フランスグランプリ 先生、どうしよう

オリンピックシーズンのグランプリシリーズが開幕しました。大会の順位を競う。シーズンベスト順位を競う。ファイナルの椅子を争う。シンプルに目の前の滑りを見るだけでもなくいろいろな要素があるグランプリシリーズです。今期も初戦からなかなかすごい展開を見せてくれました。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Ami NAKAI JPN 227.08 78.00 149.08
2 Kaori SAKAMOTO JPN 224.23 76.20 148.03
3 Rion SUMIYOSHI JPN 216.06 71.03 145.03
4 Isabeau LEVITO USA 212.71 73.37 139.34
5 Lorine SCHILD FRA 189.31 62.45 126.86
6 Chaeyeon KIM KOR 187.59 62.24 125.35
7 Jia SHIN KOR 182.33 59.23 123.10
8 Elyce LIN-GRACEY USA 172.07 59.30 112.77
9 Young YOU KOR 171.82 54.40 117.42
10 Lea SERNA FRA 164.79 57.06 107.73
11 Clemence MAYINDU FRA 136.91 48.05 88.86
12 Livia KAISER SUI 134.83 42.30 92.53

中井亜美選手、グランプリシリーズデビュー戦初優勝。ショートフリー共に1位。ショートフリー合計、すべて今シーズンの最高スコアとなっています。中庭先生のチームベストでもあります。

坂本花織選手が2位。224点出しても2位です。海外の試合で220点超えは2シーズン前の世界選手権以来です。昨季はNHK杯と国別対抗戦、日本国内では220点230点超えがありましたが、海外では点が出ていませんでした。会心の出来、とはいかないまでもここまで点が出ています。

住吉りをん選手が3位。216点出しても3位。グランプリシリーズ5回目の表彰台、4回目の3位です。フランス大会に4シーズンで続けて4回目の3位。相性がいいのかそうでもないのか。ショートフリー合計すべてパーソナルベストです。

イザボーレビト選手が4位でした。212.71は直近3シーズンのベストです。212点出して表彰台に乗れませんでした。グランプリシリーズ6試合目で初めて表彰台に乗れなかったわけですが、スコアは6大会中2番目でした。フリー冒頭のコンビネーションをしっかり決めていれば3位になれていた計算ではありますが、シーズン序盤にそこまで求めます? くらいのいい出来でした。次戦は3戦目、スケートカナダです。

5位にフランスのシルト選手が入っています。189.31はパーソナルベスト更新。フランスは男子とアイスダンスは比較的強いのですが、女子とペアが今一つです。そんな中でシルト選手がこれくらいのスコアを出してくると、オリンピックの団体戦でフリー進出からメダル争いに参戦してこられるかもしれません。次戦は最終のフィンランディア杯になります。

韓国のキムチェヨン選手が6位でした。フリーは序盤で変なところで引っかかってループジャンプ1つ入れられなかったようなのですが、終盤にコレオとスピンの隙間に、流れ的にループは入れにくくて自然に入るダブルアクセルをうまく押し込んで数は合わせました。本人比でスコア的にはまだまだですが、ケガの影響ある中このスコアなので、ナショナルからオリンピックへ向けてあげてくるのではないかと思われます。次戦は5戦目、スケートアメリカです。

シンジア選手が7位。メンバーチェンジでエントリー入ったのは先週だったでしょうか。ちょっと今回はジャンプバラバラでした。ネーベルホルンの208点のように、一発当てる力はあるのですが、昨季からどうも不安定さが目立ちます。次戦は連戦で、中国杯になります。

フリー後半グループは転倒なし。非常に印象のいい試合でした。シニアデビュー戦でトリプルアクセルを引っ提げて、日本の絶対エースを打ち破る、それも高いレベルで僅差の試合、ということで、個人的には紀平梨花選手のシニアデビューシーズンのNHK杯宮原知子さん、トゥクタミシェワさんとのハイレベルな試合を思い出しました。

 

