まずは数字を追うのではなく、感想の羅列です。男子から。時系列に沿って進めていきます。代表選考委員会が、何の迷いも無く決められる展開になったなあ、という印象でした。
○男子シングル最終結果
| Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
| 1 | 鍵山 優真 | オリエンタルバイオ/中京大学 | 287.95 | 104.27 | 183.68 |
| 2 | 佐藤 駿 | エームサービス/明治大学 | 276.75 | 87.99 | 188.76 |
| 3 | 三浦 佳生 | オリエンタルバイオ/明治大学 | 261.18 | 95.65 | 165.53 |
| 4 | 中田 璃士 | TOKIOインカラミ | 248.65 | 89.91 | 158.74 |
| 5 | 山本 草太 | MIXI | 238.94 | 82.21 | 156.73 |
| 6 | 友野 一希 | 第一住建グループ | 229.74 | 88.05 | 141.69 |
| 7 | 蛯原 大弥 | 駒場学園高校 | 218.99 | 70.23 | 148.76 |
| 8 | 吉岡 希 | 法政大学 | 214.59 | 75.42 | 139.17 |
| 9 | 片伊勢 武アミン | 関西大学 | 213.16 | 78.40 | 134.76 |
| 10 | 大島 光翔 | 富士薬品 | 212.98 | 73.47 | 139.51 |
| 11 | 西野 太翔 | 星槎国際横浜 | 211.11 | 70.18 | 140.93 |
| 12 | 周藤 集 | 明治大学 | 210.11 | 71.59 | 138.52 |
| 13 | 壷井 達也 | シスメックス | 207.43 | 74.52 | 132.91 |
| 14 | 高橋 星名 | 木下アカデミー | 205.44 | 73.82 | 131.62 |
| 14 | 森 遼人 | MFアカデミー | 205.44 | 70.91 | 134.53 |
| 16 | 杉山 匠海 | 岡山大学 | 202.71 | 69.54 | 133.17 |
| 17 | 三宅 星南 | 日本建物管財 | 200.95 | 75.94 | 125.01 |
| 18 | 垣内 珀琉 | ひょうご西宮FSC | 199.56 | 70.68 | 128.88 |
| 19 | 中村 俊介 | 木下アカデミー | 194.10 | 66.96 | 127.14 |
| 20 | 森本 涼雅 | 同志社大学 | 193.18 | 67.40 | 125.78 |
| 21 | 植村 駿 | 就実学園 | 191.87 | 67.98 | 123.89 |
| 22 | 木科 雄登 | 関西大学 | 174.82 | 66.16 | 108.66 |
| 23 | 武田 結仁 | 星槎国際高等学校札幌 | 174.13 | 65.54 | 108.59 |
| 24 | 朝賀 俊太朗 | 関西大学 | 173.62 | 69.48 | 104.14 |
| 25 | 松岡 隼矢 | 福岡フィギュアアカデミー | 59.39 | 59.39 | |
| 26 | 戸田 晴登 | 東洋大学 | 58.62 | 58.62 | |
| 27 | 小河原 泉颯 | 岡山理大附属高校 | 58.49 | 58.49 | |
| 28 | 門脇 慧丞 | 倉敷FSC | 57.45 | 57.45 | |
| 29 | 小島 志凰 | 日本大学 | 57.29 | 57.29 | |
| 30 | 岡崎 隼士 | 蒼明学院中等部 | 51.53 | 51.53 |
ショート終わって鍵山選手が100点超えて余裕のある1位。オリンピック代表争いではそれに次ぐ位置にいた佐藤選手はルッツが3回転になって5位と少し出遅れます。3枠目争いと見られた選手たちでは三浦佳生選手がジャンプしっかり決めて95.65で2位。友野選手はジャンプ決めたのにスピンでこてっと転倒扱いされてもったいない88.05で4位。7点以上離されて少し不利になります。山本選手は82.21で6位。最終グループに入ってチャンスを残すも自分ノーミスで周りのミス待ち、くらいの立ち位置に。壺井選手は74.52で昨季と同じ展開ですが、今年の方が上位のスコアがいいですし、NHK杯表彰台を持っていた昨季と違って今期は全日本だけでの勝負になるのでかなり苦しい展開になりました。
