西日本選手権 順当かな?

西日本選手権 順当かな?

 

東日本に続いて先週は西日本選手権が行われました。これで全日本ジュニアのエントリー選手がすべてそろいます。全日本もシニアコースの選手はここで確定です。

 

○女子シングルシニア 上位15名

Pl Name Nation Total SP FS
1 三宅 咲綺 岡山理科大学 192.51 67.72 124.79
2 山下 真瑚 中京大学 184.36 64.99 119.37
3 河辺 愛菜 中京大学 184.15 66.60 117.55
4 白岩 優奈 関西大学 164.74 51.25 113.49
5 大庭 雅 東海東京FH 155.75 53.79 101.96
6 籠谷 歩未 神戸クラブ 146.84 49.16 97.68
7 永見 千代乃 ノートルダム清心女子大学 142.68 54.04 88.64
8 鬼頭 まりあ 中京大学 141.45 48.13 93.32
9 横井 きな結 中京大学 140.42 46.94 93.48
10 鴨井 彬莉彩 福岡フィギュアアカデミー 138.76 51.79 86.97
11 田村 綾音 広島文化学園大学 135.79 46.08 89.71
12 鈴木 なつ 関西大学 135.45 51.10 84.35
13 柴野 ちりさ 甲南女子大学 135.05 49.52 85.53
14 浦松 千聖 中京大学 132.17 49.81 82.36
15 岩崎 陽菜 甲南女子大学 131.01 46.24 84.77

三宅咲綺選手が西日本選手権初優勝。ショートフリー共に1位。文句なしの優勝です。東日本の優勝スコアは180点台ですのでそれも上回りました。後上にいるのはグランプリ組だけです。

2位には昨年のこの大会優勝の山下真瑚選手が入りました。これで8年連続の全日本となります。過去最高位は6位。昨季は8位に入って国際大会に復帰。今回もeにqに<にマークはいろいろ付きながらもちゃんと3回転のジャンプになり転倒も無く滑り切りということで大きなミスなく滑ることが出来ています。世界選手権のミニマムも取得出来ています。

3位は河辺愛菜選手。2位とは僅差でしたが、2位でも3位でもあまり価値に差がある試合でもありません。昨季の中部選手権を最後に180点を超えることが出来ていなかったのですが、久しぶりの180点超え。西日本学生では体調を崩していたようですが、今回は復活。トリプルアクセルは封印されていますが、それだけが魅力の選手でもありません。6回目の全日本。昨季13位に終わっていますが、今期は上位進出して国際大会復帰を目指すことになります。4大陸までならミニマムスコアが残っています。

白岩祐奈選手が4位で8回目、大庭雅選手は5位で13回目の全日本を決めました。2人とも昨季の全日本より良いスコアを今大会で出しています。

6位は籠谷選手。昨季8位で届かなかった全日本を決めました。3年ぶり3回目になります。中野門下生、これで今期は4人が全日本に手が届きました。

7位は永見千代乃選手。ノートルダム清心女子大学の4年生。人口もスケーターも少ない鳥取の希望の星のような立ち位置で、2シーズン前あたりから全日本にも手が届きそうなスコアを出していたのですが、ついに、大学4年生にした初全日本を決めました。

女子シニアの全日本出場枠は10ですが、吉田陽菜選手、松生理乃選手、三原舞依選手、3人がグランプリシリーズの派遣により免除なので7位までとなります。ボーダーラインは142.68 東日本の148.37よりやや低くなりました。

 

○三宅咲綺選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3T+3T   8.40   1.68 10.08 4.000
2 3F   5.30   -1.80 3.50 -3.286
3 2A+1Eu+3S   8.10   0.86 8.96 2.143
4 FSSp4   3.00   0.48 3.48 1.571
5 LSp4   2.70   0.49 3.19 1.714
6 2A   3.30   0.86 4.16 2.571
7 ChSq1   3.00   0.70 3.70 1.571
8 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.000
9 3Lo   5.39 x 0.00 5.39 0.000
10 3S+2T   6.16 x 0.26 6.42 0.571
11 StSq4   3.90   0.86 4.76 2.286
12 CCoSp3   3.00   0.66 3.66 2.286
  TES   58.74   6.23 64.97  

