西日本選手権 未来ある23歳たち

先週の東日本に続いて、西日本選手権が行われました。

 

○女子シングルシニア 上位15名

Pl Name Nation Total SP FS
1 三宅 咲綺 シスメックス 209.41 65.87 143.54
2 山下 真瑚 中京大学 196.12 67.82 128.3
3 三原 舞依 シスメックス 172.66 62.31 110.35
4 清水 咲衣 同志社大学 152.12 61.98 90.14
5 岩崎 陽菜 甲南女子大学 150.01 52.61 97.4
6 大庭 雅 東海東京FH 147.51 49.93 97.58
7 森 実愛 名城大学 146.03 49.81 96.22
8 鴨井 彬莉彩 福岡フィギュアアカデミー 145.14 53.3 91.84
9 横井 きな結 中京大学 143.83 51.1 92.73
10 寺島 綾優 近畿大学FSC 142.16 48.49 93.67
11 重田 美星 同志社大学 141.53 51.69 89.84
12 鈴木 なつ 関西大学 140.78 46.24 94.54
13 柴野 ちりさ Kanseiアカデミー 137.4 48.62 88.78
14 杉山 菜那 中京大中京高校 136.23 48.51 87.72
15 髙原 奈々子 福岡フィギュアアカデミー 132.13 45.97 86.16

三宅咲綺選手が2連覇を果たしました。ショート2位で迎えたフリー。143.54というスーパースコアを出してトータル209.41 結果的には圧勝です。ミニマム取得用のゴールデンスピン派遣の基準ライン205点を超えましたが、木下杯でミニマムは獲っていますので、派遣はないはずです。

2位は2年連続で山下真瑚選手が入っています。こちらもショートフリー共に素晴らしい出来だったのですが、フリー後半のルッツで転倒。これがもったいなくて200点にはわずかに届かない結果となりました。

3位は三原舞依選手が入っています。一番いいころと比べると、やはりどうしても差がありますが、それでも笑顔で滑り切って問題なく全日本出場権獲得です。

上位3選手は昨季今期の国際大会でオリンピックのミニマムスコアは取得していますので、全日本選手権に、オリンピック代表選考の可能性を残します。

西日本からの全日本出場枠は10ありますが、松生理乃選手、吉田陽菜選手がグランプリ派遣免除なので、この大会からは8位までが通過です。ショート10位だった大庭雅選手は、フリー終わった時点では際どいかな? というラインにいましたが6位で全日本出場権獲得。女子で初の30代の全日本出場権獲得となりました。一方、ショート8位につけていた横井きな結選手はフリーで伸びず9位に。2年ぶりの全日本出場権獲得はここで決まらず、全日本ジュニアの結果待ちとなります。143.83というスコアは東日本と合わせた結果待ち選手の中で2番目。ジュニアのレベルを考えると、少し厳しい位置になります。

今大会で全日本を決めるためのラインは145.14 昨季は142.68で通過でしたので、少しラインは上がりました。昨年10位で出場権を掴めなかった鴨井彬莉彩選手が初の出場権獲得。中四国九州からも1人、全日本に手が届きました。鴨井選手の他、5位の岩崎陽菜選手、7位の森実愛選手の3名は初全日本となりました。

 

○三宅咲綺選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   0.96 8.96 1.286
2 3T+3T   8.40   1.26 9.66 3.000
3 3Lz   5.90   0.94 6.84 1.429
4 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
5 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 1.857
6 3F!+2T ! 6.60   -0.11 6.49 -0.143
7 3Lo+2A+2A+SEQ   12.65 x 1.18 13.83 2.286
8 3S   4.73 x 0.77 5.50 1.857
9 3Lo   5.39 x 1.08 6.47 2.286
10 ChSq1   3.00   1.60 4.60 3.000
11 FSSp4   3.00   0.12 3.12 0.429
12 FCCoSp4   3.50   0.42 3.92 1.429
  TES   68.57   10.09 78.66  

トリプルアクセル公式戦初成功。プラス評価をしっかり受けました。2回飛ぶジャンプはループとトーループ。スピンステップオールレベル4で68.57の基礎点となります。ほぼノーミス。フリップのアテンションが1つあったのがマイナス要素としてあったくらいです。

