全日本ジュニア24 来年もいます

シーズン中盤に入ってきての国内の最初のクライマックス、全日本ジュニアです。日本はジュニアもレベルが高い。特に女子はグランプリシリーズ並みの試合展開になりました。

 

○女子シングル 上位24名

Pl Name Nation Total SP FS
1 島田 麻央 木下グループ 201.32 72.69 128.63
2 和田 薫子 グランプリ東海クラブ 190.17 66.40 123.77
3 櫛田 育良 木下アカデミー 189.52 64.54 124.98
4 中井 亜美 TOKIOインカラミ 180.83 62.52 118.31
5 上薗 恋奈 LYSインカラミ 180.69 58.06 122.63
6 村上 遥奈 木下アカデミー 177.59 59.06 118.53
7 岡 万佑子 木下アカデミー 176.78 58.23 118.55
8 岡田 芽依 名東FSC 174.51 49.72 124.79
9 宮﨑 花凜 MFアカデミー 172.77 60.60 112.17
10 金沢 純禾 木下アカデミー 167.00 60.31 106.69
11 山田 恵 木下アカデミー 165.29 51.49 113.80
12 大竹 沙歩 MFアカデミー 162.26 57.51 104.75
13 中尾 歩 埼玉アイスアリーナFC 160.90 54.36 106.54
14 髙木 謠 東京女子学院 160.48 52.82 107.66
15 川勝 玲奈 木下アカデミー 158.13 50.94 107.19
16 松浪 ひかり 関空スケート 150.97 53.29 97.68
17 河野 莉々愛 木下アカデミー 150.17 62.58 87.59
18 横田 胡幸 香川フィギュアC 143.87 51.56 92.31
19 鈴木 華乃 関空スケート 142.36 49.61 92.75
20 吉田 菫 蒼明学院中等部 140.62 50.24 90.38
21 岩本 愛子 駒大附属苫小牧高校 140.11 47.59 92.52
22 今関 友梨香 MFアカデミー 133.95 50.78 83.17
23 重田 美星 神戸ポートアイランドクラブ 126.75 48.39 78.36
24 瀬川 穂乃 MFアカデミー 122.47 50.32 72.15

島田麻央選手4連覇。他を寄せ付けない圧勝、と言いたいところですが、フリーは多少危ないところもありました。それでもただ一人200点を超えての優勝です。相変わらずの、国内の試合の方が点伸びないね、がありますが、いずれにしてもジュニア無敗が続きます。

今季好調の和田薫子選手が2位表彰台です。ジュニア3シーズン目、島田麻央選手と同じ世代です。今期はジュニアグランプリシリーズ以降4試合190点台を並べています。世界ジュニア内定とはなりませんが、かなり優位に立ちました。

昨季2位の櫛田育良選手が3位表彰台。今期ジュニアグランプリシリーズは失敗して2戦目がもらえなかったのですが、流石全日本ジュニアは強いです。世界ジュニアの代表争いに今期も顔を出してきました。ジュニア4シーズン目。その気になれば来期はシニアに上がれます。

中井亜美選手が4位。滑走時点では全日本を決めるには112.00が必要で、トリプルアクセルがダウングレードの転倒になったところで、ちょっと昨季の悪夢が頭をよぎりましたが、何とか踏みとどまりました。フリーは実は8位です。表彰台に乗れば世界ジュニアの代表は固いかな、とも思われたのですが、4位だと優位は保っていますが当確は全日本へ持ち越しです。

昨季の世界ジュニア表彰台の上薗恋奈選手が5位。ショートは10位で全日本黄色信号だったのですが、流石のフリーで圏内に入ってきました。今期の世界ジュニア代表争いでは厳しい状況にはなっていますが、全日本表彰台級の活躍をすればまだチャンスはあります。