セカンド3回転はトーループから入れて平均GOE+4.000という高い評価を得ました。2回飛ぶジャンプはサルコウトーループ。スピンが1つレベルで基礎点は58.74となりました。スピンステップオールレベル4で59.24の基礎点になります。パーフェクト基礎点が60点に届かないというのトップ選手と比べると少し低めです。やはりサルコウトーループを2回というのはトップ選手と比べて構成が落ちますし、1.1倍のところの構成も弱めです。

ただ、今回、昨シーズンの国民スポーツ大会に次いで、2度目の190点超えとなりました。すなわち1年以内で2度目の190点です。まぐれでもなんでもなく、190点を出す再現性がある、ということです。全日本の最高位は2019年の12位ですが、22年の大会ではショートで5位に入りフリー最終グループ入りを果たしています。中野先生からは坂本三原と一緒にお前もオリンピックに行くんだよ、と言われていたりするそうですが、流石に今の立ち位置からオリンピック代表争いはやや難しい部分はあります。ただ、全日本で上位に入って2月にB級大会でミニマム取って、来期のNHK杯に地元枠で入って、来年の全日本で200点台表彰台、というコースは、確かに全くなくはないです。

 

○女子シングル シニア 要素別スコア(上位15名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 三宅 咲綺 192.51 90.28 60.23 6.59 21.88 13.53
2 山下 真瑚 184.36 93.33 61.02 -0.71 17.90 12.82
3 河辺 愛菜 184.15 89.34 63.33 -3.47 21.90 13.05
4 白岩 優奈 164.74 82.54 57.96 -7.55 20.00 12.79
5 大庭 雅 155.75 76.67 52.93 -5.04 18.84 12.35
6 籠谷 歩未 146.84 64.82 58.55 -5.66 19.75 9.38
7 永見 千代乃 142.68 70.39 44.43 -3.56 20.16 12.26
8 鬼頭 まりあ 141.45 65.81 44.79 3.14 17.69 10.02
9 横井 きな結 140.42 74.67 42.14 -2.18 15.09 10.70
10 鴨井 彬莉彩 138.76 65.69 50.94 -7.13 19.93 10.33
11 田村 綾音 135.79 59.00 54.30 -3.74 18.40 8.83
12 鈴木 なつ 135.45 69.94 39.79 -2.00 18.65 10.07
13 柴野 ちりさ 135.05 70.73 41.53 -6.08 20.61 11.26
14 浦松 千聖 132.17 70.13 41.59 -7.61 18.44 9.62
15 岩崎 陽菜 131.01 64.67 46.18 -7.04 19.78 9.42

PCSは山下選手が1位で三宅選手が2位。2人は90点を超えました。河辺選手も90点近く、PCSはこの3人が抜けています。国際経験豊富な白岩選手も80点台で4番目でした。

ジャンプの基礎点は河辺愛菜選手が63.33で1位です。63点台は国際舞台で十分戦える水準です。山下選手、三宅選手も60点を超えました。6位の籠谷選手は58.55を出していて、ここが僅差で全日本を掴んだ要因となっています。

ジャンプの加点は三宅選手が6.59で1位。いい出来でした。2番目は総合8位の鬼頭選手。ジャンプのスコアは良かったのですが、わずかに7位の全日本ラインに届かない形となりました。

スピンは河辺選手が1位で三宅選手が僅差の2位です。山下選手は17.90とここが伸びていません。今大会はということではなく、今シーズンはスピンのスコアがずっと出ていません。ここで4,5点変わって来るので何とかしたいところ。永見選手はスピンが20点超え。このスピンで8位9位の僅差の選手たちに差をつけて全日本を掴むことが出来ました。

ステップ系要素は三宅選手が1位で河辺選手が2位。2人が13点台を出しています。

 

