21-22 エリザベータトゥクタミシェワ

1996年12月17日生まれ

シニア11シーズン目

シーズン獲得賞金:$26,000

世界ランキング:5位

シーズンランキング:24位

シーズンベストスコア 233.30(5位) フィンランディア杯

ショートプログラムシーズンベスト 81.53 フィンランディア杯

フリーシーズンベスト 151.77 フィンランディア杯

ショートプログラム楽曲:Drumming Song

フリープログラム楽曲:You Don't Love Meほか

スピンレベル4率 21/24=87.5%

ステップレベル4率 6/8=75.0%

スピンオールレベル4 2/4

スピンステップオールレベル4  2/4

ジャンプ要素回転不足率 1/40=2.50%

ジャンプ回転不足なし 3/4

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 2/4

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total >SP FS
CS Finlandia Trophy 2 233.30 81.53 151.77
GP Skate Canada 2 232.88 81.24 151.64
GP Rostelecom Cup 2 229.23 80.10 149.13
NC Russian Nationals 7 224.40 71.28 153.12

今シーズンは4試合。シーズン後半がなくなってしまったのはともかくとして、従来は前半から多数の試合に出るスタイルだったのですが、コロナの影響もあったでしょうか、チャレンジャーシリーズやB級大会への出場が少なかったです。

初戦はフィンランディ杯。ショートは全要素全ジャッジプラス評価で81.53のパーソナルベスト。幸先良いスタートを切ります。フリーも大きなミスなく150点台に乗せ、トータルスコア233.30 オリンピック代表争いにおいて存在感を見せます。

グランプリシリーズ2戦。スケートカナダフィンランディア杯と同じような出来で同じようなスコアとなりました。同じように上にワリエワ選手がいましたが順調です。2戦目のロステレコム杯はフリー2本目のトリプルアクセルでステップアウト、トータルスコアがやや下がりましたがそれでも229点台。またもワリエワ選手がいて3戦2位ではありますが、オリンピック代表を争うロシアシニア勢のなかではシーズンベスト3位でナショナル選手権に臨むことになります。

このロシア選手権でショートに失敗します。トリプルアクセルで転倒。コンビネーションは2つ目が2回転になり71.28の7位。シーズン唯一の70点台がここで出てしまいます。フリーの逆襲も153.12まででトータル7位に終わります。1,2,3位と表彰台には順当にシニア勢が入り、その3人がヨーロッパ選手権で結果を出したため、オリンピックへの3回目の挑戦も悲願叶わず終わりました。3月の国内イベントでは240点台後半まで出していて、その演技ならロシア選手権でも2位ないしは3位にまでは入れてオリンピックの芽があったのですが、勝負所で結果が出せませんでした。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Finlandia Trophy 2 233.30 124.44 108.86 74.30 11.17 25.05 13.92
Skate Canada 2 232.88 126.06 106.82 74.83 11.38 24.37 15.48
Rostelecom Cup 2 229.23 123.25 105.98 77.42 7.81 23.44 14.58
Russian Nationals 7 224.40 116.23 109.17 70.33 8.38 22.15 15.37

トータルスコアは最高で233.30 最低で224.40 出来不出来の差は極めて小さかったです

技術点は120点台中盤が標準。今シーズン5位の技術点です。PCSは100点台中盤から後半。108.86は今シーズン4位、ロシア勢では3番目という評価です。

ジャンプの基礎点は70点台でロステレコム杯の77.42が最高。これは今シーズン7番目。トリプルアクセル3本入るとここまで出せます。

ジャンプの加点がシーズン最初は二桁ありました。ジャンプで合わせて86点台あります。

スピンはシーズン下るごとに下がってしまってますが、最初は25点台まで出ていました。

ステップ系要素は15点台が出せます。スケートカナダの15.48は今シーズン7位の高評価です。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
Finlandia Trophy 2 69.99 67.82 71.14 63.67 61.97 69.13
Skate Canada 2 69.87 68.21 71.49 61.56 68.18 67.77
Rostelecom Cup 2 68.88 70.15 65.50 58.66 64.60 67.21
Russian Nationals 7 67.57 64.85 66.46 54.64 67.74 69.34

偏差値に直すとトータルスコアは70にわずかに届かないくらいです。

ジャンプの基礎点は一番いい時で70に乗ります。加点の方は70前後でやはりいい時は70になる。

一方、スピンは偏差値60前後。本人比では苦手側な要素になっています。

ステップは偏差値65前後あり、PCSは60台後半と高い評価です。

 

21-22シーズン トゥクタミシェワ要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは下が凹む形です。スピンが伸びない。ステップPCSはジャンプに近いくらいの偏差値があります。

ロシア選手権だけ内側に凹んでいるのが残念な感じです。多くの選手は国際大会よりナショナル選手権で高い点、高い偏差値になって来るのですが、合わせることができませんでした。

 

●シーズン最高の基礎点構成

スケートカナダ ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   1.71 9.71 2.000
2 3Lz+3T   10.10   1.10 11.20 1.778
3 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.111
4 3F   5.83 x 1.67 7.50 3.111
5 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556
6 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.889
7 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
  TES   37.23   8.50 45.73  

ショートの基礎点はトリプルアクセルありで1.1倍には単独ジャンプを入れて37.23になっています。これより上は1.1倍にコンビネーションを入れたワリエワトゥルソワ両選手だけです。

 

ロステレコム杯 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A+2T   9.30   1.26 10.56 1.667
2 3A   8.00   -2.40 5.60 -2.889
3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
4 3F   5.30   0.45 5.75 0.889
5 FCSp4   3.20   0.69 3.89 2.222
6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
7 2A+1Eu+3S   8.91 x 0.86 9.77 2.111
8 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 2.778
9 3Lo   5.39 x 1.12 6.51 2.333
10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 2.889
11 LSp4   2.70   0.58 3.28 2.222
12 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.222
  TES   69.79   8.90 78.69  

フリーは69.79まで基礎点を出しました。これより上の基礎点を今シーズン出したのは4回転組しかいません。トリプルアクセル組の最高峰。

2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツ。フリーでは3回転-3回転を入れないことも多いのですがこの試合では入れていました。以前は3-3はトーループ2本で組み込むことがショートから多かったのですが、ここ数年はルッツからになってきています。トリプルアクセルの確率が上がっているだけでなく、3-3も難度を上げることが出来てきていて、技術面の進歩が見られます。3連続も3つ目サルコウで基礎点を上げることが出来ていて、トリプルアクセルまででこれ以上基礎点を上げるのはなかなか難しい、というところまで来ています。

1.1倍の構成がやや弱いのでここにコンビネーションを持って来たりすると基礎点70点まで来ますが、もうこの辺まで来ると誤差な感じで、次は4回転をマスターしたい、という段階に来ています。

 

○平均GOE3.200以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy SP 3 FCSp4   3.20   1.28 4.48 4.000
Finlandia Trophy FS 6 StSq3   3.30   1.38 4.68 4.000
Skate Canada FS 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
Russian Nationals FS 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
Finlandia Trophy SP 5 StSq3   3.30   1.27 4.57 3.875
Finlandia Trophy SP 6 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.875
Finlandia Trophy FS 12 CCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.750
Finlandia Trophy SP 7 CCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.625
Skate Canada SP 5 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556
Russian Nationals FS 3 3Lz   5.90   2.11 8.01 3.556
Skate Canada FS 6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.444
Skate Canada FS 12 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.444
Russian Nationals FS 5 FCSp4   3.20   1.10 4.30 3.444
Russian Nationals FS 6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.444
Finlandia Trophy FS 5 FCSp4   3.20   1.07 4.27 3.375
Finlandia Trophy FS 10 ChSq1   3.00   1.67 4.67 3.375
Russian Nationals SP 4 3F   5.83 x 1.74 7.57 3.333
Rostelecom Cup SP 3 FCSp4   3.20   1.01 4.21 3.222
Russian Nationals SP 3 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.222
Russian Nationals SP 5 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
Russian Nationals FS 11 LSp4   2.70   0.89 3.59 3.222

評価が高いのはスピンが一番上にいますが、要素数考えるとコレオとステップの評価が高い傾向があります。ステップはレベル3になってしまって基礎点の方が取り切れなかったりするのですがGOEは高いことが多いです。

ジャンプで高い評価なのはロシア選手権くらいしか入ってきていません。今の時点でもジャンプの加点はかなり稼げてはいるのですが、ロシアのトップ、世界のトップという中ではもう少し平均GOEで+3を超えていくようなジャンプを揃えたいところなのだろうと思います。そうすると4回転無くても240点は見えてきて、オリンピックも見えたのだけどなああ、といったところです。

 

トリプルアクセルを含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy SP 1 3A   8.00   1.47 9.47 1.875
Finlandia Trophy FS 1 3Aq+2T q 9.30   -0.67 8.63 -0.750
Finlandia Trophy FS 2 3A   8.00   1.60 9.60 1.875
Skate Canada SP 1 3A   8.00   1.71 9.71 2.000
Skate Canada FS 1 3A+2T   9.30   1.60 10.90 2.000
Skate Canada FS 2 3A   8.00   1.37 9.37 1.778
Rostelecom Cup SP 1 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
Rostelecom Cup FS 1 3A+2T   9.30   1.26 10.56 1.667
Rostelecom Cup FS 2 3A   8.00   -2.40 5.60 -2.889
Russian Nationals SP 1 3A   8.00   -4.00 4.00 -5.000
Russian Nationals FS 1 3A+2T   9.30   2.29 11.59 2.889
Russian Nationals FS 2 3A< 6.40   -0.91 5.49 -1.333

トリプルアクセルは4試合で12回飛びました。つまり毎試合3本飛んでいたことになります。転倒は1度だけ、ロシア選手権のショート。回転不足で基礎点を削られたのも1度だけ、ロシア選手権のフリー。各試合のトリプルアクセル要素で取ったスコアは、27.70,29.98,25.76,21.08 ロシア選手権が残念過ぎます。

 

○3回転-3回転

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy SP 2 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 2.875
Skate Canada SP 2 3Lz+3T   10.10   1.10 11.20 1.778
Rostelecom Cup SP 2 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
Rostelecom Cup FS 3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000

3回転-3回転はショートでルッツから2つ目の要素に入れる、というのが基本形。フリーはダブルアクセルのシークエンスを好む選手なのですが、ロステレコムだけ3-3を入れました。載っている要素はすべて成功。しかし、ロシア選手権が乗っていません。ロシア選手権のショートは3-3入らず2つめが2回転になりました。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy FS 7 2A+1Eu+3S   8.91 x 0.86 9.77 2.000
Skate Canada FS 7 2A+1Eu+3S   8.91 x 0.68 9.59 1.667
Rostelecom Cup FS 7 2A+1Eu+3S   8.91 x 0.86 9.77 2.111
Russian Nationals FS 7 2A+1Eu+3S   8.91 x 1.04 9.95 2.556

3連続はダブルアクセル起点で3つ目サルコウ。基礎点はそれほど高くないですが、全体の構成を考えると、3つ目にサルコウを入れて、1つ目は簡単なジャンプにする、というやり方で合理的なのだろうと思います。4試合しっかり成功させました。

 

○回転不足要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Russian Nationals FS 2 3A< 6.40   -0.91 5.49 -1.333

4試合のジャンプ要素40のうち、回転不足はロシア選手権のフリー2つ目のトリプルアクセルのみでした。ジャンプの安定度はさすがなのですが、ロシア選手権が残念過ぎました。

なお、今シーズン、フリップ、ルッツ、いずれのジャンプにも!が1つもついていません。昔はフリップはたまにエッジでチェックがつくことがありましたが、ルッツは国際大会で何のマークもついたことがありません。本当にきれいなルッツを飛ぶ選手です。

 

 

昨シーズン世界選手権で2位に入り6シーズンぶりの表彰台に立っての今シーズン。オリンピックのチャンスが十分にあったのですが、一番大事なナショナル選手権にあわせることができませんでした。シーズン中盤まではワリエワ選手以外では一番順調なように見えたのですが、最終的にエテリ組に勝てず。オリンピックに縁のない選手です。

25歳になりました。この年齢になっても何とか持ちこたえている、というのではなく、ここ数シーズンはジャンプの精度が上がったり、PCSのスコアも上昇してきたり、しっかり進歩があります。

これが、遅咲きの最近トップに上がってきたような選手ならままあることなのですが、トゥクタミシェワ選手はロシアの天才少女列伝の皮切りとなった選手です。グランプリシリーズの出場回数は現役最多の20回(コロナ国内ルール除く)。ファイナル出場4回も宮原知子さんと並んで現役最多でしたし、本来ならこの数字が5回目になるはずでした。

ここまで積み重ねてきた戦歴。これが、ロシア国籍であるトゥクタミシェワ選手は先へつながらなくなります。オリンピックは4年後。その頃の世界情勢はどうなってるかわかりませんが、トゥクタミシェワ選手は29歳で迎えることになります。オリンピックには縁がないまま終わるのか、それとも、国内に逼塞しながらもそこまでつなげていくのでしょうか・・・。

 

 

