全日本選手権24 女子レビュー2

全日本選手権のレビュー、最後は女子シングルの数値編です。男子と同様に振り返っていきます。

 

○総合上位6選手のショートプログラム構成

  坂本花織 島田麻央 樋口新葉 千葉百音 松生理乃 山下真瑚
1 2A 3Aq 2A 3Lz+3T 2A 2A
2 3Lz 3F 3Lz+3Tq 2A 3F+3T 3Lzq+3Tq
3 FCSp4 FCSp4 FCSp4 FCSp4 CCoSp4 SSp4
4 CCoSp4 3Lz+3T 3F! 3F 3Lz< CCoSp4
5 3F+3T StSq4 CCoSp4 CCoSp4 StSq4 3Lo
6 StSq4 LSp4 StSq4 StSq4 FCSp4 StSq2
7 LSp3 CCoSp4 SSp4 LSp4 LSp4 FCSp4
Base 32.65 37.71 32.33 32.53 31.29 30.59
GOE 9.01 6.79 5.00 8.81 6.62 3.00
PCS 37.26 31.08 33.72 33.38 32.88 31.54
Total 78.92 75.58 71.05 74.72 70.79 65.13

ショートからトリプルアクセルを投入してきたのは島田選手。基礎点削られる要素が1つも無く37.71という高い構成になりました。千葉選手、樋口選手も基礎点削られる要素はありませんでしたがコンビネーションの位置とスピンの構成差でトータル基礎点もわずかに差が出ています。坂本選手はスピンレベル3が1つありますが、コンビネーション1.1倍により基礎点は千葉選手を上回りました。松生選手はルッツのアンダーローテーションが響き、山下選手はステップレベル2なのと、フリップ無しでループを飛んでいることで基礎点がやや低くなっています。

加点が伸びたのはやはり坂本選手ですが千葉選手も遜色ありません。松生選手はアンダーローテーションが1つあるにもかかわらず加点を6点台稼ぎました。

PCSは坂本選手が9点平均超え。樋口選手、千葉選手、松生選手とグランプリ組は8点平均を超えています。山下選手はジュニアの島田選手を上回るPCSをもらいました。

 

○総合上位6選手のフリーの構成

  坂本花織 島田麻央 樋口新葉 千葉百音 松生理乃 山下真瑚
1 2A 3A< 2A 3F+3T 3Lo 3Lz+3Tq
2 3Lz 4T<< 3Lz+3Tq 3S< 3Lz+3T<+2T 3F!
3 2A+1Eu+3S 3Lz+3T 3Lo 3Lo 3F 3Lo
4 CCoSp4 3S+3T CCoSp4 2A ChSq1 2A
5 3F FCCoSp4 2S ChSq1 2A CCoSp4
6 StSq3 ChSq1 ChSq1 FCCoSp4 FCCoSp4 SSp4
7 FSSp4 3F+2A+2A 3Lz+2A+2T 3Lz!+2Aq 3Lz<+2T 2A+3T+2T
8 3F+2T 3Lo 3Lo+2T 3Lz<+2T+2Lo 3F+2A 3Lz+2T
9 ChSq1 3Lz 3F!q 3F< 2S 3S
10 3Lz!+2T StSq3 FCSp4 StSq4 StSq4 ChSq1
11 3Lo LSp4 StSq4 LSp4 CCoSp3 FCSp4
12 FCCoSp4 CCoSp4 SSp4 CCoSp4 LSp3 StSq4
Base 59.47 70.17 59.90 61.01 57.37 62.03
GOE 14.41 11.02 7.84 5.58 8.99 8.75
PCS 75.88 63.23 67.61 65.38 66.85 64.34
Total 149.76 143.42 135.35 130.97 133.21 135.12

