グランプリシリーズ24直前展望 男子シングル

グランプリシリーズ24展望 男子シングル

 

6月にアサインが出て、それに従って一度グランプリシリーズの展望は行っています。ただ、その後エントリー変更もありますし、今シーズンも始まりチャレンジャーシリーズに各選手もそれなりに出てきました。それによりいくらか状況変わった部分もありますので、改め、グランプリシリーズの展望を出してみようと思います。

まずは男子シングルです。シーズンベスト、シーズンワーストなどの表記には、ISU公認試合のみではなく、非公認のB級大会も含みます。

 

スケートアメリカ

Skate America   24-25Best 23-24Best 23-24worst
Ilia MALININ (USA) 312.55 333.76 281.68
Kevin AYMOZ (FRA)   279.09 219.91
Kao MIURA (JPN) 234.75 274.56 242.95
Deniss VASILJEVS (LAT) 257.55 257.80 215.34
Koshiro SHIMADA (JPN)   247.43 217.18
Lucas BROUSSARD (USA)  246.48 216.10 174.31
Nika EGADZE (GEO) 242.43 243.35 233.16
Wesley CHIU (CAN) 189.77 240.38 208.82
François PITOT (FRA) 191.33 236.23 197.31
Nozomu YOSHIOKA (JPN) 218.88 233.56 210.46
Donovan CARRILLO (MEX) 204.42 232.67 153.68
Maxim NAUMOV (USA) 199.30 215.00 201.71

当初のエントリーから変更は無し。TBDだったアメリカ枠にルーカスブルサード選手が入りました。

マリニン選手が今季初戦から312.55を出しています。死角なし。普通に勝つだろうとしか思えません。

エイモズ選手の調子がどうか。三浦佳生選手も今期今一つ試合でスコアが出てきていません。三浦選手はいい時と悪い時が極端に差があるようなので、この試合ではどちらに出るか。そこにあまりグランプリシリーズでは結果が出てこないバシリエフス選手が今期はシーズン序盤から250点台後半まで出していて絡んでくる構図です。

島田高志郎選手は今季まだ国際大会出場はなし。東京ブロックに出てきましたが201点とスコア伸びていません。そこよりブルサード選手、エガーゼ選手の方が240点台を出していて今期は悪くありません。

吉岡選手も今期の国際大会初戦は210点台に留まりました。

三浦選手とエイモズ選手が読めないのですが、この2人が調子が悪いと表彰台ラインがかなり下がって来る可能性もあり、240点台くらいの自己ベストの選手にも表彰台チャンスが出てきそうです。

 

スケートカナダ

Skate Canada   24-25Best 23-24Best 23-24worst
Ilia MALININ (USA) 312.55 333.76 281.68
Shun SATO (JPN) 285.88 274.59 247.50
Jason BROWN (USA) 242.79 274.33 236.75
Junhwan CHA (KOR) 269.53 272.95 216.61
Sota YAMAMOTO (JPN) 262.72 263.43 231.23
Gabriele FRANGIPANI (ITA) 246.11 251.59 187.55
Vladimir LITVINTSEV (AZE) 246.00 237.44 209.21
Mark GORODNITSKY (ISR) 213.27 243.29 208.48
Luc ECONOMIDES (FRA) 236.87 230.74 204.97
Stephen GOGOLEV (CAN)   233.26 210.48
Roman SADOVSKY (CAN) 225.24 221.57 217.83
Aleksa RAKIC (CAN) 198.47 211.74 189.38

スケートカナダもエントリー変更はありません。カナダ勢も最初からエントリーが入っていたため追加もなし。当初の12人のままです。

マリニン選手が2連戦で普通に勝ちそうですがスケートアメリカほど簡単ではないかもしれません。

佐藤駿選手が絡んでいけるか。今季好調です。285.88はパーソナルベスト。300点も見えてきているので一勝負あるかもしれません。というかそれを期待したい。4回転4本構成でノーミスすれば300点台の勝負になるでしょう。

ジェイソンブラウン選手が今期は序盤から試合に出てきています。今期のスコアとしてはチャジュンファン選手や山本草太選手が上です。このあたりまでが表彰台争いでしょうか。展開次第では今季240点台後半まで出しているフランジパーニ選手、リトヴィンツェフ選手にもチャンスがありそうです。

