23-24 上薗恋奈

2010年6月7日生まれ

ジュニア1ーズン目

シーズン獲得賞金:$12,500

世界ランキング:68位

シーズンランキング:27位

シーズンベストスコア 196.46(18位) ジュニアグランプリファイナル

ショートプログラムシーズンベスト 67.87 ジュニアグランプリファイナル

フリーシーズンベスト 132.74 世界ジュニア選手権

スピンレベル4率 42/54 = 77.8%(国際大会19/24 = 79.2%)

ステップレベル4率 4/10 = 40.0%(国際大会2/4 = 50.0%)

スピンオールレベル4 2/8(国際大会2/4)

スピンステップオールレベル4 1/8(国際大会 1/4)

ジャンプ回転不足率 2/90 = 2.22%(国際大会 0/40 = 0.00%)

ジャンプ回転不足なし 6/8(国際大会4/4)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 1/8(国際大会1/4)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL 木下トロフィー 2 183.91 62.26 121.65
DL 西日本中小学生競技会 2 121.20   121.20
JGP JGP Istanbul 2 187.71 63.64 124.07
JGP JGP Gdansk 1 192.31 64.85 127.46
RT 西日本選手権 4 183.36 63.09 120.27
NJ 全日本ジュニア 3 186.51 60.95 125.56
DL 愛知県代表選考会 2 65.96 65.96  
JGPF Junior Grand Prix Final 3 196.46 67.87 128.59
NC 全日本選手権 4 200.69 66.22 134.47
WJ World Junior 3 194.70 61.96 132.74

昨季の全日本ノービスチャンピオン、今期からジュニアに上がってきた上薗恋奈選手。今期の期待の新人枠です。

初戦は木下トロフィー。木下グループの豪華メンバーを相手に2位表彰台。ショートフリー通じて全要素プラス評価。いきなり180点台に乗せてジュニアの中でも十分戦えることを示します。翌週には西日本中小学生に出て2週続けてフリー120点台を出します。

国際大会デビューはジュニアグランプリ3戦目のイスタンブールになります。若い順ということでもないと思うのですが、まさかの1番滑走。そんな緊張のデビュー戦ですがきっちり全要素プラス評価。どこからリンクを出るのかわからないというアクシデントもありつつ4位発進となります。上にいるのは韓国勢2人と中井亜美選手という日韓フリー決戦。その上位4人の中で最初に出てきたフリーはほぼノーミスで124.07まで出してトータル187.71 最終的に2位表彰台。上々の国際大会デビュー戦となりました。

次戦はジュニアグランプリ6戦目のグダンスク。2位以内ならファイナル確定という試合です。ショートはスピンステップオールレベル4で64.85を出して2位に付けます。首位とは4.11差。このまま2位でもファイナルですが、せっかくなので優勝したい、そんなフリー。ショートの1位3位の二人を残しての登場。これをコンビネーションでqを取られたくらいでスピンオールレベル4、大きなミスなく滑って127.46まで出しトータル192.31と190点台に乗せます。最終的にこのまま1位に残って優勝。国際大会初制覇でファイナル進出を決めました。

 

日本勢はここから国内戦。中部ブロックは免除ですが西日本選手権は出ないと先へ進めません。なんならジュニアグランプリよりレベルの高い西日本ジュニア。ルッツを1つミスしたくらいで183.36は出したのですがそれでも4位。表彰台に届きません。

続いて全日本ジュニア。このショートでルッツ転倒。このショートは中井選手14位、島田選手4位とジュニアグランプリファイナル組が総崩れという大波乱の中、上薗選手は60.95で6位でフリーへ進みます。9位まで60点以上という混戦模様、フリー次第で全日本に進めない可能性ある、という展開ですが最終グループの1番滑走で出てくると、ここの所決まっていなかったルッツもしっかり決め、マイナス要素無しのいい滑りを見せて125.56を出しトータル186.51 5人を残して首位に立ち全日本進出を確定的にします。最終順位は3位。昨季のノービスからの推薦出場で13位だったところから大きく順位を上げました。

