ジュニアグランプリファイナル24 1,2,3

グランプリファイナルと同時開催でジュニアグランプリファイナルも行われました。シニアよりもジュニアで女子は日本祭りという形になりました。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Mao SHIMADA JPN 199.46 73.72 125.74
2 Kaoruko WADA JPN 191.75 67.77 123.98
3 Ami NAKAI JPN 189.58 67.26 122.32
4 Yihan WANG CHN 187.90 64.52 123.38
5 Yuseong KIM KOR 184.23 64.42 119.81
6 Stefania GLADKI FRA 175.39 62.31 113.08

日本勢が表彰台を独占する形となりました。快挙、かもしれませんが、驚き、は特にない印象です。順当に上位に3人入った、というくらいの印象でした。

島田麻央選手が3連覇。ショートの時点で圧勝ペースでしたが、フリーではだいぶ危うい姿がありました。それでもショートフリー共に1位で優勝です。

2位には和田薫子選手が入りました。ジュニア3シーズン目ですが今季が国際大会デビュー。際どい勝負でしたが僅差をフリーも守って2位を確保しました。

3度目のジュニアグランプリファイナルとなった中井亜美選手は3度目にして初表彰台となりました。本人比ではほどほど、というくらいの出来だったかもしれませんが、それでもショートのリードを僅差で守り切って3位です。

中国女子として初のジュニアグランプリファイナル出場となったイーハンワン選手が4位。逆転のチャンスもあったフリーは3位でしたが、トータルスコアではわずかに届かず。ただ、やはり力は見せています。中国ジュニア女子はレベルが高く、枠も1つしかないので世界ジュニアの代表になれるかはまだはっきりとはしません。世界ジュニアへの派遣自体をコロナ以降していなかったので、今期もまた出てこないという線も無くは無いですが、出てくれば有力な表彰台候補となります。高難度ジャンプはもっていませんが、通常の3回転の精度は高いです。

2年連続のファイナルとなったキムユソン選手は5位。トリプルアクセルをクリーンに決めたので、フリーで逆転表彰台という芽も見えたのですが、後半のサルコウの転倒が致命傷。ルッツでショートフリー共にeをもらったのも痛く、5位に留まりました。今期は国際大会3戦すべてでトリプルアクセルを着氷しています。韓国女子は世界ジュニアの枠が2つ。2年連続で双子代表への道は険しいですが、大きな舞台で見ていたい選手ではあります。

地元フランスのグラッキ選手は6位となりました。予定構成に4回転トーループを入れていて話題になりましたが実施はしませんでした。

 

○島田麻央選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -4.889
2 4T<< F<< 4.20   -2.10 2.10 -5.000
3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
4 3S+3T   8.50   0.92 9.42 2.111
5 FCCoSp4   3.50   0.45 3.95 1.222
6 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.222
7 3F+2A+2A+SEQ   13.09 x 1.44 14.53 2.778
8 3Lo F 5.39 x -2.45 2.94 -5.000
9 3Lz   6.49 x 1.35 7.84 2.222
10 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
11 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 3.889
  TES   66.87   1.17 68.04  

118.04を出せば優勝出来るというフリー。点計算としては少し楽な条件に見えました。そんな展開から、冒頭2つのジャンプを失敗。4回転はダウングレードの転倒となり最悪の出だしでした。これで勝負がわからなくなったのですが、続く二つの3回転-3回転を成功。さらに後半に入って3連続が決まったのでこれで逃げ切ったな、と思った矢先の単独ループで転倒。島田選手の構成の中で最も簡単なジャンプ要素だったのですが、ここで転倒したことで、最後のジャンプ次第でひょっとしたら足りなくなる、という可能性も出てきたところでルッツはクリーンに成功。残りのスピン2つもしっかりレベル4を取って逃げ切り優勝となりました。

