グランプリシリーズ23展望 男子シングル

グランプリシリーズアサイン発表時にも展望を出しましたが、メンバーの入れ替わりも多少ありますし、今期の戦績も入ってきたということで、改めて出してみます

まずは男子シングルです。

 

スケートアメリカ

Skate America   22-23Best 22-23Second 23-24Best
Ilia MALININ USA 288.44 280.37 281.68
Kevin AYMOZ FRA 282.97 279.43 237.35
Shun SATO JPN 262.21 262.20 261.23
Denis VASILJESV LAT 254.56 243.15 215.78
Vladimir LITVINTSEV AZE 251.76 250.52  
Tatsuya TSUBOI JPN 244.90 243.82  
Nika EGADZE GEO 233.40 232.86 243.35
Nozomu YOSHIOKA JPN 238.36 219.68 210.46
Stephen GOGOLEV CAN 221.02 210.64 233.26
Andrew TORGASHEV USA 215.86 210.59 233.26
Andreas NORDEBACK SWE 229.88 225.93 190.47
Maxim NAUMOV USA 227.17 218.98 201.71

初戦はスケートアメリカ。ここは当初のエントリーから入れ替え無し出来ています。

アメリカですし、マリニン選手が主役です。ジャパンオープンはサービスで4回転アクセル入れていましたが、今期の通常の試合で入れてくるかどうか?

対抗はケビンエイモズ選手なんですが、シーズン序盤から調子を上げているかどうかはちょっと怪しいところはあります。

佐藤駿選手は260点台前半まで、というところになっていますが、ノーミスすれば280点までありますから初優勝のチャンスもあるでしょうか?

バシリエフス選手はあまりシーズン序盤から調子がいいことはないですし、ネペラメモリアルでもスコア伸びていませんでした。序盤は4回転チャレンジが優先されるのかなと思います。

アゼルバイジャンのリトビンツェフ選手はジャンプで点を稼ぐスタイルですが、今期はどうでしょう?

壷井選手は今季国際大会初戦。メンバー的には3位表彰台くらいのチャンスはノーミスすればありそうです。

クビテラシビリさんの引退でジョージアの1番手になってきたニカエガゼ選手は今季好調ですので、ショートフリーで4回転5本入れて表彰台争いに顔を出してくるかもしれません。

日本からもう一人、昨季世界ジュニア3位でグランプリシリーズの椅子を手に入れた吉岡希選手。ちょっと現状では上位で争いするには苦しい持ちカードですが、何とか自己ベスト出して勝負できるといいなと思います。

 

スケートカナダ

Skate Canada Int.   22-23Best 22-23Second 23-24Best
Junhwan CHA KOR 296.03 289.15 254.86
Kao MIURA JPN 281.53 273.19 267.81
Matteo RIZZO ITA 275.36 259.92 200.85
Sota YAMAMOTO JPN 274.86 274.35 231.23
Kazuki TOMONO JPN 273.41 253.91 265.78
Mikhail SHAIDOROV KAZ 237.14 236.93  
Mark GORODNITSKY ISR 232.13 219.83 236.30
Mihhail SELEVKO EST 230.94 220.33 223.95
Wesley CHIU CAN 219.90 213.88 230.52
Conrad ORZEL CAN 226.10 202.69 213.52
Liam KAPEIKIS USA 223.02 219.50 193.39
Aleksa RAKIC CAN 200.94 197.56 209.88

スケートカナダは誰が勝っても初優勝という試合です。

当初のエントリーからカナダのサドフスキー選手が外れて、同じカナダのラキッチ選手が入りました。

ここにはチャジュンファン選手がいます。グランプリシリーズ最高位は3位。初優勝を目指す試合ではありますが、シーズン序盤、合わせてくるかどうか?

