全日本選手権25 女子レビュー2

全日本選手権のレビュー、最後は女子シングルの数値編です。男子と同様に振り返っていきます。

 

○優勝とオリンピック代表を争った上位6選手のショートプログラム構成

  坂本花織 島田麻央 千葉百音 中井亜美 青木祐奈 渡辺倫果
1 3Lz! 3A 3F+3T 3A 3Lz+2T 3A
2 FCSp4 3F 2A 3Lz+3T 2A 3Lz+3T<
3 2A FSSp4 FCSp4 FSSp4 FCSp4 CSp3
4 3F+3T 3Lz+3T 3Lz! 3Lo 3F 3Lo
5 CCoSp4 StSq4 CCoSp4 LSp4 CCoSp4 CCoSp4
6 StSq4 LSp4 StSq4 StSq4 StSq4 StSq4
7 LSp4 CCoSp4 LSp4 CCoSp4 LSp4 FSSp4
Base 32.95 37.51 32.59 36.59 29.63 35.35
GOE 9.05 9.81 7.20 8.23 6.59 3.66
PCS 37.43 32.01 34.81 32.68 33.62 32.35
Total 79.43 79.33 74.60 77.50 69.84 71.36

若干無理ある区分なのですが、上位7選手の中から、最初から世界ジュニア狙いで優勝を狙っているわけでもなかった岡選手を除いた形で入れています。

トリプルアクセルを飛んだのが島田麻央選手、中井亜美選手、渡辺倫果選手。3人とも成功しています。青木祐奈選手もルッツループという飛び道具を持っていましたが、ショートはルッツを飛んだところでの判断でしょう、セカンドを2回転トーループにしています。その影響で基礎点は他の選手と比べてひくくなりました。

坂本選手と千葉選手は標準構成で1.1倍にコンビネーションを持ってくるか単独ジャンプを持ってくるかの違いが基礎点のわずかな差として出ています。渡辺選手はアクセル決めましたがコンビネーションでアンダーローテーションが入ったことで基礎点下がりました。島田選手はトリプルアクセル込みのコンビネーション1.1倍でスピンステップオールレベル4 基礎点は最大でこれ以上高めるには、ルッツループにコンビネーションを変えるしかありません。

スピンステップオールレベル4はもう当然とばかりに坂本選手、島田選手、千葉選手、中井選手、青木選手とレベルを取っていきます。渡辺選手はキャメルスピンがレベル3 ここで基礎点が0.30削られます。

全体的に大きな加点を得ていますが、加点最大は島田選手です。ショートで技術点47.32はすさまじい。加点は坂本選手が次に大きく、中井選手がそれに次ぎ基礎点分技術点は高くなります。渡辺選手はアンダーローテーション分加点が削られたりと、少し加点は伸びませんでした。

PCSは坂本選手が9点平均越えで断トツ。千葉選手、青木選手が続き、トリプルアクセル組は32点台となっています。

 

○シニアの上位選手のショートの構成

  樋口新葉 三宅咲綺 三原舞依 松生理乃 河辺愛菜 江川マリア
1 2A 3T+3T 2A 2A 2A 3F+3T
2 3S+3T 2A 3F 3Lz+2T 3F+3T 3Lz
3 FCSp4 LSp4 FSSp4 CCoSp4 FCSp4 FSSp4
4 3Lz 3Lz 3Lz+2T 3F< 3Lz! 2A
5 SSp3 FSSp3 CCoSp4 StSq3 CCoSp4 StSq4
6 StSq4 StSq4 StSq4 FCSp4 LSp3 CCoSp4
7 CCoSp3 CCoSp4 LSp4 LSp4 StSq3 LSp4
Base 30.49 30.89 29.62 27.86 31.69 32.13
GOE 5.87 1.99 3.85 2.06 2.37 3.90
PCS 33.11 29.96 29.30 31.34 30.06 28.73
Total 69.47 62.84 62.77 61.26 64.12 64.76

表彰台争いには絡まなかったですが上位に入ってきたシニアの選手たち。このあたりの領域ではショートのトリプルアクセル投入はありません。

セカンド3回転は上位の選手にとっては標準装備ですが、三原選手は1.1倍に3-2を入れる構成です。これは今期のこれまでを見るとミスではなく予定構成としての3-2だったと思われます。松生選手は3-3予定が入らずの3-2です。フリップのアンダーローテーションもあり基礎点は伸びませんでした。コンビネーションとして三宅選手はトーループトーループ、樋口選手はサルコウ-トーループです。三宅選手はこれが得意要素のはずでしたが、緊張があったのかマイナス評価となっています。