フリーで130点台も出したことなかった選手が143.54というすごいスコアを出してきました。

西日本選手権は2試合平均スコア計算の連盟指定大会です。このスーパースコアで5番目に入ってきました。5番目にいると、オリンピックの代表選考でも2人決まった後に3人目の選考対象の土台に上がって来る可能性があります。グランプリシリーズに出たことも無い、海外の国際大会に出たことも無い、という選手が、オリンピックの代表選考に上がってきます。ショートでステップ転倒からスピンレベル3Vというあたりで失った点が結構あったので、そこもノーミスなら215点まで届いていました。

さすがに確率的にはかなり低いとは思いますが、ひょっとすればひょっとする、という位置に来ています。現実的には、全日本で上位にまで来たら、4大陸には選びたいよな、と思うのが自然な感覚でしょうか。大学を卒業してからの国際大会デビュー。アンバーグレン選手のトリプルアクセル最年長記録を塗り替える可能性が、このさきあったりするのかもしれません。

 

○女子シングル シニア 要素別スコア(上位15名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 三宅 咲綺 209.41 96.40 69.86 10.92 21.14 12.09
2 山下 真瑚 196.12 93.60 65.37 2.55 21.30 14.30
3 三原 舞依 172.66 86.27 54.76 -3.53 22.64 12.52
4 清水 咲衣 152.12 76.66 47.99 -2.61 19.51 10.57
5 岩崎 陽菜 150.01 69.01 55.29 -1.96 18.88 9.79
6 大庭 雅 147.51 73.67 49.49 -5.07 19.77 10.65
7 森 実愛 146.03 67.34 52.41 -2.14 19.95 9.47
8 鴨井 彬莉彩 145.14 69.94 46.25 -1.26 21.24 8.97
9 横井 きな結 143.83 72.40 50.13 -5.40 19.32 9.38
10 寺島 綾優 142.16 65.41 49.79 -0.89 19.03 8.82
11 重田 美星 141.53 63.88 51.15 -2.60 20.37 9.73
12 鈴木 なつ 140.78 67.33 43.62 -3.76 22.07 11.52
13 柴野 ちりさ 137.40 66.42 42.93 -1.34 19.97 10.42
14 杉山 菜那 136.23 62.72 47.75 -2.13 19.68 9.21
15 髙原 奈々子 132.13 62.33 44.51 -4.49 21.99 9.79

PCSは三宅選手が8点平均となる96点を超える評価を受けました。山下選手が93点台、三原選手は7点平均を少し超えた86.27でした。やはり上位3選手は別格です。

ジャンプの基礎点は三宅選手が69.86あります。今期国内のシニアでは中井亜美選手に次ぐ2番目のジャンプ基礎点です。山下選手も65.37ありました。高難度ジャンプ無しではかなり高い基礎点になります。

加点は三宅選手の+10.92が圧倒的。二桁加点はなかなか見られない水準です。

スピンは三原舞依選手が1位でした。さすがです。2番目は総合12位の鈴木なつ選手。22点台くらいまでよく出してくるスピンが得意な選手です。三宅選手は21.14 ショートでレベル3Vが1つあったのも痛いですが、フリーはスピンで案外加点が取れていませんでした。その辺の伸び代は残っています。

ステップ系要素は山下選手が14.30で1位です。豪快ルッツと天然キャラが目立ちがちですが、ステップの評価も高い選手です。今回のコレオは平均GOE+4.286 +5を付けたジャッジが2人という非常な高評価を受けていました。

 

○男子シングル シニア(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 杉山 匠海 岡山大学 203.67 68.25 135.42
2 中村 俊介 木下アカデミー 202.27 69.86 132.41
3 片伊勢 武 アミン 関西大学 200.76 73.41 127.35
4 門脇 慧丞 倉敷FSC 186.87 59.46 127.41
5 森本 涼雅 同志社大学 180.65 59.70 120.95
6 朝賀 俊太朗 関西大学 176.65 64.09 112.56
7 木科 雄登 関西大学 176.39 65.75 110.64
8 松岡 隼矢 福岡フィギュアアカデミー 167.85 59.27 108.58
9 三原 庸汰 ノイエス金沢FSC 166.20 55.47 110.73
10 樋口 温之 関西大学 164.71 55.56 109.15
11 三島 悠生 ひょうご西宮FSC 157.03 55.68 101.35
12 前川 裕士 大公大FSC 154.45 54.18 100.27