○中井亜美選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   -0.69 7.31 -0.889
2 3Lo+2T   6.20   1.12 7.32 2.333
3 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
4 3S   4.30   1.17 5.47 2.556
5 FSSp3   2.60   0.85 3.45 3.333
6 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.222
7 3Lz+2A+2A+SEQ   13.75 x 1.69 15.44 2.889
8 3F   5.83 x 1.29 7.12 2.444
9 3Lo   5.39 x 1.40 6.79 2.889
10 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
11 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
12 CCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
  TES   69.27   12.66 81.93  

トリプルアクセルは手をついてわずかなマイナスになりました。2回飛ぶジャンプはルッツとループ。スピンは1つレベル3、ステップレベル4で69.27という基礎点になっています。ショートフリー通じてマイナスはフリーのトリプルアクセルだけ。他は全ジャッジプラス評価で、全要素プラス2以上の評価を受けています。

ロンバルディア杯が良かったので、トリプルアクセル1本決まれば210点、2本決まれば215点くらいまではあるかな、と思っていましたが、そんなのはるかに遠く引き離して227点まで出しました。スコア出ての「先生、どうしよう」は、かつて本郷理華さんがデビュー戦で勝ってしまったときの「優勝しちゃった・・・」を思い出させましたが、勢いって恐ろしい。実は中庭先生も、どうしよう、と思っていたりする可能性も感じます。オリンピックは行ったことないですよね、中庭先生、MFアカデミー。

中井選手はトリプルアクセルが注目されますが、それとは別に大きな武器なのが3-3の成功率の高さ、というのがあると思います。トリプルアクセル決めても3-3入らないと差し引きあまり変わらなくなってしまいますし、アクセル転倒で3-3も決まらないと下位に沈む。さすがにトリプルアクセルからセカンド3回転付けようとすると成功率は高くないですが、ルッツからならほぼ決まります。ジュニア時代はフリップから飛ばないといけないときがあってそれは苦労していましたが、シニアにはそんな制限ありません。

文句のつけようのない演技でした。シンデレラの使用許可出さなかったディズニーは損しましたね。オリンピックは10代が勝つ、というのであればレビト選手かキムチェヨン選手か、あるいは中井亜美選手が勝つことにたぶんなります。年齢制限上げて、平均年齢は上がったのですが、それでも10代が、17歳が勝つのか? 面白いことになってきました。

次戦は3戦目のスケートカナダです。辞めちゃヤダ、と昨年全日本で子供泣きして引き留めた青木祐奈選手との遠征で、千葉百音選手と対戦し、レビト選手がまたいて、ベテランのテネル選手もいるよ、という中でファイナルが掛ることになります。

 

○坂本花織選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   1.41 4.71 4.333
2 3F   5.30   1.74 7.04 3.444
3 3Lz!+2T ! 7.20   0.59 7.79 1.000
4 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
5 StSq3   3.30   1.23 4.53 3.667
6 3S   4.30   1.54 5.84 3.667
7 3F+3T   10.45 x 1.67 12.12 3.333
8 2A+3T+2T   9.68 x 1.26 10.94 3.000
9 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.222
10 3Lo   5.39 x 1.68 7.07 3.444
11 CCoSp4V   2.63   0.75 3.38 2.889
12 FCCoSp3V   2.25   0.55 2.80 2.444
  TES   59.80   14.89 74.69  

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ、終盤のスピンがVついて基礎点だいぶ下がりました。59.80 60点に届かない形になっています。全要素プラス評価はとりました。

パーフェクト時の基礎点は2.72基礎点上がって62.52になる計算です。昨シーズンはルッツフリップを2回飛んで63.26になる構成でした。今期はジャンプの順番が多少入れ替わっていますが、2シーズン前の構成に戻した形です。単独ダブルアクセルは売りなので入れたい。2A+3T+2Tもわかりやすい見せ場なので、サルコウの3連続よりもこちらを入れたい。その前提で7トリプルを組もうとすると、ルッツ2本フリップ2本にするにはセカンドループの投入が必要だけどそれはできない。そうなると2期前の構成に戻るわけです。基礎点は0.74下がるわけですが、加点の稼ぎ方がこちらの方が取れるのでスコアは上がる、という目論見でしょう。最後のシーズンなので、得意なもの詰め込んでいい演技をしたい、というのもあるかもしれません。