島田選手は4回転がダウングレード、トリプルアクセルはアンダーローテーション、さらにステップはレベル3になりましたが、それでも基礎点70点を上回りました。2回跳ぶジャンプがルッツとフリップなのが坂本選手と千葉選手に松生選手。ルッツとループが樋口選手、ルッツとトーループなのが島田選手に山下選手です。島田選手は4回転とトリプルアクセルが1本ずつなこともあって、ルッツとフリップを2回飛ぼうとするより、セカンド3回転2本にして、3連続でダブルアクセルを2つ付ける、というのが1番基礎点を高くできる組み合わせになっています。セカンドループまで考えると少し話は変わりますが。

基礎点削られるミスが無かったのは山下真瑚選手。ショートも12位ながら上位と僅差でしたので、このフリーノーミスで大きく順位を上げました。

この上位6選手では松生選手以外の5選手はスピンオールレベル4です。樋口選手、千葉選手、山下選手はスピンステップオールレベル4 樋口選手と千葉選手はショートフリー通じてスピンステップオールレベル4でした。

この上位6選手は全員GOEはプラスとなりました。千葉選手はアンダーローテーション3つついて厳しい試合になりましたが、それでも5.58というはっきりとした加点をもらえています。

PCSは坂本選手が圧倒的。樋口選手は8.5平均に近いところまでもらいました。松生選手、千葉選手、山下選手も8点平均超え。島田選手は8点に少し欠けることになりました。

 

○総合7~12位の選手のフリーの構成

  渡辺倫果 住吉りをん 三宅咲綺 和田薫 吉田陽菜 青木祐奈
1 3A 2A 3T+3T 2A 3Aq 2Lz
2 3Lo+3T 3Lz+2T 3F 3Lz+3Tq 3F! 3T
3 3F CCoSp4 2A+1Eu+3Sq 3F! 2A+3T 3S
4 3Lz+2A 3Lo FSSp4 CCoSp4 2Lo 2A
5 FCSp4 3S< LSp4 3Lo ChSq1 CCoSp4
6 3Lz< ChSq1 2A ChSq1 FCCoSp4 2A+1Eu+3F
7 2A+1Eu+3Sq 3Lzq+3T< ChSq1 3S+2A 3Lzq+3Tq 3Lz<
8 3Lo 3F+2A+2T 3Lz! 3F!+2T+2T 3Lzq 3F<+3Lo<
9 ChSq1 FCCoSp4 3Lo 3Lzq 3S+2A+2T FCSp4
10 StSq3 3F< 3S+2T FCSp4 CCoSp4 ChSq1
11 FSSp3 StSq4 StSq2 StSq3 StSq2 StSq4
12 CCoSp3V LSp4 CCoSp4 LSp4 SSp4 LSp4
Base 65.44 61.18 57.94 62.84 64.99 54.38
GOE 4.78 3.76 7.42 7.16 -0.49 4.73
PCS 62.37 64.01 62.65 58.93 62.35 65.89
Total 132.59 127.95 128.01 128.93 126.85 124.00

この領域にもトリプルアクセルが2人います。渡辺選手はクリーンに決め、吉田選手はqが付きましたが基礎点は満額です。渡辺選手はルッツのアンダーローテーションの他、終盤のスピンステップのレベルで基礎点削られたものの65.44という高い基礎点になっています。吉田選手はループが抜けて2回転になったこととステップレベル2があっても64.99でやはり高難度ジャンプ無し組より高い基礎点になります。住吉選手は今回4回転トーループを回避しましたが、アンダーローテーション3つついて61.18という基礎点になりました。和田薫子選手はステップレベル3以外は基礎点削られることなく62.84と高難度ジャンプ無しとしては高い側の基礎点になりました。三宅選手はステップレベル2があって57.94 青木選手はルッツの2ミスに最後の根性コンビネーションが2つアンダーローテーション取られて基礎点54.38と少し苦しい展開になりました。

