四大陸選手権 1,2,3 1,3,4?

オリンピックシーズンの4大陸選手権。下手すると空気になりかねないのですが、今回はなかなかインパクトの強い試合となりました。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Yuna AOKI JPN 217.39 71.41 145.98
2 Ami NAKAI JPN 215.78 73.83 141.95
3 Mone CHIBA JPN 202.23 68.07 134.16
4 Bradie TENNELL USA 199.37 66.16 133.21
5 Haein LEE KOR 192.66 67.06 125.60
6 Jia SHIN KOR 185.06 53.97 131.09
7 Gabrielle DALEMAN CAN 183.47 67.69 115.78
8 Sarah EVERHARDT USA 182.72 67.51 115.21
9 Sofia SAMODELKINA KAZ 182.51 62.29 120.22
10 Ruiyang ZHANG CHN 178.61 58.81 119.80
11 Fee Ann LANDRY CAN 177.18 57.92 119.26
12 Yi ZHU CHN 174.00 58.99 115.01
13 Sara-Maude DUPUIS CAN 166.95 56.59 110.36
14 Starr ANDREWS USA 160.74 65.82 94.92
14 Ahsun YUN KOR 160.74 51.71 109.03
16 Xiangyi AN CHN 140.66 49.77 90.89
17 Gian-Quen ISAACS RSA 137.05 48.48 88.57
18 Tara PRASAD IND 134.66 44.23 90.43
19 Tsz Ching CHAN HKG 130.33 49.29 81.04
20 Andrea MONTESINOS CANTU MEX 127.97 48.13 79.84
21 Amira IRMATOVA KAZ 123.20 42.40 80.80
22 Petra LAHTI NZL 102.48 41.83 60.65

青木祐奈選手がチャンピオンシップ初出場の中、圧巻の滑りで優勝しました。ショート、フリー、トータルすべてパーソナルベスト更新。日韓はオリンピック代表が複数出てくる布陣だったのですが、それらも抑えての優勝です。ついでに言えば、中庭先生はシニアのチャンピオンシップの初優勝にもなりました。

中井亜美選手が2位。ショートは首位発進で、どっちが勝っても僕の勝ち状態の中庭先生に送り出されたフリーも悪くない滑り。点が出るまでどちらが勝つかわからなかったのですが、結果としては2位表彰台となりました。

3位は千葉百音選手。ショート、フリー共に3位。近年の日本人選手では珍しい、4大陸選手権に4年連続の出場だったのですが、これで3度目の表彰台、2度目の銅メダル獲得となりました。

 

アメリカのブレイディテネル選手が4位です。200点にあとわずか届かず。今期はナショナル含めて4回目の4位となっています。表彰台に乗せてあげたかったような気もする一方、もう表彰台とかスコアとかどうでもいいわと思わされる選手でもあります。4大陸選手権は5回目の出場で、5位、3位、6位、2位と来て今回の4位。あと一回出れば1位が次は入るんじゃないかという気もしますが、来年も出てもらえないでしょうか? 98年1月生まれの27歳。まだ行けると思うんだけどなあ・・・。どうかなあ

3年前の覇者、韓国のイ・ヘイン選手が5位に入りました。ショートの67.06はシーズンベスト。フリーはアンダーローテーション3つついてやや苦しい展開ですが何とかまとめた形となりました。オリンピックの準備段階としては悪くなかったのかもしれません。

韓国勢が並んでシンジア選手が6位です。ショートでまさかの2転倒と出遅れましたがフリーはさすがの演技。転倒ありながらも技術点72点を出して力を見せました。PCSは滑走順が早すぎてあまり出ませんでしたが、それでも大きく順位を上げ、第3グループの間中グリーンシートに座って暇そうにさせられるという、ある種、ショートミスった実力者への罰ゲームみたいなことになってましたが6位入賞です。トータルスコアは伸びていませんが、1つ1つの要素の加点はやはり大きく、ノーミスしてきたらオリンピックの表彰台候補である、という評価はあまりかわらないという風にも見えました。