 

12月は愛知県のローカル試合を滑ってすぐにジュニアグランプリファイナルへ。今期も日韓3vs3決戦。ショートは3番滑走、日本勢の1番手として出てきます。全要素全ジャッジプラス評価のスピンステップオールレベル4 ここで最高の滑りを見せて67.87とパーソナルベストを出します。それでも届かない上2人がいますがそれでも表彰台圏内の3位。フリーも全要素プラス評価で128.59とパーソナルベストを出してトータル196.46 首位に立って残り2人を待ち表彰台確定。結局3位でしたがファイナルのメダルを獲得。チームLYSに初めての大きめなメダルを持ち帰ることに成功しました。

 

続いて全日本。世界ジュニア代表権が懸かる試合ですが今季の実績からすれば順当にいけば選ばれるだろうという立場です。ショートはジュニアルールの通常時と同じ構成でまたも全要素全ジャッジプラス評価で66.22 6位と最終グループ入りして折り返します。ショートの展開から世界ジュニアはすでに当確模様、あとはどこまで行けるかというフリー。これもノーミス。シニアルールながら134.47と初の130点台に乗せてトータルも200.69と200点到達。最終順位は4位。当然のように新人賞をもらい、世界ジュニアの代表に選出されました。

 

通常ならこの後全中に出ると予想されていたのですが怪我があった模様で欠場。全日本から3月の世界ジュニアへ直行という少し心配なスケジュールとなります。試合勘の欠如などいくらか影響もあったでしょうか、珍しくコンビネーションで転倒して61.96と8位。最終グループに入れませんが、3位とは4.65差。何とか射程圏。フリーは第3グループ最終滑走で出てきてまたも全要素全ジャッジプラス評価を出して132.74パーソナルベスト。トータル194.70で首位に立ち最終グループを待ちます。結果、3位表彰台。ジュニアグランプリファイナルと同じ上位3選手となり、同じ銅メダル獲得。チームLYSに初のチャンピオンシップメダルを持ち帰ることが出来ました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
木下トロフィー 183.91 101.57 82.34 65.29 7.41 20.47 8.40
西日本中小学生競技会 121.20 63.34 57.86 46.00 3.06 10.28 4.00
JGP Istanbul 187.71 101.70 86.01 65.29 7.32 21.50 7.59
JGP Gdansk 192.31 103.83 88.48 65.29 6.27 22.77 9.50
西日本選手権 183.36 94.15 89.21 60.65 3.02 21.59 8.89
全日本ジュニア 186.51 101.24 86.27 64.90 4.68 22.19 9.47
愛知県代表選考会 65.96 37.84 28.12 19.29 1.75 11.73 5.07
Junior Grand Prix Final 196.46 107.41 89.05 66.20 9.69 22.49 9.03
全日本選手権 200.69 109.81 90.88 66.20 9.12 22.14 12.35
World Junior 194.70 106.29 89.41 66.20 8.12 22.98 8.99

技術点は西日本だけ90点台ですが他は100点台です。ジュニアグランプリファイナルでの107.41がジュニアルールの最高でした。ジュニアの中で今季3位、全選手中11位にあたります。PCSは80点台。世界ジュニアで89.41 1項目平均7.5弱といったところです。ジュニアの中で5位のスコアでした。技術点順位の方がPCS順位よりも高くなっています。

ジャンプの基礎点は66.20が3試合あります。加点の方はジュニアグランプリファイナルの9.69が最高。これはシニアジュニア通じて今季4位にあたります。1試合だけ高めの加点を得る、という選手はそれなりにいますが、上薗選手はコンスタントに一桁後半は稼いでいました。そこが強いです。

