グランプリシリーズ23展望 女子シングル

グランプリシリーズのアサインが出るのは、コロナ無ければ通常シーズンだと6月終わりでしたねそういえば。ということで、出ましたアサイン。実際の試合は10月ですので、3カ月以上も先ですから、メンバーの入れ替わりも生じてしまうとは思いますが、今年はこの時点でシリーズの展望を出してしまおうと思います。

昨シーズンのシーズンベスト、セカンドベスト、シーズンワーストの3つのスコアを並べます。すべて国際大会です。ベストワーストはISU公認非公認関係なく入れています。フリーだけの試合(ジャパンオープン)や、ショート落ち、ショートのみで棄権の試合をワーストに入れることはしていません。

まずは女子から。

 

スケートアメリカ

Skate America   22-23Best 22-23Second 22-23worst
Loena HENDRICKX BEL 216.34 210.42 193.48
Isabeau LEVITO USA 215.74 213.87 197.23
Hana YOSHIDA JPN 211.46 208.31 158.30
Mone CHIBA JPN 205.82 204.98 185.73
Niina PETROKINA EST 203.52 193.49 152.00
Amber GLENN USA 197.61 195.01 166.73
Mana KAWABE JPN 197.41 192.46 180.11
Seoyeong WI KOR 193.25 176.74 176.74
Young YOU KOR 191.36 190.15 175.80
Ekaterina KURAKOVA POL 190.44 189.98 178.68
Xiangyi AN CHN 183.94 179.31 144.98
TBD USA      

初戦はスケートアメリカ。昨シーズンのスコア1位はヘンドリックス選手です。セカンドベストはレビト選手の方が上。レビト選手は昨シーズンは2戦とも2位。自国でのグランプリ初優勝を目指します。

210点台のシーズンベストはもう1人、グランプリデビュー戦になる吉田陽菜選手です。ただし、吉田選手はシーズンワーストは全体9位と崩れた時の大崩れ度合いがなかなかひどい、という現実はありました。ノーミスならデビュー戦優勝がありますがどうでしょう?

同じくグランプリデビュー戦の千葉百音選手が昨シーズンベストは4番手。持ちカードからすると優勝する可能性は吉田陽菜選手より落ちますが、表彰台に乗る可能性は千葉選手の方が高そうに感じます。

200点台はもう1人、エストニアのペトロキナ選手。エストニア勢初のグランプリ表彰台の可能性がありますが、こちらも波の激しい選手でシーズンワーストは11人中10番目です。

日本からもう1人は河辺愛菜選手。スコア的には日本勢3番手扱いみたいなことになってますが、オリンピアンですので経験値は上なはず。昨シーズンはトリプルアクセルが1つも入りませんでしたが、大学生になった今シーズン、アクセル戻っているでしょうか。

ユヨン選手も復活を賭けたシーズンでしょうか。昨シーズンは191点までしかないですがまずは200点に戻したい。

アメリTBDは…、グレーシーゴールド選手が普通に入ってきそうな気もしますが、どうでしょうか?

 

スケートカナダ

Skate Canada Int.   22-23Best 22-23Second 22-23worst
Kaori SAKAMOTO JPN 228.35 224.61 192.56
Rinka WATANABE JPN 213.14 200.50 188.07
Chaeyeon KIM KOR 205.51 203.94 190.36
Lindsay THORNGREN USA 203.62 196.48 165.09
Nicole SCHOTT GER 197.76 181.41 147.46
Rika KIHIRA JPN 192.43 184.33 184.33
Starr ANDREWS USA 191.26 180.59 156.60
Audrey SHIN USA 189.00 183.93 175.89
Madeline SCHIZAS CAN 187.84 187.49 159.73
Lara Naki GUTMANN ITA 180.89 178.43 166.24
Kaiya RUITER CAN 172.42 169.65 169.65
Sara-Maude DUPUIS CAN 170.67 153.77 143.17

2戦目はスケートカナダ。ここはアサイン時点でTBD残さず12枠全選手埋まりました。

世界選手権2連覇、坂本花織選手がここにエントリー。スケートカナダは初登場になります。順当にいけば普通に勝てるはず。

スコア2番手には渡辺倫果選手がいます。2シーズン連続でファイナルに進むにはできればここで2位には入っておきたいところです。

3番目にはキムチェヨン選手がいます。経験値無いなかで200点台をコンスタントに出していた昨シーズンですので今シーズンそこからさらにどこまで伸ばしてくるか? 実はシード選手ですしファイナル候補にもなります。