優勝した中井亜美選手とは2.85差。最後のスピン2つとステップで2.72基礎点落としていますので、レベルしっかり全部取れれば勝っていた計算でした。グランプリシリーズの優勝は通算6回で現役最多。勝っていれば7回でキムヨナさんに並んで歴代5位になったのですが、わずかに届かず。まあ、もう1試合あります。次戦は4戦目のNHK杯です。樋口新葉選手、青木祐奈選手という、ノービス時代から共に戦ってきた面々との試合。ヘンドリックス選手やサモデルキナ選手を迎え撃つわけですが、坂本選手として2戦連続の表彰台独占のチャンスもありますし、5回目となるファイナル進出も掛ります。

 

○住吉りをん選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A+3T   7.50   1.26 8.76 3.111
2 4T< 7.60   -1.30 6.30 -1.667
3 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
4 3Lo   4.90   1.12 6.02 2.333
5 2S   1.30   0.06 1.36 0.333
6 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.667
7 3Lz+3T   11.11 x 1.69 12.80 2.778
8 3F+2A+2T+SEQ   10.89 x 0.98 11.87 1.778
9 FCCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
10 3Lz   6.49 x 1.35 7.84 2.222
11 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
12 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.889
  TES   66.39   10.74 77.13  

4回転トーループをアンダーローテーションではありますが降りました。もったいなかったのはサルコウが2回転になったところ。あとはパーフェクト。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。スピンステップオールレベル4で66.39の基礎点があります。サルコウ3回転入っていれば69.39の基礎点になるところでした。4回転基礎点満額で71.29になります。

4回転は6.30のスコア入っていますので十分です。失敗ではありません。手持ちの札で基礎点上げるには、3連続をダブルアクセル2つにして、冒頭は3F+2Tにすると、3Tが3Fに切り替わることで1.1基礎点があがり、1.1倍のところが2Tから2Aになるのでさらに0.20基礎点あがり、合計1.30基礎点を上げることができます。住吉選手はルッツもフリップもエッジを取られない選手です。昨季はルッツではなくフリップを2回飛んでいたところから今期はルッツ2回に変えています。つまり、ルッツでもフリップでも2回飛ぶ構成は可能、と思われます。

4回転は降りられたらボーナス、というくらいのジャンプで確率はどうしても低いですが、住吉選手は後半の3-3を高確率で決められる、というのが強みです。それが国際大会6試合連続の200点超え、というところにつながっているように感じます。

216.06は当然パーソナルベストです。しかしながら、驚くべきことに、このスコアでも今期の日本人選手の中で4番目です。世界の中でも4番目なのですが・・・。これまでの流れだとオリンピックの代表争いは3枠目が激しい、その中でも住吉選手がやや有利かな、というところにいるように感じていました。その対抗が中井選手、というのがグランプリシリーズ始まる前の情勢。それがこのフランス大会で中井選手がスーパースコアを出していきました。千葉選手が216.59なので、できればそれを超えておきたかったです。

次戦は最終6戦目のフィンランディア杯。ここで千葉選手との直接対決があります。日本からは松生理乃選手もいて、海外勢ではアンバーグレン選手にヘンドリックス選手がいる。表彰台争いは厳しいですが、初戦3位なのでファイナルに進むには2位が欲しい。そして、なぜか最高位が8位な全日本で結果を出すこともオリンピック代表争いでは必須です。

 