三原選手、江川選手はスピンステップオールレベル4 他の選手はスピンのレベル3が目立ちます、河辺選手はスピンはオールレベル4でステップがレベル3でした。

加点は全員プラス評価。樋口選手が1番稼いでいます。このあたりの選手は転倒は無いので著しくGOEがマイナスになることはなかったですが、細かく削られるものはあって大きなプラスまでは得られていないと見えます。

PCSは樋口選手が8点平均超えでこのあたりはさすが世界のトップで戦ってきた選手です。意外と三原選手はPCSがもらえないんですよね。松生選手は8点台に少し欠けるあたり。河辺選手は30点に乗せました。

 

○世界ジュニアを争った選手たちのショートの構成

  岡万佑子 岡田芽依 金沢純禾 髙木謠 和田薫 櫛田育良
1 3Lz+3T 3F! 2A 3Lz+2T 2A 3Lz!q+3T
2 3A 2A 3Lzq 3Lo 3Lzq+3T< 2A
3 FSSp4 FSSp3 CSp4 CSp4 FSSp4 LSp3
4 3F 3Lzq+3T< 3F+3T 2A 3F 3F<
5 StSq4 CCoSp4 CCoSp4 FSSp4 CCoSp4 FSSp2
6 LSp4 LSp4 StSq3 StSq4 StSq3 StSq3
7 CCoSp4 StSq3 FSSp4 CCoSp4 LSp4 CCoSp4
Base 37.03 30.89 32.05 28.73 30.89 29.56
GOE 7.04 1.66 -0.79 4.67 2.94 -1.56
PCS 29.13 27.88 26.83 28.22 26.99 28.47
Total 73.20 60.43 57.09 61.62 60.82 55.47

世界ジュニア代表争い、2枠目はショートでほぼ決まったような情勢となりました。岡選手がただ一人トリプルアクセルを入れて成功。他の要素もミスなく滑り、ジュニア選手たちの中では大きく抜けた点数を得ます。

岡田選手、金沢選手は1.1倍にコンビネーションを投入しますが岡田選手はアンダーローテーションとなりました。和田選手、櫛田選手もコンビネーションはマークがいろいろついてスコア伸びず。髙木選手はセカンドを2回転にする選択をしました。トリプルアクセルダブルアクセルの差、コンビネーションの出来の差、2つ重なるとスコア的に大差になるのはしかたない。GOEとしてはセカンド2回転の選択をした髙木選手が岡選手に次ぐ評価となります。転倒のあった金沢選手と櫛田選手はマイナスです。

岡選手と髙木選手はスピンステップオールレベル4 和田選手はスピンオールレベル4です。櫛田選手はレベル2とか3が目立ちますが、この辺に二刀流影響が出ていたりするんでしょうか。

PCSはジュニア選手はなかなか30点に届きません。その中で岡選手が一番高く、櫛田選手、髙木選手が続きます。岡田選手、金沢選手に岡選手はジャンプで差をつけ、スピンステップのレベルで上回り、PCSも勝つ、完全勝利してショートの時点で世界ジュニア当確のところに入りました。

 

○総合上位6選手のフリーの構成

  坂本花織 島田麻央 千葉百音 中井亜美 青木祐奈 渡辺倫果
1 2A 3A 3F+3T 2A 3Lz+3Lo 3A+3T
2 3F 4Tq 3Lo< 3Lo+2T 3T 3A
3 3Lz!+2T 3Lz+3T 3Sq 3Lz+3T 3S 3F
4 FSSp4 FCCoSp3 2A 3S 2A 3Lz+2A
5 StSq4 3S+3T FCCoSp4 FSSp4 FCSp4 FSSp3
6 3S 3F+2A+2A 3Lz+2A ChSq1 ChSq1 ChSq1
7 3Fq+3T 3Lo 3Lz!+2T+2Lo< 3Lz+2A+2Tq 2A+1Eu+3F< 3Lzq
8 2A+3T+2T 3Lz 3Fq 3F 3Lz+2T 2A+1Eu+3Sq
9 ChSq1 ChSq1 CCoSp4 3Lo 3F 3Lo
10 3Lo LSp4 StSq4 StSq4 LSp4 CCoSp3V
11 CCoSp4 StSq4 ChSq1 LSp4 StSq4 FCSp3
12 FCCoSp4 CCoSp4 LSp4 CCoSp4 CCoSp4 StSq4
Base 62.52 77.17 62.99 62.77 61.49 70.04
GOE 15.92 9.53 8.18 8.52 9.99 6.04
PCS 76.49 63.05 70.47 64.77 70.68 64.08
Total 154.93 148.75 141.64 136.06 142.16 140.16

