西日本選手権 何やってるの?

いろいろな意味で注目の西日本選手権でしたが、最大の話題はリンクの外、滑りの外、というなかなか残念な結末もありました。

 

○男子シングルシニア 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 織  田  信  成 大阪スケート倶楽部 216.75 61.30 155.45
2 三  宅  星  南 関空スケート 213.61 78.82 134.79
3 杉  山  匠  海 岡山大学 207.00 70.05 136.95
4 櫛  田  一  樹 倉敷FSC 203.83 68.11 135.72
5 木  科  雄  登 関西大学 200.02 67.10 132.92
6 佐々木  晴  也 京都大学 198.88 77.30 121.58
7 本  田  ルーカス剛史 木下アカデミー 195.21 67.41 127.80
8 誉  田  知  己 中京大学 158.44 53.20 105.24
9 戸  田  晴  登 北九州FSC 153.02 51.81 101.21
10 鈴  木  零  偉 福岡フィギュアアカデミー 144.47 46.45 98.02
11 三  島  悠  生 ひょうご西宮FSC 142.30 45.05 97.25
12 前  川  裕  士 大公大FSC 141.17 45.71 95.46

織田信成選手が復活優勝。ショートはコンビネーションが抜け転倒で零点となって7位スタートと出遅れましたが、フリーはしっかり滑って順当に逆転優勝です。さて10年ぶりの全日本と思いましたが、ドーピング機構の取り決めによる大会6か月前までの復帰手続き等の漏れにより全日本には出場できないと。ジャンプの数数えられないとして算数ドリルを誰かにプレゼントされた逸話がありましたが、カレンダーの日数も数えられなかったということで。らしいと言えばらしいのですが、拍子抜けと言えば拍子抜けでした。

2位にはショート1位の三宅星南選手。国際大会への復帰を目指す立場としては、フリーはもう少し出したかったでしょうか。4回転無し構成のところで後半の普通の3回転での2転倒が大変残念でした。

岡山大学3年生の杉山匠海選手が3位表彰台です。フリー136.95は自己最高スコアでトータル初の200点越えです。昨季の全日本は27位のショート落ち。今期はフリー進出から躍進を目指します。

櫛田一樹選手が4位に入ってきました。あと1年あと1年と現役を積み重ねてきた櫛田選手。フリー135.72は初の130点超え。トータル203.83は2度目の200点超えで自己最高スコアです。自己最高16位の全日本でどこまで出せるか?

木科雄登選手は5位。8回目の全日本へコマを進めます。昨季25位に終わった全日本はリベンジの場です。関西大学4年生。去就はわかりませんが区切りのシーズン。できればトリプルアクセルまでは取り戻したいのですが、どうでしょう? ショートに入れて決められれば問題なくフリーへ進めると思うのですが、あと2か月でどうなるか?

京都大学の佐々木晴也選手が6位。今期から4回転トーループにチャレンジしていますが転倒でした。ただ基礎点満額は入って、トリプルアクセルは決めて、際どい勝負の中で6位に入って全日本出場権確保です。

本田ルーカス剛史選手が7位。ペアの練習もあってジャンプの練習に時間が割けないのでしょう。トリプルアクセルが構成にも入ってこないのは厳しく全日本進出ラインの6位までに入れず落選。と思いましたが、織田選手のカレンダー数えられず事件により繰り上げ出場権獲得です。ペア次第ではありますが、順当にいけば、全日本でペアとシングルの2本出場ということになります。

全日本出場ラインは3.67の差と割と競った試合だったかと思いきや、結果的には36.77の差が付いた形でしたので、惜しくもなんともなく、順当に決まりましたね、という形の6人となりました。

 

織田信成選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+3T   13.70   3.04 16.74 3.286
2 4T   9.50   2.66 12.16 2.714
3 3A+1Eu+3Sq q 12.80   -2.40 10.40 -3.000
4 3Lo   4.90   1.37 6.27 2.714
5 ChSq1   3.00   0.60 3.60 1.286
6 3F! ! 5.83 X 0.42 6.25 0.857
7 CCoSp4   3.50   0.49 3.99 1.429
8 3A F 8.80 X -4.00 4.80 -5.000
9 3Lz+2A+SEQ   10.12 X 0.94 11.06 1.714
10 FCSp1   1.90   -0.61 1.29 -3.000
11 StSq2   2.60   0.68 3.28 2.429
12 FCSSp3   2.60   0.57 3.17 2.143
  TES   79.25   3.76 83.01  

