中部選手権 打倒中京大学

ブロック大会1週目、東京選手権と並んで今年も中部選手権でした。ネーベルホルン杯があり、ジュニアグランプリシリーズがあるところまで昨年と全く同じ組み合わせの4試合となりました

なかなか大変な週末だったわけですが、その4つ目、最後に中部選手権のエントリーとなります。

 

○女子シングルシニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 松生 理乃 中京大学 186.54 70.35 116.19
2 山下 真瑚 中京大学 177.99 61.20 116.79
3 河辺 愛菜 中京大学 171.57 57.62 113.95
4 大庭 雅 東海東京FH 154.51 53.94 100.57
5 鬼頭 まりあ 中京大学 144.49 48.10 96.39
6 森 実愛 名城大学 126.00 36.94 89.06
7 吉井 絹恵 中京大学 125.08 42.26 82.82
8 浦松 千聖 中京大学 124.00 41.83 82.17
9 横井 きな結 中京大学 118.69 34.70 83.99
10 磯村 彩姫 中京大学 116.96 39.23 77.73
11 田村 珠里亜 愛知淑徳大学 116.35 42.85 73.50
12 山𥔎 藍香 愛知大学 111.25 35.26 75.99

女子シニアは13人がエントリー。紀平梨花選手の復帰戦になるはずだったのですが、結局欠場となりました。これで2シーズン全休。非常に残念です。

出場は12人で西日本への通過は11人。ある意味で非常に厳しい試合となりました。

表彰台3人は去年と同じメンバーですが順位は入れ替わりました。松生理乃選手が2年ぶり3回目のシニアの部優勝となりました。ショートはアンダーローテーション1つ取られながらの70点超え。フリーもショートと同じフリップでエッジとアンダーローテーション取られ1つは転倒と、フリップ課題を突き付けられましたが、今大会ただ一人のグランプリ組として貫禄優勝でした。昨季は表彰台に乗ったのに1戦だけなのでファイナルへの挑戦権が得られなかったグランプリシリーズ。今期はスケートカナダフィンランディア杯にエントリーで2戦あります。西日本はスケートカナダの翌週なので免除をもらえています。

2位は昨季全日本8位の山下真瑚選手。アジアンオープンフィギュアでは186.13まで出しましたが今回は170点台に留まりました。グランプリ枠は無いので次戦は西日本選手権となるはずです。ISU公認スコアになるチャレンジャーシリーズに出してあげたかったですが・・・。

3位は昨季優勝の河辺愛菜選手でした。フリー冒頭はトリプルアクセルを投入。今期はこれまでダウングレードや1回転半が続いていましたが、転倒したもののアンダーローテーションまでは来ました。ただ、他のジャンプも今一つきまらず170点前半にとどまっています。国際舞台へ復帰するにはもう一声欲しいですが、まだブロック大会、勝負は先です。

ベテラン大庭雅選手が昨季に続いて4位に入りました。4年連続13回目の全日本へ向けて、順当に西日本選手権へコマを進めています。

昨季初出場の全日本で14位と大躍進した横井きな結選手、ケガがあってつい一か月前に出場してからの強行出場とのことで、ショートの姿を見る限りではだいぶ厳しいものでしたが、フリーは今可能なぎりぎりの構成で滑り切り9位まで順位を上げて西日本進出です。西日本まで一カ月半、どこまで回復して行くでしょうか。素晴らしい根性、と言いたい反面、2シーズン前の紀平選手の姿と重なって、そしてその後の紀平選手の状況を考えると、心情的には無理しないで、という方に傾いています。

西日本進出ラインは結局116.35 西日本へ進めないのは1人だけですので楽な試合にも見えがちですが、昨年よりも西日本進出ラインは上がっていますし、110点出してもブロックを通過できないというのはやはり厳しい試合だった、と言えそうです。

 

○女子シングルシニア 要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 松生 理乃 186.54 98.51 52.21 -0.49 23.00 14.31
2 山下 真瑚 177.99 92.00 62.45 -5.99 16.89 12.64
3 河辺 愛菜 171.57 90.54 59.22 -8.79 20.65 12.95
4 大庭 雅 154.51 79.34 50.90 -5.56 19.80 11.03
5 鬼頭 まりあ 144.49 69.90 44.79 3.88 15.34 10.58
6 森 実愛 126.00 61.55 45.88 -4.54 15.42 7.69
7 吉井 絹恵 125.08 62.67 39.70 -3.48 18.48 8.71
8 浦松 千聖 124.00 67.24 39.48 -9.23 17.86 9.65
9 横井 きな結 118.69 79.12 16.76 0.64 12.87 9.30
10 磯村 彩姫 116.96 63.31 37.42 -6.82 15.50 8.55
11 田村 珠里亜 116.35 63.81 35.98 -6.60 16.70 7.46
12 山﨑 藍香 111.25 58.80 31.17 -4.02 17.60 8.70