上位選手で高難度ジャンプを入れたのは、島田麻央選手が4回転トーループトリプルアクセル、渡辺倫果選手がトリプルアクセル2本です。中井亜美選手はトリプルアクセル1本を予定していましたが、踏み切ったところで2回転半になりました。島田選手は4回転を転倒。渡辺選手はトリプルアクセル2本成功です。島田選手は4回転にトリプルアクセル込みでセカンド3回転2つとルッツ2本入りという構成で77.17まで基礎点を出しています。渡辺選手は70.04です。千葉選手と坂本選手は標準構成です。坂本選手はスピンステップ含め基礎点全部入りましたがフリップとトーループ2本なので62.52まで。千葉選手はルッツとフリップを2本ですがアンダーローテーションが2つあって62.99の基礎点になっています。中井亜美選手は結果的に標準構成になって62.77 青木祐奈選手はフリップのアンダーローテーションが痛くて61点台の基礎点となりました。

坂本選手、千葉選手、中井選手、青木選手、結果的に構成に高難度ジャンプが入らなかった選手はスピンステップオールレベル4です。島田選手はスピンが1つレベル3 渡辺選手はスピンのレベル4がありませんでした。このスピンで点が取れなかったことが渡辺選手が表彰台争いに絡んでいけなかった要因ともなっています。

加点は坂本選手が15点台で最大です。その次は9.99もらった青木選手でした。渡辺選手はここも他の選手と比べて少し低めです。

PCSは9.5平均を超えた坂本選手が突出しています。2番目は青木選手。千葉選手と共に70点台で9点平均に近い評価を受けました。中井選手、渡辺選手は64点台で8点平均程度。PCS差が上の方とはかなりあります。島田選手は63点台で8点平均に届かない結果となりました。

 

○シニアの上位選手のフリーの構成

  樋口新葉 三宅咲綺 三原舞依 松生理乃 河辺愛菜 江川マリア
1 2A+3T 3A 3Lz+3T< 3Lo 3A 3F+3T
2 3Lz 3T+3T 3F 3Lzq+3T+2T 3F+3T 3Lz
3 3Lo 3Lz! 2A 3F< 3Lo 2A
4 FCSp4 StSq4 3S 2A 3Lz! CCoSp4
5 3S CCoSp3 FSSp4 FCCoSp4 FCSp4 3Lo
6 3Lzq+2A+2T 3F+2T CCoSp4 3Lz+2T 2A+3T+2T ChSq1
7 3S+2T 3Lo+2A+2A 3Fq+2T+2Lo 3F+2A ChSq1 2A+3T+2T
8 3F< 3S 3Lz+2A 3S< 3F<+2A 3S+2T
9 CCoSp3 3Lo ChSq1 StSq3 3S 3Fq
10 StSq4 ChSq1 3Lo< ChSq1 LSp4 FSSp4
11 ChSq1 FSSp4 StSq4 CCoSp4 StSq3 StSq3
12 FCCoSp4 FCCoSp4 FCCoSp4 LSp4 CCoSp4 LSp4
Base 61.57 68.07 62.62 61.00 66.70 60.77
GOE 5.86 3.83 4.28 4.15 -1.98 4.65
PCS 66.16 60.75 60.96 63.79 59.52 57.11
Total 133.59 132.65 127.86 128.94 123.24 122.53

このあたりの選手たちからは三宅咲綺選手と河辺愛菜選手がトリプルアクセルを構成に入れました。三宅選手は手は付きましたがしっかり降り、河辺選手は回転足りましたが転倒でした。2回飛ぶジャンプがルッツとフリップな三原選手と松生選手、ルッツとサルコウな樋口選手、フリップとトーループな河辺選手と江川選手、ループとトーループの三宅選手です。トリプルアクセルのある三宅選手と河辺選手の基礎点が高くなります。

この6人で転倒は河辺選手のトリプルアクセルだけでした。その分の影響が大きかったのか河辺選手はGOEがマイナスとなっています。他の選手は3から5点ほどのプラスがありました。スピンステップオールレベル4が三原選手、松生選手、河辺選手、江川選手はスピンオールレベル4です。樋口選手と三宅選手はステップでレベル4を取っています。

