セカンドループの価値

鍵山優真選手が今シーズンになってセカンドでループジャンプを飛ぶ、いわゆるルッツループを飛ぶようになりました

かつてはザギトワ選手がこのルッツループを一つの武器としてオリンピックを勝った、なんてことがありました。

 

今回は、そんな、セカンドジャンプでループを飛ぶ価値はどれくらいなのか? というのを見てみます。セカンドジャンプでループ、というのはダブルループではなくトリプルループのこととして考えます。

 

ザギトワ選手のオリンピックのころは、基礎点が今とは違いました

当時はトリプルループは基礎点5.10 トリプルトーループは基礎点4.30でした。

ここから、コンビネーションのセカンドで、トリプルジャンプを飛べる選手が、トーループからループに変えられれば、基礎点が0.8上がるという計算になります。

ただし、当時は、後半1.1倍ボーナスが回数無制限、という時代でしたので、ザギトワ選手はショートもフリーも、全ジャンプが1.1倍ということになっていました。

従って、ショートではセカンドループの価値は0.8×1.1=0.88点分です。

 

フリーの場合は話が複雑です。

当時のザギトワ選手の場合、二回飛ぶジャンプはルッツとフリップでした。トリプルトーループは別のコンビネーションのセカンドに入れているので、トーループの代替としてのループではないです。単純には、トリプルトーループを2回入れられないのでダブルトーループにしないといけないこと、への代替ということになります。ただ、セカンドでトリプルループが飛べるということは、ダブルループは当然できるからダブルループの代替、と考えた方がたぶんよいです。

しかしながら実際にはそういう計算にはなりません。なぜなら、セカンドで跳んだトリプルループは、セカンド跳ばない場合はファーストジャンプでどこかで飛ぶのが普通だからです。

 

ザギトワ選手の平昌オリンピックフリー

 

Elements

 

 BaseValue

 

GOE

1

ChSq1

 

2.00

 

1.70

2

FCSp4

 

3.20

 

1.07

3

StSq4

 

3.90

 

1.80

4

3Lz

 

6.60

x

0.50

5

2A+3T

 

8.36

x

1.40

6

3F+2T+2Lo

 

9.24

x

1.20

7

LSp4

 

2.70

 

1.07

8

3Lz+3Lo

 

12.21

x

1.70

9

3S

 

4.84

x

1.40

10

3F

 

5.83

x

1.70

11

2A

 

3.63

x

0.57

12

CCoSp4

 

3.50

 

1.50

 

TES

 

66.01

 

15.61

 

ザギトワ選手の構成要素の中には、単独のダブルアクセルがあります。セカンドでトリプルループを飛ばない場合には、このダブルアクセルが単独のトリプルループに置き換わるはずです。したがって、セカンドでトリプルループを飛ぶことは、ダブルループからトリプルループに置き換わったのではなく、ダブルループからダブルアクセルに置き換わったのと同じ価値、という計算になります。当時のルールでもダブルアクセルの基礎点は3.30でしたので、

3.30-1.80 =1.50 

これがセカンドループの基本的な価値で、1.1倍ボーナスを考慮すれば1.65基礎点が上がる、という計算になります。なお、ダブルループではなくダブルトーループからの代替と考えれば、ダブルトーループの基礎点は1.30でしたので、2.00が基本的な価値であり、1.1倍ボーナス考慮後で2.20基礎点が上がる計算です。

 

従って、ショートフリーで2本、セカンドトリプルループを飛んで、得られる価値は1.1倍ボーナスを考慮して、フリーはダブルトーループの代替と考えたとしても基礎点が3.08上がる、というところまでになります。ダブルループの代替と考えた場合は2.53の上昇でした。

オリンピックの時のザギトワ選手とメドベージェワ選手の点差は1.31でしたので、ザギトワ選手がショートフリーで共にセカンドトリプルループを決めた、というのが決め手になったのは計算上からは言えることです。

 

なお、セカンドループは跳べるけれど1.1倍ではなくて冒頭ではないと決められない、セカンドトーループなら1.1倍で跳べるのだけど、というような選手がいたとします。

この場合、ショートでは、3Lz+3Loで11.10の基礎点に対して、3Lz+3Tで1.1倍だと11.33の基礎点となり、セカンドループの導入の価値がありません。また、フリーでも3Lz+3Loに2Aが1.1倍として合計基礎点が14.73に対し、3Lz+2Tと3Loどちらも1.1倍のとき13.64となり、基礎点差で1.09利点があるのみとなります。3Lz+2Loとの比較であれば、14.11との差なので0.62の基礎点差ということになります

 

なお、同じような計算を現行ルールで行うと、ショートでは1.1倍時への投入として比較すると0.77基礎点が上がり、フリーでは1.76基礎点が上がる計算ですが、現行ルールでこれを1.1倍のところに入れるのはかなりハードルが高そうです。1.1倍ではないところだと、ショートフリーで2本飛んで基礎点が2.30上がるだけ、という計算になります。

 

ザギトワ選手とメドベージェワ選手の時のような、きわどい試合の場合には最後にこのセカンドループを飛べていたことが決め手になったりはしますが、普通の選手から見ると、ハイリスクローリターンなジャンプに見えてしまう現実があります。

なお、トリプルアクセルを飛べるようになれば、それ一本でダブルアクセルの代替として基礎点が4.70上がり、さらにGOEの取り方でもプラスが見込める計算です。こちらもハイリスクではありますが、セカンドループ戦略よりハイリターンが得られると言えます。

 

さて、では、セカンドループは価値が薄いのか? 価値が薄いならなぜ今のルールで鍵山選手がフリーでこれを投入してきたのか? これを考えます。

 

鍵山選手はザギトワ選手とは事情がかなり違います。鍵山選手の構成にはザギトワ選手のように、単独のダブルアクセル、というような要素はありません

 

○鍵山優真選手の20年全日本選手権フリー

 

Elements

 

 BaseValue

 

GOE

1

4S

 

9.70

 

2.91

2

4T

 

9.50

 

-2.58

3

3F!

!

5.30

 

0.76

4

4T+3T

 

13.70

 

3.53

5

FCSp2

 

2.30

 

0.62

6

ChSq1

 

3.00

 

1.29

7

3A+1Eu<<+2S

<< 

10.23

X

-2.63

8

3Lz+3Lo

 

11.88

X

1.26

9

3A

 

8.80

X

2.51

10

StSq2

 

2.60

 

0.85

11

FCSSp4

 

3.00

 

0.99

12

CCoSp4

 

3.50

 

0.95

 

TES

 

83.51

 

10.46

 

鍵山選手はフリーで飛ぶジャンプのうち、一つ目に飛ぶジャンプで一番基礎点が低いのはトリプルフリップです。これはつまり、一つ目に飛ぶジャンプとしては、トリプルループは余っている、ということになります。したがって、鍵山選手にとって、3Lz+3Loというジャンプは、3Lz+2Loの代替、という計算ができます。これは現行ルールで見て基礎点として、(5.9+4.9)-(5.9+1.7)=3.20 の基礎点差が得られ、かつ1.1倍に入っているので3.52の基礎点差、ということになります。

フリーで一つ跳ぶだけで3.52基礎点が上がる、というのは、ショートフリーで2本とんでやっと基礎点が2.53上がる(1.1倍時計算)というのと比べて格段に大きいです。これはトリプルループが余る選手にだけ生じる事象です。

トリプルループが余る、というのはどういったときに起きる事象か?

これは、ジャンプの数を数えると分かりますが、四回転ジャンプを二種類持っていて、かつトリプルアクセルも跳べる選手に生じる事象です。鍵山選手はピッタリこれに当てはまります。

鍵山選手は四回転が二種類の選手です。三種類目は基礎点順ならループですが、ループを飛ぶ選手の少なさを考えると、フリップかルッツになるのが一般的です。フリップに!がつきやすいことを考えると、鍵山選手の場合はルッツになるでしょうか?

