世界選手権26 男子シングルレビュー1

前回まで女子シングルの振り返りをしていましたが今回からは男子シングルです。

女子の時と同じ流れで進みます。

 

○総合上位6選手のショートプログラム構成

  Ilia MALININ Yuma KAGIYAMA Shun SATO Stephen GOGOLEV Adam SIAO HIM FA Aleksandr SELEVKO
1 4F 4T+3T 4Lzq 4T+3T 4T+3T 4T
2 3A 4S 4T+3T 4S 3A 3A
3 CCSp4 CCSp4 CSSp4 CCoSp4 4S FSSp4
4 4Lz+3T 1A<<* FCSp4 3A FCSp4 3Lz+3T
5 FSSp4 FSSp4 3A FCSp4 CCoSp4 StSq4
6 StSq4 StSq4 StSq3 StSq4 StSq4 CCSp4
7 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4 CSSp4 CSSp4 CCoSp4
Base 49.87 37.00 47.00 45.80 45.00 42.21
GOE 15.18 12.07 5.66 8.10 11.18 10.79
PCS 46.24 45.73 43.18 40.48 45.67 43.49
Total 111.29 93.80 95.84 94.38 101.85 96.49
AvGOE 3.175 3.630 1.889 2.016 2.873 2.794

上位6選手は当然4回転を飛んできます、ルッツとフリップがマリニン選手、ルッツとトーループが佐藤駿選手、サルコウとトーループが鍵山選手、ゴゴレフ選手、アダムシャオイムファ選手、セレフコ選手はトーループ1本です。鍵山選手はトリプルアクセルが抜けてしまって基礎点が低くなります。セレフコ選手は4回転が1本な分基礎点が低いです。アダムシャオイムファ選手は3つ目のジャンプの4回転サルコウも後半扱いになっておらず、1.1倍要素無しでした。

6選手中5選手はスピンステップオールレベル4 佐藤選手のみ、ステップがレベル3でした。

加点はマリニン選手が15点台と大きく稼ぎましたが、アダムシャオイムファ選手、セレフコ選手とショートの上位3人は二桁です。鍵山選手も加点二桁ですがトリプルアクセルが痛すぎました。こうやって見ると佐藤駿選手は今一つ加点を稼げなかったと見えます。

PCSもマリニン選手が1位。鍵山選手とアダムシャオイムファ選手までが9点平均超えです。ゴゴレフ選手はここがちょっと低い評価を受けました。

各要素全体の平均GOEを見ています。鍵山選手はアクセルの抜けがノーカウントなので、6つの要素の合計を6要素×9人のジャッジ=54で割った値で、他の選手は7×9=63で割った値です。アクセル抜けがノーカウントではあるのですが、鍵山選手が+3台後半という非常に高い評価です。これがアクセル抜けてもフリー最終グループに残った要因ですし、逆にアクセルもったいなさ過ぎたとも言えます。マリニン選手も+3を超えました。

 

○総合7~12位の選手のショートプログラム構成

  Kevin AYMOZ Daniel GRASSL Lukas BRITSCHGI Andrew TORGASHEV Nika EGADZE Jacob SANCHEZ
1 4T+2T 4Lzq+3T 4T+2T 4T 4S 3A
2 3Lz 4Loq 3A 3A 4T+3T 3F
3 CCSp4 3A CSSp4 CCSp3 FCSp4 CCSp4
4 3A FSSp4 3Lz 3F+3T 3A 3Lz+3T
5 FSSp4 StSq4 FCSp4 FSSp3 CSSp4 FSSp4
6 StSq3 CCSp4 StSq4 StSq3 StSq3 StSq4
7 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4
Base 38.50 48.60 38.89 40.15 45.20 38.01
GOE 3.53 0.08 7.42 8.12 -3.78 7.64
PCS 42.71 39.85 41.99 40.80 38.42 39.50
Total 84.74 88.53 88.30 89.07 78.84 85.15
AvGOE 1.238 1.079 2.286 2.460 -0.048 2.206

このあたりの領域の選手は4回転が減ってきます。ルッツとループのグラスル選手、サルコウとトーループのエガゼ選手、トーループ1本がエイモズ選手、ブリッチギー選手、トルガシェフ選手、4回転無しのサンチェス選手です。エイモズ選手とブリッチギー選手はセカンドジャンプが2回転になって基礎点伸びませんでした。4回転1本で、コンビネーションが4-2になると、4回転無しで3-3をしっかり決める選手と基礎点がほとんど変わらなくなります。グラスル選手、ブリッチギー選手、サンチェス選手はスピンステップオールレベル4でした。

加点はトルガシェフ選手、サンチェス選手、ブリッチギー選手が一桁後半あります。グラスル選手はほぼプラスマイナスゼロ、エガーゼ選手はマイナスが付きました。

PCSはエイモズ選手がやはり高く、ブリッチギー選手、トルガシェフ選手までが8点平均を超えています。

全体の評価の平均はトルガシェフ選手が+2台中盤まであって、ブリッチギー選手とサンチェス選手は2台あります。エガーゼ選手は全体の平均でもマイナスでした。

 