村上遥奈選手が6位。今期はジュニアグランプリシリーズの派遣が無く、国内で過ごしていました。昨季までは160点台の選手だったのですが、今期は170点台後半まで出す力を付けてきました。3年連続3回目の全日本です。

7位は岡万佑子選手。昨季は9位で全日本へ進めず涙を呑んでいました。今期もショートは9位。北海道から木下アカデミーに移籍してきた甲斐があるかどうか、微妙な位置でのフリーになりましたが初の全日本切符を掴みました。

8位にはショート21位からの大逆転、岡田芽依選手です。ジュニアグランプリシリーズで2戦表彰台、西日本選手権も190点に乗せていただけに、まさかのショートだったのですが、フリーは4番滑走からフリーだけなら3位の演技でぎりぎり全日本の切符を掴んでいます。

ノービス勢が9位10位と続いていました。9位は全日本ノービス2位の宮﨑花凜選手。ノービス1年目なので来期もまだノービスです。ショートフリー2本滑った試合は確認できた範囲では初めてなはずですがどちらも大きなミスなく滑り切りました。172.77をノービス1年目で出すのはかなりレベルが高いです。島田麻央選手のノービス1年目の全日本ジュニアで173.44 それに匹敵するスコアを出してきました。

金沢純禾選手は10位。全日本ノービスに続いてフリップの転倒が痛かったです。来期にはジュニアにいよいよ上がってきます。

ジュニアグランプリ組では髙木謡選手がまさかの14位。ショートのコンビネーションセカンドが1回転になったところから、結局フリーも巻き返せずに終わる形となりました。河野莉々愛選手はショート4位だったのですがフリーで崩れての17位。昨季はノービスながら7位に入っていて年齢足りれば全日本だったのですが、今期は年齢足りたのに今度は得点足らずということで、残念でした。

全日本進出ラインは174.51というとんでもないところまで来ました。試合後半まで174.51でも全日本へ進めないのでは、という展開。恐ろしいです日本女子ジュニア。

 

○上位6選手のフリーの構成

  島田麻央 和田薫 櫛田育良 中井亜美 上薗恋奈 村上遥奈
1 3A 2A 3Lz!+3T 3A<< 3Lz+3T 3Lz
2 4T< 3Lz+3T 3S 3Lo 3Lo 3S+3T
3 3Lz<+3Tq 3Fq FCCoSp4 3Lz+3T 3Fq+2T 3F!
4 3S+3T CCoSp4 3Lo CCoSp4 2A 2A
5 FCCoSp4 3Lo 2A 2A FSSp4 CCoSp4
6 ChSq1 ChSq1 CCoSp3V 3Lz+1Eu+3S< 3Lzq 3S+3T
7 3F+2Aq 3S+2A 3F+2A 3Lo+2A 3F ChSq1
8 3Lo 3F+2Tq+2T 3Lz!+2T+2Lo 3F LSp4 3Loq
9 3Lz 3Lz< 3Fq ChSq1 ChSq1 2A+2T+2Lo
10 LSp4 FCSp4 ChSq1 FSSp4 3S+2A+2T FCCoSp4
11 CCoSp4 LSp4 LSp4 LSp4 CCoSp4 FSSp4
Base 67.06 58.24 59.13 59.47 59.21 57.67
GOE 1.95 6.52 6.04 2.17 5.48 6.79
PCS 60.62 59.01 59.81 57.67 57.94 54.07
Total 128.63 123.77 124.98 118.31 122.63 118.53

基礎点はやはり島田麻央選手が突出しています。ただ、4回転のアンダーローテーションはともかく、ルッツもアンダーローテーション取られ、3連続のはずのシークエンスでダブルアクセルが1つ入りませんでした。ノーミス構成からはかなり落ちます。今回のフリーは本人としてはシーズンワーストの出来で、上位選手の中で稼いだGOEは最小、フリーを滑った24人中13位です。これは本人納得いかないと感じるのは自然だと思われます。