世界ジュニア代表争いは内定済みの中田選手が3位スタートと今年も順調。それに次ぐのが全日本ジュニア5位の高橋星名選手が上にいて後半グループに入り、そこに全日本ジュニア4位の周藤選手が2.23差、3位の蛯原選手が3.59差、2位の西野太翔選手は3.64差、全日本ジュニアと順位逆順にならぶ面白い展開となりました。
フリー第一グループからはシーズンベスト3位で世界ジュニアの可能性がある植村駿選手が5番滑走で登場。高橋星名選手と5.84差。順位は離れていますが点差はそれほどありません。トリプルアクセル2本含め、何とか我慢して我慢して、最後まで耐えきって大崩れはしなかったのですが、思うような滑りにはならずフリー123.89 トータル191.87 16歳の高校1年生、世界ジュニアはまた来期におそらくお預け、という結果になります。
第二グループは世界ジュニア大選考会メイン会場。対象選手が4人出てきます。最初に出てくるのが意外にも西野太翔選手。4回転のトーループ、サルコウ、2本を降りてさすがの力を見せます。ただ、トリプルアクセル転倒からおかしくなってしまって、後半スコア伸びず。140.93でトータル211.11 これくらい出せれば今期の実績から代表には入れそう、というくらいは出してきましたが周りの結果待ちです。
続いて蛯原大弥選手。西野選手を上回りたい、というよりは後から滑る高橋星名選手との関係性が問題になりそう。この大事な場面で冒頭の4回転トーループを全日本ジュニアに続いて成功。次のトリプルアクセルを派手にステップアウトしたのでどうなるかと思われましたが、目立ったミスはそこだけで2本目のアクセルにしっかりセカンドを付けてリカバリー。フリー148.76はシニアルールではありますが自己ベスト相当。トータル218.99も自己ベスト相当。会心の出来。他の選手は世界ジュニアのためにはこのスコアが目標ラインとなってきます。
シニアに上がった垣内珀琉選手を挟んで、ジュニアの森遼人選手。全日本ジュニアは6位、シーズンベストは5位、代表選考項目は何も入っていない状態です。トリプルアクセル2本含め前半完璧だったところから、ジュニア選手のシニアルール後半は体力きついか、何とか降りる、みたいなジャンプが続きながらも頑張りました、フリー135.13 トータル205.44 蛯原選手、西野選手の下で3位、世界ジュニアには届かず。
MFアカデミー組が続いて周藤集選手。全日本ジュニアは4位。選考項目は何も入っていませんが、一発当てればもしやがある位置にいます。こちらも冒頭トリプルアクセル2本はすばらしかった。もしやが本当にあるのでは、と期待されたのですがルッツが抜けて1回転になったことでスコアは足りなくなります。それでも以降はまとめました。フリー138.52は自己ベスト相当。トータル210.11 初の210点台。世界ジュニアは届きませんでしたが、210点をマークしてシニアに上がります。
前半グループ終了。世界ジュニアを目指す蛯原大弥選手、西野太翔選手、周藤集選手が210点超えで上位を占めます。西野選手はほぼ当確、蛯原選手は高橋星名選手待ち、という情勢になりました。
後半グループは社会人スケーター大島光翔選手から。4回転ルッツチャレンジしてきましたが、明らかに回転足りずの転倒。チャレンジジャンプなので気にするところではない、というところで以降は遠目に目立つミスは無し。フットルースはキャラに合いすぎ。ただ、ルッツ3本すべてe判定。そんなにもらう? 4回転飛ぶならルッツではない方がいいような・・・。フリー139.51 トータル212.98で11人残して2位に付けます。
世界ジュニア代表争い、最後の主役、高橋星名選手が登場。蛯原大弥選手のスコアまで145.18が必要。フリーはパーソナルベスト148.61がありますがシーズンベストは142.97、ただ、そこにステップ足せば145点には乗って来る。ちょうど際どいくらいのスコアです。
冒頭、4回転サルコウ、回転足りないなとは見えましたが降りました。降りれば十分。コンビネーション2つ決めて、さあ世界ジュニアへ、と思ったのもつかの間、単独のトリプルアクセルで転倒。次のシークエンスも転倒で万事休す。フリー131.62 トータル205.44 森遼人選手と同点もフリーの点優先で順位は下で10人残して6位。蛯原選手との点差もあり、世界ジュニアの代表は難しくなりました。フリーのミッション。三原舞依選手以来の、ミッション似合っているなあ、と思っていたのですが、残念でした。
