東日本選手権 ユーは何故ここに?

全日本の出場権が決まる季節になってきました。まずは東日本選手権です。グランプリシリーズ組は免除になってしまって出てこないことが多いのですが、ジュニアグランプリ組はこの時期に国際大会はないので出てきます。

 

○女子シングルシニア (上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 江川 マリア 明治大学 185.77 63.18 122.59
2 三枝 知香子 日本大学 160.07 53.10 106.97
3 平金 桐 法政大学 150.84 51.07 99.77
4 奥野 友莉菜 駒場学園高校 149.94 57.35 92.59
5 髙橋 舞 法政大学 148.37 46.90 101.47
6 田邊 桜香 日本大学 146.20 46.48 99.72
7 元榮 愛子 明治大学 141.15 50.45 90.70
8 聖前 埜乃華 東北福祉大学 139.07 50.84 88.23
9 穂積 乃愛 早稲田大学 137.98 51.86 86.12
10 増田 未夢 東洋大学 137.71 43.31 94.40
11 岡本 真綸 法政大学 127.45 50.79 76.66
12 木南 沙良 早稲田大学 122.14 41.59 80.55

江川アリア選手が2年ぶりの東日本選手権優勝となりました。3年連続の全日本出場決定。昨季11位だった全日本で、初のトップ10入りを目指すことになります。

2位には日本大学3年生、三枝知香子選手が自己ベストで初の160点超えのスコアを出して入りました。これでシニアに上がって3年連続の全日本です。3度目の正直でフリー進出を目指すことになります。

3位は平金桐選手が入りました。昨シーズン法政大学の4年生でキャプテンをしていた選手。今シーズンは5年生、ということになるでしょうか。ショートは5位。6位、すなわち全日本ボーダーラインと0.23差。93.31以上で全日本確定という状況のフリーで99.77を出し、念願の全日本初出場を決めました。

4位には高校生ながら今期シニアカテゴリーを選んだ奥野友莉菜選手が初の全日本を決めています。さらに5位は髙橋舞選手がショート9位からフリーで人生初の100点超え、101.47を出しトータル148.37の自己最高スコアで逆転初全日本を決めました。

3位4位5位と5人中3人が初全日本です。

女子シニアの全日本枠は9ですが、グランプリ組が4人いて免除のため、出場選手中では5位までが全日本進出となります。5位と6位は2.17差。僅差の勝負となりました。

 

○江川マリア選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz! ! 5.90   0.24 6.14 0.286
2 3F+2T   6.60   0.74 7.34 1.286
3 2Lo   1.70   0.00 1.70 0.143
4 CCoSp3   3.00   0.48 3.48 1.571
5 2A+3T   7.50   1.01 8.51 2.429
6 ChSq1   3.00   1.00 4.00 1.714
7 2A+3T+2T   9.68 x 0.84 10.52 2.000
8 3S   4.73 x 0.69 5.42 1.571
9 3F   5.83 x 0.64 6.47 1.143
10 FSSp4   3.00   0.36 3.36 1.286
11 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.714
12 LSp3   2.40   0.96 3.36 3.857
  TES   56.64   7.88 64.52  

2回飛ぶジャンプはフリップとトーループ。セカンドトーループ2本構成ですが、どちらもダブルアクセルからのものです。ループが抜け2回転になりました。スピンは1つレベル4 ステップはレベル3です。ループが3回転になれば基礎点3.2上がって59.84 スピンステップオールレベル4でさらに1.50上がって61.34の構成です。

これまで60点台の基礎点は何度も出していますので、今回の56.64は本人の中でそれほどいい基礎点ではありません。

ただ、全要素プラス評価となりました。これが1月以来の120点台につながります。トータル185.77は今期のベストですが昨季はこれよりいいスコアを2回だしています。それを全日本で出せれば、トップ10から国際大会派遣を勝ち取るチャンスもありそうです。

 

○女子シングル シニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 江川 マリア 185.77 86.26 59.54 7.27 20.19 12.51
2 三枝 知香子 160.07 75.60 47.17 4.65 22.46 10.19
3 平金 桐 150.84 73.21 50.83 -5.11 21.87 10.04
4 奥野 友莉菜 149.94 82.19 39.27 -4.55 22.28 11.75
5 髙橋 舞 148.37 71.61 48.79 -0.91 18.92 10.96
6 田邊 桜香 146.20 72.47 46.40 -3.46 20.30 10.49
7 元榮 愛子 141.15 71.92 44.20 -2.58 19.82 9.79
8 聖前 埜乃華 139.07 69.34 39.25 1.04 19.91 9.53
9 穂積 乃愛 137.98 74.06 42.95 -6.16 17.07 11.06
10 増田 未夢 137.71 65.13 47.30 -1.59 17.99 9.88
11 岡本 真綸 127.45 61.87 42.29 -3.74 18.96 9.07
12 木南 沙良 122.14 65.94 32.67 -5.26 17.24 11.55