2回跳ぶジャンプはルッツとフリップが住吉選手、和田選手、青木選手、ルッツとループが渡辺選手、ルッツとトーループが吉田選手で、三宅選手はサルコウトーループになります。三宅選手は基礎点削られたのはステップレベル2だけでしたが、ジャンプの構成がやや弱く、ノーミス基礎点が低いという現実がありました。

ここの6人では渡辺選手以外の5選手はスピンオールレベル4、住吉選手と青木選手はスピンステップオールレベル4です。住吉選手はショートフリー通じてスピンステップオールレベル4でした。

上位12選手中フリーのGOEマイナスは吉田選手のみです。ジャンプでq4つに!2つ付いていて、加点が稼げませんでした。三宅選手、和田選手は加点を大きく得ました。

PCSは青木選手と住吉選手は8点平均超え。国際経験の無い三宅選手がグランプリ組の渡辺選手と吉田選手を上回るPCSをもらっています。ジュニア組の和田選手は7点台前半平均と抑えられました。

 

○世界ジュニア代表を争った6人のフリーの構成

  和田薫 中井亜美 村上遥奈 櫛田育良 岡万佑子 岡田芽依
1 2A 3A+2T 3Lz 3Lz!+3T 3Lz+3T 3F!+3T
2 3Lz+3Tq 3Aq 3S+3T 3S 3A< 3Loq
3 3F! 3Lz 3F FCCoSp4 3F FCCoSp4
4 CCoSp4 FSSp2 2A 3Lo 3Lo 3S
5 3Lo ChSq1 CCoSp4 2A CCoSp4 2A
6 ChSq1 2A StSq3 CCoSp4 ChSq1 3F!+2T
7 3S+2A 3Lz+1Eu+3S 3S+3T StSq4 3F+2A+2A 3Lz
8 3F!+2T+2T 3Lo ChSq1 3F+2A 3Lz StSq2
9 3Lzq 3F!+3T 3Lo 3Lz!< 3S+2T LSp4
10 FCSp4 StSq3 2A+2T+2Lo 3F+2T+2Lo StSq2 ChSq1
11 StSq3 CCoSp4 FCCoSp4 ChSq1 FCCoSp4 3Lz+2A
12 LSp4 LSp3 FSSp4 LSp3 LSp4 CCoSp4
Base 62.84 68.61 60.97 62.68 67.74 61.17
GOE 7.16 2.80 8.57 2.11 2.97 4.76
PCS 58.93 56.89 53.41 57.89 51.40 52.55
Total 128.93 127.30 122.95 122.68 121.11 118.48

世界ジュニアを争った6人ということで、すでに代表内定済みの島田選手は外しています。

トリプルアクセルを2本入れた中井亜美選手は68.61という高い基礎点となりました、トリプルアクセルを1本入れてアンダーローテーションの岡選手が67.74とそれに続きます。中井選手と岡選手でそれほど差が無いのは、シークエンスでダブルアクセル2本を岡選手がうまく使ったことにもよります。和田選手と櫛田選手はルッツとフリップ2本で62点台の基礎点です。岡田選手はルッツフリップ2本ですが、2連続が3つで3連続が無いことで和田選手や櫛田選手より基礎点が下がりました。村上選手はサルコウトーループ2本なのでノーミス基礎点が他の選手よりやや下がります。

和田選手、櫛田選手、岡選手、岡田選手はスピンオールレベル4でした。

加点は村上選手が1番稼ぎました。和田選手も7点台とかなり稼いでいます。中井選手と岡選手は基礎点でリードしていてGOEはそれほどは稼げなかった形です。結果的に基礎点劣る村上選手が技術点ではそれほど差が付かなかった形になりました。