○男子シングル シニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 織田 信成 大阪スケート倶楽部 228.12 82.04 146.08
2 片伊勢武アミン 関西大学 206.45 69.67 136.78
3 中村 俊介 木下アカデミー 198.38 66.91 131.47
4 杉山 匠海 岡山大学 196.68 75.32 121.36
5 木科 雄登 関西大学 192.73 64.14 128.59
6 三宅 星南 関空スケート 192.30 74.65 117.65
7 小林 隼 同志社大学 152.35 50.39 101.96
8 誉田 知己 中京大学 150.63 49.43 101.20
9 松岡 隼矢 福岡フィギュアアカデミー 148.68 48.98 99.70
10 鈴木 零偉 福岡フィギュアアカデミー 148.11 50.70 97.41
11 垂水 爽空 福岡フィギュアアカデミー 147.73 57.51 90.22
12 彦阪 昇吾 立命館大学 143.44 44.77 98.67
13 前川 裕士 大公大FSC 142.09 50.35 91.74
14 三島 悠生 ひょうご西宮FSC 139.24 50.46 88.78
15 岩野 颯太 邦和みなとスケート部 133.16 45.74 87.42
16 立神 杏士郎 北九州市立大学 129.04 41.41 87.63
17 川口 清壽 佛教大学 120.49 45.71 74.78

織田信成選手が西日本選手権2連覇を果たしました。ショートからリードしフリーも1位。他を寄せ付けずの圧勝です。今度こそちゃんと全日本へ。11年ぶりの全日本になります。これで、宇野昌磨さんが引退しましたが、誰が勝っても初優勝な全日本ではなくなりました。2008年に優勝経験があります。

2位は片伊勢武アミン選手。昨季の全日本は12位。今大会も200点を超えてきて、200点をコンスタントに超えている力を今回も見せてくれました。

今期から国内はシニアコースを歩く中村俊介選手が3位です。問題なく全日本進出ですが、実績を考えると200点に届かないのは少し寂しい印象です。西日本学生のころから4回転回避してコンビネーション3つを最初にいれていたり、今回も4回転回避ですし、ケガがあるかかなり調子を落としているか、いずれにしてもあまり攻めていける状態ではなかったようです。全日本ではおそらく、世界ジュニアの代表を目指して、ジュニア組をスコアで上回っていくことを目指すことになると思われます。

190点台が3人。4位に岡山大学4年生の杉山匠海選手、5年連続5回目の全日本を決めました。5位の木科雄登選手は9年連続9回目の全日本へ、6位の三宅星南選手は8回目の全日本。常連がしっかり全日本出場権を得ています。

シニア男子の全日本出場枠は11あり、友野一希選手と壷井達也選手がグランプリ派遣により免除ということで9位まで全日本へ進めます。

7位の小林隼選手は2年前に初の全日本を決めた時以来の150点台で2度目の全日本へ。8位の誉田知己選手は昨季のこの大会と同じ8位ですが、枠が広がったことで初の全日本出場権を得ました。9,10,11位と福岡勢が並んだのですが、僅差の勝負の中で、法政大学ながら今季所属を福岡に戻した松岡隼矢選手が初の全日本を決めています。

全日本ボーダーラインは148.68 0.57の僅差での勝負となりました。

 

織田信成選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   0.00 9.50 0.000
2 3Lz   5.90   1.18 7.08 2.000
3 3A+1Eu+2S   9.80   0.64 10.44 0.857
4 3Lo   4.90   1.08 5.98 2.286
5 ChSq1   3.00   0.40 3.40 0.857
6 3A   8.80 x -2.24 6.56 -2.857
7 CCoSp4   3.50   0.63 4.13 1.857
8 3F!+3T ! 10.45 x 0.11 10.56 0.143
9 3Lz+2A+SEQ   10.12 x -1.06 9.06 -1.857
10 FCCoSp2V   1.88   0.27 2.15 1.429
11 StSq2   2.60   0.52 3.12 2.143
12 FSSp   0.00   0.00 0.00  
  TES   70.45   1.53 71.98  

4回転トーループ。ショートフリー共に決めました。他のジャンプも大きなミスは出ていません。ただ、スピンが全然点が取れていません。最後のスピンはノーバリューとなりました。ジャンプよりスピンを戻すのが大変、とコメントされていたかと思いますが、その辺が如実に表れています。