PCSは樋口選手が60点台後半までもらいました。松生選手は8点平均にわずかに届かない63点台、三原選手、三宅選手が60点に乗せて、江川選手は7点平均を少し超える57点台という評価になっています。

 

○世界ジュニア代表を争った6人のフリーの構成

  岡万佑子 岡田芽依 金沢純禾 髙木謠 和田薫 櫛田育良
1 3Lz+3T 3A< 3Lz 3Lz+3T< 2A 3Lz!+3T
2 3A 3F+3Tq 3A<< 3Lo+2A+2T 3Lz+2T<< 3S
3 3F 3Lo 3F+3Tq 3F!q 3F 3Lo
4 3Lo FCCoSp4 3Lo 3S CCoSp3 3F+2A
5 CCoSp4 3S FCCoSp4 StSq3 3Lo FCCoSp3
6 StSq4 ChSq1 3S 3Lz ChSq1 StSq3
7 3F+2A+2A 3Lz+2A+2A 3F+2A+2A 3Lo 3S+2T+2Tq* 3Lz!<+2T+2Lo
8 3Lzq LSp4 ChSq1 2A<+2T 3F<+2A 2A
9 3S+2T 3F!q+2T 3Lz+2T FSSp4 3Lzq ChSq1
10 ChSq1 3Lz< FCSp4 CCoSp3V FCSp3 2F
11 FCCoSp4 StSq3 StSq2 ChSq1 StSq3 LSp2
12 LSp4 CCoSp2 CCoSp4 FCCoSp3 LSp4 CCoSp4
Base 70.64 66.30 65.14 59.12 55.54 56.70
GOE 7.14 1.86 4.14 2.03 1.18 1.33
PCS 60.75 56.70 55.30 57.96 54.36 58.36
Total 138.53 124.86 124.58 118.11 110.08 115.39

世界ジュニア挑戦組では岡選手、岡田選手、金沢選手がトリプルアクセルを構成にいれ、岡選手が成功、岡田選手がアンダーローテーション、金沢選手はダウングレードとなりました。このトリプルアクセルの結果順が、最終的な結果順とほぼリンクしています。

2回飛ぶジャンプは岡選手、岡田選手、金沢選手、和田選手、櫛田選手はルッツとフリップ、髙木選手はルッツとループです。シークエンスのアクセルが1.0倍になってからジュニアを本格的に戦うようになった年齢の選手は、島田選手のような高難度2本入る特殊な状況の選手以外は、セカンドトーループ2本使いという構成はほとんど組んできません。

トリプルアクセル無しだと64点台というあたりがほぼ限界基礎点ですが、アンダーローテーションでもダウングレードでも入っていれば65点以上が出ます。岡選手は基礎点削られるものがなく70.64まで出ました。逆に、髙木選手、和田選手、櫛田選手は回転不足や同ジャンプ跳びすぎ、抜け2回転などで基礎点削られて60点に届いていません。

加点も岡選手がやはり高いです。他の選手もプラスをもらっています。

スピンステップオールレベル4は岡選手のみ。ジュニアにはないフリーのステップでレベル4が取れないのは仕方ない部分がありますが、金沢選手がスピンオールレベル4だったのを除くと、スピンもレベルを取り切れていません。ショートはレベル4を並べた選手が多かったことからすると、体力的な面の影響もあるのかもしれません。