21-22 アレクサンドラトゥルソワ

2004年6月23日生まれ

シニア3シーズン目

シーズン獲得賞金:$29,000

世界ランキング:2位

シーズンランキング:7位

シーズンベストスコア 251.73(3位) オリンピック

ショートプログラムシーズンベスト 77.69 スケートアメリカ

フリーシーズンベスト 177.13 オリンピック

ショートプログラム楽曲:フリーダ

フリープログラム楽曲:クルセラより

スピンレベル4率 28/30=93.3%

ステップレベル4率 5/10=50.0%

スピンオールレベル4 3/5

スピンステップオールレベル4  1/5

ジャンプ要素回転不足率 4/50=8.00%

ジャンプ回転不足なし 2/5

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/5

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
IC US International 1 216.80 74.75 142.05
GP Skate America 1 232.37 77.69 154.68
NC Russian Nationals 2 248.65 74.21 174.44
EC Europe Championships 3 234.36 75.13 159.23
OG Olympic Games 2 251.73 74.60 177.13

今シーズンはチャレンジャーシリーズでもない一般の国際B級大会になってしまったUSインターナショナルから国際大会に登場しました。ショート、トリプルアクセル転倒。それでも74.75が出るのが強いと言えば強いのですが、フリーは4回転5本構成で決まったのは1本だけでした。それでも216.80 普通の選手には届かないスコアですが、トゥルソワ選手としてはなかなか見ないひどいスコアのスタートとなりました。

グランプリシリーズはスケートアメリカから。怪我があるとのことでショートはダブルアクセル構成。これが結果的にシーズンベストのショートになるのが皮肉ですが77.69で問題なく首位発進。フリーも4回転1本の徐行運転でトータル232.37 楽勝でした。ただ、ケガの状態は良くないようで、3週間後のNHK杯は欠場します。

年末に最大の難関ロシア選手権。これはトゥルソワ選手と言えどすんなり通過できるかわからない試合。ここでも試合で跳べたことのないトリプルアクセルをショートに投入するというチャレンジャーぶりでしたが案の定転倒で5位スタートとなります。フリーで崩れると危ない、という立ち位置でしたが、4回転4本構成で今回は3本成功。トータル2位に入りヨーロッパ選手権の出場権をまず得ます。

ヨーロッパ選手権もいつものショートトリプルアクセル転倒で3位スタート。フリーは4回転4本構成で2本成功。シェルバコワ選手に抜かれ結局3位となりました。

シェルバコワ選手の方がロシアの代表に入れるか、代表として妥当なのか? という外野の声が強かったように感じましたが、実際にはトゥルソワ選手の不安定さの方が危ないのではないか、と感じていたのですが、何とか乗り切ってオリンピックの代表の座を得ました。

オリンピックは個人戦のみの登場。いつものようにショートにトリプルアクセルを入れて転倒、74.60の4位スタート。崩れたらメダルなしというフリー。ここで4回転5本構成をいくらかの減点はありつつもすべて着氷。177.13のパーソナルベストでトータル251.73 首位に立ち残りの選手を待ちます。結果的にシェルバコワ選手に上へ行かれ4.22ポイント差の2位に終わります。おそらく、着氷乱れた4回転トーループをクリーンに降りていれば金メダルだった、というくらいの差でした。

終結果が出た後ブチ切れていた、などという話も聞きますが、いずれにしてもトゥルソワ選手はこのオリンピックがシーズン最後の試合となりました。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
US International 1 216.80 120.48 98.32 92.12 -10.38 24.60 14.14
Skate America 1 232.37 127.89 104.48 75.62 14.40 24.64 13.23
Russian Nationals 2 248.65 140.95 109.70 98.72 3.41 25.48 13.34
Europe Championships 3 234.36 133.12 104.24 91.48 2.05 25.56 14.03
Olympic Games 2 251.73 146.28 106.45 102.20 4.88 24.88 14.32

トータルスコアは最低で216.80最高で251.73まで出ました。技術点はオリンピックで146.28 これは今シーズン2位のスコアです。PCSは国際大会ではオリンピックの106.45が最高でした、5項目平均で8点台後半です。今シーズン6位。やはり技術点の順位の方が上へ来ます。

ジャンプの基礎点は4回転5本を基礎点削られることなかったオリンピックで102.20に達しました。2位に8.82ポイントもの差をつけてのトップです。

ジャンプの加点はスケートアメリカの14.40が最高。このスコアは4回転1本構成で出したもの。4回転を多数持ってくると、やはり加点で稼ぐということは出来ていない形です。オリンピックのジャンプで得たスコアはワリエワ選手が他の試合でジャンプで得たスコアに劣って2番目。ヨーロッパ選手権くらいだと4番目になります。基礎点は圧倒的ですがGOEも含めたジャンプのスコアとなると飛びぬけているわけではないです。ロシア外の選手と比べるとあっとうてきではありますが。

スピンはヨーロッパ選手権で25点台となっています。スピンの順位は13位。ジャンプと比べると順位は下がります。

ステップは14点台前半です。これはトップ選手の中ではそれほど高くないスコアです。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
US International 1 65.51 81.12 34.96 62.27 62.85 62.10
Skate America 1 69.73 68.80 76.56 62.40 59.22 66.21
Russian Nationals 2 74.15 86.05 58.11 65.01 59.66 69.69
Europe Championships 3 70.27 80.64 55.83 65.26 62.41 66.05
Olympic Games 2 74.99 88.65 60.58 63.14 63.56 67.53

偏差値を見ると、トータルスコアは70台、オリンピックではほぼ75となりました。

ジャンプの基礎点がやはり高く、偏差値は80台と異常値レベル。オリンピックでは88.65という凄まじい数字になりました。

一方ジャンプの加点は4回転1本のスケートアメリカでは76.56と高い値ですが、それ以外では偏差値60前後が出たり普通です。

スピンとPCSは60台半ば、ステップは60前後、悪くはないですが、トップ選手としてはよく見るくらいのものになっています。

21-22シーズン トゥルソワ要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートはイメージ通り、右上が突出する形です。スピンステップと比べるとPCSが評価されているな、というのも見て取れます。

このジャンプの基礎点に完成度が加わったらとんでもないことになるのですが、そこまではたどり着きませんでした。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○USインターナショナル ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   -4.00 4.00 -4.800
2 3F   5.30   1.77 7.07 3.400
3 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.200
4 3Lz+3T   11.11 x 1.97 13.08 3.400
5 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.800
7 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
  TES   37.71   4.12 41.83  

基礎点としてはトリプルアクセル込みの37.71が最高で、これは今シーズンのショートプログラム最高基礎点です。ただ、実際に本人が取ったスコアとしてはダブルアクセル構成の時の方が高くなります。

 

○オリンピック フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4F! ! 11.00   2.20 13.20 2.000
2 4S   9.70   3.19 12.89 3.111
3 4T   9.50   -2.44 7.06 -2.556
4 2A+3T   7.50   -0.54 6.96 -1.333
5 CCoSp3   3.00   0.81 3.81 2.667
6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
7 4Lz+3T   17.27 x 2.63 19.90 2.222
8 4Lzq q 12.65 x -0.99 11.66 -0.778
9 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.43 13.20 2.333
10 FCSp4   3.20   0.87 4.07 2.667
11 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
12 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
  TES   95.39   10.77 106.16  

フリーはオリンピックで95.39という基礎点を出しました。当然、今シーズンの全選手最高、というか歴史上女子選手として最高基礎点です。4回転が5本あるのにダブルアクセルが入っているのが違和感ありますが、この4番目の要素はトリプルアクセルを入れたい意志があるのだろうと思います。ここを3F+3Tにすれば基礎点があと2.00上がります。また、スピンステップでレベル3がありますのでこれらをレベル4にすればあと1.10基礎点があがります。そこまで行くと基礎点は98.49 何の話してるんだ? という感じの値になっていきます。

なお、今シーズンのフリー基礎点2位で86.07です。3位は83.07 さすがに4回転5本は飛びぬけています。

 

○平均GOE3.200以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Europe Championships FS 1 4F   11.00   4.71 15.71 4.333
Europe Championships FS 2 4S   9.70   3.88 13.58 4.000
US International SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.800
Olympic Games SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.778
Skate America SP 4 3Lz+3T   11.11 x 2.11 13.22 3.556
Russian Nationals SP 4 3Lz+3T   11.11 x 2.11 13.22 3.556
Skate America SP 2 3F   5.30   1.82 7.12 3.444
Europe Championships SP 6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.444
US International SP 2 3F   5.30   1.77 7.07 3.400
US International SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.97 13.08 3.400
Russian Nationals FS 6 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
Europe Championships FS 3 2A+3T   7.50   1.38 8.88 3.333
Olympic Games SP 3 CCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.333
Olympic Games FS 11 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
Skate America SP 3 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.222
Skate America SP 5 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.222
Skate America SP 7 LSp4   2.70   0.85 3.55 3.222
Russian Nationals SP 6 StSq3   3.30   1.04 4.34 3.222
Russian Nationals FS 3 2A   3.30   1.04 4.34 3.222
Russian Nationals FS 7 4Lz+3T   17.27 x 3.78 21.05 3.222
Europe Championships SP 7 LSp4   2.70   0.89 3.59 3.222
Olympic Games SP 7 LSp4   2.70   0.89 3.59 3.222
US International SP 3 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.200

今シーズン一番評価が高かったのがヨーロッパ選手権の4回転フリップ、2番目もヨーロッパ選手権の4回転サルコウ。平均GOEが+4.0を超えていく4回転。なんんだこれは?

ただ、オリンピックの4回転はこの中に入ってきません。オリンピックの4回転が、このヨーロッパ選手権の質で跳べていれば金メダルだった、とも言えます。

ジャンプの次に来るのはステップです。スピンよりもステップの評価が高い。コレオのクリムキンイーグルは印象的ですが、コレオよりステップの評価の方が高いようです。

 

○4回転要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
US International FS 1 4F   11.00   -5.50 5.50 -5.000
US International FS 2 4S   9.70   2.59 12.29 2.400
US International FS 7 4Lz< 10.12 x -4.29 5.83 -4.600
US International FS 8 4Lz+1Eu+3S< 16.98 x -4.98 12.00 -4.000
Skate America FS 1 4Lz   11.50   2.30 13.80 2.111
Russian Nationals FS 1 4F! ! 11.00   1.41 12.41 1.333
Russian Nationals FS 2 4T   9.50   -4.75 4.75 -4.778
Russian Nationals FS 4 4Lz+1Eu+3S   16.30   3.12 19.42 2.778
Russian Nationals FS 7 4Lz+3T   17.27 x 3.78 21.05 3.222
Europe Championships FS 1 4F   11.00   4.71 15.71 4.333
Europe Championships FS 2 4S   9.70   3.88 13.58 4.000
Europe Championships FS 4 4Tq q 9.50   -4.75 4.75 -5.000
Europe Championships FS 7 4Lz<< <<  6.49 x -2.95 3.54 -5.000
Olympic Games FS 1 4F! ! 11.00   2.20 13.20 2.000
Olympic Games FS 2 4S   9.70   3.19 12.89 3.111
Olympic Games FS 3 4T   9.50   -2.44 7.06 -2.556
Olympic Games FS 7 4Lz+3T   17.27 x 2.63 19.90 2.222
Olympic Games FS 8 4Lzq q 12.65 x -0.99 11.66 -0.778

今シーズン4回転はルッツを8回、フリップを4回、サルコウを3回、トーループを3回飛びました。ルッツではダウングレードが1回とアンダーローテーションが1回にコンビネーションの後ろがアンダーローテーションとありましたが、ほかのジャンプは基礎点が削られることはありませんでした。

サルコウは3回飛んで3回とも加点の成功ジャンプ、意外なのはトーループが3回飛んで3回ともGOEマイナスで2回は転倒です。フリップは3本成功。ルッツは成功が4回で、GOEが軽いマイナス1回なので、8分の5はうまくいったと取っていいでしょうか。サルコウが比較的苦手な印象でしたが、今シーズンはそんなことはなく、トーループが決まらない、という形でした。

全体として転倒したのは18分の6で3分の1 GOE加点まで来るのは確率半分くらい、というのがトゥルソワ選手の4回転です。なお転倒確率3分の1のジャンプを転倒せずに5本続けて降りる確率は、(2/3)^5 = 32/243 ≒ 13.2% ということで、これをオリンピックに合わせてきた形でした。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
US International SP 1 3A   8.00   -4.00 4.00 -4.800
Russian Nationals SP 1 3Aq q 8.00   -4.00 4.00 -5.000
Europe Championships SP 1 3A   8.00   -4.00 4.00 -5.000
Olympic Games SP 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000

トリプルアクセルは4回飛んですべて転倒でした。ただ、オリンピック以外は基礎点は満額入っており、結果的に大きな痛手にはなっていないとも言えます。

 

○3回転以上-3回転トーループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
US International SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.97 13.08 3.400
US International FS 9 3Lz+3T   11.11 x 0.98 12.09 1.600
Skate America SP 4 3Lz+3T   11.11 x 2.11 13.22 3.556
Skate America FS 7 3Lz+3T   11.11 x 1.60 12.71 2.667
Russian Nationals SP 4 3Lz+3T   11.11 x 2.11 13.22 3.556
Russian Nationals FS 7 4Lz+3T   17.27 x 3.78 21.05 3.222
Russian Nationals FS 8 3Lz+3Tq q 11.11 x -0.51 10.60 -0.889
Europe Championships SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.85 12.96 3.111
Europe Championships FS 9 3Lz+3T   11.11 x 1.52 12.63 2.556
Olympic Games SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.77 12.88 2.889
Olympic Games FS 7 4Lz+3T   17.27 x 2.63 19.90 2.222