37歳になりました。4回転は普通に決めてきます。ショート82.04は下手すると全日本最終グループに入れるスコアです。シーズン後半のB級大会に出て、来期のNHK杯地元枠でグランプリシリーズにも出る、というところまで十分あり得る力が37歳にしてありますが、今期で引退と。ちょっと出てみてほしかったですねグランプリシリーズ。

まあ、国際大会は出てくれなさそうですが、全日本にはさすがに今年は確実に出てくると思いますので、一発決めてくれることを期待します。

 

○男子シングルシニア 要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 織田 信成 228.12 111.17 87.66 4.40 15.12 9.77
2 片伊勢 武 アミン 206.45 103.20 71.65 1.15 21.40 11.05
3 中村 俊介 198.38 103.51 72.31 -5.74 18.99 10.31
4 杉山 匠海 196.68 100.94 68.73 -2.96 20.32 10.65
5 木科 雄登 192.73 98.28 70.67 -2.79 18.31 9.26
6 三宅 星南 192.30 107.29 81.08 -19.95 17.95 10.93
7 小林 隼 152.35 77.47 56.91 -6.45 17.35 7.07
8 誉田 知己 150.63 78.73 54.81 -6.64 16.89 7.84
9 松岡 隼矢 148.68 88.19 35.29 -2.89 18.08 10.01
10 鈴木 零偉 148.11 81.87 44.20 -3.58 16.97 8.65
11 垂水 爽空 147.73 93.89 39.87 -9.52 16.58 9.91
12 彦阪 昇吾 143.44 73.37 52.31 -4.11 16.18 6.69
13 前川 裕士 142.09 71.04 57.85 -8.01 14.56 7.65
14 三島 悠生 139.24 80.46 38.49 -1.29 14.45 8.13
15 岩野 颯太 133.16 72.55 48.42 -8.24 14.26 8.17
16 立神 杏士郎 129.04 73.02 42.06 -6.24 12.88 8.32
17 川口 清壽 120.49 68.54 37.68 -3.98 12.75 6.50

PCSは織田選手が1位です。国際経験もある三宅選手が107.29で2位。中村選手、片伊勢選手と続き、杉山選手も100点を超えました。

ジャンプの基礎点も織田選手が1位で三宅選手が2位です。ジャンプの加点も織田選手が1位。三宅選手はショートフリー合わせて4転倒と苦しい試合になり大きなマイナスとなりました。

スピンも織田選手が1位とはいかず、ここは片伊勢選手が1位です。織田選手は15.12 これは12位にあたる低いスコアになります。

ステップ系要素も片伊勢選手が1位です。織田選手はショートフリーでステップはレベル2 ここは稼げていません。

9位のボーダーラインのところは際どい勝負だったのですが、ジャンプで点を稼げなかった松岡選手、スピンステップで稼いで全日本の切符を手に入れました。

 

○女子シングル ジュニア(上位20名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 和田 薫子 グランプリ東海クラブ 196.11 66.39 129.72
2 岡田 芽依 名東FSC 192.69 66.44 126.25
3 櫛田 育良 木下アカデミー 189.58 65.87 123.71
4 上薗 恋奈 LYSインカラミ 185.16 60.06 125.10
5 岡 万佑子 木下アカデミー 178.07 58.96 119.11
6 村上 遥奈 木下アカデミー 177.45 58.59 118.86
7 河野 莉々愛 木下アカデミー 156.20 63.21 92.99
8 山田 恵 木下アカデミー 156.09 50.84 105.25
9 川勝 玲奈 木下アカデミー 154.75 48.53 106.22
10 松浪 ひかり 関空スケート 152.09 52.95 99.14
11 吉田 菫 蒼明学院中等部 147.07 47.94 99.13
12 鈴木 華乃 関空スケート 141.32 45.76 95.56
13 横田 胡幸 香川フィギュアC 133.87 45.23 88.64
14 大野 友心音 名東FSC 131.56 45.97 85.59
15 杉山 菜那 中京大中京高校 129.49 45.59 83.90
16 嶋田 愛和 関西大学KFSC 129.17 47.25 81.92
17 重田 美星 神戸ポートアイランドクラブ 128.29 46.77 81.52
18 土居 百花 名東FSC 125.91 44.10 81.81
19 中谷 玲菜 名東FSC 125.49 41.25 84.24
20 藤原 ゆりあ 関空スケート 124.58 47.00 77.58

