タリン杯 代替開催ではありません

チャレンジャーシリーズ8戦目、タリン杯が行われました。タリンは辞退・中止があったときの代替開催地として有名ですが、タリン杯は代替なわけもなく、最初からタリン開催で予定されたものです。この時期のチャレンジャーシリーズはどうしても手薄になりがちです。日本からの派遣はありませんでしたが、グランプリ組の下のクラスの選手たちを派遣してチャンスを回してみてもいいんじゃないかな、と毎年思います。

 

○女子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Nina PINZARRONE BEL 192.48 65.43 127.05
2 Sofia SAMODELKINA KAZ 173.25 53.98 119.27
3 Sara-Maude DUPUIS CAN 163.58 55.04 108.54
4 Linnea CEDER FIN 163.41 53.49 109.92
5 Jade HOVINE BEL 149.52 45.35 104.17
6 Kristina LISOVSKAJA EST 148.41 46.58 101.83
7 Lea SERNA FRA 147.09 50.73 96.36
8 Oona OUNASVUORI FIN 142.24 53.40 88.84
9 Sofja STEPCENKO LAT 135.47 42.34 93.13
10 Selma VALITALO FIN 135.08 44.90 90.18
11 Nataly LANGERBAUR EST 134.21 51.98 82.23
12 Josefin TALJEGARD SWE 133.81 45.03 88.78

ニーナピンツァローネ選手がチャレンジャーシリーズ初優勝となりました。まあ、たまたま初優勝というだけで、特にうれしいということも無いタイトルだったようにも感じます。今期もグランプリシリーズ2戦に出ており、今回のメンバーの中ではちょっと浮いているくらい力が違いました。順当勝ちです。

2位は復帰シーズンのサモデルキナ選手が入りました。デニステンメモリアルに続いてのチャレンジャーシリーズ2位表彰台です。ただ、スコアは今シーズン3戦の中でワーストです。4回転、トリプルアクセルといった、以前のような大技が入ってこないのはある程度仕方ないとは思うのですが、通常の3回転ジャンプやスピンなどで得られる加点の幅も小さくなっています。

3位にはカナダのサラモードデュピュイ選手が入りました。2005年6月生まれの19歳。4大陸選手権9位の実績があります。チャレンジャーシリーズ初表彰台となりました。今期は160点台が3試合。カナダ勢の中でシーズンベストは5番目。4大陸選手権に今シーズンも出てこられるでしょうか。

 

○ニーナピンツァローネ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T< 9.26   -0.83 8.43 -1.429
2 3F   5.30   0.95 6.25 1.714
3 3Lo   4.90   1.18 6.08 2.286
4 2A   3.30   0.59 3.89 1.571
5 FCCoSp4   3.50   0.49 3.99 1.571
6 3Lz<+2A+2T+SEQ 10.25 x -1.04 9.21 -2.286
7 3Lo+2T   6.82 x 0.59 7.41 1.286
8 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.857
9 3S< 3.78 x -0.55 3.23 -1.571
10 CCoSp4   3.50   1.19 4.69 3.571
11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
12 LSp4   2.70   1.03 3.73 3.714
  TES   59.61   6.02 65.63  

グランプリ2戦と同じ構成です。アンダーローテーション3つ取られましたが、遠目にはノーミスのいい演技でした。回転不足3つくらいは今期は定常運転です。これがqくらいになってくると200点が見えます。今期はここまで190点台が2試合に180点台が1試合。昨季に続いてのグランプリファイナル進出とはなりませんでしたがまずまず順調に来ているように感じます。展開次第でヨーロッパ選手権のタイトルも狙える位置にいると言えそうです。

2回飛ぶジャンプはルッツとループ。ピンツァローネ選手は回転不足は付くのですが、ルッツもフリップもエッジのアテンションは付きません。そこは強みです。ループが特別得意なようには見えないので、フリップ2本でもよいように感じます。セカンド3回転あり、シークエンスのアクセルあり。回転不足が無くなってノーミス基礎点だすと63.30になります。

次戦はチャレンジャーシリーズの最終戦ゴールデンスピンに今のところエントリーしています。ただ、チャレンジャーシリーズのエントリーは割と気軽に辞めたりすることもあるので、実際に出るかはわかりません。ベルギーナショナルは今期は来年1月、ヨーロッパ選手権の直前に設定されています。

 

○男子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Jacob SANCHEZ USA 225.60 148.97 76.87
2 Daniel MARTYNOV USA 212.73 137.12 66.19
3 Roman SADOVSKY CAN 212.15 143.45 71.02
4 Nikita STAROSTIN GER 211.21 143.78 74.18
5 Arlet LEVANDI EST 210.82 139.69 67.10
6 Jimmy MA USA 209.71 143.44 75.51
7 Ivan SHMURATKO UKR 206.24 129.67 60.90
8 Andreas NORDEBACK SWE 204.47 130.84 63.74
9 Mihhail SELEVKO EST 202.74 125.96 54.87
10 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE ESP 202.55 132.91 63.47
11 Kornel WITKOWSKI POL 190.72 121.11 51.51
12 Samy HAMMI FRA 189.45 124.93 57.50

ジェイコブサンチェス選手がシニアの国際大会初出場にして初優勝を果たしました。今期はジュニアグランプリシリーズ2戦2勝。ジュニアグランプリファイナルに出場予定。やはり中田選手、高橋選手にとって強敵となりそうです。

2位はアメリカのダニエルマルチノフ選手が入りました。昨季世界ジュニア13位。今期からシニアにあがりチャレンジャーシリーズを3戦しました。シーズンベストを出してチャレンジャーシリーズ初表彰台となりました。

カナダのローマンサドフスキー選手が3位。スケートカナダではショート終了後に棄権。心配されていましたが、まずまず元気な姿を見せてくれました。

 

○ジェイコブサンチェス選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A+3T   12.20   1.76 13.96 2.286
2 3A   8.00   1.76 9.76 2.286
3 3Lo   4.90   0.59 5.49 1.143
4 3F!+2T ! 6.60   -0.32 6.28 -0.714
5 StSq3   3.30   0.73 4.03 2.143
6 CCoSp3V   2.25   0.54 2.79 2.429
7 3Lz+2A+2A+SEQ   13.75 x 0.47 14.22 0.714
8 3S   4.73 x 0.77 5.50 1.857
9 3Lz   6.49 x 0.83 7.32 1.571
10 FSSp4   3.00   0.36 3.36 1.143
11 ChSq1 F 3.00   -1.90 1.10 -3.857
12 FCCoSp3   3.00   0.06 3.06 0.286
  TES   71.22   5.65 76.87  

ほぼノーミスです。コレオは、これ転倒扱いになるのか、みたいなミスでした。ジュニア構成とジャンプは同じです。4つ目のジャンプの後にシニアルール分のステップを足しました。シニアの試合に出たのは初めてですので当たり前な部分もありますが、基礎点71.22は自己最高です。スピンはちょっとレベルが取れていませんでした。

ここに1試合入れてジュニアグランプリファイナルへ。試合間隔としては中田選手や高橋選手と同じです。2人よりシニアルールな分もあり同じ時期の試合としてのスコアは高い方に出ましたが、実質的にはほぼ互角と見てよいかと思います。

 

チャレンジャーシリーズは残り2戦です。次戦9戦目はワルシャワ杯。すぐ今週行われます。男子はイタリアのフランジパーニ選手、ウクライナのシュムラトコ選手などがエントリー。女子はワルシャワ杯と言えばこの人、クラコワ選手がエントリー。他に、昨季ワールド9位のカイザー選手などのエントリーがあります。