全日本選手権24前に代表選考展望男子シングル

前回のカップル競技に引き続いて今回は男子シングルの代表選考展望です

これをアップする時点で、連盟から公式に選考対象リストも出てきました

 

○今期の国際大会戦績

J/S Event Pl Name Total SP FS
S NHK Trophy 1 Yuma KAGIYAMA 300.09 105.70 194.39
S Lombardia Trophy 2 Yuma KAGIYAMA 291.54 98.68 192.86
S Lombardia Trophy 3 Shun SATO 285.88 98.39 187.49
S Grand Prix Final 2 Yuma KAGIYAMA 281.78 93.49 188.29
S Skate America 3 Kao MIURA 278.67 99.54 179.13
S Cup of China 1 Shun SATO 278.48 98.75 179.73
S Grand Prix Final 3 Shun SATO 270.82 86.28 184.54
S Finlandia Trophy 1 Yuma KAGIYAMA 263.09 103.97 159.12
S Nebelhorn Trophy 1 Sota YAMAMOTO 262.72 79.00 183.72
S Skate Canada 2 Shun SATO 261.16 96.52 164.64
S Skate Canada 4 Sota YAMAMOTO 257.00 92.16 164.84
S NHK Trophy 3 Tatsuya TSUBOI 251.52 85.02 166.50
S Finlandia Trophy 4 Sota YAMAMOTO 249.91 82.43 167.48
S NHK Trophy 6 Kao MIURA 240.38 102.96 137.42
S Finlandia Trophy 6 Kazuki TOMONO 238.41 90.78 147.63
S Lombardia Trophy 4 Kao MIURA 234.75 76.42 158.33
S Grand Prix de France 2 Koshiro SHIMADA 233.84 80.42 153.42
J JGP Wuxi 1 Rio NAKATA 233.53 81.55 151.98
S Grand Prix de France 5 Kazuki TOMONO 231.48 83.45 148.03
J JGP Riga 1 Sena TAKAHASHI 229.66 81.05 148.61
S Skate America 6 Koshiro SHIMADA 219.68 81.88 137.80
S Asian Open Figure 3 Nozomu YOSHIOKA 218.88 69.42 149.46
J JGP Bankok 2 Rio NAKATA 218.71 76.54 142.17
S Skate America 8 Nozomu YOSHIOKA 215.92 80.79 135.13
J JGP Final 3 Rio NAKATA 215.33 79.39 135.94
J JGP Riga 3 Shunsuke NAKAMURA 212.73 68.39 144.34
J JGP Bankok 4 Haru KAKIUCHI 209.50 69.99 139.51
J JGP Ankara 2 Shunsuke NAKAMURA 205.49 75.59 129.90
S Asian Open Figure 5 Tatsuya TSUBOI 204.98 82.37 122.61
J JGP Final 4 Sena TAKAHASHI 204.40 61.83 142.57
J JGP Ostrava 5 Daiya EBIHARA 202.78 66.92 135.86
J JGP Ostrava 6 Taiga NISHINO 200.23 77.20 123.03
J JGP Gdansk 2 Sena TAKAHASHI 198.42 80.25 118.17
J JGP Ljubljana 8 Haru KAKIUCHI 194.38 68.07 126.31

 

1.世界フィギュアスケート選手権大会

全日本選手権大会優勝者を選考する。

②以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して1名選考する。

A) 全日本選手権大会 2 位、3 位の選手

   未定

B) ISU グランプリファイナル出場者上位 2 名

  鍵山優真 佐藤駿

C) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位 3 名

鍵山優真 300.09 佐藤駿 285.88 三浦佳生 278.67 /  山本草太 262.72 壷井達也 251.52

 

③以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、上記①②で選考された選手を含め、 3 名に達するまで選考する。

A) ②の A)B)C)に該当し、②の選考から漏れた選手

  未定

B) 全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位 3 名

鍵山優真3位 佐藤駿4位 三浦佳生5位 / 山本草太10位 友野一希18位

C) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位 3 名

鍵山優真3位 佐藤駿4位 山本草太9位 / 三浦佳生16位 島田高志郎22位

D) 全日本選手権大会までに派遣した国際競技会、および強化部が指定した国内競技会*1における 総合得点の最も高い 2 試合*2の平均得点の上位 3 名

鍵山優真 295.815 佐藤駿 282.18 山本草太 259.86 / 三浦佳生 259.525 友野一希 234.945

 

