ダニエルグラスル Daniel Grassl 19-20

2002年4月4日生まれ

ジュニア4シーズン目

 

シーズン獲得賞金:$15,000

世界ランキング:13位

シーズンランキング:7位

シーズンベストスコア 244.88(25位) ヨーロッパ選手権

ショートプログラムシーズンベスト 85.42 アイススター

フリーシーズンベスト 168.27 ヨーロッパ選手権

ショートプログラム楽曲: Lacrimosa (Requiem)

フリープログラム楽曲 :A Single Man / Nocturnal Animals

スピンレベル4率 38/42=90.5%

ステップレベル4率 4/14=28.6%

スピンオールレベル4 4/7

スピンステップオールレベル4 0/7

ジャンプ回転不足率  16/70=22.9%

ジャンプ回転不足なし試合 1/7

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/7

 

 ●ダニエルグラスル選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
JGP JGP Baltic Cup 3 228.64 81.01 44.94 36.07 147.63 76.93 70.70
JGP JGP Egna 1 241.53 82.77 46.10 36.67 158.76 84.40 74.36
CS Ice Star 1 243.82 85.42 49.27 36.15 158.40 84.00 74.40
CS Asian Open Figure 1 230.08 77.09 42.24 34.85 152.99 80.59 72.40
JGPF JGP Final 6 195.66 71.95 34.95 37.00 123.71 55.99 69.72
ECC Europe Championships 4 244.88 76.61 41.22 36.39 168.27 93.35 74.92
WJ World Junior  4 229.38 78.91 43.06 35.85 150.47 77.97 72.50

グラスル選手はグランプリシリーズはジュニアの方に出ており、ジュニアカテゴリーの選手ではありますが、チャレンジャーシリーズ、あるいはヨーロッパ選手権など、シニアの試合の出場も多いです。

 

今シーズンジュニアグランプリ2戦。2戦連続表彰台で、2戦目はシリーズ初優勝を果たしファイナルへ進出します。

時間の空いた10月11月はシニアのチャレンジャーシリーズに参戦。アイススターでは243.82で優勝。アジアンオープンフィギュア、わざわざアジアに参戦して優勝。チャレンジャーシリーズで2勝して、きれいにランキングポイントを獲得していきました。

12月に入ってジュニアグランプリファイナル。ここが残念ながらシーズンワーストの195.66に終わり、6位となってしまいました。ショートでコンビネーションの二つ目が1回転になり、フリーは四回転不発にトリプルアクセルも回転不足で、転倒2つ 苦しい試合となってしまいました。

翌週にイタリア選手権という厳しいスケジュール。ここではマッテオリッツォ選手との激闘。わずか1.62ポイント差で逆転優勝。2連覇を果たします。

 

年が明けてシーズン後半はチャンピオンシップのはしご。

ヨーロッパ選手権はショートでまたもジャンプ決まらずの11位スタートとなるも、フリー2位で巻き返しトータル244.88で4位に入ります。表彰台まで1.83ポイント差。惜しいチャンスを逃した、とも言えます。

3月に入って世界ジュニア。ショートはまずまずで6位発進。フリーでは逆転優勝のチャンスもある位置でしたが、四回転二つとトリプルアクセルまで回転不足ですこあをのばしきれず4位。表彰台まで1.74ポイント差。2年連続の表彰台を逃しました。

 

世界選手権の代表でもあったのですが中止。チャンピオンシップで二つ4位という惜しい形でシーズンを終えました。

 

 ●ダニエルグラスル選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
JGP JGP Baltic Cup 3 228.64 121.87 106.77 90.21 23.55 8.11
JGP JGP Egna 1 241.53 130.50 111.03 96.75 24.87 8.88
CS Ice Star 1 243.82 133.27 110.55 98.06 23.29 11.92
CS Asian Open Figure 1 230.08 122.83 107.25 89.67 23.37 9.79
JGPF JGP Final 6 195.66 90.94 106.72 60.46 22.77 7.71
ECC Europe Championships 4 244.88 134.57 111.31 97.03 24.32 13.22
WJ World Junior 4 229.38 121.03 108.35 89.31 23.90 7.82

要素別を見ると、大崩れしたジュニアグランプリファイナル以外はTESの方がPCSより高くなっています。

PCSは110点前後。各要素平均7点で105点に、7.5点なら112.5点になりますので、平均7点台前半という位置です。

ジャンプは一番いい時で98.06まで出ました。今シーズン全体で15位という位置です。

スピンは24.87がベスト。これは全体で11位。ジャンプよりもスピンの方が順位がよかったりします。

ステップはジュニアカテゴリーの試合では8点台までしか出ません。シニアの試合では9.79という低い数字もありますが、ヨーロッパ選手権では13.22まで出しました。13点台前半は決していい点数ではありませんが、トップで16点台後半ですので、トップとの差も3点台に収まってはいます。