4回転2本成功。それも平均GOEでどちらも2を超え、1つ目は+3.286 復帰前は±3ルール時代ですので、こんなに加点が付いた4回転は初めてとなります。後半のトリプルアクセル転倒は残念でした。2回飛ぶジャンプは4回転トーループトリプルアクセル。セカンド3回転あり、3連3サルコウあり、シークエンスアクセルあり。現行ルールにしっかり馴染んでジャンプの基礎点は取れるだけ取っての基礎点79.25 普通にグランプリシリーズ戦える基礎点です。スピンはレベル1が1つあったりステップもレベル2だったり、そちらの方はあまり点が取れていません。その辺しっかりできれば基礎点80点超えていきますが、なかなか大変なのでしょう。

この先、どうするのでしょうか? もう1年やって、ちゃんと全日本に出ても、10位以内くらいには入れる力がありそうで、強化指定選手にもなれそうで、国際舞台にまでも復帰できそうな気もしますが。というかグランプリシリーズの復帰枠も持ってそうですし。そんな姿を見てみたい気もしますが、計算はちゃんとしてほしいです。ドーピング関係できちんと対応するのは、元とは言えトップアスリートの責務だと思います。

 

○男子シングル シニア 要素別スコア(上位8名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 織  田  信  成 216.75 108.93 81.53 2.90 14.55 10.84
2 三  宅  星  南 213.61 110.75 73.16 0.33 19.95 12.42
3 杉  山  匠  海 207.00 102.75 75.44 -1.30 19.04 11.07
4 櫛  田  一  樹 203.83 105.34 65.58 3.21 18.51 11.19
5 木  科  雄  登 200.02 104.50 62.97 -1.54 21.67 12.42
6 佐々木  晴  也 198.88 105.67 68.42 -1.72 17.42 10.09
7 本  田  ルーカス剛史 195.21 105.66 58.77 1.57 17.73 12.48
8 誉  田  知  己 158.44 80.84 61.93 -5.11 14.02 8.76

織田選手はPCSは1位にはなっていません。この辺は、流石につなぎモリモリ入れてジャンプもしっかり、という構成はなかなか組めなかったということかと思います。さすがの国際大会経験組、三宅選手がPCSは1位でした。

ジャンプの基礎点は織田選手のみ80点超えで1位。4回転しっかり降りたのは織田選手だけですし、それはまあそうでしょう、ということにはなりました。

加点の方はプラス評価になるのがまず大変です。その中で櫛田選手が+3.21まで出して1位。織田選手も2位でした。

スピンは20点超えが木科選手のみです。載っていませんが9位の戸田選手も20点に達して2位。織田選手はスピンで点が取れていません。

ステップ系要素は本田ルーカス剛史選手が1位でした。織田選手はここも弱いです。

 

○女子シングル シニア(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 山  下  真  瑚 中京大学 181.60 66.39 115.21
2 三  宅  咲  綺 岡山理科大学 179.03 65.94 113.09
3 清  水  咲  衣 木下アカデミー 161.89 56.80 105.09
4 鈴  木  な  つ 関西大学 161.88 56.25 105.63
5 大  庭      雅 東海東京FH 159.87 49.86 110.01
6 荒  木  菜  那 中京大学 146.30 52.28 94.02
7 白  岩  優  奈 関西大学 146.21 50.25 95.96
8 籠  谷  歩  未 神戸クラブ 143.97 49.08 94.89
9 柴  野  ちりさ 甲南女子大学 140.25 49.39 90.86
10 森      実  愛 名城大学 130.63 44.03 86.60
11 鴨  井  彬莉彩 福岡フィギュアアカデミー 129.31 43.51 85.80
12 高  岡  も  も 中京大中京高校 129.02 39.74 89.28

山下真瑚選手が西日本選手権初優勝となりました。ショートは全要素プラス評価の66.39 トップ選手と遜色ないところまで来ています。フリーは全体的に今一つながらなんとかしのぎ切ったという形でしたでしょうか。ショートの演技が2本出来たら国際舞台復帰できるように感じました。

2位は昨季躍進した三宅咲綺選手。ショートよかったですがフリーはジャンプが思ったように決まらずと山下選手と同じ試合展開でした。ショートの演技がフリーでもできれば国際大会に手が届きそうですが、すでに大学3年生。今期の全日本がもしかしたら国際大会に手を届かせるためのラストチャンスになるのかもしれません。