公式にも選考対象リストが出てきました。

男子は現時点で選考基準に名前が入っているのは、鍵山優真、佐藤駿、三浦佳生、山本草太の4選手です。その中で山本草太選手は➂の項目で2つはいっていて、②の項目には入っていませんが、鍵山選手、佐藤選手、三浦選手の誰かが優勝すれば入ってくるという形ですので、高確率で入ってくるでしょう。2人が決まった時点で名前が入ってくる可能性があるのは友野選手と島田選手。友野選手は➂から2項目、島田選手は➂から1項目でチャンスがあります。壺井選手はシーズンベストが5位なので、上2人が決まった時に3枠目の選考で基準に乗りそうなのですが、2枠目が決まった時点で3枠目は2枠目の選考で名前がある人、ということになっていて、決まった後の繰上りはないようで、入ってこないようです。

ということで、壷井選手含めてこれ以外の選手は表彰台に乗らない限り選考基準を何も満たしてきませんので対象外ということになります。

現状、すべての項目で1番目に名前があるのが鍵山優真選手です。ほぼ当確かと思います。佐藤駿選手はすべての項目で2番目に名前があります。こちらも当確に近いですが、万が一全日本で大崩れして6位以下くらいまで落ちて、三浦選手、山本選手が表彰台に乗った場合には代表落ちするかもしれません。

三浦選手と山本選手は現状でどちらが有利かなんとも言えません。若干三浦選手の方が有利なのかもしれませんが、全日本でわずかな点差であっても上の順位になった方が勝ち、というくらいの差だと思われます。基本的には表彰台に乗れば代表になれるのではないかと思われますが、自分が3位で4位に佐藤駿選手がいたりすると、代表になれないかもしれません。

友野選手、島田選手は代表になるには表彰台が必須と思われます。ただ、3位だと昨季の山本選手のように、今期の実績で4位に三浦選手や山本選手、あるいは佐藤選手だとひっくり返されそうです。女子の例ですが、昨季の千葉選手のようにそのシーズン国際大会でまるで結果が出ていなくても2位なら代表になるチャンスもありそうです。ただ、2シーズン前の島田高志郎選手のように2位になっても代表になれない、という展開も3位以下の順位の並びによってはあります。2位友野一希、3位山本草太、4位佐藤駿、みたいなならびになったら、代表選考は極めて難しい判断を迫られることになりそうです。

ここまでで名前が出てきていない選手は、2位でもおそらく世界選手権の代表にはなれないのではないかと思われます。優勝しかチャンスはなさそうです。

 

2.四大陸フィギュアスケート選手権大会

全日本選手権大会終了時に、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して選考する。

A) 全日本選手権大会 10 位以内

 未定

B) 全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位 6 名

鍵山優真3位 佐藤駿4位 三浦佳生5位 山本草太10位 友野一希18位 吉岡希25位 / 島田高志郎27位 (中田璃士32位) 壷井達也41位

C) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位 6 名

鍵山優真3位 佐藤駿4位 山本草太9位 三浦佳生16位 島田高志郎22位 (中田璃士29位) (高橋星名31位) 友野一希32位 / 壷井達也33位 中村俊介46位

D) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位 6 名

鍵山優真 300.09 佐藤駿 285.88 三浦佳生 278.67 山本草太 262.72 壷井達也 251.52 友野一希 238.41 / 島田高志郎 233.84 (中田璃士 233.53) (高橋星名 229.66) 吉岡希218.88

E) 全日本選手権大会までに派遣した国際競技会、および強化部が指定した国内競技会*1における 総合得点の最も高い 2 試合*2の平均得点の上位 6 名

鍵山優真 295.815 佐藤駿 282.18 山本草太 259.86 三浦佳生 259.525 友野一希 234.945 (中田璃士 231.25) 壷井達也228.25 / 島田高志郎 226.76 (高橋星名 221.325) 吉岡希217.40

 

4大陸選手権の代表が、今回はまったくわかりません。ポイントはいくつかあります。

1つは毎年同じですが、世界選手権の代表と何人重複させるのか。次に時期の近いアジア大会と両方の代表に選出することはあるのか? アジア大会は鍵山選手と佐藤選手が代表です。さらに、4大陸選手権と同じ時期にあるミラノのプレ大会の方に出たい、という選択をする選手がいるか? また、今期は世界ジュニアが近いので4大陸と世界ジュニアの代表兼任はさせない、ということを連盟が明示しています。

世界ジュニアと4大陸、両方の代表になる可能性がある選手は三浦佳生選手と中村俊介選手でしたが、まあ、ここはあまり影響は出ないのではないかと思われます。三浦選手は世界ジュニアの方には公式では名前はありませんでした。