PCSは最終グループで滑った岡選手は60点に乗せました。それに次ぐのはシニアに見える櫛田選手、さらに髙木選手が57点台で岡田選手の56点台まで7点平均を超えました。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 坂本 花織 234.36 113.92 65.27 12.74 25.87 16.56
2 島田 麻央 228.08 95.06 85.48 8.84 25.20 14.50
3 千葉 百音 216.24 105.28 65.68 4.30 25.20 15.78
4 中井 亜美 213.56 97.45 70.16 8.29 23.64 14.02
5 青木 祐奈 212.00 104.30 61.52 6.26 23.93 15.99
6 岡 万佑子 211.73 89.88 77.97 5.28 24.21 14.39
7 渡辺 倫果 211.52 96.43 78.14 2.93 20.06 13.96
8 樋口 新葉 203.06 99.27 63.26 3.21 21.67 15.65
9 三宅 咲綺 195.49 90.71 69.86 -1.05 21.78 14.19
10 三原 舞依 190.63 90.26 62.24 0.29 23.64 14.20
11 松生 理乃 190.20 95.13 60.16 -2.48 24.31 13.08
12 河辺 愛菜 187.36 89.58 70.29 -5.52 21.72 12.29
13 江川 マリア 187.29 85.84 64.30 3.91 21.23 12.01
14 岡田 芽依 185.29 84.58 70.09 -2.88 21.58 11.92
15 山下 真瑚 183.18 94.09 57.64 -2.54 20.94 14.05
16 金沢 純禾 181.67 82.13 68.99 -1.50 22.08 10.97
17 髙木 謠 179.73 86.18 60.30 0.10 20.68 13.47
18 住吉 りをん 173.19 91.57 55.47 -7.68 23.88 13.95
19 和田 薫子 170.90 81.35 59.13 -2.40 22.16 11.66
20 櫛田 育良 170.86 86.83 60.06 -6.06 19.28 12.75
21 村上 遥奈 170.79 79.84 56.50 6.11 17.81 10.53
22 山田 恵 158.23 73.79 57.87 -2.77 18.74 10.60
23 鴨井 彬莉彩 149.82 69.32 52.57 -0.92 17.87 10.98
24 岩崎 陽菜 145.35 70.66 58.02 -8.84 17.65 8.86

PCSは坂本選手が113.92という驚きの点数もらっています。それに次ぐのが千葉選手に青木選手です。100点台中盤までもらっていて、100点超えはこの3選手まで。その次が樋口新葉選手で99.27あります。すごくメリハリ付けたPCS評価という印象でした。シニア1年目の中井選手が97.45で5番目、渡辺選手が6番目。以下、松生選手、島田選手と来て、山下真瑚選手に住吉選手の順です。技術点なら島田選手1位で岡選手が2番目とジュニアが続いて坂本選手3番目、中井選手4番目、渡辺選手が5番目となります。

ジャンプの基礎点は島田選手の85.48が突出しています。今期の国際大会での最高値はソフィージョリンフォンフェルテン選手の82.64というのがあるのですが、それを上回っています。その次は渡辺倫果選手の78.14、岡万佑子選手の77.97があり、少し離れて河辺愛菜選手が70.29、中井亜美選手70.16、岡田芽依選手70.09と6人が70点超えの構成です。坂本選手、千葉選手といった標準構成だと65点台までとなってきます。

加点の方は坂本選手がただ一人二桁稼いで、島田選手、中井選手が8点台で続きます。その次の6点台に青木祐奈選手と村上遥奈選手。コンビネーションジャンプにこだわりありそうな2人が続きました。

スピンは坂本選手が25.87で1位。25.20で島田選手、千葉選手が続きます。24点台で松生選手に岡選手です。ここが伸びなかったのが渡辺選手。20.06というスコアで少し上の選手たちが23点台24点台だったのと比べると低く、ここが伸びれば4位まではそれだけで入れていました。4位にいれば、オリンピックは選べませんが、世界選手権は回してあげようか、と思われるくらいの実績を今期は残していますので、少し残念なところです。

ステップ系要素も1位は坂本花織選手。16.56というのは極めて高いスコアです。ステップ系要素は17.20が合計の満点。16点台はなかなか出る点数ではありません。青木選手が15.99、千葉選手15.78、樋口選手15.65と3人が15点台で続きます。15点台で十分高いスコアです。

渡辺選手はスピンステップの合計が34.02 千葉選手がスピンステップで40.98稼いだのと比べて6.96の差があります。総合得点の差は4.72 スピンだけでも5.14の差があったわけで、結果的にスピンの差で、あるいはスピンステップの差で敗れた、とも見て取れるわけです。昨季も実は渡辺選手は総合7位で、4位の千葉選手との総合得点差が7.14に対して、スピンステップで7.73の点差があり、同じ構図でチャンピオンシップの出場権を逃したように見えていました。結果的に、得意なジャンプは昨季から積み上げることが出来ていたのだけど、同じ課題が克服できていなかった、という形になってしまったようでした。

 

○4回転トーループ

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 島田 麻央 2 4Tq Fq 9.50   -4.75 4.75 -5.000
FS 住吉 りをん 1 4T< F< 7.60   -3.80 3.80 -5.000

今季4回転トーループを構成に入れたのは島田選手と住吉選手の2人。2人とも転倒ですが島田選手は基礎点は満額入っていました。ダウングレードと比べると2.65高いスコアになりますので、同じ転倒でも回転はどうだったのか? でかなり変わってきます。

 