他の選手は59点前後の基礎点が並びます。中井亜美選手はトリプルアクセルを入れていますがダウングレードで基礎点伸びず。和田選手はルッツのアンダーローテーション、櫛田選手はスピンのレベルが基礎点削られポイントですが、大きなミスは見られませんでした。

和田選手、櫛田選手、上薗選手は2回飛ぶジャンプがルッツとフリップ。高難度ジャンプは無いものの高い基礎点構成になっています。村上選手はサルコウトーループという基礎点低い2つを2回飛ぶ構成。同じ種類の単独ジャンプを2回飛ぶとリピート扱いで減点されますが、同じ種類のコンビネーションを2回飛んでも問題なし、ということで3S+3Tを2回入れてきます。見ていて美しい好きな構成ではあるのですが、基礎点面ではやや弱いというのも現実。とはいえこの上位6人の中で稼いだGOEは最大でした。前半の3S+3Tは平均GOE+3.000の評価を受けています。今大会のすべてのコンビネーションジャンプの中で最高評価でした。

この上位6人はスピンがほぼほぼレベル4です。櫛田選手が1つ3Vついたのみ。2位と0.65差だったわけですが、このレベル3Vが結局致命傷で、レベル4ならもちろん、レベル4でも2位になっていました。

 

○女子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(上位18名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 島田 麻央 201.32 91.41 74.07 2.40 25.19 9.25
2 和田 薫子 190.17 88.21 65.07 4.89 23.41 8.59
3 櫛田 育良 189.52 89.28 66.07 3.23 21.45 9.49
4 中井 亜美 180.83 86.34 66.50 -0.55 22.55 7.99
5 上薗 恋奈 180.69 86.54 63.05 0.68 21.83 8.59
6 村上 遥奈 177.59 80.07 62.62 5.29 21.28 8.33
7 岡 万佑子 176.78 76.14 68.57 2.82 21.99 8.26
8 岡田 芽依 174.51 82.01 61.60 0.69 23.04 7.17
9 宮﨑 花凜 172.77 74.73 63.33 4.46 21.27 8.98
10 金沢 純禾 167.00 71.40 64.64 5.44 19.06 7.46
11 山田 恵 165.29 74.34 64.54 0.10 20.29 7.02
12 大竹 沙歩 162.26 75.32 54.96 2.74 21.11 8.13
13 中尾 歩 160.90 70.60 62.99 0.25 19.94 7.12
14 髙木 謠 160.48 78.87 59.39 -2.79 17.70 9.31
15 川勝 玲奈 158.13 70.14 64.41 -3.05 21.27 6.36
16 松浪 ひかり 150.97 64.21 63.79 -1.71 18.42 6.26
17 河野 莉々愛 150.17 75.67 50.11 -3.59 22.29 8.69
18 横田 胡幸 143.87 65.61 49.84 -0.83 21.75 7.50

PCSは島田選手が1位で90点台に乗せています。櫛田選手が89.28で2位でした。和田選手が88点台の3番目で上薗選手中井選手と続きます。ジュニアグランプリシリーズではPCSが伸びなかった櫛田選手でしたが、全日本ジュニアはその序列を逆転してスコアを伸ばせています。8位に入った岡田選手は宮崎選手、金沢選手と言ったノービス勢に技術点では負けていたのですが、PCSで上回って全日本切符を掴みました。髙木選手はジュニアグランプリ2戦で88点台を出したのと比べると10点ほど下がります。

ジャンプの基礎点は島田選手が突出しています。2番目はダウングレードながらトリプルアクセルを入れた岡万佑子選手です。同じくダウングレードながらトリプルアクセルを入れた中井亜美選手が3番目。たとえダウングレードでダブルアクセルと同じ基礎点になっても、実質ダブルアクセルを3本入れたのと同じ基礎点になるのでその分稼げる計算です。櫛田選手が66点台に乗せて4番目ですが、以下下位の選手も含め63点64点台くらいまでは基礎点組めます。日本女子ジュニアの恐ろしさです。

