22-23 キムユジェ

2009年6月12日生まれ

ジュニア1シーズン目

シーズン獲得賞金:$5,000

世界ランキング:84位

シーズンランキング:46位

シーズンベストスコア 193.62(23位) 世界ジュニア

ショートプログラムシーズンベスト 63.97 世界ジュニア

フリーシーズンベスト 129.65 世界ジュニア

ショートプログラム楽曲:四季より

フリープログラム楽曲:アイーダ

スピンレベル4率 17/18 = 94.4%(国際大会:11/12 = 91.7%)

ステップレベル4率 4/4 = 100.0%(国際大会:2/2 = 100.0%)

スピンオールレベル4 2/3(国際大会:1/2)

スピンステップオールレベル4  2/3(国際大会:1/2)

ジャンプ要素回転不足率 2/30=6.67%(国際大会:2/20=10.0%)

ジャンプ回転不足なし 2/3(国際大会:1/2)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 2/3(国際大会1/2)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
JGP JGP Courchevel 3 185.67 60.87 124.8
NC Korean Championships 6 193.97 63.33 130.64
WJ World Junior 4 193.62 63.97 129.65

キムユジェ選手は2009年6月12日生まれの13歳 今季からジュニアに上がってきた選手ですが、今期の主要メンバーの中で真の最年少という立ち位置になります。

ジュニアグランプリシリーズ初戦のクールシュベルに派遣されました。ライバルは日本勢。ショートプログラムで単独ループが決まらず60.87となりますが3位スタート。フリーは最後から3人目。108.46で表彰台確定という場面。冒頭トリプルアクセルに挑むとqながら着氷。以降、軽いミスはありますが124.80とまとめてトータル185.67 3位表彰台を確保しました。

意外にもジュニアグランプリの2戦目派遣はなし。年内は国際大会派遣はそのままありませんでした。

年が明けて韓国選手権。韓国の世界ジュニア枠は3つ。十分に狙える位置にいます。ショートプログラムはシニアカテゴリーの試合なのでトリプルアクセルを組み込みますが転倒。63.33ですが10位のスタートとなります。逆転を狙うフリー。ここで冒頭トリプルアクセルをプラス評価で決めます。しかしながら次のルッツで転倒。後はまとめたのですが130.64まででトータル193.97 最終順位は6位。これは微妙な位置で、今期ジュニアグランプリシリーズに出場していた選手の中では4番目でした。ただ、シニア可能なキムチェヨン選手が世界選手権に回ったことで、世界ジュニアの切符が回ってきました。

 

世界ジュニアはショートプログラムでループにqがついて63.97 スコアは伸び切らずの4位。3位の中井亜美選手とは3.31差。トリプルアクセル対決となるフリー。冒頭、+2.444でISU公認大会トリプルアクセル初成功すると以降もしっかりまとめ129.65 トータル193.62まで出して残りの3人を待ちます。最終的には届かず4位。表彰台には上がれませんでした。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
JGP Courchevel 185.67 100.47 85.20 68.89 -1.69 23.92 9.35
Korean Championships 193.97 109.16 86.81 75.12 -1.96 22.64 13.36
World Junior 193.62 105.61 88.01 68.23 4.86 22.96 9.56

技術点はすべての試合で100点を超えました。ナショナルで109.16 世界ジュニアでは105.61があります。

PCSは世界ジュニアで88.01まで出ました。1項目平均7点は少し超えてきています。

ジャンプの基礎点は国際大会では68点台、ナショナルでは75.12まで出しました。国内参考記録ですが75.12なら今期の国際大会では全体3位にあたる基礎点になります。68.89でも今期の8位になります。

ジャンプのGOEはマイナスが2試合あります。世界ジュニアはプラスが出ました。

スピンはまだ23点台まで。ステップ系要素は9点台を出しています。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
JGP Courchevel 60.11 68.26 52.73 62.99 65.60 54.95
Korean Championships 62.85 74.34 52.17 58.71 61.82 56.12
World Junior 62.73 67.62 66.14 59.78 66.54 56.99

偏差値で見るとトータルスコアは60台前半くらいあります。

ジャンプの基礎点はナショナルでは70台中盤まで出ました。国際大会でも60台後半です。

ジャンプの加点は世界ジュニアでは60台後半を出しています。

スピンは60前後、ステップ系要素はジュニアの試合では補正もあって65程度、ナショナルでは60台前半です。

PCSはまだ50台半ばとなっています。

 

22-23シーズン キムユジェ選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートで見ると右上突出しています。ステップ系要素は飛び出していますがジュニア補正があるので実態としてはまだ何とも言えません。

右上だけでなく右下も伸ばせると、ジュニアの頂点争いに顔を出してきそうです。

 

・シーズン最高の基礎点構成

○韓国選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
2 3Lz+3T   10.10   0.71 10.81 1.286
3 FCSp4   3.20   0.45 3.65 1.429
4 LSp4   2.70   0.49 3.19 1.857
5 3Lo   5.39 x 0.88 6.27 1.714
6 StSq4   3.90   0.78 4.68 1.857
7 CCoSp4   3.50   0.56 4.06 1.571
  TES   36.79   -0.13 36.66  

ショートプログラムの最高基礎点は、シニアカテゴリーのナショナルで出した36.79 トリプルアクセル入りで1.1倍単独ループ構成。これは今季の国際大会ではだれも出していない高い基礎点になります。国際大会では世界ジュニアのダブルアクセル構成で32.09を出しています。

