JGPバンコク 3連勝ならず

ジュニアグランプリシリーズは3戦目、タイのバンコク開催です。これまでの試合も割とそういう部分は多かったですが、今回は特にアジア勢の活躍が目立つ試合でした。

 

○女子シングル(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Yihan WANG CHN 194.71 65.39 129.32
2 Yo TAKAGI JPN 188.54 64.99 123.55
3 Mei OKADA JPN 175.96 57.58 118.38
4 Jia SHIN KOR 173.99 54.89 119.10
5 Iida KARHUNEN FIN 166.18 55.51 110.67
6 Leandra TZIMPOUKAKIS SUI 165.24 53.54 111.70
7 Hana BATH AUS 163.57 52.53 111.04
8 Logan HIGASE-CHEN USA 161.98 49.98 112.00
9 Simona TKACHMAN ISR 149.85 55.21 94.64
10 Hetty SHI CAN 140.72 49.02 91.70
11 Renee TSAI NZL 140.17 48.68 91.49
12 Jana HORCICKOVA CZE 138.82 48.45 90.37

ジュニア2シーズン目、中国のイーハンワン選手がジュニアグランプリシリーズ初優勝を果たしました。ショートフリー全要素プラス評価。ショートもフリーも1位の完全優勝です。後半ルッツ2本、1つはダブルアクセル2本付きを決めて優勝を決めました。意外でしたが中国女子のジュニアグランプリシリーズでの初めての優勝となります。かつての中国と言えばジジュンリさんがいましたがジュニアグランプリシリーズでは2位2回に留まって優勝はなし。さらにさかのぼるとルーチェンさんというオリンピックメダリストもいましたがその時代はまだジュニアグランプリシリーズがありませんでした。

中国は昨季世界ジュニアへの出場が無かったため、今期のジュニアグランプリシリーズの枠が2つしかないという状態でしたが、7戦目に中国の無錫で開催があることで、地元枠を3つ取ることが出てきてい、その無錫の試合にイーハンワン選手はファイナルを賭けた2戦目としてエントリーしています。

2位には髙木謡選手。昨季は同じバンコクで4位だったのですが、今期は2位発進です。初優勝には届きませんでしたが、これでファイナル進出へ前進です。

3位にはジュニア2シーズン目にしてジュニアグランプリシリーズ初出場の岡田芽依選手が入りました。

シンジア選手はまさかの4位。ショートフリー、3本のルッツがすべて失敗ジャンプに。フリップ3本もすべて!がついてスコアが伸ばせず、173.99は国際大会の自己ワーストスコアとなりました。オリンピックの前のシーズンにカナダのオーサー先生の下に渡ったMaoと戦い続ける韓国のエース。なんだか聞いたことあるような状態ですが、来期のオリンピックで坂本選手と戦うにはちょっと今回の結果は残念なものでした。環境変わったところからどこまで調子を戻していけるか。4位なのでファイナルの可能性はしっかり残しましたが、次戦のエントリーは6戦目のリュブリャナ。ここには同じく初戦4位で昨季世界ジュニア3位表彰台の上薗選手がいます。4位2位だとかなり厳しいので、おそらく2人のうち1人しかファイナルへは行けません。2人そろって岡田芽依選手あたりに負けると二人ともファイナルへ進めない、という可能性もあります。

 

○髙木謡選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+2T   7.20   1.18 8.38 2.111
2 2A+3T   7.50   0.96 8.46 2.333
3 3F!< !|< 4.24   -0.91 3.33 -2.111
4 3S   4.30   0.92 5.22 2.111
5 FSSp4   3.00   0.64 3.64 2.111
6 3Lz   6.49 x 1.26 7.75 2.000
7 3Lo   5.39 x 1.05 6.44 2.111
8 2A+2T+2Lo   6.93 x 0.42 7.35 1.222
9 FCCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.556
10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444
11 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.222
  TES   55.05   8.88 63.93  

