ジュニアグランプリシリーズ5戦目はアゼルバイジャンのバクー開催でした。アゼルバイジャンは初開催ですね。石油で潤う金持ち国兼ロシア周縁国ということで、この先試合開催も増えていくかもしれません。
○女子シングル(上位12名)
| Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
| 1 | Yuseong KIM | KOR | 185.99 | 59.68 | 126.31 |
| 2 | Mayuko OKA | JPN | 184.22 | 58.03 | 126.19 |
| 3 | Sophia SHIFRIN | ISR | 176.95 | 61.57 | 115.38 |
| 4 | Yihan WANG | CHN | 176.63 | 60.96 | 115.67 |
| 5 | Leandra TZIMPOUKAKIS | SUI | 173.52 | 55.22 | 118.30 |
| 6 | Hyewon JOO | KOR | 168.70 | 59.99 | 108.71 |
| 7 | Arina KALUGINA | AZE | 167.78 | 57.87 | 109.91 |
| 8 | Alica LENGYELOVA | SVK | 167.71 | 55.85 | 111.86 |
| 9 | Lilou REMEYSEN | BEL | 162.36 | 55.56 | 106.80 |
| 10 | Haruna MURAKAMI | JPN | 157.91 | 51.23 | 106.68 |
| 11 | Jana HORCICKOVA | CZE | 153.72 | 49.78 | 103.94 |
| 12 | Leyla CETIN | TUR | 150.79 | 51.38 | 99.41 |
女子はショート終わって、4位から6位にトリプルアクセルや4回転を装備する選手が集まり、1位から3位はセブントリプル標準セットで勝負、という面白い展開になりました。
韓国のキムユソン選手が優勝。日本女子の連勝を止めました。際どい勝負でしたがショート4位からの逆転優勝。ジュニアグランプリシリーズ通算2勝目となりました。初戦5位なのでファイナルはちょっと難しいかな、という雰囲気ではあるのですが、残り2試合の結果次第。特に初戦2位を持つ韓国の3人の結果次第でファイナルの可能性を残します。
2位には岡万佑子選手が入りました。ショート5位から逆転表彰台。ファイナル進出を決めました。
3位はイスラエルのソフィアシフリン選手。ショート1位からのフリー最終滑走。1月のババリアンオープンで187.21を出したことはありましたが、ISU公認試合ではショートフリー合計すべてパーソナルベスト更新です。フリーはシンドラーのリスト。今のタイミングでイスラエルの16歳の少女にシンドラーのリストを演じられると、非常に複雑な気分になって、正直なところ、演技が頭に入ってこなかった部分はありました・・・
優勝すればファイナルのチャンスもあったイーハンワン選手は4位。ノーミスすればチャンスのある位置だったのですが後半のジャンプに乱れが出て届かず。
スイスのツィンポウカキス選手が5位。ショート9位から、トリプルアクセルは決まりませんでしたが他はほぼミスなく滑って順位を上げました。そのうちヨーロッパのトップ選手になって来る風格のようなものを感じました。
ショート3位、国際大会初出場の韓国、チェヘウォン選手は6位。大きなミスなく滑ったように一見見えたのですが、エッジに回転にととられ、フリーはスコア伸びませんでした。
地元アゼルバイジャンのカルギナ選手が7位。4回転サルコウを冒頭で決めて、これはついいビッグスコアを出すか、とも期待されたのですが、後半2転倒がありスコア伸びませんでした。
日本からもう一人、村上遥奈選手は10位となりました。
○キムユソン選手のフリーの構成
| Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
| 1 | 3A<< | << | 3.30 | -0.99 | 2.31 | -2.889 | |
| 2 | 3F+3T | 9.50 | 0.98 | 10.48 | 1.889 | ||
| 3 | 3Lo+2T | 6.20 | 0.28 | 6.48 | 0.556 | ||
| 4 | 3S | 4.30 | 0.49 | 4.79 | 1.111 | ||
| 5 | FCSp4 | 3.20 | 0.73 | 3.93 | 2.222 | ||
| 6 | 3Lo+2A+2A+SEQ | 12.65 | x | 0.63 | 13.28 | 1.333 | |
| 7 | 3F | 5.83 | x | 0.98 | 6.81 | 1.778 | |
| 8 | 3Lz | 6.49 | x | 1.10 | 7.59 | 1.778 | |