PCSは和田選手と櫛田選手に中井選手までが7点台平均を出しました。村上選手、岡田選手、岡選手は50点台前半にとどまっています。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア(フリー滑走23人)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 坂本 花織 228.68 113.14 62.82 12.81 24.54 15.37
2 島田 麻央 219.00 94.31 78.58 7.09 26.31 13.71
3 樋口 新葉 206.40 101.33 63.03 4.69 22.06 15.29
4 千葉 百音 205.69 98.76 63.64 3.67 25.88 14.74
5 松生 理乃 204.00 99.73 59.56 5.45 24.25 15.01
6 山下 真瑚 200.25 95.88 64.72 4.56 21.54 13.55
7 渡辺 倫果 198.55 93.47 70.30 1.91 20.43 12.44
8 住吉 りをん 197.53 95.46 63.81 0.15 24.24 14.87
9 三宅 咲綺 196.55 94.20 60.23 7.58 22.97 11.57
10 和田 薫子 195.63 87.77 66.37 4.82 24.43 12.24
11 吉田 陽菜 195.27 93.89 68.68 -2.38 22.55 12.53
12 青木 祐奈 194.07 98.76 58.01 0.90 21.90 15.50
13 河辺 愛菜 190.23 92.18 63.30 -0.73 22.84 13.64
14 櫛田 育良 187.14 86.63 65.61 -0.38 21.37 13.91
15 中井 亜美 182.50 84.01 67.51 -1.73 21.23 12.48
16 岡 万佑子 181.82 76.38 71.67 0.95 23.09 10.73
17 村上 遥奈 180.21 78.69 62.04 5.24 22.55 11.69
18 岡田 芽依 179.76 78.78 65.16 1.47 23.53 10.82
19 白岩 優奈 178.72 84.38 63.81 -0.05 21.41 11.17
20 江川 マリア 173.93 85.45 55.24 2.98 18.47 11.79
21 大庭 雅 163.19 82.06 49.33 -0.03 20.35 11.48
22 平金 桐 149.42 74.55 44.38 -2.15 22.87 9.77
23 永見 千代乃 149.22 72.36 46.41 0.22 19.49 10.74

PCSは坂本選手が圧倒。もう一人樋口選手も100点超えています。坂本選手と島田選手はPCSで18.83と大きな差が付きました。技術点は島田選手の方が上回っています。

ジャンプの基礎点は島田選手、岡選手とジュニア勢が上に2人並んで、その次に渡辺倫果選手が来ます。その他氏の吉田陽菜選手、5番目の中井亜美選手までトリプルアクセルが入っていました。トリプルアクセル無し組では和田薫子選手の66.37が最高です。

ジャンプのGOEは23選手中16選手がプラスです。ここにこのようにプラスが並ぶと試合全体の印象が良くなります。二桁稼いだのが坂本選手。2番目は三宅咲綺選手でした。島田選手が3番目。ジャンプで得た得点で並べると当然島田選手が1位で、2位に坂本花織選手がいて、次に岡万佑子選手が来ます。4番目に渡辺倫果選手で、5番目の和田薫子選手までが70点を超えています。

スピンは島田選手がただ1人の26点台。千葉選手も25点台で続きます。24点台で坂本選手、和田選手、松生選手に住吉選手といます。

ステップ系要素は青木祐奈選手が15.50で最高評価でした。坂本選手、樋口選手、松生選手が15点台で続きます。上位の中でスピンステップで伸びなかったのが渡辺倫果選手。山下選手、松生選手、千葉選手まで、スピンステップで同じ点数取れていたら勝てていたわけで、4位になっていたら4大陸はあったであろうことを考えると、チャンピオンシップにつながらなかった敗因はスピンステップ、ということになるでしょうか。

 

○4回転トーループ

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 島田麻央 2 4T<< F<< 4.20   -2.10 2.10 -5.000

今季4回転トーループに挑んだのは島田麻央選手ただ1人でした。残念ながらダウングレードの転倒となっています。

 

