22-23 櫛田育良

2007年10月29日生まれ

ジュニア2シーズン目

シーズン獲得賞金:$1,000

世界ランキング:171位

シーズンランキング:114位

シーズンベストスコア 180.83(42位) チャレンジカップ

ショートプログラムシーズンベスト 61.45 チャレンジカップ

フリーシーズンベスト 121.35 JGPオストラバ

ショートプログラム楽曲:レッドバイオリンより

フリープログラム楽曲:サムスンとデリラ

スピンレベル4率 47/63 = 74.6%(国際大会:10/12 = 83.3%)

ステップレベル4率 5/11 = 45.5%(国際大会:0/2 = 0.00%)

スピンオールレベル4 4/9(国際大会:1/2)

スピンステップオールレベル4  2/9(国際大会:0/1)

ジャンプ要素回転不足率 13/111=11.7%(国際大会:2/20=10.0%)

ジャンプ回転不足なし 3/9(国際大会:0/2)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 1/9(国際大会0/2)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL みなとアクルス 1 176.49 60.77 115.72
DL 木下トロフィー 4 174.71 61.37 113.34
JGP JGP Ostrava 3 177.02 55.67 121.35
RT 近畿選手権 1 156.78 46.61 110.17
RT 西日本選手権 5 156.77 57.70 99.07
DL 京都府中学校体育大会 4 106.44   106.44
NJ 全日本ジュニア 4 184.29 62.32 121.97
DL 京都府民総合体育大会 2 123.87   123.87
NC 全日本選手権 8 190.58 63.29 127.29
IJ 全国中学スケート大会 2 185.68 65.42 120.26
IC Challenge Cup 2 180.83 61.45 119.38
DL 京都府選手権 2 107.75   107.75

櫛田育良選手は今シーズンジュニア2シーズン目。まだ国際大会の出場経験はありませんでした。

シーズン初戦にカウントしてよいか微妙な7月頭にみなとアクルス杯。大きなミスなく滑り176.49で優勝します。

2戦目は8月に入って木下トロフィー。ショートフリー共にここでもまずまずの滑りで4位でした。

国際大会デビューはジュニアグランプリのオストラバ。初の海外遠征、緊張もあったでしょうか、ショートでは単独ループを転倒し55.67は8位と出遅れます。それでも3位とは3.57差。チャンスはあるというフリー、ここで勝負強さを見せて121.35とこれまでの国内でのベストスコアを上回る得点を出して177.02 後続を待つと次々に順位を上げていき最終的には3位、表彰台に上りました。ただ、スコア的には170点台は他の日本勢よりやや落ちる形。その結果ジュニアグランプリの2戦目が回ってきませんでした。

 

ここから国内戦に回るわけですが近畿選手権はショートから2転倒。優勝はしましたがスコアが伸びません。西日本選手権はジャンプが決まらず2戦連続の150点台で5位。全日本ジュニアへ不安を残します。

間で京都府中学校大会でフリーを滑りますが106.44とスコア伸びず。翌週に勝負の全日本ジュニアへ。

ここでようやくショートプログラム62.32 5位スタート。全日本への進出枠は8 9位とは4.95差、逆に3位表彰台ラインとは3.07差でそちらのチャンスもあるというフリー。8位以内確定には96.09でいいので何とかなりそう、あとはどこまで行けるか? という場面で冒頭から3-3を2本決めて全要素プラス評価。121.97と自己最高スコアでトータル184.29でトータルも自己最高スコア更新。最終的に4位で全日本進出を決めました。

 

シニアカテゴリーのフリーの練習とばかりに12月に入って京都府総体に出て123.87と好調さを取り戻した状態でいざ全日本へ。残り1枠の世界ジュニアの切符を大逆転で目指したい立場です。昨シーズンは届かなかったので今季が初の全日本。緊張のショートを63.29とベスト更新で9位スタート。第3グループに入ってのフリー。サムスンとデリラはジュニアながら大盛り上がりで全要素プラス評価の127.29は自己最高スコア。トータルは190.58と初の190点台で8位にまで入りました。

 

