ニース杯 順当勝ち

チャレンジャーシリーズ6戦目、なんと訳していいのか、Trophy Metropole Nice Cote d'Azur よくわからないのでニース杯としておきます

 

○男子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Adam SIAO HIM FA FRA 272.38 96.74 175.64
2 Lukas BRITSCHGI SUI 233.22 87.98 145.24
3 Mihhail SELEVKO EST 232.95 78.93 154.02
4 Andreas NORDEBACK SWE 226.50 79.89 146.61
5 Ivan SHMURATKO UKR 218.19 74.61 143.58
6 Joseph KLEIN USA 210.79 69.89 140.90
7 Liam KAPEIKIS USA 208.93 68.15 140.78
8 Aleksandr SELEVKO EST 208.88 83.32 125.56
9 Yu-Hsiang LI TPE 206.40 66.17 140.23
10 Sihyeong LEE KOR 206.28 77.10 129.18
11 Arlet LEVANDI EST 205.90 65.90 140.00
12 Casper JOHANSSON SWE 195.88 69.20 126.68

昨年のこの大会で300点を突破して世界をあっと言わせたアダムシャオイムファ選手。今期はチャレンジャーシリーズに格上げになったこの試合でも優勝。大会3連覇となりました。

2位にはスイスのルーカスブリッチギー選手が入っています。先週のブダペスト杯から連戦。スコアは先週と同じ230点台です。ショートはまずまず80点台後半出たのですが、フリーは直近のオリンピック以降で最低の145.24 4回転とトリプルアクセルでミスが出てスコア伸びませんでした。次戦はグランプリシリーズのフランス大会に出てくるはずです。

3位はエストニアのミハイルセレフコ選手。セレフコ兄弟の弟の方です。232.94は自己ベストではありませんが、直近のオリンピックシーズン以降の3シーズンでのベストスコアです。今期はグランプリシリーズのエントリーが無く、次戦はチャレンジャーシリーズのタリン杯へのエントリーとなっています。

 

○アダムシャオイムファ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lz<< F<< 5.90   -2.95 2.95 -5.000
2 4T+3T   13.70   1.90 15.60 2.111
3 3F   5.30   1.29 6.59 2.444
4 3A+2A+SEQ   11.30   1.49 12.79 1.778
5 FCCoSp4   3.50   0.55 4.05 1.444
6 4T   10.45 x 3.26 13.71 3.444
7 3Lz+1Eu<<+2S <<  7.92 x -1.77 6.15 -2.889
8 StSq4   3.90   0.89 4.79 2.444
9 3A   8.80 x 1.71 10.51 2.111
10 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.778
11 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.556
12 CSSp4   3.00   0.81 3.81 2.778
  TES   80.27   9.89 90.16  

4回転ルッツ、珍しくダウングレードの転倒となりました。昨年のこの大会でも転倒していましたが、ダウングレードは今までありませんでした。昨シーズン、GOEマイナスはいくらかあったものの、転倒は1回だけ、ダウングレードもアンダーローテーションも無かった4回転ルッツですが、昨季より今期の方が不安定になっているのかもしれません。3連続もオイラーのダウングレードが入って3つ目が2回転になっています。また、4回転サルコウを昨シーズンまで入れていましたがこの試合では入っておらず、4回転は2種類3本。その結果、基礎点は80.27と低い水準になりました。

試合としてはちょっとまわりと差があるので多少構成緩くしても、多少ミスが入っても何の問題もなく勝ちですが、今後の今期の試合にはいくらか不安を残す形となりました。まあ、スケートアメリカのマリニン選手も今一つでしたし、10月のとある1試合で転倒があろうと、年が明けたら全然別の演技になっていたりするでしょうし、心配するほどのことでもないのでしょうけれど、いつでもどこでも盤石です、ということはさすがにないんだなあ、という演技ではありました。コレオ、バックフリップ普通に入れていて、平均GOE+3.778 昨季は+4台を普通に並べていましたし、特にバックフリップがなにかスコアを上積みするようなことはなかったようでした。

 