| 9 | FCCoSp4 | 3.50 | 0.15 | 3.65 | 0.444 | ||
| 10 | ChSq1 | 3.00 | 1.57 | 4.57 | 2.889 | ||
| 11 | CCoSp4 | 3.50 | 1.15 | 4.65 | 3.222 | ||
| TES | 61.47 | 7.07 | 68.54 |
トリプルアクセルは、え? 3回回った??? と感じるような回り方で完全にダウングレードでした。不思議なもので、ダウングレードできれいに降りたトリプルアクセルは、基礎点満額で転倒したトリプルアクセルよりも、減点1を加味しても低い点になります。まわりきるの大事。
2回飛ぶジャンプはフリップとループ。セカンド3回転あり、3連続にダブルアクセル2つ、スピンオールレベル4で基礎点61.47 トリプルアクセルを基礎点しっかり取れば66.17になる構成です。ルッツが苦手でショートで外していますし、フリーも単独の1本だけ。その1本を最後のジャンプにしているのですが、久しぶりにしっかりきまりました。
トリプルアクセル決まらなかった以外は減点なしでした。3年連続のファイナル進出は残り2戦の結果待ちです。現在ポイント3位。ユソン選手を超える可能性があるのは8人。ちょっと厳しいですが、初戦で表彰台に乗れていないハナバース選手やシーチーガオ選手あたりが、2位に入ってくるような展開があればチャンスが出てきます。
○岡万佑子選手のフリーの構成
| Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
| 1 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.01 | 11.11 | 1.667 | ||
| 2 | 3Aq | Fq | 8.00 | -4.00 | 4.00 | -5.000 | |
| 3 | 3F! | ! | 5.30 | 0.23 | 5.53 | 0.444 | |
| 4 | 3Lo | 4.90 | 0.91 | 5.81 | 1.889 | ||
| 5 | CCoSp3 | 3.00 | 0.77 | 3.77 | 2.556 | ||
| 6 | 3F+2A+2A+SEQ | 13.09 | x | 1.29 | 14.38 | 2.333 | |
| 7 | 3Lz< | < | 5.19 | x | -0.74 | 4.45 | -1.222 |
| 8 | 3S+2T | 6.16 | x | 0.49 | 6.65 | 1.111 | |
| 9 | ChSq1 | 3.00 | 1.79 | 4.79 | 3.556 | ||
| 10 | FCCoSp4 | 3.50 | 0.95 | 4.45 | 2.778 | ||
| 11 | LSp4 | 2.70 | 0.81 | 3.51 | 3.000 | ||
| TES | 64.94 | 3.51 | 68.45 |
トリプルアクセルは転倒ですが基礎点は満額入りました。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。セカンド3回転あり、3連続でダブルアクセル2本。ルッツでアンダーローテーション付きました。スピンは1つレベル3で基礎点64.94となっています。ルッツが基礎点満額入れば1.30基礎点上がって66.24 スピンもレベル4揃えば66.74になる構成です。
アクセルは仕方ない。ルッツが基礎点満額入っていれば優勝、というところでした。
コレオは点が出ました。今期ジュニアの中では髙木謡選手に次ぐ2番目の評価となっています。あの軟体コレオはプラス付けたくなります。スピンももう少し点が出てもおかしくない印象なのですが、ショートもフリーもレベル3が1つづつあった分、思ったほどは点が出なかったようでした。
連勝ならず。それでも1位2位でファイナル進出です。初戦からだいぶスコアを落として2戦平均が下がりましたが、それでも岡田芽依選手を上回っているので、残りの選手の初戦のスコア考えると、ジュニアグランプリシリーズ終わった時点では、2戦平均は上位3人に残ってきそうです。世界ジュニア代表争い、着々と実績を積み上げています。
次戦は10月末の西日本選手権になってくるかと思います。
○村上遥奈選手のフリーの構成
| Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
| 1 | 3Lz< | < | 4.72 | -0.74 | 3.98 | -1.444 | |
| 2 | 3S<+3T | < | 7.64 | -0.48 | 7.16 | -1.000 | |
| 3 | 3F!q | !,q | 5.30 | -1.29 | 4.01 | -2.444 | |
| 4 | 2A< | < | 2.64 | -0.45 | 2.19 | -1.556 | |
| 5 | SSp3 | 2.10 | 0.36 | 2.46 | 1.667 | ||