三浦佳生選手は割と怪我まみれな選手ですが、この試合は調子よく出られるかどうか? 4回転ループのISU公認試合初成功も掛ります。序盤のグランプリシリーズからしっかり優勝を狙っていく選手かと思いますので、大会の中心になっていきそうに感じます。

ただ、日本勢は山本選手、友野選手も初優勝を目指す試合。3人調子よければ表彰台独占もあり得るメンバーになりました。3人ともファイナルに進みたいというシーズンですから、3人ともファイナルに進むためには、表彰台独占が欲しいわけです

イタリアのリッツォ選手はそれを阻む壁になるかどうか? あまりシーズン序盤から結果を出してくる選手ではありませんが、競争がし烈になってきたイタリア。イタリア選手権に向けて調子を上げていきたいところかと思います。

この大会は日本人3選手が中心で、チャジュンファン選手やリッツォ選手が、シーズン序盤にどの程度ちゃんと滑って来るかで勝負が変わってきそうです。

 

○グランプリフランス

Grand Prix de France   22-23Best 22-23Second 23-24Best
Ilia MALININ USA 288.44 280.37 281.68
Adam SIAO HIM FA FRA 268.98 267.77 282.80
Yuma KAGIYAMA JPN     265.59
Daniel GRASSL ITA 264.35 263.34  
Lukas BRITSCHGI SUI 257.34 253.66 246.12
Nikolaj MEMOLA ITA 231.47 231.33 250.37
Koshiro SHIMADA JPN 247.17 235.90 247.43
Camden PULKINEN USA 242.09 229.92 210.46
Boyang JIN CHN 227.47 204.22 238.33
Takeru Amine KATAISE JPN 234.24 201.35  
Luc ECONOMIDES FRA 229.64 222.24  
Landry Le MAY FRA 203.39 196.69 189.75

3戦目フランスは当初のエントリーにフランス地元枠2人が加わっただけで入れ替えは無しです。

フランスはマリニン選手の2戦目。ファイナル進出を普通に決めてくる可能性が高いです。

対抗がアダムシャオイムファ選手で、今期は4回転ルッツも決めて序盤から好調。シーズンベストはマリニン選手を上回ります。

復活してきた鍵山選手がこの時点でどこまで調子を上げているか。マリニン選手とは初の手合わせになります。

上位3選手が抜けていそうですが、グラスル選手はどうでしょうか? チャレンジャーシリーズはエントリー後の欠場が続いています。

昨シーズン躍進したブリッチギー選手はパーソナルベストは250点台まで。トップと争うためにもう一段階階段を登れるか、というシーズンになってきそうです。

メモラ選手は今季ブダペスト杯でパーソナルベスト更新して250点に乗せてきました。ショートフリー両方に4回転ルッツを入れる構成でショートではGOEプラスで初成功させました。この大会の台風の目となる可能性も出てきています。

島田高志郎選手は240点台のパーソナルベスト。表彰台を狙うにはこちらももう1段2段、スコアを上げていきたいところですが、ネーベルホルン杯の247.43を見るに、250点台はすぐ出そうに感じます。4回転トーループの方が鍵でしょうか。

ボーヤンジン選手はここ2シーズンだと238.33しか出ていませんが、300点経験のある数少ない現役選手です。そろそろ復活してほしい。上海トロフィーではきれいな4回転ルッツ決めていましたし、復活表彰台の可能性を感じなくはないです。

日本からもう一人片伊勢武アミン選手。今季シニアデビュー。パーソナルベスト234.24 今期はげんさんサマーカップで238.95は出しています。パーソナルベスト更新を目指して頑張ってほしいです。

 

中国杯

Cup of China   22-23Best 22-23Second 23-24Best
Shoma UNO JPN 304.46 301.14  
Adam SIAO HIM FA FRA 268.98 267.77 282.80
Sota YAMAMOTO JPN 274.86 274.35 231.23
Kazuki TOMONO JPN 273.41 253.91 265.78
Gabriele FRANGIPANI ITA 244.57 230.99 243.91
Sihyeong LEE KOR 242.62 235.71  
Boyang JIN CHN 227.47 204.22 238.33
Mikhail SHAIDOROV KAZ 237.14 236.93  
Jimmy MA USA 222.73 221.04 222.49
Lucas BROUSSARD USA 220.43 211.14 216.10
Daiwei DAI CHN     185.54
He ZHANG CHN      

ここは中国地元枠3つを後から埋めただけで、やはり入れ替わりは無しです。

4戦目の中国杯宇野昌磨選手出陣です。今期はジャパンオープンにも出てないのでまだ試合出場無し。状態はよくわかりません。

アダムシャオイムファ選手が宇野選手相手に勝ってこられるかどうか? そこに山本選手友野選手が絡んでいきます。このあたりまで4人はファイナル争いが絡みそうなので熾烈です。

イタリアのフランジパーニ選手は世界選手権を目指すシーズンでイタリア選手権までに調子を上げていきたいと思われますが、ちょっと上位4人に絡むのは厳しいでしょうか。上位が崩れてくるのを待つしかないかもしれません。