危ない危ない、という試合。宇野選手の最後の全日本ではないですが、セーフ、とかやりたいところですがまだまだ無垢なジュニア3シーズン目。そんな余裕はありません。ジュニア全勝ですが、ISU公認試合で初の200点割れとなりました。非公認含めるとユースオリンピックに続いて2度目。判定が厳し目になってきているというのは、ジャンプの転倒にはあまり関係ないので、今回は普通に本人比で出来が良くなかったと言えます。4回転トーループ以外で転倒したのは国際大会で初めてのこと。驚きのループ転倒でした。

とはいえ、3連覇は事実。勝ちました。世界ジュニアは代表内定済み。次は全日本です。さすがに今回の出来だと優勝は無いですが、本来の力を発揮すれば十分に優勝のチャンスがありますというか、普通に優勝候補の1人です。

 

和田薫子選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.94 4.24 2.889
2 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
3 3F! ! 5.30   0.15 5.45 0.111
4 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.222
5 3Lo   4.90   0.84 5.74 1.667
6 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.444
7 3S+2Aq+SEQ q 8.36 x -0.18 8.18 -0.444
8 3F!+2T+2Tq !|q 8.69 x -1.36 7.33 -2.556
9 3Lz< 5.19 x -0.54 4.65 -0.889
10 FCSp3   2.80   0.68 3.48 2.444
11 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
  TES   57.84   5.10 62.94  

遠目には非常にいい出来に見えたフリーですが、フリップ2つに!月期、後半ジャンプはq,q,<ということで、少しジャンプに苦労が見られました。

2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。フリップに!が付くのは定常状態です。ただショートではクリーンと判定されていました。全日本ジュニアも3本とも!は付かずクリーン判定。以前と比べて飛び分け改善が進んできているようです。

ジャンプでエッジや回転不足を取られることはありますが、今季ここまで国内戦含め転倒が1つもありません。国際大会、ブロック大会以降では抜け2回転や1回転みたいなジャンプもありません。このあたりが今期の演技全体の印象の良さにつながっているように感じられます。

世界ジュニアの代表争いでは今のところ全項目で選考対象に入っていています。今回の2位表彰台を加えて、ほぼ当確、と言える位置に入ってきたように感じられます。今回の代表3人の中では唯一の安定出来栄え派。以前は名古屋と言えばトリプルアクセルだったのが、最近は東と西が高難度ジャンプ跳んで、名古屋は安定出来栄え優雅可憐みたいなことになってきています。持ち札という点では爆発力はないので、全日本表彰台みたいなことは難しそうですが、大崩れして代表選考が訳の分からないことに、というような展開はせず、普通に代表になってきそうです。

なお、島田麻央選手と同期なので、来期にシニアに上がることは出来ず、ミラノオリンピックチャンスはありません。

 

○中井亜美選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A<+3Tq <|q 10.60   -3.02 7.58 -4.667
2 2A   3.30   -1.13 2.17 -3.556
3 3Lz+1Eu+3Sq q 10.70   -0.59 10.11 -1.000
4 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
5 2A   3.30   0.66 3.96 1.889
6 3Lz   6.49 x 1.43 7.92 2.444
7 3Lo+2T   6.82 x 0.84 7.66 1.667
8 3F   5.83 x 1.44 7.27 2.667
9 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
10 FSSp4   3.00   0.81 3.81 2.556
11 LSp4   2.70   0.73 3.43 2.778
  TES   59.24   3.36 62.60  

トリプルアクセルはアンダーローテーションながら着氷。1本飛ぶならこれで十分だったのですが、セカンドで3回転トーループを付けてこれがq判定。GOEでだいぶ削られることとなりました。2本目もトリプルアクセルに行こうとしてダブルアクセル。これは、最後にシークエンス入れてノーカウントにされるのではないかとひやひやしましたが、ちゃんとダブルトーループにして回避しました。ここをもしダブルアクセル入れていたらノーカウントで表彰台から落ちていた計算です。

2回飛んだジャンプは結果としてルッツだけ。トリプルアクセルを飛ぶはずだったわけですが、飛ぼうとしてダブルになった時の構成の組み換えまでは想定されていなかったようです。最初から1本の時はループを2本飛ぶわけですが、単独ダブルアクセルトリプルループにして、コンビネーションをシークエンスのアクセルに出来ていれば2位でした。まあちょっとそこまで考えるのは頭こんがらがってジャンプが決まらなくなりそうですし、素直に進めてよかったのだろうと思います。