セカンド3回転はトゥルソワ選手にとっては容易ジャンプなのでしょうか。11回飛んでGOEマイナスは1回だけです。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
US International FS 8 4Lz+1Eu+3S< 16.98 x -4.98 12.00 -4.000
Skate America FS 8 3F!+1Eu+3S ! 11.11 x 0.45 11.56 0.778
Russian Nationals FS 4 4Lz+1Eu+3S   16.30   3.12 19.42 2.778
Europe Championships FS 8 3Lz+1Eu+3S   11.77 x -1.18 10.59 -2.000
Olympic Games FS 9 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.43 13.20 2.333

3連続ジャンプに4回転を入れるという無茶苦茶な構成があったりしますが、ロシア選手権ではそれを決めました。普通の3-1-3でヨーロッパ選手権はミスが出ていたり、意外とこの要素は安定していないようです。基本的に4回転4本飛んだあとあるいは4本目そのもの、だったりするわけで、確かにつらいよな、とは思います。ロシア選手権のスコア19.42ってなんだろう? みたいな数字です。

 

○回転不足要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
US International FS 7 4Lz< 10.12 x -4.29 5.83 -4.600
US International FS 8 4Lz+1Eu+3S< 16.98 x -4.98 12.00 -4.000
Europe Championships FS 7 4Lz<< <<  6.49 x -2.95 3.54 -5.000
Olympic Games SP 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000

あれだけ4回転を飛びまくるトゥルソワ選手ですが、今シーズンの50回あったジャンプ要素のうち、回転不足で基礎点を削られたのは4回しかありませんでした。4回転ルッツからみが3つとトリプルアクセル1つ。それ以外は転倒したりステップアウトしたり成功率が高いとは言えないものの、基礎点が削られるケースはあまりないようです。

 

 

オリンピックでついにファイブクワッドを揃えたトゥルソワ選手。しかしながら金メダルにはわずかに届きませんでした。私だけ何も持っていない、と叫んだとか叫ばなかったとか聞きますが、シニアに上がってからはグランプリファイナル3位、世界選手権3位、ヨーロッパ選手権2度3位、そしてオリンピックは2位。ついでにロシア選手権も2位2回に3位2回。あまりこういう言われ方はしていないですが、ブロンズコレクター、シルバーコレクターという状態になっています。

オリンピックは終わりました。次のオリンピックは4年後。そしていま、国際大会には出られない。欲しいものは得られなかった。

これから先の彼女の人生はどうなっていくのでしょう?

 

 

21-22 アンナシェルバコワ

2004年3月28日生まれ

シニア3シーズン目

シーズン獲得賞金:$52,000

世界ランキング:1位

シーズンランキング:1位

シーズンベストスコア 255.95(2位) オリンピック

ショートプログラムシーズンベスト 80.20 オリンピック

フリーシーズンベスト 175.75 オリンピック

ショートプログラム楽曲:Dangerous Affairs

フリープログラム楽曲:The Master and Margaritaより他

スピンレベル4率 36/36=100%

ステップレベル4率 12/12=100%

スピンオールレベル4 6/6

スピンステップオールレベル4  6/6

ジャンプ要素回転不足率 1/60=1.67%

ジャンプ回転不足なし 5/6

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 5/6

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
IC Budapest Trophy 2 222.73 74.76 147.97
GP Grand Prix Torino 1 236.78 71.73 165.05
GP Internationaux de France 1 229.69 77.94 151.75
NC Russian Nationals 3 239.56 81.46 158.10
EC Europe Championships 2 237.42 69.05 168.37
OG Olympic Games 1 255.95 80.20 175.75

世界チャンピオンとして今シーズンに入ってきたシェルバコワ選手。だいぶ苦労も感じられるシーズンでした。

初戦はチャレンジャーシリーズでもなくB級大会で10月のブダペストトロフィー。この試合では4回転転倒の他、後半のジャンプも今一つきれいに決まらず140点台のスコアにとどまり、シニアデビューシーズンのフロミフ選手に逆転負けを喫します。222.73はロシアの代表争いの中ではあまり高くないスコアです。暗雲立ち込めます。

グランプリシリーズは3戦目のトリノから。結果的には2シーズンぶりに4回転を決めて圧勝でしたが、ショートではコンビネーションの2つ目が2回転になり3位スタートとなるなど、盤石さは見られません。一週おいてのフランス杯ではショート77.94とスコアを上げてきましたがフリーでは冒頭に入れようとした4回転ルッツと思われる要素が完全に抜けてLz表記の零点扱いとなります。次に4回転フリップを入れて以降ノーミスで立て直し優勝したもののスコアは229.69 また230点に届かないスコアとなりました。

まだノーミスが今シーズンないという状態でロシア選手権へ。有力5選手の争いというか、実質的には1枠ほぼ確定で2枠を4人で争うような状態になりました。ショートプログラムは81.46と80点台に乗せ2位に付けます。フリーは最後から2人目。ワリエワ選手を残す状態でトップに立つには167.20が必要、2位なら152.53でいいし、シニアで2番目なら142.95でいい、というシチュエーション。冒頭4回転フリップで転倒、その後はルッツループで多少よろめくくらいで大きなミスはありませんでしたが結果158.10 

この時点で2位、最終的に3位となり、まず、ヨーロッパ選手権の代表に選ばれました。

ヨーロッパ選手権がロシアの最終選考会の形。ショートでまさかのコンビネーション1つ目転倒。69.05の4位スタート。この時点でロシア国内では散々叩かれたようで、オリンピックの代表に選ばれるにはふさわしくないというような声も多かったようです。非常に追い込まれた状態でのフリー。決して確率の高くない4回転フリップ、冒頭完璧に決めると以降ノーミス。ここにきてパーソナルベストとなる168.37を出し、トータル237.42 結果的にはこのスコアで2位に入ります。その後も雑音はいくらか続いていたようでしたが、オリンピックの代表をしっかりつかみました。

オリンピックは個人戦のみの登場。世界チャンピオンとしての登場でしたが、違う話題が大きすぎて、雑音は大きかったものの、世界チャンピオンが集める注目とプレッシャーというもの本来と比べると薄かったかもしれません。

ショートプログラムは80.20と80点台に乗せて2位スタート。フリーは最後から2人目。この時点でトップに立つには171.54が必要であり、パーソナルベストを上回るスコアです。ここで冒頭から4回転フリップを2本入れてきます。フリップ2本は人生で決めたことがありませんでしたが、この勝負所でどちらもGOE+3以上の評価で決め、後半のルッツr-ぷ、さらに3連続もしっかりと決めると175.75 世界チャンピオンが人生最高の演技をオリンピックぴったり合わせてトップに立ちます。最終滑走結果待ちで順位確定。金メダルに輝きました。

ロシア国籍ですのでその後大会出場の機会はなくなり、自国のイベント大会に出場して、シーズン終了となります。

スピンステップレベル4率はシーズン通じて100%でした。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Budapest Trophy 2 222.73 115.29 108.44 75.98 -1.67 25.85 15.13
Grand Prix Torino 1 236.78 129.17 107.61 73.10 15.37 25.96 14.74
Internationaux de France 1 229.69 122.46 108.23 72.99 10.26 24.42 14.79
Russian Nationals 3 239.56 126.13 114.43 77.06 6.00 26.98 16.09
Europe Championships 2 237.42 127.89 110.53 71.67 12.60 27.54 16.08
Olympic Games 1 255.95 143.36 112.59 81.99 19.37 26.79 15.21

トータルスコアは最低で222.73 最高はオリンピックで255.95まで出ました。歴代2位とされているスコアです。

技術点は120点台が標準でオリンピックは突出して143.36まで出ました。PCSはオリンピックで112.59まで。5項目平均9点で108点、このスコアは平均9.4弱くらいあります。

ジャンプの基礎点は70点台ですが、オリンピックで81.99まで伸ばしました。80点台まで来ると4回転がないとちょっと届かない領域になります。70点台中盤くらいまでならトリプルアクセル組でも届きます。

ジャンプの加点は4試合で二桁。ここは強いです。

スピンはヨーロッパ選手権の27.54が最高 今シーズン2位です。ステップ系要素もヨーロッパ選手権が最高で16.08 これは全体3位にあたります。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
Budapest Trophy 2 67.12 69.07 49.58 66.17 66.79 68.85
Grand Prix Torino 1 70.93 66.92 78.19 66.51 65.23 68.30
Internationaux de France 1 69.01 66.84 69.61 61.71 65.43 68.71
Russian Nationals 3 71.68 69.88 62.46 69.68 70.61 72.85
Europe Championships 2 71.10 65.85 73.54 71.43 70.57 70.25
Olympic Games 1 76.13 73.56 84.91 69.09 67.10 71.62

偏差値的にはトータルスコアは70前後でオリンピックは75を超えて76.13まで来ました。

ジャンプの基礎点は60台後半が標準でオリンピックで70台半ば近くまで出しています。加点に至ってはオリンピックで偏差値84.91 異常値レベルの高さです。

スピンステップはヨーロッパ選手権で偏差値70超え、PCSも70を超える水準まで来ていて、どれをとっても偏差値70を超える試合があるという極めて高い評価になっています。

21-22シーズン アンナシェルバコワ要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートはこうなっていて、やはりシェルバコワ選手と言えども悪い時はジャンプの加点のところで凹む形になります。それ以外のところでは割とバランスよくなっているようにも見えます。むしろヨーロッパ選手権のようにジャンプの基礎点が凹むという場合もあるようです。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○オリンピック ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.99 4.29 2.889
2 3F   5.30   1.89 7.19 3.556
3 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
4 3Lz+3T   11.11 x 1.85 12.96 3.111
5 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.556
7 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
  TES   33.01   9.86 42.87  

ショートの最高基礎点は33.01 トリプルアクセル無し組の今シーズントップの基礎点でした。ルッツループ持ちのシェルバコワ選手はトーループをループに変えて33.78まで基礎点を上げることが可能です。トリプルアクセル無しの限界値になります。

トリプルアクセル組では最高基礎点は37.71 そこまで行かなくてもコンビネーション1.1倍にはしない37.23まではいます。そことの基礎点差は4.22 出来栄え差で普通の選手が相手なら追いつけますが、出来栄えもしっかり稼ぐ選手が相手だと追いつくのが厳しい基礎点差になってきます。

 

○オリンピック フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4F+3T   15.20   3.46 18.66 3.111
2 4F   11.00   3.77 14.77 3.333
3 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
4 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.111
5 2A   3.30   1.04 4.34 3.111
6 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
7 3Lz+3Lo   11.88 x 1.94 13.82 3.333
8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.59 12.70 2.889
9 3Lz   6.49 x 1.85 8.34 3.111
10 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
11 FCCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
12 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.556
  TES   79.38   21.11 100.49  

フリーではオリンピックで79.38の基礎点でした。2回飛ぶジャンプが4回転のフリップとルッツ。セカンドループ付きで3連サルコウで、そのあたりを1.1倍に入れてと死角の無い構成です。トリプルアクセル2本組だとフリーの基礎点は70点前後までですから、ショートの基礎点差を考慮しても基礎点合計で上回れるのがこの構成です。一方、今シーズン最高基礎点は95.39というのがいて、そことの基礎点差がまだ16点ほどあります。4回転5本構成とはさすがに差が大きい。

4回転3本とトリプルアクセルで86.07の基礎点があって出来栄えも高い、という人もいました。基礎点差は6.69 ショートの差も含めると10点ほど差があり、本来だと少し苦しい差でした。

 

○平均GOE4.000以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Europe Championships FS 12 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
Olympic Games SP 5 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
Europe Championships FS 10 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.444
Russian Nationals FS 10 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.333
Europe Championships SP 7 LSp4   2.70   1.20 3.90 4.333
Russian Nationals FS 12 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
Europe Championships SP 5 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
Russian Nationals SP 5 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.222
Russian Nationals SP 6 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
Europe Championships SP 6 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
Russian Nationals FS 4 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.111
Europe Championships FS 11 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.111
Russian Nationals SP 7 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
Olympic Games SP 7 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
Grand Prix Torino SP 3 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000

評価の高い要素はスピン、次いでステップです。ジャンプは意外と平均GOE+4.000以上という評価のものがありませんでした。本質的には4回転の選手なわけではない、というのがこの辺に表れているように見えます。こういった各要素で高い評価を得る選手が4回転も跳ぶ。それもオリンピックでは2本決めた。そういう形で勝った、ということなのだろうと思います。

 

○4回転要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Budapest Trophy FS 1 4F!q ! 11.00   -5.50 5.50 -5.000
Grand Prix Torino FS 1 4F   11.00   2.99 13.99 2.778
Internationaux de France FS 2 4F   11.00   1.89 12.89 1.667
Russian Nationals FS 1 4F   11.00   -5.50 5.50 -4.778
Europe Championships FS 1 4F   11.00   3.14 14.14 2.778
Olympic Games FS 1 4F+3T   15.20   3.46 18.66 3.111
Olympic Games FS 2 4F   11.00   3.77 14.77 3.333