日本からはもう1人、紀平梨花選手が入りました。枠があるか微妙だなあと思いましたが1枠は残った。ただ、ケガの状態はまだ微妙なような話も聞きます。10月ですのでそれまでには回復して行っているといいですが、完治するまで滑らないで! と言いたい気分もあります。怪我から回復していれば、優勝までありますが、どうでしょうか。

カナダ勢はシーザス選手が頑張らないと、10,11,12位で終わってしまう危険もあるメンバーとなりました。

 

○グランプリフランス

Grand Prix de France   22-23Best 22-23Second 22-23worst
Haein LEE KOR 225.47 220.94 164.88
Isabeau LEVITO USA 215.74 213.87 197.23
Mone CHIBA JPN 205.82 204.98 185.73
Anastasiia GUBANOVA GEO 199.91 197.56 166.57
Rion SUMIYOSHI JPN 194.34 193.12 191.48
Kimmy REPOND SUI 194.09 192.51 169.35
Nina PINZARRONE BEL 191.78 191.20 169.28
Janna JYRKINEN FIN 178.72 176.96 136.96
Lea SERNA FRA 177.72 167.89 162.98
Wakaba HIGUCHI JPN 150.20   150.20
TBD FRA      
TBD FRA      

3戦目はフランスです。イ・ヘイン選手がここに登場。グランプリシリーズ初優勝を目指します。レビト選手は早くもここで2戦目、ファイナルを決められるかどうか。千葉百音選手も2戦目です。普通に表彰台候補ですが、できれば上まで食ってファイナル欲しい、みたいな位置にも見えます。

ヨーロッパチャンピオンのグバノワ選手はシーズンベスト4位。ジョージア勢は、かつてゲデバニシビリさんが、乗れそうで乗れなかった表彰台、ということでまだグランプリシリーズのメダルが女子シングルではありません。初表彰台なるか?

住吉選手は昨シーズン国際大会ではすべて190点台でした。ナショナル大失敗という痛手はありますが、グランプリ2枠は今シーズンも確保。昨シーズン2戦表彰台なので当然なのですが、今シーズンもまた表彰台に乗れるか? はたまた4回転まで決めてもっと上まで行けるか。

樋口新葉選手のグランプリ復帰戦にもなります。昨シーズン休んで枠あるかな? と危ぶまれましたが2枠入りました。150.20はまあ無視していいスコアだと思うわけですが、ここでいきなりトップまで行けるかどうか。グランプリシリーズ最高位は2位。復活優勝のチャンスは、あるかな?

レビト選手、千葉選手がスケートアメリカで優勝していない場合、誰が勝ってもグランプリ初優勝という試合になります。

ここも、地元フランス勢が…、頑張らないと10,11,12位で終わる危険があります・・・。

 

中国杯

Cup of China   22-23Best 22-23Second 22-23worst
Mai MIHARA JPN 221.18 217.43 198.06
Loena HENDRICKX BEL 216.34 210.42 193.48
Yelim KIM KOR 213.97 209.29 174.30
Rinka WATANABE JPN 213.14 200.50 188.07
Hana YOSHIDA JPN 211.46 208.31 158.30
Niina PETROKINA EST 203.52 193.49 152.00
Bradie TENNELL USA 199.91 193.31 153.19
Audrey SHIN USA 189.00 183.93 175.89
Madeline SCHIZAS CAN 187.84 187.49 159.73
TBD CHN      
TBD CHN      
TBD CHN      

4戦目はお久しぶりの中国杯です。三原舞依選手はここが初戦。今シーズンも4戦目6戦目ローテーションです。全日本2位を持っているので西日本が免除で行ける分昨シーズンよりは楽ですが、ファイナル入ると全日本まで隔週の4連戦ということになります。

ここは210点超えが5人いるという最激戦区になりました。ヘンドリックス選手、キムイェリム選手、渡辺倫果選手、昨季のファイナルが4人います。そこに混ぜられた吉田陽菜選手。気の毒なような、でもショートフリーでノーミスしたらこのメンバー全部抑えて優勝もある。さらにはテネル選手もここにいます。昨季は200点に届いていませんが、今期完全復活なるか。

表彰台争いが全く読めません。また、かなりの混戦なので、1戦目優勝した選手がここで6位とかになってファイナル進めず、というような展開も起こりえる怖いメンバーになっています。

そんな中国杯。中国勢が順当にいくと10,11,12位になってしまいそうなわけですが、国家的に大丈夫なんでしょうか・・・。

 