PCSは江川選手が80点台後半まで出していて、1項目平均7点を超えました。ジュニア時代に国際大会の経験もある奥野選手が2位です。

ジャンプの基礎点は江川選手が1位でちょっと抜けています。平金選手も50点に乗せました。

ジャンプの加点は江川選手が1位で三枝選手が2位。この2人は出来が良かったです。平金選手は基礎点で稼ぎましたが加点は得られませんでした。

スピンは三枝選手が1位で奥野選手が2位。22点台くらいだと国際大会に出る選手も普通にこの水準でいます。江川選手は20.19 上位で僅差の勝負をするならもう少し欲しいかもしれません。

ステップ系要素は江川選手が1位で12点台ありました。

 

○男子シングル シニア(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 大島 光翔 明治大学 210.69 68.47 142.22
2 北村 凌大 日本大学 178.26 60.31 117.95
3 戸田 晴登 東洋大学 172.52 55.97 116.55
4 山田 琉伸 早稲田大学 171.59 58.64 112.95
5 菊地 竜生 明治大学 169.19 52.68 116.51
6 大中 惟吹 東洋大学 166.09 56.57 109.52
7 小島 志凰 日本大学 164.67 56.15 108.52
8 門脇 慧丞 法政大学 164.56 55.14 109.42
9 鈴木 楽人 法政大学 162.91 53.85 109.06
10 小田垣 櫻 日本大学 157.84 47.26 110.58
11 大久保 政宗 法政大学 149.03 46.42 102.61
12 坪井 聖弥 苫小牧市役所 148.02 51.85 96.17

大島光翔選手が2年ぶりの東日本選手権優勝となりました。5年連続の全日本確定。大学4年生、最終年。過去最高の14位を上回る順位を目指すことになります。

2位には日本大学3年生、北村凌大選手が入りました。178.26は自己ベストにあたるスコアです。

福岡出身、今年、東洋大学に進学した戸田晴登選手が3位。172.52は自己最高スコア。初の全日本進出となりました。

男子シニアの全日本の枠は9ですが、グランプリ組4人が免除のため5位までが全日本へ進みます。ボーダーラインは169.19 5位と6位は3.10差。こちらも厳しい勝負となりました。

 

○大島光翔選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz! ! 5.90   0.12 6.02 0.286
2 3A   8.00   1.92 9.92 2.429
3 3A+2T   9.30   0.80 10.10 1.000
4 3Lo   4.90   0.98 5.88 1.857
5 FCCoSp2V   1.88   0.00 1.88 -0.143
6 CSSp4   3.00   0.24 3.24 0.857
7 3Lz!+2T ! 7.92 x -0.12 7.80 -0.143
8 3T   4.62 x 0.34 4.96 0.857
9 3F+1Eu+3S   11.11 x 0.32 11.43 0.714
10 StSq2   2.60   0.52 3.12 2.000
11 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.143
12 CCoSp3   3.00   -0.06 2.94 -0.286
  TES   65.23   6.06 71.29  

2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツです。ジャンプは基礎点欠けることはなかったのですが、スピンステップのレベルの部分では基礎点をやや落とした形になりますが滑り自体はノーミスでした。今回は65.23という基礎点ですが、昨季は74.61という基礎点も出しています。一時期4回転ルッツに挑戦し、構成に入れたこともありましたが今期は4回転を入れていません。

今回は210.69 今年に入ってからは200点台を連発していて、この210.69はその中では一番下です。昨季の全日本は189.36に留まっていますが、それよりはるか上のスコアを今期は出す力があります。トップ5と勝負するには4回転が無いのでちょっと苦しいですが、その下のグランプリ組あたりとは勝負できるだけのスコアを持っています。現在大学4年生。来期どうするのかわかりませんが、全日本ではトップ10に入って国際大会派遣の切符が取れるチャンスもあります。それを期待したくなるフリーでした。

 