この36.79の構成のときGOE満点で技術点は52.84まで出てPCS加味して92.84満点となります。

 

○韓国選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   0.16 8.16 0.286
2 3Lz F 5.90   -2.95 2.95 -5.000
3 3F+3T   9.50   0.64 10.14 1.143
4 2A+1Eu+3S   8.10   0.43 8.53 1.000
5 FCCoSp4   3.50   0.77 4.27 2.286
6 ChSq1   3.00   1.00 4.00 1.857
7 3Lz+3T   11.11 x 0.83 11.94 1.429
8 3Lo   5.39 x 0.88 6.27 1.714
9 2A   3.63 x 0.46 4.09 1.429
10 LSp4   2.70   0.43 3.13 1.714
11 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.143
12 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.429
  TES   68.23   4.27 72.50  

フリーもシニアカテゴリーの韓国選手権で68.23の基礎点を出していました。国際大会ではJGPクールシュベルで63.88があります。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループトリプルアクセル込みでエイトトリプルが組まれています。68.23なら今期の国際大会で3位相当の基礎点です。63.88でも今期の10位の基礎点になります。

この構成だとGOE満点で技術点は96.33まで出てPCS加味して176.33満点となります。

 

○平均GOE2.200以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
JGP Courchevel FS 9 LSp4   2.70   0.96 3.66 3.556
World Junior FS 10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
JGP Courchevel FS 11 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.333
JGP Courchevel SP 4 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.111
JGP Courchevel FS 10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
World Junior SP 4 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.889
JGP Courchevel SP 1 2A   3.30   0.94 4.24 2.778
JGP Courchevel SP 7 CCoSp3   3.00   0.77 3.77 2.667
World Junior FS 1 3A   8.00   1.94 9.94 2.444
World Junior SP 6 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.444
JGP Courchevel FS 5 FCCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.444
Korean Championships FS 12 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.429
World Junior SP 2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
JGP Courchevel SP 6 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.333
Korean Championships FS 5 FCCoSp4   3.50   0.77 4.27 2.286
World Junior FS 2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.222
JGP Courchevel SP 3 FCSp4   3.20   0.73 3.93 2.222

評価の高い要素はスピンとコレオが目立ちます。ジャンプではダブルアクセルが最も評価が高いのですが、その次がトリプルアクセル+2.444というのがありました。

コンビネーションジャンプも+2を超える評価を受けており、種類に寄らず序盤のジャンプが高評価なようです。

 

トリプルアクセル

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
JGP Courchevel FS 1 3Aq q 8.00   -0.91 7.09 -1.111
Korean Championships SP 1 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
Korean Championships FS 1 3A   8.00   0.16 8.16 0.286
World Junior FS 1 3A   8.00   1.94 9.94 2.444

今季ルール上トリプルアクセルを飛べる場合にはすべて冒頭に入れていました。

4回飛んで転倒1、q1で2回はGOEプラスの成功です。ダウングレードもアンダーローテーションもありません。転倒があったとしても回転が十分に足りているというのはトリプルアクセルとしては大きいです。その上で5割の成功率までありますので、十分に使える要素になっていると言えそうです。あとは、年を取っても跳び続けられるか、というところかと思います。

 

○セカンド3回転の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
JGP Courchevel SP 2 3Lz+3T   10.10   1.01 11.11 1.667
JGP Courchevel FS 2 3Lz+3T   10.10   1.01 11.11 1.667
JGP Courchevel FS 4 2A+3T+2A+SEQ   10.80   -0.78 10.02 -1.667
Korean Championships SP 2 3Lz+3T   10.10   0.71 10.81 1.286
Korean Championships FS 3 3F+3T   9.50   0.64 10.14 1.143
Korean Championships FS 7 3Lz+3T   11.11 x 0.83 11.94 1.429
World Junior SP 2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
World Junior FS 2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.222

セカンド3回転はショートフリー共にルッツから入っていますが、ナショナルではフリップからも併用して3-3をフリーで2本飛んでいます。ジュニアグランプリではダブルアクセルからの3連続もありました

3-3は3試合で7本飛んですべてGOEプラスです。3-3をこれだけの成功率で決められるのは強みです。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
JGP Courchevel FS 4 2A+3T+2A+SEQ   10.80   -0.78 10.02 -1.667
Korean Championships FS 4 2A+1Eu+3S   8.10   0.43 8.53 1.000
World Junior FS 3 3Lo+2T+2Lo   7.90   0.56 8.46 1.222

3連続ジャンプは3試合で内容がバラバラです。2試合ではGOEプラスでした。1.1倍に入れていないというのは共通です。あまり負担なく3連続は済ませたい、という風に見えます。

 

トリプルアクセルを飛ぶ中学1年生。今シーズンの主要選手の中で最年少選手でしたが、世界ジュニアの表彰台までは届きませんでした。ジュニアグランプリはなんで2戦目無かったのだろう? 韓国ジュニアではシンジア選手が2年連続で世界ジュニア2位でしたがこの先2シーズンはジュニアのライバルとして戦うことになります。ただ、トリプルアクセルをしっかり決めることのできるキムユジェ選手は基礎点ポテンシャルが上。2本フリーで入れられるようだと島田選手と真っ向勝負が可能になってきます。来期、日本勢の前に立ちはだかる存在になって来るのでしょうか?