 

3シーズンぶりに国際大会に復帰してきたガブリエルデールマン選手が7位に入りました。ショートは完璧とも言える演技で4位発進だったところから、フリーはジャンプが今一つ決まらず失速、という形でした。よく戻ってきてくれた、と思いますが、28歳になりました。やはりテネル選手と同じく来期どうするか・・、という立場になっています。

8位はアメリカのサラエバーハート選手。昨シーズンブレイクして昨年のこの大会は3位。今期は今一つ調子が上がっていませんでしたが全米では209点出して5位に入っていました。全米くらいの出来ならチャンスもあったのですが、フリーは加点の付いたジャンプは1つだけでスコア伸ばせませんでした。

カザフスタンのサモデルキナ選手が9位。シーズン序盤は良かったのですが、今回は全体的にキレがないというか、今一つな出来でスコア伸びませんでした。オリンピックへ向けての調整としては、まあこんなもの、というくらいなところなんでしょうか。

地元中国のルイヤンチャン選手が10位に入りました。オリンピック予選で中国にオリンピック枠をもたらし、ナショナルの結果も合わせてオリンピックの代表もつかんだ選手です。ルッツなし構成ですがフリーでパーソナルベスト更新。中国女子8年ぶりのトップ10入りです。地元選手の役割を果たしました。ただ、この8年ぶりのトップ10というあたりが、女子シングルを最初の二日で終わらせる試合日程に反映されていたんだな、とも思わされました。

 

○青木祐奈選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3Lo   10.80   1.77 12.57 2.889
2 3T   4.20   1.02 5.22 2.444
3 3S   4.30   0.92 5.22 2.222
4 2A   3.30   0.66 3.96 2.000
5 FCSp4   3.20   0.91 4.11 2.778
6 ChSq1   3.00   2.00 5.00 3.889
7 2A+1Eu+3F   10.01 x 1.21 11.22 2.222
8 3Lz+2T   7.92 x 1.01 8.93 1.667
9 3Fq q 5.83 x -0.30 5.53 -0.556
10 LSp4   2.70   0.85 3.55 3.222
11 StSq3   3.30   1.51 4.81 4.444
12 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
  TES   62.06   12.76 74.82  

完璧なルッツループでした。今期は青木選手以外ではアリサリウ選手が中国杯で決めていますが、GOE評価は青木選手がはるかに上回るものとなりました。

2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。スピンオールレベル4、ステップレベル3で基礎点62.06となっています。

世界ジュニアへの出場経験もなく、これがチャンピオンシップ初出場。グランプリファイナルも出たことはありません。グランプリシリーズの優勝経験も無いですしチャレンジャーシリーズでも、なんならシニアのB級大会でも優勝経験はありません。ジュニアグランプリシリーズも最高位4位で優勝どころか表彰台にも乗っていない。国際大会の優勝は2015

年、アジアンオープンフィギュアのジュニアの部で134.48というスコアで勝ったのが最後。10年5カ月ぶりの国際大会優勝でもありました。ちなみに、その10年5カ月前もルッツループは決めています。こんなことって起きるんだ、という驚き。いろいろな人が引き留めた甲斐がまさにありました。

演技としては、qが1つ付いていますが、ほとんど文句のつけようのないものだったと思います。全日本の演技をもう1度できれば表彰台チャンスが十分ある、とか思っていましたが、そんなものははるかに超えて頂点に立ちました。4大陸選手権は、実績ほどほどある選手でシーズン中盤に好調だった選手が勢いで勝つ、というのがよくあるコースで、今期は中井亜美選手がその流れだな、と大会前どころかグランプリファイナルあたりの頃から思っていたのですが、そうかあ、全日本の結果からすると青木選手もその条件にあたる選手でしたね。今後の去就は・・・。まだ24歳。この優勝で、スポンサー付けようと思えば引く手あまた、みたいな状態にもなるはずですし、次のオリンピックとか長い先は考えずに、1年1年にしても続けてもらえればと思うのですが・・、どうですかね。