世界ジュニア代表選考争いではシーズンベストと2試合平均は2位、ジュニアグランプリファイナル出場を加えました。選考対象項目では全日本ジュニアだけ4位で入っていません。かなり優位だけどまだ当確ではない、というくらいの位置です。

全日本はショートからトリプルアクセルが飛べます。ショートフリーで3本のトリプルアクセルを決めれば優勝もワンチャンある、みたいな位置ですが、転倒が嵩むと下位に沈んで代表選考争いも混とんとしてしまう可能性もあります。どんな選択をしてくるでしょうか? 今季まだGOEプラスの成功が無いトリプルアクセルをショートフリーで3本決めるというのは、当然低確率と言わざるを得ないですが、それでも、それを決めて勝ってしまう姿をちょっと見てみたい気がします。シンデレラがそれを成し遂げると、オリンピックへ向けて、一般のフィギュアファンが一気に帰ってきそうにも思います。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Mao SHIMADA 199.46 91.42 73.88 1.40 25.49 9.27
2 Kaoruko WADA 191.75 90.72 65.07 4.87 23.11 7.98
3 Ami NAKAI 189.58 90.12 66.27 1.57 22.26 9.36
4 Yihan WANG 187.90 81.92 66.49 7.52 23.83 8.14
5 Yuseong KIM 184.23 85.29 66.38 1.23 23.64 8.69
6 Stefania GLADKI 175.39 81.17 65.67 -0.29 22.24 7.60

PCSは日本勢が90点台、キムユソン選手は85点で後の2人は81点台です。イーハンワン選手は技術点は全体2位でした。

ジャンプの基礎点は島田麻央選手のみ70点超え。転倒しても4回転とトリプルアクセルが入ると基礎点は高いです。ダウングレードでもほかのジャンプで基礎点高いものを使えるという構図があります。後の5人は66点前後でほぼ並びました。島田選手が目立ちすぎていますが、66点は普通に見ると十分高い基礎点です。

加点の方はグラッキ選手以外はプラスになりました。高難度ジャンプを3人が入れていたのですが、それでもプラス側になるのはさすがです。その中で高難度ジャンプが無い2人の加点が大きく、特にイーハンワン選手はジュニアグランプリ2試合に続いてやはり高かったです。ジャンプの合計点では島田選手と1.27差。それほど遜色ないスコアになりました。

スピンはさすがの島田選手が25点台で1位。島田選手にとっては定常運転です。他は22点台から23点台。女子はスピンで極端に落ちる選手は少ないです。

ステップ系要素は中井選手が9.36で1位です。島田選手が2位。9点台はジュニアでは高い評価となります。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Jacob SANCHEZ USA 227.38 79.24 148.14
2 Minkyu SEO KOR 222.14 69.68 152.46
3 Rio NAKATA JPN 215.33 79.39 135.94
4 Sena TAKAHASHI JPN 204.40 61.83 142.57
5 Yanhao LI NZL 201.63 72.17 129.46
6 Lukas VACLAVIK SVK 176.36 72.72 103.64

ジェイコブサンチェス選手が僅差のショート2位からフリーもしっかり滑って逆転優勝を果たしました。アメリカはこれでシニアの男女シングルに続いてジュニアも男子シングルで勝ちました。

2位は昨季の世界ジュニアチャンピオン、ソミンキュ選手。ショートの転倒が痛く出遅れましたがフリーは1位のスコアで2位にまで入ってきています。ジュニア3シーズン目。シニアに上がるにはもう1シーズンあります。世界ジュニアとダブルタイトルを持って上がるチャンスはまだもう1回は少なくともあります。

連覇を狙った中田璃士選手は3位でした。ショート首位ですがその差は僅差。フリーは大きなミスが出たらおそらく勝てない、という難しい状況での勝負でしたがジャンプがまとまらず3位に留まりました。