四回転ルッツを飛んだ場合、単純に三回転ルッツの代替ではなくて、おそらく三回転フリップの代替となります。この場合基礎点は6.20上がります(1.1倍ではない比較として)。

この6.20の基礎点の上昇というのは、セカンドループで生み出した3.52の基礎点の上昇よりは大きいですが、2倍よりは小さい程度です。実際には、GOEで稼ぐ得点も四回転は増やしやすいので、基礎点差以上の差を生めるのですが、それを考慮しても大ざっぱに2倍くらいの価値、と考えてよいかと思います。なお、四回転ループに挑戦中、という話も聞きますので、四回転ループ比で見ると基礎点の上昇は5.20ですので、差はさらに縮まります。

逆から見ると、セカンドループの導入、というのは四回転を一本増やすことの半分くらいの価値がある、という計算になります。

繰り返しますが、これは、四回転を二種類持っていること、が最低条件です。二種類持っている選手が三種類目を習得しに行く前に、セカンドループの習得、というのを入れると、四回転一本増やす半分くらいの価値が得られますよ、という話です。

ザギトワ選手のところでは、セカンドループ戦略はハイリスクローリターン、高確率で決めきられる選手のみ際どい勝負時に有効、と書きましたが、鍵山選手にとってはミドルリスクミドルリターンであり、十分に有効である、と言えそうです。

 

なお、四回転を四種類以上習得している場合、セカンドループの価値はどうか? と考えると、少なくともトリプルアクセル以上のジャンプにセカンドでトリプルループを付けることになるので、価値はあるけど難易度の方が上がる、という計算もあります。

このことから、セカンドループに価値があるのは、四回転を二種類~三種類で3~4本構成に入れている選手ということになるかと思います。

 

このあたりの選手でループをきれいに飛ぶ選手

羽生選手にいいと思うんですけどね、セカンドトリプルループ。ただ、もう、羽生選手は、そうやって点を取っていく、という世界の住人ではなくなってしまっているでしょうか。

 

以上、今回は、セカンドジャンプでトリプルループを組み入れることについて、見てきました

 

 

 

 

ロシアで代表になるには?

試合が途絶えてしまったフィギュアスケート

ヨーロッパ選手権四大陸選手権もなければ世界ジュニアもない

それでもいきなり世界選手権はやります、という情勢です

国内大会は各地でやってるようですけどね

国際大会は壊滅

大丈夫なのかな? 世界選手権も??? という感じですが、ワクチンが割と出回り始めたので、北京オリンピックはやりそうに感じられるようになってきました

国威発揚イベントは意地でもやりそうですし

 

そんな、シーズン中なのに国際大会が全然ないよ、というこの時期

ちょっと思い立って、ロシア女子の若さを見直してみました

代表として世界の舞台に立つのは何歳くらいまでなのか?

 

   

順位

年齢

2011

アリョーナレオノワ

4

20

2011

クセーニャマカロワ

7

18

2012

アリョーナレオノワ

2

21

2012

クセーニャマカロワ

9

19

2012

ポリーナ・コロベイニコワ

19

15

2013

アデリナソトニコワ

9

16

2013

エリザベータトゥクタミシェワ

10

16

2013

アリョーナレオノワ

13

22

2014O

アデリナソトニコワ

1

17

2014O

ユリアリプニツカヤ

5

15

2014

ユリアリプニツカヤ

2

15

2014

アンナポゴリラヤ

4

15

2015

エリザベータトゥクタミシェワ

1

18

2015

エレーナラジオノワ

3

16

2015

アンナポゴリラヤ

13

16

2016

エフゲニアメドベージェワ

1

16

2016

アンナポゴリラヤ

3

17

2016

エレーナラジオノワ

6

17

2017

エフゲニアメドベージェワ

1

17

2017

マリアソツコワ

8

16

2017

アンナポゴリラヤ

13

18

2018O

アリーナザギトワ

1

15

2018O

エフゲニアメドベージェワ

2

17

2018O

マリアソツコワ

8

17

2018

アリーナザギトワ

5

15

2018

マリアソツコワ

8

17

2018

スタニスラワコンスタンティノワ

19

17

2019

アリーナザギトワ

1

16

2019

エフゲニアメドベージェワ

3

19

2019

ソフィアサムドゥロワ

8

16

2020

アリョーナコストルナヤ

 

16

2020

アンナシェルバコワ

 

16

2020

アレクサンドラトゥルソワ

 

15

 

 

2011年以降の10年間の世界選手権とオリンピックの代表を見ています。数字の後にOと足しているのがオリンピックです

二十代で代表になっているのは2013年のレオノワ選手が最後です。レオノワ選手は11年の2位が最高成績なので、21歳の時に最高成績を収めたことになります。

 

それ以降では19年のメドベージェワ選手が19歳の代表で最高年齢です。この時の結果は3位。16,17と二連覇して18年のオリンピックも2位の選手ですから、キャリア最高成績というわけでは全然ないです。

18歳でキャリア最高成績を出しているのが一人。トゥクタミシェワ選手は15年に世界選手権を勝ったのが18歳の時でした。

18歳で代表になった選手としてはポゴリラヤさんもいますが、この時は13位とふるいませんでした。ポゴリラヤ選手のキャリアハイは17歳で3位表彰台に乗った16年かと思います

後は基本的に17歳以下ですね。

シニアに上がって三シーズンなかなか持たない。三シーズン目もなんとか好成績を出せるのは誕生日の関係で世界選手権のころにまだ17歳というような選手が多いです。

ザギトワ選手も三シーズン目は持たずに、グランプリファイナルを最後に試合から去っていきました。

メドベージェワ選手が一番いいところまで行ったのですが、オリンピックで際どい二位。

ラジオノワさんも17歳まで、リプニツカヤさんは17歳のシーズンまでも持たなかったです。

 

さて、世界選手権がなくなってしまった昨シーズンの代表三人。この中で一番誕生日が早いのはコストルナヤ選手でした。2003年8月24日生まれ。すでに17歳で、北京オリンピックは18歳6か月で迎えます。流れ的にはメドベージェワ選手と同じ星回りの4年ずれです。メドベージェワ選手のころと比べると競争が厳しくなっていて、一番生き残りが厳しい立場にみえます。今シーズンもすでに下降線へ向かっているようにも見えて少々苦しそう。

シェルバコワ選手は2004年3月28日生まれ。世界選手権の最終日に17歳になります。これくらいの年齢まではまだ強い、という選手が最近も多いです。北京オリンピックも17歳で迎えますが、17歳終盤になってきます。最近の流れで見ると、そこまで持つかはぎりぎり、というように見えます。

トゥルソワ選手が2004年6月23日生まれなので16歳です。次の世界選手権は16歳9か月、北京オリンピックは17歳7か月で迎えます。これくらいだと、まだ残っている可能性が高い領域なようです。ソトニコワさんのソチオリンピックは17歳7か月でした。

 

そんな中で、ワリエワ選手は2006年4月26日生まれ。北京オリンピックは15歳9か月で迎えることになります。これはリプニツカヤさんがソチオリンピックを15歳8か月で迎えたのと非常に近いですし、ザギトワ選手の平昌の15歳9か月と同じです。

 

 

オリンピックが来年ある予定ですが、その前にまず今年の世界選手権が予定されています

今シーズンは昨シーズンと同じ3人でしょ、という風にシーズン前は思っていましたが、今の流れだとコストルナヤ選手は外れてトゥクタミシェワ選手が入ってくるかもしれません。トゥクタミシェワ選手は96年12月17日生まれ。今年代表になれば24歳での代表入り。24歳での代表入りは、2007年にソコロワさんが27歳で出場した以来の高い年齢での代表となります。

 

オリンピックはワリエワ選手が圧倒的に有利そう。15歳まで持たなかった選手がいないか? というのは微妙で、そこまで持たなかった選手はそもそもリストに上がってこないのでチェックできない。ジュニアで活躍したけどシニアでは活躍できなかった選手、というのは何人もいます。サハノビッチ選手、ツルスカヤさんなどなど。ケガが絡むと厳しいですし、そうでなくてもピークが10台前半で来てしまったという選手もいた。いまのところワリエワ選手はまだケガで離脱というのは見られませんが、そのあたりは常に心配です。

後の二人はシェルバコワ選手とトゥルソワ選手があと一シーズン持つかどうか。その二人が下降線を描き出した場合は、北京オリンピックを15歳8カ月で迎えるもう一人、ウサチョワ選手が浮上してきます。15歳vs17歳という代表争いになるか? 18歳になったコストルナヤ選手が生き残るか? あるいは、トゥクタミシェワ選手が25歳でスルツカヤさん以来の20代後半のオリンピック代表入りを果たすか?

