23-24 三原舞依

1999年8月22日生まれ

シニア8シーズン目

シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:10位

シーズンランキング:44位

シーズンベストスコア 184.07(35位) 4大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 65.18 4大陸選手権

フリーシーズンベスト 118.39 4大陸選手権

スピンレベル4率 15/18 = 83.3%(国際大会:10/12 = 83.3%)

ステップレベル4率 5/6 = 83.3%(国際大会:3/4 = 75.0%)

スピンオールレベル4 0/3(国際大会:0/2)

スピンステップオールレベル4 0/3(国際大会:0/2)

ジャンプ回転不足率 7/30 = 23.3%(国際大会:7/20 = 35.0%)

ジャンプ回転不足なし 1/3(国際大会:0/2)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/3(国際大会:0/2)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
GP NHK Trophy 8 172.64 62.82 109.82
NC 全日本選手権 5 199.56 67.70 131.86
4CC Four Continents 7 184.07 65.18 118.89

昨季はグランプリファイナルを制覇しましたが世界選手権は5位。4大陸は優勝経験あるので、オリンピック以外はあとは世界選手権表彰台乗りたいね、という状態での今シーズン。

ところが今シーズンがなかなか始まらない。エントリーしていた近畿選手権は欠場したけれど、まあシードだしね、とは思いつつ心配。フィンランディア杯にもエントリーしていたはずが欠場。そろそろ本格的に心配。グランプリシリーズは2戦エントリーで4戦目の中国と6戦目のNHK杯。近場で済ませられる省エネコースなような、ファイナルに進むと全日本まで隔週の4連戦なような。ここまで試合出てないけど大丈夫なの??? と思っていたら案の定怪我ということで中国杯欠場となります。

そうなるとNHK杯までは2週間しかないわけで、これは・・・、今期はもうないかな、くらいに思っていたら、出てきました。それもそれで意外。意外というか、大丈夫なの? と出てきても結局心配になります。

世界ランキングは高いのでショートは10番滑走。さすがに3-3は付けずにコンビネーションのセカンドは2回転で済ませましたが、今大会の理不尽判定の中、ルッツでアンダーローテーション付けられるくらいで62.82の4位スタート。3位まで0.11差。普通に表彰台が射程圏にいます。フリーはどうなるんだろう??? と思いましたが、流石になかなか苦しい滑りでした。転倒や抜け2回転もありつつ、NHK杯特殊判定でアンダーローテーションも多数。そんな状況でもスピンステップはオールレベル4を出していました。フリー109.82でトータル172.64 8位ですが、何とか滑り終えた、ということに意味がある試合だったかと思います。

 

一か月後、全日本選手権。出てくるの? がそもそも半信半疑でしたが、しっかり出てきました。代表選考争いでは今季の実績はほぼ使えませんが、世界ランキングは日本人上位3人に残っていますので、選考基準を満たしている選手の中に入ります。ショートプログラムNHK杯から構成上げて3-3入れてきました。ただしqが2つ付くギリギリなもの。それでもしっかり降りて67.70 これで4位スタート。3位千葉選手と0.32差、2位山下選手とも2.22差。下は5位に河辺選手で0.45差、6位には代表選考関係ない上薗選手が1.48差、7位も代表選考関係ない島田選手で2.47差。これはこの状態でもワールド代表が見えてくるという展開になりました。

フリーは最終グループの3番滑走。先に滑ったジュニア2人がいい滑りをしたのでトップに立つには134.49が必要。代表選考のライバルになる渡辺倫果選手の上、3位の位置に入るには127.19が必要です。フリーもNHK杯から構成を上げてシークエンスのアクセルを入れ、3連続は1.1倍へ。耐える着氷にもなりますが大きなミスなくすべて降ります。131.86まで出してトータル199.56 3人残して3位。最終順位は5位。シニア勢の中では3番目。選考のライバルとなる渡辺倫果選手がすぐ下の6位ですが4.68差ある。吉田陽菜選手が7位で5.34差。代表選考どうなるのこれ? という感じでしたが、4大陸選手権の第2代表、世界選手権は補欠1となりました。