今期から木下アカデミーに加入しシニアカテゴリーに初エントリー。高校3年生の清水咲衣選手が3位表彰台です。ショート56.80は自己最高スコアで、初の全日本となりました。清水選手は今季からペアを滑っていて、来週の東日本選手権にエントリー。全日本はペアとシングル2本出場となりそうな見込みです。相乗効果と木下アカデミー加入がシングルスケーティングにもいい方向に出ているようです。ペアでは国際大会にも出てミニマム取っ手の世界ジュニア派遣を期待します。

昨季12位で全日本へ進めなかった鈴木なつ選手が4位。久しぶりの160点台で3年ぶり2度目の全日本へ駒を進めています。

大ベテラン大庭雅選手が5位。こちらは12回目の全日本です。最初の出場は2010年で8位でした。28歳。まだまだ行けるでしょう。

昨季は欠場。中部選手権もスコア伸びずの7位で心配された荒木菜那選手が6位で2年ぶりに全日本復活です。

白岩優奈選手も昨季欠場から復活7位。10種類の3-3を操る、と言われていたころと比べると、やはりどうしても見劣りしてしまう部分も否めませんが、いろいろな迷いを経ながらたどり着いた大学4年生での全日本。思うような滑りをしてもらえればなと思います。前週の西日本学生では3Lz+3Tを3年ぶりに決めていました

籠谷歩未選手は届かず8位。2年ぶり3度目の全日本に2.24ポイント届きませんでした。今季ワーストがここで出てしまったのは痛かったです。大学を卒業して社会人1年目。仕事をしながらスケートを続けて半年経ったころ。この生活を続けていけるという感触を持ったか、限界を感じているか。トップ選手ではなくて、これくらいの位置にいる社会人スケーターが増えてほしいと思っているのですが、今後の去就はどうなるでしょうか?

 

○女子シングルシニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 山  下  真  瑚 181.60 89.07 60.58 1.26 19.34 12.35
2 三  宅  咲  綺 179.03 87.87 50.76 4.48 22.31 13.61
3 清  水  咲  衣 161.89 76.60 54.95 -2.45 21.51 12.28
4 鈴  木  な  つ 161.88 80.66 45.16 1.12 22.76 12.18
5 大  庭      雅 159.87 81.35 48.83 -3.64 20.81 14.52
6 荒  木  菜  那 146.30 73.53 44.02 0.12 20.10 9.53
7 白  岩  優  奈 146.21 78.08 45.27 -6.50 18.51 11.85
8 籠  谷  歩  未 143.97 69.59 55.38 -8.51 19.70 8.81
9 柴  野  ちりさ 140.25 68.55 37.82 1.85 20.30 11.73
10 森      実  愛 130.63 64.41 40.88 -1.50 17.71 9.13
11 鴨  井  彬莉彩 129.31 64.74 45.55 -7.30 19.00 9.32
12 高  岡  も  も 129.02 60.13 43.49 -2.50 20.36 8.54

PCSはトータル順位通りに上から2人並びました。ジャンプの基礎点は山下選手が60点に乗せています。籠谷選手はここが2位だったのですが、GOEのマイナスが大きく全選手中最下位。これがあまりに痛かったです。三宅選手は2回転が多くて基礎点は削られましたが決めたジャンプは加点がついて比較的いい出来でした。

スピンは鈴木なつ選手が22点台で1位・三宅選手も22点台を出していて2位です。

ステップ系要素はベテラン大庭雅選手が14点台を付けて1位でした。先週のスケートアメリカでこれを超えたのはヘンドリックス選手のみ。円熟のステップで点を取った大庭選手です。三宅選手も13.61で自己最高のステップスコアでした。

 

