ブダペスト杯 復帰戦優勝

チャレンジャーシリーズ5戦目、ブダペスト杯が行われました。グランプリシリーズ開幕前ですが日本からの派遣は無しです。

 

○女子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Alysa LIU USA 192.77 68.83 123.94
2 Kimmy REPOND SUI 190.09 66.04 124.05
3 Lorine SCHILD FRA 179.70 63.48 116.22
4 Lindsay THORNGREN USA 179.45 66.19 113.26
5 Madeline SCHIZAS CAN 175.71 65.21 110.50
6 Julia SAUTER ROU 157.75 62.98 94.77
7 Katinka Anna ZSEMBERY HUN 153.61 53.74 99.87
8 Janna JYRKINEN FIN 152.34 57.26 95.08
9 Niki WORIES NED 148.98 47.22 101.76
10 Kristina ISAEV GER 142.29 47.31 94.98
11 Ema DOBOSZOVA SVK 140.58 47.00 93.58
12 Kristen SPOURS GBR 138.93 38.16 100.77

アリサリウ選手が復帰戦優勝。2022年の世界選手権を最後に競技を離れていましたが2年半ぶりの試合。3期ぶりの復帰戦で見事に優勝しました。

2位には昨季の世界選手権で5位に入ったスイスのキミ―レポンド選手。今季初戦は172.32に留まっていましたが、190点台までスコアを上げてきました。この大会では2シーズン前の2位に続いて2度目の表彰台です。グランプリシリーズは2戦目のスケートカナダと6戦目の中国杯にエントリーです。

3位にはフランスのシルト選手がはいりました。チャレンジャーシリーズ初表彰台です。ショートの63.48はパーソナルベスト更新。幸先の良いシーズンの入りとなりました。グランプリシリーズは3戦目のフランスと5戦目のフィンランドにエントリーしています。

アメリカのソーングレン選手が4位。遠目にノーミスに見えながらアンダーローテーションが5つつくというフリーでスコア伸びませんでした。調子次第でこの回転不足が取れていきなりスコアが伸びる選手です。グランプリシリーズは4戦目のNHK杯で昨季に続く表彰台を目指し、連戦で5戦目のフィンランドがあります。

マデリンシザス選手が5位。昨季は180点台が多かったシザス選手ですが、今期はネーベルホルン杯ブダペスト杯と170点台が続いています。グランプリシリーズは2戦目のスケートカナダに5戦目のフィンランドです。

 

○アリサリウ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3F   5.30   1.17 6.47 2.286
2 3Lz+3T< 9.26   -1.06 8.20 -1.857
3 2A   3.30   0.79 4.09 2.429
4 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.286
5 3Lo   4.90   -0.49 4.41 -0.857
6 StSq3   3.30   0.66 3.96 1.857
7 3F+2T   7.26 x 0.53 7.79 1.000
8 3Lzq+1Eu+3S<< q|<< 8.47 x -2.71 5.76 -4.571
9 2Aq q 3.63 x -0.53 3.10 -1.571
10 FCSp4   3.20   0.70 3.90 2.143
11 ChSq1   3.00   1.10 4.10 2.143
12 LSp3   2.40   0.67 3.07 2.857
  TES   57.52   1.67 59.19  

2年半ぶりの復帰戦。ざっとこんなものよというあいさつ代わりでしょうか。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。まだシークエンスアクセルルールにはなじんでおらず、ダブルアクセルは単独で2発。セカンド3回転と3連3サルコウの構成ですが、どちらも回転足りませんでした。基礎点は57.52 ジャンプの回転十分にできれば61.66まで基礎点は上がります。スピンステップレベル4までそろえれば62.56の基礎点になります。

アリサリウ選手はかつてトリプルアクセルを飛んでいましたが、最後に決めたのは2020年の世界ジュニアでした。20-21シーズンは1度だけqで降りたことはありますが他は回転不足。オリンピックシーズンになった21-22シーズンは構成に入れていません。おそらく復帰後も入れてこないのではないかと思われます。また4回転ルッツも跳んでいましたがこれもジュニアのころまでです。復帰後、これからはオーソドックスな構成で勝負していくのではないかと思われます。

元々そういう選手でしたが、楽しそうに滑っていましたね。あれ、こんな雰囲気だったっけ? という違和感を感じる部分もありますが、あたりまえですね。16歳高校1年生終わりくらいのタイミングで第一線を離れて、19歳、大学に入ったあたりの年に復帰してきたわけです。