 

○中井亜美選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
2 3Lo+2T   6.20   0.98 7.18 2.000
3 3Lz+3T   10.10   1.60 11.70 2.556
4 3S   4.30   1.17 5.47 2.667
5 FSSp3   2.60   0.78 3.38 3.000
6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
7 3Lz+2A+2A+SEQ   13.75 x 1.52 15.27 2.667
8 3F! ! 5.83 x -0.08 5.75 -0.111
9 3Loq q 5.39 x -0.28 5.11 -0.556
10 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
11 LSp4   2.70   0.89 3.59 3.222
12 CCoSp3   3.00   0.99 3.99 3.222
  TES   68.77   6.28 75.05  

トリプルアクセルは転倒となりました。2回飛ぶジャンプはルッツとループ。ステップはレベル4、スピンは1つレベル4で基礎点68.77の構成となりました。

優勝スコアとの差は1.61 トリプルアクセル転倒は仕方ない。結果的には最後の2つのジャンプで加点が取れなかったところ、というの効いたでしょうか。まあフリップは割と!がいつも付きがちではあるので、珍しくループについたqが痛かったでしょうか。ループしっかり決めて、最後のスピンもレベル4取れていれば優勝だったかな、というところではありました。とはいえ、トリプルアクセル転倒でも141.95が出せ、ショートと合わせてトリプルアクセルで加点のある成功が無かった中でも215点を出せた、というのはやはり力の証明かと思います。各要素、基本的には+2以上の評価を得ています。

次はオリンピック。ここまでの流れを見ると、団体戦フリーでの登場の可能性が高そうに感じます。団体戦の負担がどうこう、という考え方もありますが、中井選手みたいな立ち位置の場合、本番前に1本オリンピックという場で滑っておく、というのはプラスに働きそうですし、そこにメダルも多分ついてきますし、1本ならいいんじゃないかな、と思われます。

今大会でランキングポイント756を得て世界ランキングが13位に浮上しました。オリンピック代表選手中では10番目。目論見通り、このランキング上昇で後半グループに入ることができる見込みです。今大会の目的を果たしました。

 

○千葉百音選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3F+3T   9.50   1.36 10.86 2.556
2 3Loq q 4.90   -0.49 4.41 -0.889
3 3S< 3.44   -1.48 1.96 -3.778
4 2A   3.30   0.71 4.01 2.111
5 FCCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.444
6 3Lzq+2A+SEQ q 10.12 x -0.34 9.78 -0.556
7 3Lz+2T+2Loq q 9.79 x -0.67 9.12 -1.000
8 3F< 4.66 x -0.61 4.05 -1.222
9 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.889
10 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.333
11 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.667
12 LSp4   2.70   1.23 3.93 4.556
  TES   62.31   4.81 67.12  

構成はいつもの構成で2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。スピンステップオールレベル4でした。ただ、アンダーローテーション2つにqが3つとジャンプに苦しんだ形で基礎点は62.31となっています。