トリプルアクセル

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 渡辺倫果 1 3A   8.00   2.06 10.06 2.556
FS 中井亜美 1 3A+2T   9.30   0.57 9.87 0.778
FS 島田麻央 1 3A< < 6.40   -0.37 6.03 -0.556
SP 島田麻央 1 3Aq q 8.00   -0.80 7.20 -1.000
FS 中井亜美 2 3Aq q 8.00   -1.14 6.86 -1.333
FS 吉田陽菜 1 3Aq q 8.00   -4.00 4.00 -4.889
FS 岡万佑子 2 3A< F< 6.40   -3.20 3.20 -5.000

トリプルアクセルは5選手が構成に入れてきました。GOEプラスで成功したのは渡辺倫果選手と中井亜美選手の2人です。島田選手のフリーはアンダーローテーションながら平均GOE-0.556でわずかなマイナスというあまり見ない形でした。島田選手のショートと中井選手の2本目はどちらもqついていますがしっかり降りていました。

吉田選手はqが付いてのステップアウトということで得点はあまり入らず。岡選手はアンダーローテーションの転倒となっていて残念な形でした。

 

○セカンド3Lo

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
SP 青木祐奈 1 3Lzq+3Lo q 10.80   -0.25 10.55 -0.556
FS 青木祐奈 8 3F<+3Lo< <|< 8.98 x -1.70 7.28 -4.000

セカンドループは青木祐奈選手のジャンプ。ショートは成功に見えましたがルッツでqを取られました。フリーは冒頭はいらなかったのでなしかと思いましたが、最後のジャンプに気合で入れ込んでいます。ただ、アンダーローテーション2つという判定になりました。

昨季は大庭雅選手がループループを入れていましたが今期は入れず。また、白岩優奈選手がジュニアの頃3S+3Loというのをよく飛んでいましたが最近は見かけません。青木選手がもし去ってしまったら、国内外でセカンドループを飛ぶトップ選手がいなくなってしまうかもしれません。

 

○セカンド3回転で平均GOE+2.000以上

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
SP 三宅咲綺 1 3T+3T   8.40   1.56 9.96 3.667
SP 坂本花織 5 3F+3T   10.45 x 1.82 12.27 3.444
FS 三宅咲綺 1 3T+3T   8.40   1.26 9.66 3.000
SP 千葉百音 1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.778
FS 島田麻央 3 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.778
FS 島田麻央 4 3S+3T   8.50   1.23 9.73 2.778
SP 島田麻央 4 3Lz+3T   11.11 x 1.60 12.71 2.667
FS 千葉百音 1 3F+3T   9.50   1.44 10.94 2.667
FS 河辺愛菜 1 2A+3T+2T   8.80   1.14 9.94 2.667
FS 吉田陽菜 3 2A+3T   7.50   1.14 8.64 2.667
SP 大庭雅 1 3S+3T   8.50   1.04 9.54 2.444
SP 江川マリア 2 3T+3T   8.40   1.02 9.42 2.444
FS 山下真瑚 7 2A+3T+2T   9.68 x 1.02 10.70 2.333
FS 村上遥奈 7 3S+3T   9.35 x 0.98 10.33 2.222
SP 和田薫 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.111
SP 村上遥奈 4 3S+3T   9.35 x 0.86 10.21 2.111
SP 白岩優奈 1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
SP 松生理乃 2 3F+3T   9.50   1.06 10.56 2.000
FS 渡辺倫果 2 3Lo+3T   9.10   0.98 10.08 2.000

セカンドジャンプに3回転を入れるのは、もう女子でも標準装備されているジャンプです。

今大会の最高評価は三宅咲綺選手ショート冒頭のトーループトーループでした。平均GOE+3.667 フリーでも平均GOE+3.000を得ており、三宅選手の代名詞化しました。

島田選手はショートフリーで3本の3-3を飛びますが、すべて+2台後半と高い評価を受けています。千葉選手はショートでルッツからフリーでフリップからどちらも高評価を受けました。

 