今シーズンは結局ルッツはなしでフリップだけ入りました。盤石な4回転というわけでもなかったですが大事なところでしっかり決めた形になりました。

 

○3回転-3回転ループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Budapest Trophy SP 4 3Lzq+3Lo< 10.80 x -1.30 9.50 -2.286
Budapest Trophy FS 7 3Lz+3Loq q 11.88 x -0.24 11.64 -0.429
Grand Prix Torino FS 7 3Lz+3Lo   11.88 x 2.11 13.99 3.556
Internationaux de France FS 7 3Lz+3Lo   11.88 x 0.59 12.47 0.889
Russian Nationals SP 4 3Lz+3Lo   11.88 x 1.69 13.57 2.889
Russian Nationals FS 7 3Lz+3Lo   11.88 x -0.76 11.12 -1.222
Europe Championships FS 7 3Lz+3Lo   11.88 x 1.77 13.65 3.000
Olympic Games FS 7 3Lz+3Lo   11.88 x 1.94 13.82 3.333

シェルバコワ選手はルッツループが構成に入っています。初戦のショートは回転不足で減点、フリーはqで基礎点満額ですがGOEはマイナス。以降は回転は十分足りているという形でした。さすがにショートで入れるのはハイリスクとみたのかヨーロッパ選手権、オリンピックではフリーだけでしたが、そのフリーでは高い評価を得ていました。

 

○3回転-3回転トーループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Grand Prix Torino FS 2 3F+3T   9.50   1.74 11.24 3.222
Internationaux de France SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.43 12.54 2.333
Internationaux de France FS 3 3F+3T   9.50   1.29 10.79 2.444
Russian Nationals FS 2 3F+3T   9.50   1.97 11.47 3.667
Europe Championships FS 2 3F+3T   9.50   1.82 11.32 3.444
Olympic Games SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.85 12.96 3.111

セカンドトーループも当然あります。こちらは全件成功で高確率でした。実際にはグランプリのトリノで2つ目が2回転になった、ということはありましたし、ヨーロッパ選手権では1つ目のジャンプで転倒したためセカンド何を付けるつもりかわからなかったもののコンビネーションとしては失敗、というのはありました。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Budapest Trophy FS 8 3Lz+1Eu+3Sq q 11.77 x 0.12 11.89 0.143
Grand Prix Torino FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.51 12.62 2.778
Internationaux de France FS 8 3F!+1Eu+3S ! 11.11 x 0.00 11.11 0.000
Russian Nationals FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.44 12.55 2.667
Europe Championships FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.44 12.55 2.778
Olympic Games FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.59 12.70 2.889

3連続ジャンプは3つ目サルコウで基礎点が高めのものになっています。6試合でマイナス判定なし。すべてしっかり決めることが出来ました。

 

○回転不足要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Budapest Trophy SP 4 3Lzq+3Lo< 10.80 x -1.30 9.50 -2.286

今シーズン回転不足で基礎点から減点されたのは6試合で1つだけでした。ルッツループの後ろのループが回転不足。すべてのジャンプの中で一番回転不足を取られやすい要素だろうと思われるものです。他の普通のジャンプは回転不足なし。高い安定感でした。

 

ロシア勢、書くかどうか迷ったのですが、ある程度書いておきます。

というわけで世界チャンピオンからオリンピックチャンピオンに進化したシェルバコワ選手です。4回転飛ぶけどジャンプだけの選手ではない、それ以外の要素も含めすべてをこなします、という選手がオリンピックを勝つには多分ふさわしい。という中で、しばらく4回転を飛べておらず、むしろジャンプではない方で稼ぐ選手になっていましたが、ヨーロッパ選手権からオリンピック、勝負所で4回転フリップを決めることで勝ち切りました。世界ジュニアは勝ってませんし、ヨーロッパ選手権とグランプリファイナルも獲ってませんが、世界選手権勝ち、オリンピック勝、ロシアナショナルもジュニア時代から3連覇あり、ということでもう獲るもの獲った、という立場になりました。

こんな国際情勢なので来シーズン、というのはないでしょうが、そうでなかったとしても来シーズンがあったかどうかわからないように感じます

お疲れさまでした

 

21-22 島田麻央

2008年10月30日生まれ

ノービスA 2シーズン目

シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:-位

シーズンランキング:-位

シーズンベストスコア 160.68  エーニャスプリングトロフィー

ショートプログラムシーズンベスト 52.93 エーニャスプリングトロフィー

フリーシーズンベスト 107.75 エーニャスプリングトロフィー

ショートプログラム楽曲:ライオンキングより

フリープログラム楽曲:クイーンズギャンビットより

スピンレベル4率 22/37=59.5%

ステップレベル4率 0/13=0.00%

スピンオールレベル4 1/3

スピンステップオールレベル4  0/3

ジャンプ要素回転不足率 2/71=2.82%

ジャンプ回転不足なし 3/3

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/3

 

○21-22シーズンの戦績

J/S Grade Event Pl Total SP FS
NA DL 西日本中小学生競技会 1 105.62   105.62
J DL げんさんサマーカップ 2 162.76 56.10 106.66
NA RT 近畿選手権 1 120.83   120.83
NA NN 全日本ノービス 1 120.03   120.03
J NJ 全日本ジュニア 1 188.51 61.76 126.75
J DL 京都府総体 2 103.55   103.55
J IJ 全国中学スケート大会 1 182.47 63.99 118.48
J DL 京都府選手権 1 125.59   125.59
NA IC Egna Spring Trophy 1 160.68 52.93 107.75

島田麻央選手はまだノービスAの年代です。ノービスAは国内ではフリーのみ、海外ではアドバンスドノービスでショートフリー両方ありますがルールはジュニア以上とはだいぶ違う形になっています。また、国内ではジュニアカテゴリーの試合に出ることもなんどもあります。

8月に2試合。この2試合では4回転トーループがどちらも転倒でした。転倒1つあっても100点に乗るノービス、というのは驚異的ではありますが、国内の上位が集まるげんさんサマーカップのジュニアカテゴリーでは160点台では優勝できず2位となります。

次はブロック大会、近畿選手権でノーミスの120.83 ノービス新記録のスコアで勝つと、全日本ノービスも全要素全ジャッジプラス評価で120.03の圧勝。連覇を飾ります。

ノービスからの推薦選手として全日本ジュニアへ。ノービス勢の鬼門、ショートプログラムも全要素プラス評価の61.76で4位に付けます。フリーは4回転投入でGOE+2.000の高評価、他の要素も全要素プラス評価で技術点は76.03というシニアルールなら80点に相当するスコアでフリー126.75 総合188.51 残り3人を待ちます。ノーミスが出たら上へ行かれる、という微妙なスコアでしたが、最終的には順位はそのまま残り、ノービス勢からの推薦選手として初の全日本ジュニア優勝を果たしました。

ノービスからの飛び級はジュニアまでで、全日本ジュニアで優勝しても全日本には出られません。一方、中学生になっている今シーズンは全中に出られます。ここでは4回転はqとなりますが転倒はせず、ショートフリー合計でまた180点台に乗せ問題なく優勝します。

その後、シーズン終盤、島田麻央選手は新しいジャンプを投入してきました。まおと言えばトリプルアクセル。3月末の京都府選手権、フリーだけの試合ですが、ここでトリプルアクセルをGOE+2.000で成功させます。

そして、いよいよやってきました、島田麻央選手の国際大会初派遣。エーニャスプリングトロフィー。これはアドバンスドノービスのカテゴリーで、ショートは要素6つ、スピンが2つまででPCSは4項目でステップはレベル3まで、コンビネーションはセカンド2回転。フリーは要素9つでジャンプ6つコンビネーションは2つ、スピン2つ、PCS4項目でステップレベル3まで。ついでに3回転飛ぶとボーナスあるよ、というジュニア以上とスコアの比較のしようがないような変わったルールです。

ショートは全要素全ジャッジプラス2以上の高評価、技術点が32.59 スピン1つ少なくセカンド3回転なしでジャンプボーナス2点入ったというルールでまずまず取れたとみてよいスコアなのだろうと思います。フリーはトリプルアクセルを投入しqながら着氷、ほかの要素はしっかり決めて技術点はボーナス3点込みで63.89 本人、いいんだか悪いんだかよくわからない、みたいな表情をキスアンドクライで見せてましたが、各要素をしっかりこなして問題なく優勝です。

ここでシーズン終了。来シーズンからはジュニアへ上がります。

 

○要素別スコア

J/S Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
NA 西日本中小学生競技会 1 105.62 58.38 47.74 45.20 -0.75 10.72 3.21
J げんさんサマーカップ 2 162.76 96.80 66.96 69.97 -0.11 21.00 5.94
NA 近畿選手権 1 120.83 70.17 50.66 45.97 8.22 11.80 4.18
NA 全日本ノービス 1 120.03 69.63 50.40 45.97 8.06 11.71 3.89
J 全日本ジュニア 1 188.51 112.87 75.64 73.16 10.10 22.73 6.88
J 京都府総体 2 103.55 55.22 49.33 43.08 -0.25 9.70 2.69
J 全国中学スケート大会 1 182.47 105.34 77.13 68.76 7.15 22.37 7.06
J 京都府選手権 1 125.59 74.38 51.21 51.95 7.58 11.00 3.85
NA Egna Spring Trophy 1 160.68 96.48 64.20 58.80 9.78 14.65 8.25

要素別スコア、ノービス、ジュニア、ちょっとシニアとどう比較していいか難しいところもありますが。全日本ジュニアの188.51が一番高いスコアです。今シーズンはこれで優勝しましたが、近年の全日本ジュニアの優勝スコアは190点台が多かったですので圧倒的なスコアというほどではないです。

PCSは全日本ジュニアでも75点台、全中で77点台にまで伸ばしましたが、これは5項目平均6点台です。まだまだ伸びしろ十分で、年齢を経るにしたがって自然とスコアは上がっていくのだろうと思われます。

ジャンプの基礎点が全日本ジュニアで73.16ありました。国際大会でこれより高いジャンプの基礎点を今シーズン出した日本人選手は、吉田陽菜選手のみです。仮に、シニアルールで、ショートのダブルアクセルトリプルアクセルに置き換えられたら、基礎点は4.7上がり77.86になる計算。これより上はロシア勢から6人が数え上げられるだけになります。

ジャンプの加点は全日本ジュニアで二桁に乗せました。

スピンは22点台が最高。まだトップ選手とは少し差がありますが、4回転1本で補える程度の差ではあります。

ステップはコレオ無しで全中の7.06あるいはエーニャスプリングトロフィーの8.25が最高。コレオで4点足したとしても、まだ少しトップ選手とは差があります。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
げんさんサマーカップ 2 50.84 64.58 52.20 51.06 44.83 41.19
全日本ジュニア 1 57.83 66.97 69.34 56.45 49.30 46.98
全国中学スケート大会 1 56.19 63.68 64.39 55.33 50.78 47.98

偏差値はノービスカテゴリーのものは出しようがないので残念ですが国際大会デビューのエーニャスプリングトロフィーについても入れていません。ジュニアカテゴリーでショートフリー2つあった3試合を出しています。ステップ系要素はコレオ補正付です。

トータルスコアは全日本ジュニアの優勝スコアで偏差値57.83相当になっています。ジャンプの基礎点は偏差値60台中盤で全日本ジュニアは67近くまで出ていてトップ選手の領域です。

ジャンプの加点も全日本ジュニアで偏差値70近い高い評価となっています。

スピンは偏差値50台中盤、まずまず程度。ステップ系要素はコレオ補正後でも偏差値50前後になります。まだあまり高い評価は得られていません。

PCSは偏差値40台。ノービスですね、という扱いを受けている状態なようです。

 

21-22シーズン 島田麻央要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは明らかに右寄り。この年代はこうなりがちですが、偏差値70に近いところまで寄っているのは極端です。これから年齢が上がっていくにつて、まずスピンが伸びていき、次にステップとPCSがトップ選手に近づいていく、という流れになるのだと思います。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○全日本ジュニア ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3F   5.30   1.06 6.36 1.857
2 2A   3.30   0.66 3.96 1.857
3 LSp4   2.70   0.76 3.46 2.857
4 3Lz+3T   11.11 X 0.94 12.05 1.571
5 FSSp4   3.00   0.48 3.48 1.429
6 StSq2   2.60   0.52 3.12 2.000
7 CCoSp4   3.50   0.91 4.41 2.571
  TES   31.51   5.33 36.84  

ショートプログラムは全日本ジュニアの31.51が基礎点として最高でした。ステップレベル2があることで基礎点がトップ選手と差が出ていて、これをレベル4に出来るようになれば32.81まで基礎点があがります。あとはスピンの種類組み合わせの問題で、もうあと0.2基礎点を上げることは可能で33.01 というのがトリプルアクセル無しのセカンドループなし構成の最高基礎点になります。ショートのスコアアップはステップのレベル習得待ちです。

 