転倒が無かったのでフリーはシーズンワーストではなかったですが、技術点はシーズンワーストでした。トータルスコア202.23はシーズンワーストです。

冷静に考えると、202.23がシーズンワーストってとんでもないんですけど、本人は不満でしょう。世界ランキングを上げる必要もない位置にいましたし、1度勝ったことがありどうしても欲しいタイトルということでもなかったですし、いい流れも得られたわけでもないですし、来なきゃよかったかも、みたいな試合になってしまったかもしれません。いやあ、チャンピオンシップで表彰台乗って、なんで失敗したみたいなことになってるんだか、ではあるんですけど、210点台後半が標準な選手にとってはそうなってしまいます。ループの回転がqや<を取られるのはフィンランディア杯から4試合連続、サルコウでqや<を取られるのはグランプリファイナルから3試合連続です。ジャンプの回転だけなんですよね、あとは。1番難しいはずの3F+3Tはグランプリファイナルから3試合続けてショートフリーとも完璧に成功で平均GOE+2以上を続けています。ジャンプが全然ダメなわけでもないんです。あと少し、何かが合っていないだけ。まだオリンピック個人戦までは3週間半あります。故郷の英雄、荒川静香さんは、オリンピックで金メダルを取ったシーズンは、グランプリシリーズ2試合で3位、ファイナルにも進むことなく、また、全日本も3位で優勝も1つも無くシーズンを進めて行って、最後にオリンピックで勝ちました。日本で金メダルを取るのは仙台なんです、を主張する可能性は、十分あると思います。

 

○女子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Yuna AOKI 217.39 103.51 66.29 9.12 24.23 14.24
2 Ami NAKAI 215.78 100.92 77.06 2.93 22.16 13.71
3 Mone CHIBA 202.23 100.72 63.70 -1.39 25.03 15.17
4 Bradie TENNELL 199.37 97.72 63.92 0.84 23.65 13.24
5 Haein LEE 192.66 98.86 59.49 -3.57 24.80 13.08
6 Jia SHIN 185.06 89.46 60.55 -0.43 24.09 14.39
7 Gabrielle DALEMAN 183.47 91.59 54.52 2.58 21.30 13.48
8 Sarah EVERHARDT 182.72 92.64 57.17 -1.64 22.63 11.92
9 Sofia SAMODELKINA 182.51 90.31 62.05 -0.69 19.30 11.54
10 Ruiyang ZHANG 178.61 85.54 57.65 2.00 21.60 12.82
11 Fee Ann LANDRY 177.18 83.55 60.29 2.59 21.68 9.07
12 Yi ZHU 174.00 87.31 51.37 -0.25 22.07 13.50
13 Sara-Maude DUPUIS 166.95 82.47 58.96 -4.43 19.79 10.16
14 Starr ANDREWS 160.74 85.72 49.51 -5.03 21.51 11.03
14 Ahsun YUN 160.74 80.27 58.72 -7.92 19.21 12.46
16 Xiangyi AN 140.66 73.16 46.21 -7.10 21.38 9.01
17 Gian-Quen ISAACS 137.05 67.01 51.66 -5.99 17.25 7.12
18 Tara PRASAD 134.66 64.56 53.43 -8.77 16.66 8.78
19 Tsz Ching CHAN 130.33 61.39 46.62 -4.41 18.68 8.05
20 Andrea MONTESINOS CANTU 127.97 69.38 38.94 -7.36 20.17 10.84
21 Amira IRMATOVA 123.20 54.32 54.61 -8.38 17.13 6.52
22 Petra LAHTI 102.48 59.26 29.73 -6.12 13.94 7.67

PCSは日本人3選手が100点超え。青木選手は103.51を出しました。当然自己最高です。中井選手はファイナルで101点台がありました。千葉選手は104点台を今期3試合出していますので、100.72はそれほど高いものでもありません。その下はイ・ヘイン選手にテネル選手が続きます。

ジャンプの基礎点はショートフリーでトリプルアクセルを入れた中井亜美選手が77.06で突出しています。中井選手のノーミス基本構成で、今期は3試合77.06です。2番目は66.29で青木選手。ノーミスするのが大変なセカンドルーパー青木選手。66.29は自己最高です。3番目にテネル選手が続きます。加点の方は青木選手の9.12が圧倒的でした。当然自己最高。その下は2点台になります。中井選手が2番目でした。千葉選手はマイナスが付いています。

スピンは千葉選手が1位で25.03 スピンオールレベル4 今期の国際大会すべてスピンオールレベル4です。イ・ヘイン選手の24.80が2番目。3番目に青木選手が24.23で続きます。青木選手はスピンも自己最高です。中井選手は22.16 ショートフリーで3つレベル3がありました。

