23-24 住吉りをん

2003年8月19日生まれ

シニア2シーズン目

シーズン獲得賞金:$25,000

世界ランキング:25位

シーズンランキング:20位

シーズンベストスコア 197.76(17位) グランプリフランス

ショートプログラムシーズンベスト 68.65 グランプリエスポー

フリーシーズンベスト 136.04グランプリフランス

スピンレベル4率 54/75 = 72.0%(国際大会:18/24 = 75.0%)

ステップレベル4率 12/25 = 48.0%(国際大会:3/8 = 37.5%)

スピンオールレベル4 1/12(国際大会:1/4)

スピンステップオールレベル4 0/12(国際大会:0/4)

ジャンプ回転不足率 25/127 = 19.7%(国際大会:7/40 = 17.5%)

ジャンプ回転不足なし 1/12(国際大会:1/4)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/12(国際大会:0/4)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL アクアカップ SP 1 55.51 55.51  
DL アクアカップ FS 1 126.99   126.99
DL 木下トロフィー 2 181.90 58.63 123.27
DL げんさんサマーカップ 2 198.27 69.63 128.64
DL 東京夏季フィギュア 1 206.11 65.64 140.47
RT 東京選手権 1 188.53 65.40 123.13
CC 東日本学生選手権 1 128.05   128.05
GP Grand Prix de France 3 197.76 61.72 136.04
GP Grand Prix Espoo 2 190.21 68.65 121.56
GPF Grand Prix Final 6 180.39 58.63 121.76
NC 全日本選手権 10 185.22 56.70 128.52
CC 日本学生氷上選手権 2 193.18 69.13 124.05
NG 国民スポーツ大会 3 197.67 65.75 131.92
IC Tallink Hotels Cup 1 189.21 66.53 122.68

住吉選手は昨季グランプリシリーズ2戦表彰台。ワールドユニバーシティゲームズ4位。一定の結果を出したシニアデビューシーズンでした。今期はさらに上を目指すシーズンです。

 

シーズン序盤は国内を転戦していました。7月に入れば一応今シーズン。7月1日からアクアカップに出ています。ショートとフリーは別の試合扱い。この時期から4回転トーループを入れてきていますがダウングレードになっています。

8月は3試合。木下トロフィーは吉田陽菜選手に次ぐ2位。げんさんサマーカップも同じく吉田選手に次ぐ2位。この試合は0.58差の僅差でした。続く東京夏季フィギュアではちょっとPCS出すぎ感もあって国内参考記録の意味合いがかなり強いですが206.11というスコアで初の200点超えを果たします。

 

次いでチャレンジャーシリーズに出るかと思われたのですが遠征は無しでブロック大会へ。東京選手権は樋口新葉選手、渡辺倫果選手、青木祐奈選手といったあたりがいましたがトータル188.53で優勝。シニアのブロック大会初優勝となります。

さらに10月には東日本学生選手権にも出場。フリーだけの試合ですが128.05を出しこれも優勝。国内では力を見せつけます。結局木下トロフィーから東日本学生まで、昨シーズンと同じスケジュールをこなしてここまで来ました。

 

11月に入ってようやく国際大会初戦です。グランプリシリーズフランス大会になるのも昨季と同じスケジュールです。ショートプログラム、まさかの冒頭ダブルアクセル転倒でスタート。それでも残り2つのジャンプはしっかり決めて61.72 5位に付けます。3位イ・ヘイン選手までは4.02差。その上はグバノワ選手とレビト選手。ちょっと表彰台は厳しいかと思われたフリーですが、まず2A+3Tのコンビネーションを決め、次に4回転をいつものように組み込みます。今まで成功の無いジャンプですが今回はきれいに降りたように見えました。回転どうか?  q? qくらいでお願いアンダー付けないで、と思ってみていましたが最終的に何もつかずのクリーン判定で全ジャッジプラス評価を付けます。そのままノーミスで行ければよかったのですが、後半のサルコウが2回転に。そこがもったいなかったですがそれでも136.04までだしてトータル197.76 残り4人いましたが最終的には3位に残って昨季から続くグランプリ連続表彰台となりました。

 