○全日本ジュニア フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   1.90 11.40 2.000
2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
3 3F   5.30   0.85 6.15 1.571
4 3Lo   4.90   0.59 5.49 1.286
5 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.143
6 2A+1Eu+3S   8.91 X 0.86 9.77 2.000
7 2A+3T   8.25 X 0.76 9.01 1.714
8 FSSp4   3.00   0.42 3.42 1.286
9 3Lz   6.49 X 1.30 7.79 2.286
10 StSq3   3.30   0.46 3.76 1.429
11 LSp4   2.70   0.92 3.62 3.571
  TES   65.95   10.08 76.03  

フリーの基礎点最高はジュニアルールで65.95でした。これはシニアルールでコレオありの場合の68.95に相当します。ロシア勢以外の今シーズンの国際大会最高基礎点はユヨン選手の68.45 それを上回る構成ということになります。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。3連続も3つ目サルコウ。持っているジャンプで基礎点が高くなる構成に出来てきています。4回転を2本入れる場合はルッツかトーループ、どちらかを1つ減らさないといけなくなります。1.1倍の組み換えなども入るので単純ではないですが、基礎点は3.5前後上がるはずです。それよりはトリプルアクセルを投入してダブルアクセルからの3連続の1つ目を3回転の別の何かにする、というようなやり方の方が基礎点は上がるので、トリプルアクセルと4回転の併用の方が効果はあります。理想は4回転2本+トリプルアクセルですが、そこまでたどり着けるかどうか。

 

○平均GOE3.000以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
近畿選手権 FS 10 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.200
近畿選手権 FS 4 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
げんさんサマーカップ FS 11 LSp3   2.40   0.88 3.28 3.600
Egna Spring Trophy SP 3 LSp3   2.40   0.88 3.28 3.600
全日本ジュニア FS 11 LSp4   2.70   0.92 3.62 3.571
全国中学スケート大会 SP 3 LSp4   2.70   0.99 3.69 3.400
Egna Spring Trophy FS 4 CCoSp3   3.00   1.00 4.00 3.400
全日本ノービス FS 10 LSp4   2.70   0.86 3.56 3.286
Egna Spring Trophy FS 7 3Lz   5.90   1.77 7.67 3.200
Egna Spring Trophy FS 9 FSSp3   2.60   0.87 3.47 3.200
全日本ノービス FS 4 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
全国中学スケート大会 FS 11 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
京都府選手権 FS 5 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Egna Spring Trophy SP 1 3Fb b 5.30   1.59 7.89 3.000
Egna Spring Trophy FS 6 2Ab+3T+2T b 8.80   1.26 11.06 3.000

平均GOEの高い要素はスピンでした。スピンの偏差値はそれほど高くないのですが、レベルの取りこぼしがまだ結構目立つというのがその理由として挙げられます。

ジャンプも+3くらいまでの評価は受けています。

ステップはこの中に入ってきません。まだ苦手要素ということなのだろうとみて取れます。

 

○4回転トーループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
西日本中小学生競技会 FS 1 4T   9.50   -4.75 4.75 -5.000
げんさんサマーカップ FS 1 4T   9.50   -4.75 4.75 -5.000
近畿選手権 FS 1 4T   9.50   1.90 11.40 2.200
全日本ノービス FS 1 4T   9.50   2.66 12.16 2.857
全日本ジュニア FS 1 4T   9.50   1.90 11.40 2.000
京都府総体 FS 1 4T< 7.60   -1.52 6.08 -1.600
全国中学スケート大会 FS 1 4Tq q 9.50   -1.90 7.60 -2.000

今シーズン4回転トーループを7回飛びました。転倒がシーズン序盤の2回。回転不足で基礎点が削られたことは1回ありました。大事な試合ではしっかり決めていましたが、常にプラス評価というほどの安定感まではありません。それでもシーズン中盤以降は3回転トーループでは取れない点数が入っていますし、実質的にはダブルアクセルの代替として入って来るジャンプとしては十分おつりのくる点を取れています。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
京都府選手権 FS 1 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
Egna Spring Trophy FS 1 3Aqb b 8.00   -1.07 7.93 -1.400

シーズン後半にはトリプルアクセルを投入してきました。2回とも着氷。エーニャスプリングトロフィーではqマークでした。まだ回数は少ないですが、飛べたというのは事実です。

4回転トーループショートプログラムに組み込むことは出来ませんが、トリプルアクセルならシニアルールでは投入可能です。

 

○3回転-3回転を含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
西日本中小学生競技会 FS 2 3Lz+3T   10.10   1.57 11.67 2.600
げんさんサマーカップ SP 4 3Lzq+3T q 11.11 X -0.44 10.67 -0.750
げんさんサマーカップ FS 2 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.400
近畿選手権 FS 2 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 2.800
全日本ノービス FS 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.143
全日本ジュニア SP 4 3Lz+3T   11.11 X 0.94 12.05 1.571
全日本ジュニア FS 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
京都府総体 FS 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.200
全国中学スケート大会 SP 4 3Lz+3T   11.11 X 1.77 12.88 2.800
全国中学スケート大会 FS 2 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.200
京都府選手権 FS 2 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.400
Egna Spring Trophy FS 2 3Lzb+3T b 10.10   1.57 12.67 2.600

3回転3回転は多くの選手にとっては1番難しい要素ですが、島田麻央選手にとっては3番目に難しい要素にあたるでしょうか。この要素は今シーズン12回飛んで、回転不足による基礎点減点なし、転倒無し、GOEがマイナスになったのは1度だけ、と高い成功率を保っています。ショートでは1.1倍のところに入れており、自信のほどがうかがえます。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
西日本中小学生競技会 FS 6 2A+1Eu+3S   8.91 X 0.86 9.77 2.000
げんさんサマーカップ FS 6 2A+1Eu+3S   8.91 X 0.72 9.63 1.600
近畿選手権 FS 6 2A+3T+2T   9.68 X 0.56 10.24 1.200
全日本ノービス FS 6 2A+3T+2T   9.68 X 0.76 10.44 1.857
全日本ジュニア FS 6 2A+1Eu+3S   8.91 X 0.86 9.77 2.000
京都府総体 FS 6 2A+1Eu+1S   4.62 X -0.22 4.40 -1.000
全国中学スケート大会 FS 6 2A+1Eu+3S   8.91 X 1.15 10.06 2.400
京都府選手権 FS 6 2A+1Eu+3S   8.91 X 0.72 9.63 1.600
Egna Spring Trophy FS 6 2Ab+3T+2T b 8.80   1.26 11.06 3.000

3連続ジャンプは2パターンあって、ダブルアクセル起点共通で、セカンド3回転コースか、3つ目サルコウコースか。コンビネーションが2回までのノービスルールの場合はセカンド3回転コースを選ぶ、ということになるようです。回転不足はqを含めて1度もなく、GOEマイナスも1度だけ。12月のフリーだけの試合、京都府選手権は他の要素含め調子悪く、3連続ジャンプも失敗していましたが、ほかの時はきっちり決めていました。

 

○回転不足で基礎点が減点された要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
京都府総体 FS 1 4T< 7.60   -1.52 6.08 -1.600
京都府総体 FS 9 3Lz<< <<  2.31 X -1.05 1.26 -5.000

島田麻央選手は今シーズン71回ジャンプ要素をこなしましたが、その中で回転不足で基礎点から減点されたのは2回だけでした。4回転やトリプルアクセルをあれだけの数跳んでいながらのこの結果です。他に、トリプルループが抜けて1回転になった、というような事例もありますが、シーズン通して回転はしっかりしていたようです。

 

まだノービスの島田麻央選手。現状ルールではシニアに上がるのは2024-25シーズンからになりますが、ルール改定されて26-27シーズンからになる可能性があります。ノルウェーが単独で提案していたうちはまだまだよくわからない感じでしたが、ISU評議会からの提案となってきたので、これは通りそうな感触があります。そうなると4シーズンジュニアで活動することになる。長いですねー。2030年オリンピックは21歳になるシーズンです。4年に1度しかないオリンピック。タイミングが悪いとそんなことになってしまうらしい。

少なくとも来シーズンはジュニアに上がります。まずはジュニアグランプリシリーズ、そしてファイナル、国内では全日本も出場可能で、最後は世界ジュニア、というのが目指すコースなはずです。

世界ジュニアの枠は2つ。実はまだ圧倒的な強さというほどスコアが抜けているわけではないですので、吉田陽菜選手がジュニアに残ったり、中井亜美選手がトリプルアクセルを完全装備させたりしてきたときには、ちょっとしたミスで2枠に入れない可能性もありますが、自分の方も進化して4回転とトリプルアクセルの両立にPCSも伸ばして220点オーバー、なんてことにして、ロシアいなくてもジュニアがおかしい、と世界を驚かせる可能性もやっぱりあります。

いずれにしても楽しみな来シーズンのジュニアデビューです。

 

21-22 イ・ヘイン

2005年4月16日生まれ

シニア2シーズン目

シーズン獲得賞金:$16,000

世界ランキング:16位

シーズンランキング:18位

シーズンベストスコア 213.52(18位) 四大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 69.97 四大陸選手権

フリーシーズンベスト 143.55 四大陸選手権

ショートプログラム楽曲:アヴェ・マリア

フリープログラム楽曲:Homage to Korea

スピンレベル4率 38/42=90.5%

ステップレベル4率 9/14=64.3%

スピンオールレベル4 6/7

スピンステップオールレベル4  3/7

ジャンプ要素回転不足率 10/70=14.3%

ジャンプ回転不足なし 2/7

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 1/7

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
GP Skate Canada 7 190.00 62.63 127.37
GP Internationaux de France 10 171.32 63.18 108.14
NC Korean Championships 3 206.33 68.63 137.70
4CC Four Continents 2 213.52 69.97 143.55
WC World Championships 7 196.55 64.16 132.39
IC Egna Spring Trophy 2 182.32 60.99 121.33
IC Triglav Trophy 1 176.15 65.91 110.24

イ・ヘイン選手は昨シーズン世界選手権に出場。オリンピック代表選考の有力候補として今シーズンを迎えます。

初戦はグランプリシリーズから、2戦枠を持っていましたが、スコアは今一つ伸ばすことができませんでした。心配な状態からの韓国選手権。ショートは3位スタート、オリンピックの枠は2つ。2位とは0.34ポイント差と僅差ですが年齢が足りないのでオリンピックの選考対象外。一方、4位とも1.11差、5位1.18差、非常に僅差の中でフリーを迎えます。このフリーはスピンステップオールレベル4、マイナス要素なし回転不足なし。パーソナルベスト相当の137.70のスコアを出しますが、2人残して2位。最終的に最終滑走のユヨン選手に上に行かれ総合3位。オリンピックとは1.31ポイント差で敗れました。

得られた権利は四大陸と世界ジュニア。10日ほどしか間がないスケジュールでしたが四大陸選手権エストニアに飛びます。失意の四大陸まわり、気持ちを立て直す時間もそれほどなかったと思うのですが、ショートから69.97とシーズンベストのスコアで2位。フリーはノーミス。技術点を76.42まで出して人生初の140点越え。トータル213.52で2位表彰台となりました。

シーズンラストは世界ジュニア、の予定だったのですが、キムイェリム選手が欠場したことで、世界選手権が回ってきました。この試合はショートで3-3が入らず11位スタート。今一つの立ち上がり。ユヨン選手がショート4位発進なので、来シーズン韓国3枠のためにはイ・ヘイン選手が順位を上げる必要があります。フリーはジャンプに苦しんだ感じはあり、qマーク3つ、それでもアンダーローテーションにならずに踏みとどまり、132.39 トータル196.55で10人残して2位。微妙な位置で滑走を追えます。その後第3グループが終わっても順位変わらず2位のまま、最終的に7位で終え、韓国の来期3枠確保に貢献しました。

世界選手権に出て世界ジュニアは欠場。これでシーズン終わりかと思いきやB級大会2試合をこなします。トリグラフトロフィーは優勝しながらも残念ながら出場選手が少なくポイントがもらえなかったのですが、エーニャスプリングトロフィーで2位の225ポイントで世界ランクを上げることは出来ました。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Skate Canada 7 190.00 95.80 95.20 63.12 -2.93 22.46 13.15
Internationaux de France 10 171.32 82.37 89.95 57.36 -6.72 18.36 13.37
Korean Championships 3 206.33 109.09 97.24 64.84 6.02 23.39 14.84
Four Continents 2 213.52 114.31 99.21 65.08 10.88 24.33 14.02
World Championships 7 196.55 100.60 95.95 60.16 2.85 24.05 13.54
Egna Spring Trophy 2 182.32 95.11 87.21 60.78 -3.69 23.73 14.29
Triglav Trophy 1 176.15 93.00 85.15 55.25 -0.40 24.23 13.92

シーズンベストは四大陸選手権の213.52 今シーズン18位のスコアです。悪い時は170点台になりますので安定感はそれほどないということになるでしょうか。

技術点は114.31まで出ました。PCSは90点台後半まで。5項目平均8点台前半くらいまでです。

ジャンプの基礎点は60点台半ばまであります。加点も四大陸で二桁に乗りました。

スピンは24点台まで出します。ステップも14点台が出ます。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
Skate Canada 7 58.24 59.47 47.47 55.61 58.90 60.02
Internationaux de France 10 53.17 55.17 41.10 42.84 59.78 56.52
Korean Championships 3 62.67 60.75 62.49 58.51 65.63 61.38
Four Continents 2 64.62 60.93 70.65 61.43 62.37 62.70
World Championships 7 60.01 57.26 57.17 60.56 60.46 60.52
Egna Spring Trophy 2 56.15 57.72 46.19 59.56 63.44 54.70
Triglav Trophy 1 54.48 53.59 51.71 61.12 61.97 53.32

