23-24 ジェイソンブラウン

1994年12月15日生まれ

シニア11シーズン目

シーズン獲得賞金:$11,000

世界ランキング:19位

シーズンランキング:25位

シーズンベストスコア 274.33(8位) 世界選手権

ショートプログラムシーズンベスト 93.87 世界選手権

フリーシーズンベスト 180.46 世界選手権

スピンレベル4率 20/21 = 95.2%(国際大会:14/15 = 93.3%)

ステップレベル4率 6/7 = 85.7%(国際大会:4/5 = 80.0%)

スピンオールレベル4 3/3(国際大会:2/2)

スピンステップオールレベル4 2/3(国際大会:1/2)

ジャンプ回転不足率 4/37 = 10.8%(国際大会:4/27 = 14.8%)

ジャンプ回転不足なし 2/3(国際大会:1/2)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 2/3(国際大会:1/2)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
Others Japan Open 5 144.38   144.38
CS Warsaw Cup 3 236.75 78.48 158.27
NC US Championships 2 264.50 89.02 175.48
WC World Championships 5 274.33 93.87 180.46

ジェイソンブラウン選手は大ベテラン。最近は大会出場もだいぶ少なくなっていますが、それでも今期も出てきてくれました。

 

今期もジャパンオープンで来日。日本大好き。ファンも楽しませてもらっていますが、ブラウン選手も楽しんでいただけていれば幸いです。

グランプリシリーズは欠場。シーズン前半はチャレンジャーシリーズのワルシャワカップに出場します。アンダーローテーションや抜け2回転が目立ち、あまりいい出来ではなく236.75で3位。多少試合モードを体に入れる小手調べだったでしょうか。

 

1月には全米選手権に出てきます。世界選手権の代表権を争う試合です。ショートプログラムトリプルアクセル転倒しましたがそれでも89.02で3位に付けます。首位マリニン選手は遠いですが2位ナウモフ選手と0.70差、4位のトルガシェフ選手と1.00差。世界選手権の代表枠は3。フリーは2人残して登場、173.32以上で表彰台確定します。冒頭2本のトリプルアクセルはクリーンに決めてきました。次のトリプルループで軽くステップアウト。後半のダブルアクセルがシングルアクセルになるなどいくつかミスは出ますが大過失はなくフリー175.48 トータル264.50で首位に出て、残り二人を待って最終順位は2位。無事に世界選手権の代表に決まりました。

 

世界選手権は常連ですが、最近は試合数が少なくランキングがあまりたかくありません。40人中の28番滑走というやや早めのところで出てきます。ショートプログラム、全米選手権とジャンプの順番を変えてきました。先にフリップを飛んで2つ目にトリプルアクセル。最後のコンビネーションも含めジャンプ3つすべて決めます。全要素プラス評価のスピンステップオールレベル4 93.87で4位スタート。上位3人は抜けていますがその次の位置に付けました。

フリーは20番滑走、逆転表彰台は構成考えると厳しいですが、最終グループにふさわしい演技。トリプルアクセル2本をまず決め、その後も終盤のアクセルがシングルになったくらい。もっともジャンプがどうのこうのという選手ではないですが、4回転無しで180.46を出してトータル274.33 最終順位は4強に次ぐ5位となりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Japan Open 144.38 59.20 85.18 40.27 0.84 7.93 10.16
Warsaw Cup 236.75 105.49 131.26 62.16 2.08 26.79 14.46
US Championships 264.50 126.92 138.58 76.86 5.28 28.16 16.62
World Championships 274.33 134.43 139.90 76.86 13.17 27.62 16.78

トータルスコアは世界選手権で270点台まで今シーズンも出してきました。

技術点は130点台が出ています。今期の全選手中18位にあたります。4回転無しでもここまで出ます。

PCSは130点台後半まで出しました。1項目平均9点をはっきり超えます。今期全選手中3位にあたります。

ジャンプの基礎点は76.86が2試合です。さすがにこれは高いとは言えないです。加点の方は13.17まで世界選手権で出しました。これは今期全選手中12位にあたります。加点は決まればしっかり取れるジャンプです。

スピンは全米の28.16はナショナル参考記録ですが、世界選手権も27.62が出ています。今季27点台を出したのはブラウン選手のみです。

ステップ系要素も世界選手権で16.78が出ました。これも全選手中1位です。

ジャンプ以外、というか、4回転以外の各要素のレベルが極めて高い、という選手です。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Warsaw Cup 56.75 42.25 54.12 71.99 63.74 66.83
US Championships 63.92 51.07 58.08 76.70 73.61 71.72
World Championships 66.46 51.07 67.85 74.85 74.34 72.60

トータルスコアは60台後半まで出ます。

ジャンプの基礎点は平均程度です。4回転が無いとこうなります。一方、加点の方はいい時は60台後半まで出る形です。

スピンは常時70台の偏差値。70台中盤まで出ます。

ステップも同様で70台が標準です。

PCSも70台が出てきます。

生きる芸術状態になっています。

 

ジェイソンブラウン選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャートははっきり左寄りです。右上が凹みます。右上のへこみが大きいので上も凹んでしまう、という形になります。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○世界選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3F   5.30   1.97 7.27 3.778
2 3A   8.00   1.03 9.03 1.222
3 FSSp4   3.00   0.73 3.73 2.444
4 3Lz+3T   11.11 x 1.85 12.96 3.222
5 CCSp4   3.20   1.23 4.43 3.889
6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
  TES   38.01   9.94 47.95  

