22-23 青木祐奈

2002年1月10日生まれ

シニア3シーズン目

シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:158位

シーズンランキング:109位

シーズンベストスコア 185.92(37位) トリグラフトロフィー

ショートプログラムシーズンベスト 57.22 トリグラフトロフィー

フリーシーズンベスト 128.70 トリグラフトロフィー

ショートプログラム楽曲:「アーティスト」より

フリープログラム楽曲:Io Ti Penso Amore

スピンレベル4率 33/48 = 68.8%(国際大会:3/6 = 50.0%)

ステップレベル4率 2/16 = 12.5%(国際大会:0/2 = 0.00%)

スピンオールレベル4 1/6(国際大会:0/1)

スピンステップオールレベル4  0/6(国際大会:0/1)

ジャンプ要素回転不足率 8/84=9.52%(国際大会:1/10=10.0%)

ジャンプ回転不足なし 0/6(国際大会:0/1)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/6(国際大会0/1)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL アクアカップ SP 1 65.21 65.21  
DL げんさんサマーカップ 11 148.50 55.03 93.47
RT 東京選手権 4 165.37 60.60 104.77
CC 東日本学生選手権 3 118.26   118.26
DL ウィンタートロフィー 1 107.06   107.06
RT 東日本選手権 2 172.62 54.51 118.11
NC 全日本選手権 7 191.89 62.48 129.41
CC 日本学生氷上選手権 6 117.97   117.97
NG 国民体育大会 10 170.68 61.73 108.95
IC Triglav Trophy 2 185.92 57.22 128.70

青木祐奈選手は大学3年生、シニア3シーズン目です。MFアカデミーで練習するようになりました。

シーズン初戦と言ってよいのか? 7月2日に千葉でアクアカップに出場しショートプログラムを滑って65.21を出しました。

8月に入って日本の上位選手が多く集まるげんさんサマーカップに。ショートも3-3入らずスコア伸びませんでしたが、フリーは2転倒に、抜け2回転が2つと散々な出来で2シーズンぶりに100点割れの93.47となりトータル11位に沈みます。この時点では場合によっては全日本出場も危ういかな? くらいの位置にいました。

9月にブロック大会東京選手権。ここの通過を心配するようなレベルにはなく165.37で4位。本人比で普通程度のスコアまで戻してきました。

10月はフリーだけの試合を2つ。東日本学生では118.26とフリーの自己最高スコアを出します。ウィンタートロフィーは107.06ですが優勝です。

大崩れすると通過が危ういという線もある東日本選手権。ショート、ルッツループは転倒で54.51は3位スタート。フリーはこの時点では92.70を出せば全日本進出は確定するということでいくらか余裕はありました。ノーミス、とはいきませんでしたがまずまずの滑りで118.11 トータル172.62と今シーズン初の170点台到達で最終的に2位に入りました。

 

昨年ショートでジャンプ決まらず30位と沈んだ全日本はリベンジの舞台。どこまで行けると思って臨んでいた試合かはわからないのですが、最高位は4シーズン前の14位です。ショートプログラムは22番滑走で出てきてルッツループは回転不足付きましたが後は決めて62.48の10位でフリー後半グループに入ります。フリー冒頭から3連続を完璧に決めると、2つ目はルッツループ、qは付きましたが着氷。以降、苦手のトーループが2回転になったくらいで抑えて129.41と自己最高スコアを出しトータル191.89 180点も出したことなかったところからいきなり190点台に乗せて最終的に7位に入りました。シニアコースで出場した選手としては4番目。まさかの4大陸あるか? と一瞬思いましたが、ミニマム全く持っておらず、取得も間に合わないため選考にも乗らずじまいでした。

 

年が明けて学生選手権は構成そのものをだいぶ落としていたので調子も落ちていたでしょうか? 117.97は本人比で悪いスコアでもないですが6位。月末には国体に出てこちらも思ったほどスコア伸びずに10位。全日本一発だけだったのかなあ? 7位なのにB級大会派遣の案内も3月分まで出ないし、辞退したんだろうか? ・・・と心配というか残念と言うか思っていたら、4月のB級大会への派遣が決まります。