高橋星名選手は4位。こちらはショートでコンボはいらなかったのが痛く、だいぶ離れた6位発進となってしまっていましたが、フリーで追い上げて4位にまでは入ってきています。

ニュージーランド史上初のジュニアグランプリファイナルとなったヤンハオリー選手は5位。ショートは3位と0.55差、勝負できる位置にいたのですがフリー2転倒で5位に終わっています。

スロバキアのルーカスバツラヴィク選手は6位でした。ショートよかったのですがフリーは決まった3回転が2つだけ、と大崩れしてしまいました。靴のブレードに問題を抱えていたようで、非常にもったいない試合になってしまいました。

 

○ジェイコブサンチェス選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   -2.29 5.71 -2.889
2 3A+2T   9.30   0.69 9.99 0.889
3 3Loq q 4.90   -1.47 3.43 -3.000
4 3F!+3T ! 9.50   0.23 9.73 0.444
5 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
6 3Lz+2A+2A+SEQ   13.75 x 1.69 15.44 2.889
7 3S   4.73 x 0.31 5.04 0.778
8 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 1.889
9 FSSp4   3.00   0.39 3.39 1.222
10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.111
11 FCCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
  TES   69.67   3.88 73.55  

トリプルアクセル2本、ルッツを2本の構成です。4回転はまだ試したことはありません。

1つ目のアクセルでステップアウトした後、2つ目をコンビネーションで決められたのが1つのポイントだったでしょうか。他を圧倒するスコアではありませんでしたが、スピンもオールレベル4をしっかり確保してきっちりできることはやっての最終滑走待ち。結果、優勝となります。

2007年4月生まれ。今シーズン中に18歳になります。その気になればシニアでも滑ることができる年齢です。アメリカ男子はマリニン選手が突出していて、ジェイソンブラウン選手もやるときはやるという形でスコアを出してくるのですが、他のメンバーは250点には届かず、220~240点あたりにたくさんいる、という状態です。来期はおそらくオリンピックを目指してシニアに上がると思うのですが、3枠目のチャンスがあるくらいの位置にはいます。ただ、シニアで戦うには4回転の装備が欲しいです。

 

○中田璃士選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   -1.09 8.41 -0.889
2 1A   1.10   -0.31 0.79 -2.667
3 3A+1Eu+3S   12.80   1.37 14.17 1.667
4 FCSp3   2.80   0.32 3.12 1.222
5 3S+3T   8.50   0.55 9.05 1.333
6 3F+2A+SEQ   9.46 x 0.83 10.29 1.444
7 1Lo   0.55 x -0.01 0.54 -0.222
8 3F   5.83 x -0.68 5.15 -1.333
9 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
10 CSSp4   3.00   0.17 3.17 0.333
11 CCoSp3V   2.25   0.52 2.77 2.000
  TES   58.79   2.96 61.75  

4回転をまず不完全ながらも降りたのですが次のアクセルが1回転半になりました。トリプルアクセルのミス、ならまだよかったのですが1回転半だとほとんど点になりません。それでも残りノーミスならまだ勝負になる可能性もあったのですが、ループも1回転になり万事休す。結果的には優勝するにはほぼノーミスに近い出来が欲しかった、という形になりました。

トリプルアクセルが1回転半になって、ループが決まらない、というのはジュニアグランプリの初戦の時と同じです。今回は、苦手なルッツを回避して勝ちに行くことを選んだのだと思うのですが、結果的には非常に残念な形になりました。

全日本ジュニアで優勝しているので世界ジュニアの代表は内定済み。全日本は懸かっているものが何もない、ただただ挑戦することが可能な試合になります。

 

○高橋星名選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
2 3A+2T   9.30   1.03 10.33 1.333
3 3F   5.30   0.91 6.21 1.778
4 FCSp2   2.30   0.39 2.69 1.556
5 ChSq1   3.00   0.93 3.93 1.667
6 3A   8.00   1.26 9.26 1.667
7 CSSp3   2.60   0.52 3.12 2.111
8 3Lo   5.39 x 0.28 5.67 0.556
9 3F+2A+2A+SEQ   13.09 x -0.61 12.48 -0.889
10 3S   4.73 x 0.55 5.28 1.222
11 CCoSp4   3.50   0.55 4.05 1.556
  TES   67.31   7.33 74.64  

