23-24 ニーナピンツァローネ

2006年11月24日生まれ

シニア2シーズン目

シーズン獲得賞金:$39,000

世界ランキング:14位

シーズンランキング:7位

シーズンベストスコア 202.29(12位) ヨーロッパ選手権

ショートプログラムシーズンベスト 69.70 ヨーロッパ選手権

フリーシーズンベスト 133.06 グランプリフランス

スピンレベル4率 43/48 = 89.6%(国際大会:38/42 = 90.5%)

ステップレベル4率 7/16 = 43.8%(国際大会:5/14 = 35.7%)

スピンオールレベル4 3/8(国際大会:3/7)

スピンステップオールレベル4 1/8(国際大会:1/7)

ジャンプ回転不足率 11/80 = 13.8%(国際大会:11/70 = 15.7%)

ジャンプ回転不足なし 4/8(国際大会:3/7)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 1/8(国際大会:1/7)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS Lombardia Trophy 9 155.43 47.41 108.02
IC Shanghai Trophy 4 181.06 59.21 121.85
GP Grand Prix de France 2 198.80 65.74 133.06
NC Belgian Championships 1 196.63 66.65 129.98
GP NHK Trophy 3 194.66 63.44 131.22
GPF Grand Prix Final 4 194.91 66.72 128.19
EC European Championships 3 202.29 69.70 132.59
WC World Championships 15 177.46 64.04 113.42

ピンツァローネ選手は昨季ヨーロッパ選手権5位、世界選手権11位。ほぼ無名でシニアに上がってもグランプリシリーズの枠をもらえなかった選手が一気に存在感を見せ始めたというシーズンでした。今季17歳になる、レビト選手、キムチェヨン選手といったあたりとスケート年齢同期です。

初戦は9月頭にロンバルディア杯から。この試合はショートでダブルアクセル転倒、スピンでも転倒と散々なシーズン開幕。ショートで47.41 フリーも108.02と全くスコア伸びず155.43 世界ランキングのポイントももらえず終わりました。

もう1試合、上海の招待試合に出て、ここではショートフリーで合計q5つという耐える展開でしたが181.06とまずまずスコアを上げてきます。

 

グランプリシリーズ、今期は最初のエントリー発表から2試合もらっています。グランプリデビューは3戦目のフランス。レビト選手にイ・ヘイン選手がシードで、ヨーロッパチャンピオンのグバノワ選手がいて、日本からは樋口選手と住吉選手に千葉選手もいる。実績のある選手が並ぶ中ではややアウトサイダーな立ち位置かとも思われました。ショートプログラムではミスはq1つに抑えて65.74とパーソナルベストのスコアを出して4位に付けます。3位とは0.56差、2位とも0.99差。デビュー戦表彰台も見えてきた流れ。フリーはプレッシャー掛りそうな場面ですが全要素プラス評価で133.06とパーソナルベスト更新。トータル198.80も当然パーソナルベスト。最終順位は2位。デビュー戦表彰台となります。

1週空いて、ベルギーではこの11月という変な時期にナショナルがあります。ヘンドリックス選手が欠場しましたのでここは楽勝。ナショナル初制覇となります。

 

グランプリ2戦目はNHK杯で初来日。三原舞依選手がケガから回復途上ということで跳び抜けた選手がいない混戦の試合となります。表彰台でファイナルが見えるピンツァローネ選手にとっては大チャンスです。ショートプログラム。なにこれ?判定が前半に続いたのを見ての後半グループ1番滑走。ノーミスだと思うんですけど、コンビネーションにアンダーローテーション付いて63.44 僅差の勝負になっていますが2位で折り返します。フリーは後半グループ5番滑走。フリーで125.53出せれば表彰台確定、首位に立つには137.07が必要。今日の辛い判定のなか何点出せるか? 冒頭コンビネーションは<とqをもらいますが見た目には悪くない出来。後半に入って3連続でq2つ。これも厳しい判定でしたがあとはしっかり滑りました。見た目ノーミスでフリー131.22 トータル194.66 1人残して2位。最終滑走終えて順位は3位。2戦連続表彰台でファイナル進出を決めました。