フリーは3-3が入りませんでした。冒頭、提出予定ではセカンド3回転でしたが、安定を選んで勝ちに行ったかセカンドを2回転にしました。それによって2回飛ぶジャンプはルッツだけとなり1つジャンプが余った形。最後の3連続を2A+3T+2Tにすれば190点に手が届いていました。基礎点は55.05 フリップのアンダーローテーションをしっかり回り切っていれば56.11に基礎点はなります。仮に3連続にセカンド3Tを入れてくれば3.19さらに基礎点上がって59.30の基礎点が出ます。シニアルールでステップレベル4取れば63.20まで出ます。3連続を3F+2A+2Tにでもすればさらに基礎点上がるわけで、フリーはダブルアクセルからでもセカンド3回転付ければ、3-3無しでも十分な基礎点構成が組める。それを体現しているのが髙木選手であり、今回はイーハンワン選手もその形で勝ちました。

今回の188.54はわずかですがパーソナルベスト更新です。今回はショートで、国際大会初の3Lz+3Tを降りました。これでジュニア勢の中で今期のシーズンベストは3番目、昨季はわずかに届かなかった世界ジュニアの代表争いで今年もいい位置に付けています。

ファイナルが懸かる2戦目は最終7戦目の中国にエントリーです。同門の中井亜美選手に今大会で優勝したイーハンワン選手がいて、韓国からは昨季ファイナルに進んでいるキムユソン選手もいます。非常に大事な試合になります。登録場所からすると、本来は来週の東京選手権にエントリーのはずでしたが、このバンコクでの試合に出場したことで、スケジュール免除になり、エントリーをしませんでした。

 

○岡田芽依選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3F+3T   9.50   1.06 10.56 2.000
2 3Lo< F< 3.92   -1.96 1.96 -5.000
3 FCCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.444
4 3S< 3.44   -1.62 1.82 -4.556
5 2A   3.30   0.52 3.82 1.444
6 3F!+2T+2Lo ! 9.13 x -0.15 8.98 -0.333
7 3Lz+2A+SEQ   10.12 x 1.10 11.22 1.889
8 LSp4   2.70   0.73 3.43 2.778
9 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.667
10 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.000
11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
  TES   58.60   4.12 62.72  

冒頭にフリップからの3-3で入る岡田選手のプログラム。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。今回はアンダーローテーション2つで基礎点削られましたが、これを回転十分で満額取れば1.84基礎点上がって60.44 ステップ無しのジュニアルールで60点を超える基礎点構成になります。トリプルアクセル無しでは十分な基礎点構成です。スピンはショートフリーすべてレベル4でした。

序盤のループで転倒したので、これは表彰台届かないかな、とも思ったのですが、後半に怒涛のフリップルッツ投入で3位を死守しました。ショートもフリーもミスがありましたので本人の満足度はほどほどかもしれませんが、シンジア選手に競り勝ったという事実は大きいです。世界ジュニアのミニマムスコアも問題なく確保しました。

次戦は来週の中部選手権の可能性もありましたが、このバンコク遠征があったためスケジュール免除でエントリーもありません。10月1週目のジュニアグランプリ6戦目、リュブリャナにエントリー。上薗恋奈選手、シンジア選手を相手に2位以内に入ってファイナルの椅子をつかみ取りたい、という試合になります。

 

○女子シングル上位12名の要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Yihan WANG 194.71 84.78 66.49 10.75 23.58 9.11
2 Yo TAKAGI 188.54 88.35 61.08 6.33 23.06 9.72
3 Mei OKADA 175.96 84.54 60.93 -1.09 24.02 8.56
4 Jia SHIN 173.99 88.39 57.59 -1.61 22.95 8.67
5 Iida KARHUNEN 166.18 75.72 65.19 -4.25 21.61 7.91
6 Leandra TZIMPOUKAKIS 165.24 75.58 65.30 -1.22 18.43 7.15
7 Hana BATH 163.57 74.86 63.35 -1.13 19.48 7.01
8 Logan HIGASE-CHEN 161.98 76.87 54.13 2.89 21.15 7.94
9 Simona TKACHMAN 149.85 72.83 55.67 -4.36 19.88 6.83
10 Hetty SHI 140.72 72.18 53.55 -10.61 20.12 7.48
11 Renee TSAI 140.17 69.47 44.49 -1.80 20.76 7.25
12 Jana HORCICKOVA 138.82 68.04 59.52 -10.63 16.98 6.91