| 6 | 3S+3T | 9.35 | x | 0.86 | 10.21 | 1.889 | |
| 7 | 3Loq | q | 5.39 | x | -0.56 | 4.83 | -1.111 |
| 8 | 2A+2T+2Lo | 6.93 | x | 0.14 | 7.07 | 0.444 | |
| 9 | ChSq1 | 3.00 | 0.79 | 3.79 | 1.556 | ||
| 10 | FCCoSp4 | 3.50 | 0.70 | 4.20 | 1.889 | ||
| 11 | CCoSp3 | 3.00 | 0.69 | 3.69 | 2.333 | ||
| TES | 53.57 | 0.02 | 53.59 |
ショートで得意のサルコウからのコンビネーションでまさかのミス。12位スタートとなってしまってのフリー。タイタニックは似合いプログラムとも思われ、ジャンプを次々決めて行ったのですが、回転不足を多数取られる展開となりました。
2回飛ぶジャンプはサルコウとトーループ、スピンはレベル3が2つ、アンダーローテーション3つついて53.57の基礎点となっています。後半のサルコウトーは美しかった。ただ、あとのジャンプは、確かに、際どい、際どい、の繰り返しでした。ショートからスピンステップもレベルが思ったように取れておらず、体調悪いのかなあ・・・、とも感じましたが、そのあたりはよくわかりません。キスアンドクライでは笑顔も見えました。
変な話、これが2戦目でよかった、というような出来でした。2シーズン前も初戦2位で2戦目もらっての13位と伸びなかったんですよね。安定感はあまりない、という現実はあります。濱田先生来てないとダメ、とかあるんでしょうか。
次戦は10月終わりからの西日本選手権。全日本ジュニアから4年連続の全日本出場をめざすことになります。
○男子シングル(上位12名)
| Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
| 1 | Minkyu SEO | KOR | 236.45 | 82.67 | 153.78 |
| 2 | Denis KROUGLOV | BEL | 213.47 | 73.75 | 139.72 |
| 3 | Caleb FARRINGTON | USA | 210.66 | 70.83 | 139.83 |
| 4 | Patrick BLACKWELL | USA | 193.15 | 75.86 | 117.29 |
| 5 | Ryoto MORI | JPN | 188.17 | 70.65 | 117.52 |
| 6 | Boren LU | CHN | 175.11 | 52.75 | 122.36 |
| 7 | Janis ZNOTINS | LAT | 172.91 | 55.86 | 117.05 |
| 8 | Maksym PETRYCHENKO | AUT | 169.50 | 56.44 | 113.06 |
| 9 | Konstantin SUPATASHVILI | GEO | 169.13 | 56.73 | 112.40 |
| 10 | Vladislav CHURAKOV | EST | 167.73 | 55.90 | 111.83 |
| 11 | Albin SAMUELSSON | SWE | 160.75 | 57.63 | 103.12 |
| 12 | Jakub TYKAL | CZE | 159.11 | 48.87 | 110.24 |
ソミンギュ選手が2連勝でファイナル進出を決めました。ショート、フリー、どちらも1位、大差での優勝です。ジュニアグランプリシリーズ通算4勝目となりました。
2位にはベルギーのデニスクログロフ選手が入りました。昨季の世界ジュニア22位。ISUパーソナルベストは169.21という選手です。トリプルアクセルを今期習得し、ショート、フリーともにB級大会含めても自己最高スコアでジュニアグランプリ初表彰台となりました。
3位はアメリカのケイレブファリントン選手。国際大会にはB級大会でこれまで2試合出ていますが、ISU公認試合は初出場。フリーで4回転トーループを決め3位表彰台となりました。
4位はアメリカのブラックウェル選手。こちらは初戦2位からのファイナル進出を狙う試合でしたが、バンコクで2本決まった4回転トーループが今回は2本とも決まらず。スコア伸びずに伏兵2名に上へ行かれ4位。ファイナルは厳しくなりました。
森遼人選手は5位。初戦の4位からは1つ順位を落とす形となりました。
○ソミンギュ選手のフリーの構成
| Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
| 1 | 4S< | F< | 7.76 | -3.88 | 3.88 | -5.000 | |
| 2 | 3A+3T | 12.20 | 1.49 | 13.69 | 1.778 | ||