○グランプリエスポー

Grand Prix Espoo   22-23Best 22-23Second 22-23worst
Kaori SAKAMOTO JPN 228.35 224.61 192.56
Chaeyeon KIM KOR 205.51 203.94 190.36
Amber GLENN USA 197.61 195.01 166.73
Mana KAWABE JPN 197.41 192.46 180.11
Rion SUMIYOSHI JPN 194.34 193.12 191.48
Kimmy REPOND SUI 194.09 192.51 169.35
Young YOU KOR 191.36 190.15 175.80
Starr ANDREWS USA 191.26 180.59 156.60
Lorine SCHILD FRA 179.00 170.00 168.30
TBD FIN      
TBD FIN      
TBD FIN      

5戦目はロシア除外で今シーズンもまた入ったフィンランドです。

坂本選手の2戦目がここに来ました。NHK杯じゃないの? というのはかなりの驚きなのですが、世界チャンピオンですので、自分で選んでますよねこれ?? ファイナルまで時間を空けたいとかそういう可能性もありますが、試合は詰め込む型の坂本選手がそういう選択をしたのかどうか? メンバー的には他の試合と比べて少し楽です。

200点超えはもう1人、キムチェヨン選手。坂本選手と2戦とも被るというのは不運なようで、他のメンバー見ると少し楽なようでもあり、ファイナルチャンスが十分にありそうな試合です。

スコア3番目はグレン選手になっています。5戦目6戦目の2戦エントリーというきついスケジュールですが、ここで表彰台に乗れるかどうか。

その下に河辺愛菜選手と住吉りをん選手といった日本勢が続きます。200点を出したい、210点を出したい、表彰台に乗りたい。そんな試合です。

この試合も、フィンランド勢は実績的には苦しいです。名前入ってませんが、誰が入ってきても昨シーズンのスコアとしては10,11,12位の位置になります。

 

NHK杯

NHK Trophy   22-23Best 22-23Second 22-23worst
Haein LEE KOR 225.47 220.94 164.88
Mai MIHARA JPN 221.18 217.43 198.06
Yelim KIM KOR 213.97 209.29 174.30
Lindsay THORNGREN USA 203.62 196.48 165.09
Anastasiia GUBANOVA GEO 199.91 197.56 166.57
Bradie TENNELL USA 199.91 193.31 153.19
Nicole SCHOTT GER 197.76 181.41 147.46
Seoyeong WI KOR 193.25 176.74 176.74
Nina PINZARRONE BEL 191.78 191.20 169.28
Lindsay VAN ZUNDERT NED 176.84 174.81 154.09
Wakaba HIGUCHI JPN 150.20   150.20
TBD JPN      

今シーズンはNHK杯が最終戦です。全日本チャンピオンがいないというちょっと珍しい試合になりました。

昨季のスコア1位はイ・ヘイン選手。三原選手を挟んでキムイェリム選手が続きます。ということで韓国両エースそろい踏み。中国やロシアが開催しない間に一度くらいグランプリシリーズ開催すればいいじゃないとか思いますがどうなんでしょう? そんな韓国勢を復活するはずの樋口選手も合わせて日本勢は迎え撃ちます。TBDは調子が戻っていれば紀平選手入れるんでしょうか。あるいはエントリーゼロ組からだと実績的には松生理乃選手があります。また昨季全日本実績では青木祐奈選手も可能性あるでしょうか。

ソーングレン選手は昨季、レビト選手とだいぶ実績で差がついてしまいましたが、200点は出していますし、もう一度活躍するチャンスはあるでしょうか。テネル選手も日本に来てくれます。ヨーロッパチャンピオンのグバノワ選手にワールド7位のニコルショット選手。メンバー的にはまずまず手厚い感じはあります。

 

ロシア勢は今年もいないですが、中位の選手のレベルアップにより上から中堅あたりまでの選手の差がずいぶんと縮まりました。200点超えの選手も増えてきています。

出場枠数は日本が18、アメリカ13、韓国10の3カ国で半分以上を占めます。残りは、ベルギーが4で、カナダ、中国、フランス、フィンランドが開催国枠を含めつつ4つづつ、エストニア、ドイツ、ジョージア、スイスが2つづつあり、ポーランド、イタリア、オランダは1枠です。

中堅層が上がってきているので、ちょっとミスが重なると上位の選手も表彰台に乗れませんし、下手すると8位にも入れずポイントも取れないみたいなことにもなります。

ファイナル進出争いは、複数選手がエントリーしている日米韓ベルギーの中の12~3人くらいが候補でしょうか。日本勢からは昨シーズンは3人。今シーズンも同じ顔ぶれになるかわかりませんが、それくらいの人数になりそう。

グランプリシリーズより前に、ジュニアがあり、チャレンジャーシリーズもあり、その前にアイスショーでプログラムお披露目なんかもあり、まだ本格新シーズンはだいぶ先ではありますが、楽しみに待ちたいと思います。