PCSはシンジア選手がさすがの1位ですが、髙木選手もほぼそれに匹敵するスコアを出しました。今期のジュニアの中では島田選手についで、この2人で2位3位のPCSになります。イーハンワン選手、岡田選手も84点台で続いていて80点台はこの4人までです。

ジャンプの基礎点はショートフリーノーミスだったイーハンワン選手が66.49で1位です。2番目に6位に入ったスイスのツィンブカキス選手、3番目はフィンランドのカルフネン選手です。シンジア選手は50点台となっていて、ショートのコンビネーション入らずが痛かったのが読み取れます。

ジャンプの加点はノーミスのイーハンワン選手は二桁入りました。今期のジュニアでジャンプ加点二桁は初です。髙木選手も6.33と大きな加点を得ました。基礎点高かったツィンブガキス選手、カルフネン選手は加点はマイナス。ジャンプのスコアとしては稼ぎ切れていませんでした。

スピンはショートフリーすべてレベル4を取った岡田選手が24点台に乗せて1位です。岡田選手はサマーカップでもショートフリーでスピンオールレベル4を出していて、最近スピンのスコアが上がっています。

ステップ系要素は髙木選手が9.72で1位でした。これは今期のジュニアの中で1位のスコアとなります。髙木選手はジュニアながらこれまで国際大会のステップはすべてレベル4を出しています。イーハンワン選手も9点台に乗せました。

 

○男子シングル(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Yanhao LI NZL 230.09 83.25 146.84
2 Rio NAKATA JPN 218.71 76.54 142.17
3 Tonghe TIAN CHN 210.39 70.78 139.61
4 Haru KAKIUCHI JPN 209.50 69.99 139.51
5 Taira SHINOHARA USA 197.53 68.04 129.49
6 Habin CHOI KOR 194.42 74.03 120.39
7 Grayson LONG CAN 177.75 56.26 121.49
8 Gianni MOTILLA FRA 169.55 54.15 115.40
9 Tao MACRAE GBR 169.11 60.96 108.15
10 Kirill SHEIKO ISR 145.85 62.11 83.74
11 Artur SMAGULOV KAZ 143.49 47.45 96.04
12 Chit Wang CHOW HKG 131.10 41.20 89.90

ニュージーランドのヤンハオリー選手がジュニアグランプリシリーズ初優勝。これはニュージーランド勢にとってジュニアグランプリシリーズで初の優勝ですし、ISU公認試合での初優勝ともなります。今期はクランベリーインターナショナルで230.54というスコアをすでに出していましたが、それに続いてここでも230点突破でISU公認のパーソナルベストを大幅更新です。2008年8月生まれの16歳。今期がジュニア3シーズン目ですので、島田麻央選手と同じくミラノオリンピックには残念ながら権利が無い年齢となります。ヤンハオリー選手はこれで今期のジュニアのスコア1位です。次戦は最終7戦目の無錫にエントリー。ファイナルに進出してきそうです。

中田璃士選手は2位でした。ジュニアグランプリシリーズの2勝目はならず。優勝スコアとは少し差が付きましたが、フリーノーミスならチャンスのある範疇ではありました。

3位には中国のトンフーティエン選手が入ってきています。昨季はユースオリンピック8位。ジュニアグランプリのオーストリアでは200.98で4位に入った実績がありました。210.39はパーソナルベスト更新です。次戦は7戦目の無錫にエントリーしていてファイナルを目指すことになります。

垣内珀琉選手は4位でした。ジュニアグランプリシリーズで209点出しても表彰台に乗れない時代になってきました。ショート5位からの逆転表彰台には届きませんでしたが4位には入ったことで2戦目につなげたと言えそうです。