 

ファイナルは当然今季初出場。ベテランの坂本選手ヘンドリックス選手、シニア2シーズン目のレビト選手、住吉選手、今期グランプリデビューの吉田選手、ピンツァローネ選手といった顔ぶれ。こういう時は新人が1人表彰台に乗る雰囲気もあります。ショートは2番滑走。見た目ノーミスだけどコンビネーションでqが付いているといういつものパターンで66.72を出して3位、表彰台圏内に付けます。2位とは6.53差でちょっと厳しい。4位との6.07差を何とか逃げ切りたいフリー。先に滑った吉田選手がトータル203.16を出していて、ピンツァローネ選手は136.55以上でそれを超えれば表彰台確定という場面です。冒頭ルッツは耐える着氷になって単独に。4本目のルッツでリカバリー3Tを付けましたがこれがアンダーローテーションでした。頑張った滑りでしたがフリーは128.19 トータル194.91 最終的に4位。表彰台には届きませんでした。

 

今シーズンはナショナル、ファイナル、大陸選手権、ワールドとすべて出た唯一の選手ということになるピンツァローネ選手。年が明けてヨーロッパ選手権に出てきます。表彰台候補の一角。ショートは33人出場の29番滑走で出てきます。これを今季最高の滑り、全要素全ジャッジプラス評価を受けて69.70 首位とは4.96差ありますが、3位に0.74差リード、4位には3.59差つけての2位に付けます。チャンピオンシップ初メダルが懸かったフリーは最終滑走を引き当てました。優勝するには143.55が必要、3位表彰台は125.03で届く。さあどこに入ってくるか? また今回も遠目にはノーミス演技でした。ジャンプの判定次第、といったところでアンダーローテーションは1つもつかなかったもののqが4つ。スコアは132.59でトータル202.29 順位は3位。チャンピオンシップ初メダルを獲得しました。

 

ワールドは表彰台争いの一角に顔を出せるかどうか、くらいの位置付け。今期の戦績はいいのですが、パーソナルベストは上位の顔ぶれの中ではやや低めです。ショートは35人中の28番滑走。コンビネーションで2つともアンダーローテーションを取られます。後は削られることなく64.04 11位スタート。ヘンドリックス選手が首位なので、このまま行けばベルギー3枠も見えてきたというフリー。第3グループ3番滑走。どうやら直前に鼻血が出たらしく、滑走までにいろいろあったようで集中力もどうだったか。冒頭ルッツで転倒。その後はしっかり降りてはいくものの回転が微妙なところが多く、結果的に転倒1、アンダーローテーション2、q2と、大きなミスにならないながらも回転に苦しんだという今季を象徴する結果となりました。フリーは113.42 トータル177.46 最終順位は15位で終わりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Lombardia Trophy 155.43 85.02 72.41 61.30 -7.06 19.16 11.62
Shanghai Trophy 181.06 97.86 84.20 65.29 -2.85 24.13 11.29
Grand Prix de France 198.80 108.88 89.92 65.29 6.15 24.31 13.13
Belgian Championships 196.63 107.30 89.33 65.29 5.89 21.48 14.64
NHK Trophy 194.66 100.82 93.84 62.93 1.77 23.70 12.42
Grand Prix Final 194.91 103.28 91.63 64.45 1.63 24.81 12.39
European Championships 202.29 107.32 94.97 65.29 1.67 25.49 14.87
World Championships 177.46 87.73 90.73 57.49 -5.59 23.79 12.04

初戦のロンバルディア杯では150点台、大丈夫なのか? と思われましたが基本的には190点台を並べます。ヨーロッパ選手権は200点に乗せ表彰台へ。しかしながら世界選手権は170点台に沈みました。