スピンは22点台まで。世界ジュニアで22.98まで出しました。スピンはレベル4率が8割弱で、まだ、レベル4が当たり前というところまでは行っていません。

ステップ系要素はジュニアグランプリのグダンスクで9.50というのが最高です。これはジュニア全体の中で今季8位でした。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
木下トロフィー 59.34 64.87 70.80 50.85 56.47 52.24
JGP Istanbul 60.74 64.87 70.61 55.00 48.38 55.26
JGP Gdansk 62.43 64.87 68.46 60.12 66.76 57.30
西日本選手権 59.14 59.91 61.80 55.36 59.95 57.90
全日本ジュニア 60.30 64.46 65.20 57.78 66.62 55.48
Junior Grand Prix Final 63.96 65.84 75.47 58.99 62.84 57.77
全日本選手権 65.52 65.84 74.30 57.58 55.88 59.28
World Junior 63.31 65.84 72.25 60.97 60.00 58.06

偏差値で見るとトータルスコアは60前後になります。シニアルールの全日本は65.52相当となりました。

ジャンプの基礎点も60台中盤。一方で加点の方は70台が標準で、70台中盤まで出します。基礎点よりも加点で稼ぐスタイルです。

スピンは50台後半が標準で、いい時には60にのる程度。ステップ系要素はジュニア補正なのでばらつきが大きいですが60くらいが標準でしょうか。

PCSはまだ50台。60に届いていません。

しっかりしたジャンプ構成で大きな加点を獲る、他の要素はこれから、というところのようです。

 

上薗恋奈選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャートは右下が飛び出しています。ジャンプの加点を安定して稼げるのは強いです。左側はまだあまり伸びていません。ステップはジュニア補正懸かるのであまり参考にならない。PCSはまだジュニアということで伸びてこない。今のところジャンプで稼ぐ構図になっています。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○ジュニアグランプリファイナル ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.90 4.20 2.667
2 3F+3T   9.50   1.06 10.56 2.111
3 LSp4   2.70   0.62 3.32 2.333
4 3Lz   6.49 x 1.35 7.84 2.333
5 FSSp4   3.00   0.73 3.73 2.333
6 StSq4   3.90   0.84 4.74 2.111
7 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
  TES   32.39   6.40 38.79  

ショートプログラムの最高基礎点は32.39でした。これはジュニアの上位は今シーズンはみんなこの基礎点になる、というような構成です。島田選手、シンジア選手、どちらもこの32.39でした。ジュニアでは単独ジャンプは強制ルッツ。アクセルも強制ダブル。コンビネーションは跳べるならフリップから。その上でスピンステップオールレベル4取るとこうなります。セカンドループ持ってきて基礎点を1.00上げるか、コンビネーションを後半に持ってくるか。基礎点上げるにはそれくらいしか選択肢はありません。

上薗選手は全要素で+2台という評価をこのショートでは受けました。安定して高い評価、ということになっています。

 

○世界ジュニア フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000
2 3Lo   4.90   1.05 5.95 2.222
3 3F+2T   6.60   1.06 7.66 2.000
4 3S   4.30   0.86 5.16 2.000
5 FSSp4   3.00   0.64 3.64 2.222
6 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 2.778
7 3F   5.83 x 1.36 7.19 2.667
8 2A+2A+2T+SEQ   8.69 x 0.71 9.40 2.111
9 LSp4   2.70   0.69 3.39 2.556
10 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.444
11 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.778
  TES   59.11   12.62 71.73  

フリーは59.11の基礎点がありました。シニアルールの全日本は62.41 このジュニアルールにステップレベル3を加えたものになっています。

2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。スピンステップオールレベル4です。ただスピンはオールレベル4で基礎点9.20 組み合わせ次第で10.00まで出せるのですが、レイバックスピンがある分基礎点下がります。

ルッツフリップ2本立ては強いのですが、1.1倍部分がやや弱いように見えます。シニアルールノーミス基礎点63.01になるわけですが、スピンの1.1倍の改良で64点台まで基礎点を上げることは可能です。それ以上上げるにはトリプルアクセルの投入が求められます。22年に1度だけ試合で試してダウグレードだったトリプルアクセル。現在練習中との話は聞きますが、それを投入できると、島田麻央選手と勝負できる領域になって行けそうです。