 

年齢だけで語る、というかなり乱暴な視点でのロシア代表選考展望でしたが、改めて、ロシア女子の過酷さを見えるものでもありました。

 

ラジオノワさんがグランプリファイナルで2位になった後、15歳11カ月にして語った、私はもう若くない発言。今になっても、重たい発言だな、と思います

 

全日本選手権20 女子シングル数値編4

全日本選手権20の振り返りは今回で最終回です

今回は女子シングルのスピンステップ編になります 

 

スピンオールレベル4は男子では一人だけでしたが女子は5人いました

坂本花織選手、宮原知子選手、三原舞依選手、竹野比奈選手に、ジュニアから千葉百音選手でした。全員分を表で載せると量が多すぎるので、ここでは名前の記載に留めます。

 

●チェンジフットコンビネーションスピン

  Name Elements  BaseValue  
SP 宮原知子 CCoSp4 3.50 3.889
SP 坂本花織 CCoSp4 3.50 2.889
SP 野比 CCoSp4 3.50 2.889
SP 吉岡詩果 CCoSp4 3.50 2.778
SP 白岩優奈 CCoSp4 3.50 2.667
SP 松生理乃 CCoSp4 3.50 2.556
SP 鈴木なつ CCoSp4 3.50 2.556
FS 坂本花織 CCoSp4 3.50 3.444
FS 宮原知子 CCoSp4 3.50 3.333
FS 松生理乃 CCoSp4 3.50 3.222
FS 白岩優奈 CCoSp4 3.50 3.222
FS 三原舞依 CCoSp4 3.50 2.889
FS 住吉りをん CCoSp4 3.50 2.889
FS 紀平梨花 CCoSp4 3.50 2.556

チェンジフットコンビネーションスピンは、ショートで29人すなわち全員が、フリーでは23人が実施しました。ほとんどの選手が実施するスピンです。ショートでは20人、フリーでは16人がレベル4を獲得しています。

最高評価はショートの宮原選手。二人のジャッジは満点を付けました。

フリーは坂本花織選手が+3.444で最高評価でした。ショートフリー共に名前があるのはこの二人の他に、松生理乃選手、白岩優奈選手がいます。

 

●フライングチェンジフットコンビネーションスピン レベル4

  Name Elements  BaseValue  
FS 坂本花織 FCCoSp4 3.50 3.667
FS 三原舞依 FCCoSp4 3.50 3.222
FS 樋口新葉 FCCoSp4 3.50 2.444
FS 川畑和愛 FCCoSp4 3.50 2.333
FS 千葉百音 FCCoSp4 3.50 2.000
FS 横井ゆは菜 FCCoSp4 3.50 1.556
FS 永井優香 FCCoSp4 3.50 1.556
FS 野比 FCCoSp4 3.50 1.333
FS 吉田陽菜 FCCoSp4 3.50 1.222
FS 本郷理華 FCCoSp4 3.50 0.444

フライングチェンジフットコンビネーションスピンはフリーで10選手が実施し、驚くことに全員がレベル4でした。

最高評価は坂本花織選手。二番手に三原舞依選手。神戸組が二人、平均GOE+3.0超えを果たしています。

 

●フライングキャメルスピン レベル4で平均GOE+2.000以上

  Name Elements  BaseValue  
SP 宮原知子 FCSp4 3.20 3.444
SP 坂本花織 FCSp4 3.20 3.111
SP 紀平梨花 FCSp4 3.20 2.556
SP 野比 FCSp4 3.20 2.222
SP 鈴木なつ FCSp4 3.20 2.111
SP 佐藤伊吹 FCSp4 3.20 2.000
FS 宮原知子 FCSp4 3.20 3.000
FS 紀平梨花 FCSp4 3.20 2.778
FS 住吉りをん FCSp4 3.20 2.333

フライングキャメルスピンはショートで22人フリーで10人が実施し、ショートで12人、フリーで7人がレベル4を獲得しました。

最高評価はショートの宮原知子選手で+3.444をもらいました。

 

●フライングシットスピン レベル4

  Name Elements  BaseValue  
SP 三原舞依 FSSp4 3.00 2.000
SP 新田谷凜 FSSp4 3.00 1.889
SP 吉岡詩果 FSSp4 3.00 1.889
SP 松原星 FSSp4 3.00 1.889
FS 坂本花織 FSSp4 3.00 3.333
FS 松生理乃 FSSp4 3.00 2.778
FS 吉岡詩果 FSSp4 3.00 2.333
FS 三原舞依 FSSp4 3.00 2.222
FS 新田谷凜 FSSp4 3.00 2.111
FS 鈴木なつ FSSp4 3.00 1.778

フライングシットスピンはショートで7人、フリーで10人が実施しショートで4人、フリーで6人がレベル4を獲得しました。

最高評価はフリーの坂本選手で+3.333です ショートは三原選手が最高評価ですが+2.000にとどまりました。

 

●レイバックスピン レベル4で平均GOE+2.000以上

  Name Elements  BaseValue  
SP 宮原知子 LSp4 2.70 4.778
SP 坂本花織 LSp4 2.70 3.778
SP 松生理乃 LSp4 2.70 3.444
SP 住吉りをん LSp4 2.70 3.222
SP 野比 LSp4 2.70 3.111
SP 千葉百音 LSp4 2.70 2.889
SP 三原舞依 LSp4 2.70 2.778
SP 樋口新葉 LSp4 2.70 2.778
SP 紀平梨花 LSp4 2.70 2.667
SP 河辺愛菜 LSp4 2.70 2.556
SP 吉岡詩果 LSp4 2.70 2.444
SP 松千 LSp4 2.70 2.333
FS 宮原知子 LSp4 2.70 4.444
FS 松生理乃 LSp4 2.70 3.667
FS 河辺愛菜 LSp4 2.70 3.556
FS 野比 LSp4 2.70 3.444
FS 住吉りをん LSp4 2.70 3.333
FS 千葉百音 LSp4 2.70 2.889
FS 青木祐奈 LSp4 2.70 2.444

レイバックスピンはショートで25人、フリーで16人が実施し、ショートで20人、フリーでは9人がレベル4を獲得しました。

最高評価はショートの宮原選手で+4.778 7人のジャッジが満点を付けました。フリーでも宮原選手は5人のジャッジから満点をもらっています。かつては国際大会で全ジャッジ満点をもらっており、レイバックスピンと言えば宮原選手、というスピンです。

他に、フリーでは松生理乃選手が二人、河辺愛菜選手、住吉りをん選手も一人のジャッジから満点評価を受けました。

レイバックスピンはレベル4でも基礎点が2.70と他のスピンより低いのですが、GOEは高くもらえる選手が多いです。その辺の選択をどう考えるか、ちょっと難しくなっています。坂本選手あたりはフリーではレイバックスピンを入れずに、基礎点が3.0一つと3.5二つになるような選択をしています。

 

●シットスピン レベル4

  Name Elements  BaseValue  
SP 白岩優奈 SSp4 2.50 1.778
SP 吉田陽菜 SSp4 2.50 1.222
FS 白岩優奈 SSp4 2.50 1.778

シットスピンはショートで4人、フリーで3人が実施し、ショートで2人フリーで1人がレベル4を獲得しました

シットスピンはレベル4でも基礎点が2.50にとどまりますので、本来ですともう少し難易度の高いスピンを入れたいところ、という現実があります。

 

●ステップレベル4

  Name Elements  BaseValue  
SP 紀平梨花 StSq4 3.90 4.222
SP 宮原知子 StSq4 3.90 4.111
SP 樋口新葉 StSq4 3.90 3.889
SP 三原舞依 StSq4 3.90 2.889
SP 野比 StSq4 3.90 1.889
FS 宮原知子 StSq4 3.90 4.889
FS 樋口新葉 StSq4 3.90 4.111
FS 坂本花織 StSq4 3.90 3.667
FS 河辺愛菜 StSq4 3.90 3.111
FS 新田谷凜 StSq4 3.90 3.000
FS 青木祐奈 StSq4 3.90 2.444

ステップレベル4を獲得した選手はショートで5人、フリーで6人いました。ショートフリー共にレベル4は2人です。

最高評価はフリーの宮原知子選手。ジャッジ9人中8人が満点評価。平均取ると4.889となりますが、実際の採点では一番低い評価を付けたジャッジの分は切り捨てられてから平均取るので+5の満点扱いになります。

ショートでは紀平選手が+4.222と最高評価で、3人のジャッジが+5を付けていました。

樋口選手もショートフリー共に高評価で+4前後をもらっています。ショートでは二人、フリーでは一人のジャッジから満点評価を受けていました。

 

 ●ステップレベル3 平均GOE+3.000以上

  Name Elements  BaseValue  
SP 坂本花織 StSq3 3.30 4.000
SP 新田谷凜 StSq3 3.30 3.111
FS 紀平梨花 StSq3 3.30 3.556
FS 松生理乃 StSq3 3.30 3.333
FS 白岩優奈 StSq3 3.30 3.222
FS 山下真瑚 StSq3 3.30 3.222
FS 三原舞依 StSq3 3.30 3.111

ステップのレベル3の中で高評価を受けた選手としてはこういった選手たちがいます。

やはりステップでGOE+3以上まで持ってくるのはグランプリレベルの選手がほとんどになってきます。

そんな中でグランプリシリーズの出場経験はない新田谷凜選手が、ショートではレベル3ながら+3.111 フリーではレベル4で+3.000という高評価を受けていました。

 

●コレオシークエンス 平均GOE+2.500以上

  Name Elements  BaseValue  
FS 坂本花織 ChSq1 3.00 4.556
FS 宮原知子 ChSq1 3.00 4.111
FS 河辺愛菜 ChSq1 3.00 3.667
FS 松生理乃 ChSq1 3.00 3.556
FS 川畑和愛 ChSq1 3.00 3.333
FS 山下真瑚 ChSq1 3.00 3.333
FS 青木祐奈 ChSq1 3.00 3.222
FS 紀平梨花 ChSq1 3.00 3.111
FS 三原舞依 ChSq1 3.00 2.889
FS 本郷理華 ChSq1 3.00 2.889
FS 横井ゆは菜 ChSq1 3.00 2.556
FS 新田谷凜 ChSq1 3.00 2.556