トリプルアクセル

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 島田 麻央 1 3A   8.00   2.17 10.17 2.556
SP 中井 亜美 1 3A   8.00   2.06 10.06 2.556
FS 渡辺 倫果 2 3A   8.00   1.94 9.94 2.333
SP 島田 麻央 1 3A   8.00   1.71 9.71 2.222
FS 渡辺 倫果 1 3A+3T   12.20   1.14 13.34 1.556
SP 岡 万佑子 2 3A   8.00   1.14 9.14 1.333
FS 岡 万佑子 2 3A   8.00   0.91 8.91 1.000
SP 渡辺 倫果 1 3A   8.00   0.11 8.11 0.222
FS 三宅 咲綺 1 3A   8.00   -1.37 6.63 -1.778
FS 岡田 芽依 1 3A< < 6.40   -1.28 5.12 -2.000
FS 金沢 純禾 2 3A<< << 3.30   -1.56 1.74 -4.667
FS 河辺 愛菜 1 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
SP 吉田 陽菜 1 3A< F< 6.40   -3.20 3.20 -5.000

トリプルアクセルを今大会では9選手が構成に入れ、5選手が回転十分で着氷し、4選手が8本GOEプラスの評価を受けました。渡辺選手は3本飛んで3本ともGOEプラスです。アンダーローテーション付きましたが岡田選手はスコアとしては5.12もらっています。ダブルアクセルの満点が4.95ですのでダブルアクセルで取れない点数を取れれば合格、と考えればこれは成功とも言えます。

最高評価は島田選手のフリーと中井選手のショートで+2.556でした。

昨季は5選手が飛んでGOEプラスの成功は2人で2本でしたので、それと比べるとかなり多くの選手がトリプルアクセルを飛ぶようになり、成功するようになってきました。

 

○セカンド3Lo

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 青木 祐奈 1 3Lz+3Lo   10.80   1.43 12.23 2.444

セカンドループは青木祐奈選手の技。ルッツループ。ショートは入りませんでしたがフリーで入れて完璧に成功しました。ショートで見たように、これが無くても点が出せる選手ではありますが、やはりルッツループが冒頭で決まると波に乗れるのでしょうか。素晴らしいフリーが見られました。

今期の国内の試合のセカンド3Lo成功は、現在のところこの1例のみとなっています。

 

○セカンド3Tで平均GOE+2.000以上

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
SP 坂本 花織 4 3F+3T   10.45 x 1.74 12.19 3.333
FS 坂本 花織 8 2A+3T+2T   9.68 x 1.38 11.06 3.333
FS 三宅 咲綺 2 3T+3T   8.40   1.32 9.72 3.222
SP 山下 真瑚 1 3Lz+3T   10.10   1.85 11.95 3.111
FS 千葉 百音 1 3F+3T   9.50   1.59 11.09 3.000
SP 島田 麻央 4 3Lz+3T   11.11 x 1.69 12.80 2.778
FS 中井 亜美 3 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.778
FS 村上 遥奈 2 3S+3T   8.50   1.11 9.61 2.667
SP 千葉 百音 1 3F+3T   9.50   1.29 10.79 2.444
FS 村上 遥奈 6 3S+3T   9.35 x 1.04 10.39 2.333
FS 住吉 りをん 7 3Lz+3T   11.11 x 1.18 12.29 2.000
SP 中井 亜美 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
FS 島田 麻央 3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
FS 江川 マリア 1 3F+3T   9.50   1.06 10.56 2.000
SP 村上 遥奈 4 3S+3T   9.35 x 0.86 10.21 2.000
FS 島田 麻央 5 3S+3T   8.50   0.92 9.42 2.000

セカンド3回転が女子ではほぼ全選手が飛ぶ一番高いレベルのジャンプ、となります。ここではトーループのみとして、青木選手のセカンドループは別枠にしました。

やはり高評価なのは坂本選手です。フリーの3F+3Tはフリップにqがついてここに入ってきていませんが、あとの2つは最上位2つになっています。その次が三宅選手の豪快な3T+3T グランプリシリーズに出たら、世界からデールマン2世とか言われること間違いなし。しばらくグランプリシリーズに出られていませんが、山下真瑚選手の3Lz+3Tも定評あるジャンプです。