PCSは松生選手が圧倒的。98.51は平均8点超えです。山下選手、河辺選手と90点超えのスコアを出しています。横井選手はPCSは5番目。滑りの評価で救われた形になりました。

ジャンプの基礎点は山下選手が62.45と60点超え。これは同じ週にあったネーベルホルン杯でも2番目、派遣された日本人選手2人を上回る基礎点になります。河辺選手も60点近いところまで出しました。一方、GOEは二人ともマイナス。ほとんどの選手がマイナスです。5位の鬼頭選手のみプラス評価を得ていました。

スピンは松生選手が23点台でした。山下選手は16.89 木下トロフィーでも17.10 サマーカップは17.66とスピンのスコアが全然取れていません。レベルもあるのですが、今期はGOEが全然取れておらず、要改善ポイントになっています。上位とはスピンでジャンプ1つ分差がついている計算です。

ステップ系要素も松生選手が14点台で1位。河辺選手、山下選手は12点台。国際舞台で戦うにはもう少し欲しい水準になっています。

 

○男子シングル シニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 誉田 知己 中京大学 153.98 51.17 102.81
2 岩野 颯太 邦和みなとスケート部 139.89 52.44 87.45

男子シングルのシニアは2人が出場。西日本進出枠は6ありますので、最後まで滑れば西日本進出です。

優勝は昨年2位の誉田選手でした。2位には2シーズンぶりに復活の岩野選手が入っています。

 

○女子シングル ジュニア(上位15人)

Pl Name Nation Total SP FS
1 杉山 菜那 中京大中京高校 150.90 53.15 97.75
2 大坪 瑚子 中京大中京高校 136.80 53.46 83.34
3 中谷 玲菜 名東FSC 135.87 45.47 90.40
4 土居 百花 名東FSC 132.59 43.44 89.15
5 大野 友心音 名東FSC 129.32 43.44 85.88
6 菰原 皐月 邦和SC 118.01 42.39 75.62
7 柚木 心春 中京大中京高校 117.50 45.28 72.22
8 山根 有加里 名東FSC 116.23 40.30 75.93
9 高岡 もも 中京大中京高校 116.07 41.05 75.02
10 矢口 真央 愛知みずほ大瑞穂高 116.04 41.42 74.62
11 花等 貴咲乃 グランプリ東海クラブ 115.33 35.20 80.13
12 河合 紗那 名東FSC 107.84 36.64 71.20
13 門田 桃愛 中京大中京高校 102.49 34.19 68.30
14 井筒 蛍乃 邦和SC 102.05 35.43 66.62
15 安田 さくら スペリオール愛知FSC 101.72 36.09 65.63

女子のジュニアは34人出場、西日本の進出枠は11ありますが、和田薫子選手、岡田芽依選手というジュニアグランプリ組がスケジュール免除のため出場選手からは9人の枠になります。なお、上薗恋奈選手は昨季の全日本ジュニアで3位表彰台のため、スケジュールと関係なくシードのため免除、今大会にはエントリーしてきていません。

昨季全日本ジュニア19位の杉山菜那選手が中部選手権初優勝となりました。150点超えは昨季の中部選手権以来1年ぶりです。ノービス時代に静岡から京都宇治へ、中学卒業の前後に名東FSCへ移り、高校は中京大中京高校へ。トーループからやサルコウからですが3-3も持っている選手ですし、なんとか来期にジュニアグランプリシリーズに手が届くようなところまで行ってほしい選手の一人です。

昨季5位だった大坪瑚子選手が2位。昨季全日本ノービス15位で今季からジュニアに上がった中谷玲菜選手が自己最高スコアで3位に入りました。

全日本進出ラインは116.07 ほぼシニア並みの水準です。今回は116.04で西日本へ進めず。その差は0.03点。全日本ノービスBで2位、Aでも6位に入ったことのある矢口選手ですが、今回はわずかな差で西日本に手が届きませんでした。

 