○女子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Ami NAKAI 227.08 100.31 77.06 12.17 23.89 13.65
2 Kaori SAKAMOTO 224.23 109.29 65.27 12.75 22.42 14.50
3 Rion SUMIYOSHI 216.06 100.62 69.02 7.29 24.19 14.94
4 Isabeau LEVITO 212.71 103.72 63.99 6.54 23.36 15.10
5 Lorine SCHILD 189.31 84.99 65.39 4.04 22.21 12.68
6 Chaeyeon KIM 187.59 90.88 60.60 0.23 22.97 13.91
7 Jia SHIN 182.33 89.70 50.12 6.14 22.63 13.74
8 Elyce LIN-GRACEY 172.07 84.26 53.36 0.85 22.03 11.57
9 Young YOU 171.82 81.28 64.36 -3.15 19.67 10.66
10 Lea SERNA 164.79 84.72 53.69 -4.17 20.33 12.22
11 Clemence MAYINDU 136.91 67.14 50.01 -5.93 17.02 8.67
12 Livia KAISER 134.83 71.57 49.34 -6.26 15.58 10.60

PCSは坂本選手が109.29までもらっています。1項目平均9.0で108点になりますからかなり高い水準です。グランプリシリーズの時期にここまで出したのは昨年のNHK杯くらいでした。レビト選手が103.72で2番目、住吉選手が3番目です。住吉選手は1人のジャッジがフリーのスケーティングスキルを2.00と付けるわけのわからないものが入っていましたが普通に弾かれて影響はありませんでした。いくらなんでも2.00は無いだろう・・。それはともかく、住吉選手は初の100点到達です。住吉選手は技術点では坂本選手に勝っていました。そして中井亜美選手もPCS100点を出しました。これまではロンバルディアの94.17が最高ですから、PCSもかなりの評価を受けました。若干全体的にこの試合のPCSは甘めかなという印象もありましたが、試合の流れが非常に良かったので、気前よく出したくなるよなあ、とも思いました。

ジャンプの基礎点はトリプルアクセルショートフリー1本づつ含めジャンプミスなかった中井亜美選手で77.06 ロンバルディアに続いて2試合続いての自己最高タイです。今期のシニアで最高基礎点。この上はソフィージョリンフォンフェルテン選手だけがいます。住吉選手が69.20 住吉選手も自己最高基礎点でした。ミスなく滑ったシルト選手が3番目でした。

加点の方は坂本選手が1位です。まあ、12.75は本人比では普通です。中井選手も12.17と12点台を出しました。自己最高。住吉選手が7.29で3位。これも自己最高です。

スピンは住吉選手が24.19で1位でした。ISU公認試合では自己最高。中井選手が23.89で2位。中井選手は24点台を出したことがあって、自身3番目のスコアです。レビト選手も23点台で続きました。

ステップ系要素はレビト選手が15.10ありました。ISU公認試合では国別対抗戦でこれより上がありましたが、それに次ぐ2番目です。住吉選手は14.94をもらいました。14点台後半はもういつももらっていて、国際大会のステップはここ2シーズンすべてレベル4ですが、14.94というスコアは自己最高です。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Ilia MALININ USA 321.00 105.22 215.78
2 Adam SIAO HIM FA FRA 280.95 84.87 196.08
3 Nika EGADZE GEO 259.41 95.67 163.74
4 Lukas BRITSCHGI SUI 249.04 78.68 170.36
5 Francois PITOT FRA 233.98 78.50 155.48
6 Andrew TORGASHEV USA 233.36 71.52 161.84
7 Tatsuya TSUBOI JPN 232.78 87.04 145.74
8 Mihhail SELEVKO EST 232.17 80.17 152.00
9 Maxim NAUMOV USA 226.74 75.27 151.47
10 Kao MIURA JPN 209.57 87.25 122.32
11 Luc ECONOMIDES FRA 208.86 75.20 133.66
12 Gabriele FRANGIPANI ITA 197.99 71.81 126.18