昨季は3位2戦で進めなかったファイナル。今期こそはということで次は5戦目のエスポーです。坂本花織選手が強く、初戦2位を持っているキムチェヨン選手とファイナルを争いつつ、アンバーグレン選手あたりも強いという試合。2位に入ればファイナル有力です。ショートプログラムは4番滑走と早めに出てきますがここでノーミス。68.65を出してきます。最終滑走坂本選手が滑るまで首位を保って、ショートは2位。3位のキムチェヨン選手と2.46差。フリーはラス前ですが、首位に出るには116.75を出せばいい、という展開になりました。これを超えればファイナルが当確近くなる一方、これを超えないで3位で終わると、また昨季と同じ3位2回でファイナル落選になりそう、というあたりが見えているフリー。4回転は連続成功ならずアンダーローテーションに。それでもこれくらいまでは織り込み済み。後をしっかり決められえばよかったのですが、その後転倒1つにアンダーローテーション2つにq1つ。さらに最後のスピンでVまでついて、これは点数足りるのか? 微妙?とはらはらさせられましたが121.56はもらえて、トータル190.21 何とか最終順位2位。最終のNHK杯でとんでも展開にならなければファイナル進出、という状態をここで確保し、実際にNHK杯終了後ファイナル進出が確定しました。

 

グランプリファイナルは1番滑走になりました。周り誰見ても強いです。シーズン後半の代表争いではここで日本人選手中2番手になることと、シーズンベストランクを3位以内にするために203.22を超えるスコアを出すこと。この2つが欲しい試合になっています。直接的には吉田選手に勝っておきたい。

ショートプログラム、ルッツがまさかの抜けで零点。これにより58.63で5位スタートになります。負けたくない吉田陽菜選手もショート60.65なのでまだ僅差。スコア的に狙いたかった203.22はフリーで144.59が必要というところで苦しくはなっています。

フリーは2番滑走。冒頭の2A+3Tはしっかり入ったのですが、次の4回転は抜けて3回転のダウングレードに。その後後半に入ってフリップからの3-3を飛んだことで、3回転のトーループが3回目扱いでキックアウトされます。滑り自体は4回転が決められなかったことくらいであとはほぼしっかり滑ったのに、スコアは121.76に留まるという痛い展開。トータルスコア180.39にとどまり6位に終わりました。

 

全日本選手権へ。昨季取れなかったシーズン後半のチャンピオンシップへ。選考基準では坂本選手ははるか遠く、吉田陽菜選手には結局すべて負けていて、渡辺倫果選手と3番目を争うような位置にいます。表彰台に乗れば代表権は取れそう。そうでなければ吉田選手や渡辺選手との順位関係が重要になりそう、という試合です。

このショートプログラムが今度はアクセルが1回転半になる零点スタート。次のコンビネーションも決まらず。何とかルッツは降りたもののq 今季ワーストの56.70 これで17位スタートとなります。3位と11.32差は大きいものの逆転の可能性はありますが、間に13人いるのが厳しい。吉田陽菜選手とは4.03差、渡辺倫果選手と4.96差。これをなんとかできるかというフリー。ここでこそ4回転決めたかったところですがダウングレードの転倒。これは仕方ないにしても後半のフリップがダウングレードになったのが痛かったです。フリー128.52 トータル185.22で上位を待ちますが、結局10位。この結果、代表選考は4大陸選手権も、世界選手権も、いずれも補欠の3ということで、ほぼ何も得られないということになってしまいました。

 

大学生は年が明けてすぐ学生選手権があります。グランプリファイナル、全日本と続けて失敗したショートをここで修正して69.13 これがファイナルや全日本で出来ていれば、シーズン後半は違うものになっていたように思えます。フリーは4回転ダウングレードは仕方ないにしても、サルコウが2回転になったのとフリップの転倒が痛く、124.05でトータル193.18は0.43差で2位。学生タイトルは手に入りませんでした。

1月はもう1試合、国体に出場しこちらは3位。表彰台は確保します。

 