偏差値に直すとトータルスコアは60台前半まで乗せます。ジャンプの基礎点は偏差値60ほど。加点は四大陸で偏差値70に乗せました。スピンステップPCSと偏差値60を少し超えるあたり。全体的に偏差値60台前半というところに位置している選手なようです。

 

21-22シーズン イ・ヘイン要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートはジャンプの加点がやはりほかの選手と同じようにばらつきますが、それ以外は全体的にバランス型の形をしています。

 

●シーズン最高の基礎点構成

スケートカナダ ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.71 4.01 2.111
2 3Lz+3Tq q 10.10   -0.42 9.68 -0.667
3 FCSp4   3.20   0.50 3.70 1.556
4 SSp4   2.50   0.57 3.07 2.333
5 3F   5.83 x -2.65 3.18 -5.000
6 CCoSp4   3.50   0.60 4.10 1.778
7 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
  TES   31.73   0.30 32.03  

ショートプログラムの最高基礎点は31.73でした。ステップがレベル3 これがレベル4だと32.33になります。トリプルアクセル無しの最高基礎点が今シーズン33.01なので、32.33まで出せば、出来栄え勝負とすることができると言えそうです。

 

四大陸選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
2 3Lo   4.90   1.47 6.37 3.000
3 2A+3T   7.50   0.96 8.46 2.333
4 3S   4.30   1.04 5.34 2.444
5 FCCoSp4   3.50   0.30 3.80 0.889
6 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.18 10.97 1.889
7 3F   5.83 x 1.21 7.04 2.333
8 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.889
9 2A   3.63 x 0.47 4.10 1.333
10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
11 FCSp4   3.20   0.87 4.07 2.778
12 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
  TES   63.15   13.27 76.42  

四大陸選手権のフリーでは63.15の基礎点を出しました。今シーズン、トリプルアクセル無しの最高基礎点が63.33でしたので、トリプルアクセルの無い相手とであれば、十分に出来栄えで勝負できる構成ということになります。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。スピンも合計基礎点10.20になる一番高い組み合わせです。1.1倍にコンビネーションをもう1つ持ってくればさらに基礎点上がるかと思います。

 

○平均GOE2.800以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Four Continents FS 12 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
Triglav Trophy SP 7 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.400
Four Continents FS 10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
World Championships SP 7 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
Korean Championships FS 10 ChSq1   3.00   1.70 4.70 3.286
Egna Spring Trophy FS 10 ChSq1   3.00   1.67 4.67 3.200
Korean Championships SP 7 StSq4   3.90   1.33 5.23 3.143
Skate Canada FS 8 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.111
Skate Canada FS 10 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.111
Four Continents SP 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.111
Skate Canada SP 7 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
Skate Canada FS 11 SSp4   2.50   0.75 3.25 3.000
Four Continents SP 7 StSq3   3.30   0.94 4.24 3.000
Four Continents FS 2 3Lo   4.90   1.47 6.37 3.000
Triglav Trophy SP 2 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
Skate Canada FS 5 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.889
Four Continents FS 1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
Four Continents FS 8 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.889
Egna Spring Trophy SP 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.800
Egna Spring Trophy SP 7 StSq4   3.90   1.04 4.94 2.800
Triglav Trophy SP 3 FCSp4   3.20   0.85 4.05 2.800
Triglav Trophy SP 4 SSp4   2.50   0.67 3.17 2.800
Triglav Trophy SP 6 CCoSp4   3.50   0.93 4.43 2.800

評価の高い要素はステップとコレオが多いです。スピンもいくつかいます。ジャンプは良いん大陸選手権のトリプルループトリグラフトロフィーダブルアクセルが+3.000ありました。

偏差値見ると60前後でしたがその中でわずかにステップ系要素の偏差値が高めではあったでしょうか。GOEとしては高評価なのですが、レベル3が散見するあたりでスコアが伸び切れていないのかなあ、という感じはあります。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Internationaux de France FS 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000

今シーズン、イ・ヘイン選手はフランス杯でトリプルアクセルに挑戦しましたが、回転不足で基礎点を削られ、転倒しました。練習中、という要素なようです。

 

○3回転-3回転の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate Canada SP 2 3Lz+3Tq q 10.10   -0.42 9.68 -0.667
Skate Canada FS 2 3Lz+3Tq q 10.10   -0.34 9.76 -0.333
Internationaux de France SP 5 3F+3T< 9.53 x -1.06 8.47 -2.000
Korean Championships SP 1 3Lzq+3T q 10.10   -0.35 9.75 -0.714
Korean Championships FS 1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
Four Continents SP 1 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.111
Four Continents FS 1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
World Championships FS 1 3Lz+3Tq q 10.10   0.00 10.10 0.000
Egna Spring Trophy SP 1 3Lz!+3Tq ! 10.10   -0.98 9.12 -1.600
Egna Spring Trophy FS 2 3Lo+3T< 8.26   -0.98 7.28 -1.800
Triglav Trophy SP 1 3Lz+3T< 9.26   -0.39 8.87 -0.400

3回転3回転はルッツ起点が基本です。回転がギリギリのqや足りないアンダーローテーションが目立ちます。11回飛んでアンダーローテーション3回、qが5つ。結果としてGOEもマイナスが目立ちますが、転倒にはなっていません。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate Canada FS 6 3Lz<+1Eu+3S< 9.53 x -1.49 8.04 -3.111
Internationaux de France FS 9 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.12 8.15 0.333
Korean Championships FS 6 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 0.71 10.50 1.143
Four Continents FS 6 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.18 10.97 1.889
World Championships FS 6 3Lz+2T+2Loq q 9.79 x -0.17 9.62 -0.333
Egna Spring Trophy FS 6 3Lzq+2T+1Lo q 8.47 x -0.98 7.49 -1.600
Triglav Trophy FS 1 3Lz+2T+2Lo   8.90   -0.20 8.70 -0.600

3連続ジャンプは6つ目の要素にルッツから入れる、というのが基本なようです。スケートカナダで最後に3回転のサルコウを入れることを試みましたが、アンダーローテーション2つで基礎点はあまりもらえませんでした。普通に3連続とんだ重要な試合、韓国選手権、四大陸選手権、世界選手権、という3試合では普通のスコアとなっているようです。

 

昨シーズンシニアデビューシーズンでコロナにぶつかりつつも世界選手権に出場したイ・ヘイン選手。今シーズンはわずかにオリンピックに届きませんでした。それでも四大陸2位でチャンピオンシップ初表彰台。いいシーズンだったのか残念なシーズンだったのか微妙なところ。まあ、オリンピックは出たかっただろうなあ、とは思いますけれど。

自身の力で世界選手権3枠を確保しました。来シーズンは自分で取ってきたイスに自分で座りたいだろうと思いますが、韓国はジュニアからも有力選手が上がってきて争いはし烈。おそらく、来シーズンは日韓バトルみたいな試合がグランプリシリーズが増えるのではないかと思っているのですが、その一翼を担う選手なのだろうと思います。

 

 

 

21-22 吉田陽菜

2005年8月21日生まれ

ジュニア3シーズン目

シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:142位

シーズンランキング:109位

シーズンベストスコア 210.77 (21位) エーニャスプリングトロフィー

ショートプログラムシーズンベスト 73.04 エーニャスプリングトロフィー

フリーシーズンベスト 137.73 エーニャスプリングトロフィー

ショートプログラム楽曲:Shine On You Crazy Diamond

フリープログラム楽曲:Planet Ocean Suite

スピンレベル4率 48/57=84.2% (国際大会:12/12=100%)

ステップレベル4率 5/19=26.3%(国際大会:4/4=100%)

スピンオールレベル4 4/9(国際大会:2/2)

スピンステップオールレベル4  2/9(国際大会:2/2)

ジャンプ要素回転不足率 4/93=4.30%(国際大会:1/20=5.00%)

ジャンプ回転不足なし 5/9(国際大会:1/2)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 1/9(国際大会1/2)

 

○21-22シーズンの戦績

J/S Grade Event Pl Total SP FS
J DL みなとアクルス 1 165.95 41.14 124.81
S DL 木下トロフィー争奪 1 197.16 64.34 132.82
J RT 近畿選手権 3 178.41 54.22 124.19
J RT 西日本選手権 6 162.71 55.44 107.27
J NJ 全日本ジュニア 4 172.55 62.48 110.07
J DL 愛知県代表選考会 6 46.87 46.87  
S NC 全日本選手権 9 187.44 61.35 126.09
J IC Bavarian Open J2 1 194.23 60.73 133.50
S DL 愛知県フィギュア 1 188.80 63.79 125.01
S IC Egna Spring Trophy 1 210.77 73.04 137.73

吉田陽菜選手はジュニア3シーズン目。シニアに上がることも可能な年齢ではありましたがジュニアに残留しました。グランプリ枠がもらえる位置でもないですし、昨年の全日本で順位が高くないのでチャレンジャーシリーズも回してもらえなさそうだったこともあり、ジュニアグランプリ狙いだったと思うのですが、このジュニアグランプリがコロナの影響で日本からは派遣中止に。シーズン前半は国内戦に回ります。

7月のみなとアクルス杯は平凡なスコア。ショートプログラム41.14は今どきなかなか見ないスコアです。ジャンプ3つすべてGOE-5の2転倒でコンビネーションはいらず単独フリップはダウングレード。これより下は存在しない、みたいなひどいシーズンスタートでしたが、フリーはトリプルアクセルをクリーンに決めマイナス要素無し、というよくわからない試合でした。

8月頭にはシニアカテゴリーで木下トロフィーに出場し197.16 パーソナルベスト相当のスコアを出します。全日本でも上位で戦える水準です。

その後ジュニアカテゴリーで近畿選手権、西日本選手権と勝ち上がって全日本ジュニア。ショート3位で優勝を目指す位置でしたがフリーは細かいミスも積み重なり平凡なスコア、トータル4位に終わります。この時期はケガも抱えていたようで調子が上がっていなかったでしょうか。

世界ジュニアを賭けての全日本。ショートはルッツ転倒ながらもシニアルールなので後半のフリップでリカバリー3Tを付けて61.35 13位、ジュニアからの推薦選手中では4番目で折り返します。逆転を賭けたフリー、トリプルアクセルはステップアウトながらも着氷、その後も大きなミスはなく滑りますが、加点を稼げるところまではいかず、本人比ではまずまず程度の出来で126.09 トータル187.44 この時点ではトップになり、あとの選手を待ちます。

結局総合9位 ジュニアの推薦選手からの中では2番目、でももっと上にシニアから来た10代選手はいて、世界ジュニアの枠は2つ、という微妙な位置で試合を終えました。

1日待っての代表発表、結果、補欠、ということになりました。

 

シーズン後半は待望の国際大会派遣です。ジュニアグランプリシリーズに2シーズン派遣が途絶えていたこともあり、ミニマムスコアを全く持っていません。補欠とはいえこれを取りに行かなくてはならず、1月のババリアンオープンのジュニアカテゴリーに出場。ショートでフリップが1回転になるミスもあり60.73とスコア伸びませんがフリーではトリプルアクセルを国際大会初成功。スピンステップオールレベル4で減点要素無し、という素晴らしい出来で133.50という国内大会でも出したことのないパーソナルベスト相当のスコアを出して優勝します。

ババリアンオープンに出ていたのでインターハイはなし、国体もなし。2月末に愛知県フィギュアを滑ってこれで今シーズン終わりかな、と思っていたら、全日本9位のご褒美派遣でエーニャスプリングトロフィーのシニアカテゴリーの試合が4月に入りました。シニアなのでトリプルアクセルがショートから入り、平均GOE+3.200という高評価で成功、単独ループがアンダーローテーションという減点はありましたが、それでも73.04という高いスコアを得ます。フリーはトリプルアクセルでqがつきましたが着氷、他の要素もしっかり滑って137.73 これもパーソナルベスト相当のスコアでトータル210.77 国内でも200点に達したことのない選手が、国際大会で210点にまで達してシーズンを終えました。210点まで国際大会で出したのは今シーズン日本人では5人だけになります。

 

○要素別スコア

J/S Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
J みなとアクルス 1 165.95 89.68 78.27 62.25 -0.46 20.68 7.21
S 木下トロフィー争奪 1 197.16 112.89 84.27 75.00 5.67 21.38 10.84
J 近畿選手権 3 178.41 98.33 80.08 62.94 5.77 21.15 8.47
J 西日本選手権 6 162.71 86.27 77.44 61.94 -2.63 20.51 6.45
J 全日本ジュニア 4 172.55 94.43 78.12 64.14 1.32 21.76 7.21
J 愛知県代表選考会 6 46.87 22.73 24.14 7.88 0.78 10.11 3.96
S 全日本選手権 9 187.44 106.06 82.38 75.68 -3.94 21.73 12.59
J Bavarian Open J2 1 194.23 106.77 87.46 64.73 9.02 23.14 9.88
S 愛知県フィギュア 1 188.80 105.52 84.28 70.44 0.79 22.33 11.96
S Egna Spring Trophy 1 210.77 116.77 94.00 73.74 6.14 23.27 13.62