コレオシークエンスで評価が高かったのはこういった選手になります。

最高評価は坂本花織選手で+4.556 5人のジャッジが満点をつけていました。スパイラルで斬られていた1番2番3番ジャッジは全員+5の満点です。ジャッジは基本的には毎試合違う人になりますので、おそらく斬られる人は毎回初めて斬られることになって、おお、こんな迫力なのか、となるんでしょうねきっと。

宮原選手も3人のジャッジが、河辺選手には2人、三原選手、山下選手には1人のジャッジが満点評価を付けていました。

 

 

以上、全4回の全日本選手権20 女子シングル振り返り数値編でした。

 

全日本選手権20 女子シングル数値編3

前回まで全日本選手権20の振り返りを進めてきていますが、今回は女子シングルの数値編3です。ジャンプ編になります。

 

 

表のBaseValueは基礎点、GOEは9人のジャッジがマイナス5からプラス5までを評価した9人分の平均を取ったものを載せています。なので5.000なら9人全ジャッジが+5を付けた、という意味です

実際の採点には評価の一番良い1人、一番悪い1人を切り捨てた後平均とるので、8人が+5で一人が+4以下でもGOE+5分の加点がもらえるのですが、ここでは全ジャッジの平均を取っています

 

●四回転

  Name Elements   BaseValue   GOE
FS 紀平梨花 4S   9.70   3.222

ついに女子シングルで要素別を見るときに四回転が載るようになってきました

紀平選手がフリーで四回転サルコウを決め評価も+3.222という高いものでした

 

トリプルアクセル

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 紀平梨花 3A   8.00   2.778
SP 吉田陽菜 3A   8.00   -2.444
SP 河辺愛菜 3Aq q 8.00   -4.556
SP 樋口新葉 3A<< << 3.30   -5.000
FS 樋口新葉 3A   8.00   -4.000
FS 河辺愛菜 3Aq q 8.00   -5.000
FS 紀平梨花 3A< < 6.40   -0.111

トリプルアクセルに挑んだのは4人で7回でした。成功ジャンプはショートの紀平選手のみ。吉田陽菜選手はGOEマイナスですがしっかり着氷しています。

フリーはしっかり決めた成功者はなし。紀平選手は決まったように見えましたが回転不足でした。また、紀平選手もフリーで一本に留めたことで、コンビネーションのトリプルアクセルというのが今大会はありませんでした。

 

●セカンドループジャンプ

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 青木祐奈 3Lzq+3Lo q 10.80   -1.222
FS 青木祐奈 3Lz+2Lo   7.60   -3.333

コンビネーションの二つ目にループを付けたのは青木祐奈選手のみでした。ジュニアの頃からというべきか、ノービスのころからルッツループで有名だった青木祐奈選手。今大会はショートでqマークながらも基礎点満額もらって着氷。GOEは-1.222ですが、セカンドトーループの基礎点よりは高い点数を得ました。フリーは残念ながら2回転になり、かつ大きな減点です。

 

●三連続ジャンプで平均GOE+1.000以上

  Name Elements   BaseValue   GOE
FS 山下真瑚 3Lz+3T+2T   12.54 X 3.000
FS 紀平梨花 3F+1Eu+3S   10.10   3.000
FS 樋口新葉 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 1.889
FS 河辺愛菜 2A+3T+2T   9.68 X 3.000
FS 住吉りをん 2A+3T+2T   9.68 X 2.222
FS 新田谷凜 2A+3T+2T   9.68 X 2.000
FS 坂本花織 2A+3T+2T   9.68 X 1.667
FS 千葉百音 3F+2T+2Lo   8.30   1.111
FS 川畑和愛 2A+2T+2Lo   6.93 X 1.333
FS 野比 2A+1Eu+2S   5.61 X 1.889

三連続ジャンプでプラス評価をもらったのは16選手と女子は結構いました。その中から+1.000以上をもらった10選手を載せています。

ダブルアクセルにトリプルトーループを付けての三連続を1.1倍ボーナスタイムに決める、というのは女子シングルのある種の定番なような気もしていますが、そのコンビネーションで+1以上をもらった選手が5選手いました。

それよりも高難度、3Lz+3Tにさらに2Tを付けるコンビネーションを山下真瑚選手は1.1倍に入れてGOEが+3.000 フリーの出来は決して良いとは言えなかった山下選手でしたが、能力の高さはこんなところでしっかり示されていました。

 

 ●セカンドジャンプでトリプルトーループを入れて平均GOE+2.000以上

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 山下真瑚 3Lz+3T   11.11 X 2.333
SP 川畑和愛 3Lz+3T   10.10   2.667
SP 横井ゆは菜 3Lz+3T   10.10   2.667
SP 野比 3T+3T   8.40   2.333
SP 永井優香 3T+3T   8.40   2.222
FS 山下真瑚 3Lz+3T+2T   12.54 X 3.000
FS 新田谷凜 3Lz+3T   11.11 X 2.556
FS 紀平梨花 3F+3T   10.45 X 2.778
FS 樋口新葉 3Lz+3T   10.10   3.111
FS 三原舞依 3Lz+3T   10.10   2.778
FS 白岩優奈 3Lz+3T   10.10   2.000
FS 河辺愛菜 2A+3T+2T   9.68 X 3.000
FS 住吉りをん 2A+3T+2T   9.68 X 2.222
FS 新田谷凜 2A+3T+2T   9.68 X 2.000
FS 坂本花織 3F+3T   9.50   4.111
FS 横井ゆは菜 2A+3T   8.25 X 3.667
FS 樋口新葉 2A+3T   8.25 X 2.667

トリプルトーループをセカンドジャンプに入れる、というのはすでに女子シングルでも常識化してきています。ショートで22例、フリーでは34例ありました。

3連続でセカンドトリプルトーから大きな加点をもらっていた山下選手はショートでも3Lz+3Tを1.1倍に入れてGOEをしっかりプラスで成功させています。ショートで1.1倍に3-3を入れたのは三選手のみ。やはりリカバリー可能なようにコンビネーションは先に飛ぶ選手が多いのですが、それを後半に入れてしっかり高評価を得たことが4位スタートの原動力となっています。

ルッツではなくフリップからでしたが坂本選手がフリーで入れた3F+3Tが最高評価でGOE+4.111 +5の満点をつけたジャッジが二人いました。

ショートフリーで両方名前があるのは山下選手の他に、横井ゆは菜選手がいます。フリーで1.1倍にすべてコンビネーション、というのは横井選手がジュニア時代の終盤からやっていたものですが、今回もしっかり決めています。

フリーで二つ名前があるのが新田谷凜選手と樋口新葉選手。抜けも結構ある選手ですが、コンビネーションはしっかり決まっていました

 

 ●平均GOE+3.000以上の単独ジャンプ

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 紀平梨花 3Lz   6.49 X 3.556
SP 山下真瑚 3Lo   4.90   3.111
SP 坂本花織 2A   3.30   4.222
SP 横井ゆは菜 2A   3.30   3.111
FS 紀平梨花 4S   9.70   3.222
FS 横井ゆは菜 3F   5.30   3.444
FS 河辺愛菜 3Lo   4.90   3.222
FS 紀平梨花 3Lo   4.90   3.111
FS 樋口新葉 3Lo   4.90   3.111
FS 河辺愛菜 3S   4.73 X 3.000
FS 坂本花織 2A   3.30   4.778
FS 横井ゆは菜 2A   3.30   3.667
FS 松生理乃 2A   3.30   3.111

単独のジャンプとはいえ、平均GOEで+3.000以上をもらうのはなかなか難しいです。

ショートでは坂本花織選手のダブルアクセルが+4.222と最高評価。フリーでも坂本花織選手のダブルアクセルが+4.778と7人のジャッジが満点付ける高評価でした。

 

もう一回続きます

 

全日本選手権20 女子シングル数値編2

前回から全日本選手権20の振り返りとして、女子シングルの数値編に入っています。

今回は演技構成点の中身を見ていきます。

 