 

この状態で代表になって来るのはすごいのですけど、心配でもある。4大陸選手権、ランキングが高いので最終滑走の1人前で滑ります。曲が昨シーズンの戦場のメリークリスマスに戻りました。そしてコンビネーションを1.1倍に持っていく最高構成に。状態はそれほど良くないのではないかと思われるのですが勝負してきました。しかしながら後半のコンビネーション、トーループがアンダーローテーションの転倒。やや裏目に出た形になって65.18 5位スタート。ただ、転倒ありながらもPCSは全選手中1位評価でした。

フリーは最終グループ3番目。構成としては全日本と同じものを用意していたようですが、ジャンプがことごとくうまくいかず。2回転が3つ入り、3連続も付きませんでした。状態がやはり良くなかったのでしょう。フリーは118.89で終わり、トータル184.07 総合7位でシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
NHK Trophy 172.64 78.93 94.71 50.46 -8.69 22.89 14.27
全日本選手権 199.56 102.33 97.23 66.10 -1.71 23.09 14.85
Four Continents 184.07 88.90 96.17 52.59 -0.01 22.42 13.90

トータルスコアは全日本で200点近いところまで来ました。あと少し。あの状態でここまで点を出すか、という感じでした。国際大会ではスコア伸びず。シーズンベスト順位は高くありませんが、世界ランキング高いですし実績十分なので、グランプリ枠2つは特に問題なく来期も回って来ると思われます。

技術点が全日本で100点超え。この状態でもそこまで出ます。

PCSは4大陸で96.17と8点平均を出しました。今期全選手中17位、ISU公認で15位にあたります。今期はケガもありPCSの方が出やすい選手、という位置になっていました。

ジャンプの基礎点は国際大会2戦では50点ほど。さすがに状態が悪かったです。それに伴ってGOEもマイナスになっています。

スピンは国際大会は22点台。通常は24点台が標準で25点台まで出す選手ですから、やはりスピンも今期は点が取れていません。

ステップ系要素は15点台を普通に出す選手ですが、今期は14点台まででした。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
NHK Trophy 55.19 49.03 37.81 60.60 65.29 62.43
全日本選手権 65.10 65.74 52.11 61.41 68.14 64.51
Four Continents 59.40 51.30 55.59 58.71 63.48 63.63

偏差値で見ると国際大会は50台にとどまっています。全日本は65まで出しました。

ジャンプの基礎点も国際大会は50前後。加点の方もせいぜい50台です。

スピンは60前後の偏差値を出していますし、ステップ系要素は60台中盤まで出しました。

PCSも60台前半が出ています。

全く本調子ではないですが、それでもスピンステップPCSは高い水準にありました。足怪我してジャンプはなかなかうまくいかない、というシーズンでした。

 

三原舞依選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャートは、ジャンプが全然本調子ではないということで左による形になっています。

3試合だと少し寂しいチャートになっています。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○4大陸選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.80 4.10 2.556
2 3F   5.30   1.14 6.44 2.222
3 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
4 3Lzq+3T< F 10.19 x -2.95 7.24 -5.000
5 CCoSp3   3.00   0.51 3.51 1.667
6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
7 LSp4   2.70   0.62 3.32 2.333
  TES   31.39   2.25 33.64  

ショートプログラムは4大陸選手権で31.39の基礎点でした。単独フリップを先に飛んで、1.1倍にルッツからの3-3を入れます。ただしこの試合ではアンダーローテーションとなりました。スピンも1つレベル3で31.39です。昨季はこの構成でノーミスオールレベル4で32.81の基礎点を出しています。来期は、体調さえ十分ならその32.81の構成で行けると思われます。

 