 

○平均GOE2.600以上(国際大会と全日本より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
World Junior FS 10 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.444
JGP Gdansk SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
World Junior FS 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000
JGP Gdansk FS 10 ChSq1   3.00   1.43 4.43 3.000
JGP Istanbul FS 11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.889
JGP Istanbul FS 1 3Lz+3T+2T   11.40   1.77 13.17 2.889
World Junior SP 1 2A   3.30   0.94 4.24 2.889
全日本ジュニア SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.857
全日本ジュニア SP 3 LSp3   2.40   0.72 3.12 2.857
World Junior SP 6 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.778
World Junior FS 6 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 2.778
World Junior FS 11 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.778
JGP Gdansk FS 1 3Lz+3T+2T   11.40   1.69 13.09 2.778
全日本ジュニア FS 11 CCoSp4   3.50   0.98 4.48 2.714
全日本ジュニア FS 10 ChSq1   3.00   1.40 4.40 2.714
全日本ジュニア SP 7 CCoSp4   3.50   0.91 4.41 2.714
全日本ジュニア FS 1 3Lz+3T   10.10   1.65 11.75 2.714
Junior Grand Prix Final SP 1 2A   3.30   0.90 4.20 2.667
Junior Grand Prix Final FS 10 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.667
JGP Gdansk FS 11 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.667
JGP Gdansk FS 5 FSSp4   3.00   0.81 3.81 2.667
World Junior FS 7 3F   5.83 x 1.36 7.19 2.667
JGP Istanbul FS 9 LSp3   2.40   0.65 3.05 2.667

各要素の評価は+2台が多く+3台まで出したのはコレオで2回とステップ1回、コンビネーションジャンプで1回までです。突出した要素はないけれど全体的に良い評価を得る、という選手です。

コレオは得意要素となっています。今期の日本勢では宮原知子さんを除くと坂本花織選手に次いで2位タイの評価です。

世界ジュニアでは3Lz+3Tで+3.000をもらっています。セカンド3回転のコンビネーションで+3.000というのは今期全選手中6位タイ、3Lz+3Tとしては全体2位タイでした。ジュニアグランプリシリーズで3連続ジャンプで+2.889をもらっています。これは今期の3連続として全選手中4位。ジュニアの中で1位です。また3回転のジャンプからの3連続として2位、トリプルルッツ起点の3連続として1位の評価でもあります。

スピンは多くの選手が高い加点を得る要素なのですが、上薗選手は+3以上の評価がありません。あまり得意ではない要素、という位置付けになるかと思います。スピンの中では足替えのコンビネーションスピンが評価が高いです。レイバックスピンはそれほど評価が高いわけでもなくレベル3も目立ちます。基礎点も高くありませんし、フリーでは別のスピンを入れた方がいいのかもしれません。

 

○3回転-3回転を含む要素(国際大会+全日本)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
JGP Istanbul SP 2 3F+3T   9.50   0.76 10.26 1.444
JGP Istanbul FS 1 3Lz+3T+2T   11.40   1.77 13.17 2.889
JGP Istanbul FS 7 3F!+3T ! 10.45 x 0.08 10.53 0.222
JGP Gdansk SP 2 3F+3Tq q 9.50   -0.61 8.89 -1.111
JGP Gdansk FS 1 3Lz+3T+2T   11.40   1.69 13.09 2.778
JGP Gdansk FS 7 3Fq+3Tq q 10.45 x -1.29 9.16 -2.333
全日本ジュニア SP 2 3F+3T   9.50   1.06 10.56 2.000
全日本ジュニア FS 1 3Lz+3T   10.10   1.65 11.75 2.714
Junior Grand Prix Final SP 2 3F+3T   9.50   1.06 10.56 2.111
Junior Grand Prix Final FS 1 3Lz+3T   10.10   1.26 11.36 2.111
全日本選手権 SP 2 3F+3T   9.50   0.83 10.33 1.556
全日本選手権 FS 1 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
World Junior SP 2 3F+3T F 9.50   -2.50 7.00 -4.667
World Junior FS 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000