●フリー上位9選手のスケーティングスキル

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
紀平梨花 9.04 9.00 9.00 9.00 8.75 9.00 9.50 9.00 8.75 9.75
坂本花織 9.36 9.50 9.25 9.50 9.25 9.00 9.50 9.50 9.00 9.50
宮原知子 8.96 9.00 9.00 8.75 9.00 8.75 9.00 9.00 9.00 9.50
松生理乃 8.07 8.25 7.75 8.00 8.50 7.75 8.50 8.00 8.00 8.00
河辺愛菜 7.93 8.00 7.50 7.75 8.00 7.75 8.75 8.25 7.75 8.00
横井ゆは菜 7.64 8.50 7.50 7.00 7.50 7.75 7.50 8.00 7.50 7.75
三原舞依 7.96 8.50 7.75 8.00 7.75 8.00 8.25 8.25 7.75 7.75
樋口新葉 8.29 8.50 8.25 8.00 8.25 8.25 8.50 8.00 8.25 8.75
白岩優奈 7.75 8.00 7.50 7.50 7.75 8.00 7.50 8.00 7.75 7.75

演技構成点を各ジャッジ毎に並べています。フリーのみです。係数掛ける前の素の0.25刻みの10点満点でジャッジが付けたスコアです。

演技構成点は全体的に上位三人とそれ以外の選手で差があります。

スケーティングスキルは坂本花織選手がトップ。9人のジャッジのうち5人が単独でトップと付け、3人が同点一位、1人は二位と付けています。

二位は紀平選手で三位が宮原選手。紀平選手は1人がトップと付け、2人が同点トップ、1人が単独二位で、3人が二位タイ、2人が三位と付けています。宮原選手は1人が同点で1位、1人が単独二位、4人が同点二位で3人が三位と付けています。

上位3人は僅差なことがよく見えます。

樋口選手、松生選手までが8点を超えるスコアを出していました。

 

●フリー上位9選手のトランジション

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
紀平梨花 8.71 8.25 8.75 8.75 8.50 9.00 9.25 8.50 8.25 9.50
坂本花織 8.96 9.25 9.00 9.25 8.75 8.50 9.00 9.00 8.50 9.50
宮原知子 9.04 9.00 8.75 8.50 9.50 8.75 9.25 9.00 9.25 9.25
松生理乃 8.18 8.50 7.50 7.75 8.50 8.25 8.50 8.25 8.00 8.00
河辺愛菜 7.86 8.00 7.00 7.50 8.25 8.00 8.25 7.75 7.75 7.75
横井ゆは菜 7.21 8.25 7.25 6.75 7.00 7.25 6.50 7.50 7.00 7.75
三原舞依 7.68 8.50 7.75 7.50 7.50 7.75 8.00 7.75 7.50 7.50
樋口新葉 7.75 8.00 7.75 7.50 7.50 7.50 8.00 7.50 8.00 8.50
白岩優奈 7.61 8.00 7.50 7.00 8.50 7.75 7.25 7.50 7.50 7.75

トランジションは宮原選手がトップで9点越えです。僅差で坂本選手が二位。紀平選手が三番手でした。

宮原選手に単独トップのスコアを付けたのは二人、トップタイを付けたのは二人。坂本選手に単独トップのスコアを付けたのが三人、トップタイを付けたのは二人。紀平選手に単独トップのスコアを付けたのが一人、トップタイを付けたのは二人。ジャッジの評価も分かれています。トップスコアを付けたジャッジは坂本選手の方が多いのですが、スコアとしては結果的に宮原浅春の方が上となりました

松生選手が四番手。1番ジャッジは紀平選手より松生選手が上、4番ジャッジは松生選手と紀平選手は同等、と判定しています。

表現面で定評のある横井選手ですが、トランジションは記載している9選手の中で9番目、実際には全体の中で13番目でした。ジャッジからは要素と要素の間の部分、つまりトランジションをあまり評価されていません。

 

●フリー上位9選手のパフォーマンス

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
紀平梨花 9.25 8.75 9.25 9.00 9.25 9.50 9.75 9.25 8.75 9.75
坂本花織 9.50 9.75 9.50 9.50 9.50 9.00 9.50 9.50 9.25 9.75
宮原知子 9.25 9.25 9.25 8.75 9.50 9.00 9.25 9.25 9.25 9.50
松生理乃 8.29 8.75 8.00 8.25 8.75 8.00 8.75 8.25 8.00 7.75
河辺愛菜 8.25 8.50 7.50 8.00 8.75 8.25 8.75 8.00 8.00 8.25
横井ゆは菜 7.96 8.75 7.75 7.50 8.25 8.00 7.50 8.25 8.00 8.00
三原舞依 8.18 8.75 8.00 8.50 8.25 8.25 8.00 8.50 7.75 7.75
樋口新葉 8.14 8.75 8.00 7.75 8.25 7.75 8.25 7.75 8.25 8.75
白岩優奈 7.93 8.50 7.75 7.25 8.25 8.00 7.75 8.00 7.75 8.00

パフォーマンスは坂本選手がトップで、紀平選手と宮原選手が二位同点でした。この三選手が9点越えです。

坂本選手はスコアが9.50と極めて高いのですが、10点満点を出したジャッジはなし。この辺が、最終滑走に紀平選手を残しての23番滑走、というあたりに出ているかもしれません。後ろに紀平選手いる状態で先に満点だしにくいです。

 

●フリー上位9選手のコンポジション

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
紀平梨花 9.25 9.00 9.50 9.25 9.00 9.50 9.50 9.00 8.50 9.75
坂本花織 9.32 9.75 9.75 9.25 9.00 9.00 9.25 9.50 9.00 9.50
宮原知子 9.36 9.50 9.25 9.00 9.50 9.25 9.25 9.25 9.50 9.75
松生理乃 8.32 8.25 8.25 8.50 8.50 8.00 8.50 8.25 8.25 8.25
河辺愛菜 8.29 8.50 7.75 8.25 8.50 8.00 8.50 8.25 8.00 8.50
横井ゆは菜 7.64 8.75 7.50 7.25 7.50 7.75 7.00 7.75 7.50 8.25
三原舞依 8.14 8.75 8.25 8.25 8.00 8.25 8.25 8.00 7.75 8.00
樋口新葉 8.21 8.50 8.25 8.00 8.25 8.00 8.00 8.25 8.25 9.00
白岩優奈 7.93 8.25 7.75 7.50 8.25 8.00 7.50 7.75 8.00 8.25

コンポジションは宮原選手がトップ。坂本選手が二位で紀平選手三位でした。宮原選手と紀平選手でその差が0.11と極めて僅差です。

宮原選手をトップとしたジャッジは9人中2人、トップタイでもう一人。坂本選手トップが3人で、トップタイでもう一人、紀平選手トップは2人でトップタイが二人います。評価が割れました。

 

●フリー上位9選手のインタープリテーション

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
紀平梨花 9.14 8.75 9.50 9.00 9.00 9.50 9.25 9.00 8.75 9.75
坂本花織 9.25 9.50 9.50 9.50 9.00 8.75 9.00 9.50 8.75 9.75
宮原知子 9.29 9.25 9.00 8.75 9.50 9.25 9.25 9.25 9.50 9.50
松生理乃 8.21 8.50 8.25 8.50 8.00 7.75 8.50 8.00 7.75 8.50
河辺愛菜 8.04 8.25 7.25 8.00 8.50 7.75 8.25 8.00 7.75 8.25
横井ゆは菜 7.79 8.50 7.50 7.25 7.50 8.00 7.50 8.25 7.50 8.25
三原舞依 8.07 8.75 8.25 8.00 8.00 8.00 8.00 8.25 7.75 8.00
樋口新葉 8.29 8.50 8.00 8.25 8.50 7.75 8.50 8.00 8.25 9.25
白岩優奈 7.86 8.25 7.50 7.50 8.00 7.75 7.25 8.00 8.00 8.25

インタープリテーションもコンポジションと同じ構図で、宮原選手トップですが坂本選手紀平選手も僅差で二位三位です。

インタープリテーションは樋口選手が四番目でした。9番ジャッジからは9点を超えるスコアをもらっています。

 

●フリー上位9選手のPCS評価

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
紀平梨花 45.39 43.75 46.00 45.00 44.50 46.50 47.25 44.75 43.00 48.50
坂本花織 46.39 47.75 47.00 47.00 45.50 44.25 46.25 47.00 44.50 48.00
宮原知子 45.90 46.00 45.25 43.75 47.00 45.00 46.00 45.75 46.50 47.50
松生理乃 41.07 42.25 39.75 41.00 42.25 39.75 42.75 40.75 40.00 40.50
河辺愛菜 40.37 41.25 37.00 39.50 42.00 39.75 42.50 40.25 39.25 40.75
横井ゆは菜 38.24 42.75 37.50 35.75 37.75 38.75 36.00 39.75 37.50 40.00
三原舞依 40.03 43.25 40.00 40.25 39.50 40.25 40.50 40.75 38.50 39.00
樋口新葉 40.68 42.25 40.25 39.50 40.75 39.25 41.25 39.50 41.00 44.25
白岩優奈 39.08 41.00 38.00 36.75 40.75 39.50 37.25 39.25 39.00 40.00