技術点は100点台後半まで出せています。グランプリシリーズで出した108.88は今期全選手中8位にあたります。

PCSの方は前半80点台だったものが中盤以降90点台に乗ってきましたが、1項目平均8点の96点にまでは少し届かず。ヨーロッパ選手権の94.97が最高です。技術点とPCSだとはっきりと技術点寄りになっています。

ジャンプの基礎点は60点台中盤。65.29が多数ありました。これくらいだと高いとは言えませんが、70点を超える選手はなかなかいませんのでこれくらい出せれば勝負になるという水準ではあります。

加点の方はグランプリシリーズで6.15まで出した試合はありましたが他はあまり伸びていません。回転が微妙なジャンプが多いこともあって、ここが伸びにくくなっていました。

スピンは24点台が多く、ヨーロッパ選手権では25.49まで出しました。今期全選手中6位、ISU公認で見れば5位の高評価です。

ステップ系要素は12点台も目立ちますがヨーロッパ選手権では14.87までは出してきました。今期全選手中5位、ISU公認なら4位の高評価になります。

ジャンプはある程度の基礎点もっているけれど、回転微妙でGOEはあまり稼げていない。スピンステップはいい時の評価はトップクラスなのだけど、PCSは意外と伸びていない、という選手です。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Lombardia Trophy 48.85 60.61 41.15 45.56 52.30 44.06
Shanghai Trophy 58.29 64.87 49.77 65.60 50.69 53.77
Grand Prix de France 64.82 64.87 68.22 66.33 59.71 58.48
Belgian Championships 64.02 64.87 67.68 54.92 67.11 58.00
NHK Trophy 63.30 62.35 59.24 63.87 56.23 61.71
Grand Prix Final 63.39 63.97 58.95 68.35 56.08 59.89
European Championships 66.11 64.87 59.04 71.09 68.24 62.64
World Championships 56.97 56.54 44.16 64.23 54.36 59.15

トータルスコアは60台中盤の偏差値です。

ジャンプの基礎点も60台中盤。一方、加点の方は60台後半まで出せた試合もありますが、基本的には50台以下、平均の50を割っている試合も複数あります。

スピンはたまにノーバリューの零点が出て偏差値的に非常に低くなることもありますが60台中盤が標準で、いい時には70超えました。

ステップ系要素は50台後半が標準で60台後半まで出たこともあります。レベル4率が50%を切るので、どうしてもばらつきが大きくなります。

PCSは60前後です。

持っている能力としてはバランス型のようですが、割とミスが多くばらつく、というように見えます。

 

ニーナピンツァローネ要素別偏差値レーダーチャート 23-24

レーダーチャートで表すと、どの要素もばらつきが大きくよくわからないことになっていますが、それぞれの一番いいところを繋ぐとすごいことになります。ただ、なかなかそれは出来ないわけですが。

左下と右下のばらつきが大きく見えます。

 

●シーズン最高の基礎点構成

ヨーロッパ選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   0.93 11.03 1.556
2 2A   3.30   0.71 4.01 2.111
3 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.444
4 3Lo   5.39 x 0.91 6.30 1.889
5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
6 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.556
7 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.778
  TES   32.09   6.83 38.92  

ショートプログラムの最高基礎点は32.09でした。コンビネーションは最初に入れてルッツから。単独ジャンプはループを選択し1.1倍に入れています。スピンステップオールレベル4で32.09です。

今期はショートでトリプルアクセルを入れて基礎点を伸ばしたのは1人だけ。それを除くとISU公認では33.01が最高基礎点ですので、そことの基礎点差は0.92です。32.09はそれほど高い基礎点なわけではないですが、これだけ持っていればあとは出来栄え勝負ができます。

 