点差の離れた6位からのフリー。ある種気楽になったところもあったでしょうか、ほぼミスなく滑り切りました。フリーの技術点は優勝したサンチェス選手も上回って全体2位です。

2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルフリップ。ルッツはショートで転倒もありましたし、それほど得意とは言えないのでしょうか、ルッツではなくフリップを2回飛ぶことを選択しています。昨季は全日本でショートフリーで3本のルッツがすべてeでしたので、そこからするとエッジは今シーズンほぼ取られていませんので、かなり改善が進んだと言えそうです。

スピンのレベル4は1つ。すべてレベル4に出来れば基礎点は1.30上がって68.61に出来ます。シニアルールでステップ入ればレベル4なら72.51 70点は超える基礎点構成となってきます。

これで世界ジュニア代表選考では全項目2番目、内定済みの中田璃士選手とすべて1番手になります。事実上世界ジュニア代表は当確と言っていいと思います。

まだジュニア2シーズン目。この先2シーズンはジュニアが続きます。その間に4回転を手に入れて、どこかでファイナルを勝つ日も来そうに感じます。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Jacob SANCHEZ 227.38 113.97 81.08 0.55 22.99 8.79
2 Minkyu SEO 222.14 111.22 76.29 4.41 22.81 8.41
3 Rio NAKATA 215.33 113.14 70.28 5.03 18.30 8.58
4 Sena TAKAHASHI 204.40 101.99 75.64 0.35 18.67 7.75
5 Yanhao LI 201.63 104.01 77.11 -3.96 19.91 7.56
6 Lukas VACLAVIK 176.36 95.83 58.13 4.52 13.80 5.08

PCSはサンチェス選手と中田選手が113点台。1項目平均7.5を少し超えるあたりになります。高橋選手は101.99 これは7点を少し下回ります。結果的に技術点は中田選手を上回っていました。このあたりは年の功もあって、もう少し年齢が上がっていけば、高橋選手のPCSも上がっていくと思われます。

ジャンプの基礎点はサンチェス選手のみ80点を超えました。中田選手は今回の6人の中ではただ一人4回転を構成に入れているのですが、フリーでジャンプが2本抜けがあって基礎点伸びていません。

GOEは中田選手が1位でした。ジャンプで点が伸びなかった理由は抜けであって基礎点は削られたのですが出来栄えが悪かったわけではない、という形だったこともあってこうなっています。高橋選手はショートのミスが積み重なって、フリーが良くても加点合計は0近辺となっています。

スピンはサンチェス選手とソミンキュ選手は22点台。中田選手、高橋選手は18点台でもう少し頑張りましょうという水準です。男子は女子と比べてスピンで差が付きやすいです。サンチェス選手と中田選手のスピンの点差4.69は、ダブルアクセルトリプルアクセルの基礎点差4.70とほぼ同じです。

ステップ系要素は9点台はおらず、上位3人は8点台となりました。ショートのステップでレベル4を取れた選手がいませんでした。このあたりは少し残念でした。

 

女子は3連覇、男子は初優勝。ジュニアの大会で3連覇というのは元々存在しなかった概念なのですが、ルール変更後最初の世代でさっそくこれが出ています。女子の4年は長いですね。昨季のファイナル6人は、全員今期もジュニアという異常事態でしたが、今期の6人の中からは、中井亜美選手は来期シニアに上がれます。おそらく上がるでしょう。

男子は優勝したサンチェス選手は18歳なので来期はオリンピックへ挑戦すると思われます。

今回のメンバーは世界ジュニアでまた顔を合わせる可能性はかなり高そうです。男子はまた誰が勝つか、誰が本命かわからない顔触れになりそうです。女子は、韓国勢が追加され、さらにアメリカからも加わってさらに表彰台争いが激戦になる試合で、3連覇を誰か止めることができるのか? という試合が見込まれます。