○男子シングルジュニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 三島 舞明 愛知みずほ大瑞穂高 177.14 61.99 115.15
2 松本 悠輝 LYSインカラミ 173.71 55.48 118.23
3 田内 誠悟 中京大中京高校 172.27 57.67 114.60
4 佐藤 和那 邦和みなとスケート部 157.33 46.29 111.04
5 芳岡 優希 グランプリ東海クラブ 154.01 55.89 98.12
6 三原 庸汰 ノイエス金沢FSC 145.21 49.07 96.14
7 神谷 帆鷹 邦和SC 138.10 43.70 94.40
8 花井 広人 グランプリ東海クラブ 129.13 44.65 84.48
9 竹中 慎 アテナ豊橋FSC 123.03 43.29 79.74
10 青木 蓮耶 名古屋FSC 105.69 38.92 66.77
11 村上 晴哉 愛知みずほ大瑞穂高 100.92 36.62 64.30

男子ジュニアの西日本進出枠は9です。

優勝はジュニアグランプリシリーズ出場経験のある三島舞明選手でした。GOEでマイナスは付きつつもショートフリーで合計3本のトリプルアクセルを降りました。また4回転トーループも平均GOE-1.000で着氷。ただ、スピンがノーカウントやVを連発して12.22しか取れなかったり、フリーの後半は2回転が頻発したりと、まだまだ粗さはあります。とはいえ構成はシニア並みですので爆発するとすごいことになりそうです。中京大学関係者だらけのシニアジュニアの中で、愛知みずほ大瑞穂高校から一矢報いた形にもなりました。

2位には昨季全日本ノービス3位、今期からジュニアに上がった松本悠輝選手が自己最高スコアを出して入ってきました。女子のが目立つLYSの有力男子ジュニア。昨季28でショート落ちとなった全日本ジュニアでの躍進を期待したいです。

田内誠悟選手が3位。今期初戦です。5か月ぶりの実戦。昨季は全日本ジュニアで195点台、全日本で190点台を出していますので、172.27は見劣りを感じてしまいますが、国際大会は3試合170点台ですので、さほど悪いわけではありません。いろいろあって大変かと思いますが、実はこの試合のフリーでは初のトリプルアクセルでGOEプラスの成功ジャンプを決めました。もうちょっと祝ってあげてください。世界ジュニア代表争いはちょっと厳しそうですが、全日本進出の有力候補であるところまでは昨年と変わっていないと思います。

 

○女子シングル ノービスA

Pl Name Nation Total FS TES FS PCS
1 榎本 ミク 名東FSC 95.61 52.67 42.94
2 竹島 花英 LYSインカラミ 92.91 51.81 41.60
3 星 碧波 グランプリ東海クラブ 81.05 39.24 41.81
4 森岡 LYSインカラミ 69.14 31.37 38.27
5 木原 永稀 邦和みなとスケート部 67.90 32.35 36.05
6 矢島 凜果 グランプリ東海クラブ 65.88 26.34 40.04
7 河合 心々渚 グランプリ東海クラブ 63.79 27.81 36.48
8 大川 華楓 邦和みなとスケート部 63.68 27.41 36.27
9 宇佐美 麻帆 邦和SC 61.69 26.76 34.93
10 木下 美優 グランプリ東海クラブ 56.30 26.33 30.47
11 河合 美璃杏 邦和SC 55.55 23.27 32.28
12 青木 こころ グランプリ東海クラブ 50.72 20.47 30.25
13 椎名 華音 グランプリ東海クラブ 42.84 18.94 24.90

女子のノービスAは13人出場で全日本ノービス進出枠は6 ただし外数で推薦が2人いるので8位まで全日本へ進めます。

優勝は昨年2位、推薦枠持っている榎本ミク選手でした。本人比で95.61はもはや普通のスコア。90点台はいつも普通に出してきます。今期のシーズンベストはノービスA選手中2位。全日本ノービスでは優勝候補の一角、順当に行くと表彰台圏内というところにいます。

2位は同じく推薦選手の竹島花英選手が入りました。昨季は全日本ノービスBで4位。今期は3試合で90点台を並べていて全日本も表彰台候補です。今期3試合で6回ルッツを飛んですべて成功。ノービスでルッツ2本を成功率高く決めていけるのは強みです。

3位は昨年この大会4位だった星碧波選手。初の80点台、自己最高スコアで表彰台に乗ってきています。

 

○男子シングル ノービスA

Pl Name Nation Total FS TES FS PCS
1 三田 夏輝 邦和みなとスケート部 75.16 32.70 42.46
2 河合 悠立 名東FSC 74.10 28.81 45.79
3 三浦 琉生 グランプリ東海クラブ 65.31 23.94 41.37
4 丸山 喜生 アイリスFSC 60.51 22.19 38.32
5 吉田 進之助 邦和SC 59.15 21.99 37.16
6 富樫 悠也 グランプリ東海クラブ 57.99 21.86 36.63
7 岡本 陽輝 アイススターFSC 51.55 17.91 34.14
8 野口 拓海 邦和SC 47.37 15.33 33.04
9 三田 簾夢 福井フェニックスFSC 39.57 12.50 28.57