5項目をジャッジ毎に合計して並べるとこうなります

PCSのトップは坂本花織選手でしたが、坂本選手をトップとしたジャッジは4人です。宮原選手トップが2人、紀平選手トップが3人います。トップスコアを付けた人数は紀平選手の方が多かったのですが、最終的なPCSは宮原選手が上でした。

1番ジャッジが紀平選手にかなり厳しい評価が出ています。8番ジャッジのスコアも紀平選手は低めですが、8番ジャッジは紀平選手二というより全体的にやや厳しい側に振れる傾向があるようです。1番ジャッジは最終スコアより自分のスコアが低かったのが結局この上位9人の中で紀平選手だけ。紀平選手に厳しい結果になりました。

ジャッジ間ばらつきはやはり女子でも結構ありました

 

 次回へ続く

全日本選手権20 女子シングル数値編1

前回までに男子シングルの数値編をお送りしてきました

今度は女子シングルになります

内容は男子の時と似通ったものになっていくと思います

 

ショートプログラム上位24人のタイプ別得点

Pl Name Jump Spin Step PCS
1 紀平梨花 27.35 11.22 5.57 35.20
2 坂本花織 19.64 12.41 4.67 35.14
3 三原舞依 22.12 11.41 5.01 31.01
4 山下真瑚 23.03 8.85 4.20 31.20
5 新田谷凜 22.45 10.92 4.34 29.45
6 宮原知子 12.43 13.16 5.52 35.37
7 松生理乃 20.94 11.71 3.38 30.54
8 河辺愛菜 20.88 10.75 3.45 29.62
9 川畑和愛 19.91 10.14 4.20 30.31
10 白岩優奈 21.81 10.14 2.21 29.80
11 住吉りをん 20.46 10.43 4.10 27.63
12 吉岡詩果 19.05 11.37 3.96 27.62
13 樋口新葉 14.73 10.49 5.40 31.91
14 青木祐奈 18.90 9.74 3.72 27.61
15 鈴木なつ 19.01 11.33 3.82 25.77
16 横井ゆは菜 18.58 10.37 3.19 28.69
17 本郷理華 16.69 10.27 4.15 27.94
18 永井優香 18.80 9.54 3.05 27.60
19 吉田陽菜 19.89 9.96 2.93 26.01
20 野比 13.66 11.98 4.57 26.83
21 松原星 19.29 8.97 2.90 25.09
22 廣谷帆香 18.67 11.09 2.60 22.91
23 松千 16.32 10.02 2.13 26.58
24 千葉百音 17.97 11.41 1.79 25.28

選手ごとの毛色の違いが非常に顕著に表れています。

ショート首位の紀平梨花選手はジャンプで27.35と断トツのスコアです。ジャンプの2位は山下真瑚選手で23.03 その差は4.32あります。トリプルアクセルダブルアクセルの基礎点差が4.7ありますので、やはりその差が大きく効く、というのが見て取れます。

ジャンプの3位は新田谷凜選手でした。引退撤回後初の全日本で初のフリー最終グループとなった原動力はジャンプにありました。

ショート2位の坂本花織選手はジャンプのスコア順位は11位です。ショート19位でトリプルアクセルにチャレンジした吉田陽菜選手よりジャンプのスコアは下でした。首位紀平梨花選手とジャンプのスコア差は7.69 坂本選手はジャンプのイメージが強い選手なのですが、意外と点数的には伸びていません。

ショート6位の宮原知子選手はジャンプのスコアは24位、ではなくてここに乗っていないショート落ちの選手まで入れると26位になります。さすがにループ零点は大きく影響しました。

 

スピンは宮原知子選手がトップ。2位に坂本花織選手。紀平梨花選手はスピンの順位は9番目です。宮原選手と紀平選手では1.96の差があります。スピンのスコア3位は竹野比奈選手でした。スピンの評価には定評のある選手で、日本のトップ選手たちと肩を並べます。

ショート4位の山下真瑚選手はジャンプ2位な一方でスピンは24位ではなく、これもショート落ちの選手を含めると28位になります。スピンが大きな弱点です。

 

ステップは紀平梨花選手がトップ。二位の宮原知子選手も僅差です。坂本選手は5位。GOEは良かったのですがレベルが3だったことの影響が出ています。ステップ3位は樋口新葉選手です。トリプルアクセルに挑んでいて今回は決まらずスコアは伸びませんでしたが、実はジャンプよりもステップの方が高い評価の位置にいる選手です。

 

PCSは宮原選手、紀平選手、坂本選手の順。やはりこの3人が強いです。

宮原選手はジャンプ26位、スピン1位、ステップ2位、PCS1位 ジャンプ跳べれば無敵なんですが・・・、みたいなことになっております。

 

 ●フリーのタイプ別得点

Pl Name Jump Spin Step PCS
1 紀平梨花 62.05 11.13 9.10 72.62
2 坂本花織 51.94 13.49 10.65 74.23
3 宮原知子 47.12 12.79 10.92 73.44
4 松生理乃 52.17 12.12 9.17 65.71
5 河辺愛菜 53.10 10.33 9.86 64.59
6 横井ゆは菜 54.66 11.10 7.45 61.18
7 三原舞依 48.51 12.84 8.70 64.05
8 樋口新葉 46.74 12.30 9.39 65.08
9 白岩優奈 45.39 10.93 8.57 62.54
10 住吉りをん 45.30 12.03 8.49 58.64
11 新田谷凜 42.91 9.38 9.36 61.67
12 川畑和愛 40.52 10.79 8.76 61.55
13 山下真瑚 39.88 8.05 9.02 63.33
14 鈴木なつ 39.28 10.64 7.60 52.68
15 吉岡詩果 37.20 10.74 7.70 53.18
16 野比 33.69 11.91 7.84 52.58
17 吉田陽菜 41.62 6.50 6.25 50.62
18 千葉百音 35.05 11.87 6.87 50.98
19 本郷理華 29.40 10.35 8.48 54.57
20 松原星 38.90 8.81 6.65 46.85
21 青木祐奈 24.55 10.72 9.49 54.51
22 廣谷帆香 36.89 9.95 4.94 43.53
23 松千 28.78 9.22 6.22 49.09
24 永井優香 19.97 9.62 7.11 50.82

フリーは24選手全選手載せました。

ジャンプのトップはやはり紀平梨花選手。ただ一人60点を超えています。多くの選手はTES合計で60点を超えるのも大変なのですが、その点数をジャンプだけで稼いでいます。

ジャンプ2位は横井ゆは菜選手でした。紀平選手との差は7.39 ジャンプ一本分ほどあります。コンビネーションを全部1.1倍に入れるという鬼構成をしっかり滑り切ったわけですが、それでもトリプルアクセル+四回転サルコウと比べるとジャンプ1本分点差が開く、という現実はあります。

ジャンプ3位は河辺愛菜選手、4位は松生理乃選手、と新旧ジュニアチャンピオンが並びます。河辺選手はトリプルアクセルは決まりませんでしたが回転は足りていて、あとのジャンプもしっかり決めたことで高得点、松生選手は全体の安定感で高得点、といったところ。

坂本選手は5番目でした。紀平選手とのジャンプ得点差は10.11 四回転サルコウ1本分あります。宮原選手は7位でした。苦手なジャンプもフリーはある程度まとめました。

 

スピンは坂本花織選手がトップでした。13.49はショートの宮原選手よりも上のスコアです。

二位が三原舞依選手、宮原選手はフリーでは三位でした。

紀平選手は9位。スピンではなかなか点が稼げていません。

 

ステップ系要素は宮原選手がトップで坂本選手が二位。三番目には河辺愛菜選手がいます。紀平梨花選手は8番目。ステップのレベルが3だったことで点が伸びませんでした。

 

PCSは一位坂本選手、二位宮原選手、三位紀平選手の順。この三人が70点越えです。宮原選手はショートでもう少し上位にいて滑走順が後ろだったらもっと出たんでしょうか? どうでしょう?