技術点はいい時と悪い時の差が激しく、ジュニアカテゴリーとは言え80点台で終わる試合もありました。シーズン中盤以降は100点台に乗せ、最後は116.77までもってきています。116.77は日本人選手では3番目、これより上は他はアリサリュウ選手とロシア勢となります。

PCSはまだ伸びておらず、70点台のこともシーズン中盤まではあり、全日本以降は80点台はあり、最後は94点までもってきています。5項目平均で7点台前半が普通で、エーニャスプリングトロフィーでは8点に近いところまで来ました。

ジャンプの基礎点は70点台を普通に見かけます。国際大会では73.74が最高。これは日本人選手の今シーズン国際大会の最高基礎点です。今シーズン全体位で11位、ロシア勢とユヨン選手が上にいます。

ジャンプの加点はマイナスも散見し、一番いい時でババリアンオープンの9.02です。エーニャスプリングトロフィーは素晴らしいトータルスコアでしたが、それでもノーミスではなく、ジャンプの加点は6.14にとどまっています。

スピンは20から21点台で、国際大会では23点台まで乗せてきました。23点台は高いスコアではないですが、まずまずくらい

ステップ系要素はジュニアだとコレオがないので低く出ます。これを有りのシニアの試合で全日本が12点台、エーニャスプリングトロフィーで13点台まで出しました。13点台あれば、それほど高くはないまでも足を引っ張るほどでもないスコアです。

 

○要素別偏差値

J/S Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
J みなとアクルス 1 51.71 58.82 51.61 50.07 50.85 48.74
S 木下トロフィー争奪 1 60.18 68.34 61.91 52.25 49.71 52.74
J 近畿選手権 3 55.09 59.33 62.07 51.53 57.59 49.94
J 西日本選手権 6 50.83 58.59 47.97 49.54 49.01 48.18
J 全日本ジュニア 4 53.50 60.23 54.60 53.43 51.33 48.64
S 全日本選手権 9 57.54 68.85 45.77 53.34 56.68 51.48
J Bavarian Open J2 1 59.38 60.67 67.53 57.73 63.00 54.86
S 愛知県フィギュア 1 57.91 64.93 53.71 55.20 54.17 52.74
S Egna Spring Trophy 1 63.87 67.40 62.69 58.13 60.78 59.22

偏差値で見るとトータルスコアは50台中盤から後半が多かったわけですが、210点に乗せたエーニャスプリングトロフィーで63.87と60台中盤というトップ選手感のあるところまで来ました。

ジャンプの基礎点は60台が標準で、多くの試合で60台後半まであります。明らかな得意分野。一方ジャンプの加点は40台あり60台あり、出来の良さで別れる形です。

スピンはシーズン前半は50前後、年が明けてから50台後半になってきました。本人比ではあまり得意とは言えない要素なようです。

ステップはジュニアカテゴリーの試合はコレオ補正後で計算させたものになります。シーズン前半は50前後が多く平凡。レベルも取れていませんでしたが、それが国際大会2試合では偏差値60超え。国内の試合では取れなかったレベル4を国際大会2試合ではショートフリーと揃えて苦手分野から脱却してきた形になっています。

PCSはまだあまり評価されていないようです。

 

21-22シーズン 吉田陽菜要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは比較的右上に伸びがちでしょうか。ババリアンオープンはステップ側にも伸びていてむしろジャンプの基礎点より偏差値高いですが割と例外的です。

国際大会の出場が少ないので国内ローカル試合もショートフリー二つあるものはすべて載せてみましたが、いい時の広がり方と悪い時の縮まり方、ずいぶん差があるなあ、というのも見て取れます。全日本のジャンプのGOEが極めて低いのが残念で、ここでいい結果を出せていれば世界ジュニアでした。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○エーニャスプリングトロフィー ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   2.40 10.40 3.200
2 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.400
3 FSSp4   3.00   0.60 3.60 2.200
4 CSp4   2.60   0.52 3.12 1.600
5 3Lo< 4.31 x -0.52 3.79 -1.400
6 StSq4   3.90   0.91 4.81 2.400
7 CCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.600
  TES   35.41   6.57 41.98  

ショートプログラムの基礎点最高は35.41 トリプルアクセルがあるのでここまで来ます。ここは国際大会から拾ってきたのでこうなっていますが、全日本では37.35ありました。今シーズンの国際大会で37.35より上の基礎点構成は、ワリエワ、トゥルソワ、2選手しかいません。国際大会の35.41はループが回転不足。これの回転が足りていれば36.00まで来ます。ここまでくれば後はもう出来栄え勝負です。

 

○エーニャスプリングトロフィー フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Aq q 8.00   -1.33 6.67 -1.600
2 2A+3T   7.50   1.12 8.62 2.600
3 3F   5.30   1.59 6.89 2.800
4 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.200
5 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.000
6 CCoSp4   3.50   0.82 4.32 2.400
7 3Lz!q+3T ! 11.11 x -1.38 9.73 -2.400
8 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.200
9 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.72 8.75 1.600
10 StSq4   3.90   0.91 4.81 2.400
11 SSp4   2.50   0.75 3.25 3.200
12 FCCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.200
  TES   67.73   7.06 74.79  

フリーの最高基礎点は67.73ありました。今シーズンの日本人選手トップの基礎点構成ですこれより上はロシア勢とユヨン選手だけです。全体で12位の基礎点。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。3連続がサルコウ起点で2回転2つ付ける形になっていますが、ダブルアクセル起点で最後に3Sの方が基礎点はあがります。トリプルアクセル持ちは3連サルコウ付きが計算値的には有効です。トリプルアクセルを2本入れる力量もありますが、その場合ルッツを1本にするかトーループを1本にするかを迫られます。トーループ1本の場合は2A-3Tの代替で3A-2Tになるので基礎点の増加は1.80 ルッツの代替の場合は単純には2.10基礎点が上がりますが1.1倍に何を入れるかの関係でもう少し下がりそうです。基礎点増加2点程度なので、よほど自信がないと入れにくいのがトリプルアクセルの2本目です。

あとはスピンにシットスピンが入っているのがやや弱い部分です。スピンは構成次第で合計10.20の基礎点に出来ますが、シットスピンがある関係で9.50にとどまっています。

トリプルアクセル無し勢の今シーズン最高基礎点は63.33でした。それより4.40高い基礎点。トリプルアクセル組は2本入れると70点に乗るところまで基礎点は上げることは可能で、今シーズンの最高は69.79のトゥクタミシェワ選手がいました。70点を大きく超えていくには4回転の投入が求められます。

 

○平均GOE2.500以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Egna Spring Trophy SP 7 CCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.600
近畿選手権 SP 1 2A   3.30   1.10 4.40 3.400
Bavarian Open J2 FS 10 SSp4   2.50   0.92 3.42 3.400
Bavarian Open J2 SP 7 CCoSp4   3.50   1.17 4.67 3.200
Egna Spring Trophy SP 1 3A   8.00   2.40 10.40 3.200
Egna Spring Trophy FS 11 SSp4   2.50   0.75 3.25 3.200
木下トロフィー争奪 SP 6 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.000
西日本選手権 SP 6 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.000
Bavarian Open J2 SP 3 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
西日本選手権 SP 4 CSp4   2.60   0.78 3.38 2.857
西日本選手権 SP 7 CCoSp4   3.50   0.98 4.48 2.857
近畿選手権 SP 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.800
近畿選手権 FS 10 SSp3   2.10   0.56 2.66 2.800
Bavarian Open J2 FS 1 3A   8.00   2.13 10.13 2.800
Bavarian Open J2 FS 7 3Lz   6.49 x 1.77 8.26 2.800
Egna Spring Trophy FS 3 3F   5.30   1.59 6.89 2.800
木下トロフィー争奪 FS 10 StSq2   2.60   0.69 3.29 2.600
近畿選手権 SP 7 CCoSp4   3.50   0.82 4.32 2.600
近畿選手権 FS 4 3Lo   4.90   1.31 6.21 2.600
近畿選手権 FS 9 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.600
Bavarian Open J2 SP 6 StSq4   3.90   1.04 4.94 2.600
Bavarian Open J2 FS 9 StSq4   3.90   1.04 4.94 2.600
Egna Spring Trophy FS 2 2A+3T   7.50   1.12 8.62 2.600
全日本ジュニア SP 1 2A   3.30   0.86 4.16 2.571
みなとアクルス FS 9 StSq2   2.60   0.65 3.25 2.500

スピンは偏差値的には得意な要素とは言えないのですが、一つ一つの要素で見た時には高い評価を受けていることも多いです。ジャンプではアクセルジャンプが高評価な位置にあって、エーニャスプリングトロフィーのショートのトリプルアクセルは平均GOE+3.200ありました。今シーズンの国際大会でこれより評価の高いトリプルアクセルは、ワリエワ選手のものしかありません。

 

トリプルアクセルを含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
みなとアクルス FS 1 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
木下トロフィー争奪 SP 1 3A   8.00   -2.67 5.33 -3.400
木下トロフィー争奪 FS 1 3A   8.00   1.60 9.60 1.800
近畿選手権 FS 1 3A+3T   12.20   1.33 13.53 1.800
近畿選手権 FS 2 3A   8.00   1.60 9.60 1.800
西日本選手権 FS 2 3A   8.00   1.76 9.76 2.286
全日本ジュニア FS 2 3A   8.00   1.28 9.28 1.571
全日本選手権 SP 1 3A   8.00   -2.17 5.83 -2.667
全日本選手権 FS 1 3A   8.00   -1.71 6.29 -2.111
Bavarian Open J2 FS 1 3A   8.00   2.13 10.13 2.800
愛知県フィギュア SP 1 3A   8.00   0.96 8.96 1.143
愛知県フィギュア FS 1 3A   8.00   -1.28 6.72 -1.571
Egna Spring Trophy SP 1 3A   8.00   2.40 10.40 3.200
Egna Spring Trophy FS 1 3Aq q 8.00   -1.33 6.67 -1.600

今シーズンのトリプルアクセル要素。多数のトリプルアクセルを飛んでいるのですが、驚くべきことに、回転不足がqで1回あるのみで、基礎点が削られるアンダーローテーションもダウングレードも1度もありません。ただ、ここに載らない、抜けで1回転になる、というようなものはありました。また、GOE-5もなし。つまり、トリプルアクセル要素で転倒がありません。これだけの数を飛んで一番悪いスコアでも5.33 ダブルアクセルでは出すことのできない得点を稼いでいますので、安心してトリプルアクセルを構成に組み込むことができます。これは圧倒的な強みです。

 

○3回転-3回転を含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
みなとアクルス FS 2 3Lz+3T   10.10   0.89 10.99 1.667
木下トロフィー争奪 SP 2 3Lz+3T   10.10   0.98 11.08 1.800
木下トロフィー争奪 FS 2 3Lz+3T   10.10   0.98 11.08 1.800
近畿選手権 SP 2 3Lz!q+3T ! 10.10   -1.38 8.72 -2.400
近畿選手権 FS 1 3A+3T   12.20   1.33 13.53 1.800
西日本選手権 SP 2 3Lzq+3T q 10.10   -0.35 9.75 -0.714
西日本選手権 FS 8 3S+3Tq+2T* * 9.35 X -0.60 8.75 -1.429
全日本ジュニア SP 2 3Lz+3T   10.10   1.06 11.16 1.714
全日本ジュニア FS 6 3Lz!q+3T ! 11.11 X -1.18 9.93 -2.143
全日本選手権 SP 5 3F+3T   10.45 X 0.76 11.21 1.333
全日本選手権 FS 8 3Lz+3T   11.11 X 0.93 12.04 1.556
Bavarian Open J2 SP 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.200
Bavarian Open J2 FS 6 3Lz!+3T ! 11.11 x 0.59 11.70 0.800
愛知県フィギュア SP 2 3Lz!<+3Tq ! 8.92   -2.36 6.56 -4.571
愛知県フィギュア FS 7 3Lz+3T   11.11 X 0.71 11.82 1.143
Egna Spring Trophy SP 2 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.400
Egna Spring Trophy FS 7 3Lz!q+3T ! 11.11 x -1.38 9.73 -2.400

3回転-3回転も着氷率は高いです。7月のみなとアクルス杯のショートはひどいことになっていましたが、それ以外はショートフリーに1つづつ、リカバリーのこともありますが3-3がしっかり入っています。シーズン中盤以降はフリーの3-3は1.1倍に入れる形になってきました。GOEマイナスはそれなりに目立つので安定度が高いとまでは言いにくいですが、小さなミスで抑えることができる程度には決めてきています。回転不足も愛知県フィギュアのショートであったくらいで、他は基礎点が削られる形にはなっていません。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
みなとアクルス FS 8 3S+2T+2Lo   8.03 X 0.54 8.57 1.333
木下トロフィー争奪 FS 9 3S+2T+2Lo   8.03 X 0.86 8.89 1.600
西日本選手権 FS 8 3S+3Tq+2T* * 9.35 X -0.60 8.75 -1.429
全日本ジュニア FS 8 3S+2T+1Lo   6.71 X 0.09 6.80 0.143
全日本選手権 FS 9 3S+2T+2Lo   8.03 X -0.12 7.91 -0.333
Bavarian Open J2 FS 8 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.43 8.46 1.000
愛知県フィギュア FS 9 3S+2T+2Lo   8.03 X 0.26 8.29 0.714
Egna Spring Trophy FS 9 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.72 8.75 1.600