 

○中田璃士選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   -3.05 6.65 -3.111
2 1A   1.10   0.06 1.16 0.556
3 3A+1Eu+3S   12.80   1.26 14.06 1.556
4 FCSp4   3.20   0.64 3.84 1.889
5 3F   5.30   1.44 6.74 2.778
6 3Lz+3T   11.11 x 1.26 12.37 2.222
7 3Lo< F< 4.31 x -1.96 2.35 -5.000
8 3F+2A+SEQ   9.46 x 0.76 10.22 1.333
9 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.333
10 CSSp4   3.00   0.34 3.34 1.222
11 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.333
  TES   66.48   2.69 69.17  

ショートで首位と6.71の差があったので、フリーは4回転があるという構成差を活かしてノーミスで逆転したいところでしたが、2本目のアクセルがシングルになったところで厳しくなりました。どこかで跳びなおすかとも思いましたがトリプルアクセルは1本で終わらせました。後半のループでまさかの転倒。これでひょっとして表彰台も危ないのでは、とも思いましたが最後のシークエンスをしっかり決めて2位は確保しました。2回飛ぶジャンプは結果的にフリップだけですがトリプルアクセルを2本飛ぶはずだったかと思います。ノーミス基礎点は7.98これより上がるので74.46となります。

4回転サルコウは今期からの投入です。サマーカップではGOEプラスで成功させましたが今回は着氷決まらずマイナスに。それでも基礎点満額は入りつつ転倒はしませんでした。昨季は4回転トーループを飛んでいましたので、2種類目の4回転を習得中ということかと思います。そのうち2種類を1プログラムの中につぎ込んでくるでしょうか。4回転ループもトレーニング中とのことですが、それはまだ先ですかね。

次戦は7戦目の中国無錫に、MFアカデミーセットで女子の中井選手髙木選手と共にエントリーしています。ヤンハオリー選手と再戦。ファイナルを目指す試合です。東京選手権はシードもありますし、ジュニアグランプリ翌週でスケジュールもありますし、エントリーはありませんでした。

 

○垣内珀琉選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Tq q 9.50   -1.36 8.14 -1.556
2 3Lo   4.90   0.77 5.67 1.444
3 3Lz+3T   10.10   0.84 10.94 1.444
4 FCSp4   3.20   0.32 3.52 1.000
5 3F!+2A+SEQ ! 8.60   -0.30 8.30 -0.556
6 3S   4.73 x 0.61 5.34 1.333
7 2A+3T+2T   9.68 x 0.66 10.34 1.556
8 3Lz   6.49 x 0.93 7.42 1.556
9 ChSq1   3.00   0.50 3.50 0.889
10 FCCoSp4   3.50   0.15 3.65 0.444
11 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
  TES   67.20   3.82 71.02  

垣内選手は今季初戦だったかと思います。4回転トーループはGOEマイナスですが着氷しました。トリプルアクセルはまだ実戦投入は1度もなく、2回飛ぶジャンプは3回転のルッツとトーループです。この試合は基礎点削られるミスは無く67.20を得ました。国際大会の自己最高基礎点です。

ほぼノーミスだったので逆転表彰台かな、と思ったのですが次に滑ったトンフーティエン選手もノーミスの素晴らしい演技でわずかに届かず。ここまで出来て届かないなら仕方ない、という感じだったかと思います。演技後の本人は満足そうでした。ショートフリー共にパーソナルベスト、国内の試合と比べても自己最高スコアです。

ここまで来るとそろそろトリプルアクセルが欲しい、となってきます。スイスで練習中に着氷した、なんて動画が出てましたが今期中の実戦装備なるでしょうか?