四番目にはジュニアの松生選手がいます。ジュニアでPCSが高い、というのは珍しいケースです。

三原舞依選手が7番目。宮原選手との差が9.39ありました。このPCS差が表彰台に乗れなかった要因になっているようです。

 

 ●総合上位24位のショートフリーを合わせたタイプ別スコア

Pl Name Jump Spin Step PCS
1 紀平梨花 89.40 22.35 14.67 107.82
2 坂本花織 71.58 25.90 15.32 109.37
3 宮原知子 59.55 25.95 16.44 108.81
4 松生理乃 73.11 23.83 12.55 96.25
5 三原舞依 70.63 24.25 13.71 95.06
6 河辺愛菜 73.98 21.08 13.31 94.21
7 樋口新葉 61.47 22.79 14.79 96.99
8 横井ゆは菜 73.24 21.47 10.64 89.87
9 白岩優奈 67.20 21.07 10.78 92.34
10 新田谷凜 65.36 20.30 13.70 91.12
11 川畑和愛 60.43 20.93 12.96 91.86
12 住吉りをん 65.76 22.46 12.59 86.27
13 山下真瑚 62.91 16.90 13.22 94.53
14 鈴木なつ 58.29 21.97 11.42 78.45
15 吉岡詩果 56.25 22.11 11.66 80.80
16 吉田陽菜 61.51 16.46 9.18 76.63
17 野比 47.35 23.89 12.41 79.41
18 本郷理華 46.09 20.62 12.63 82.51
19 青木祐奈 43.45 20.46 13.21 82.12
20 千葉百音 53.02 23.28 8.66 76.26
21 松原星 58.19 17.78 9.55 71.94
22 廣谷帆香 55.56 21.04 7.54 66.44
23 松千 45.10 19.24 8.35 75.67
24 永井優香 38.77 19.16 10.16 78.42

フリーに進んだ24人のショートとフリーを合わせての得点の稼ぎ方です

ジャンプは紀平選手が突出していて、ジャンプ2位の河辺選手とでも15.42の差があります。坂本選手は5位で紀平選手とは17.82の差、宮原選手は14位で紀平選手との差は29.85あります。

 

スピンは宮原選手がトップで坂本選手が2位。二人の差は0.05でほとんどありません。紀平選手は9番目で宮原選手との差が3.60あります。ロシア勢のトップはスピンで26点台、ワリエワ選手は27点台後半まで出してきますので、紀平選手はスピンで5点ほどビハインドを負ってしまう計算になります。

余談ですが、宮原選手、坂本選手の二人は男子のトップの加点よりも高い加点を得ていて、基礎点も合わせたスピンのスコアは男子よりも高いです。

 

ステップ系要素は宮原選手がトップ。昨シーズンの国際大会でのステップ系要素は全選手の中で宮原選手のUSインターナショナルで出した15.84 二シーズン前もやはり宮原選手のUSインターナショナル15.92が最高スコア。ステップ系要素の評価は世界一の選手ではありますが、今回は国内の大会ではありますがそれを上回る16.44というスコアになっています。ステップ系要素は全部満点で17.25ですので、16.44というのは驚異的な数字です。当たり前のように男子のスコアより上でした。

二位は坂本選手、三位は樋口選手でした。紀平選手は四位です。

 

PCSは坂本選手、宮原選手、紀平選手の順で、この三人だけがPCS合計100点越えですし、105点も超えて110点に近いスコアでした。

 

 ●フリー進出24人のショートフリーのジャンプの点の入り方

Pl Name Base GOE
1 紀平梨花 77.42 11.98
2 坂本花織 60.61 10.97
3 宮原知子 58.32 1.23
4 松生理乃 65.60 7.51
5 三原舞依 61.48 9.15
6 河辺愛菜 74.37 -0.39
7 樋口新葉 62.22 -0.75
8 横井ゆは菜 64.41 8.83
9 白岩優奈 63.35 3.85
10 新田谷凜 60.19 5.17
11 川畑和愛 57.85 2.58
12 住吉りをん 63.12 2.64
13 山下真瑚 61.85 1.06
14 鈴木なつ 54.08 4.21
15 吉岡詩果 59.17 -2.92
16 吉田陽菜 66.03 -4.52
17 野比 43.35 4.00
18 本郷理華 52.77 -6.68
19 青木祐奈 49.35 -5.90
20 千葉百音 55.60 -2.58
21 松原星 62.88 -4.69
22 廣谷帆香 54.69 0.87
23 松千 51.86 -6.76
24 永井優香 38.67 0.10

上記表ではBaseがジャンプの基礎点、GOEは加点です。ここのGOEは-5~+5の評価の合計ではなく、点数としての加点減点の合算になります。

紀平選手が基礎点トップ。まあ、それはそうだろうという感じなのですが、二位の河辺愛菜選手との差が3.05しかありません。河辺選手はトリプルアクセル二本を基礎点満額得ているので基礎点は高くなりました。とはいえ、四回転サルコウが入っているのに3.05しかトリプルアクセル二本持ちと差がない。四回転サルコウ以外の構成をそれほどは攻めなかった、というのがこの辺に出ています。

基礎点三番手はジュニアの吉田陽菜選手。この選手もトリプルアクセル持ち。四位にトリプルアクセルがない松生理乃選手が入ってきます。

坂本選手は12番手、宮原選手は15番手です。坂本選手がこの位置なのはイメージと合致しませんが、フリーではルッツが一本で元々あまり高い基礎点を持っていない選手ですし、今回はそのルッツでeがついて基礎点から減点。こういった位置になっています。

 

加点もやはり紀平選手がトップ。二番手に坂本選手がいてその差は1.01です。基礎点では稼げていませんが、加点は坂本選手はかなり稼げています。基礎点が高い方が同じGOEの時には加点も多くなる、ということを考えると、坂本選手のジャンプの質はかなり高く、評価は紀平選手より高い、という計算になります。

加点三位は三原舞依選手、四位に横井ゆは菜選手。三原選手はジャンプのイメージの選手なわけではないですが、質的によりジャンプを飛んでいて加点が取れている、という構図なようです。

 

●フリー進出24人のショートフリーのスピンの点の入り方

Pl Name Base GOE
1 紀平梨花 18.00 4.35
2 坂本花織 19.40 6.50
3 宮原知子 18.80 7.15
4 松生理乃 18.20 5.63
5 三原舞依 19.20 5.05
6 河辺愛菜 17.10 3.98
7 樋口新葉 19.10 3.69
8 横井ゆは菜 18.60 2.87
9 白岩優奈 17.60 3.47
10 新田谷凜 16.55 3.75
11 川畑和愛 17.60 3.33
12 住吉りをん 17.90 4.56
13 山下真瑚 14.70 2.20
14 鈴木なつ 18.30 3.67
15 吉岡詩果 18.10 4.01
16 吉田陽菜 14.40 2.06
17 野比 19.10 4.79
18 本郷理華 18.30 2.32
19 青木祐奈 18.30 2.16
20 千葉百音 19.10 4.18
21 松原星 15.50 2.28
22 廣谷帆香 18.50 2.54
23 松千 16.93 2.31
24 永井優香 16.60 2.56

スピンは坂本選手が基礎点でトップでした。二番目に三原舞依選手で中野組がワンツーです。三番目は樋口選手竹野比奈選手にジュニアの千葉百音選手がいます。宮原選手は全体六番目。ここまでは全員すべてレベル4ですが、そのスピンの種類で差がついている形です。なんとなく、名古屋組はスピンの基礎点が低い=レベルが取り切れていない? というようにも見えます。紀平選手は全体14番目でした。スピンの基礎点で坂本選手と1.40の差がついています。このあたりが四回転もトリプルアクセルも無い坂本選手が、紀平選手に割と肉薄できたことの要因に、目立たないですがなっているわけです。

加点は宮原選手がトップで坂本選手が二番目。三番目には松生理乃選手がいます。松生選手はレベルがしっかり取れず基礎点はそれほど高くありませんでしたが、加点はよく取れていました。

 

 ●フリー進出24人のショートフリーのステップ系要素の点の入り方

Pl Name Base GOE
1 紀平梨花 10.20 4.47
2 坂本花織 10.20 5.12
3 宮原知子 10.80 5.64
4 松生理乃 8.90 3.65
5 三原舞依 10.20 3.51
6 河辺愛菜 9.50 3.81
7 樋口新葉 10.80 3.99
8 横井ゆは菜 8.20 2.44
9 白岩優奈 8.10 2.68
10 新田谷凜 10.20 3.50
11 川畑和愛 9.60 3.36
12 住吉りをん 9.60 2.99
13 山下真瑚 9.60 3.62
14 鈴木なつ 9.60 1.82
15 吉岡詩果 9.60 2.06
16 吉田陽菜 8.20 0.98
17 野比 10.20 2.21
18 本郷理華 9.60 3.03
19 青木祐奈 10.20 3.01
20 千葉百音 8.90 -0.24
21 松原星 8.90 0.65
22 廣谷帆香 7.40 0.14
23 松千 7.40 0.95
24 永井優香 8.90 1.26

ステップ系要素とはコレオシークエンスも含みます。

基礎点トップとはショートフリーでステップレベル4を取った選手を指しますが、宮原選手と樋口選手がレベル4を揃えました。

基礎点10.20の選手は片方レベル3で片方レベル4だったわけですが、紀平選手坂本選手始め6選手いました。

加点は宮原選手がトップ。坂本選手が二位で紀平選手三位に樋口選手四位と続きます。表現面で定評のある選手が並びますが、その次に河辺選手松生選手と続きました。今大会で初の200点を出した二人ですが、意外なところでも点を稼いでいます。ただ、基礎点の方は二人ともレベル2があったりとあまり伸ばせていませんでした。

 

次回へ続きます

 

