グランプリシリーズ24展望 男子シングル

前回に引き続いて、男子シングルの展望です。

同じように、各試合のエントリーメンバーに関して、23-24シーズンのシーズンベスト、セカンドベスト、シーズンワーストを並べています。国際大会のみで各国ナショナルや日本国内の試合などは含めません。ISU公認非公認は問わず、国際大会ならすべて入れています。ただ、ショート落ちやショート後棄権、フリーのみのジャパンオープンなどをシーズンワーストに入れるというようなこともしていません。

 

スケートアメリカ

Skate America   23-24Best 23-24Second 23-24worst
Ilia MALININ (USA) 333.76 314.66 281.68
Kevin AYMOZ (FRA) 279.09 250.03 219.91
Kao MIURA (JPN) 274.56 267.81 242.95
Deniss VASILJEVS (LAT) 257.80 256.18 215.34
Koshiro SHIMADA (JPN) 247.43 218.44 217.18
Nika EGADZE (GEO) 243.35 243.31 233.16
Wesley CHIU (CAN) 240.38 230.52 208.82
François PITOT (FRA) 236.23 219.86 197.31
Nozomu YOSHIOKA (JPN) 233.56 219.98 210.46
Donovan CARRILLO (MEX) 232.67 205.70 153.68
Maxim NAUMOV (USA) 215.00 210.53 201.71
TBD (USA)      

マリニン選手の3連覇濃厚なスケートアメリカです。ただ、常に怪我の危険というのがあると思われますので、そういうことが無く順調にいけば、という条件は付きます。グランプリ初戦から何点出してくるか

270点台のベストでエイモズ選手と三浦選手が続きます。エイモズ選手は昨季高いスコアを出したのは1度だけ。シーズン中盤以降いろいろと苦しんでいましたが、今期はどうなっているでしょうか? 三浦選手は2年連続のファイナルを目指す初戦です。

その下にはバシリエフス選手、島田選手といったランビエール組が続きます。バシリエフス選手は昨季のワールド7位。宇野昌磨さん引退なので、バシリエフス選手がシード扱いということになるかと思います。島田選手は240点台は1度だけで、昨季のグランプリ2戦は210点台と苦しみましたが今期は初の表彰台を目指したいところ。

日本からはもう1人吉岡選手がエントリー。こちらは1戦のみのエントリーですので、ここで高いシーズンベストを出して来期へつなげたいです。

 

スケートカナダ

Skate Canada   23-24Best 23-24Second 23-24worst
Ilia MALININ (USA) 333.76 314.66 281.68
Shun SATO (JPN) 274.59 273.34 247.50
Jason BROWN (USA) 274.33 236.75 236.75
Junhwan CHA (KOR) 272.95 254.86 216.61
Sota YAMAMOTO (JPN) 263.43 258.42 231.23
Gabriele FRANGIPANI (ITA) 251.59 246.09 187.55
Mark GORODNITSKY (ISR) 243.29 243.25 208.48
Vladimir LITVINTSEV (AZE) 237.44 228.57 209.21
Stephen GOGOLEV (CAN) 233.26 228.74 210.48
Luc ECONOMIDES (FRA) 230.74 217.10 204.97
Roman SADOVSKY (CAN) 221.57 217.83 217.83
Aleksa RAKIC (CAN) 211.74 209.88 189.38

マリニン選手が連戦でスケートカナダもエントリーです。ここもマリニン選手のワーストが他の選手のベストスコアを上回っています。

もう1人のシードはジェイソンブラウン選手がいます。今期はグランプリシリーズからの登場となります。

このあたりに挑むのがアジア勢です。シーズンベスト2位は佐藤駿選手。2期ぶりのファイナルを目指すには優勝とまではいいませんが表彰台には乗っておきたい。山本草太選手も同様です。2人の勝負も重要。そこにチャジュンファン選手も入ってきます。

カナダはキーガンメッシングさんの引退で、顔触れがだいぶ寂しくなりました。スケートカナダで3人エントリーですが、昨季のベストは9位11位12位という状態。1人くらい上位に絡んでいけるでしょうか。