シーズン後半は全中へ。ここで世界ジュニア代表の中井亜美選手を破って2位に入ります。

さらに2月は国際大会へ派遣。チャレンジカップはともに試合に出ることの多い柴山歩選手と共に出場です。今季は3勝4敗ですが全日本ジュニア、全日本、全中と大事な試合では勝っています。ショートは61.45で柴山選手と3.46差の2位。フリーはコンビネーションでアンダーローテーションが1つ入ったことで120点に届かず119.38 トータル180.83で柴山選手に届かず2位に終わりました。

3月にもう1試合、フリーだけの京都府選手権でも2位に入りました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
みなとアクルス 176.49 98.95 77.54 64.74 6.73 19.30 8.18
木下トロフィー 174.71 97.97 77.74 63.90 3.55 21.58 8.94
JGP Ostrava 177.02 93.93 84.09 63.66 -0.38 21.74 8.91
近畿選手権 156.78 83.89 74.89 58.48 -3.74 21.70 7.45
西日本選手権 156.77 80.57 77.20 59.45 -7.73 20.09 8.76
京都府中学校体育大会 106.44 58.26 49.18 44.51 -0.32 10.24 3.83
全日本ジュニア 184.29 100.70 83.59 64.74 6.58 20.86 8.52
京都府民総合体育大会 123.87 66.68 57.19 44.77 3.39 9.71 8.81
全日本選手権 190.58 104.48 86.10 65.18 2.90 22.73 13.67
全国中学スケート大会 185.68 101.91 84.77 63.90 6.55 22.67 8.79
Challenge Cup 180.83 98.03 82.80 63.90 4.63 21.64 7.86
京都府選手権 107.75 53.79 54.96 42.16 -2.53 9.83 4.33

トータルスコアはシーズン序盤に170点台、一旦150点台に沈んだ後180点台を経て190点に乗せ、180点台に戻る。調子が上がったというか地力が上がったように見えるスコア推移です。

技術点は国内で100点台の試合がシニアカテゴリー含め3試合あります。国際大会は90点台後半まででした。

PCSはまだ伸びずに全日本の86.10が最高、国際大会では84.09まで。1項目平均7点を少し超えるくらいです。

ジャンプの技術点はシニアカテゴリーの全日本で65.18まで出しましたが63.90が多くあります。加点の方は6点台が3試合ありました。

スピンは22試合の試合がありますが国際大会は21点台です。

ステップ系要素はジュニアの試合では8点台が並んでいます。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
みなとアクルス 57.07 64.21 69.97 47.57 57.32 49.38
木下トロフィー 56.49 63.39 63.46 55.18 63.71 49.52
JGP Ostrava 57.25 63.16 55.41 55.71 60.69 54.14
近畿選手権 50.56 58.11 48.53 55.58 49.26 47.45
西日本選手権 50.56 59.05 40.36 50.20 62.54 49.13
全日本ジュニア 59.65 64.21 69.66 52.77 59.03 53.78
全日本選手権 61.73 64.64 62.13 59.01 63.21 55.60
全国中学スケート大会 60.11 63.39 69.60 58.81 60.56 54.63
Challenge Cup 58.51 63.39 65.67 55.38 53.99 53.20

偏差値に直すと全日本と全中で60台にトータルスコアが乗りました。国際大会では50台後半までです。

ジャンプの基礎点は60台がほとんどです。加点の方は60台後半までいい試合では出しています。国際大会ではチャレンジカップで65.67を出しました。

スピンは50台です。ステップ系要素はジュニア補正なのであまり参考にはなりませんが全日本で60台に乗せていますので、それくらいの力はあるようです。

PCSはまだいい時でも50台中盤まででした。

 

22-23シーズン 櫛田育良選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは右寄りです。大技は無いですがそれでもジャンプで点を取るジュニア型になっています。

 

・シーズン最高の基礎点構成

全日本選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz!+3Tq ! 10.10   -1.26 8.84 -2.111
2 2A   3.30   0.57 3.87 1.556
3 FCSp4   3.20   0.46 3.66 1.444
4 3F   5.83 X 0.76 6.59 1.444
5 CCoSp4   3.50   0.75 4.25 2.222
6 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.111
7 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.889
  TES   32.53   2.83 35.36  

ショートプログラムの最高基礎点はシニアカテゴリーの全日本で32.53が出ました。ルッツの3-3を冒頭に、単独フリップを1.1倍に、スピンステップオールレベル4で32.53です。ジュニアの試合では木下トロフィーでフリップのところをジュニアルールでループにした構成で32.09の基礎点が出ています。