日本の男子ジュニアはこれで6人が1周して国際大会初戦を終えたわけですが、垣内選手の209.50は6人中4番目のスコアとなります。3位は中村俊介選手の212.73 中村選手が次戦でこれを伸ばしてくるかわかりませんが、世界ジュニア3枠争いとしては、垣内選手はこの中村選手のスコアが次戦のターゲットに1つなってきます。次は6戦目のリュブリャナにエントリーです。その前の週の近畿選手権にエントリーしていますが、無事にリュブリャナに派遣されれば、近畿選手権はスケジュール免除がもらえることになります。初戦4位なので2戦目は回ってくるはずです。

 

○男子シングル上位12名の要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Yanhao LI 230.09 111.71 77.97 8.18 23.54 8.69
2 Rio NAKATA 218.71 111.35 73.13 3.73 23.07 8.43
3 Tonghe TIAN 210.39 105.81 64.64 9.49 22.37 8.08
4 Haru KAKIUCHI 209.50 101.59 73.71 3.81 22.21 8.18
5 Taira SHINOHARA 197.53 100.34 78.34 -10.14 23.15 7.84
6 Habin CHOI 194.42 97.87 80.61 -6.66 17.39 8.21
7 Grayson LONG 177.75 98.65 58.74 -6.11 18.46 8.01
8 Gianni MOTILLA 169.55 85.65 62.66 -0.88 18.20 5.92
9 Tao MACRAE 169.11 87.92 65.85 -10.27 19.36 7.25
10 Kirill SHEIKO 145.85 83.90 37.73 -0.03 17.05 7.20
11 Artur SMAGULOV 143.49 80.25 59.04 -14.40 14.35 6.25
12 Chit Wang CHOW 131.10 69.91 50.34 -7.77 15.66 5.96

PCSはほぼ総合順位順に並んでいます。ヤンハオリー選手と中田璃士選手は111点台でほぼ同等です。垣内選手はトンフーティエン選手とPCSは4.22の差がありました。技術点は勝っていたのでPCSによって表彰台を逃したことになります。

ジャンプの基礎点は総合6位のチョイハビン選手が80点台に乗せて1位です。ミスは多かったですが4回転あり、トリプルアクセルはショートフリーで3本と基礎点は積んでいました。逆にトンフーティエン選手はトリプルアクセル以上のジャンプが無く基礎点は低いですが加点は1位でした。ヤンハオリー選手がトリプルアクセル3本ありつつ加点も稼ぐという形でジャンプのスコアとしては1位になります。中田選手、垣内選手もジャンプの総GOEはプラスとなりました。

スピンはヤンハオリー選手が23点台半ばで1位。同じく23点台を出したのは5位に入ったアメリカのシノハラ選手です。中田選手も23点台で3番目。中田選手は初の23点台です。垣内選手はスピンはあまり得意ではなく昨季までは20点に届かない試合がほとんどでしたが今回は国内外通じて初の22点台を出しています。地味ながらしっかりとした改善点です。ショートフリーすべてレベル4でした。

ステップ系要素もヤンハオリー選手が1位です。中田選手、垣内選手も8点台までは出してきています。

 

日本勢女子は3連勝はなりませんでしたが2人表彰台となりました。これで22年のコロナ後のジュニアグランプリシリーズ復帰以降、連続表彰台確保を続けている形になります。

今大会はアイスダンスにも日本からエントリーがあり岸本彩良/田村篤彦組が7位でした。ここまで出た日本からの3組の中では最高スコアとなっています。アイスダンスは世界ジュニアの選考基準が、「国際的な競技力を考慮し、総合的に判断」というどんぶり勘定型なので、シーズンベスト順位は公式には選考基準ではありませんが、国際的な競技力の1つの要素ではあるかと思われます。

 

次戦はジュニアグランプリ4戦目、トルコのアンカラです。男子は初戦で4位だった中村俊介選手がエントリー。女子はここが初戦になる中井亜美選手と、初戦5位の櫛田育良選手がエントリー予定でしたが、櫛田選手はエントリーを外されて、2011年5月生まれのジュニア1年目、河野莉々愛選手に国際大会デビューのチャンスが回ってきています。

アイスダンスはエントリーが無く、ペアで初戦4位の清水咲衣/本田ルーカス剛史組がエントリーしています。