加点の方はノービスの金沢純禾選手が1位でした。2番目に村上遥奈選手。2人が5点台あります。4点台が和田薫子選手とノービスの宮崎花凜選手です。島田選手は2点台であまり稼げていません。中井選手、上薗選手も0前後で今一つでした。

スピンは島田選手が25点台で断トツです。23点台で和田薫子選手と岡田芽依選手が続きます。髙木選手は17点台。ショートフリーで2Vがそれぞれ出たのが痛かったです。ジャンプのミスが大きかったは大きかったですが、PCSがジュニアグランプリ並みもらって、スピンをちゃんと決められていれば全日本ラインくらいにまでは届くはずでした。

ステップ系要素は櫛田育良選手が最高の9.49です。国内では評価の高い選手です。2番目は髙木謡選手。こちらは国際大会で今シーズンステップ系要素は最高評価を受けています。9点台はもう1人、島田麻央選手が3番目でした。

 

○男子シングル 上位24名

Pl Name Nation Total SP FS
1 中田 璃士 TOKIOインカラミ 220.47 77.92 142.55
2 高橋 星名 木下アカデミー 212.99 79.28 133.71
3 西野 太翔 神奈川FSC 208.49 75.85 132.64
4 植村 駿 ユニバースFSC 206.92 69.12 137.80
5 朝賀 俊太朗 関西大学 201.00 65.25 135.75
6 垣内 珀琉 ひょうご西宮FSC 187.93 58.05 129.88
7 森 遼人 MFアカデミー 184.82 67.63 117.19
8 蛯原 大弥 駒場学園高校 184.23 63.50 120.73
9 田内 誠悟 中京大中京高校 183.29 61.18 122.11
10 周藤 集 ID学園高等学校 179.84 64.34 115.50
11 田中 蓮音 星槎国際高等学校東京 179.19 61.39 117.80
12 池田 立 MFアカデミー 177.35 61.95 115.40
13 森本 涼雅 星槎国際大阪 172.84 55.87 116.97
14 尾形 広由 八戸FSC 167.91 56.40 111.51
15 小山 蒼斗 仙台FSC 164.87 56.90 107.97
16 岡崎 隼士 蒼明学院中等部 163.96 58.88 105.08
17 磯和 大智 埼玉アイスアリーナFC 163.28 60.27 103.01
18 名倉 一裕 大阪スケート倶楽部 160.98 52.92 108.06
19 佐藤 和那 邦和みなとスケート部 160.62 53.57 107.05
20 松本 悠輝 LYSインカラミ 157.27 52.21 105.06
21 小河原 泉颯 岡山理大附属高校 156.24 60.78 95.46
22 石原 弘斗 京都宇治FSC 152.15 54.39 97.76
23 佐久間 陸 福岡オリエンタルバイオアカデミー 144.78 53.08 91.70
24 佐々木 陽人 伊勢崎クラブ 132.37 49.20 83.17

中田璃士選手がショート2位から逆転優勝。ジュニア3シーズン目、ノービス時代から数えて全日本ジュニア5回目で初戴冠です。世界ジュニアの代表内定となりました。

ショート首位だった高橋星名選手は2位。こちらはジュニア2シーズン目。212.99は中田選手同様に国内での自己最高点となります。世界ジュニア代表内定はお預けとなりましたが、中田選手に次いで2位となったことで、代表選考では非常に優位になっていて、内定ではないけどほぼ当確、というところまで来たと言えそうです。

3位は西野太翔選手が入りました。こちらもジュニア2シーズン目。ジュニアグランプリシリーズでは6位と表彰台に乗れていませんでしたが、東日本で217.84を出していて力を見せていました。今回の表彰台で世界ジュニア代表争いで一歩前へ出たと言えそうです。