この構成でGOE満点だと技術点46.43まで出てPCS加味して86.43満点となります。

 

全日本選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz!+3T ! 10.10   0.25 10.35 0.444
2 3S+3T   8.50   0.18 8.68 0.444
3 2A   3.30   0.42 3.72 1.222
4 FSSp4   3.00   0.51 3.51 1.667
5 3Lz! ! 5.90   0.25 6.15 0.333
6 3Lo+2T+2Lo   8.69 X 0.77 9.46 1.556
7 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.222
8 LSp4   2.70   0.69 3.39 2.556
9 3F   5.83 X 0.68 6.51 1.222
10 2A   3.63 X 0.28 3.91 0.889
11 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.333
12 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.556
  TES   62.05   7.07 69.12  

フリーもシニアカテゴリーの試合から持ってきていますが全日本で62.05の基礎点がありました。ジュニアの試合ではジュニアグランプリのオストラバで57.75の基礎点があります。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。スピンは合計基礎点9.20なのでマックスからは1.00低くなります。3-3を2つ最初に入れてくる構成です。そのためもあって1.1倍の構成がやや弱いでしょうか。

この構成でGOE満点だと技術点87.55まで出てPCS加味して167.55満点となります。

 

○平均GOE2.500以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
JGP Ostrava FS 7 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.556
全国中学スケート大会 FS 11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.200
全国中学スケート大会 FS 7 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
全国中学スケート大会 SP 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
JGP Ostrava FS 8 LSp4   2.70   0.77 3.47 3.000
JGP Ostrava SP 6 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.889
全日本選手権 SP 7 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.889
みなとアクルス SP 6 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.800
全日本ジュニア SP 6 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.714
JGP Ostrava FS 4 FSSp3   2.60   0.67 3.27 2.667
全国中学スケート大会 SP 1 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.600
近畿選手権 FS 11 CCoSp4   3.50   0.93 4.43 2.600
近畿選手権 FS 7 ChSq1   3.00   1.33 4.33 2.600
みなとアクルス SP 7 LSp3   2.40   0.64 3.04 2.600
全日本ジュニア FS 11 CCoSp4   3.50   0.91 4.41 2.571
木下トロフィー SP 7 LSp4   2.70   0.70 3.40 2.571
JGP Ostrava FS 2 3S+3T   8.50   1.17 9.67 2.556
全日本選手権 FS 12 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.556
全日本選手権 FS 8 LSp4   2.70   0.69 3.39 2.556
JGP Ostrava SP 7 LSp4   2.70   0.66 3.36 2.556

櫛田選手の評価の高い要素はコレオ、ステップが目立ちます。スピンやジャンプもありますが要素数考えるとコレオやステップが得意と見てよいでしょうか。

ジャンプで最高評価は3Lz+3Tとコンビネーションが入っています。その次に3S+3Tもいます。コンスタントに高いGOEを取るまでは出来ていませんが、質の高いジャンプを飛ぶ力はあるのだろうと思われます。

 