国際大会の派遣はタリンクホステルカップが今季最終戦に。ショートプログラム、意外と今期ミスが多い冒頭ダブルアクセルをまた転倒するという波乱の出だしながらも66.53を出します。フリーも4回転ダウングレードの他、ルッツが1回転になりつつ、最近ミスが多い最後のフリップで転倒となりましたが122.68を出してトータル189.21で優勝。今期対戦も多かった吉田選手に5戦目にした初勝利と、実はノービス時代から数えて14試合目の国際大会初優勝を果たしてシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
アクアカップ SP 55.51 27.68 28.83 16.39 -3.13 10.13 4.29
アクアカップ FS 126.99 64.00 62.99 44.32 -0.44 10.42 9.70
木下トロフィー 181.90 92.21 89.69 54.33 2.17 22.80 12.91
げんさんサマーカップ 198.27 102.94 95.33 61.74 5.13 22.54 13.53
東京夏季フィギュア 206.11 103.10 103.01 65.30 -1.65 24.98 14.47
東京選手権 188.53 98.66 89.87 62.06 1.00 22.82 12.78
東日本学生選手権 128.05 67.06 60.99 49.29 -2.70 10.97 9.50
Grand Prix de France 197.76 106.38 92.38 68.10 5.24 20.74 12.30
Grand Prix Espoo 190.21 98.46 92.75 67.40 -4.95 22.74 13.27
Grand Prix Final 180.39 89.21 91.18 52.09 1.22 23.06 12.84
全日本選手権 185.22 93.59 92.63 59.87 -2.28 23.01 12.99
日本学生氷上選手権 193.18 101.42 92.76 60.71 3.68 23.37 13.66
国民スポーツ大会 197.67 102.80 95.87 62.62 2.25 23.16 14.77
Tallink Hotels Cup 189.21 98.53 92.68 62.56 -2.00 24.61 13.36

トータルスコアは180~190点台が多いです。国内参考で206.11がありますがあまりにも国内参考です。国際大会では197.76が最高。あとわずかで200点という位置にいます。

技術点は100点台に乗る試合もそれなりにありますが国際大会では1試合だけ。PCSの方は100点超えもありますが国内参考。国際大会では92.75が最高でした。8点平均に少し届かないくらいです。比較的技術点寄りの選手です。

ジャンプの基礎点は60点台をコンスタントに出していて、グランプリフランスの68.10が最高でした。ジャンプの基礎点は国際大会の方が出ています。この68.10は今期全選手中7位にあたります。シニアでこの上は吉田陽菜選手1人だけでした。

加点の方はマイナスが目立ちますが、4回転を決めたフランスで+5.24ありました。

スピンは23点台が標準です。タリンクホステルズカップで24.61は今期全選手中14位相当ですが非公認参考記録感が強いです。ISU公認では23.06まででした。24点台なら得意と言える水準ですが、23点台だと女子の上位の選手としては普通くらいです。

ステップ系要素は13点台が多く、国内参考では14点台もあります。13点台はやはり普通というところかと思います。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
木下トロフィー 58.60 53.16 60.06 60.24 58.63 58.29
げんさんサマーカップ 64.63 61.08 66.13 59.19 61.67 62.94
東京夏季フィギュア 67.51 64.88 52.23 69.03 66.27 69.27
東京選手権 61.04 61.42 57.66 60.32 57.99 58.44
Grand Prix de France 64.44 67.87 66.35 51.94 55.64 60.51
Grand Prix Espoo 61.66 67.13 45.47 60.00 60.39 60.82
Grand Prix Final 58.04 50.77 58.11 61.29 58.28 59.52
全日本選手権 59.82 59.08 50.94 61.09 59.02 60.72
日本学生氷上選手権 62.75 59.98 63.16 62.54 62.30 60.82
国民スポーツ大会 64.41 62.02 60.23 61.69 67.75 63.39
Tallink Hotels Cup 61.29 61.96 51.52 67.54 60.83 60.76

偏差値で見るとトータルスコアは60台前半です。

ジャンプの基礎点は60前後が多い中、グランプリシリーズ2試合で高い基礎点を出して60台後半までありました。

加点の方はやはりばらつきがありますが60前後くらいが標準で、1度60台後半までだしています。

スピンは60前後です。60台後半の試合もありますが参考記録な試合です。

ステップ系要素も60前後で60台後半は参考記録としてあります。

PCSも同様です。

全体的に60前後の偏差値という選手です。

 

住吉りをん選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

今期多数の試合に出ていますが、レーダーチャートは国際大会と全日本の5試合のみで作っています。

この5試合、傾向が全部バラバラです。ジャンプがしっかり決まったフランスではスピンステップが凹んでいる。次のエスポーではジャンプの基礎点は確保したものの加点は全く稼げず。ファイナルはジャンプが基礎点から稼げない。タリンクホステルズカップはスピンが突出しました。