千葉選手、島田選手、中井選手といったあたりは言わずもがな、こういうところに入ってきます。そういう中に3つ入れてきたのが村上遥奈選手。ショートフリーで3S+3Tを3回跳び、すべて平均GOE+2.000以上と高評価です。基礎点的にはどうしてもやや不利なコンビネーションなのですが、1つの個性として極めて、+3とか+4とか並べるところまで行ってほしいな、と思います。ただ、本人の全要素の中で一番GOE高いのがコンビネーションジャンプ2つ、という不思議な状況なので、課題はそこじゃない、って木下アカデミーチームは言いそうな気もします。

 

○3連続ジャンプで平均GOEが0以上

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本 花織 8 2A+3T+2T   9.68 x 1.38 11.06 3.333
FS 島田 麻央 6 3F+2A+2A   13.09 x 1.29 14.38 2.444
FS 金沢 純禾 7 3F+2A+2A   13.09 x 1.14 14.23 2.222
FS 岡田 芽依 7 3Lz+2A+2A   13.75 x 1.10 14.85 1.889
FS 三宅 咲綺 7 3Lo+2A+2A   12.65 x 0.98 13.63 1.889
FS 岡 万佑子 7 3F+2A+2A   13.09 x 0.98 14.07 1.778
FS 住吉 りをん 8 3F+2A+2T   10.89 x 0.98 11.87 1.778
FS 河辺 愛菜 6 2A+3T+2T   9.68 x 0.72 10.40 1.667
FS 髙木 謠 2 3Lo+2A+2T   9.50   0.84 10.34 1.667
FS 江川 マリア 7 2A+3T+2T   9.68 x 0.66 10.34 1.444
FS 岩崎 陽菜 3 3Lo+1Eu+2S   6.70   0.07 6.77 0.111
FS 山田 恵 8 3F+2A+2T   10.89 x 0.08 10.97 0.000

3連続ジャンプは多くの選手が1.1倍に入れています。ダブルアクセル2つ型の選手が多いですが、ダブルアクセルからセカンド3回転というシークエンス1.0倍以前の時代によく見たものもあります。3つ目サルコウ型は女子ではだいぶ少ないです。

+3を超える評価は坂本花織選手1人。+2台で島田選手と金沢選手がいます。3連続はジュニアで高評価の選手が多いです。ジュニアはダブルアクセル2本ネイティブ世代かと思いますが、その辺の影響もあるでしょうか。

千葉選手、中井選手、青木選手、渡辺選手さらには樋口選手といったシニアの上位選手たちの名前が入ってきていません。案外3連続の評価は成績と相関高くないのでしょうか。ただ、その辺の3位から8位くらいの選手にとっては、3連続決めていれば順位があと1つ2つ上だった、というところもあったかもしれません。

 

○ステップレベル4 で平均GOE+3以上

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 青木 祐奈 11 StSq4   3.90   1.84 5.74 4.667
SP 坂本 花織 6 StSq4   3.90   1.78 5.68 4.556
FS 樋口 新葉 10 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.222
FS 坂本 花織 5 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.222
SP 青木 祐奈 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.889
FS 千葉 百音 10 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
SP 樋口 新葉 6 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.444
SP 千葉 百音 6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.444
SP 渡辺 倫果 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.111
SP 島田 麻央 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.111
SP 岡 万佑子 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.111
SP 住吉 りをん 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000

男子は全部で3例しかなかったステップレベル4ですが、女子は27例もありました。ショート30、フリー24ですから、全体の半分がレベル4です。ちょっと全部載せられないので+3以上の高評価に限りました。

最高評価は青木祐奈選手のフリーでジャッジ9人中6人が満点の+5を付けました。あのステップは大きな盛り上がりを見せ、そのあとの最終グループのオリンピック代表争い、優勝争いにいい流れを作りました。

坂本選手のショート、樋口選手のフリー、今季で引退という2選手もステップで魅せてくれました。

渡辺選手もショートのステップは+3.111の高評価。ショートは体力的に何とかなっていたでしょうか。住吉選手もショートでは高評価でした。

ジュニアでステップ高評価を得るのはなかなか大変なのですが、島田選手はちょっと別格としても岡選手がこの中に入ってきています。岡選手はトリプルアクセルを飛び、個性あふれるスピンも評価され、ステップも高い点を取る。今後すごい選手になる気配があります。

 

○平均GEO+2.000以上のコレオ

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本 花織 9 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.556
FS 千葉 百音 11 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.222
FS 山下 真瑚 12 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
FS 青木 祐奈 6 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.667
FS 樋口 新葉 11 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.667
FS 髙木 謠 11 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444
FS 岡 万佑子 10 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.222
FS 松生 理乃 10 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.222
FS 櫛田 育良 9 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
FS 三宅 咲綺 10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 2.889
FS 住吉 りをん 6 ChSq1   3.00   1.50 4.50 2.889
FS 島田 麻央 9 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.667
FS 三原 舞依 9 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
FS 中井 亜美 6 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.000