○女子シングル(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Chaeyeon KIM KOR 204.67 69.42 135.25
2 Niina PETROKINA EST 187.57 66.98 120.59
3 Fee Ann LANDRY CAN 169.03 56.11 112.92
4 Janna JYRKINEN FIN 168.97 56.73 112.24
5 Marina PIREDDA ITA 162.19 59.73 102.46
6 Alexandra FEIGIN BUL 157.47 56.26 101.21
7 Michelle LEE USA 154.59 52.43 102.16
8 Olivia LISKO FIN 152.79 48.08 104.71
9 Kristina LISOVSKAJA EST 150.91 48.65 102.26
10 Breken BREZDEN CAN 150.54 42.17 108.37
11 Ginevra Lavinia NEGRELLO ITA 149.59 50.37 99.22
12 Nataly LANGERBAUR EST 148.82 54.90 93.92

安定のキムチェヨン選手が204.67のスコアで優勝しました。今季初戦は上海トロフィーで214点だしていますが、あちらはB級大会扱い。ISU公認のチャレンジャーシリーズでは204点台。昨季200点台前半が4試合あった安定感が今期も健在で、またも200点台前半のスコアを出してきています。

2位にはエストニアのペトロキナ選手が入りました。ロンバルディア杯では164.98だったスコアが20点以上今大会では上げてきました。大きく目立つミスは無かったので190点に乗ったかとも思われたのですが、3連続の3つ目がアンダーローテーションついたことと、フリップ2つがどちらもe判定ということで、そこまでスコアは出ませんでした。次戦はNHK杯で来日予定です。フリップのe判定取れれば表彰台争いに絡んできそうです。

3位にはカナダのランドリー選手が入りました。はっきり言えば全く無名の選手。私も初めて見ました。昨年のこの大会にはジュニアの部に出場して4位に入っていた選手。ISU公認試合はこれが初めての出場のようです。2005年5月生まれの19歳。ジュニアグランプリシリーズの出場経験も無いままここまで来て、初めて出たISU公認試合、ショートプログラム1番滑走からチャレンジャーシリーズで3位表彰台となりました。昨季のナショナルでは5位。今期は4大陸選手権あたりに出てくるかもしれませんし、まだジュニアの権利を残しているので世界ジュニアの芽も無くは無いです。

 

○キムチェヨン選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.92 4.22 2.857
2 3Lo   4.90   1.27 6.17 2.429
3 3F+2T+2Lo   8.30   0.74 9.04 1.571
4 3S   4.30   0.77 5.07 1.857
5 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.143
6 3Lzq+3Tq q|q 11.11 x -1.65 9.46 -2.571
7 3Lz+2A+SEQ   10.12 x 1.53 11.65 2.571
8 3F!q !|q 5.83 x -2.65 3.18 -4.857
9 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.857
10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
11 FCSp4   3.20   0.77 3.97 2.429
12 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
  TES   64.36   5.87 70.23  

上海トロフィーと同じ、今期はこの構成で行くようです。セカンド3回転を後半に入れる構成。1.1倍にルッツルッツフリップが来ます。64.36というのは高難度ジャンプ無しではかなり高い基礎点。ステップがレベル4に出来ると64.96まで出ますので、高難度ジャンプ無しではほとんど見たことない水準になります。

後半のジャンプでqが3つ、フリップには!が付きました。まだ流石に真ノーミスとはいきませんでしたが、これで2試合続けてジャンプで基礎点削られるミスなく今期も来ました。驚異の安定感です。

韓国勢はいろいろありまして、来期の枠取りのためにはキムチェヨン選手が昨季以上の活躍が求められるような状態にあります。この安定感プラスα、ISU公認試合でも210点台を狙っていきたいところなのだろうと思われます。

次戦はグランプリシリーズ3戦目、フランスグランプリになります。今週優勝した樋口新葉選手、4位に入ったピンツァローネ選手、トリプルアクセルのアンバーグレン選手などが相手ですが、シードはキムチェヨン選手。グランプリシリーズ初優勝を目指す試合となります。

 

チャレンジャーシリーズ7戦目はまたすぐ次週、スケートカナダの裏でネーベルホルン杯があります。イタリアのメモラ選手にグラスル選手といったグランプリ組、昨季世界ジュニア表彰台のハガラ選手などが男子はエントリー。女子はイタリアから3人、ララナキグットマン選手、サリナヨース選手、アンナペゼッタ選手といったあたりがエントリーしてきています。