ネペラメモリアル イタリア123

チャレンジャーシリーズは早くも7戦目、ネペラメモリアルが行われました。いつもはネペラメモリアルは9月にあり、日本勢もよく参加している試合だったのですが、今期は10月下旬ということで、グランプリシリーズも始まっており、日本からの派遣はありません。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Daniel GRASSL ITA 267.08 90.36 176.72
2 Nikolaj MEMOLA ITA 233.42 76.27 157.15
3 Corey CIRCELLI ITA 232.26 77.48 154.78
4 Adam HAGARA SVK 227.58 78.12 149.46
5 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE ESP 216.34 73.93 142.41
6 Hangil KIM KOR 198.33 65.65 132.68
7 Edward APPLEBY GBR 184.97 62.87 122.10
8 Georgii RESHTENKO CZE 180.16 75.59 104.57
9 Arthur Wolfgang MAI GER 175.07 65.90 109.17
10 Vadym NOVIKOV UKR 172.65 57.60 115.05
11 Basar OKTAR TUR 165.84 66.36 99.48
12 Arttu JUUSOLA FIN 163.30 57.55 105.75
13 Dias JIRENBAYEV KAZ 163.00 64.33 98.67
14 Daniel KORABELNIK LTU 150.39 54.59 95.80
15 Ken FITTERER GBR 142.19 49.63 92.56
16 Iker OYARZABAL ALBAS ESP 137.99 50.15 87.84

昨季は試合に出ていなかったグラスル選手が優勝しました。267.08は前回のオリンピック以降の本人最高スコアとなっています。2位に30点以上の大差をつけての優勝となりました。

2位には同じイタリアのメモラ選手が入っています。昨季は世界選手権で250点台まで出して9位に入っていましたが、今期は2戦230点台が続いています。昨季後半よく決まっていた4回転ルッツが今回はショートフリー共に転倒。構成に4回転がそのルッツ1本なこともあり、スコア伸びませんでした。メモラ選手は次週のフランスグランプリにエントリーが入っています。

3位はコーリーチルチェリ選手。2シーズン前まではカナダの代表でしたが昨季イタリアに移っていて今シーズンから国際大会復帰です。結果的にイタリア勢が表彰台独占となりました。ショート77.48 フリー154.78共にパーソナルベスト更新で、チャレンジャーシリーズ初表彰台となっています。今大会で4回転トーループを初めてGOEプラスで成功しました。

 

○ダニエルグラスル選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2Lz   2.10   0.04 2.14 0.286
2 4Lo   10.50   1.89 12.39 1.857
3 4S   9.70   1.36 11.06 1.286
4 3A+3T   12.20   1.76 13.96 2.286
5 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.571
6 3A+2A+2A+SEQ   16.06 x 1.28 17.34 1.571
7 3Lo+3T   10.01 x 0.69 10.70 1.286
8 FCCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.286
9 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.143
10 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.857
11 CCoSp4   3.50   0.91 4.41 2.714
12 CSSp4   3.00   0.66 3.66 2.286
  TES   83.96   13.00 96.96  

冒頭のルッツは2回転になりましたが以降はノーミス。4回転2本にセカンド3回転2本にシークエンスのアクセル2本。しっかり決めていきました。基礎点は83.96とそれほど高くはありません。ルッツ決めていれば9.40基礎点上がって93.36の基礎点構成です。

グラスル選手は今回4回転サルコウが初成功となりました。これまでルッツフリップループと決めていて、4種類目のサルコウに初成功。残るはトーループとなります。不思議な構図です。

昨季いろいろありまして、試合出場はなかったですが今期はチャレンジャーシリーズを早2戦こなしています。次は1週空いてNHK杯で来日予定。2期ぶりのグランプリファイナルを目指すこととなります。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Ahsun YUN KOR 184.24 61.69 122.55
2 Mariia SENIUK ISR 172.94 57.07 115.87
3 Lara Naki GUTMANN ITA 172.15 57.67 114.48
4 Niki WORIES NED 158.04 53.33 104.71
5 Sarina JOOS ITA 156.04 51.41 104.63
6 Meda VARIAKOJYTE LTU 153.01 54.81 98.20
7 Nina POVEY GBR 146.78 48.01 98.77
8 Linnea CEDER FIN 145.01 54.60 90.41
9 Vanesa SELMEKOVA SVK 143.49 49.33 94.16
10 Kristina ISAEV GER 140.72 49.38 91.34
11 Jogaile AGLINSKYTE LTU 134.60 52.68 81.92
12 Ema DOBOSZOVA SVK 134.04 47.39 86.65
13 Regina SCHERMANN HUN 131.45 46.30 85.15
14 Yelizaveta BABENKO UKR 116.04 44.49 71.55
15 Daria ZSIRNOV HUN 114.33 41.30 73.03
16 Julia FENNELL ISR 93.89 32.33 61.56

ユンアスン選手、チャレンジャーシリーズ初優勝。昨季は国際大会2試合で130点台と大不振だったユンアスン選手ですが、今期は180点台を2試合並べています。2022年の世界ジュニアでは195点を出して4位に入った実力者。復活してきました。

2位はイスラエルのマリアセニウク選手。昨季デニステンメモリアルで優勝しています。その時に次ぐセカンドベストのスコアでチャレンジャーシリーズ2度目の表彰台となりました。

3位はイタリアのララナキグットマン選手。今期、デニステンメモリアルでの3位表彰台に次ぐ、2戦連続表彰台です。ただ今回は中盤から後半、ジャンプの抜けが3つあり、188点まで出したデニステンメモリアルほどの出来ではありませんでした。次戦はNHK杯にエントリーがあります。

 

○ユンアソン選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.30 11.40 2.286
2 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.000
3 3S   4.30   0.86 5.16 2.143
4 2A   3.30   0.66 3.96 2.000
5 ChSq1   3.00   0.70 3.70 1.429
6 3F+2A+SEQ   9.46 x 0.85 10.31 1.571
7 1Lz   0.66 x -0.02 0.64 -0.429
8 3F+2T+2Lo   9.13 x 0.42 9.55 0.714
9 FCSp4   3.20   0.26 3.46 0.857
10 StSq4   3.90   0.39 4.29 1.143
11 FCCoSp4   3.50   0.63 4.13 1.857
12 CCoSp4   3.50   0.63 4.13 1.857
  TES   58.95   7.66 66.61  

ルッツが1つ抜けましたがスピンステップオールレベル4で他はミスなく滑りました。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップの予定でした。ルッツがしっかり入っていれば5.83基礎点上がって64.78となり、トリプルアクセル以上のジャンプ無しの構成としてはかなり高いものとなります。

昨季のキムチェヨン選手に続いて韓国勢がこの大会連覇です。今期の韓国勢は、まあいろいろありまして苦労しているようですが、アソン選手は今期これまでの韓国シニア勢の中でシーズンベスト2位です。グランプリシリーズ出場経験は無く、今期もエントリーはありませんが、グランプリを通り越して、4大陸あるいは世界選手権の代表のチャンスが一気に見えてきました。200点まで出していくには各要素でもう少し加点が必要です。どの要素を改善すればいい、というようなはっきりした課題ではなくて、1つ1つの要素の質を上げていくことが求められてしまっているので、逆になかなか大変なようにも感じますが、チャンスが巡ってきているので、ナショナルで結果を掴めるとよいなと思います。

 

チャレンジャーシリーズ8戦目はタリン杯になります。少し間が空いて11月12日の週に行われます。男子はイタリアのメモラ選手がエントリー、女子はベルギーのっピンツァローネ選手、カザフスタンのサモデルキナ選手などがエントリーしています。