コレオは坂本選手が最高評価でした。9人のジャッジのうち6人が満点の+5評価です。千葉選手、山下選手も+4台です。ルッツのイメージの強い山下選手ですが、コレオの評価は近年高いです。西日本では+4.286を受けていました。

ステップもそうですが、コレオもジャンプが終わった後に入れている選手の方が評価が高くなりやすい傾向があるのですが、そんな中で青木選手は中盤に入れているコレオで高評価を受けています。

ジュニアからは髙木選手が最高評価で岡選手が続きます。髙木選手は国際大会でもコレオで高い評価を受ける選手。なんならもっと点を出すこともしばしです。

 

○平均GOE+3.500以上の要素

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 島田 麻央 12 CCoSp4   3.50   1.75 5.25 4.889
FS 青木 祐奈 11 StSq4   3.90   1.84 5.74 4.667
SP 島田 麻央 7 CCoSp4   3.50   1.65 5.15 4.667
SP 坂本 花織 6 StSq4   3.90   1.78 5.68 4.556
SP 坂本 花織 3 2A   3.30   1.51 4.81 4.556
FS 坂本 花織 1 2A   3.30   1.51 4.81 4.556
FS 坂本 花織 9 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.556
FS 樋口 新葉 10 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.222
FS 坂本 花織 5 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.222
FS 千葉 百音 11 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.222
FS 千葉 百音 12 LSp4   2.70   1.16 3.86 4.222
FS 山下 真瑚 12 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
SP 島田 麻央 6 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.000
FS 坂本 花織 2 3F   5.30   2.12 7.42 3.889
SP 青木 祐奈 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.889
FS 千葉 百音 10 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
FS 坂本 花織 11 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.889
SP 千葉 百音 7 LSp4   2.70   1.08 3.78 3.889
FS 島田 麻央 10 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.778
FS 青木 祐奈 6 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.667
FS 樋口 新葉 11 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.667
SP 和田 薫子 7 LSp4   2.70   0.96 3.66 3.667
FS 坂本 花織 6 3S   4.30   1.54 5.84 3.556
SP 坂本 花織 2 FCSp4   3.20   1.10 4.30 3.556
SP 坂本 花織 7 LSp4   2.70   0.96 3.66 3.556

女子は高評価要素が多いです。+3以上くらいは全部載せてみたいのですが、66もあったのでとても載せられません。+3.5で切っても25と、ちょっとためらうくらいの数あります。

島田麻央選手の足替えコンビネーションスピンの評価は凄まじいです。フリーのラストは9人のジャッジのうち8人が満点。それはすなわちスコアとしては満点となります。ショートの足替えコンビネーションスピンも6人が満点評価です。

坂本選手のダブルアクセルも5人が満点をつける高評価でした。ジャンプは坂本花織選手の単独フリップと単独サルコウも入ってきています。

レイバックスピンの評価が高いのが千葉百音選手。フリーの最後は+4.222ありました。また和田薫子選手もショートの最後のレイバックスピンで+3.667までもらっています。

 

 

女子は、すごいレベルの試合でした。フリーの後半2グループはトリプルアクセルで1人、4回転で1人しか転倒がありません。全体的に印象のいい試合でした。

フリーに残った24選手のうち、はっきりと今季で引退を宣言している選手が4人います。トップ10の中でも3人。トップ10にはあと2人大学をすでに卒業している年齢の選手がいます。来期は顔ぶれが様変わりしているんでしょうか。

一方で、最近は大学を卒業しても競技を続ける選手が増えてきました。今期はっきり引退するとしているグランプリ組は2人。4枠空いてもどう考えても島田麻央選手が2枠は埋めます。グランプリ枠の順番待ちの選手は多い。三宅咲綺選手、河辺愛菜選手、山下真瑚選手。他の国なら普通に2試合出ているような選手たちに枠がありません。こういった選手たちが2枠を争う。まあ、それでも、今期木下グループ杯というのが出来て、グランプリ枠がない選手もチャレンジャーシリーズに国内で出られるようになりました。来期もあるかな?

 

そして、各代表が決まりました。4大陸、オリンピック、世界ジュニア、世界選手権。女子はすべて複数表彰台が狙えます。各選手、力を発揮してきてもらえたらと思います。