| 3 | 3F+2T | 6.60 | 0.98 | 7.58 | 1.778 | ||
| 4 | 3Lo | 4.90 | 1.19 | 6.09 | 2.444 | ||
| 5 | FCSp4 | 3.20 | 0.55 | 3.75 | 1.778 | ||
| 6 | ChSq1 | 3.00 | 1.57 | 4.57 | 3.111 | ||
| 7 | 3A | 8.80 | x | 2.40 | 11.20 | 3.111 | |
| 8 | 3F+2A+2A+SEQ | 13.09 | x | 1.21 | 14.30 | 2.333 | |
| 9 | 3S | 4.73 | x | 0.55 | 5.28 | 1.222 | |
| 10 | CCoSp4 | 3.50 | 1.05 | 4.55 | 3.000 | ||
| 11 | CSSp4 | 3.00 | 0.90 | 3.90 | 3.000 | ||
| TES | 70.78 | 8.01 | 78.79 |
実践初投入となってきた4回転サルコウはアンダーローテーションの転倒となりました。後はミスなし。トリプルアクセル2本、トリプルフリップが2本、スピンオールレベル4で基礎点70.78です。今回はルッツなし。初戦のアンカラでは入っていました。ルッツを外して4回転サルコウに置き換える、という構成はあまり基礎点上がりません。eまで取られがちなルッツが課題なのは中田選手と同じ。ファイナルでこの辺がどう出るでしょうか。
中田選手と共に2戦2勝でファイナルを決めました。シーズンベストは中田選手が上です。4回転サルコウが入ってルッツも入れれば250点が見えるので、そこまで行くと上へ出られます。
○森遼人選手のフリーの構成
| Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
| 1 | 3A | 8.00 | -2.63 | 5.37 | -3.333 | ||
| 2 | 3Lz | 5.90 | -0.59 | 5.31 | -1.000 | ||
| 3 | 3F+2A+SEQ | 8.60 | 0.61 | 9.21 | 1.222 | ||
| 4 | CCSp4 | 3.20 | 0.59 | 3.79 | 1.889 | ||
| 5 | 3Lo | 4.90 | -1.68 | 3.22 | -3.333 | ||
| 6 | ChSq1 | 3.00 | 1.00 | 4.00 | 2.111 | ||
| 7 | 3Lz+1Eu+2S | 8.47 | x | 0.67 | 9.14 | 1.111 | |
| 8 | CCoSp4 | 3.50 | 0.15 | 3.65 | 0.222 | ||
| 9 | 3F< | < | 4.66 | x | -1.03 | 3.63 | -2.556 |
| 10 | 2A+1T | 4.07 | x | -0.85 | 3.22 | -2.556 | |
| 11 | FSSp4 | 3.00 | 0.47 | 3.47 | 1.556 | ||
| TES | 57.30 | -3.29 | 54.01 |
トリプルアクセル1本、ルッツとフリップを2本入れました。セカンド3回転が入らず。3連続の3つ目も2回転のサルコウになりました。ジャンプが前回と比べると全体的にすっきりいかず、基礎点57.30に留まっています。トリプルアクセルよりもセカンド3回転付けられなかった方が痛いです。スピンはオールレベル4取りました。
前回からスコアは落としましたが、国内での最高スコアは187.18だった選手です。今回もそのスコアは上回りました。明らかに地力は上がっているものと思われます。
日本ジュニア勢の中でシーズンベスト順位は5位。世界ジュニア代表争いは少し厳しいかな、という立ち位置になります。次戦は東日本選手権となります。
女子は日本勢全勝とはならず。4連勝で終わりました。昨季からつなげるとファイナル除いて5連勝までです。3シーズン前には7戦中6勝したのですが、今期もそこまで並ぶことは出来るでしょうか? 男子も連続表彰台が4で止まりました。男子も昨季からつなげるとファイナル除いて5連続表彰台でストップとなっています。
次戦は6戦目のグダンスク。女子は初戦優勝の金沢純禾選手と、初戦4位の和田薫子選手。ここに初戦2位のキムユジェ選手、初戦3位のソフィージョリンフォンフェルテン選手に、スイスのエリザベスディバーン選手、さらに昨年2戦表彰台の韓国、コナヨン選手もいます。金沢選手は3位表彰台でファイナル当確、和田選手は優勝すればチャンス大きく広がる、という条件ですが、なかなか大変なメンバー集まりました。
男子は初戦優勝の西野選手が、中田選手、ソミンギュ選手に続いて2戦2勝でファイナル進出を決められるか、さらに初戦4位の蛯原大弥選手も出場します。そこに初戦230点台で2位のチェハビン選手、初戦3位のガルトゥング選手が出てきます。