世界ジュニアの代表争いの決着がついて、ここからはオリンピック代表争い。ショート10いの壷井達也選手。昨季はショート73.94からの大逆転表彰台。今期はショート74.52から大逆転なるか? というシチュエーション。構成は昨年より上がっていますのでノーミスすれば、という期待もあったのですが、冒頭からトーループ、サルコウ、2本の4回転を転倒。3つ目はトリプルアクセルにしてきました。以降も精彩を欠いていた、と言わざるを得ない演技でフリー132.91 トータル207.43 9人残して5位。オリンピックは無くなります。
第3グループ後半は国内組の雄3人が続く形に。ショート9位の吉岡希選手は4大陸ミニマムは持っています。スコアさえ出せればチャンスある。冒頭、4回転トーループをセカンド2回転ながらも決め、2本目の4回転もおり、これはチャンスか、と思ったのですが、トリプルアクセルがステップアウト。後半3つのジャンプは全ミス。東日本良かったんですけどねえ・・・、今回はスコア伸びず、フリー139.17 トータル214.59 8人残して2位、トップ10は確保します。
続いて三宅星南選手。こちらも4大陸ミニマム持ち。4回転サルコウ降りてチャンスはあるかと思ったのですが、次のトリプルアクセルも、2本目の4回転サルコウも、降りただけ、というかたちで、ジャンプ7要素中GOEプラスは単独ループの1つだけで転倒3つ。沈没してしまったタイタニックになりました。フリー125.01でトータル200.95 7人残して10位。これは、強化選手に残れるかどうか・・・。
第3グループ最後は片伊勢武アミン選手。国際舞台を遠ざかって久しく、4大陸ミニマムもっていませんので、まずは強化選手復帰を目指す位置です。4回転を持たないトリプルアクセル2本構成。その2本をきれいに決めたのですが、3つ目のループが1回転に。後半ルッツで転倒。次のフリップでコンビネーションをリカバリーして、あれ、最後どうする? と思ったら単独でルッツを飛んでリピートに。体力限界近いところでのコンビネーションのリカバリーはいろいろな意味で難しい。フリー134.76でトータル213.16 6人残して3位。トップ10入り確定、強化選手復帰が見込まれます。
最終グループを前に首位には蛯原大弥選手がまだ残っていますが218.99 全体的にスコア伸びていません。吉岡希選手が214.59で2番手。4大陸に選ぶにはちょっとスコア的に厳しそう、ということで代表争いは最終グループに絞られました。
1番手は山本草太選手。大逆転にはノーミスが必要最低限求められます。冒頭の4回転サルコウをクリーンに降りたので期待したのですが、続くトーループ2本が決まらず万事休す。それでも苦手なトリプルアクセル2本を今回はきれいに決めました。4回転ミスしてもある程度点が出るのがこの領域の選手たち。なかなか決まらなかった4回転サルコウが今回はショートフリーと決まったのに、まずまず決まっていたトーループの方が今回は3本とも決まらず。人生って難しい。4回転って難しい。フリー156.73 トータル238.94で首位に立って結果を待ちます。4大陸は回って来るでしょう、という位置には残りました。
続いてショート5位佐藤駿選手。ショートで入らなかった4回転ルッツ、フリーはしっかり決めてきました。続いてトリプルアクセルからの3連続、4回転トーループからのコンビネーション、完璧に決めていきました。要素3つですでに45点ほど。この段階でオリンピックはほぼ当確でした。ノーミスには、最後のルッツでステップアウトでなりませんでしたが、フリー188.76 トータル276.75 4試合連続の技術点100点超え、団体戦のフリーを安心して任せられます、というところまで示してきました。うーん、これは火の鳥だ。
残り4人、逆転を目指す友野一希選手登場。佐藤駿選手を上回るには188.71が必要ですが、争う相手は佐藤選手より後に滑る三浦選手。いずれにしてもほぼミスなく高いスコアが欲しいところですが、フリーのシーズンベストは159.39しかない。ここ一番で結果を出せるか? ・・・・・・、ジャンプがことごとく決まりませんでした。4回転がことごとく決まりませんでした。フリーが、ことごとくうまくいきませんでした。笑顔で滑って、リンクサイドに戻って、コーチに迎えられて・・・。人生は難しい。フリー141.69 トータル229.74 3人残して3位。
代表選考関係ない中田璃士選手が登場。表彰台を決めるには186.85が必要。昨年の全日本で173.68を4回転2本で出しています。今期は3本。あれ? チャンスある?