 

○フランスグランプリ

Grand Prix de France   23-24Best 23-24Second 23-24worst
Adam SIAO HIM FA (FRA) 306.78 298.61 276.17
Lukas BRITSCHGI (SUI) 274.09 263.43 229.37
Kazuki TOMONO (JPN) 265.78 251.95 245.12
Mikhail SHAIDOROV (KAZ) 264.46 256.34 234.19
Boyang JIN (CHN) 258.67 256.89 226.79
Aleksandr SELEVKO (EST) 256.99 247.57 214.18
Nikolaj MEMOLA (ITA) 256.24 253.12 199.38
Koshiro SHIMADA (JPN) 247.43 218.44 217.18
Andrew TORGASHEV (USA) 237.20 233.26 219.67
François PITOT (FRA) 236.23 219.86 197.31
Camden PULKINEN (USA) 230.84 229.32 219.86
Luc ECONOMIDES (FRA) 230.74 217.10 204.97

ここはアダムシャオイムファ選手がいます。昨季のシーズンワーストが他の選手のシーズンベストより高いスコアという構図です。

シードもう1人はブリッチギー選手。初のファイナル進出のために表彰台に上っておきたい試合です。

友野選手が3番手。これまでまだファイナル進出経験はありません。優勝を狙うにはちょっと厳しいのですが、2位までは普通に入って行けるメンバーなので、ここでファイナルのチャンスを得たいところです。

シャイドロフ選手、ボーヤンジン選手といった4大陸で上位に入ってくる選手も表彰台を目指してきます。

日本からは島田高志郎選手がスケートアメリカに次いで早くも2戦目。シーズンベスト順位は8位ですが、セカンドベストは11位。混戦の中位勢の中でどこまで順位を上げていけるでしょうか。

 

NHK杯

NHK Trophy   23-24Best 23-24Second 23-24worst
Yuma KAGIYAMA (JPN) 309.65 307.58 265.59
Kao MIURA (JPN) 274.56 267.81 242.95
Jason BROWN (USA) 274.33 236.75 236.75
Gabriele FRANGIPANI (ITA) 251.59 246.09 187.55
Matteo RIZZO (ITA) 250.87 246.01 200.85
Mark GORODNITSKY (ISR) 243.29 243.25 208.48
Vladimir LITVINTSEV (AZE) 237.44 228.57 209.21
Juheon LIM (KOR) 234.86 221.55 209.99
Stephen GOGOLEV (CAN) 233.26 228.74 210.48
Adam HAGARA (SVK) 225.61 222.78 200.10
Tomoki HIWATASHI (USA) 223.79 217.74 191.72
TBD (JPN)      

今期は4戦目がNHK杯です。日本から鍵山選手と三浦選手がエントリー。ワンツーフィニッシュを目指します。シードもう1人はジェイソンブラウン選手です。

ベストスコアは鍵山選手が抜けていて、表彰台争いも三浦選手とジェイソンブラウン選手のスコアが他をかなり引き離しています。割と順当にこの3人で決まりそうにも見えます。

日本の地元枠はまだ誰が入るかわかりません。吉岡選手が2戦目をもらうか、今期エントリーの無い壺井選手がここに入ってくるか、といったあたりでしょうか。いずれにしても来期へつなげるために高いシーズンベストをここで出していきたいという試合になるかと思われます。

 

フィンランディア杯

Finlandia Trophy   23-24Best 23-24Second 23-24worst
Yuma KAGIYAMA (JPN) 309.65 307.58 265.59
Kevin AYMOZ (FRA) 279.09 250.03 219.91
Lukas BRITSCHGI (SUI) 274.09 263.43 229.37
Junhwan CHA (KOR) 272.95 254.86 216.61
Kazuki TOMONO (JPN) 265.78 251.95 245.12
Sota YAMAMOTO (JPN) 263.43 258.42 231.23
Aleksandr SELEVKO (EST) 256.99 247.57 214.18
Camden PULKINEN (USA) 230.84 229.32 219.86
Vladimir SAMOILOV (POL) 230.17 222.94 202.43
Valtter VIRTANEN (FIN) 208.98 200.83 188.80
Makar SUNTSEV (FIN) 204.31 200.55 151.39
Daniel GRASSL (ITA)      