ヨーロッパ選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lzq+3T q 10.10   -0.42 9.68 -0.778
2 3Fq q 5.30   -0.53 4.77 -1.111
3 3S   4.30   0.92 5.22 2.111
4 3Lzq q 5.90   -0.67 5.23 -1.111
5 FCCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
6 3Loq+2A+2T+SEQ q 10.45 x -0.84 9.61 -1.667
7 3Lo+2T   6.82 x 0.42 7.24 0.889
8 2A   3.63 x 0.24 3.87 0.778
9 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.111
10 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.556
11 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.778
12 LSp4   2.70   1.23 3.93 4.556
  TES   63.10   5.30 68.40  

フリーの基礎点は63.10がありました。2回飛ぶジャンプはルッツとループ。シークエンスアクセルもしっかり使い、セカンド3回転も1つは入ります。スピンステップオールレベル4で63.10です。これは今期全選手中12位、ISU公認では11位にあたります。ここから基礎点上げるには、1.1倍に単独ダブルアクセルがいるので、これを単独ルッツあたりに変えれば0.26基礎点を上げることができるなど、1.1倍のところを補強する手はあります。後はループ2回をフリップ2回に変えた方が基礎点はあがりますが、そこは得意不得意の違いが結構大きいと思いますので得策かどうか。

この63.10というのは高難度ジャンプ無しの中ではかなり高めな基礎点に来ていますので、組み合わせで基礎点上げていくことを考えるよりは、qをなくす、という中身の方に力を注ぐ方が好ましいということなのだろうと思われます。

 

○平均GOE3.000以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
European Championships FS 12 LSp4   2.70   1.23 3.93 4.556
Belgian Championships SP 7 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.000
NHK Trophy FS 12 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
Grand Prix Final SP 7 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.778
World Championships SP 7 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.778
European Championships SP 7 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.778
Grand Prix Final FS 12 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.667
European Championships FS 10 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.556
European Championships SP 6 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.556
Grand Prix de France FS 12 LSp4   2.70   0.93 3.63 3.444
Shanghai Trophy SP 7 LSp3   2.40   0.82 3.22 3.400
NHK Trophy SP 7 LSp4   2.70   0.93 3.63 3.333
World Championships FS 12 LSp4   2.70   0.89 3.59 3.222
NHK Trophy FS 9 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.222
Lombardia Trophy FS 12 LSp4   2.70   0.86 3.56 3.143
European Championships FS 9 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.111
European Championships SP 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Grand Prix Final SP 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Belgian Championships SP 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Grand Prix de France SP 7 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
World Championships SP 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Shanghai Trophy FS 12 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000

ピンツァローネ選手の評価が高い要素はレイバックスピンです。ヨーロッパ選手権最後のレイバックスピンは+4.556 これは今期全選手中2位タイの評価でした。

足替えのコンビネーションスピンの評価も高いです。ヨーロッパ選手権では+3.556を受けました。今期全選手中7位の評価になります。

コレオもヨーロッパ選手権で+3.556を受けています。これは今期のISU公認試合の全選手中6位です。

スピンとコレオは得意分野。ジャンプに関しては+3以上の評価は今季1つもなかった、ということでそちらはあまり加点が稼げていないようでした。

 

○3回転-3回転

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Lombardia Trophy SP 1 3Lzq+3T< 9.26   -2.95 6.31 -4.857
Lombardia Trophy FS 7 3Lo<+3T 8.93 x -0.84 8.09 -1.857
Shanghai Trophy SP 1 3Lzq+3T q 10.10   -2.95 7.15 -5.000
Shanghai Trophy FS 1 3Lz+3Tq q 10.10   -0.94 9.16 -1.600
Grand Prix de France SP 1 3Lzq+3T q 10.10   -0.67 9.43 -1.111
Grand Prix de France FS 1 3Lz+3T   10.10   0.84 10.94 1.556
Belgian Championships SP 1 3Lzq+3T q 10.10   -0.59 9.51 -1.000
Belgian Championships FS 1 3Lz+3T   10.10   0.98 11.08 1.000
NHK Trophy SP 1 3Lz<+3T 8.92   -0.94 7.98 -1.889
NHK Trophy FS 1 3Lz<+3Tq 8.92   -1.62 7.30 -3.333
Grand Prix Final SP 1 3Lzq+3T q 10.10   -0.34 9.76 -0.667
Grand Prix Final FS 4 3Lz+3T< 9.26   -1.10 8.16 -1.889
European Championships SP 1 3Lz+3T   10.10   0.93 11.03 1.556
European Championships FS 1 3Lzq+3T q 10.10   -0.42 9.68 -0.778
World Championships SP 1 3Lz<+3T< 8.08   -2.02 6.06 -4.111