トリグラフトロフィー。4年ぶりの国際大会。シニアとしては初の国際大会になります。そんな試合でショートプログラム、いきなり音響トラブル発生。集中途切れたか冒頭ルッツで転倒、57.22と残念な立ち上がりですが順位としては2位で折り返すと、フリーでは見た目ノーミスの演技で全要素プラス評価の128.70を出してトータル185.92 国際大会でも180点台半ばまでは出して2位に入り、世界ランキングのポイントを獲得。久しぶりに世界ランキングに復帰してシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
アクアカップ SP 65.21 36.29 28.92 19.93 1.40 10.78 4.18
げんさんサマーカップ 148.50 77.39 74.11 50.80 -3.94 19.54 10.99
東京選手権 165.37 84.37 84.00 50.35 -0.35 22.12 12.25
東日本学生選手権 118.26 60.62 57.64 38.70 5.35 9.45 7.12
ウィンタートロフィー 107.06 51.20 55.86 31.76 1.75 10.40 7.29
東日本選手権 172.62 89.02 84.60 61.56 -2.24 19.10 10.60
全日本選手権 191.89 98.94 92.95 61.83 0.00 22.50 14.61
日本学生氷上選手権 117.97 59.23 58.74 38.52 1.60 11.37 7.74
国民体育大会 170.68 82.67 89.01 53.15 -2.03 20.65 10.90
Triglav Trophy 185.92 94.99 91.93 57.79 4.07 21.24 11.89

トータルスコアは徐々に調子を上げて全日本でピークに達して190点台に乗せます。一度落ちるものの4月の国際大会で再び180点台半ばまでもってきて、全日本がフロックではないということを示しました。

技術点は90点台までです。PCSも90点台。国際大会で91.93ですが1項目平均7.5を少し超えるくらいです。

ジャンプの基礎点は東日本と全日本で60点を超えました。国際大会は57.79となっています。

ジャンプの加点はフリーだけの東日本学生で稼いでいました。ショートフリー合わせた試合では国際大会の4.07が最高です。意外と全日本は伸びていなくて±0でした。

スピンは22点台までであまり伸びていません。

ステップ系要素が全日本で14.61まで出して、このスコアなら国際大会でも上位の方ですが、実際に国際大会で出したのは11.89と伸びていませんでした。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
げんさんサマーカップ 47.83 50.62 48.12 48.37 51.15 46.88
東京選手権 53.40 50.18 55.47 56.98 56.82 54.07
東日本選手権 55.80 61.11 51.60 46.90 49.40 54.51
全日本選手権 62.16 61.38 56.19 58.25 67.45 60.58
国民体育大会 55.15 52.91 52.03 52.07 50.75 57.72
Triglav Trophy 60.19 57.43 64.52 54.04 55.20 59.84

偏差値で見ると、トータルスコア60台に乗せています。

ジャンプの基礎点はいい時に60台に乗りますが国際大会は50台後半まででした。

ジャンプの加点は50台が多く、これは逆に国際大会で伸びて60台半ばまであります。

スピンは50台、ステップ系要素は全日本だけ伸びていますが他は50台にとどまります。

PCSも60前後まででした。

 

22-23シーズン 青木祐奈選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは、よくわかりません・・・

全日本は左下に突出して右下は凹む。国際大会は左下は凹んで右下に伸びる

全部いいところが揃うと200点まで可能性はあるのだけど、全部揃える力まではまだない、というところでしょうか。

 

・シーズン最高の基礎点構成

全日本選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz!q+3Lo< ! 9.82   -2.95 6.87 -4.889
2 2A   3.30   0.61 3.91 1.889
3 FCSp4   3.20   0.59 3.79 1.889
4 3F   5.83 X 1.14 6.97 2.222
5 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.778
6 CCoSp3   3.00   0.64 3.64 2.111
7 LSp4   2.70   0.58 3.28 2.222
  TES   31.75   1.67 33.42  