○男子シングル ジュニア(上位20名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 中  村  俊  介 木下アカデミー 211.48 77.44 134.04
2 森  本  涼  雅 木下アカデミー 193.69 65.20 128.49
3 朝  賀  俊太朗 大阪スケート倶楽部 189.07 61.11 127.96
4 垣  内  珀  琉 ひょうご西宮FSC 187.13 65.56 121.57
5 高  橋  星  名 木下アカデミー 183.93 61.43 122.50
6 花  井  広  人 邦和みなとスケート部 170.90 57.46 113.44
7 名  倉  一  裕 大阪スケート倶楽部 170.50 61.14 109.36
8 小河原  泉  颯 倉敷FSC 167.46 56.53 110.93
9 佐  藤  和  那 邦和みなとスケート部 162.05 55.01 107.04
10 向  野      慶 神戸ポートアイランドクラブ 158.72 53.56 105.16
11 田  内  誠  悟 富士FC 156.83 52.79 104.04
12 三  島  舞  明 愛知みずほ大瑞穂高 156.20 61.60 94.60
13 小  島  志  凰 浪速中・高スケート部 154.73 52.22 102.51
14 磯  和  大  智 京都宇治FSC 153.03 49.92 103.11
15 大  村  健  太 岡山FSC 151.33 51.16 100.17
16 織  田  信  義 大阪スケート倶楽部 151.20 54.10 97.10
17 末  国  太  樹 岡山理大附高校 149.05 54.39 94.66
18 芳  岡  優  希 グランプリ東海クラブ 144.37 52.13 92.24
19 神  谷  帆  鷹 名古屋FSC 136.90 48.25 88.65
20 吉  岡  祐  誠 沖学園 136.35 48.10 88.25

男子のジュニアは高校3年生になった中村俊介選手が順当に優勝しました。フリーは4回転転倒となり、アクセルも2本目決まらず狙いよりはスコア伸びませんでしたが、ショートのリードを活かしての順当勝ちです。世界ジュニアを考えるともう1段階スコアを上げたいところかと思いますが、まずは全日本ジュニアで優勝を狙いに行きたいというのが先にあるかと思います。

2位は今期はジュニアグランプリ派遣を得られなかった森本涼雅選手が入っています。トリプルアクセルを入れない安全運転。昨季11位で全日本へ進めなかった全日本ジュニアでの上位進出を狙います。

3位は昨季優勝していた朝賀俊太朗でした。昨季196点を出していますので自己ベストではないですが、近畿選手権の175.77からはだいぶ伸ばしてきました。ショート7位、第3グループからの逆転表彰台となりました。

男子ジュニアの全日本進出枠は16 織田信成選手の甥の織田信義選手がぴったり16位。151.20は自己最高スコアで初の全日本ジュニア進出確定です。ジャンプの数は間違えませんでしたが、最後の2つのスピン、1つ目が本来フライング入るはずだったようなのですが、入らずフライング無しのコンビネーションスピン扱い、CCoSpが2回あったとカウントされて、最後のスピンがノーカウント零点に。滑り終わった時点では全日本ジュニア圏外で際どいところでしたが最終的に残りました。

 

○男子シングルジュニア要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 中  村  俊  介 211.48 107.67 79.20 -1.67 19.51 8.77
2 森  本  涼  雅 193.69 94.99 66.43 5.75 18.93 7.59
3 朝  賀  俊太朗 189.07 101.98 64.34 -5.78 21.57 8.96
4 垣  内  珀  琉 187.13 95.08 73.42 -8.06 18.80 7.89
5 高  橋  星  名 183.93 90.66 69.63 -4.83 22.45 7.02
6 花  井  広  人 170.90 84.32 61.81 -4.25 22.16 6.86
7 名  倉  一  裕 170.50 87.92 58.34 -2.55 20.19 8.60
8 小河原  泉  颯 167.46 86.09 50.38 1.52 20.89 8.58
9 佐  藤  和  那 162.05 80.17 62.46 -4.28 19.70 5.00
10 向  野      慶 158.72 78.08 59.11 -0.45 17.08 5.90
11 田  内  誠  悟 156.83 90.83 53.49 -10.18 18.37 7.32
12 三  島  舞  明 156.20 82.25 71.64 -16.63 16.63 6.31

PCSは優勝した中村選手が1位。もう一人、朝賀選手も100点を超えてきています。

ジャンプの基礎点は4回転が入っている中村選手がここも1位です。垣内選手は1つアンダーローテーション付きましたが4回転トーループ2本使いがあってジャンプの基礎点は2位です。三島選手はダウングレード付きましたが4回転ループに、転倒ながら基礎点満額ついて4回転トーループと、すごい構成でジャンプの基礎点は3位でした。結果、ジャンプのGOEがひどいことになっています。

ジャンプの加点は安全運転だった森本涼雅選手が+5.59もらって1位です。基礎点は低いですが、結局ジャンプで得たスコアは2位でした。ジャンプのGOEプラスは全体で3人。総合8位の小笠原選手と、16位だった織田信義選手もプラスでした。