冒頭からクリーンな4回転サルコウ。続いてトーループからの4-3を決めます。もしや? ひょっとして? と思わせてからのトーループが抜けて3回転に。十分すごくて悪くはないですが、流石に佐藤選手を上回るにはノーミス必須で、これはとどかないかな、という流れになりました。後半、体力的に厳しかったでしょうか、アクセルステップアウトに最後のループは2回転。フリー158.74でトータル248.65 2人残して2位。表彰台は結果待ち。ここで佐藤駿選手の表彰台確定。
残り2人、代表争いの重要人物、三浦佳生選手が登場。首位に立つには181.11、表彰台確定には153.01、山本選手の上にでるには143.30、友野選手の上へ出るには134.10が求められます。今期のシーズンベストは163.89 一方、シーズンワーストで122.32があるので、まだ実はわからない、という状態ではあります。守りに入る安全策という選択肢もある場面だと思ったのですが、冒頭で4回転ループ入れてきました。成功。4回転サルコウ完璧。4回転トーループにセカンド3回転もつけてきっちり降りてきました。要素3つで技術点43点ほど。もう、問題ないでしょう。後はどこまで行くか? 一気に優勝まで行くか? という期待は4つ目の4回転トーループで崩れて後はしりすぼみ。スピンノーカウントのおまけもついて、あれれれれ・・・、といった感じではありましたがフリー165.53でトータル261.18 1人残して2位。表彰台確定。上にいるのは佐藤駿選手のみ。オリンピック当確と言える結果を残しました。
最終滑走鍵山優真選手。172.49以上出せば2連覇です。ショートのリードのおかげで余裕はあります。冒頭2本の4回転、サルコウにトーループ、ものすごい出来でした。3回転ルッツを挟んでアクセルからの3連続が、あれ? アクセルミスする印象無いのですけど、抜けて1回転に。後半の4回転トーループが転倒でリピートになったあたりで、もう1つミスすると優勝分からないよ??? となりましたが、フリップループに最後のトリプルアクセルで余っていたコンビネーションもつけてしっかり逃げ切り体勢になりました。終盤のコレオからステップは圧巻。フリー183.68 トータル287.95 しっかり2連覇を果たし、オリンピック代表内定となりました。
男子は、全体的に苦労していましたね。昨年よりは少し水準上がったところもありましたが、全体的に伸びない中での戦いでした。パーソナルベスト相当のスコアを出したのは蛯原大弥選手と周藤集選手くらいだったでしょうか。
オリンピック代表は、この結果ならもう誰が選んでも迷いなく、鍵山佐藤三浦、3選手で決まりです。ついにこの3人でオリンピックに出る日が来ました。補欠は友野選手に山本選手に壷井選手の順。この3人しか選びようがないですし、今期の実績も今大会の実績も子の順ですので、まあこうなるのでしょう。何の紛れもない代表選考になりました。世界選手権は補欠3だけ壷井選手から吉岡希選手に変わってます。全日本の結果を重視した形ですが、3人目の補欠まではさすがに回ってこないでしょうか。オリンピックと世界選手権で代表を1人は変える、というやり方もあると思いますが、今回は三浦選手と友野選手の間ではっきり差が出てしまったので、まあ仕方ないかな。この若い3人だと世界選手権も休養せずに出るんだろうな、と思われます。
4大陸は三浦選手だけオリンピックと被って、残りは友野選手と山本選手。これも順当。補欠は吉岡選手に壷井選手です。三浦選手はオリンピックの団体戦は無し、でしょうねきっと。団体戦はショートに強い鍵山選手に、フリーで鍵山選手に連勝している佐藤選手と、ここもほぼ決まりに見えます。
世界ジュニアも中田璃士選手に西野太翔選手、蛯原大弥選手で決まりました。蛯原選手が全日本ジュニア、全日本と高橋選手に連勝して代表入り。補欠は高橋星名選手に森遼人選手が選ばれました。補欠、2人しか選ばないんですね。森選手はちょっと意外でしたが今大会で高橋選手と同点で、ミニマムも持っています。周藤選手が全日本ジュニアも全日本も森選手、高橋選手の上でしたので、補欠に入れてあげてもいいのでは、と思うのですが、今から国際大会にミニマムを補欠のために取りに行く、という選択はしづらかったのかなあ、とも思いました。
代表3人の方が、補欠の選手たちより若い。補欠の選手たちは次回のチャンスがあるかわからないけれど、代表になった3人はおそらく次回も普通にチャンスがある、という年齢です。3人の下の層が、ごっそりいなくなってしまう光景が少し目に浮かんでいます。中田選手がシニアに上がってきますが、中田選手は下の層ではなく層の中にたぶん入ってくる。220~250点くらいの中堅層がいない、ちょっとそんな未来は味気ないです。200点を少し超えるあたりにいるジュニア世代がいるので、この辺がシニアに上がって、もう少しスコアを上げて、グランプリシリーズの枠がもらえるくらいに入ってくると、層が厚くなっていいんだよなあ、と思うと同時に、友野選手と山本選手、もうしばらく頑張ってほしいな、とも思いました。壺井選手は、超ハイレベルな文武両道でしたので、今後は文の方でのご活躍をお祈り申し上げます。