ショートプログラムは全日本から持ってきて31.75というのがありました。ローカル大会でアクアカップでは32.13まで出しています。構成は同じで回転不足がない代わりにステップのレベルが3でした。国際大会のトリグラフトロフィーはルッツ転倒で、1.1倍にリカバリー2Tを入れステップレベル2、スピンのレベルも少し変わっての26.58でした。

全日本の構成はループの回転不足とスピンのレベル3があるわけですが、これをノーミスで行けると基礎点は33.23まででます。ダブルアクセル組では最高の基礎点です。ルッツ、フリップ、ループと入ることで、セカンドトーループ組では出せない基礎点になってきます。

その構成でGOE満点だと技術点47.13まで出て、PCS加味して87.13満点まで出ます。

 

全日本選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A+1Eu+3F   9.10   1.59 10.69 3.111
2 3Lzq+3Loq q 10.80   -1.43 9.37 -2.333
3 3S   4.30   0.98 5.28 2.333
4 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.333
5 2T   1.30   0.04 1.34 0.444
6 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.778
7 2A+2T   5.06 X 0.66 5.72 2.000
8 3Lzq q 6.49 X -0.34 6.15 -0.556
9 3Fq q 5.83 X -0.30 5.53 -0.444
10 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.444
11 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.667
12 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.778
  TES   59.18   6.34 65.52  

フリーは全日本の59.18が最高基礎点でした。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。本来は5番目の要素が3回転のトーループで7トリプルになるはずの構成です。それがしっかり入っていれば基礎点62.08まで出ます。スピンは合計9.40なのでマックスの10.20と比べるとレイバックスピンが入る分0.80下がります。また、1.1倍の構成がやや弱い分、ルッツとフリップを2回づつという強構成の割には基礎点が出ていません。それでも62.08まであればダブルアクセル組の中では十分勝負できます。

国際大会のトリグラフトロフィーでは基礎点57.91でした。

上記の62.08構成だとGOE満点で技術点は88.33まで出てPCS加味して168.33満点となります。

 

○平均GOE2.400以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
全日本選手権 FS 11 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.667
全日本選手権 FS 1 2A+1Eu+3F   9.10   1.59 10.69 3.111
東日本学生選手権 FS 1 2A+1Eu+3F   9.10   1.59 10.69 3.000
東京選手権 FS 1 2A+2T   4.60   0.99 5.59 3.000
Triglav Trophy SP 5 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.000
Triglav Trophy SP 2 2A   3.30   0.99 4.29 2.800
Triglav Trophy FS 11 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.800
国民体育大会 SP 5 StSq2   2.60   0.78 3.38 2.800
全日本選手権 SP 5 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.778
全日本選手権 FS 6 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.778
全日本選手権 FS 12 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.778
東日本選手権 SP 5 StSq2   2.60   0.68 3.28 2.714
Triglav Trophy FS 6 ChSq1   3.00   1.33 4.33 2.600
アクアカップ SP SP 6 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.600
東京選手権 SP 5 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.600
日本学生氷上選手権 FS 11 StSq3   3.30   0.77 4.07 2.600
ウィンタートロフィー FS 11 StSq2   2.60   0.69 3.29 2.600
全日本選手権 FS 10 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.444
東京選手権 FS 3 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.400
Triglav Trophy FS 12 LSp3   2.40   0.56 2.96 2.400

国内ローカル大会含め出場全試合から高GOEを選んで持ってきたわけですが、上の方には全日本やトリグラフトロフィーといった大事だった試合が多くあります。今季は大事な試合である程度満足いく結果を出せたというのがこの辺にも出ているのだろうと思います。

最高評価は全日本フリーのステップ。ステップでこれだけ高い評価を出せるのは世界でも数人です。レベル4率も高くない青木選手が国内参考とはいえ全日本でここまで高い評価を受けることが出来たのは驚きではありました。