ショートプログラムは38.01の基礎点になります。4回転なし。単独は3回転フリップでルッツからのコンビネーションを1.1倍で跳び、スピンステップオールレベル4です。

ここから基礎点上げるには4回転投入が求められるわけですが、もう、そういうことを考えるような位置にいる選手ではないように感じます。

 

○世界選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A+2A+SEQ   11.30   2.17 13.47 2.667
2 3A   8.00   1.49 9.49 1.889
3 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.889
4 FCCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.667
5 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.778
6 3F+1Eu+3Sq q 11.11 x -0.15 10.96 -0.333
7 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
8 StSq4   3.90   1.89 5.79 4.778
9 1A   1.21 x 0.05 1.26 0.556
10 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.667
11 3F   5.83 x 1.67 7.50 3.111
12 CCSp4   3.20   1.46 4.66 4.556
  TES   69.55   16.93 86.48  

フリーは69.55の基礎点がありました。4回転無し。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルフリップ。セカンド3回転あり、シークエンスのアクセルあり、3連3サルコウあり、スピンステップオールレベル4ですが、ダブルアクセルが1つシングルになって69.55です。ダブルアクセルしっかり飛べていれば2.42基礎点上がって71.97の基礎点になります。

ここから基礎点上げるにはフリップではなくルッツを2本にするとか、1.1倍に単独ダブルアクセルは弱すぎるので3-3を後半に持ってくるとか、細かいさわりどころはあるにはあります。

 

○平均GOE4.000以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
World Championships FS 8 StSq4   3.90   1.89 5.79 4.778
World Championships FS 10 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.667
US Championships FS 12 CCSp4   3.20   1.51 4.71 4.667
World Championships FS 12 CCSp4   3.20   1.46 4.66 4.556
US Championships FS 10 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.556
World Championships FS 7 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
US Championships SP 5 CCSp4   3.20   1.46 4.66 4.556
US Championships SP 7 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
US Championships SP 6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.444
Warsaw Cup FS 12 CCSp4   3.20   1.47 4.67 4.429
World Championships SP 6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
US Championships FS 8 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
US Championships FS 4 FCCoSp4   3.50   1.55 5.05 4.333
World Championships SP 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
Warsaw Cup FS 11 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
Warsaw Cup SP 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000

ジェイソンブラウン選手はスピンステップコレオの評価は極めて高いです。

ステップの+4.778は今期全選手中2位、ISU公認試合で見れば1位タイの評価です。

コレオの4.667も全選手中2位。足替えのコンビネーションスピンは世界選手権で+4.556で今季の全スピンの中で1位タイ。もう1つの1位タイが自分自身の足替えのキャメルスピンで+4.556ついています。

スピンステップコレオは+4以上が標準的についてくる、という領域にいます。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Japan Open FS 1 3A   8.00   0.27 8.27 0.600
Japan Open FS 2 3A<<+REP <<  2.31   -1.65 0.66 -5.000
Warsaw Cup SP 1 3Aq q 8.00   -3.84 4.16 -4.714
Warsaw Cup FS 1 3A+2T   9.30   2.08 11.38 2.429
US Championships SP 1 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
US Championships FS 1 3A+2A+SEQ   11.30   2.51 13.81 3.222
US Championships FS 2 3A   8.00   1.83 9.83 2.222
World Championships SP 2 3A   8.00   1.03 9.03 1.222
World Championships FS 1 3A+2A+SEQ   11.30   2.17 13.47 2.667
World Championships FS 2 3A   8.00   1.49 9.49 1.889

トリプルアクセルがブラウン選手の1番基礎点高いジャンプになります。

シーズン前半はあまり決まっていませんでした。全米選手権ではショート転倒でフリーは2本成功。世界選手権はショートフリー3本成功しています。

 

○セカンド3回転の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Warsaw Cup SP 5 3F<+3T< 8.36 x -2.12 6.24 -4.857
Warsaw Cup FS 7 3F+3T< 9.53 x -0.32 9.21 -0.429
US Championships SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.94 13.05 3.333
US Championships FS 5 3Lz+3T   10.10   1.26 11.36 2.000
World Championships SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.85 12.96 3.222
World Championships FS 5 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.778

コンビネーションジャンプはワルシャワカップではフリップからいれていましたが全米、ワールドではルッツからでした。大事な2試合はしっかりきめています。

 

○3連続の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Japan Open FS 7 3Lz<+1Eu+3S 10.47 X -0.47 10.00 -1.000
US Championships FS 6 3F+1Eu+3S   11.11 x -0.83 10.28 -1.556
World Championships FS 6 3F+1Eu+3Sq q 11.11 x -0.15 10.96 -0.333

3連続ジャンプはワルシャワカップでは入らず。全米と世界選手権もGOEマイナスとなりました。昨季はすべて+2以上の評価で決めていたので、苦手ということでもないと思うのですが、今期は今一つな要素となってしまっていました。

 

今シーズンは前半にワルシャワカップに顔を出していましたが、実質的には全米と世界選手権のみの活動となりました。来期も同じでしょうか。来期で30歳になります。オリンピックまでこのスタイルで続けていきそうにも感じます。もう、レジェンドなので点数がどうのこうのというところにいる選手でもないですよね。ただ、世界選手権に出てくるからには、国の枠というのがある。そんな重荷を背負いながらも4回転無しで昨季も今期も5位に入り、アメリカ3枠にしっかり貢献しています。来期も、グランプリシリーズ出て、なんていう贅沢は言いませんが、ナショナルで、ワールドで、別世界の演技を見せてもらえればと思います。