杉山匠海選手が西日本選手権初優勝となりました。最終的には僅差の勝負でしたが、ショート3位からの逆転勝利ということになります。

中村俊介選手が2位。こちらはショートフリー共に2位です。最近は4回転が決まっておらず、今回もフリーで1本入れた4回転トーループは転倒。ちょっと苦労していますが、全日本出場権獲得には全く問題ありませんでした。

3位はショート1位だった片伊勢武アミン選手が入りました。ショートよかったのですがフリーはジャンプ決まらず。それでも逃げ切れる可能性はあったのですが、最後のステップの転倒が最終的には致命傷で優勝を逃す形となりました。

男子シニアの全日本進出枠は11 そのうちグランプリシリーズ派遣で3人が免除なので、今大会は8位までが全日本進出確定となります。今期シニア1年目で5位に入った森本涼雅選手は全日本初切符となりました。昨季はボーダーが148.68だったのですが、今期は166.20ということで、一気に難易度が上がりました。

9位以下の選手は全日本ジュニアの結果待ちとなりますが、今大会で9位の三原庸汰が東日本と合わせて2番目のスコアで残っています。女子もそうでしたが、男子もジュニアのレベルを考えるとやや厳しい位置かと思います。

 

○杉山匠海選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A+2T   9.30   1.60 10.90 2.143
2 1A   1.10   0.00 1.10 0.000
3 3Lo   4.90   0.98 5.88 1.857
4 3S   4.30   0.86 5.16 1.429
5 CCoSp3   3.00   0.66 3.66 2.286
6 StSq3   3.30   0.73 4.03 2.286
7 3Lz+2T   7.92 x 0.35 8.27 0.714
8 3F!q+2A+1A+SEQ !,q 10.67 x -1.27 9.40 -2.571
9 3Lz   6.49 x 1.06 7.55 1.714
10 ChSq1   3.00   1.20 4.20 2.286
11 FSSp3   2.60   0.42 3.02 1.571
12 FCCoSp4   3.50   0.49 3.99 1.429
  TES   60.08   7.08 67.16  

トリプルアクセル2本、トリプルルッツ2本という構成です。今回はアクセル2本目は抜けました。スピンは1つレベル4、ステップレベル3で基礎点60.08という構成になっています。

西日本選手権は初優勝ですが、フリーでもトータルでももっといいスコアを出した実績はありますし、会心の演技ということでもなかったかと思います。

岡山大学の5年生になりました。5年かけて卒業する計画、と最初から言っていたかと思いますが、今後はどうされるのでしょう? 岡山大学の理学部だと一般的には修士へ進むのが既定路線かとは思うのですが、アスリートとしてのキャリアとしてはどうなんでしょう? 今期で集大成という声は聞かないので継続予定ですかね? 全日本最高位は昨年の15位。 それを上回る活躍が期待されます。

 

○男子シングルシニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 杉山 匠海 203.67 100.40 68.08 2.98 21.17 11.04
2 中村 俊介 202.27 102.92 75.29 -4.78 19.19 10.65
3 片伊勢 武 アミン 200.76 104.51 69.13 -0.80 21.64 8.28
4 門脇 慧丞 186.87 96.58 55.76 3.83 20.80 9.90
5 森本 涼雅 180.65 95.25 63.08 -3.09 17.08 9.33
6 朝賀 俊太朗 176.65 93.50 51.49 -0.50 20.02 12.14
7 木科 雄登 176.39 97.75 57.61 -7.39 17.70 11.72
8 松岡 隼矢 167.85 91.50 48.77 1.86 17.47 8.25
9 三原 庸汰 166.20 94.00 43.55 -5.64 22.08 13.21
10 樋口 温之 164.71 85.74 57.78 -5.65 19.03 8.81
11 三島 悠生 157.03 87.00 40.82 0.59 19.40 9.22
12 前川 裕士 154.45 75.25 55.64 -1.09 17.01 7.64

PCSはグランプリシリーズの出場経験もある片伊勢選手が1位。上位3選手は100点に到達しました。

ジャンプの基礎点は4回転を構成に入れた中村選手が1位です。シニアで4回転を入れたのは中村選手のみでした。加点は大きく得られた選手はいなかったですが、総合4位の門脇慧丞選手が+3.83で1位です。素晴らしいシンドラーのリストでした。

スピンは総合9位の三原庸汰選手が22点台に乗せて1位です。中部選手権では23点台も出していましていて、スピンが得意でショートもフリーもスピンから始まるという少し変わった構成を組む選手です。

ステップ系要素も三原庸汰選手が1位。ジャンプがもう少し入れば全日本に手が届いたのですが、現状は全日本ジュニアの結果待ち。椅子は回って来るでしょうか?