上位に絡むとしたら、ボーヤンジン選手。地元中国勢として表彰台に絡む復活演技を期待したいです。

 

○グランプリエスポー

Grand Prix Espoo   22-23Best 22-23Second 23-24Best
Junhwan CHA KOR 296.03 289.15 254.86
Kevin AYMOZ FRA 282.97 279.43 237.35
Kao MIURA JPN 281.53 273.19 267.81
Matteo RIZZO ITA 275.36 259.92 200.85
Shun SATO JPN 262.21 262.20 261.23
Vladimir LITVINTSEV AZE 251.76 250.52  
Nikolaj MEMOLA ITA 231.47 231.33 250.37
Koshiro SHIMADA JPN 247.17 235.90 247.43
Andreas NORDEBACK SWE 229.88 225.93 190.47
Arlet LEVANDI EST 225.79 219.34 210.41
Jimmy MA USA 222.73 221.04  
Makar SUNTSEV FIN 189.03 181.58  

5戦目のフィンランドも地元枠を加えただけでエントリーの入れ替わりはありません。

ここはチャジュンファン選手とエイモズ選手がいます。どちらも一度グランプリファイナルで3位表彰台に乗って以降は、あまりグランプリシリーズに合わせてこない選手になっています。今期はどうか。

リッツォ選手もあまりグランプリシリーズに合わせてこない。そうみると、三浦選手佐藤選手に優勝のチャンスが回ってきそうでもあります。

男子は混戦になりそうなメンバーでも、大崩れして差がついてしまう、ということが結構あるのですが、上位が競った試合が見たいですね。チャジュンファン選手、エイモズ選手、リッツォ選手、ジャンプで稼ぐスタイルではなくて滑りで魅せることができる選手たちなので、まだシーズン前半ですが、完成度高いものが見られたら良いと思います。

島田高志郎選手もノーミス260点台はあるので、それくらいに乗せて、今期は全日本表彰台乗ればワールド文句ないでしょ、という状態をグランプリシリーズの時点で整えてもらいたいです。

 

NHK杯

NHK Trophy   22-23Best 22-23Second 23-24Best
Shoma UNO JPN 304.46 301.14  
Yuma KAGIYAMA JPN     265.59
Daniel GRASSL ITA 264.35 263.34  
Lukas BRITSCHGI SUI 257.34 253.66 246.12
Denis VASILJEVS LAT 254.56 243.15 215.78
Tatsuya TSUBOI JPN 244.90 243.82  
Gabriele FRANGIPANI ITA 244.57 230.99 243.91
Nika EGADZE GEO 233.40 232.86 243.35
Sihyeong LEE KOR 242.62 235.71  
Camden PULKINEN USA 242.09 229.92 210.46
Mihhail SELEVKO EST 230.94 220.33 223.95
Luc ECONOMIDES FRA 229.64 222.24  

NHK杯も地元枠で壺井選手を加えただけで入れ替わりはありませんでした。

順当にいけば宇野選手が勝ちます、という試合ですが、最後に宇野選手に勝った現役選手は鍵山優真選手。それがここでぶつかることになります。国際大会もこれで3試合目になるので、この辺でベストに近いスコアまで鍵山選手が上げてくるかもしれません。

3位表彰台争いは混戦模様。パーソナルベストで260点台に乗せてきた選手が表彰台に乗れそう。あるいは誰も届かず250点台、240点台後半決着になる可能性もあります。そういう意味では、壷井選手も十分に表彰台チャンスがあって、表彰台日本勢独占という可能性もあると思われます。

 

 

今期はここまで、あまり入れ替わりなく来ています。怪我で離脱した選手が少ない、という意味ではよいことかとも思います。

ファイナル進出争いは、日本勢、フランス勢、マリニン選手にチャジュンファン選手、といったあたりが有力候補な印象でしょうか。イタリア勢やスイスのブリッチギー選手、あるいはボーヤンジン選手が絡んでこられるか? そのあたりまででしょうか。グランプリシリーズの開催国ですが、カナダは、パトリックチャン選手、キーガンメッシング選手、とエース格がいたのがだいぶ寂しくなってしまいました。

昨シーズンは日本から4選手がファイナルに進みましたが、今シーズンは何人進めるでしょうか?