カナダ勢、男子はメッシングさんの引退後次の世代が育っていませんが、そろそろ誰か出てこないでしょうか。3人滑って10位11位12位ではちょっと寂しすぎます。

 

○フランスグランプリ

Grand Prix de France   24-25Best 23-24Best 23-24worst
Adam SIAO HIM FA (FRA)   306.78 276.17
Lukas BRITSCHGI (SUI) 238.02 274.09 229.37
Kazuki TOMONO (JPN)   265.78 245.12
Mikhail SHAIDOROV (KAZ) 262.33 264.46 234.19
Boyang JIN (CHN)   258.67 226.79
Aleksandr SELEVKO (EST) 209.05 256.99 214.18
Nikolaj MEMOLA (ITA) 230.91 256.24 199.38
Koshiro SHIMADA (JPN)   247.43 217.18
Andrew TORGASHEV (USA) 224.94 237.20 219.67
Luc ECONOMIDES (FRA) 236.87 230.74 204.97
François PITOT (FRA) 191.33 236.23 197.31
Camden PULKINEN (USA) 226.97 230.84 219.86

3戦目のフランスもエントリー変更無しです。当初の12人がそのままエントリーされています。

ここはアダムシャオイムファ選手の実績が抜けています。長い目で見た実績で言えばボーヤンジン選手も300点を持っていますが、今期はどこまで戻してくるか。スケートアメリカと同じ週にチャレンジャーシリーズのニース杯にエントリーしていて、そこでまず見られるかと思っていたのですが、エントリー消えました。ちょっと心配です。

シャイドロフ選手が今期も260点台を出してきていて表彰台争いに絡んできそうです。昨年の実績ではブリッチギー選手と友野選手が上。友野選手は国際大会今季初戦になります。近畿選手権では227.64とスコア伸びていませんが合わせてくることができるかどうか。ブリッチギー選手はブダペスト杯でまだそこそこの出来にとどまっています。

島田高志郎選手がここでグランプリシリーズ2戦目です。250点前後までのスコアは出していますので、メンバー的には展開次第で表彰台争いに絡めるチャンスもあるかもしれません。

 

NHK杯

NHK Trophy   24-25Best 23-24Best 23-24worst
Yuma KAGIYAMA (JPN) 291.54 309.65 265.59
Kao MIURA (JPN) 234.75 274.56 242.95
Jason BROWN (USA) 242.79 274.33 236.75
Tatsuya TSUBOI (JPN) 204.98 254.81 216.62
Gabriele FRANGIPANI (ITA) 246.11 251.59 187.55
Matteo RIZZO (ITA) 247.26 250.87 200.85
Vladimir LITVINTSEV (AZE) 246.00 237.44 209.21
Mark GORODNITSKY (ISR) 213.27 243.29 208.48
Daniel GRASSL (ITA) 237.70    
Juheon LIM (KOR) 215.54 234.86 209.99
Stephen GOGOLEV (CAN)   233.26 210.48
Tomoki HIWATASHI (USA) 190.56 223.79 191.72

NHK杯は最初のアサインの時点では入っていたハガラ選手がジュニアグランプリシリーズに出ることを選んだことにより外れ、イタリアのグラスル選手が入りました。また、空欄だった地元枠は壺井選手が入っています。

鍵山選手がグランプリ初戦。チャレンジャーシリーズでも290点台まで出してきており、順当に行けば勝てるはずですが、三浦佳生選手がこのころにどの程度復調しているか。鍵山選手に対抗できそうなのは三浦選手くらいに見えます。

ジェイソンブラウン選手、今期も日本に来てくれます。グランプリシリーズの順位を気にする立場の選手ではないですが、4回転無しでいい演技が見たいです。

B級大会含めた昨季のスコアで見ると、壷井選手は4番目に入ります。2シーズン前は4位と5位があるグランプリシリーズ。昨季は結果を残せませんでしたが今期はもう一度高い位置で勝負したいです。展開次第で表彰台争いに割って入り、日本勢3人で表彰台というのも期待されます。ISU公認試合はチャンピオンシップに出られなければ今期はこの試合だけになりますので、来期へつなげるために何としてもいいスコアが必要です。