3連続ジャンプはサルコウからのもの、西日本ではリカバリーで3回転がついてますが、基本的には2回転を2つ付けます。トリプルアクセル持ちなので2A起点で最後3Sにすると8.91の基礎点を作れるので有効ではあるのですが、リカバリーでセカンド3Tを付けることまで考えるとこの構成の方が自然に入れられていいのかもしれません。

どの試合も安定していて、大きな加点も無いですが、減点の時も小さなものでとどまっています。

 

ジュニア残留したのにジュニアグランプリシリーズへの派遣が取りやめになるという不運に見舞われた今シーズン。世界ジュニアを目指すコースでしたが、ケガもあって調子が上がらず全日本ジュニアは4位、全日本は9位。補欠にとどまりました。

来シーズンはどうするか? ジュニアか?シニアか? グランプリの枠は普通には回ってこない。NHK杯地元枠を争うことは出来るとは思います。全日本9位ならチャレンジャーシリーズ周りもさせてもらえるかもしれない。一方、ジュニアグランプリシリーズの日本の枠は7試合×1 1試合目は確実にあると思いますが2試合目は1試合目次第でしょうか。力的にはファイナルまでありそうにも感じます。どちらを選ぶか? シニアデビューシーズンにNHK杯に地元枠で出て、トリプルアクセルを引っ提げて全日本チャンピオンに挑戦、という紀平梨花コースも面白いですが、全日本ノービスB、ノービスAと優勝経験していて、全日本ジュニアも勝てると、浅田真央さんに続いて2人目、と思いきや昨シーズン先に島田麻央選手に越されましたが、それでも3人目でそちらのコースでも面白い。

いずれにしても来シーズンは前半から国際大会への出場があると思いますので期待したいです

 

21-22 キムイェリム

2003年1月23日生まれ

シニア3シーズン目

シーズン獲得賞金:$11,000

世界ランキング:15位

シーズンランキング:20位

シーズンベストスコア 209.91 (24位) 四大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 70.56 スケートアメリカ

フリーシーズンベスト 140.98 四大陸選手権

ショートプログラム楽曲:愛の夢

フリープログラム楽曲:トゥーランドット

スピンレベル4率 27/30=90.0%

ステップレベル4率 7/10=70.0%

スピンオールレベル4 2/5

スピンステップオールレベル4  1/5

ジャンプ要素回転不足率 1/50=2.00%

ジャンプ回転不足なし 4/5

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 1/5

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
GP Skate America 8 199.34 70.56 128.78
GP Grand Prix Torino 6 193.50 62.78 130.72
NC Korean Championships 2 207.64 67.52 140.12
4CC Four Continents 3 209.91 68.93 140.98
OG Olympic Games 9 202.63 67.78 134.85

キムイェリム選手は昨シーズンナショナル選手権で優勝し、世界選手権で11位、韓国2枠に貢献した選手です。その実績もあり、グランプリ枠2枠が回ってきました。

そのグランプリシリーズ2戦は190点台のスコアで8位と6位。202点台のパーソナルベストから考えるとまずまずのスコアだったと思います。

有力選手が多数いて僅差の闘いになった韓国選手権。ショートはセカンド3回転が入らず4位で折り返します。追い込まれたフリーでしたが、ここでスピンステップオールレベル4、全要素プラス評価、ノーミスの滑りで初めて140点台に乗せ、トータルスコアで逆転の2位。オリンピックの代表権を得ました。

オリンピックの前に四大陸選手権。プチ日韓決戦のような形になったこの大会。ショートで大きなミスなく3位。フリーはプレッシャーのかかる場面でしたが、国際大会初の140点をマークし3位表彰台。チャンピオンシップの初表彰台となりました。

オリンピックは入賞ラインあたりを争う選手という位置でした。ショートフリー、大きなミスはなくまずまずの出来ではあったものの、流石にオリンピック、まわりのレベルが高く、結果は9位。入賞は果たせませんでした。

世界選手権の出場権も持っていましたが、欠場。オリンピックで今シーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Skate America 8 199.34 103.75 96.59 62.41 5.79 22.87 12.68
Grand Prix Torino 6 193.50 99.19 95.31 58.01 4.58 22.97 13.63
Korean Championships 2 207.64 107.88 99.76 64.01 7.85 21.92 14.10
Four Continents 3 209.91 110.40 99.51 65.18 10.67 22.66 11.89
Olympic Games 9 202.63 103.88 98.75 63.88 4.38 21.56 14.06

スコアは割と安定的です。トータルスコアは5試合で最高と最低の差が16.41でした

技術点はトリノで100点を欠きましたが他は100点台、四大陸では110点に乗せました。

PCSは100点に少し欠ける水準。5項目平均8点前後です。

ジャンプの基礎点はトリノだけ50点台ですが、他は60点台。最高が四大陸の65.18です。トリプルアクセル無しの最高点ではないですが、それに近い水準にあります。

ジャンプの加点は一桁中盤が多く、これも四大陸が最高で二桁に乗せました。

スピンは22点台が最高なのでやや弱いでしょうか。ステップはオリンピックで14点台に乗せました。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
Skate America 8 60.77 58.94 62.11 56.89 57.03 60.95
Grand Prix Torino 6 59.19 55.65 60.08 57.20 60.82 60.10
Korean Championships 2 63.02 60.13 65.57 53.93 62.69 63.06
Four Continents 3 63.64 61.01 70.30 56.23 53.89 62.90
Olympic Games 9 61.66 60.04 59.74 52.81 62.53 62.39

偏差値で見るとトータルスコアは60前後です。ジャンプの基礎点も60前後、ジャンプの加点は四大陸で70に乗せ優秀層にいます。

スピンはいい時でも偏差値50代後半で本人比で苦手な要素になっています。

ステップ系要素は四大陸では失敗していますが他は60前後、PCSは偏差値60台前半です。

21-22シーズン キムイェリム要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは下が凹む珍しい形をオリンピックでしています。四大陸は左下が凹んで右下が突出。トータルスコアは割と安定していますが、偏差値ベースで各要素を見るとそれなりのばらつきはあるようです。

 

●シーズン最高の基礎点構成

スケートアメリカ ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
2 2A   3.30   0.57 3.87 1.667
3 FCSp4   3.20   0.59 3.79 1.889
4 3F   5.83 x 1.21 7.04 2.222
5 StSq4   3.90   0.89 4.79 2.222
6 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.333
7 SSp4   2.50   0.71 3.21 2.889
  TES   32.33   6.51 38.84  

ショートプログラムの最高基礎点は32.33 ルッツフリップトーループと3つの3回転があり、1.1倍は単独フリップです。コンビネーションを1.1倍に持ってくれば基礎点上がります、という定番の他に、キムイェリム選手はシットスピンが構成に入っていて、これが基礎点2.50と低めです。レイバックスピンに変えられれば基礎点がさらに0.20あがります。

32.33あれば、トリプルアクセル無し組との基礎点差は0.78ですので、出来栄え勝負という舞台には立てます。

 

四大陸選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   2.02 12.12 3.333
2 2A+3T   7.50   1.08 8.58 2.667
3 3Lo   4.90   0.84 5.74 1.778
4 3F   5.30   1.29 6.59 2.333
5 FCSp4   3.20   0.78 3.98 2.444
6 3Lz   6.49 x 1.85 8.34 3.111
7 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.31 8.34 0.778
8 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.333
9 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
10 2A   3.63 x 0.57 4.20 1.556
11 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
12 SSp4   2.50   0.79 3.29 3.111
  TES   61.45   12.61 74.06  

フリーは四大陸選手権が最高基礎点で61.45でした。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。ステップがレベル3なのでこれをレベル4に出来ると62.05まで基礎点が上がります。韓国選手権ではその62.05でした。

トリプルアクセル無しで今シーズン一番高い基礎点を出したのは63.33ですので、それほど差はないです。逆に、そこと少し差があるのは、スピンにシットスピンがあることと、1.1倍部分の構成がやや弱いこと、というのがあります。ただ、その辺の基礎点を上げていくよりも、出来栄えでスコアを上げていくことの方が効果が高い、というのが現状だったようにも見えます。

 

○平均GOE2.600以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Four Continents FS 1 3Lz+3T   10.10   2.02 12.12 3.333
Skate America FS 12 SSp4   2.50   0.79 3.29 3.222
Four Continents SP 7 SSp4   2.50   0.79 3.29 3.222
Grand Prix Torino SP 2 2A   3.30   1.04 4.34 3.111
Four Continents FS 6 3Lz   6.49 x 1.85 8.34 3.111
Four Continents FS 12 SSp4   2.50   0.79 3.29 3.111
Four Continents FS 11 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
Skate America SP 1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
Skate America SP 7 SSp4   2.50   0.71 3.21 2.889
Olympic Games FS 12 SSp4   2.50   0.71 3.21 2.889
Korean Championships FS 11 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.857
Korean Championships FS 2 2A+3T   7.50   1.18 8.68 2.714
Grand Prix Torino SP 7 SSp4   2.50   0.68 3.18 2.667
Four Continents SP 2 2A   3.30   0.90 4.20 2.667
Four Continents SP 5 StSq2   2.60   0.71 3.31 2.667
Four Continents FS 2 2A+3T   7.50   1.08 8.58 2.667
Olympic Games SP 5 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.667
Olympic Games SP 7 SSp2   1.60   0.43 2.03 2.667
Olympic Games FS 11 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.667

評価が高い要素にジャンプがいくつか入ってきています。最高評価は四大陸選手権のコンビネーションジャンプ。最高評価が3回転-3回転というのはなかなか珍しい選手です。

シットスピンは安定的に評価が高いです。ジャンプはダブルアクセルトリプルルッツ、この2つ起点が多いので、この2種類のジャンプは得意なジャンプと受け取ってよいのだろうと思います。

 

○3回転-3回転の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate America SP 1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
Grand Prix Torino FS 1 3Lz!+3T ! 10.10   0.76 10.86 1.222
Korean Championships SP 1 3Lz+3T   10.10   0.83 10.93 1.429
Korean Championships FS 1 3Lz+3T   10.10   1.53 11.63 2.429
Four Continents SP 1 3Lz!+3T ! 10.10   0.67 10.77 1.111
Four Continents FS 1 3Lz+3T   10.10   2.02 12.12 3.333
Olympic Games SP 1 3Lz!+3T ! 10.10   0.42 10.52 0.778
Olympic Games FS 1 3Lz!+3T ! 10.10   0.42 10.52 0.667

3回転-3回転は入ればすべて成功のGOEプラスになっています。スケートアメリカのフリー、グランプリトリノのショートでは予定のところでコンビネーションに出来ず、リカバリーは3-2になりました。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate America FS 7 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.43 8.46 1.00
Grand Prix Torino FS 7 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.74 8.77 1.56
Korean Championships FS 7 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.43 8.46 0.86
Four Continents FS 7 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.31 8.34 0.78
Olympic Games FS 7 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.68 8.71 1.56

3連続は5試合すべてでしっかり入ってプラス評価になっています

サルコウ起点で2回転を2つ付けるもの。基礎点はそれほど高くなく、確実性を取りに行く選択になっているようです。

 

○今シーズンのマイナス評価要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate America FS 1 3Lzq q 5.90   -2.95 2.95 -5.000
Grand Prix Torino SP 1 3Lz   5.90   -2.95 2.95 -4.889
Korean Championships SP 4 3F< 4.66 x -0.42 4.24 -1.000
Olympic Games SP 4 3Fq q 5.83 x -0.45 5.38 -0.889
Olympic Games FS 2 2A+3Tq q 7.50   -0.06 7.44 -0.222
Olympic Games FS 6 3Lze e 5.19 x -0.54 4.65 -1.222

キムイェリム選手は今シーズン通じて減点になった要素が6つしかありませんでした。国際大会では4試合で5つ。これより少ないのは坂本選手とシェルバコワ選手くらいなものです。ジャンプの回転不足はqが3つ、<は1つだけ。アンダーローテーションは韓国選手権のもので国際大会では1つもありませんでした。極めて安定度の高い選手です。

 

ジャンプの安定度を武器にスコアを少しづつ上げてオリンピックにまでたどり着きました。年齢的には紀平梨花世代。シニアデビュー時には特に目立つところはありませんでしたが、今や韓国のトップ選手です。ここからさらに上位に行くには安定度にプラスして、一つ一つの要素の加点をもう少し伸ばしていく必要があるのだろうと思います。

韓国は来シーズンは世界選手権3枠になりました。一方で、次々にジュニアが出てくる国でもあります。二十歳になる来シーズンも活躍できるか? グランプリシリーズの表彰台チャンスも出てくると思いますし、期待してみていたいと思います。