NHK杯 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A+3T< 6.66   -0.24 6.42 -0.667
2 3Lz<+2T+2Lo< 7.38   -1.76 5.62 -3.667
3 3F!< ! 4.24   -1.64 2.60 -3.889
4 2S   1.30   0.06 1.36 0.556
5 FSSp4   3.00   0.43 3.43 1.444
6 CCoSp4   3.50   0.60 4.10 1.556
7 3Lo F 5.39 X -2.45 2.94 -4.889
8 3Lz<+2T 6.62 X -1.01 5.61 -2.000
9 3S< 3.78 X -0.59 3.19 -1.667
10 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.667
11 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556
12 FCCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.444
  TES   52.27   -3.34 48.93  

フリーは国際大会2試合とも苦しんで、NHK杯の52.27の方が高めという結果になりました。

全日本では63.27の基礎点がありました。昨季の最高基礎点は63.33というのがあったのですが、全日本はスピン1つレベル3あっての63.27 全日本以降は昨季入っていなかったシークエンスのアクセルを入れるようになっていて、2回飛ぶジャンプがルッツとループになっていたことでノーミス基礎点が上がっています。体調が万全になれば昨季より基礎点の高い構成を滑ることができる準備が出来た、ということかと思います。

 

○平均GOE2.200以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
全日本選手権 FS 10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
全日本選手権 FS 11 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
全日本選手権 SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Four Continents FS 10 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.000
Four Continents SP 3 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
NHK Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
Four Continents FS 11 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.778
全日本選手権 SP 5 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
NHK Trophy FS 10 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.667
NHK Trophy SP 5 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
NHK Trophy SP 1 2A   3.30   0.90 4.20 2.667
全日本選手権 SP 7 LSp4   2.70   0.73 3.43 2.556
全日本選手権 FS 12 FCCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.556
Four Continents SP 1 2A   3.30   0.80 4.10 2.556
NHK Trophy FS 11 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556
NHK Trophy FS 12 FCCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.444
NHK Trophy SP 3 FSSp3   2.60   0.63 3.23 2.333
Four Continents SP 7 LSp4   2.70   0.62 3.32 2.333
Four Continents FS 5 FSSp4   3.00   0.69 3.69 2.333
Four Continents SP 2 3F   5.30   1.14 6.44 2.222
Four Continents FS 1 2A+3T   7.50   0.90 8.40 2.222

三原選手の評価の高い要素はステップとコレオでした。昨季はスピンを中心に+4以上の要素もあったのですが、試合数が少ない中で体調も良くなかったので、あまり高評価要素はありません。

体調万全ならスコアは一変するのでしょうおそらく。

 

○セカンド3回転を含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
NHK Trophy FS 1 2A+3T< 6.66   -0.24 6.42 -0.667
全日本選手権 SP 2 3Lzq+3Tq q 10.10   -1.43 8.67 -2.444
全日本選手権 FS 1 2A+3T   7.50   0.48 7.98 1.111
Four Continents SP 4 3Lzq+3T< F 10.19 x -2.95 7.24 -5.000
Four Continents FS 1 2A+3T   7.50   0.90 8.40 2.222

今期はセカンド3回転はショートは初戦のNHK杯では入れず。後の2戦はルッツから。フリーはダブルアクセルから3回転トーループを後ろに付ける構成です。

ショートの3-3は結局今期は1つも決まりませんでした。フリーは試合を追うごとに評価が上がっていっています。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
NHK Trophy FS 2 3Lz<+2T+2Lo< 7.38   -1.76 5.62 -3.667
全日本選手権 FS 7 3Lo+2T+2Lo   8.69 X 0.21 8.90 0.556

3連続はNHK杯では2つ目の要素として入れましたが回転不足。全日本は後半に持っていけてしっかり決めました。4大陸は3連続を付けていません。

 

今シーズンは結局3試合の出場に三原選手は終わりました。

とにかく、ケガ大丈夫? ホントに大丈夫なの?? というシーズン。全休でもよかったのではと外野は思ってしまうのですが、これまでの波乱万丈なスケート人生があると、試合に出たいという思いはどうしても強いのだろうとも思います。

来期は・・・、体調次第なのでしょうが、体調さえよければ普通に世界選手権の代表に復帰して、今度こその表彰台を目指すことになるのだろうと思われます。