 

 ●ダニエルグラスル選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
JGP Baltic Cup 3 56.22 61.20 55.10 59.78 54.01 51.19
JGP Egna 1 59.51 63.59 58.63 63.90 57.52 53.77
Ice Star 1 60.09 63.05 61.31 58.97 52.46 53.48
Asian Open Figure 1 56.59 68.95 39.44 59.22 42.40 51.48
JGP Final 6 47.81 50.86 38.04 57.35 50.81 51.16
Europe Championships 4 60.36 69.91 46.76 62.19 58.60 53.94
World Junior 4 56.41 59.99 56.32 60.87 51.72 52.15

偏差値に直すと240点台は60程度にはなってきます。

ジャンプの基礎点偏差値は60台。いい時は70近いのですが、ジャンプのGOEが苦しんでいて、一番良くても60に乗るくらいです。50を切る試合も目立ち、ひどいと偏差値30台ということになっています。

スピンは偏差値60前後。ステップはジュニアのコレオ補正を入れた後でも50前後くらいが標準で、時折50台後半までは出る、という程度で苦手要素になっています。

PCSは50台前半にとどまります。

ジャンプの基礎点で勝負、というスタンスになっています。

 

ダニエルグラスル スケート偏差値

レーダーチャートで見ると、右側偏重。スピンは特に凹んでいませんが、ステップPCSは凹む形です。ジャンプのGOEも凹む率が高く、ジャンプの基礎点のところが伸びているのは良く見えます。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Europe Championships 1 4Lo<+3T 12.60   -0.60 12.00 -0.556
Europe Championships 2 3A< 6.40   -0.64 5.76 -0.889
Europe Championships 3 CCSp4   3.20   1.10 4.30 3.333
Europe Championships 4 4Lz   12.65 x -5.75 6.90 -5.000
Europe Championships 5 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.000
Europe Championships 6 FSSp4   3.00   0.13 3.13 0.444
Europe Championships 7 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
Europe Championships   TES   45.25   -4.03 41.22  

ショートプログラムの基礎点最高は45.25 これは今シーズン7位の高い得点です。

四回転ルッツを1.1倍に入れるというのがまずめったに見ない構成。転倒はしましたが、回転は足りていたため高い基礎点がそのまま残りました。

ただ、他は二つ回転不足がついています。この二つの回転が足りていたら、基礎点が3.7高くなるので48.95にまでなるところでした。この上は、四回転のルッツとフリップを入れたサマリン選手だけとなります。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Europe Championships 1 4Lz   11.50   0.49 11.99 0.333
Europe Championships 2 4F   11.00   1.73 12.73 1.667
Europe Championships 3 4Lo< 8.40   -0.36 8.04 -0.444
Europe Championships 4 3A   8.00   0.91 8.91 1.111
Europe Championships 5 CSSp3   2.60   0.59 3.19 2.222
Europe Championships 6 3Lz+3T   11.11 x 0.76 11.87 1.333
Europe Championships 7 3Lo+3T< 9.09 x -0.49 8.60 -1.000
Europe Championships 8 ChSq1   3.00   0.86 3.86 1.667
Europe Championships 9 3Lz+1Eu+3S< 10.82 x -0.59 10.23 -1.000
Europe Championships 10 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.000
Europe Championships 11 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.778
Europe Championships 12 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
Europe Championships   TES   86.42   6.93 93.35  

フリーの最高基礎点86.42も非常に高く全体3位です。この上はネイサンチェン選手と羽生結弦選手の二人だけ。

四回転3本ですが、ルッツフリップループという、基礎点高い側から三つという他に見ない構成です。

2回飛ぶジャンプはトリプルルッツとトリプルトーループ。1.1倍のところにコンビネーション三つを突っ込んで、実質、3回転ジャンプが6本分はいる、というのもなかなかすごい構成。

回転不足が三つありましたが、すべて回転足りていた場合は90.39まで基礎点が上がり、スピンもレベル4に出来れば90.79となります。

 

●平均GOE+2.500以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup SP 3 CCSp4   3.20   1.14 4.34 3.556
JGP Egna SP 3 CCSp4   3.20   1.10 4.30 3.444
Europe Championships FS 12 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
Europe Championships SP 3 CCSp4   3.20   1.10 4.30 3.333
JGP Egna SP 7 CCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.222
JGP Baltic Cup SP 7 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.111
JGP Egna FS 11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Asian Open Figure SP 3 CCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
JGP Baltic Cup SP 2 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.889
JGP Final SP 3 CCSp4   3.20   0.96 4.16 2.889
Ice Star FS 12 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.857
JGP Egna SP 5 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.778
Europe Championships FS 11 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.778
World Junior SP 7 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
JGP Egna SP 2 3Lo   4.90   1.26 6.16 2.667
Europe Championships SP 7 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
World Junior SP 3 CCSp4   3.20   0.78 3.98 2.667
World Junior FS 11 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.667
Ice Star SP 3 FCSp4   3.20   0.83 4.03 2.571
Ice Star SP 7 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.571
JGP Baltic Cup SP 5 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.556
JGP Final SP 2 3Lo   4.90   1.26 6.16 2.556
JGP Final SP 7 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
JGP Final FS 2 3Lo   4.90   1.26 6.16 2.556