今期のアメリカ女子はちょっと神がかってまして、この192.77だとB級大会含めるとアメリカ勢として7位のスコアです。ISU公認のシニアだけで見ても5番目。すでに200点オーバーが3人、210点超えが2人います。しかも昨季のワールドメダリストのレビト選手はその3人にはまだ含まれていない。代表に戻るのはいばらの道ですが、小手調べで190点台出してきていますので、今後に期待したいです。

グランプリシリーズは2戦目のスケートカナダに、4戦目はNHK杯で来日します。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Matteo RIZZO ITA 247.26 84.77 162.49
2 Lukas BRITSCHGI SUI 238.02 82.92 155.10
3 Nikita STAROSTIN GER 199.08 62.76 136.32
4 Kornel WITKOWSKI POL 196.13 70.31 125.82
5 Makar SUNTSEV FIN 194.62 64.79 129.83
6 Aleksandr VLASENKO HUN 187.03 65.27 121.76
7 Alp Eren OZKAN TUR 176.59 62.52 114.07
8 Vladimir SAMOILOV POL 175.83 60.58 115.25
9 Burak DEMIRBOGA TUR 166.62 55.02 111.60
10 Ali Efe GUNES TUR 135.92 57.28 78.64
11 Filip KAYMAKCHIEV BUL 132.73 47.61 85.12

2年ぶりに出場したブダペスト杯でリッツォ選手が優勝。出場3回目で3回目の優勝です。やたらこの大会に強いリッツォ選手ですが、グランプリ組がなかなか出てこなくなる時期ですので、グランプリ組のリッツォ選手としては貫録勝ちが当たり前くらいの感覚な部分もあるかもしれません。

2位もグランプリ組のブリッチギー選手。フリーは冒頭の4回転からのコンビネーションは決まったものの、2本目の4回転とそのあとのトリプルアクセルが決まらず。2本決まらないと150点台にとどまってこれくらいのスコアになってきます。昨年も2位だったこの大会、これで3年連続2位となりました。

3位にはドイツのストロスティン選手が入りました。昨季はヨーロッパ選手権13位。グランプリシリーズも1戦出ていたのですが今期はグランプリのエントリーはなし。スコア的には200点に届かず伸びませんでしたが、それでも2度目のチャレンジャーシリーズ表彰台となりました。

 

○マッテオリッツォ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lo< 8.40   -2.86 5.54 -3.429
2 3A+2A+SEQ   11.30   1.92 13.22 2.429
3 3F!+1Eu+3S ! 10.10   0.32 10.42 0.571
4 3Lz   5.90   0.83 6.73 1.286
5 CCSp2   2.30   0.37 2.67 1.714
6 ChSq1   3.00   0.70 3.70 1.286
7 3A   8.80 x 2.08 10.88 2.571
8 3Lz+2T   7.92 x 1.06 8.98 1.857
9 3Lo   5.39 x 1.18 6.57 2.429
10 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.286
11 CCoSp3   3.00   0.36 3.36 1.143
12 FSSp3   2.60   0.42 3.02 1.571
  TES   72.61   7.63 80.24  

4回転はループ1本の構成でした。そのループがアンダーローテーションとなっています。昨季のヨーロッパ選手権後にケガで手術をしていたはずで、それ明けのシーズンですので、まだその調整段階かもしれません。従来ずっと入っていた4回転トーループがこの試合では入らず、ショートも4回転ループを入れてアンダーローテーションになっていました。

まだまだ本調子には見えないのですが、それでも240点台後半まで出してきました。イタリア勢は層が厚くなってきていて代表候補として有力な選手が今は4人います。それでもなんだかんだでリッツォ選手がその筆頭にいるように見えて、3期連続のヨーロッパ選手権の表彰台を狙う位置にいるかと思います。

グランプリシリーズは4戦目のNHK杯と6戦目の中国杯にエントリーです。

 

チャレンジャーシリーズ6戦目は次週にすぐあります。ニース杯、と呼べばよいのか、Trophy Metropole Nice Cote d'Azur があります。

男子はアダムシャオイムファ選手が今季国際大会初戦としてエントリー。スイスのブリッチギー選手も連戦で出てくるかわかりませんがエントリーがあります。ウクライナのシュムラトコ選手、エストニアのセレフコ兄弟、イタリアのメモラ選手といったあたりのエントリーもあります。

女子は昨季の世界選手権表彰台、キムチェヨン選手がエントリー。エストニアのペトロキナ選手などもいます。