ステップ系要素も千葉選手が1位で15.17あります。シンジア選手の14.39が2番目。青木選手は14.24で3番目でした。青木選手はもっと出てそうな印象でしたが、ショートフリーともにステップはレベル3 GOE評価は高かったのですが、レベルが取れませんでした。フリーの平均GOE+4.444は今期のステップの中でGOEとしては最高評価です。コレオの+3.889は今季2番目、グランプリシリーズ以上の試合の中では最高評価でした。

 

○男子シングル(フリー進出24名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Kao MIURA JPN 273.73 98.59 175.14
2 Junhwan CHA KOR 273.62 88.89 184.73
3 Sota YAMAMOTO JPN 270.07 94.68 175.39
4 Kazuki TOMONO JPN 268.60 97.19 171.41
5 Mikhail SHAIDOROV KAZ 266.20 90.55 175.65
6 Boyang JIN CHN 258.86 89.46 169.40
7 Tomoki HIWATASHI USA 240.54 80.88 159.66
8 Jacob SANCHEZ USA 240.25 78.57 161.68
9 Roman SADOVSKY CAN 233.51 79.96 153.55
10 Liam KAPEIKIS USA 226.75 76.72 150.03
11 Yudong CHEN CHN 223.68 79.66 144.02
12 Wesley CHIU CAN 220.31 73.61 146.70
13 Zhiming PENG CHN 217.34 74.79 142.55
14 Aleksa RAKIC CAN 213.18 68.83 144.35
15 Donovan CARRILLO MEX 213.05 74.00 139.05
16 Jaekeun LEE KOR 211.22 82.25 128.97
17 Hyungyeom KIM KOR 208.92 67.50 141.42
18 Yu-Hsiang LI TPE 198.27 63.33 134.94
19 Douglas GERBER AUS 189.06 64.55 124.51
20 Dias JIRENBAYEV KAZ 185.43 63.90 121.53
21 Oleg MELNIKOV KAZ 164.34 58.96 105.38
22 Jarvis HO HKG 162.23 52.46 109.77
23 Ze Zeng FANG MAS 149.55 54.37 95.18
24 Paolo BORROMEO PHI 136.15 54.60 81.55

三浦佳生選手が3年ぶり2度目の4大陸選手権優勝となりました。なかなかこの大会、2度優勝する選手いないのですが、複数回目の優勝は2016年のパトリックチャン選手が3度目の優勝を飾って以来となります。

2位にはチャジュンファン選手が入りました。ショートでルッツループの転倒があり出遅れましたがフリーは最後のセカンドループのミスのみでまとめてシーズンベストを出してきました。ISU公認試合では2年ぶりの270点台。ミス2つでこのスコアですのでやはりノーミスしてくればオリンピックの表彰台候補の1人と言えそうです。これで2年連続2位。表彰台は4回目。4大陸選手権には欠かせない選手です。

本草太選手が3位表彰台です。ジュニアグランプリファイナルで2度表彰台。世界ジュニアも3位表彰台があり、グランプリファイナルも2位表彰台があって、今回シニアのチャンピオンシップの表彰台にたどり着きました。思い通りにいかないスケート人生、みたいな部分もケガが多いのであるかもしれませんが、その辺飛ばして実績だけ書くとかなりすごいことになっています。

 

友野一希選手が4位。ショートフリートータル、すべてシーズンベストです。点が出るまで、どこに入るかわからない際どい勝負でしたが、表彰台にはわずかに届かないという結果になりました。

昨年の覇者、カザフスタンのシャイドロフ選手が5位。3つ目4回転という不思議コンビネーションですが、1つ目をミスして飛べず。こういう時のリカバリーどうするんだろう? と思ったら3つ目のジャンプで普通に3つ目を3回転で跳んだので、ちゃんとリカバリー練習はしてたのね、と思ったのですが、後半のトリプルアクセルを飛んでリピートに。非常にもったいないミスでした。まだ万全の出来ではないですが、やはりオリンピックの表彰台候補。団体戦が無い、というのも1つのアドバンテージになりそうです。