男子のノービスAは全日本進出枠は5あります。

昨季全日本ノービスBで9位、今季からAに上がった三田選手が初優勝です。ノービスB以上の大会、もう数多く出ていますがその中で初めて優勝を飾ったという形のようです。初の70点台、自己最高スコア。3回転サルコウは今年の7月にGOE±0のものを決めていて、今大会では初めてプラス評価を受けました。

2位には昨季全日本ノービスBで5位の河合選手が入っています。PCSは高評価で全体1位でした。

3位は昨年2位の三浦琉生選手。ノービスA2年目。昨季は17位の全日本でどこまで伸ばせるか。PCSは初の40点台で自己最高スコアをこの大会で出してきています。

 

○女子シングル ノービスB

Pl Name Nation Total FS TES FS PCS
1 日置 優花 名東FSC 60.96 27.85 33.61
2 青木 七海 名古屋FSC 58.36 27.44 30.92
3 百合草 えな 邦和SC 53.77 24.40 29.37
4 鈴木 巴菜 グランプリ東海クラブ 51.60 24.69 26.91
5 窪田 あこ グランプリ東海クラブ 50.19 22.06 29.13
6 三枝 千里 LYSインカラミ 49.80 24.43 25.37
7 鎌田 新可 LYSインカラミ 48.93 22.22 26.71
8 村上 瑠琉那 グランプリ東海クラブ 47.93 21.47 26.46
9 髙山 千 邦和SC 47.63 18.80 29.83
10 奥山 あさひ 名東FSC 47.34 20.06 28.28
11 有吉 智絵子 邦和SC 47.21 18.79 28.92
12 柿本 春実 グランプリ東海クラブ 44.11 19.03 25.58
13 魏 有希 名東FSC 43.64 19.98 24.66
14 濱田 千鶴 セント星ヶ丘FSC 41.49 17.46 24.03

女子ノービスBの全日本進出枠は5ですが、推薦をもらっている選手が2人いますので、実質的には7位まで進めます。

昨季の全日本ノービスで12位に入った推薦枠も持っている日置選手が優勝。今シーズンは60点台を続けています。

昨季のブロック大会は13位で全日本に進めなかった青木七海選手がパーソナルベスト更新で2位。ほぼミスなく滑りました。

3位は今期からノービスBに上がってきた邦和SCの百合草えな選手でした。

全日本進出ラインは48.93 昨季は52.35でしたので、いくらか軟化しています。

 

○男子シングル ノービスB

Pl Name Nation Total FS TES FS PCS
1 神野 琉衣 名古屋FSC 65.96 28.73 37.73
2 木下 澪 グランプリ東海クラブ 51.16 20.35 30.81
3 河村 葵 邦和SC 44.65 15.24 29.41
4 平田 航大 グランプリ東海クラブ 42.58 17.60 24.98
5 杉本 凜太朗 ポラリス中部FSC 41.59 16.34 25.25
6 松尾 直季 LYSインカラミ 40.77 16.62 24.15
7 榎本 考良 グランプリ東海クラブ 36.65 11.60 25.55
8 藤江 勇人 邦和SC 34.16 10.68 24.98
9 町田 陸音 名古屋FSC 32.23 9.98 22.75
10 富樫 奏真 グランプリ東海クラブ 25.96 7.02 19.44

男子のノービスBは10人出場で全日本枠は5 ただし推薦枠が1つありますので6位までが全日本進出です。

優勝は、昨季全日本ノービス7位で推薦券も持っている神野選手でした。1人だけ図抜けたスコアです。ダブルアクセル2本を決めて圧勝でした。

2位は今期からノービスBに上がってきたグランプリ東海の木下選手、3位には同じく今期からノービスBの邦和SC河村葵選手が自己ベストのスコアで入りました。

全日本進出ラインは40.66 昨季は7人中6人で33.24がラインでしたので、そこから比べるとだいぶレベルが上がった中部ブロックのノービスBでした。

 

真打レベルの選手が、ケガ回復せず欠場、シードなので、遠征なので、と出てくることが出来ず、ちょっと顔ぶれがいつもと比べて寂しい部分もあった中部選手権ではありましたが、それでもいつものように、西日本へ、全日本へ、ボーダーライン高目で厳しいブロックなところを見せてくれました。

 

次週は大注目近畿選手権と、関東選手権になります。