その次には3連続ジャンプが2つ来ます。なかなか他の選手が入れない種類の3連続ですのでこれをしっかり決められるとインパクトあります。

他はステップが高評価が多いです。ただ、レベル4率が低いので得点としてはほどほどになってしまうのが残念なところです。この評価のままレベル4を並べられると、ステップの名手の一員となれそうです。

 

○3回転-3回転

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
アクアカップ SP SP 1 3Lz+3Lo   10.80   0.39 11.19 0.600
東日本学生選手権 FS 2 3Lz+3Lo   10.80   1.18 11.98 2.000
東日本選手権 SP 1 3Lz!+3Lo< ! F 9.82   -2.95 6.87 -5.000
東日本選手権 FS 2 3Lz+3Lo< 9.82   -0.71 9.11 -1.143
全日本選手権 SP 1 3Lz!q+3Lo< ! 9.82   -2.95 6.87 -4.889
全日本選手権 FS 2 3Lzq+3Loq q 10.80   -1.43 9.37 -2.333
国民体育大会 SP 1 3Lzq+3Lo< 9.82   -2.16 7.66 -3.200
Triglav Trophy FS 2 3Lz+3Lo   10.80   0.98 11.78 1.400

青木選手はいわゆるルーパー。セカンドジャンプはループを飛びます。今季セカンド3Loを国際大会でGOEプラスの成功をさせたのはイザボーレビト選手と青木祐奈選手の2人だけです。

今期要素として入ったのは8回。GOEプラスの成功は3回になります。実際にはルッツで転倒してセカンド入らないなど、要素としてそもそも入らなかった、というパターンが結構あるので成功率はさらに低いです。

世界の希少なルーパーさんですので、これの成功率が上がるといいのですが、やはりどうしても難しいようですセカンドループ。

 

○3連続の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ FS 1 2A<+1Eu+3Fq < F 8.44   -2.65 5.79 -5.000
東京選手権 FS 7 2A+1Eu+1F   4.73 X 0.00 4.73 0.000
東日本学生選手権 FS 1 2A+1Eu+3F   9.10   1.59 10.69 3.000
ウィンタートロフィー FS 1 2A+1Eu+2F   5.60   0.22 5.82 0.600
東日本選手権 FS 7 2A+2T+2Lo   6.93 X 0.59 7.52 1.857
全日本選手権 FS 1 2A+1Eu+3F   9.10   1.59 10.69 3.111
国民体育大会 FS 1 2A+1Eu+3F   9.10   -0.18 8.92 -0.200
Triglav Trophy FS 7 2A+1Eu+2F   6.16 x 0.55 6.71 1.800

3連続ジャンプは冒頭からダブルアクセルで入った三つ目にフリップを3回転で付けようとするパターンと、7番目の要素で同じようにするパターンと、7番目の要素で2回転2つ付けるパターンと3つありました。

今季フリーは9回滑って、学生選手権では3連続入りませんでしたが後の8試合は入っています。1つ転倒があり、3つ目が1回転になったものも1つ。そういったミスはありますが、全日本での+3.111のような高評価もありました。不安定ながら点を取る力はあるというものになっています。

 

全日本ノービス優勝実績のあるかつての天才少女。小学生の頃は本田真凜選手と双璧をなす存在でした。その後ジュニア時代は苦労が続き、今季前半までは国内ローカルな選手でしたが全日本で飛躍し国際舞台に復帰しました。MFアカデミーで練習しているところも合わせ、渡辺倫果選手の昨シーズンの姿と重なりますが、渡辺選手との違いはタイミングとして年齢が2つ上で、来シーズンはすでに大学4年生というところです。流れとしては来期はチャレンジャーシリーズに派遣されるのではないかと思われるのですが、そこで結果を出せば、今期の渡辺倫果コースもありえるわけですが、一方で大学4年生、進路も決めないといけません。

勝手な外野としては、とりあえず大学院で、とか言いたいわけですが、人生そんな簡単なものでもないわけで。人生には口出しできませんが、チャレンジャシリーズでの一発は期待してしまいます。