ピンツァローネ選手は3回転-3回転はルッツから飛びます。ショートもフリーも冒頭で入れています。今期はリカバリーで冒頭にならなかったものも含め15回要素として入っていますが、GOEプラスの成功ジャンプは2回ということで成功率は10%台。アンダーローテーションが6回入り、qも6回。回転に苦労しています。

コンビネーションジャンプでもう少ししっかり点が取れると、200点台をコンスタントに出せるようになりそうです。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Lombardia Trophy FS 6 3Lo+2A+2T+SEQ   10.45 x 0.20 10.65 0.429
Shanghai Trophy FS 6 3Lo+2A+2T+SEQ   10.45 x 0.78 11.23 1.600
Grand Prix de France FS 6 3Lo+2A+2T+SEQ   10.45 x 0.49 10.94 1.000
Belgian Championships FS 6 3Lo+2A+2T+SEQ   10.45 x 0.98 11.43 1.800
NHK Trophy FS 6 3Loq+2Aq+2T+SEQ q 10.45 X -1.61 8.84 -3.222
Grand Prix Final FS 6 3Lo+2A+2T+SEQ   10.45 x 0.49 10.94 1.000
European Championships FS 6 3Loq+2A+2T+SEQ q 10.45 x -0.84 9.61 -1.667
World Championships FS 6 3Lo+2A+2T+SEQ   10.45 x 0.49 10.94 0.889

3連続ジャンプは6つ目の要素でループ起点でアクセルも入れてきます。今期は8回飛んでGOEプラスが6回。成功率75%です。やはりここでもqが付くことがあります。

それでも75%の成功率で入ってくれば、ある程度計算できる要素と言えそうです。

 

○単独ルッツ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Lombardia Trophy FS 1 3Lz< 4.72   -0.94 3.78 -2.143
Shanghai Trophy FS 4 3Lzq q 5.90   -1.06 4.84 -1.800
Grand Prix de France FS 4 3Lz   5.90   0.84 6.74 1.556
Belgian Championships FS 4 3Lz   5.90   0.79 6.69 1.400
NHK Trophy FS 4 3Lz   5.90   1.18 7.08 2.000
Grand Prix Final FS 1 3Lzq q 5.90   -1.10 4.80 -1.889
European Championships FS 4 3Lzq q 5.90   -0.67 5.23 -1.111
World Championships FS 1 3Lz< F 4.72   -2.36 2.36 -5.000

コンビネーションで回転不足が目立って苦労していたルッツ。これは単独なら決まるのか? というのを見ています。フリーの冒頭で単独になっているのはコンビネーションを入れようとして入らなかった、というものなのでここに載っている時点で失敗だったと思われます。4番目の要素として入っているのは単独で跳ぶつもりで単独になったものですが、これが5回中2回qが付いていて3回がGOEプラスの成功ジャンプです。コンビネーションの時よりは回転十分な確率は高いです。それでも回転に苦労しているのは見て取れます。

ジャンプの回転不足率は国際大会で15.7%ありますが、その外数になるqを足すと、37.1%がq以上の回転が足りないジャンプ要素になっています。非常に回転に苦労したシーズンでした。

 

今季大躍進したピンツァローネ選手です。つい最近まで無名だったと思うのですが、今シーズンは早くもヨーロッパ選手権のメダリストになりました。レビト選手、キムチェヨン選手とならぶ17歳。まだ上があります。回転不足を克服すれば、オリンピックでも表彰台に絡んでくるかもしれません。