男子はマリニン選手の完勝でした。321.00はセカンドベスト。フリーの215.78もセカンドベストです。別世界でした。

地元フランス、アダムシャオイムファ選手がショート5位から順位を上げて2位表彰台を確保です。昨シーズンのベストスコアを早くも上回りました。4回転はルッツ、サルコウトーループ2本の4本構成。今期はこれまでフリップも入れて5本構成だったのですが、今回は外しました。次戦は最終6戦目のフィンランディア杯になります。

3位はニカエガーゼ選手。グランプリシリーズ4戦連続4位で来ていたのですが、ついに初表彰台となりました。エガーゼ選手は先週ジョージア開催のトリアレティ杯、先々週のデニステンメモリアルと出場しての3連戦でした。少しづつスコアを落としてきてはいましたがそれでも踏みとどまっての3位表彰台です。トリアレティ杯は地元の責任として出ざるを得なかったと思いますし、グランプリシリーズは自分の意志で出場試合を選べる立場ではなくこのフランスに入れられたので2連戦は仕方なかったと思うのですが、デニステンメモリアルは自分の意志で入れたはずです。もしかしたら、オリンピックの予行演習なのかな、とも感じました。ジョージアは2番手男子がいない中で団体戦が強い。2/7・8で団体戦、10・13で個人戦と、1週間で4本滑るというハードスケジュールが予想されています。3連戦でここまで出来たというのは、1つの自信になったかもしれません。次戦は3戦目のスケートカナダです。

スイスのルーカスブリッチギー選手が4位に入りました。ショート7位からフリーで順位を上げました。ショートで決まらなかった4回転トーループをフリーでは2本決めてきています。2戦目は4戦目のNHK杯で来日です。

日本から出場の壷井達也選手は7位、三浦佳生選手は10位となりました。

 

○イリアマリニン選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4F   11.00   4.71 15.71 4.222
2 3A   8.00   2.40 10.40 3.111
3 4Lz   11.50   3.78 15.28 3.333
4 3Lo   4.90   1.05 5.95 2.111
5 CCSp3   2.80   0.80 3.60 2.778
6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.111
7 4Lzq+1Eu+3F q 19.03 x -0.49 18.54 -0.444
8 4T+3T   15.07 x 2.17 17.24 2.333
9 4S+3A+SEQ   19.47 x 1.52 20.99 1.556
10 ChSq1   3.00   2.07 5.07 4.111
11 FSSp3   2.60   0.45 3.05 1.778
12 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.556
  TES   104.77   20.63 125.40  

ルッツ2本、フリップ、サルコウトーループで4回転4種類5本構成。スピンで2つレベル3があって基礎点104.77でした。4回転アクセル入れない構成ですが、削られたものもほぼなかったので、これより高い基礎点は各シーズンで1試合か2試合ある程度です。

勝敗は横に置くとして、これくらいの構成でいいんだよなあ、という感想だったりします。無理に4回転詰め詰めにするよりもこれくらいの構成で全体をバランスとって滑ってくれる方が好きです。難しい技発表会、という風情がこれくらいの構成だと全くなく、プログラムを見ている、演技を見ている、という気分になれます。

そもそも104.77という基礎点が他の選手ではほとんど出せません。昨季の基礎点2位が97.11 今期は93.09までしかまだいません。では出来栄え勝負、と言いたいのですが、これくらいの構成だと出来栄えが十分高い。そしてPCSももう90点台に普通にのります。ちょっとどう勝負していいのかわからなくなってきました。むしろ、無理して4回転6種7本とかにしてもらって自滅するのを祈る、みたいな構図しか、他の選手が勝つ目がなさそうにも見えます。

次戦は3戦目のスケートカナダです。ファイナルが掛っている? 掛ってないです。心配なのはケガだけです。

 