和田薫子選手が西日本ジュニア初優勝。山ほどいる木下アカデミー組を抑えての優勝でした。

2位も名古屋から岡田芽依選手。ジュニア2シーズン目。192.69は国内外通じて本人の最高スコアです。昨年の全日本ジュニアは14位。今期は表彰台が見える位置まで来ました。

3位はシード持っている櫛田育良選手です。少し調子を落としているかなというジュニアグランプリから近畿選手権でしたが、ここにきて190点近いところまで戻してきました。全日本ジュニアでは2年連続の表彰台を目指すことになります。

昨季の世界ジュニア代表の上薗選手は4位。今期はまだいまひとつ、思うような結果が出せていないようです。

今期から木下アカデミーへ移籍した岡万佑子選手が5位。トリプルアクセルを初めて入れてきましたがダウングレードの転倒となりました。決まっていればたぶん4位まではありました。昨季の全日本ジュニアは9位で、わずかな差で全日本進出を逃しています。今期こそはという全日本ジュニアになります。

村上遥奈選手、河野莉々愛選手、山田恵選手、川勝玲奈選手と木下アカデミー勢がこのあたりに続いてきます。

全日本ジュニアの枠は15ですが、櫛田育良選手と上薗恋奈選手がシードなので17位まで全日本ジュニアへ進めます。ボーダーラインは128.29となりました。

 

和田薫子選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
2 3Lz+3T   10.10   1.53 11.63 2.571
3 3F   5.30   1.06 6.36 2.143
4 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
5 3Lo   4.90   1.08 5.98 2.143
6 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
7 3S+2A+SEQ   8.36 x 0.86 9.22 2.143
8 3F!+2T+2T ! 8.69 x 0.21 8.90 0.429
9 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.000
10 FCSp4   3.20   0.96 4.16 2.857
11 LSp4   2.70   0.97 3.67 3.429
  TES   59.54   11.04 70.58  

冒頭ダブルアクセルからのフリーの構成。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。スピンオールレベル4で59.54の基礎点です。シニアルールでステップ入ってレベル4得られれば63.44になる構成です。ここから基礎点上げるには、大技投入が求められるようなところにきています。

今大会は、今期の実績からすると優勝候補としての登場で、しっかり優勝したという形でした。2試合平均もわずかですが上げることが出来て、これであとは全日本ジュニアを島田選手、中井選手と3人で表彰台占めれば、ほとんど世界ジュニア内定に近いところに来ます。ジュニア3シーズン目。同じ世代に島田麻央選手がいるせいで陰に隠れた形になっていましたが、今シーズン大きな飛躍をしています。

 

○女子シングルジュニア要素別スコア(上位20名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 和田 薫子 196.11 88.34 66.37 8.15 24.53 8.72
2 岡田 芽依 192.69 85.07 66.97 6.80 24.56 9.29
3 櫛田 育良 189.58 87.47 66.25 3.96 22.33 9.57
4 上薗 恋奈 185.16 88.53 63.34 3.72 21.89 7.68
5 岡 万佑子 178.07 76.68 71.67 0.52 22.11 8.09
6 村上 遥奈 177.45 78.61 62.62 5.16 22.53 8.53
7 河野 莉々愛 156.20 78.05 51.23 -2.22 22.23 8.91
8 山田 恵 156.09 71.41 57.92 -0.31 20.35 6.72
9 川勝 玲奈 154.75 71.93 59.64 -3.59 20.96 6.81
10 松浪 ひかり 152.09 65.74 60.03 1.42 18.50 6.40
11 吉田 菫 147.07 65.87 54.85 1.96 17.57 6.82
12 鈴木 華乃 141.32 65.20 53.57 -1.80 18.43 6.92
13 横田 胡幸 133.87 63.00 44.54 -3.09 22.26 7.16
14 大野 友心音 131.56 64.59 38.92 -1.99 22.64 7.40
15 杉山 菜那 129.49 63.00 50.63 -5.68 16.38 7.16
16 嶋田 愛和 129.17 64.54 40.87 -3.66 21.16 7.26
17 重田 美星 128.29 58.88 45.16 0.23 17.62 6.40
18 土居 百花 125.91 57.39 42.49 -0.28 21.25 6.06
19 中谷 玲菜 125.49 59.34 40.43 0.40 19.22 6.10
20 藤原 ゆりあ 124.58 65.14 40.47 -5.17 19.23 6.91