 

○女子シングル ジュニア(上位18名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 櫛田 育良 木下アカデミー 189.26 65.96 123.30
2 岡 万佑子 木下アカデミー 184.07 59.71 124.36
3 金沢 純禾 木下アカデミー 181.42 62.31 119.11
4 山田 恵 木下アカデミー 174.99 58.16 116.83
5 岡田 芽依 名東FSC 171.73 58.71 113.02
6 松浪 ひかり 関空スケート 166.00 54.63 111.37
7 一貫田 紗生 関空スケート 164.41 53.82 110.59
8 上薗 恋奈 神戸クラブ 160.74 57.98 102.76
9 村上 遥奈 木下アカデミー 160.37 55.36 105.01
10 和田 薫子 中京大中京高校 150.37 55.34 95.03
11 吉田 菫 蒼明学院中等部 139.08 42.94 96.14
12 川勝 玲奈 木下アカデミー 138.28 49.74 88.54
13 有松 美咲 福岡フィギュアアカデミー 135.09 47.26 87.83
14 星 碧波 グランプリ東海クラブ 131.93 44.52 87.41
15 花等 貴咲乃 グランプリ東海クラブ 123.40 42.63 80.77
16 堀池 礼姫 沖学園 117.36 43.94 73.42
17 山本 七海 倉敷FSC 116.83 43.90 72.93
18 森岡 邦和SC 112.39 41.22 71.17

世界ジュニア経験者が3人、ペアも入れてよければ4人、それとは別に、ジュニアグランプリファイナル出場権を持つ選手が3人、超豪華メンバーで行われたジュニア女子は、ファイナル組を3人を前座で滑らせてのフリー最終滑走というシチュエーションになった櫛田育良選手が初優勝となりました。ショートのリードを活かしてフリーは逃げ切りました。

2位は岡万佑子選手。ショートはジャンプ乱れて出遅れましたがフリーは1位。トリプルアクセルは転倒となりましたがただ1人基礎点は満額入りました。

3位は金沢純禾選手。トリプルアクセルを入れてきておりましたがダウングレード。なかなかアクセルは難しい。他はまとめたのですが国際大会と比べてPCSがもらえず、本人比ではスコア伸びませんでした。

国際大会組に割って入ったのが山田恵選手。ここ2年全日本ジュニアは11位。全日本にあと少し届いていないのですが、今期は手が届きそうな位置にいます。

ジュニアグランプリファイナルのチケットを持つもう1人、岡田芽依選手は5位。トリプルアクセルを投入して降りましたがダウングレードでした。痛かったのは次のフリップの転倒。また、どうしても国際大会よりPCSがもらえない国内ジュニア、ということでスコアは本人比ではあまり伸びない形となりました。

今期絶不調で、全日本ジュニアへ進むのも危ないのではないかと心配された上薗恋奈選手、流石、しっかりここに合わせてきて160.74で8位に入ってきました。200点出して全日本4位、世界ジュニア表彰台経験もある選手を掴まえて、160点で素晴らしいは失礼ですが、今期これまで12本とんで成功ゼロだったトリプルルッツを、今大会は3本決めてきてかなりの復調具合を見せています。

昨季優勝の和田薫子選手は10位。ショートフリーでダウングレード3つ、アンダーローテーション7つ。ジャンプ苦しみました。マーク付かなかったのは単独ダブルアクセルのみ。逆にこれだけ取られて、抜け2回転とか転倒とかせずに、しっかりジャンプ要素としてすべて入ってくるのはすごいと思います。これ以上下は無いので、あとは上がるだけかと思います。