○男子シングルシニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 大島 光翔 210.69 105.17 75.68 4.71 17.45 8.68
2 北村 凌大 178.26 97.08 55.49 -3.18 17.86 11.01
3 戸田 晴登 172.52 88.42 58.00 -3.92 19.72 10.30
4 山田 琉伸 171.59 88.41 65.92 -7.74 16.38 9.62
5 菊地 竜生 169.19 89.99 62.60 -8.63 17.06 9.17
6 大中 惟吹 166.09 86.92 59.37 -4.42 14.89 9.33
7 小島 志凰 164.67 81.33 65.40 -4.55 14.93 8.56
8 門脇 慧丞 164.56 87.25 49.71 0.65 17.03 9.92
9 鈴木 楽人 162.91 86.07 51.39 -4.36 19.52 11.29
10 小田垣 櫻 157.84 84.34 63.77 -10.76 11.93 9.56
11 大久保 政宗 149.03 82.67 38.60 -3.36 19.57 11.55
12 坪井 聖弥 148.02 85.51 46.92 -4.16 16.46 5.29

グランプリ組がいない試合。大島光翔選手の力が頭2つくらい抜けていました。ただ、スピンはスコアがあまり取れず、総合3位の戸田選手が1位です。ステップ系要素は総合11位の大久保選手が1位でした。大島選手はショートでステップ転倒。スピンステップで26点程度しか取れておらず、グランプリ組では30点後半くらいまで出ることを考えると、4回転ジャンプ1本分くらいの差がスピンステップでついてしまう計算になります。全日本ではこのあたりでもう少しスコアを稼いで順位を上げていきたいところかと思います。

 

○女子シングル ジュニア(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 島田 麻央 木下グループ 198.93 70.19 128.74
2 中井 亜美 TOKIOインカラミ 187.28 68.65 118.63
3 髙木 謠 東京女子学院 161.65 56.95 104.70
4 大竹 沙歩 MFアカデミー 152.34 46.53 105.81
5 今関 友梨香 MFアカデミー 150.62 56.30 94.32
6 中尾 歩 埼玉アイスアリーナFC 141.53 48.22 93.31
7 瀬川 穂乃 MFアカデミー 138.76 47.64 91.12
8 岩本 愛子 駒大附属苫小牧高校 138.35 46.59 91.76
9 杉本 羽美 KOSE新横浜プリンスFSC 137.35 46.29 91.06
10 千葉 美乃花 埼玉栄高校 133.91 43.00 90.91
11 工藤 緒心 第一中学校 127.89 43.48 84.41
12 宮本 琉花 青梅フィギュア 124.50 45.74 78.76

ユーは何故ここに? みたいな島田麻央選手が東日本選手権初登場で優勝しました。木下アカデミーは西にありますが、木下グループに所属すると東になる模様です。

2には中井亜美選手。トリプルアクセル2本構成にしましたが2本目はシングルアクセルになりました。勝負気にする試合でもないですし十分な出来だったかと思います。

高木謡選手が3位。順当にジュニアグランプリ組が表彰台を占めましたが、髙木選手は本人比ではあまりいい出来ではなかったと言わざるを得ません。髙木選手の立場としては、この東日本も代表選考の対象大会なので2試合平均のスコアを上げてきたかったのですが、スコア伸びませんでした。課題のフリーの3Lz+3Tをqは付きましたが降りたのは良かったと思います。

女子ジュニアの全日本進出枠は8あります。島田選手はシードなので除外で9位までが全日本ジュニアの出場権を得ました。ボーダーラインは137.35となっています。

 

○島田麻央選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Aq q 8.00   -0.96 7.04 -1.143
2 4T<< F<< 4.20   -2.10 2.10 -5.000
3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 1.857
4 3Sq+3T< q|< 7.66   -2.15 5.51 -4.857
5 FCCoSp2   2.50   0.25 2.75 1.000
6 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.429
7 3F+2A+2A+SEQ   13.09 x 0.95 14.04 1.571
8 3Lo   5.39 x 0.98 6.37 2.000
9 3Lz   6.49 x 1.42 7.91 2.429
10 LSp4   2.70   0.97 3.67 3.571
11 CCoSp4   3.50   1.19 4.69 3.286
  TES   66.63   3.03 69.66  

トリプルアクセルはqが付きつつも降りたものの、4回転トーループはダウングレードの転倒。珍しいのはサルコウからのコンビネーションで回転不足が付いたあたりでしょうか。

この構成、トリプルアクセルに4回転、普通の選手なら最高難度の3Lz+3Tが3つ目に来て、さらに3-3をもう1つ。後半はダブルアクセル2つ付きのシークエンスも入れる。構成表見てるだけでくらくらする難易度です。4回転ダウングレード付いたので66.63とトリプルアクセル組くらいの基礎点に今回はなりました。

肉離れしてた?? 聞いてませんよそんなことって感じで、完治したらしいですがケガ明けでこの構成ですか。本人比では大した出来ではなかったと思いますが、やっぱり強いです。