スピンはジュニア1年目の高橋星名選手が22.45で1位。花井広人選手も22点台で2位です。

ショートのステップレベル4は3人、中村俊介選手、名倉一裕選手、小河原泉颯選手といましたが、コレオでただ一人平均GOE+3を超えた朝賀選手がステップコレオの合計点では1位になっています。

 

○女子シングル ジュニア(上位18名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 島  田  麻  央 木下アカデミー 212.85 73.21 139.64
2 柴  山      歩 木下アカデミー 185.18 63.97 121.21
3 和  田  薫  子 グランプリ東海クラブ 184.88 63.41 121.47
4 上  薗  恋  奈 LYS 183.36 63.09 120.27
5 櫛  田  育  良 木下アカデミー 180.51 58.83 121.68
6 山  田      恵 木下アカデミー 176.37 58.70 117.67
7 横  井  きな結 中京大学 175.13 63.53 111.60
8 岡  田  芽  依 名東FSC 170.59 59.48 111.11
9 村  上  遥  奈 木下アカデミー 162.58 60.90 101.68
10 北  谷  美  結 京都宇治FSC 145.25 51.09 94.16
11 杉  山  菜  那 中京大中京高校 140.92 49.30 91.62
12 重  田  美  星 神戸ポートアイランドクラブ 139.68 51.62 88.06
13 大  坪  瑚  子 邦和みなとスケート部 134.77 45.87 88.90
14 髙  原  奈々子 福岡フィギュアアカデミー 134.76 47.87 86.89
15 横  田  胡  幸 香川フィギュアC 132.64 47.05 85.59
16 木  村  芽  愛 香川フィギュアC 131.18 45.08 86.10
17 武  田  沙  弓 香川フィギュアC 122.22 44.39 77.83
18 岡  田  衣千乃 岡山FSC 121.69 43.77 77.92

女子のジュニアは全日本ジュニア進出枠が13ありますが、シードの島田麻央選手も出場しているので14位まで進出です。

そのシードの島田麻央選手が圧勝。212.85と1人だけ異次元スコアでした。

柴山歩選手が2年連続の2位です。ジュニアグランプリ初戦はかなり心配な出来でしたが、そこから徐々にジャンプを取り戻しこの試合では180点台半ばまで出しました。かなり復調してきたでしょうか。世界ジュニア有力候補に戻ってきました。

木下アカデミー勢に割って入ってグランプリ東海から和田薫子選手が3位表彰台です。184.88は自己最高スコアです。ジュニアグランプリシリーズの派遣取りやめはなんだったんでしょうか・・・。

ジュニアグランプリファイナリストの上薗恋奈選手は4位でした。ルッツが2回転になったのが致命傷で表彰台には乗れませんでしたが2位とは僅差。全日本ジュニアの表彰台候補なことは変わりません。

ショートでミスが出て8位と出遅れた櫛田育良選手でしたがフリーは2位と巻き返して5位まで上がってきました。180点台は確保しています。

近畿選手権優勝の山田恵選手が自己最高スコアをまた更新して6位です。有力ジュニアが来季はまだ誰もシニアに抜けていけないので、ジュニアグランプリに派遣されるためには誰かを自力で逆転しないといけない立場です。逆転すべき、蹴落とすべき相手は、毎日練習で見ている誰か、になるのがいいのか悪いのかわかりませんが。全日本ジュニアで表彰台争いに割って入っていけるでしょうか。

シニアから戻ってきた横井きな結選手は7位でした。全日本ジュニアへは進みますが全日本まで届くかどうか? 170点台半ばまであれば、従来は余裕を持って全日本でしたが今シーズンはレベルが高いです。

ジュニア1年目の岡田芽依選手が8位。2度目の170点台到達。げんさんサマーカップでは178.13を出しています。180点近いスコアを全日本ジュニアで出せば、全日本進出の芽もあるでしょうか。昨年の表彰台ラインは167.27でしたのでこの8位でも昨年のラインを超えています。レベル上がった西日本ジュニアです。

ジュニアグランプリ派遣組の村上遥奈選手は9位に終わりました。4月にトリグラフトロフィーで183.71というスコアを出したことはありますが、それ以外はジュニアグランプリで表彰台に乗った試合を含め160点台が多いです。今回も驚きのというよりは、力なりのスコアと言えるのかもしれません。2年連続の全日本進出には、ルッツ、フリップの確度を上げていく必要がありそうです。