4位の植村駿選手はジュニア3シーズン目。国際大会の経験はまだありません。昨年は西日本にも進めなかった選手が、今期は西日本に続いて200点超え、206.92まで出して表彰台にあと一歩まで来ました。来期はジュニアグランプリの派遣をおそらく勝ち取れるのではないか、と期待されますがその前にまず全日本の活躍が期待されます。

大学1年生、ジュニア最終年の朝賀俊太朗選手が5位に入りました。初の200点超え。初の全日本切符となりました。

昨季の世界ジュニア代表垣内珀琉選手は6位でした。世界ジュニアの代表争いからは一歩後退となりました。

ジュニア2シーズン目の森遼人選手が7位。2試合連続の180点台。東日本で初成功させたトリプルアクセルを今大会もショートフリーと決めてきました。自力が上がってきて全日本初切符です。

ジュニアグランプリ組から蛯原大弥選手が8位。スコア伸ばせませんでしたが際どく全日本切符は確保しました。

過去2シーズンジュニアグランプリシリーズに出場していた田内誠悟選手は9位。昨季の全日本ジュニア3位表彰台の周藤集選手は10位。惜しくも全日本には届きませんでした。

 

○上位6選手のフリーの構成

  中田璃士 高橋星名 西野太翔 植村駿 朝賀俊太朗 垣内珀琉
1 4T 3A+2T 4S< 3A 3A+3T 3Lz+3T
2 3A 3Lz+3T 3F+3Tq 3Lz+3T 3Lz+1Eu+3S 3Lo
3 1A+1Eu+3S 3F 3A+2T 2Lo 3Lo 3F!+2A
4 FCSp4 FCSp4 3Lo FCSp2 CSSp3 FCSp3
5 3F+3T ChSq1 FCSp4 3F+2T 3F 3Lz
6 3F 3A 3Aq 3Lz 3Lz+2A 3S
7 3Lo+2A CSSp3 3Lz 3T+2A+2A 3T 2A+2T+2Lo
8 3Lo 1Lo 3F+2A+2A ChSq1 FCSp4 3F!
9 ChSq1 3F+2A ChSq1 SSp1 ChSq1 ChSq1
10 CSSp4 3S CSSp4 3S 2A FCCoSp4
11 CCoSp3 CCoSp4 CCoSp3V CCoSp4 CCoSp2V CCoSp4
Base 65.34 59.74 71.29 59.60 62.15 59.79
GOE 5.77 5.04 -3.92 9.27 5.67 4.98
PCS 72.44 68.93 66.27 68.93 67.93 65.11
Total 142.55 133.71 132.64 137.80 135.75 129.88

上位選手で4回転を構成に入れたのは中田璃士選手と西野太翔選手の2人。中田選手は決めましたが、西野選手はアンダーローテーションの転倒となりました。トリプルアクセルは5選手が入れていますが垣内珀琉選手は入れていません。垣内選手はジュニアグランプリシリーズでは4回転トーループを入れていましたが、今回は入れずに安全策で全日本進出を狙ったようです。

基礎点は西野選手が1番高く71.29ありました。中田選手は4回転入れながらも65.34 トリプルアクセルが1つ1回転半になったのが響いています。朝賀選手はトリプルアクセル1本で62.15 あとの3選手は50点台の基礎点に留まりました。垣内選手はトリプルアクセル以上が無しなので59.79はほぼきっちり基礎点稼いでの値ですが、高橋選手、朝賀選手はトリプルアクセル以外のところでジャンプの抜きがあって基礎点が伸びなかった形です。

男子はスピンのレベルが取れない傾向があります。フリーの3つだけ見てもオールレベル4がいません。シニアも結構レベルが取れなかったりするのですが、僅差の勝負では結構効いてくるので、レベル4率を上げて行ってほしいなあ、と思います。

去年もそうだったのですが、最後の要素はみんな足替えのコンビネーションスピンです。なかなかバリエーションでないものなんですかね。

 