ジュニア全勝続く。次は全日本ジュニアです。

 

○女子シングルジュニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 島田 麻央 198.93 90.40 74.64 2.27 23.33 9.29
2 中井 亜美 187.28 88.27 66.57 0.71 23.31 8.42
3 髙木 謠 161.65 77.27 59.14 -2.98 20.09 8.13
4 大竹 沙歩 152.34 70.73 52.54 0.79 20.35 7.93
5 今関 友梨香 150.62 73.74 47.90 1.48 20.48 7.02
6 中尾 歩 141.53 69.15 50.40 -5.49 20.60 6.87
7 瀬川 穂乃 138.76 67.41 46.13 -1.07 19.83 7.46
8 岩本 愛子 138.35 63.33 55.54 -4.19 17.26 6.41
9 杉本 羽美 137.35 61.67 61.99 -7.37 14.03 7.03
10 千葉 美乃花 133.91 61.93 42.43 0.50 22.14 6.91
11 工藤 緒心 127.89 64.48 41.83 -4.68 19.36 7.90
12 宮本 琉花 124.50 58.93 52.66 -7.68 15.89 5.70

島田選手はPCSで90点に乗りました。中井選手は88点ほど。その差は2点あります。髙木謡選手は少し差が付きました。3人ともジュニアグランプリシリーズではこれよりはるか上の評価をもらっていました。

ジャンプの基礎点は4回転ダウングレード付いても島田選手は74.64までありました。中井選手はアクセルがシングルになったのが痛く66.57 トリプルアクセル2本しっかり入れば今回の島田選手となら匹敵するところまで行けました。

ジャンプの加点は島田選手も中井選手も今回は得られず。髙木選手はマイナスとなりました。

スピンは島田選手中井選手共に23点台。中井選手はこれくらいが標準スコアですが、島田選手は本来スピンは得意でもっと高く、26点台くらいまで出します。

ステップ系要素は島田選手だけ9点台出しました。髙木選手はジュニアグランプリでは9.96と今期ジュニア1位の評価を受けていたのですが今回はショートのステップがレベル3なこともあり伸びませんでした。

ジュニアグランプリ組3人にとっては、ジュニアグランプリシリーズと全日本ジュニアの間にある調整試合でしかない、ということもあってか3人ともあまりいい出来ではなかったという試合になっていたと思います。

 

○男子シングル ジュニア(上位18名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 中田 璃士 TOKIOインカラミ 228.97 78.24 150.73
2 西野 太翔 神奈川FSC 217.84 75.48 142.36
3 蛯原 大弥 駒場学園高校 194.28 65.57 128.71
4 田中 蓮音 星槎国際高等学校東京 187.29 64.77 122.52
5 森 遼人 MFアカデミー 187.18 65.62 121.56
6 周藤 集 ID学園高等学校 177.18 63.33 113.85
7 池田 立 MFアカデミー 172.46 59.74 112.72
8 田口 湊音 渋谷教育学園幕張高校 160.49 56.96 103.53
9 磯和 大智 埼玉アイスアリーナFC 159.71 58.48 101.23
10 佐々木 陽人 伊勢崎クラブ 159.20 53.23 105.97
11 尾形 広由 八戸FSC 157.31 55.53 101.78
12 堀野 伊織 八戸FSC 157.11 58.65 98.46
13 大林 理人 KOSE新横浜プリンスFSC 154.67 54.19 100.48
14 小山 蒼斗 仙台FSC 149.59 48.05 101.54
15 加藤 海里 目黒日本大学高等学校 149.07 51.82 97.25
16 大島 佑翼 埼玉アイスアリーナFC 147.34 51.10 96.24
17 萩原 颯希 KOSE新横浜プリンスFSC 146.05 48.20 97.85
18 田邊 拓也 東洋大学 139.62 48.01 91.61

男子のジュニアは中田璃士選手が228.97と本人の国内大会での最高スコアで優勝しました。ジュニアグランプリからの好調を維持しているようです。

2位には西野太翔選手。217.84は自己最高スコアです。これまでの最高は昨季の全中の202.13 そこから大きくスコアを伸ばしました。4回転サルコウは転倒となったのですがそれ以外の要素でスコアを伸ばしています。

蛯原大弥選手が3位。194.28は国内では最高のスコアですが国際大会では200点台を2回出しています。国際大会のが点が出せる選手でしょうか。4回転トーループを投入してきましたがダウングレードとなりました。