ジュニア女子の全日本ジュニア進出枠は14 櫛田選手と和田選手がシードながら出場しているので、16位まで全日本ジュニアへ進めます。ボーダーラインは117.36 昨季の128.29からはだいぶ下がりました。

 

○櫛田育良選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
2 3Sq Fq 4.30   -2.15 2.15 -5.000
3 3Lo   4.90   0.88 5.78 1.714
4 3F+2A+SEQ   8.60   0.95 9.55 1.714
5 FCCoSp3V   2.25   0.23 2.48 1.000
6 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 0.71 10.50 1.143
7 2A   3.63 x 0.33 3.96 1.000
8 ChSq1   3.00   1.70 4.70 3.571
9 3F   5.83 x 0.74 6.57 1.429
10 LSp4   2.70   0.54 3.24 2.000
11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
  TES   58.60   6.16 64.76  

2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。スピンは1つ3Vになりました。基礎点は58.60 スピンレベル4取れれば59.85になる構成です。

サルコウ転倒した時には、優勝は無いかな、とも思ったのですが、あとしっかり滑って僅差で逃げ切りました。滑りはシニアがジュニアに混ざってる、みたいな雰囲気を出していて、そりゃあPCSでるよなあ、と思うのですが、しゃべりだすと、ジュニアですね、間違いないです、みたいな気分になります。

アイスダンスとの2冠。フィギュアスケートで2冠って、大きな別々の2試合に勝って2冠、というのはまあ聞くのですが、同じ大会で2種目勝って2冠って初めて聞きました。フィギュアスケートに2冠という概念を作り出した選手、ということになるでしょうか。オリンピック出場可能性を残していて、この先のスケジュールは、全日本ジュニア、ゴールデンスピン全日本選手権、となります。全日本はオリンピック代表の椅子も、世界ジュニア代表の椅子も、逆転の可能性を賭けて4本滑るという、ほとんどマンガみたいな状況になるはずです(全日本ジュニアで優勝して世界ジュニアの椅子は先に獲っていたら謝ります)

 

○女子シングルジュニア要素別スコア(上位18名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 櫛田 育良 189.26 88.80 65.94 5.27 21.26 8.99
2 岡 万佑子 184.07 83.07 72.83 -2.59 22.15 9.61
3 金沢 純禾 181.42 81.26 68.23 2.41 21.73 7.79
4 山田 恵 174.99 77.27 64.59 3.36 21.68 8.09
5 岡田 芽依 171.73 79.15 66.16 -4.17 22.73 8.86
6 松浪 ひかり 166.00 71.80 64.63 1.03 21.42 7.12
7 一貫田 紗生 164.41 69.00 65.63 3.32 20.04 6.42
8 上薗 恋奈 160.74 76.21 55.62 2.34 20.70 6.87
9 村上 遥奈 160.37 75.46 53.60 2.21 20.52 8.58
10 和田 薫子 150.37 76.86 49.46 -5.60 22.83 6.82
11 吉田 菫 139.08 64.67 56.14 -5.24 20.15 6.36
12 川勝 玲奈 138.28 70.73 54.14 -8.29 17.23 6.47
13 有松 美咲 135.09 60.20 54.34 -3.55 19.40 4.70
14 星 碧波 131.93 65.14 47.29 -8.92 22.90 6.52
15 花等 貴咲乃 123.40 56.40 42.23 2.36 17.11 5.30
16 堀池 礼姫 117.36 59.20 37.14 -0.93 19.24 3.71
17 山本 七海 116.83 58.79 34.40 -3.25 20.53 6.36
18 森岡 112.39 56.87 35.00 -6.15 22.81 5.86

PCSは櫛田選手が7.5平均の90点に近いところまで出しました。岡選手が7点平均に少し欠ける83.07で2番目です。岡選手、金沢選手、岡田選手、今期ファイナルに進む3選手は国際大会と比べて、かなりPCSは低めな水準となりました。

ジャンプの基礎点はトリプルアクセルを基礎点満額もらった岡万佑子選手が70点台に乗せて1位です。金沢選手が2番目。アクセルダウングレードですが、それでもダブルアクセル3本入った、みたいな計算になるので、トリプルアクセル無し構成より基礎点高くなります。