5戦目はフィンランド開催でフィンランディア杯です。連戦の鍵山選手がシードで参戦。順当にいけば勝つでしょう、というシチュエーションです。もう1人のシードはブリッチギー選手ですが、昨季のシーズンベストはエイモズ選手が上でした。

ここは270点以上のベストを持つ選手が4人、260点以上が6人ということでレベルの高い試合です。

日本からは友野選手と山本選手もエントリー。ここまで2期続けて2戦同じ試合に出ていた友野選手と山本選手ですが、今期は同じ試合は1試合だけになりました。フィンランドはサウナのメッカですが、試合終わりに2人で行くような時間はあるでしょうか?

 

中国杯

Cup of Chinay   23-24Best 23-24Second 23-24worst
Adam SIAO HIM FA (FRA) 306.78 298.61 276.17
Shun SATO (JPN) 274.59 273.34 247.50
Mikhail SHAIDOROV (KAZ) 264.46 256.34 234.19
Boyang JIN (CHN) 258.67 256.89 226.79
Deniss VASILJEVS (LAT) 257.80 256.18 215.34
Nikolaj MEMOLA (ITA) 256.24 253.12 199.38
Matteo RIZZO (ITA) 250.87 246.01 200.85
Nika EGADZE (GEO) 243.35 243.31 233.16
Wesley CHIU (CAN) 240.38 230.52 208.82
Hyungyeom KIM (KOR) 230.46 223.61 211.76
Yudong CHEN (CHN) 218.66 178.88 134.92
TBD (CHN)      

最終6戦目は中国杯になります。ここはアダムシャオイムファ選手がいます。シーズンワースト型の選手のシーズンベストより高い、という状態ですので順当にいけば勝てます。

270点台が2試合ある佐藤駿選手も有力です。ここでファイナル進出を賭ける状態になっているかと思われます。

シードのもう1人はバシリエフス選手ですが、グランプリシリーズにはあまり力を入れていない選手。ここでスコアが伸びてくるかどうか。

中国杯ですのでボーヤンジン選手の活躍も期待されます。250点台くらいまでは普通に出してきていますので、このメンバーなら久しぶりの表彰台も期待されるところです。

 

 

エントリー数は日本14、米国10、フランス8、イタリア7、カナダ6、韓国、中国4、ラトビアジョージアイスラエルアゼルバイジャン、スイス、カザフスタンエストニアフィンランド2、メキシコ、スロバキアポーランド1となっています

日本は昨季は18枠埋めたのですが、今期は14に減少です。宇野選手の2つ分もありますが、他でも2つ減っています。壺井選手と片伊勢選手が外れた分に相当します。韓国までの6カ国が2戦エントリーを複数抱える国となります。

グランプリファイナル争いは、順当にいけば昨年300点実績のある3選手は当確で、残りの3枠を争う、という展開になるかと思いますが、この残りの3つは日本勢が日本勢同士で激烈な争いを繰り広げる展開になりそうです。昨季もファイナルに出た三浦選手、2シーズン前にファイナルに出ている佐藤選手と山本選手、まだファイナル実績のない友野選手の4選手。海外では久しぶりにグランプリシリーズに出てきたジェイソンブラウン選手がどこまで出してくるか。他は、チャジュンファン選手やここ2年で一気にスコアを上げてきたブリッチギー選手、昨季は序盤はスコア出ていたエイモズ選手に260点台もっているシャイドロフ選手あたりまででしょうか。昨季ヨーロッパ選手権表彰台のセレフコ選手やリッツォ選手はもう少しスコアが無いと苦しそう。

女子と比べると上位と中位の差が大きいので、ファイナル争いの人数は限られるようにも見えますし、各試合の優勝争いは、本命1.1倍みたいなところで3人が6勝して終わりそうに見えるのも女子とはだいぶ異なります。

上位と中位の差がもう少し詰まってほしいなあ、という印象を持ったグランプリシリーズ24の男子展望でした。