男女ともジュニアはジュニアグランプリ組がしっかり表彰台を占めました。

昨季全日本ジュニアで3位表彰台の周藤集選手は6位に終わっています。11月にならないと本気出さないタイプでしょうか。東京選手権では194.40だしていますのでそんなことは無いのでしょうけれど、ちょっと今回は残念な結果でした。

男子ジュニアの全日本ジュニア進出枠は12あり、シードが2人いますので14位までが出場権を得ます。ボーダーラインは149.59 15位とは0.52差。非常に際どい勝負となりました。

 

○中田璃士選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   2.28 11.78 2.429
2 3A+3T   12.20   1.92 14.12 2.429
3 3A+1Eu+3Sq q 12.80   -3.52 9.28 -4.429
4 FCSp3   2.80   0.34 3.14 1.429
5 3F   5.30   0.00 5.30 0.143
6 3F+2A+SEQ   9.46 x 0.85 10.31 1.571
7 3Lo   5.39 x 1.08 6.47 2.143
8 2A   3.63 x 0.46 4.09 1.286
9 ChSq1   3.00   1.50 4.50 2.714
10 CSSp4   3.00   0.42 3.42 1.571
11 CCoSp3V   2.25   -0.18 2.07 -0.571
  TES   69.33   5.15 74.48  

4回転とトリプルアクセル2本決めてしっかり勝ちました。最後のスピンでVが付いたのはもったいない。スピンでレベルが取れていない分基礎点は69.33と70点を割り込んでいます。オールレベル4付けば70.98の基礎点になり、シニアルールでステップをレベル4取れば74.88まで出ます。

2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルフリップ。ルッツが入っていません。ジュニアグランプリ2戦では6番目の要素として入れていたのですが今回は外しました。ルッツ苦手はわかるのですが、ジュニアのうちに克服していってほしいなあ、と思います。特にこういう、スコアも順位もあまり関係ない試合では入れて行ってほしかったです。

 

○男子シングルジュニア 要素別スコア(上位18名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 中田 璃士 228.97 112.91 80.82 8.07 18.31 8.86
2 西野 太翔 217.84 106.25 83.95 -0.59 20.74 8.49
3 蛯原 大弥 194.28 93.33 77.78 -2.72 19.37 6.52
4 田中 蓮音 187.29 97.25 56.35 1.91 22.92 8.86
5 森 遼人 187.18 91.92 72.69 -2.90 18.51 6.96
6 周藤 集 177.18 94.10 70.33 -10.11 15.77 9.09
7 池田 立 172.46 88.67 60.81 -2.59 18.34 8.23
8 田口 湊音 160.49 83.25 54.35 -4.99 21.48 7.40
9 磯和 大智 159.71 80.15 59.52 -2.37 17.20 6.21
10 佐々木 陽人 159.20 80.26 51.69 1.87 18.41 6.97
11 尾形 広由 157.31 81.67 53.64 -1.99 17.23 6.76
12 堀野 伊織 157.11 82.67 49.18 0.44 19.42 6.40
13 大林 理人 154.67 77.91 46.29 4.54 19.03 6.90
14 小山 蒼斗 149.59 64.99 59.95 0.53 18.35 5.77
15 加藤 海里 149.07 78.25 55.82 -9.91 20.49 6.42
16 大島 佑翼 147.34 79.18 45.19 -0.50 16.65 6.82
17 萩原 颯希 146.05 71.17 59.11 -2.50 12.61 5.66
18 田邊 拓也 139.62 74.92 43.90 -3.50 17.24 7.06

PCSは中田選手が110点台、西野選手が100点台後半とやはり高い評価です。蛯原選手はあまり伸びませんでした。

ジャンプの基礎点は西野選手が中田選手を上回っています。ショートでルッツを入れないことと、フリーでもルッツなしで1.1倍の弱さもある中田選手なので、そのあたりの差で西野選手が上回りました。

加点は中田選手が一人抜けています。跳んだジャンプの質は良かったです。

スピンは田中蓮音選手が1位。ジャンプの構成は弱めな選手なのですが、スピンステップPCSで稼いできます。

ステップ系要素は周藤集選手が1位です。全日本ジュニアでジャンプの方も合わせていけるでしょうか。

 

東日本選手権は、シニアはグランプリ組が免除でいない率が高く、ちょっと顔ぶれ寂しくなる一方、ジュニアはジュニアグランプリが終わって、ある意味主力組がしっかり姿を見せるのでこちらの方が注目されがちでもあります。ただ、こういう試合というのはこの試合が目標で。全日本へ、全日本ジュニアへ、進めるかどうか、進みたいんだ! という選手たち、ここが勝負という選手たちがこういう大会の主役なのかな、と思ったりもします。

 

次週は西日本選手権となります。