地元の英雄ボーヤンジン選手が6位に入りました。今回は優勝経験者が4人いるという、4大陸選手権では結構レアなケースだったのですが、最古の優勝者は18年の覇者、ボーヤンジン選手です。4大陸選手権の出場は8回目。中国の顔として4大陸選手権には欠かせない選手。ショートフリートータルすべてシーズンベスト。調子は上がってきたでしょうか。オリンピックは団体戦が中国も入ったので負担が大きくなる可能性もありますが、何とか3度目のオリンピック、頑張ってもらえればと思います。

 

アメリカ代表の樋渡知樹選手が7位に入りました。フリーのキスアンドクライ、濱田先生の涙。そういう意味ですよね? と思ったらやはりそういう意味でした。大会終了後引退表明。世界ジュニア優勝からもう7年経つんですね。お疲れさまでした。

8位は今期からシニアに上がったアメリカのジェイコブサンチェス選手。4回転無し構成ですがフリーはほぼミスなく滑りました。フリーとトータルでパーソナルベスト更新です。

カナダのサドフスキー選手が9位。4回転サルコウ転倒しましたが2本目は成功。カナダナショナル2位の実力通り、カナダ勢では最上位に入りました。

 

○三浦佳生選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lo   10.50   -2.10 8.40 -2.000
2 4S   9.70   2.08 11.78 2.000
3 4T   9.50   -3.26 6.24 -3.444
4 FCSp3   2.80   0.40 3.20 1.444
5 StSq3   3.30   0.75 4.05 2.333
6 4T+3T   13.70   2.85 16.55 3.000
7 3A+1Eu+2S   10.78 x -0.11 10.67 -0.111
8 3A   8.80 x 0.23 9.03 0.333
9 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.333
10 3Lo+2A+SEQ   9.02 x 0.91 9.93 1.889
11 CSSp2   2.30   0.46 2.76 2.111
12 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
  TES   86.90   4.05 90.95  

4回転3種類4本。構成全体の中でルッツとフリップが無いというちょっと珍しい構成を三浦選手は組みます。ルッツはスケート人生の中でほとんど入れていませんが、フリップは昨季までは標準装備として入っていました。3連続の3つ目が2回転になったのがジャンプで予定通りいかなかったところ。スピンレベル4は1つ、ステップはレベル3で基礎点86.90となります。22年のスケートアメリカで89.22という基礎点を出したことがありましたが、それに次ぐセカンドベストの構成となっています。

オリンピックもこの構成で勝負するでしょうか。今回はシーズンベストではありましたがミスは結構ぽろぽろありました。スコア的にはもう一段階二段階上までこの構成のまま出せます。クリーンに決めた4回転は2本だけです。もっといけます。オリンピック、優勝争いはやや厳しいかと思いますが表彰台争いの一角ではあると言えます。団体戦に出なさそうな利を生かして、本番でもう1つ上の姿を見せてもらえたらと思います。

 

○山本草太選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3S   4.30   0.68 4.98 1.667
2 4T+3T   13.70   2.44 16.14 2.444
3 4T   9.50   1.76 11.26 1.889
4 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.444
5 3A+1Eu+2S   9.80   1.14 10.94 1.333
6 3A   8.80 x 1.14 9.94 1.333
7 3Lz+2A+SEQ   10.12 x 0.59 10.71 1.000
8 FCSp4   3.20   0.64 3.84 2.000
9 StSq3   3.30   1.04 4.34 3.111
10 3F   5.83 x 1.36 7.19 2.444
11 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
12 CSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
  TES   78.05   13.85 91.90  

