23-24 周藤集

2007年1月18日生まれ

ジュニア4シーズン目

シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:195位

シーズンランキング:-位

シーズンベストスコア 165.24(176位) JGPバンコク

ショートプログラムシーズンベスト 58.29 JGPバンコク

フリーシーズンベスト 106.95 JGPバンコク

スピンレベル4率 19/39 = 48.7%(国際大会:2/6 = 33.3%)

ステップレベル4率 1/8 = 12.5%(国際大会:0/1 = 0.00%)

スピンオールレベル4 0/5(国際大会:0/1)

スピンステップオールレベル4 0/5(国際大会:0/1)

ジャンプ回転不足率 3/59 = 5.08%(国際大会:0/10 = 0.00%)

ジャンプ回転不足なし 2/5(国際大会:1/1)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/5(国際大会:0/0)

 

○23-24シーズンの戦績

J/S Grade Event Pl Total SP FS
J DL アクアカップ SP 2 59.39 59.39  
J DL げんさんサマーカップ 4 153.83 58.69 95.14
J JGP JGP Bangkok 13 165.24 58.29 106.95
J RT 東京選手権 7 159.39 65.88 93.51
J DL 国体インターハイ全中千葉県予選 1 61.68 61.68  
J RT 東日本選手権 7 157.21 68.02 89.19
J NJ 全日本ジュニア 3 201.12 70.59 130.53
S NC 全日本選手権   74.61 74.61  

周藤選手は昨季ジュニアグランプリシリーズ2戦に出場し国際大会デビュー。初の全日本出場も果たしました。今期はジュニア4シーズン目になり更なる飛躍を目指します。

 

今シーズンはシーズン初日のアクアカップから出場。ショートプログラムだけの試合でアクセルがシングルになり零点などもあり59.39となります。

 

8月にはげんさんサマーカップに出場します。ここもショートがうまくいかず58.69で5位スタートとなります。フリーもジャンプがほとんどうまくいかず95.14 トータル153.83で4位に終わりました。

 

ジュニアグランプリシリーズの出場権は今シーズンももらえました。一発勝負したい、初戦のバンコクからエントリーです。しかしショートプログラム、またうまくいかない。トリプルアクセルが転倒。次のコンビネーションはフリップが1回転に。ルッツは何とか決めたものの58.29で12位スタートとなります。フリーも冒頭のアクセルが1回転半になり、次のダブルアクセルが転倒。後半にフリップが1回転になるなどジャンプうまくいかず106.95でトータル165.24 13位に終わりました。

 

残念ながら2戦目はもらえず国内戦に転じます。9月は東京ブロック。ショートプログラムでようやくトリプルアクセルを今季初成功させました。次のコンビネーションも決めて今回はいいかと思われたのですが、最後のルッツが転倒。それでも65.28まではだして2位発進となります。しかしフリーがまたうまくいきません。ジャンプ要素7つのうちプラスになったのは1つだけ。抜けて1回転や2回転も多発し93.51に留まってトータル159.39の7位に終わりました。

 

翌週にはインターハイの千葉県予選に出場して61.68 やはりルッツが抜けて1回転になるなどジャンプが合いません。

 

この調子だと下手をすると全日本ジュニア進出も危ないという東日本選手権。このショートはコンビネーションを3-2にしましたがジャンプ要素3つすべてしっかり点は入って68.02で2位、余裕をもってフリーへ。ところがこのフリーもジャンプ要素7つでプラス評価は1つも無し。コンビネーションとして認定されたものも1つも無しということで点が伸びずに89.19で終わりトータル157.21で7位。全日本ジュニアへはなんとかすすみましたが全く調子が上がってきません。

 

