前の週になるため、ブロック大会は免除になる見込みです。全日本ジュニアを目指すなら元々シードで免除でしたが、今期は国内ではシニアコースを取りそうなので、シードで免除ではなく海外派遣で免除となるはずです。

 

今期も初戦から日本勢が男女とも優勝となりました。他にアイスダンス吉田菫・小河原泉颯組が8位。世界ジュニアのミニマムが欲しい試合だったのですが、リズム・フリーの合計で0.26届かず取得ならず。5戦目のポーランドで再挑戦となります。

 

次週はジュニアグランプリ2戦目、チェコ、オストラバです。日本からは女子では昨季の世界ジュニア表彰台、上薗恋奈選手と、国際大会デビュー戦になる和田薫子選手という名古屋セット。男子は昨季2戦表彰台の蛯原大弥選手と、昨季全中で200点に乗せ、4回転サルコウを降り始めている西野太翔選手という関東・東京勢の派遣となります。また、アイスダンスで山下珂歩・永田裕人組、ペアでは清水咲衣・本田ルーカス剛史組も派遣で、フルコースエントリーとなります。