○総合上位6選手のフリーの構成

  Ilia MALININ Yuma KAGIYAMA Shun SATO Stephen GOGOLEV Adam SIAO HIM FA Aleksandr SELEVKO
1 4F 4S 4Lz 4S 4T 4Lz<
2 3A 4T+3T 3A+1Eu+3S 4T 4Lz< 4T
3 4Lz 3Lz 4T+3T 4S+3T 4T+2T 3A+2T
4 3F 3A+1Eu+3S FCSp4 ChSq1 2S+1Eu+3S 3Aq
5 CCSp4 FCSSp4 4T 3A+1Eu+3S 3A+2A CCSp4
6 StSq3 4T 3A+2A CCoSp4 3A 3F!+3T
7 4Lzq+1Eu+3S 3F+3Lo 3Lo 3F+3A StSq4 3Lz
8 4T+3T 3A 3Lz 3Lz 3Lz 3F!+2A+2A
9 4S+2A CCoSp4 CSSp4 3Lo CCoSp4 FSSp4
10 ChSq1 ChSq1 StSq3 FCSp4 FCCoSp4 StSq4
11 FSSp4 StSq4 ChSq1 StSq4 ChSq1 ChSq1
12 CCoSp4 FCCoSp4 CCoSp4 FCCoSp4 CSSp4 CCoSp4
Base 99.10 89.47 87.81 89.51 79.09 82.63
GOE 23.97 26.83 18.31 13.89 4.58 7.15
PCS 95.04 96.57 86.58 83.26 87.04 85.15
Total 218.11 212.87 192.70 186.66 169.71 173.93
AvGOE 3.074 3.537 2.435 1.88 1.324 1.546

4回転をマリニン選手は4種類5本、アダムシャオイムファ選手は3種類4本飛ぼうとして3本、佐藤駿選手、鍵山選手、ゴゴレフ選手は2種類3本、セレフコ選手は1種類2本です。マリニン選手はトリプルアクセルが1本だったこともあり、今回は基礎点が100点を下回りました。鍵山選手はセカンドループ、ゴゴレフ選手はセカンドトリプルアクセルを入れることで、ダブルアクセルを構成に入れず、4回転3本、トリプルアクセル2本、ノーマル3回転5本という構成です。佐藤選手は4回転3本、トリプルアクセル2本、ノーマル3回転4本にダブルアクセル1本となって、結果的に4回転はルッツが入っているけれど基礎点は鍵山選手やゴゴレフ選手を下回る、という形になりました。ダブルアクセルとトリプルフリップの差により、4回転ルッツと4回転サルコウの差を補っている形です。

加点は鍵山選手が+26.83と大きく稼ぎました。自己最高の加点です。マリニン選手は23.97とやはり高いですが、本人比では今回はややおとなしかったです。佐藤選手は+18.31 これも高い加点ですが、オリンピック団体戦では+21.40ありましたのでそれと比べれはほどほどではありました。

PCSは鍵山選手がフリーはマリニン選手を上回りましたが2人とも9点台後半の平均となっています。

全要素平均では鍵山選手が+3.537 +3台後半という驚異的な評価を受けています。マリニン選手の+3.074でも十分高いです。1つの要素で+3をもらうだけでも大変なのに、12の要素平均で+3を超えていくわけですから、凄まじい出来栄えです。

 

○総合7~12位の選手のフリーの構成

  Kevin AYMOZ Daniel GRASSL Lukas BRITSCHGI Andrew TORGASHEV Nika EGADZE Jacob SANCHEZ
1 4T+3T 4Lzq 4T 4Tq 4Lz 3A+3T
2 4Tq 4Lo< 3T+3T 2T 4T 1A
3 3A+2A 2S 3A+2A+2A 3Lo 4S<+3T 3Lz
4 3Lo 3Aq+3T 3Lo 3A 3A 3Lo
5 FCCoSp4 ChSq1 CCoSp4 CCSp4 FCSp3 FCCoSp4
6 StSq4 3A+2A+2A CSSp4 StSq4 4S CCoSp3
7 3A+1Eu+3S 3Lz+3T 3A 3A+2A 3F+3T StSq3
8 3F! CSSp4 3Lz+2T 3Lz+1Eu+3S 3Lz+2A+2A FSSp4
9 3Lz StSq4 3F! 3F+1T CSSp4 3F+2T
10 CCSp4 3Lo StSq4 FSSp3 StSq3 3Lz+2A+2A
11 CCoSp4 CCoSp4 FCCoSp4 ChSq1 ChSq1 3S
12 ChSq1 FCCoSp4 ChSq1 CCoSp4 CCoSp4 ChSq1
Base 82.90 82.86 76.85 70.37 91.43 65.64
GOE 12.22 3.50 3.40 8.15 3.29 11.03
PCS 90.27 80.05 84.35 81.82 75.06 79.92
Total 184.39 166.41 163.60 160.34 169.78 156.59
AvGOE 2.269 1.111 1.222 1.685 0.815 1.972

4回転をエガーゼ選手が3種類4本、グラスル選手は3種類3本飛ぼうとして2本、エイモズ選手は1種類2本、ブリッチギー選手とトルガシェフ選手は1種類2本予定が1本、サンチェス選手は4回転無しです。4回転本数順に基礎点はほぼ並びました。エガーゼ選手は上位に入った鍵山選手やゴゴレフ選手などを上回り、基礎点としては全体2番目になっています。エイモズ選手、グラスル選手、ブリッチギー選手はスピンステップオールレベル4でした。

加点はエイモズ選手とサンチェス選手が二桁もらいました。トルガシェフ選手も一桁後半あります。グラスル選手、ブリッチギー選手、エガーゼ選手の3人は3点台。ちょっと今回はうまくいかなかったようです。

PCSはエイモズ選手が90点に届きました。全体3位のPCSです。エガーゼ選手は75点台にとどまります。4回転の本数はあるのですが、PCSでこれだけ上位と差が付くと苦しいです。

全要素平均はエイモズ選手が+2台と高評価です。サンチェス選手も構成が弱いので高い点にはなりませんでしたが、このあたりの選手の中では+2に近い平均評価というのは、出来が良かったと言えそうです。

 

次回へ続きます