そんな状態での全日本ジュニアなので、全日本へ進めるかどうか、というのも心配な状態でした。ショートプログラムトリプルアクセルを成功。フリップからの3-3も決め、最後のルッツこそ2回転になったもののジュニアルールなので零点にはならず、70.59 今季初の70点台で2位に付けます。フリーは23番滑走。127.39以上で表彰台確定ですが、今期のべストは106.95しかありません。また、フリーで崩れる展開も想像されましたが、冒頭、トリプルアクセルからの3連続をなんとか決めると、2本目のトリプルアクセルも降ります。加点の得られるジャンプは少ないながらも、はっきりしたミスはループが1回転になったくらいに何とか留め、スピンオールレベル4も取り、130.53と初めて130点台にスコアを乗せました。トータル201.12 初の200点突破で3位表彰台となりました。ただ、ここまでの不振の影響もあったでしょうか、ユースオリンピックの代表は、今大会4位の垣内選手に奪われて、補欠の1という扱いになりました。

 

全日本ジュニア前の不振がウソのような結果で、一躍世界ジュニア代表候補に名乗りを上げての全日本選手権になります。実質3枠目争いで、全日本ジュニア3位の周藤選手、シーズンベストが3位の蛯原選手、2試合平均が3位の垣内選手、3人名前が挙がっている状態です。ショート 5番滑走で登場。この大事な試合でトリプルアクセルを降り、ジャンプをすべて決め、スピンステップオールレベル4で全要素プラス評価。自己最高スコアの74.61を出して見せます。ショート全体終わって13位。21位の垣内選手と10.03差、24位の蛯原選手とは12.76差。世界ジュニア代表争いで非常に優位に立ちます。

いざフリーへ、というところだったのですが、練習中にケガを負い、残念ながら欠場。惜しいところで世界ジュニアへの夢は絶たれました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
アクアカップ SP 59.39 26.68 32.71 13.09 0.18 9.45 3.96
げんさんサマーカップ 153.83 66.22 88.61 50.83 -10.22 18.91 6.70
JGP Bangkok 165.24 70.31 96.93 48.04 -5.82 20.28 7.81
東京選手権 159.39 74.33 87.06 55.24 -7.29 19.03 7.35
国体インターハイ千葉県予選 61.68 31.20 30.48 17.50 -1.54 11.11 4.13
東日本選手権 157.21 71.45 88.76 59.32 -13.75 17.89 7.99
全日本ジュニア 201.12 98.29 102.83 69.01 0.68 21.52 7.08
全日本選手権 74.61 40.79 33.82 23.99 0.34 11.56 4.90

トータルスコアは150点台160点台が並ぶ中、全日本ジュニアだけ突然200点超えを出しました。全日本もそこからつながる勢いを感じたのですが怪我で棄権という形になり大変残念でした。

技術点は全日本ジュニアで100点近いところまでもってきています。一方のPCSは全日本ジュニアで100点超え。技術点よりも演技構成点で点が入っています。

ジャンプの基礎点は全日本ジュニア出 70点近いところまで出ました。やはりこの試合だけ突出しています。加点の方はほとんどマイナスなのですが全日本ジュニアはプラス。ただこの試合でもわずかなプラスでとどまった、というところはあります。

スピンも全日本ジュニアだけ高いスコアです。ステップ系要素は他の試合の方が高かったですが7点台に留まりました。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
げんさんサマーカップ 35.33 35.46 38.90 44.91 42.15 38.36
JGP Bangkok 38.27 33.79 44.34 49.62 52.74 43.91
東京選手権 36.76 38.11 42.52 45.33 50.37 37.32
東日本選手権 36.20 40.55 34.53 41.41 52.88 38.46
全日本ジュニア 47.55 46.36 52.39 53.88 45.02 47.85

トータルスコアは全日本ジュニアで平均近いところまで来ました。ジャンプの基礎点も同様。加点の方はプラスが出た全日本ジュニアで平均越えです。

スピンも全日本ジュニアで平均越え。ただステップ系要素は他の試合で平均越えでした。

PCSはジュニアでなかなか平均超えるところまで行くのは難しいようです

全体的には、もう少しで平均に届く40台後半あたりの偏差値が多いようです

 

周藤集選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャート見ると全日本ジュニアは左下が凹んでいますが他の試合は右上が凹む形です。ジャンプが基礎点から削られる状態になって点が全く伸びないという試合と、基礎点しっかり入るように飛べれば点が出るよ、という試合とあって、だいぶ全体の落差が激しくなるようです。また、スピンのレベル4率も50%を少し切るあたりなので、レベルが取れる時と取れない時でばらつきが大きくなっている、というのも見て取れます。