冒頭のサルコウが3回転になりましたが結果的には全要素プラス評価となりました。3連続をいい流れで入ったので、3つ目3回転飛んでしまうのではないかと心配だったのですが2回転にしました。このサルコウを3回転飛んでも基礎点フルに入りますが、次のトリプルアクセルが3つ目の2回飛ぶジャンプになってキックアウトになる可能性がありました。それをやらかしていたら表彰台に乗れていないところでした。結局、冒頭のサルコウが3回転になるのは、4回転が1つ2回転になったのと同じ計算になります。この場合3連続はダブルトーループ2本にする方が基礎点は高くなりました。あるいは3連続はダブルアクセル2本にして、2連続を2回転トーループにする、というのが1番よかったです。なお、4回転サルコウ決まっていれば優勝でした。

今期は不振が続いていましたが、最後の4大陸で何とか結果を出しました。3シーズンぶりの270点台。優勝を逃して惜しかったという見方もありますが、今期のここまでを考えるとよく表彰台までたどり着いたな、という印象でした。

今後の去就はどうか、というところでしたが、来期は続ける模様。2000年1月生まれの26歳。1年1年とのことですが、行けるところまで行ってもらえたらと思います。ジャンプ跳べなくなったらイーグルだけでもいいよ、という気もします。

 

友野一希選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+2T   10.80   -1.22 9.58 -1.222
2 4T   9.50   2.31 11.81 2.444
3 4S   9.70   -2.77 6.93 -2.889
4 3Lo   4.90   -0.21 4.69 -0.556
5 FCSp3   2.80   0.60 3.40 2.111
6 3A+1Eu+3S   14.08 x 1.71 15.79 2.222
7 3F+2A+SEQ   9.46 x 0.68 10.14 1.222
8 3A   8.80 x 0.91 9.71 1.111
9 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
10 CSSp3   2.60   0.59 3.19 2.333
11 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.667
12 CCoSp3   3.00   0.51 3.51 1.556
  TES   82.54   5.75 88.29  

4回転2種類3本構成。GOEプラスは1つでしたが後の2つもしっかり降りました。ただ、セカンドは2回転になった分基礎点は削られます。スピンはすべてレベル3 ステップレベル4で基礎点82.54となっています。

3位との点差は1.47 スピンがオールレベル4なら1.30基礎点が上がるのでGOE分まで考えてちょうど3位と同じくらいになる計算でした。またセカンド3回転が付いていれば2.90基礎点上がりますのでやはり3位表彰台です。優勝スコアとの差は5.13 冒頭を4T+3Tでクリーンに決めていればおそらく勝ちでした。

結果的には2年連続の4位。22年の4大陸で2位表彰台があるので、初表彰台チャンスなわけではなかったですが、惜しいなあ、という4位ではありましたし、優勝のチャンスに届かなかったなあ、というのもありました。

なお、今回のフリーで単独の4回転トーループをGOEプラスで決めました。これまでの日本男子のISU公認試合の4回転最高年齢記録は27歳7か月の高橋大輔さんだったのですが、友野選手が27歳8か月で記録更新となっています。

98年5月生まれの27歳。来期は続ける、とのことなのでまだしばらく姿は見られます。グランプリシリーズの日本男子の出場最年長記録は高橋大輔さんの27歳7か月なのですが、今期の友野選手は27歳5か月で出場しました。来期、怪我無く出場出来れば、日本男子最年長記録の更新となります。

 