PCSは上薗選手が1位で和田選手が2位。88点台という高い評価です。櫛田選手も87点台で続きます。岡田選手は4番目。技術点は和田選手とほぼ並んでいたのですが、PCSで差が付きました。

ジャンプの基礎点はトリプルアクセルを構成に入れた岡万佑子選手が71.67で1位です。70点超えというのは国際大会でもほとんど出てきていない高い構成です。岡田選手、和田選手、櫛田選手と66点台で続きます。66点台でも十分国際大会の上位の構成です。

ジャンプの加点は和田選手が1位で岡田選手が2位です。構成は少し落ちますが、村上遥奈選手が加点は3位。フリーは全要素プラス評価の素晴らしい出来でした。

スピンは岡田選手と和田選手が24点台です。24点台はシニアの上位選手が出してくる水準のスコアです。

ステップ系要素は櫛田育良選手が9.57で1位でした。ジュニアで9点台中盤は高い水準のスコアとなります。

 

○男子シングル ジュニア(上位18名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 高橋 星名 木下アカデミー 206.88 73.14 133.74
2 植村 駿 ユニバースFSC 202.62 66.78 135.84
3 垣内 珀琉 ひょうご西宮FSC 186.49 66.75 119.74
4 松本 悠輝 LYSインカラミ 180.61 60.49 120.12
5 森本 涼雅 星槎国際大阪 177.83 60.26 117.57
6 岡崎 隼士 蒼明学院中等部 177.14 63.40 113.74
7 佐藤 和那 邦和みなとスケート部 172.90 56.48 116.42
8 朝賀 俊太朗 関西大学 172.18 68.71 103.47
9 名倉 一裕 大阪スケート倶楽部 169.66 59.66 110.00
10 小河原 泉颯 岡山理大附属高校 163.89 59.87 104.02
11 石原 弘斗 京都宇治FSC 159.52 57.90 101.62
12 田内 誠悟 中京大中京高校 156.98 52.43 104.55
13 末国 太樹 岡山理大附属高校 154.62 53.11 101.51
14 三島 舞明 愛知みずほ大瑞穂高 151.48 53.68 97.80
15 佐藤 光 松陰兵庫高校スケート部 150.97 54.08 96.89
16 向野 慶 神戸ポートアイランドクラブ 150.63 50.22 100.41
17 大村 健太 岡山FSC 150.19 51.03 99.16
18 佐野 海音 京都アクアリーナSC 149.13 47.95 101.18

男子ジュニアは髙橋星名選手が初優勝です。206.88は国内での最高スコアでした。

2位はジュニアグランプリ組を押しのけて植村駿選手が入りました。昨年までの最高スコアは169.45 それが2月に180点に乗せ、中四国九州ブロックで185点を出し、この西日本で200点を超えてきました。ブロック大会で初めて決めたトリプルアクセルを今大会でもショートフリー共に決めました。初の全日本ジュニア進出となります。

3位はジュニアグランプリ組から垣内珀琉選手です。怪我もあって本調子ではないようで、4回転回避しての安全運転で表彰台3位確保です。

全日本ジュニアの枠は12 ジュニアグランプリシリーズ出場経験もある田内誠悟選手がぎりぎりボーダーライン156.98となりました。同じくジュニアグランプリ出場経験のある三島舞明選手は僅差で14位となり、全日本ジュニアの切符は逃しました。

 