このチャート見ると、ジャンプが得意という風にも見えない。ということで、よくわかりません。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○グランプリエスポー ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.52 3.82 1.556
2 3F+3T   9.50   1.14 10.64 2.111
3 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.444
4 3Lz   6.49 x 0.76 7.25 1.222
5 LSp3   2.40   0.65 3.05 2.778
6 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.889
7 FCSp4   3.20   0.78 3.98 2.444
  TES   32.29   5.87 38.16  

ショートプログラムは32.29の基礎点がありました。コンビネーションはフリップからで単独ジャンプはルッツを1.1倍に入れる。スピンはレイバックスピンを入れていてそれもレベル3になって32.29です。レイバックスピンレベル4で32.59まではこの構成で出ます。不思議なもので、グランプリシリーズとファイナル3試合でショートではすべてレイバックスピンがレベル4を取れず、フリーではすべてレベル4でした。意外とレイバックスピンのレベルが取れない試合も多いです。

 

○グランプリフランス フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A+3T   7.50   1.38 8.88 3.222
2 4T   9.50   1.76 11.26 1.889
3 FCCoSp3V   2.25   0.48 2.73 2.111
4 3Lzq q 5.90   -0.84 5.06 -1.333
5 3Lo   4.90   0.91 5.81 1.889
6 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.556
7 3F+3T   10.45 x 0.83 11.28 1.667
8 2S+2T+2Lo   4.73 x 0.12 4.85 0.778
9 3F   5.83 x 0.98 6.81 1.889
10 LSp4   2.70   0.85 3.55 3.111
11 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.000
12 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.444
  TES   63.56   9.22 72.78  

フリーは63.56が最高基礎点でした。今期全選手中9位、ISU公認で8位にあたる高い基礎点です。4回転を決めた試合なのですが、サルコウが2回転になりスピンで3Vが付いています。4回転成功で頭爆発して直後のスピンが多少おろそかになったかもしれません。スピンをレベル4に出来れば基礎点は1.25上がって64.81まで基礎点でます。サルコウをちゃんと3回転に出来れば68.11の基礎点に出来ます。そこまで出来れば今期3位の基礎点でした。

2回飛ぶジャンプはフリップとトーループです。セカンド3回転2本使い。もったいないのはダブルアクセルが1つ余っていること。シークエンスをたとえば3連続のところで入れられれば、2Loの代替で2Aとすると1.76基礎点が上がります。そこまで行けばノーミス69.87の基礎点です。今期も全日本以降では3連続を3S+2A+2Tが組めていたので、そちらはすでに戦力化しています。地味ですが意外と大きな改善です。

4回転の成功率が低すぎるので、若干絵に描いた餅感のある構成ではあるのですが、4回転がアンダーローテーションの着氷くらいでも基礎点高い構成でいられますので、シークエンスのアクセルは欲しいように思います。

 

○平均GOE2.700以上(国際大会+全日本より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Tallink Hotels Cup SP 5 LSp4   2.70   0.99 3.69 3.600
Tallink Hotels Cup FS 10 LSp4   2.70   0.99 3.69 3.400
Grand Prix de France FS 1 2A+3T   7.50   1.38 8.88 3.222
全日本選手権 FS 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
Tallink Hotels Cup FS 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.200
Tallink Hotels Cup SP 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.200
Grand Prix Final FS 1 2A+3T   7.50   1.32 8.82 3.111
全日本選手権 FS 1 2A+3T   7.50   1.32 8.82 3.111
Grand Prix de France FS 10 LSp4   2.70   0.85 3.55 3.111
Grand Prix Espoo FS 10 LSp4   2.70   0.85 3.55 3.111
Tallink Hotels Cup SP 3 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Grand Prix Espoo SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.889
Grand Prix Espoo FS 3 FCCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.889
Grand Prix Final FS 10 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.889
Tallink Hotels Cup SP 7 FCSp4   3.20   0.96 4.16 2.800
Grand Prix Espoo FS 6 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.778
全日本選手権 FS 10 LSp4   2.70   0.73 3.43 2.778
Grand Prix Espoo SP 5 LSp3   2.40   0.65 3.05 2.778

評価の高い要素はこうやって並べるとレイバックスピンが上にいます。ただ、ISU公認で取り出すと2A+3Tが上から2つ並ぶ形です。フランスでの+3.222という評価は、今期のセカンド3回転のコンビネーションとして全選手中4位の高い評価です。

 