○セカンド3回転を含む要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
みなとアクルス SP 1 3Lz!+3T ! 10.10   0.39 10.49 0.600
みなとアクルス FS 1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
みなとアクルス FS 2 3S+3T   8.50   0.86 9.36 2.200
木下トロフィー SP 1 3Lz+3T   10.10   1.06 11.16 1.714
木下トロフィー FS 1 3Lz+3Tq q 10.10   -0.47 9.63 -0.714
木下トロフィー FS 2 3S+3T< 7.66   -0.60 7.06 -1.286
JGP Ostrava SP 1 3Lz!q+3T ! 10.10   -1.52 8.58 -2.444
JGP Ostrava FS 1 3Lz!+3Tq ! 10.10   -1.26 8.84 -2.111
JGP Ostrava FS 2 3S+3T   8.50   1.17 9.67 2.556
近畿選手権 FS 1 3Lz!+3T< ! 9.26   -1.18 8.08 -2.000
近畿選手権 FS 2 3S+3T< 7.66   -0.43 7.23 -1.200
西日本選手権 SP 1 3Lz!q+3T< ! 9.26   -2.36 6.90 -4.000
西日本選手権 FS 2 3S+3Tq q 8.50   -1.89 6.61 -4.286
京都府中学校体育大会 FS 1 3Fq+3T< <  F 8.66   -2.65 6.01 -5.000
京都府中学校体育大会 FS 2 3S+3T   8.50   0.86 9.36 2.000
全日本ジュニア SP 1 3Lz+3T   10.10   0.94 11.04 1.571
全日本ジュニア FS 1 3Lz+3T   10.10   1.06 11.16 1.714
全日本ジュニア FS 2 3S+3T   8.50   0.77 9.27 1.714
京都府民総合体育大会 FS 1 3Lz+3Tq q 10.10   -0.20 9.90 -0.400
京都府民総合体育大会 FS 2 3S+3T   8.50   0.86 9.36 2.000
全日本選手権 SP 1 3Lz!+3Tq ! 10.10   -1.26 8.84 -2.111
全日本選手権 FS 1 3Lz!+3T ! 10.10   0.25 10.35 0.444
全日本選手権 FS 2 3S+3T   8.50   0.18 8.68 0.444
全国中学スケート大会 SP 1 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.600
全国中学スケート大会 FS 1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
全国中学スケート大会 FS 2 3S+3T< <  F 7.66   -2.01 5.65 -4.600
Challenge Cup SP 1 3Lz!q+3T ! 10.10   -1.06 9.04 -1.857
Challenge Cup FS 1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.143
Challenge Cup FS 2 3S+3T< 7.66   -0.43 7.23 -1.000
京都府選手権 FS 1 3Lz+3T   10.10   0.98 11.08 1.800
京都府選手権 FS 2 3S+3T< 7.66   -0.86 6.80 -1.800

櫛田選手はショートの冒頭で3Lz+3T フリーは冒頭3Lz+3Tで2番目に3S+3Tを飛びます。試合数も多く多数の要素が並んでいますが、1つ目のジャンプで回転不足が付くことはありませんでした。しかしながら2つ目はアンダーローテーションが8回。全31回なので4分の1程度は回転不足が付いたことになります。

転倒は2回。また、ルッツに!が付くのが多数あって19回中8回!です。4割を超えていますのでエッジは課題です。

ルッツからは19回中10回がGOEプラス、サルコウからは12回中6回がGOEプラス。成功率は5割程度ということになります。得点源になるジャンプですのでこの3-3を3つ決めることで200点が見えてくるのだろうと思います。

 

○3連続の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
みなとアクルス FS 10 2A+2T+2Lo   6.93 X 0.33 7.26 0.800
木下トロフィー FS 10 2A+2T+2Lo   6.93 X 0.00 6.93 0.143
JGP Ostrava FS 10 2A+2T+2Lo   6.93 x 0.52 7.45 1.667
近畿選手権 FS 6 3Fq+2T+2Lo q 9.13 X -0.53 8.60 -1.200
西日本選手権 FS 6 3Fq+2T+2Lo q 9.13 X -1.06 8.07 -1.857
京都府中学校体育大会 FS 6 3Loq+2T+2Lo q 8.69 X -0.82 7.87 -1.600
全日本ジュニア FS 6 3Lo+2T+2Lo   8.69 X 0.59 9.28 1.143
京都府民総合体育大会 FS 6 3Lo+2T+2Lo   8.69 X 0.98 9.67 1.800
全日本選手権 FS 6 3Lo+2T+2Lo   8.69 X 0.77 9.46 1.556
全国中学スケート大会 FS 6 3Lo+2T+2Lo   8.69 X 0.98 9.67 1.800
Challenge Cup FS 6 3Lo+2T+2Lo   8.69 x 0.69 9.38 1.429

3連続はシーズン序盤はダブルアクセル起点で2回転2つ、中盤はフリップからを経てループからに変えています。ダブルアクセル時の3回はすべてGOEプラス。フリップの2回はGOEマイナス。ループからは最初はマイナスでしたが全日本ジュニア以降はすべてプラスでした。3連続は無理をしないという戦術になっていますが、それは割と成功しているように見えます。

 

櫛田選手は今シーズン国際デビューで一定の結果は残しました。ちょっと上が強すぎたので世界ジュニアには届きませんでしたがその次の位置にはいます。来期は枠も十分ありますし、ジュニアグランプリで2戦出場することができるでしょう。まずはファイナルを目指し、次に全日本ジュニアで表彰台、さらに世界ジュニアの代表権を取る、ということを目指すシーズンになっていくのだろうと思われます。