 

●シーズン最高の基礎点構成

JGPバンコク ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Aq F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
2 1F*+2T   1.30   -0.65 0.65 -5.000
3 CCSp3   2.80   0.24 3.04 0.778
4 3Lz   6.49 x 0.84 7.33 1.333
5 FSSp4   3.00   0.34 3.34 1.111
6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.889
7 CCoSp4   3.50   0.50 4.00 1.222
  TES   28.39   -1.79 26.60  

ショートプログラムは国際大会での基礎点は28.39でした。ジャンプ3本の基礎点がしっかり入った東京選手権では35.34の基礎点までは出ています。トリプルアクセルにフリップからのコンビネーションで1.1倍に単独ルッツです。ショートはやりたいことができればジュニアルールならこれくらい、というところまでは来ています。1.1倍にコンビネーションを入れていけばさらに基礎点上げていけますが、そういうところよりも4回転習得にどこかの時点で向かうのだろうと思われます。

 

JGPバンコク フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 1A   1.10   -0.41 0.69 -3.778
2 2Aq F 3.30   -1.65 1.65 -5.000
3 3Lz   5.90   -0.08 5.82 0.000
4 FSSp3   2.60   0.33 2.93 1.222
5 3Lo+2A+SEQ   8.20   -0.70 7.50 -1.556
6 ChSq1   3.00   0.57 3.57 1.111
7 3Lo   5.39 x 0.84 6.23 1.667
8 1Fe e 0.44 x -0.09 0.35 -2.333
9 CCSp3   2.80   0.44 3.24 1.444
10 3Lz+2T   7.92 x 0.08 8.00 0.111
11 CCoSp3   3.00   0.73 3.73 2.444
  TES   43.65   0.06 43.71  

フリーは国際大会では43.65の基礎点でした。全日本ジュニアでは61.90の基礎点があります。4回転は無く、2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツでした。その時にはループが1回転になったあとにトリプルループを飛びなおしていたりするので、本当にどういう構成を組みたいのかは今一つ見えていません。

ルッツからの3-3やシークエンスでアクセルを入れる実績はあります。昨季はトリプルアクセルからの3連続で3回転のサルコウを入れることも出来ていました。従って、ノーミスで70点台に乗るくらいの構成は今の時点で組むことも可能ではありました。

 

○平均GOE2.000以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
JGP Bangkok SP 6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.889
げんさんサマーカップ SP 7 CCoSp2   2.50   0.67 3.17 2.800
全日本ジュニア SP 6 StSq2   2.60   0.68 3.28 2.714
東京選手権 SP 6 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.600
全日本選手権 SP 6 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556
国体インターハイ全中千葉県予選 SP 6 StSq3   3.30   0.83 4.13 2.500
JGP Bangkok FS 11 CCoSp3   3.00   0.73 3.73 2.444
東日本選手権 SP 6 StSq3   3.30   0.79 4.09 2.429
全日本選手権 SP 7 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.333
国体インターハイ全中千葉県予選 SP 3 CCSp4   3.20   0.72 3.92 2.250
げんさんサマーカップ SP 5 FSSp3   2.60   0.52 3.12 2.200
げんさんサマーカップ SP 3 CCSp4   3.20   0.75 3.95 2.200
アクアカップ SP SP 6 StSq3   3.30   0.66 3.96 2.200
東京選手権 SP 5 FSSp3   2.60   0.52 3.12 2.000
アクアカップ SP SP 7 CCoSp3   3.00   0.60 3.60 2.000
東京選手権 SP 7 CCoSp3V   2.25   0.45 2.70 2.000
国体インターハイ全中千葉県予選 SP 2 3F+3T   9.50   1.06 10.56 2.000
東京選手権 SP 3 CCSp4   3.20   0.64 3.84 2.000
国体インターハイ全中千葉県予選 SP 7 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
げんさんサマーカップ SP 4 3Lz   6.49 X 1.18 7.67 2.000