○壷井達也選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Tq Fq 9.50   -4.75 4.75 -5.000
2 4Sq Fq 9.70   -4.85 4.85 -5.000
3 4S<+2T 9.06   -3.10 5.96 -4.111
4 FSSp2   2.30   0.43 2.73 1.778
5 StSq4   3.90   0.50 4.40 1.222
6 3A+1Eu+3S   12.80   1.83 14.63 2.333
7 3A   8.80 x 2.29 11.09 2.778
8 3Lze+2A+SEQ e 8.82 x -0.81 8.01 -1.667
9 CCoSp3V   2.25   0.23 2.48 1.000
10 ChSq1   3.00   0.93 3.93 1.889
11 3Lo   5.39 x 1.05 6.44 2.111
12 FCCoSp3   3.00   0.21 3.21 0.778
  TES   78.52   -6.04 72.48  

4回転サルコウ2本、トーループ1本。すべて不発でした。ただ、以降はしっかり滑りました。ルッツでeまで取られたのは国際大会で初。そこはちょっと意外ではあります。スピンもレベル4無しで、ちょっとこの辺はもったいないのですが、何とか踏みとどまって技術点は70点台あって140点台半ばまでは出しました。

6位と0.58差、5位とは1.20差。僅差なので5位までは入っておきたい試合ではありました。まあ、5位も7位も大差ないようにも見えますが、世界ランキングがこの試合終えて23位。もう少しランキングを上げたい立場にあるので、ポイントを少しでもとっておきたいというのがありました。

今期国際大会3試合、まだ思うような結果は出ていません。ただ、それでも230点台には2試合届いています。4回転が決まってこないのですが、トリプルアクセルは決まっているのが救いです。4回転は本数増やしてハードルを上げたわけですから、そのハードルを超えるのに時間がかかるのはある程度は仕方ない部分もある。そのハードルを越えようとしている間に他の要素が崩れると壊滅してしまうのですが、そうはなっていないので、あとは欲しいものを手に入れればいい。4回転3本が決まるようになればいい、というところにちゃんととどまっているので、まだチャンスはありそうです。

次戦は5戦目のスケートアメリカになります。

 

○三浦佳生選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2Lo   1.70   0.07 1.77 0.333
2 4T   9.50   -3.66 5.84 -3.667
3 2S   1.30   -0.06 1.24 -0.444
4 FCSp3   2.80   0.28 3.08 1.000
5 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
6 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.333
7 4Tq+REP Fq 7.32 x -4.75 2.57 -5.000
8 3F+1Eu+3Sq q 11.11 x -0.53 10.58 -0.778
9 3Lo+2A+SEQ   9.02 x 0.84 9.86 1.556
10 CCoSp   0.00   0.00 0.00  
11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
12 CSSp3   2.60   0.52 3.12 2.111
  TES   59.65   -9.06 50.59  

何がどう、とかそういう滑りではありませんでした。すべてがバラバラだった、という状態でした。209.57はシニアに上がっての自己ワーストです。

昨季のスケートアメリカでは278.67を出しました。それ以降、全くいい滑りが出来ていません。怪我の影響というのがずっとあったようですが、今回は単にそういうことでもない、とも聞きます。

男子のオリンピック代表争い、昨年までの実績で、上積み無しでそれぞれがノーミスしたら、鍵山佐藤三浦で決まり、という構図だったと思います。ところが三浦選手がなかなか力を発揮できていない。男子の方は3枠目争いが悪い意味で激化している状態にあるように見えます。

昨季、世界選手権の代表になれなかったのは、NHK杯、全日本と壷井選手に連敗してしまあい、壷井選手を外して三浦選手を選ぶというのはちょっと無理筋と言わざるを得ないという構図があった、というのがかなり影響したように感じます。今期もこれで、木下、グランプリフランスと連敗です。世界ランキングは日本の中で3番手を維持していますが、ポイントを増やせなかったので、550ポイント差の友野選手、556ポイント差の山本選手に抜かれる可能性が出ています。山本選手はトリアレティ杯に出てポイントを増やせなかったのがその点で痛かった形にもなっていて、3枠目争いがとにかくみんな伸びていない。

誰が最初に立て直せるか、というところですが、三浦選手の次戦はすぐ、3戦目のスケートカナダにあります。ファイナルの芽はないので、このスケートカナダが全日本前の国際大会最後になる見込みです。ここで立て直すことができるでしょうか。