コンビネーションはショートではフリップから、フリーではシーズン序盤はルッツから3連続で冒頭に飛び、後半にフリップからの3-3も入りました。シーズン後半は冒頭ルッツからの2連続です

フリップからの3-3は8回飛んで転倒1回、GOEマイナスが2回で成功ジャンプは5回です。ルッツからは3連続含め6回飛んですべてGOEプラスになりました。このルッツからのコンビネーションの成功率の高さがフリーの高いスコアを支えていました。来期、ジュニアのショートは単独ルッツ縛りではなくなるので、ショートから3Lz+3Tを入れて高評価、高加点を得ていくことが予想されます。

 

○3連続の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
木下トロフィー FS 1 3Lz+3T+2T   11.40   1.38 12.78 2.400
西日本中小学生競技会 FS 1 3Lzq+3T+2T q 11.40   -0.20 11.20 -0.400
JGP Istanbul FS 1 3Lz+3T+2T   11.40   1.77 13.17 2.889
JGP Gdansk FS 1 3Lz+3T+2T   11.40   1.69 13.09 2.778
西日本選手権 FS 1 3Lz+3T+2T   11.40   1.77 13.17 3.000
全日本ジュニア FS 8 2A+2A+2T+SEQ   8.69 X 0.66 9.35 2.000
Junior Grand Prix Final FS 8 2A+2A+2T+SEQ   8.69 x 0.66 9.35 2.111
全日本選手権 FS 10 2A+2A+2T+SEQ   8.69 X 0.80 9.49 2.333
World Junior FS 8 2A+2A+2T+SEQ   8.69 x 0.71 9.40 2.111

3連続はシーズン前半はルッツからの3-3-2を冒頭に。中盤以降は後半にダブルアクセル2つを入れるものに変えてきました。3連続の難易度は下がっていますが、これは難易度を下げる目的ではなくて、2回飛ぶジャンプをルッツとトーループから、ルッツとフリップへ変えつつ、シークエンスでアクセルを使えるようにしたことに伴ってこうなった、というようにとらえた方がよさそうです。

9試合で9本入れてGOEマイナスは1回だけ。3連続はトップ選手でもGOEは伸びない選手が多いのですが、1度のマイナス以外はすべて+2.000以上を出しています。これも驚異的な成功率、安定感です。

 

○回転不足で基礎点が減点された要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
西日本選手権 FS 6 2Lz< 1.85 X -0.84 1.01 -5.000
全日本ジュニア SP 4 3Lz< <  F 5.19 X -2.36 2.83 -5.000

上薗選手はジャンプのミスが少ないです。これは若い選手に多い特徴ではあるのですが、今期はシーズン通じてジャンプで基礎点を削られたのが2本しかありません。載せていませんが、転倒もこの全日本ジュニアの他世界ジュニアでもう1つあるだけ。この安定感が今の武器。このままの安定感をシニアに上がるまで保っていけるでしょうか。

この西日本選手権から全日本ジュニアのあたりが今季一番点が伸びなかったのですが、大得意のはずのルッツでこのように苦しんだあたりがその要因だったのかと思われます。

 

今シーズンのジュニアデビュー組の中では最高の成績を示したのが上薗恋奈選手でした。島田麻央選手、シンジア選手が目立ちすぎたジュニアですが、ジュニアグランプリファイナルも世界ジュニアも3位。素晴らしい戦績です。島田選手を倒すのは先輩たちではなく年下からなのか。コンビネーションジャンプの加点は島田選手の上を行きます。練習中というトリプルアクセルを習得すれば、チャンスが出てきそうです。