○3連続ジャンプで平均GOE+1.000以上

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本花織 3 2A+1Eu+3S   8.10   1.60 9.70 3.667
FS 島田麻央 7 3F+2A+2A+SEQ   13.09 x 1.51 14.60 2.778
FS 河辺愛菜 1 2A+3T+2T   8.80   1.14 9.94 2.667
FS 樋口新葉 7 3Lz+2A+2T+SEQ   11.55 x 1.35 12.90 2.333
FS 山下真瑚 7 2A+3T+2T   9.68 x 1.02 10.70 2.333
FS 青木祐奈 6 2A+1Eu+3F   10.01 x 1.14 11.15 2.222
FS 住吉りをん 8 3F+2A+2T+SEQ   10.89 x 0.91 11.80 1.778
FS 江川マリア 7 2A+3T+2T   9.68 x 0.72 10.40 1.778
FS 中井亜美 7 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 0.93 12.70 1.444
FS 大庭雅 6 3S+2T+2Lo   7.30   0.61 7.91 1.333
FS 吉田陽菜 9 3S+2A+2T+SEQ   9.79 x 0.49 10.28 1.111

3連続ジャンプは23選手中22選手が入っていました。プラス評価が15選手。割と入らないことも多い要素なのですが、今大会ではほとんどの選手がしっかり入れることが出来ていました。

最高評価は坂本選手。ダブルアクセルから前半に入れているので比較的難易度の低い要素になっています。島田選手は今大会の3連続の中で岡選手と並んで最高基礎点になる組み合わせで1.1倍というものですがそれでも高い評価を得ました。

青木選手は3つ目にフリップという宇野選手など数少ない選手が入れる飛び方ですが今回これを+2を超える高い評価となりました。

 

○ステップレベル4

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
SP 坂本花織 6 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
SP 青木祐奈 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
FS 樋口新葉 11 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.889
FS 青木祐奈 11 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
SP 樋口新葉 6 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.778
SP 松生理乃 5 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
FS 住吉りをん 11 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556
FS 松生理乃 10 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.444
SP 千葉百音 6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.444
FS 山下真瑚 12 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.333
SP 住吉りをん 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
FS 千葉百音 10 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
SP 吉田陽菜 5 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
FS 河辺愛菜 5 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
SP 島田麻央 5 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556
FS 櫛田育良 7 StSq4   3.90   0.84 4.74 2.222
SP 櫛田育良 6 StSq4   3.90   0.84 4.74 2.111
SP 中井亜美 7 StSq4   3.90   0.67 4.57 1.778

ステップレベル4は12選手が獲得。青木祐奈、樋口新葉、松生理乃、住吉りをん、千葉百音、櫛田育良の6選手がショートフリー共にレベル4です。櫛田選手はジュニアでただ一人のショートフリーレベル4でした。

最高評価は坂本選手のショートのステップで平均GOE+4.111あります。青木祐奈選手はショートで+4.000、フリーで+3.889とショートフリー共に高評価ですし、樋口新葉選手もほぼそれに近い評価を受けています。多くの選手がレベルが3になることはありますが、ショートフリーのステップでもらうGOEは似たような水準になっています。

 

○平均GEO+2.000以上のコレオ

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本花織 9 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.222
FS 山下真瑚 10 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.778
FS 青木祐奈 10 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
FS 住吉りをん 6 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
FS 島田麻央 6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
FS 松生理乃 4 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
FS 千葉百音 5 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
FS 樋口新葉 6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
FS 河辺愛菜 12 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
FS 櫛田育良 11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.667
FS 大庭雅 10 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.667
FS 吉田陽菜 5 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.556
FS 白岩優奈 9 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.444
FS 渡辺倫果 9 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.333
FS 和田薫 6 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.333
FS 村上遥奈 8 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.333
FS 岡万佑子 6 ChSq1   3.00   1.07 4.07 2.111