加点は櫛田選手が1位です。転倒1つありましたが、それでも5点を超える加点になりました。

スピンは総合14位の星碧波選手が国際大会組を全員抑えて1位です。ジャンプはうまくいかなかった和田薫子選手ですが、こういうところはさすがでスピンは2位。さらに18位の森岡凛選手が22.81で3番目でした。女子は全日本ジュニアに届くかどうか位の選手もしっかりスピンで点を取ってきます。

ステップ系要素は岡万佑子選手が9.61で1位でした。岡選手はいつも9点台後半を当たり前に出してきますが、これはジュニアとしてはかなり高い水準です。

 

○男子シングル ジュニア(上位15名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 高橋 星名 木下アカデミー 206.47 70.15 136.32
2 岡崎 隼士 蒼明学院中等部 202.37 68.54 133.83
3 田内 誠悟 星槎国際名古屋 188.65 64.32 124.33
4 小河原 泉颯 岡山理大附属高校 185.03 62.92 122.11
5 三島 舞明 愛知みずほ大瑞穂高 184.18 64.11 120.07
6 植村 駿 就実学園 183.93 65.15 118.78
7 芳岡 優希 グランプリ東海クラブ 176.47 53.81 122.66
8 佐藤 和那 邦和みなとスケート部 162.55 56.18 106.37
9 佐野 海音 京都アクアリーナSC 161.32 56.56 104.76
10 大村 健太 関西高等学校 161.08 56.31 104.77
11 花井 広人 愛知みずほ大瑞穂高 159.95 57.69 102.26
12 織田 信義 関西大学 158.83 52.67 106.16
13 吉岡 祐誠 沖学園 155.54 56.96 98.58
14 神谷 帆鷹 邦和SC 151.44 54.87 96.57
15 吉岡 陽稀 沖学園 150.93 45.70 105.23

男子ジュニアはシードを持っている高橋星名選手がしっかり優勝しました。ただ、スコアは本人比では今一つ。まあ、ジュニアグランプリシリーズから全日本ジュニアの間の調整試合ですので、細かいこと気にしても仕方ないのかもしれません。

2位にはジュニア2シーズン目、岡崎隼士選手が入りました。トリプルアクセルを初成功。それもショートフリー共に決めて初の200点超え。来期はジュニアグランプリシリーズで滑っているのではないかと思われます。4回転トーループも今回は回避しましたが8月の2戦では入れていたので現在トレーニング中と思われます。

3位は田内誠悟選手が入りました。中京大中京高校から3年生になる時期に星槎国際名古屋に所属も変わりました。昨季全日本ジュニア9位で届かなかった全日本へ、2年ぶりの出場が見込めそうな調子に今期は見えます。

アイスダンスのジュニアの部にも出場していた小河原泉颯選手が4位です。アイスダンスでは3位表彰台でしたが、こちらはわずかに表彰台には届かず。185.03は自己ベスト相当。初めてショートフリー2本のトリプルアクセルを決めました。

5位の三島舞明選手は4回転トーループを2本決めてきました。ただ、セカンドは1回転に。トリプルアクセルのセカンドも1回転が付いていました。その分スコアが思ったほど伸びずの5位。それでも2期ぶりの全日本ジュニアとなりました。

男子ジュニアの全日本ジュニア進出枠は11、高橋星名選手がシードなので今大会では12位までが進めます。ジュニア最終年となった織田信義選手が2年ぶり、全日本ジュニアの切符を逆転でつかみ取りました。

 

○高橋星名選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2S   1.30   -0.13 1.17 -1.000
2 3Lz F 5.90   -2.95 2.95 -5.000
3 3A+2T   9.30   0.96 10.26 1.286
4 CCSp4   3.20   0.77 3.97 2.429
5 ChSq1   3.00   1.00 4.00 1.857
6 3A   8.00   0.80 8.80 1.000
7 3F+2A+2A+SEQ   13.09 x 0.95 14.04 1.714
8 3Lo+3T   10.01 x 0.49 10.50 1.000
9 FSSp4   3.00   0.42 3.42 1.429
10 3F   5.83 x 0.85 6.68 1.571
11 CCoSp4   3.50   0.77 4.27 2.286
  TES   66.13   3.93 70.06  

冒頭は4回転サルコウのつもりだったかと思いますが2回転になりました。8月の北九州オープンフィギュアで1度決めていますが、その後の試合では決まってきていません。トリプルアクセルは2本決まりました。ルッツを転倒。フリップを2回飛んでいます。