全日本選手権20 男子シングル数値編4

前回まで全日本選手権20の男子シングル数値編の振り返りをしてきて、ジャンプ要素まで終わりました。

今回がラスト、スピン・ステップ編です。

 

●スピンオールレベル4

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 本草 FCSp4   3.20   2.444
SP 本草 CSSp4   3.00   2.667
SP 本草 CCoSp4   3.50   2.444
FS 本草 FCSSp4   3.00   2.778
FS 本草 FCCoSp4   3.50   1.556
FS 本草 CCoSp4   3.50   1.667

男子シングル全選手のうち、山本草太選手のみがショートフリー合わせて6回のスピンですべてレベル4を獲得しました。全選手で1人だけ、というのはだいぶ少ない印象です。昨年は4人いました。

 

 ●チェンジフットコンビネーションスピン レベル4で平均GOE+2.5以上

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 宇野昌磨 CCoSp4   3.50   4.000
SP 羽生結弦 CCoSp4   3.50   3.778
SP 鍵山優真 CCoSp4   3.50   3.556
FS 島田高志郎 CCoSp4   3.50   2.889
FS 宇野昌磨 CCoSp4   3.50   2.778
FS 鍵山優真 CCoSp4   3.50   2.778
SP 田中刑事 CCoSp4   3.50   2.667
FS 田中刑事 CCoSp4   3.50   2.556

このスピンは全選手がショートフリー両方で実施している要素です。全54回実施でレベル4は延べ20件ありました。スピンノーバリューは羽生選手が話題になりましたが、実は島田高志郎選手もこのスピンでショートではノーバリューにされていました。フリーでは島田選手もしっかりレベル4を取り、GOE+2.889とフリーでの最高評価を得ていました

 

●チェンジフットキャメルスピン レベル4

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 鍵山優真 CCSp4   3.20   3.556
FS 櫛田一樹 CCSp4   3.20   1.333
SP 中野紘輔 CCSp4   3.20   0.111
SP 古家龍磨 CCSp4   3.20   0.111

チェンジフットキャメルスピンは実施者が少ないスピンです。ショートで5人、フリーで1人、延べ6人が実施しレベル4を4人が得ました。

櫛田選手はショートでレベル1をもらっていましたがフリーではレベル4です。

最高評価は鍵山選手でした。

 

●チェンジフットシットスピン レベル4で平均GOE+1.5以上

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 宇野昌磨 CSSp4   3.00   2.778
SP 佐藤駿 CSSp4   3.00   2.667
SP 本草 CSSp4   3.00   2.667
SP 石塚玲雄 CSSp4   3.00   2.667
SP 友野一希 CSSp4   3.00   2.333
FS 日野龍樹 CSSp4   3.00   2.111
SP 山隈太一朗 CSSp4   3.00   1.889
SP 日野龍樹 CSSp4   3.00   1.667

チェンジフットシットスピンはショートで25人、フリーで13人が実施し、ショートで12人、フリーで3人がレベル4を獲得しました。

このスピンが問題の、羽生選手がショートでノーバリューになったスピンです。羽生選手はフリーではこの要素の実施はありませんでした。

評価トップは宇野選手のショートで+2.778 トップで平均GOE+2.778は他のスピンと比べて低めです。ジャンプのイメージの強い佐藤駿選手が評価2位タイで+2.667を得ていました

 

●フライングチェンジフットコンビネーションスピン レベル4

  Name Elements   BaseValue   GOE
FS 羽生結弦 FCCoSp4   3.50   2.889
FS 友野一希 FCCoSp4   3.50   1.889
FS 島田高志郎 FCCoSp4   3.50   1.778
FS 佐藤駿 FCCoSp4   3.50   1.556
FS 本草 FCCoSp4   3.50   1.556
FS 小林諒真 FCCoSp4   3.50   1.111
FS 中野紘輔 FCCoSp4   3.50   0.333

フライングチェンジフットコンビネーションスピンはフリーのみで11人が実施し、7人がレベル4を得ました。

最高評価は羽生結弦選手で+2.889でした。

 

●フライングキャメルスピン レベル4

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 宇野昌磨 FCSp4   3.20   3.333
FS 宇野昌磨 FCSp4   3.20   3.000
SP 田中刑事 FCSp4   3.20   2.778
SP 本草 FCSp4   3.20   2.444
SP 木科雄登 FCSp4   3.20   2.222
FS 田中刑事 FCSp4   3.20   1.667
SP 三宅星南 FCSp4   3.20   1.333
FS 三浦佳生 FCSp4   3.20   1.222
SP 三浦佳生 FCSp4   3.20   0.778
SP 森口澄士 FCSp4   3.20   0.778
FS 森口澄士 FCSp4   3.20   0.444

フライングキャメルスピンはショートで24人、フリーで13人が実施し、ショートで7人、フリーで4人がレベル4を獲得しました

最高評価はショートの宇野選手で+3.333 2番目も宇野選手のフリーで+3.000となっています。

 

 ●フライングチェンジフットシットスピン レベル4

  Name Elements   BaseValue   GOE
FS 羽生結弦 FCSSp4   3.00   3.444
FS 鍵山優真 FCSSp4   3.00   3.333
FS 本草 FCSSp4   3.00   2.778

フライングチェンジフットシットスピンはフリーのみで4人が実施し3人がレベル4でした。スピン上手そうな名前が並んでいます。評価トップはこれも羽生選手でした。

 

●フライングシットスピン レベル4

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 鍵山優真 FSSp4   3.00   2.889
FS 島田高志郎 FSSp4   3.00   2.667
FS 友野一希 FSSp4   3.00   2.333
FS 佐藤駿 FSSp4   3.00   2.222
SP 櫛田一樹 FSSp4   3.00   1.667
SP 古家龍磨 FSSp4   3.00   0.556

フライングシットスピンはショートで5人、フリーで6人が実施し、ショートで3人、フリーで3人がレベル4を獲得しました。評価トップは鍵山優真選手です。

実施者はそれほど多くないですがGOE+2.0を超える選手が結構いました。

 

 ●フライングアップライトスピン

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 小林建斗 FUSp4   2.90   0.889

フライングアップライトスピンは1人が実施し、レベル4を獲得しました

 

 ●ステップレベル4

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 羽生結弦 StSq4   3.90   4.778
SP 友野一希 StSq4   3.90   3.111
SP 本田ルーカス剛史 StSq4   3.90   2.333
FS 三宅星南 StSq4   3.90   2.333

ステップでレベル4を獲得できた選手は少なく、ショートで3人、フリーで1人の合計4人のみでした。ショートフリーで共にレベル4だった選手はなし。昨年は2人がショートフリーでレベル4でそれを含めてのべ7件のレベル4があったことから比べると、すれっぷ要素のレベル4もだいぶ減っています。

最高評価はここでも羽生結弦選手。+4.778はジャッジ9人中7人が満点をつけた結果です。

 

 ●ステップレベル3 平均GOE+2.000以上

  Name Elements   BaseValue   GOE
SP 宇野昌磨 StSq3   3.30   4.778
FS 羽生結弦 StSq3   3.30   4.222
SP 鍵山優真 StSq3   3.30   4.111
SP 田中刑事 StSq3   3.30   3.889
SP 本草 StSq3   3.30   3.667
FS 田中刑事 StSq3   3.30   3.667
FS 須本光希 StSq3   3.30   2.556
FS 本田ルーカス剛史 StSq3   3.30   2.222
FS 島田高志郎 StSq3   3.30   2.000

ステップレベル3で高評価を受けたのがこういった選手。宇野選手のショートはレベル3ではありましたが、ジャッジ9人中7人から満点評価を受けました。

 

 ●コレオシークエンス 平均GOE+2.000以上

  Name Elements   BaseValue   GOE
FS 羽生結弦 ChSq1   3.00   4.444
FS 友野一希 ChSq1   3.00   4.000
FS 宇野昌磨 ChSq1   3.00   3.778
FS 鍵山優真 ChSq1   3.00   2.667
FS 須本光希 ChSq1   3.00   2.556
FS 三浦佳生 ChSq1   3.00   2.333
FS 田中刑事 ChSq1   3.00   2.222
FS 本草 ChSq1   3.00   2.222
FS 大島光翔 ChSq1   3.00   2.111
FS 島田高志郎 ChSq1   3.00   2.000

コレオシークエンスで評価が高かったのはこういった選手です。これも羽生選手が評価トップ。羽生選手はステップ2つとコレオ、すべてで平均GOE+4.0を超える評価を受けています。

二番手は友野選手。ステップ系要素の評価は高い選手です。PCSになるとトップ選手とは差があるのですが、ステップ系要素ではステップのレベルさえ取れればGOEではトップと遜色ありません。

須本選手や三浦佳生選手など、表現面で名前が上がるタイプではない選手が、意外とコレオの評価では高い位置にいました。

 

 

以上、全4回の全日本選手権20 男子シングル振り返り数値編でした。