○4回転トーループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
アクアカップ FS FS 2 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -4.600
木下トロフィー FS 2 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -4.600
げんさんサマーカップ FS 2 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -5.000
東京夏季フィギュア FS 2 4T< 7.60   -2.79 4.81 -3.400
東京選手権 FS 2 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -4.800
東日本学生選手権 FS 2 4T< 7.60   -3.04 4.56 -4.200
Grand Prix de France FS 2 4T   9.50   1.76 11.26 1.889
Grand Prix Espoo FS 2 4T< 7.60   -2.82 4.78 -3.778
全日本選手権 FS 2 4T<< << F 4.20   -2.10 2.10 -5.000
日本学生氷上選手権 FS 2 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -4.800
国民スポーツ大会 FS 2 4T<< << F 4.20   -2.10 2.10 -5.000
Tallink Hotels Cup FS 2 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -4.800

4回転トーループは今期も挑み続けました。昨季はフリー冒頭だったのですが、今期は2番目の要素として入れていました。

グランプリシリーズフランス大会で遂に初成功。ISU公認大会での成功はこれで9人目。日本人選手としては2人目です。4回転トーループのこれまでの成功者の最年長はカウントしていいか微妙なワリエワさんのオリンピックでの15歳9か月。この人を除くとトゥルソワさんが2020年のヨーロッパ選手権で決めた15歳5か月が最高です。トゥルソワさんは17歳7か月のオリンピックまで4回転トーループを飛び続けていますが、意外ながらGOEプラスの成功は国際大会ではありませんでした。4回転全種類で見てもトゥルシンバエワ選手が19年世界選手権で19歳1か月で決めた4回転サルコウが最年長記録でした。二十歳を過ぎて4回転を決めたのは史上初、ということになりました。

ただ、他は成功ジャンプ無し。それもすべてアンダーローテーション以上の回転不足で基礎点満額もらえていません。今の住吉選手の構成だと4回転トーループダブルアクセルの代替になっているので、アンダーローテーションになっても転倒せずに4点程度入れば十分ではあるのですが、ダウングレードになると厳しい。アンダーローテーションで転倒しない、というくらいになれば、安心してみていられます。

昨季は転倒率が高かったのですが、今期は転倒は2回だけ。そういう意味では改善したのかもしれませんが、その分ダウングレード率が上がってしまっているので、なんとかステップアウトでもなんでもいいので転倒せずにアンダーローテーションまで行ければと思います。

 

○セカンド3回転を含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Grand Prix de France SP 2 3F+3T   9.50   0.91 10.41 1.778
Grand Prix de France FS 1 2A+3T   7.50   1.38 8.88 3.222
Grand Prix de France FS 7 3F+3T   10.45 x 0.83 11.28 1.667
Grand Prix Espoo SP 2 3F+3T   9.50   1.14 10.64 2.111
Grand Prix Espoo FS 1 2A+3T   7.50   1.14 8.64 2.667
Grand Prix Espoo FS 7 3Fq+3T< 9.53 x -1.97 7.56 -3.778
Grand Prix Final SP 2 3F+3Tq q 9.50   -0.38 9.12 -0.778
Grand Prix Final FS 1 2A+3T   7.50   1.32 8.82 3.111
Grand Prix Final FS 7 3F+3T<* * 5.83 x -0.68 5.15 -1.111
全日本選手権 SP 2 3F+3T< 8.66   -2.50 6.16 -4.444
全日本選手権 FS 1 2A+3T   7.50   1.32 8.82 3.111
全日本選手権 FS 7 3F+3T   10.45 X 1.14 11.59 2.222
Tallink Hotels Cup SP 2 3F+3T   9.50   1.41 10.91 2.600
Tallink Hotels Cup FS 1 2A+3T   7.50   1.12 8.62 2.600
Tallink Hotels Cup FS 7 3F+3T   10.45 x -1.06 9.39 -2.000