全日本ジュニア進出ラインは134.76 ラインの上と下は2.22差。今年も厳しい戦いになりました。

 

○島田麻央選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   1.28 9.28 1.429
2 4T< <  F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
3 3Lz+3T   10.10   1.53 11.63 2.571
4 FCCoSp3   3.00   0.72 3.72 2.429
5 3F+2A+SEQ   8.60   1.38 9.98 2.571
6 3S+3T+2T   10.78 X 1.03 11.81 2.429
7 3Lo   5.39 X 1.18 6.57 2.429
8 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
9 3Lz   6.49 X 1.53 8.02 2.571
10 CCoSp4   3.50   1.54 5.04 4.429
11 LSp3   2.40   0.48 2.88 2.000
  TES   68.86   8.37 77.23  

構成はいつもの構成でした。トリプルアクセル着氷。4回転トーループは回転不足の転倒です。4回転決まらないですね。両方揃う日は来るかどうか他はスピンが2つレベル3でした。基礎点68.86は本人比では普通です。

今この構成が作れるのは島田麻央選手だけです。これより上の基礎点は、シニアカテゴリーで吉田陽菜選手が今季1度出していますが、シニアルールでステップ入れば島田選手が上回ります。後は対抗できるのはトリプルアクセル2本入れた中井亜美選手くらいでしょう。ちょっとノーミスしたら誰も勝てないというかかすりもしない領域に来ています。この試合はPCSが8点前後なので、トータル210点台前半で済んでますが、9点前後になれば220点台に乗ってきます。そこにシニアルールでステップ足されたうえにショートからトリプルアクセルが入ったら・・・。全日本・・・。かつて安藤美姫さんがジュニアから全日本に出て4回転飛んで優勝しましたが、その時はジュニア3シーズン目の16歳だったんですよね。島田選手はジュニア2シーズン目の15歳での全日本。ちょっとどうしましょうかこれ・・・。ただ、それには高難度2本含めてのノーミスが必要です。

 

○女子シングルジュニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 島  田  麻  央 212.85 95.46 76.25 9.11 24.44 8.59
2 柴  山      歩 185.18 87.54 65.76 0.53 22.46 8.89
3 和  田  薫  子 184.88 85.80 64.86 2.98 23.92 7.32
4 上  薗  恋  奈 183.36 89.21 60.65 3.02 21.59 8.89
5 櫛  田  育  良 180.51 87.81 62.60 -1.02 22.30 8.82
6 山  田      恵 176.37 78.80 64.54 4.50 20.47 8.06
7 横  井  きな結 175.13 84.06 59.50 3.93 19.86 7.78
8 岡  田  芽  依 170.59 78.15 64.94 -1.61 22.25 7.86
9 村  上  遥  奈 162.58 81.07 57.28 -1.70 20.06 6.87
10 北  谷  美  結 145.25 69.60 46.76 1.49 20.64 6.76
11 杉  山  菜  那 140.92 70.06 50.99 -4.71 19.67 6.91
12 重  田  美  星 139.68 68.01 44.71 0.95 19.65 6.36

島田選手はPCSもしっかり1位です。PCS2番手はジュニアグランプリファイナルを決めた上薗選手。さすがでした。

ジャンプの基礎点は当然島田麻央選手が1人抜けています。基礎点削られるミスなくまとめた柴山選手が2番目でした。ほか、64点台が何人もいます。

ジャンプのGOEも島田選手が1人飛び抜けていて、2番目は総合6位の山田恵選手でした。PCSで劣る山田選手ですが、ジャンプで得た点は全体2位、技術点は全体4位です。

スピンも島田選手が1位。2位にはジュニアグランプリの派遣が取りやめられた和田薫子選手が23.92まで出しています。

ステップコレオは柴山選手と上薗選手が8.89で並んで1位です。櫛田選手が3位で島田選手は4番目。通常9点台を出す島田選手ですが、今回はショートのレベルが3で、フリーのコレオも他の選手の方が高い評価を受けていました。

 

各カテゴリー、優勝したのは結局予想通りのメンバーだったように感じます。ただ、あまりにも予想外なというか、誰も想定していないようなことが起こりましたが・・・。

なんだったんだ織田信成・・・、みたいな西日本選手権でしたが、フリーの演技は見事でした。

しくじり先生再出演でお願いします。