○男子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(フリー進出24名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Kao MIURA 273.73 126.96 104.35 9.18 20.76 12.48
2 Junhwan CHA 273.62 130.22 92.32 12.23 24.28 15.57
3 Sota YAMAMOTO 270.07 123.68 94.25 15.03 23.60 13.51
4 Kazuki TOMONO 268.60 125.29 99.44 7.96 21.13 14.78
5 Mikhail SHAIDOROV 266.20 118.49 104.60 11.15 20.81 11.15
6 Boyang JIN 258.86 120.12 90.00 11.88 23.35 13.51
7 Tomoki HIWATASHI 240.54 112.12 89.50 3.88 21.97 13.07
8 Jacob SANCHEZ 240.25 115.93 81.15 8.95 21.95 12.27
9 Roman SADOVSKY 233.51 118.52 83.30 -1.53 24.66 11.56
10 Liam KAPEIKIS 226.75 110.56 81.08 -0.06 23.04 12.13
11 Yudong CHEN 223.68 106.15 87.90 0.85 19.32 11.46
12 Wesley CHIU 220.31 103.98 84.74 0.54 20.64 11.41
13 Zhiming PENG 217.34 97.06 90.94 8.87 13.43 8.04
14 Aleksa RAKIC 213.18 100.63 86.33 -6.62 21.01 11.83
15 Donovan CARRILLO 213.05 109.47 74.15 -6.26 23.03 13.66
16 Jaekeun LEE 211.22 107.99 72.01 1.29 18.98 11.95
17 Hyungyeom KIM 208.92 100.35 85.98 -8.09 20.49 11.19
18 Yu-Hsiang LI 198.27 93.93 69.43 1.31 22.50 11.10
19 Douglas GERBER 189.06 88.76 70.83 0.37 19.39 9.71
20 Dias JIRENBAYEV 185.43 95.36 65.62 -1.99 16.28 10.16
21 Oleg MELNIKOV 164.34 79.34 72.14 -13.63 19.47 10.02
22 Jarvis HO 162.23 80.14 63.82 -5.96 15.74 8.49
23 Ze Zeng FANG 149.55 76.90 54.79 -5.47 16.01 9.32
24 Paolo BORROMEO 136.15 74.38 52.75 -14.38 15.23 10.17

PCSはチャジュンファン選手が1位です。その下に三浦選手、友野選手、山本選手と続きます。技術点ならシャイドロフ選手が1位で三浦選手、山本選手が続く形でした。

ジャンプの基礎点はシャイドロフ選手が1位で三浦選手も僅差、2人が100点超えです。友野選手は99点台まで出しました。加点は山本選手が1位。チャジュンファン選手が2位、ボーヤンジン選手、シャイドロフ選手までが二桁加点を得ました。

スピンはサドフスキー選手が1位です。スピンは得意で26点台まで出す選手なので24.66は普通です。チャジュンファン選手も24点台を出しています。山本選手が23.60で3番目でした。三浦選手は20.76 調子が上がってきても、スピンが苦手なところはあまり変わっていません。

ステップ系要素は15.57のチャジュンファン選手が1位。このあたりはさすがです。14.78で友野選手が2番目でした。3番目は総合15位のドノバンカリーヨ選手で13.66となっています。三浦選手はショートフリー共にステップレベル3で12.48 スピンステップで稼げないところが、メダル争いで痛点にならなければいいなあ、と思います。

 

昨年、男女シングルで日本勢の表彰台がいなかった、というのをもはや忘れてしまうような男女の結果でした。オリンピックシーズンの4大陸選手権は、もっと印象薄くなるものだったような覚えがありますが、今回は青木選手のインパクトが強すぎて、非常に印象に残る大会になりました。

日本からはペアの長岡/森口組が3位表彰台でチャンピオンシップ初メダルを持ってオリンピックへ進みます。フリーはスロージャンプ2つにデススパイラル、さらに最後のコレオもミスったかな? と割と散々ぽろぽろやっていた印象だったのですが、それでも表彰台に残りました。逆説的に、地力が付くってこういうことか、と思わされたりもしました。

アイスダンスの吉田/森田組は7位。フリーはシーズンベスト更新。団体戦の鍵になる選手、調子が上がってきているでしょうか。

 

これでオリンピック前の大きな試合は終了。B級大会はあるにはありますが、代表選手はまあ出てこないでしょう。いよいよ、本番が近づいています。