イタリア勢が3人来ます。イタリアの世界選手権代表枠は2位。イタリアナショナル前哨戦がこんなところで行われます。スコア的には3人とも近い位置におり、3人とも表彰台に乗りたいところかと思われます。

 

フィンランディア杯

Finlandia Trophy   24-25Best 23-24Best 23-24worst
Yuma KAGIYAMA (JPN) 291.54 309.65 265.59
Kevin AYMOZ (FRA)   279.09 219.91
Lukas BRITSCHGI (SUI) 238.02 274.09 229.37
Junhwan CHA (KOR) 269.53 272.95 216.61
Kazuki TOMONO (JPN)   265.78 245.12
Sota YAMAMOTO (JPN) 262.72 263.43 231.23
Aleksandr SELEVKO (EST) 209.05 256.99 214.18
Daniel GRASSL (ITA) 237.70    
Camden PULKINEN (USA) 226.97 230.84 219.86
Vladimir SAMOILOV (POL) 175.83 230.17 202.43
Valtter VIRTANEN (FIN) 187.63 208.98 188.80
Makar SUNTSEV (FIN) 194.62 204.31 151.39

5戦目のフィンランディア杯は当初のエントリーから12人そのまま変わっていません。

鍵山選手が連戦。順当に行けば勝ちそうですが、エイモズ選手の調子はどうか。チャジュンファン選手も300点近い実績がある選手です。

ブリッチギー選手は近年安定して力を発揮する選手。このあたりではスコアを上げてくることも見込まれます。そして友野選手と山本選手がまた仲良く遠征です。フィンランドと言えばサウナな気もしますが、そんな時間はあるかどうか。初戦次第でファイナルを目指す立場になっている可能性がありますが、どうでしょう。

グラスル選手も含め表彰台候補が多数いる試合。レベルの高い混戦が見られそうです。フィンランド勢はちょっと苦しいでしょうか。

 

中国杯

Cup of China   24-25Best 23-24Best 23-24worst
Adam SIAO HIM FA (FRA)   306.78 276.17
Shun SATO (JPN) 285.88 274.59 247.50
Mikhail SHAIDOROV (KAZ) 262.33 264.46 234.19
Boyang JIN (CHN)   258.67 226.79
Deniss VASILJEVS (LAT) 257.55 257.80 215.34
Nikolaj MEMOLA (ITA) 230.91 256.24 199.38
Matteo RIZZO (ITA) 247.26 250.87 200.85
Nika EGADZE (GEO) 242.43 243.35 233.16
Wesley CHIU (CAN) 189.77 240.38 208.82
Daiwei DAI (CHN) 231.73 185.56 155.27
Hyungyeom KIM (KOR) 218.01 230.46 211.76
Yudong CHEN (CHN) 222.33 218.66 134.92

最終6戦目中国杯はエントリー変更は無し。空白だった中国地元枠はダイダイウェイ選手が入っています。

ここはアダムシャオイムファ選手の2戦目。そこに今季好調な佐藤駿選手が勝負を挑む構図です。佐藤選手はおそらくファイナルが懸かっている状況になるので、しっかり順位を取る構成にするか、優勝目指して勝負をかける構成にするか、そのあたりも注目ですが、初優勝狙ってほしいなと思います。

中国を盛り上げるにはボーヤンジン選手にも頑張ってほしいところ。メンバー的には十分表彰台は狙えます。

バシリエフス選手は4回転サルコウ決まるようになるのでしょうか。これが決まるようになると面白いのですが、なかなか決まらない。鑑賞するには4回転無し構成で演じてほしいのですが、勝負を考えると4回転習得を目指すのが本線だと思うので、なんとか頑張ってほしいです。

中国勢では地元枠入ったダイダイウェイ選手は今季アジアンオープンフィギュアで初めて200点を超えてきた選手。ショートで高得点出してフリー後半グループに入ってきたりすると重慶のお客さんが盛り上がると思うので期待したところです。

 

 

今期の男子は入れ替わりが少なく、ほとんど当初のアサインと変わりませんでした。ハガラ選手がジュニアグランプリシリーズを選んだくらいです。怪我などのトラブルがあまりなかったということですのでとりあえずよかったと思ってよいでしょうか。まあ、初戦が近いというだけで後半の試合は直前に入れ替わる可能性は十分ありますけれど。

次回は女子シングルも見ていきます。