トータル206.47は本人比では平凡も平凡です。4回転無しでも220点台後半までもう出せるのですが、そこに4回転を入れようとして今のところ苦労しているという段階かと思います。今回は序盤うまくいかなかったですが後半はしっかりジャンプ決まっていました。いつかどこかで4回転は安定して入ってくると思うのですが、それが全日本ジュニアになるか、ジュニアグランプリファイナルになるか? 今期中に1本入ってきてほしいなあ、と思っていたりします。

 

○男子シングルジュニア 要素別スコア(上位15名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 高橋 星名 206.47 100.84 77.44 -1.48 22.71 7.96
2 岡崎 隼士 202.37 92.42 78.50 3.44 21.05 6.96
3 田内 誠悟 188.65 96.93 67.68 -5.37 21.18 8.23
4 小河原 泉颯 185.03 87.41 68.59 1.35 20.25 7.43
5 三島 舞明 184.18 87.92 71.68 1.04 18.62 5.92
6 植村 駿 183.93 100.07 64.30 -6.19 19.53 7.22
7 芳岡 優希 176.47 68.42 92.19 -5.25 17.04 4.07
8 佐藤 和那 162.55 79.10 68.50 -9.11 18.06 6.00
9 佐野 海音 161.32 78.84 68.19 -7.46 17.49 6.26
10 大村 健太 161.08 82.24 51.52 3.46 17.60 6.26
11 花井 広人 159.95 79.51 53.88 -1.94 21.64 6.86
12 織田 信義 158.83 85.43 48.89 2.54 16.25 6.72
13 吉岡 祐誠 155.54 82.43 46.38 1.09 19.17 6.47
14 神谷 帆鷹 151.44 79.66 50.64 0.18 14.40 6.56
15 吉岡 陽稀 150.93 73.00 56.87 -3.41 19.31 6.16

PCSはジュニアグランプリ組2人、高橋選手と植村選手が100点に乗りました。

ジャンプの基礎点は芳岡優希選手が92.19と突出しています。4回転をループ、サルコウトーループ2本という4本構成。1本目のトーループ以外はアンダーローテーションになりましたがすべて降りてはいます。他の部分の課題は山盛りなのですがジャンプ構成の破壊力はワールドクラスです。

加点を大きく稼いだ選手はいなかったのですが、総合10位の大村健太選手が+3.46で1位でした。構成的には高くないものの、しっかり決めたことが全日本ジュニアにつながっています。

スピンはさすがの高橋星名選手が1位ですが、2番目は総合11位の花井広人選手でした。

ステップ系要素は田内誠悟選手が8.23で1位でした。

 

今大会はアイスダンスもあったのですが、それも含めて23歳、大学卒業初年度にあたる選手の活躍が目立った印象の試合でした。女子の三宅咲綺選手、山下真瑚選手は意外な感じがしますが同期で今年の3月にそれぞれ大学を卒業しています。シングルには出てこられませんでしたが紀平梨花選手もこの世代です。浦松千聖選手も昨季までシングルスケーターとして活躍しつつ、今年大学を卒業してアイスダンスの選手として今回は登場してきました。男子も岡山大学5年生、通常なら3月に卒業している星回りな杉山匠海選手が優勝しました。4位に入った門脇慧丞選手も3月に大学を卒業しています。アイスダンスの島田高志郎選手や西山真瑚選手は学年的にはもう1つ上でしょうか。

一昔前は、大学を卒業しても競技を続けている選手は一握りのトップ選手のみでした。紀平選手はその一握りに含まれる実績を持った選手かとは思いますが、三宅選手でも、国際大会デビューは大学卒業してからということで、大学在学中はその一握りに入るような選手ではありませんでした。これくらいの位置の選手が、それぞれ様々な形ではありますが、競技を続けることができるようになってきた、というのが、良かったなあと思います。

 

いつもは東西選手権終わったら間1週で全日本ジュニアだったかと思うのですが、今期は間2週で全日本ジュニアです。その分、全日本ジュニアとジュニアグランプリファイナルが間1週しかなく、全日本まで間1週で3連戦、という形をジュニアグランプリファイナル組と、ゴールデンスピンの櫛田選手は強いられる形になります。