鍵山選手と佐藤選手はアジア大会に加えワールドユニバーシティゲームズでも代表です。その上で世界選手権にも代表に選ばれた場合、4大陸までも希望するかどうか。本人は希望したとしても連盟としてそこまで重複させて派遣するかどうか。

今シーズンはそんないろいろと複雑な状況でもあるので、中堅選手にもチャンスがありそうです。世界選手権代表候補として有力な上位4人のその下、友野一希選手、壷井達也選手、島田高志郎選手あたりも、これら3人の中での順位で上に出られれば4大陸のチャンスは回ってきそうに見えます。今期の実績ではもう少し下になる吉岡希選手も代表選考基準に名前が入っていますので、全日本で結果を残せば、4大陸のチャンスはありそうです。中村俊介選手は名前がありませんが、上位にまでいけばチャンスはあるかもしれないと思いましたが、シニアのミニマムは意外でしたがもっていません。ミニマム派遣+4大陸、くらいの結果が全日本で出せるなら世界ジュニアの方で代表になりそうなのでその線は可能性低いでしょうか。

問題は、上位がどれだけ4大陸を希望するか、なのですがこれは結果を見るまで分かりません。

なお、上記で名前のある選手以外では、片伊勢武アミン選手もミニマムを持っています。また、今期の4大陸は時期が遅いので、全日本終了後にミニマム取得のために遠征することも可能です。従って、上記に名前のある選手以外でも、表彰台レベルの活躍をすれば、ミニマム取得派遣から4大陸へ、という道もありそうです。

 

3.世界ジュニアフィギュアスケート選手権大会

①全日本ジュニア選手権大会優勝者を選考する。

 中田璃士

②ジュニア対象年齢で派遣希望のある選手の中で、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、 上記①で選考された選手を含め 3 名に達するまで選考する。

A) 全日本ジュニア選手権大会 2 位、3 位の選手

 高橋星名 西野太翔

B) ISU ジュニアグランプリファイナル出場者

 (中田璃士) 高橋星名

C) 全日本選手権大会参加者のうち上位 3 名

 未定

D) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位 3 名

 (三浦佳生 278.67) (中田璃士 233.53) 高橋星名229.66 中村俊介 212.73 垣内珀琉 209.50 / 蛯原大弥 202.78 西野太翔 202.03

E) 全日本選手権大会までに派遣した国際競技会、および強化部が指定した国内競技会*1 におけるジュ ニアカテゴリーの総合得点の最も高い 2 試合*3の平均得点の上位 3 名

 (三浦佳生 259.525) (中田璃士 231.25) 高橋星名 221.325 西野太翔 213.165 中村俊介 209.11 / 植村駿 204.77 垣内珀琉 201.94

 

世界ジュニアは今期も男子は3枠あります。1枠目は全日本ジュニア優勝の中田璃士選手で確定です。残りは2枠。

一応、三浦佳生選手が世界ジュニアを希望した場合、圧倒的に力の差があるので選ばないわけにはいかないのですが、一度世界ジュニアを優勝した選手が、シニアに上がってから出戻りで世界ジュニアに出た例は過去ありません。4大陸と世界ジュニアの代表兼任は無し、と今期はなっているので、仮に世界選手権に出られなくても世界ジュニアではなく4大陸の方に回るのではないかと思われます。公式の選考対象リストにも名前はありませんでした。

そうすると、中田璃士選手以外では全項目で一番上に名前のある高橋星名選手はほぼ当確と言えると思います。ショート落ちとかされると選考会議でもめるからちゃんとある程度の結果を出してね、とみんな思っていることでしょう。

実質残り1枠。全日本ジュニア3位で2試合平均も高いのが西野太翔選手。シーズンベストが高いのが中村俊介選手です。この2人に次ぐのが垣内珀琉選手です。次点の位置に植村駿選手と蛯原大弥選手あたりまで名前はあるのですが、現状は選考対象になっていません。

やや有利なのが西野選手に見えますが、高いスコアは国内で出したものです。一方中村選手は国内戦はシニアなので2試合平均にカウントできないのですが、国際大会でのスコアは西野選手より上でした。4回転トーループをまずまず決める力のある中村俊介選手と、4回転サルコウがなかなか決まってこない西野太翔選手。中村選手がショートから4回転を決めてくると有利に感じますが、これが決まらないと西野選手が上へ行くでしょうか。2人の勝った方が代表、となりそうに見えます。垣内選手はこの2人に大きな差をつけて勝つ、ジュニア勢の中で1位か中田選手に次いで2番目のスコアを出すことが求められそうです。植村選手は蛯原選手が大逆転代表になるには、さらに大きな差を付けないといけなさそうです。