○男子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(上位18名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 中田 璃士 220.47 110.10 75.68 6.85 20.96 7.88
2 高橋 星名 212.99 104.67 71.37 6.50 22.75 7.70
3 西野 太翔 208.49 100.51 83.24 -2.70 20.42 8.02
4 植村 駿 206.92 100.41 73.43 9.79 15.67 7.62
5 朝賀 俊太朗 201.00 98.75 75.40 1.80 16.36 8.69
6 垣内 珀琉 187.93 98.17 57.42 3.41 21.40 7.53
7 森 遼人 184.82 92.25 66.92 -1.08 20.07 6.66
8 蛯原 大弥 184.23 85.92 80.10 -7.59 20.44 6.36
9 田内 誠悟 183.29 94.66 55.54 4.90 20.97 7.22
10 周藤 集 179.84 89.18 75.62 -10.76 19.14 7.66
11 田中 蓮音 179.19 92.58 59.06 -2.77 22.90 7.42
12 池田 立 177.35 88.09 60.81 1.15 19.74 7.56
13 森本 涼雅 172.84 85.42 65.63 -0.60 16.36 7.03
14 尾形 広由 167.91 82.17 60.33 1.89 17.21 6.31
15 小山 蒼斗 164.87 76.42 62.85 2.22 20.44 4.94
16 岡崎 隼士 163.96 82.76 56.70 -1.39 19.23 6.66
17 磯和 大智 163.28 78.33 60.93 0.20 17.82 6.00
18 名倉 一裕 160.98 84.51 59.62 -6.34 18.07 7.12

PCSは中田璃士選手が110点台に乗せて1位です。6位までは総合順位とPCS順位が一致します。国際大会組が国内組よりPCSが高い、ということもないです。

ジャンプの基礎点は西野選手が1位で、蛯原選手が2位です。蛯原選手は今大会4回転を構成に入れた3人の中の1人です。

加点は植村駿選手が9.79で1位。特にフリーは素晴らしい出来でした。中田選手と高橋選手が6点台です。蛯原選手は-7.59と苦しみましたが何とか全日本切符を掴んだものの、周藤選手は-10.76で、流石にこれだと全日本に届かないという形でした。

スピンは総合11位の田中蓮音選手が1位です。高橋選手が2番目。それに次ぐのが21点台で垣内珀琉選手。20点台は多数います。

ステップ系要素は朝賀俊太朗選手が8.69で1位です。西野選手も8.02と8点台ありました。

 

女子は島田麻央選手が4連覇、男子は中田璃士選手が初優勝となりました。男女とも、優勝選手はジュニア3シーズン目。来期もシニアに上がることは無くジュニアに留まります。男子は2位も3位もさらに4位も、来期も強制ジュニアです。女子は、3位の櫛田選手と4位の中井選手はシニアに上がることが可能な年齢にはなります。

ジュニア4シーズンルールになっているので、強いジュニアもシニアに上がっていかずに滞留します。特に女子はその傾向が強い。その中で全日本へ進むのは大変ですし、世界ジュニアの代表になるのも大変ですし、ジュニアグランプリシリーズに出るのすら大変です。昨季は中井亜美選手、今期は髙木謡選手と直近にしっかり実績を出している選手でも全日本へ進めず落選しました。男子でも周藤集選手が落選。全日本が見ていて胃が痛いというような方が結構いるようですが、全日本ジュニアも見ていて気が気でないです。

全日本ジュニアは基本的に同日にグランプリシリーズがあるわけですが、昔は先にグランプリシリーズを見て後から全日本ジュニアを見ると、やっぱり演技の点では少し差があるなあ、というところから最終滑走あたりで、ああ追いついた、みたいに感じたりしていましたが、最近は、最終グループになってくると、ノービス勢大躍進というのを除くと、もうグランプリシリーズと大差ないレベルに見えます。はらはらしながらも非常に楽しめる全日本ジュニアでした。