○高橋星名選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A+2T   9.30   1.28 10.58 1.571
2 3Lz+3T+2T   11.40   0.47 11.87 0.714
3 3F   5.30   1.06 6.36 1.857
4 FCSp4   3.20   0.58 3.78 1.714
5 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.000
6 3A   8.00   1.60 9.60 1.857
7 CSSp3   2.60   0.52 3.12 2.000
8 3Lo   5.39 x 0.49 5.88 1.286
9 3S+3T F 9.35 x -2.15 7.20 -5.000
10 2A   3.63 x 0.00 3.63 0.000
11 CCoSp4   3.50   0.28 3.78 0.714
  TES   64.67   5.13 69.80  

4回転投入は今回は無し。トリプルアクセル2本構成。ショートフリー合わせて3本すべて決めました。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルとトリプルトーループ。シークエンス入れておらず、ダブルアクセルが1つ余っています。基礎点は64.67 スピンオールレベル4なら65.07になります。ステップレベル4が足せれば68.97まで出ます。トリプルアクセル2本の割には少し低いかなという基礎点です。1.1倍がやや弱い構成になっています。

ジュニア2シーズン目にしてジュニアグランプリファイナルの切符を持っています。今期は好調。これで全日本ジュニアの表彰台に乗ることができれば、世界ジュニアの代表の椅子がかなり近づいてきます。

 

○男子シングルジュニア 要素別スコア(上位18名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 高橋 星名 206.88 97.92 76.30 3.19 21.79 8.68
2 植村 駿 202.62 94.10 76.63 6.75 18.02 7.12
3 垣内 珀琉 186.49 97.93 55.43 5.04 20.50 7.59
4 松本 悠輝 180.61 84.16 66.14 3.25 19.57 7.49
5 森本 涼雅 177.83 89.00 65.04 1.56 15.92 6.31
6 岡崎 隼士 177.14 89.83 61.78 -1.62 19.52 7.63
7 佐藤 和那 172.90 82.84 69.01 -2.44 17.53 5.96
8 朝賀 俊太朗 172.18 93.26 59.60 -7.08 18.73 7.67
9 名倉 一裕 169.66 91.66 59.89 -9.66 20.88 7.89
10 小河原 泉颯 163.89 90.67 53.88 -3.92 18.04 6.22
11 石原 弘斗 159.52 82.83 52.73 0.86 17.24 5.86
12 田内 誠悟 156.98 91.93 44.85 -2.19 16.48 6.91
13 末国 太樹 154.62 81.58 55.07 -2.16 13.83 6.30
14 三島 舞明 151.48 82.08 62.45 -9.69 15.89 2.75
15 佐藤 光 150.97 80.34 52.59 -4.57 19.11 4.50
16 向野 慶 150.63 80.51 54.46 -5.68 16.48 6.86
17 大村 健太 150.19 80.25 48.59 -3.02 19.32 6.05
18 佐野 海音 149.13 77.93 47.16 -1.97 19.85 6.16

PCSはジュニアグランプリ組の2人、垣内選手と高橋選手が97点台あります。植村選手も94点台まで出してきました。

ジャンプの基礎点は植村選手が1位です。垣内選手は55.43とかなり低めのものになりました。2期連続の世界ジュニアを目指すには復調が求められます。

加点は植村選手が1位です。まだ国際大会の出場経験のない選手ですが、ぜひ国際舞台へ送り出したい選手になってきました。

スピンは髙橋選手がただ一人21点台でした。

ステップ系要素も高橋選手が8点台で1位です。

 

各カテゴリー、ほぼ本命がしっかり順当に勝った、と言うように見える試合でした。全日本への進出も、大きな波乱というのは無かったように感じます。強いていれば女子シニアの横井きな結選手の落選というのはありましたが、明らかにケガの影響があったので、ケガまで含めると事前にある程度想定されていた結果と言えると思われます。

 

次は1週空いて全日本ジュニアです。全日本ジュニアで優勝すれば、世界ジュニアの代表が確定します。また、シングルは8位までは全日本というのが相場ですが、特に女子は、全日本のシード選手や、ノービスからの選手が上位に来た時、繰り下がるのかどうか? 昨年は繰り下がると思っていたら下がらずに、え? うそ_? みたいな落選があったので、良くも悪くもそこにも注目が集まります。競技レベルで考えるなら、繰り下げていいと思うんですけどね・・・。