コレオも坂本花織選手が最高評価です。それに次ぐのが山下真瑚選手。青木祐奈選手はコレオも高評価を得ていました。ジュニア組では島田選手を別にすると櫛田選手の評価が高いです。ステップもレベル4を揃えていましたし、ステップ系要素で点を取れる選手です。

ベテランの大庭雅選手、あるいは白岩優奈選手選手といったあたりがこのあたりに名前が入ってくるのはさすがだなあと思わされます。

 

○平均GOE+3.500以上の要素

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本花織 1 2A   3.30   1.60 4.90 4.778
FS 島田麻央 11 LSp4   2.70   1.31 4.01 4.778
SP 坂本花織 1 2A   3.30   1.56 4.86 4.667
FS 島田麻央 12 CCoSp4   3.50   1.65 5.15 4.556
SP 島田麻央 6 LSp4   2.70   1.23 3.93 4.556
SP 千葉百音 7 LSp4   2.70   1.23 3.93 4.556
FS 坂本花織 9 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.222
SP 島田麻央 7 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
FS 千葉百音 12 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
FS 坂本花織 6 StSq3   3.30   1.41 4.71 4.222
FS 千葉百音 11 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.222
SP 坂本花織 6 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
SP 青木祐奈 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
SP 松生理乃 6 FCSp4   3.20   1.28 4.48 4.000
FS 樋口新葉 11 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.889
FS 青木祐奈 11 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
FS 和田薫 12 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
SP 樋口新葉 6 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.778
FS 山下真瑚 10 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.778
FS 江川マリア 12 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.778
SP 三宅咲綺 1 3T+3T   8.40   1.56 9.96 3.667
FS 坂本花織 3 2A+1Eu+3S   8.10   1.60 9.70 3.667
SP 松生理乃 1 2A   3.30   1.23 4.53 3.667
SP 松生理乃 7 LSp4   2.70   0.96 3.66 3.667
FS 松生理乃 12 LSp3   2.40   0.86 3.26 3.667
FS 坂本花織 2 3Lz   5.90   2.11 8.01 3.556
SP 松生理乃 5 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
FS 住吉りをん 11 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556
SP 千葉百音 5 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.556
SP 樋口新葉 1 2A   3.30   1.18 4.48 3.556
SP 和田薫 5 LSp4   2.70   0.93 3.63 3.556

これまでに上げてきたものと重複も多いですが、評価の高い要素を並べています。

坂本選手と島田選手が上の方に並び、次いで千葉選手が埋めていきます。平均GOE+4を超える評価はこの3選手だけが受けました。+4のところで青木選手と松生選手が入ってきます。松生選手は+3台後半の要素が多数ありました。

上位の選手の中では渡辺倫果選手、吉田陽菜選手あたりの名前が入ってきていません。このあたりに入って来る高評価を得られるように1つ1つの質を上げていくことが、世界選手権代表への復帰、オリンピック代表への道だったりするのかもしれません。

 

女子は今回かなり質の高い試合になった印象です。大崩れする選手がほとんどおらず、フリーに進んだ選手はノーミスではないにしても各選手とも見せ場を作ってある程度の力を発揮できていたように思います。

近年は平均年齢が少し上がったでしょうか。トップ10のうち5人、ショート通過24人中では11人が大学4年生以上です。つまり来期は大学を卒業した年齢になる。大学3年生も2人いて、その2人も含めると13人はオリンピックが終わったシーズンに大学を卒業していることになります。今回の全日本で最後という選手もすでに何人もいますが、来期のオリンピックが終わったら、一気にシニアの選手たちの顔ぶれが入れ替わっていくのかもしれません。出来れば大学を卒業するところで競技にめどというのが標準コース、というのが少しづつ変わっていくといいなあと思っています。それには、トップ選手ではなく中堅くらいの、グランプリ枠を持っていないベテランが競技を続けていける環境が重要で、大庭雅選手のようなケースが増えて行ってほしい。そんなことも思う全日本でした。