ラストサムライ、最後、平定されて終わりますよね・・・。

 

○男子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Ilia MALININ 321.00 135.42 125.24 23.02 22.56 14.76
2 Adam SIAO HIM FA 280.95 133.82 106.09 6.27 20.84 14.93
3 Nika EGADZE 259.41 119.86 97.60 7.16 21.74 13.05
4 Lukas BRITSCHGI 249.04 124.02 86.14 2.91 22.68 13.29
5 Francois PITOT 233.98 112.85 78.31 9.54 21.81 11.47
6 Andrew TORGASHEV 233.36 117.53 80.78 1.07 24.14 10.84
7 Tatsuya TSUBOI 232.78 114.55 93.37 -5.79 19.25 13.40
8 Mihhail SELEVKO 232.17 115.66 87.09 3.81 17.53 10.08
9 Maxim NAUMOV 226.74 112.91 85.08 -4.33 20.16 12.92
10 Kao MIURA 209.57 115.13 78.70 -13.04 17.87 12.91
11 Luc ECONOMIDES 208.86 108.09 73.89 -3.37 20.55 11.70
12 Gabriele FRANGIPANI 197.99 108.59 81.27 -20.15 18.48 11.80

PCSでマリニン選手が135.42と9点平均を超えてきました。PCSでも1位です。アダムシャオイムファ選手も133.82とそれに近いところまで出しています。後はブリッチギー選手が124.02で8点平均を超えるところまでは出しました。エガーゼ選手は119.86でわずかに8点平均に届かず。まだPCSはあまり伸びていません。

ジャンプの基礎点は125.24でマリニン選手が当然トップです。アダムシャオイムファ選手も106.09で100点台には乗せました。マリニン選手と20点弱の差があります。エガーゼ選手が3番手。エガーゼ選手は100点を普通に超える選手なので、これは決していいスコアではないです。壺井選手が93.37で4番手。こちらは自己最高更新です。4回転が決まっていませんが、基礎点はまずまず取れています。後は降りるだけ。それが難しいのですが。

加点もマリニン選手が23.02と大きく稼ぎました。5位のピトー選手が9.54 4回転回避してのノーミス、いい演技でした。エガーゼ選手、アダムシャオイムファ選手も1桁後半は確保しています。

スピンはトルガシェフ選手が24.14で1位でした。ブリッチギー選手が2位。マリニン選手は22.56 スピンはあまり伸びませんでした。壺井選手は19.25 今季3試合、20点超えていません。もう少し取れるといいんですが。

ステップ系要素はアダムシャオイムファ選手が14.93で1位でした。本人比、普通です。マリニン選手は14.76 ショートのステップがレベル3です。壺井選手が13.40で3番目。このスコアは国際大会の自己最高です。ショートフリー共にステップレベル4 特にフリーはジャンプうまくいかない序盤でしたが、気も切らさずしっかりこういうところは滑りました。

 

この試合で日本は男女とも3枠争いが非常に混沌としてきたように感じます。女子はいい意味で、男子は悪い意味で。まだ、グランプリシリーズは5戦あります。

次戦は中国杯。女子は日本から渡辺倫果選手、松生理乃選手に吉田陽菜選手。全員ファイナル経験がありますが、全員今期まだあまりうまくいっていないという状況です。アメリカからアリサリウ選手、アンバーグレン選手という二巨頭が参戦、韓国は連戦となるシンジア選手と、今期試合数の多いイ・ヘイン選手、さらにシーズン序盤から調子のいいジョージアのグバノワ選手が出てきます。

男子は佐藤駿選手と山本草太選手。オリンピック代表争いの重要な試合です。カザフスタンのシャイドロフ選手がここに出てきて、韓国のチャジュンファン選手、中国からボーヤンジン選手とアジア勢の主力が並びます。イタリアのグラスル選手、ラトビアのバシリエフス選手もいます。