周藤選手の評価の高い要素はステップが多いです。ただ、レベル4は全日本のみとなっています。

スピンも高評価が結構ありますが、レベル4率は低く、レベル4での高評価だと+2.333が最高です。

ジャンプは+2.000が最高でした。

ステップが上位にいる一方、コレオがいません。昨季はコレオが高評価だったのですが、このあたりはどういうことなのか今ひとつわかりません。

ほとんどショートの要素が上がっているのも特徴的です。フリーは1つだけ。ショートだけの試合が3つあるのでその影響な部分もありますが、それにしても今シーズンは全日本ジュニア以外のフリーがあまり伸びなかったというのがこの辺にも出ているのかもしれません。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ SP 1 3Aq q 8.00   -3.73 4.27 -4.400
げんさんサマーカップ FS 1 3A   8.00   -3.73 4.27 -4.200
JGP Bangkok SP 1 3Aq F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
東京選手権 SP 1 3A   8.00   1.07 9.07 1.400
東京選手権 FS 1 3A+1Eu<<+3S< << F 11.44   -4.00 7.44 -5.000
国体インターハイ全中千葉県予選 SP 1 3A   8.00   -2.60 5.40 -3.250
東日本選手権 SP 1 3A   8.00   0.96 8.96 1.143
東日本選手権 FS 1 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
東日本選手権 FS 2 3Aq+COMBO+2S* * 8.00   -3.68 4.32 -4.429
全日本ジュニア SP 1 3A   8.00   1.28 9.28 1.571
全日本ジュニア FS 1 3A+1Eu+2S   9.80   -0.64 9.16 -0.857
全日本ジュニア FS 2 3A   8.00   -0.80 7.20 -1.143
全日本選手権 SP 1 3A   8.00   0.11 8.11 0.333

トリプルアクセルはショートフリーで合計3本飛ぼうとしている要素です。

今期は13回要素として入りました。転倒が3回、それ以外にGOEマイナスが6回あり、GOEプラスの成功ジャンプは4回です。13分の4、でもなく、1回転半になったもの、2回転半になったものが合計5回あって、それがトリプルアクセルのつもりだったかダブルアクセルのつもりだったかは判定できないですが、トリプルアクセルのつもりだったものが多いと思われるので、成功率は25%を切るくらいになるのだろうと思われます

ただ、全日本ジュニアは3本飛んでわずかなマイナスが2本、全日本は成功となっているので、大事な試合で決めることが出来たというか、調子が上がってきたらトリプルアクセル含めジャンプ全般確率が上がる、という見方も出来ます。

トリプルアクセルの成功率云々ではなくて、ジャンプ全体の安定度が上がればいい、というところなのかもしれません。

 

○3連続の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ FS 2 2A+1Eu+3S< 7.24   -1.03 6.21 -3.000
東京選手権 FS 1 3A+1Eu<<+3S< << F 11.44   -4.00 7.44 -5.000
東京選手権 FS 10 1Lz+2A*+SEQ+REP * 0.46 X -0.08 0.38 -1.200
全日本ジュニア FS 1 3A+1Eu+2S   9.80   -0.64 9.16 -0.857

今期フリーは5回滑りましたが、3連続が入ったのは4回でした。3連続が入った場所は様々なのですが、トリプルアクセルから3つ目サルコウを冒頭に入れる、というのが本線だったのかもしれません。それはかなり難易度が高く、今季1つも成功させられなかった、というところかもしれません。あるいはそこまで難易度高い要素を最初に入れてしまったことが、今期のフリーの不調の原因だったかもしれません。

 

シーズン序盤の不調を全日本ジュニアで一気に払しょくし、全日本のショートも高得点で世界ジュニアの代表に期待された周藤選手ですが、一夜にして暗転。まさかのケガでフリー棄権となり世界ジュニアの夢はついえました。その後、ケガの回復度合いはいかがなのでしょうか。

来期は高校3年生で迎えますのでまだジュニアは継続と思われます。怪我を回復させれば再び世界ジュニアの代表争いに挑める立場です。出来ればまずその前に、ジュニアグランプリシリーズでの活躍を期待したいです。