コンビネーションジャンプはショートフリーでフリップからと、フリーでダブルアクセルから飛びます。

ダブルアクセルからのコンビネーションは今期成功率100%です。高GOEのところでも記しましたが評価も高い。住吉選手の生命線です。

一方、フリップからのコンビネーションはショートで上記の5試合では3回成功でファイナルはqがつき、全日本ではアンダーローテーションが付きました。フリーの方も2回成功で2つアンダーローテーション。全体で成功率5割です。フリーは1.1倍に入れている重要ジャンプ。もう少し成功率を上げていきたいところかと思います。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
アクアカップ FS FS 8 3S+2T+1Lo   6.71 X -1.15 5.56 -2.600
木下トロフィー FS 8 3S+2T+2Lo   8.03 X 0.29 8.32 0.800
げんさんサマーカップ FS 8 3S+2T+2Lo   8.03 X 0.72 8.75 1.600
東京夏季フィギュア FS 8 3S+2T+2Lo   8.03 X 0.86 8.89 2.000
東京選手権 FS 8 3S+2T+2Lo   8.03 X 0.57 8.60 1.200
東日本学生選手権 FS 8 3S+2T+2Loq q 8.03 X -0.43 7.60 -1.000
Grand Prix de France FS 8 2S+2T+2Lo   4.73 x 0.12 4.85 0.778
Grand Prix Espoo FS 8 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.43 8.46 1.000
Grand Prix Final FS 8 3S+2T+2Loq q 8.03 x -0.68 7.35 -1.556
全日本選手権 FS 8 3S+2A+2T+SEQ   9.79 X 0.80 10.59 1.889
日本学生氷上選手権 FS 8 2S+2A+2T+SEQ   6.49 X 0.22 6.71 0.600
国民スポーツ大会 FS 8 3S+2A+2T+SEQ   9.79 X 0.57 10.36 1.400
Tallink Hotels Cup FS 8 3S+2A+2T+SEQ   9.79 x 0.72 10.51 1.400

3連続ジャンプは全試合載せています。8番目の要素でサルコウから。シーズン中盤までは2T+2Loを付けていましたが、全日本以降シークエンスのアクセルを入れることに成功しています。明確な基礎点の増加に成功した、ということになります。

ダブルアクセル投入前の9回ではqがついた2回を含めてGOEマイナスが3回。全日本以降はサルコウが2回転になった1度がありますが、あとの3回は成功ジャンプです。

おそらく今後は3連続にアクセルも入れる、を通常構成としていくものと思われます。

 

○単独のアクセルジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
アクアカップ SP SP 1 2A   3.30   0.88 4.18 2.600
木下トロフィー SP 1 2A   3.30   -0.77 2.53 -2.400
げんさんサマーカップ SP 1 2A   3.30   0.66 3.96 2.000
東京夏季フィギュア SP 1 2A   3.30   0.99 4.29 3.200
東京選手権 SP 1 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
Grand Prix de France SP 1 2Aq F 3.30   -1.65 1.65 -5.000
Grand Prix Espoo SP 1 2A   3.30   0.52 3.82 1.556
Grand Prix Final SP 1 2A   3.30   0.90 4.20 2.667
全日本選手権 SP 1 1A* * 0.00   0.00 0.00  
日本学生氷上選手権 SP 1 2A   3.30   0.88 4.18 2.600
国民スポーツ大会 SP 1 2A   3.30   0.88 4.18 2.600
Tallink Hotels Cup SP 1 2A F 3.30   -1.65 1.65 -5.000

住吉選手はショート冒頭にダブルアクセルを入れています。今季12試合跳んで、1回転半になったのが1度、転倒が2度、それ以外のGOEマイナス1度。成功率は3分の2 これはトップ選手のダブルアクセルとしてはかなり低いと言わざるを得ません。国際大会4試合と全日本の5試合で決めたのは2回だけ。なんで? という不思議さです。フリー冒頭の2A+3Tというコンビネーションは成功率100%なわけですから、ダブルアクセルというジャンプが苦手とは思えません。ショートプログラムの試合の入り方、精神的なものなのでしょうか。あまりにももったいないので、ここの成功率は来期は上がってほしいと思います。

 

今期はついに4回転を成功させました。二十歳過ぎての4回転成功は本当にすごいことです。ただ、他のジャンプが完ぺきではない、という現実はあります。また、4回転の確率は決して高くない。グランプリシリーズは昨季から4試合出てすべて表彰台です。結果は出ているのですが12月以降は昨季と同じで落ち込んでしまいました。

国内の試合に数多く出ているのですが、チャレンジャーシリーズ出た方がよいようにも感じました。早く一度ISU公認で200点を出してほしい。そのためには1試合でもチャンスが多い方がいいと思いますし。来期こそは、12月以降の結果を。オリンピックは聖火を運ぶものじゃない、出るものだ、の意気で、来期はチャンピオンシップの試合で姿を見られることを期待しています。