高評価な要素はスピンが並んでいます。平均GOEが+3以上まで出たのは今シーズン通じてスピンのみでした。

ジャンプからは単独のトリプルループがいくつか入ります。これは、四回転ループを入れたい要素順のところで三回転ループになっているもの、というのが入ってきているようです。

トリプルアクセル以上の高難度ジャンプやコンビネーションジャンプが平均GOE+2.5以上に達したことがない、というあたりが、ジャンプの加点をあまり得られていない、というレーダーチャートと相関しているようです。

 

 ●四回転ルッツ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup FS 1 4Lz   11.50   -3.45 8.05 -2.889
JGP Egna FS 1 4Lz   11.50   2.79 14.29 2.333
Ice Star SP 1 4Lz   11.50   0.46 11.96 0.429
Ice Star FS 1 4Lz< 9.20   -0.92 8.28 -1.000
Asian Open Figure SP 1 4Lz   11.50   -2.30 9.20 -2.000
Asian Open Figure FS 1 4Lz!< 9.20   -2.21 6.99 -2.286
JGP Final FS 1 4Lz   11.50   -5.75 5.75 -5.000
Europe Championships SP 4 4Lz   12.65 x -5.75 6.90 -5.000
Europe Championships FS 1 4Lz   11.50   0.49 11.99 0.333
World Junior FS 1 4Lz< 9.20   -0.53 8.67 -0.333

今シーズン四回転ルッツは10回飛んで回転不足3 回転足りた転倒2 それら含めてGOEマイナス評価は7 成功率は30%ということになります。まだ、安定的に決まるジャンプにはなってきていません。ただ、回転不足でも着氷できれば、3回転のルッツより点が下がる、ということもないですので、今の段階ではどんどん挑戦していく、ということでいいのかな、とも思います。

 

●四回転フリップ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Asian Open Figure FS 3 4F!< 8.80   -2.82 5.98 -3.143
Europe Championships FS 2 4F   11.00   1.73 12.73 1.667
World Junior FS 2 4F< 8.80   -2.89 5.91 -3.222

四回転のフリップは3回飛んで2回が回転不足。ただ、外数として4回転にするつもりで2回転になったんだろうな、というものも1ついますので、成功率で見ると25%となるかと思います。

これも、転倒まで行かなければ、三回転フリップよりは点が出ていますので、今の段階では挑戦していけばいいのかな、といったところ。

 

●四回転ループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup FS 2 4Lo< 8.40   -0.84 7.56 -1.000
JGP Egna FS 2 4Lo   10.50   -4.80 5.70 -4.444
Ice Star FS 2 4Lo   10.50   2.52 13.02 2.429
Asian Open Figure FS 2 4Lo   10.50   0.21 10.71 0.143
Europe Championships SP 1 4Lo<+3T 12.60   -0.60 12.00 -0.556
Europe Championships FS 3 4Lo< 8.40   -0.36 8.04 -0.444

四回転のループは6回飛んで3回回転不足、回転足りてのGOEマイナスは1なので、成功率は1/3 33.3%となります。

今シーズン四回転ループを飛ぼうとした選手は5人。成功したのは4人。グラスル選手はその貴重な4人の中の一人です

また、四回転ループからコンビネーションを飛ぼうとしたのは全選手でグラスル選手だけ。残念ながら回転不足となっていますが、GOEのマイナス幅はわずかですので、元は取ったかな、というように見えます。

 

4回転を三種類飛んでいますが、成功率で見るとどれも残念ながら低いと言わざるを得ません。その中で、一番成功率が高い側にいるのがループというのはかなり珍しい選手と言えるでしょうか。

また、ルッツフリップループと飛んでいるのに、サルコウトーループがありません。昨シーズンもそうだったのですが、こういうチョイスの選手も他におらず、非常に珍しい構成になっています。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup SP 1 3A   8.00   1.71 9.71 2.000
JGP Baltic Cup FS 3 3A< 6.40   -0.73 5.67 -1.222
JGP Egna SP 1 3A   8.00   1.83 9.83 2.222
JGP Egna FS 3 3A   8.00   -0.80 7.20 -1.000
Ice Star SP 2 3A   8.00   1.92 9.92 2.286
Ice Star FS 4 3A<+1Eu+3S 11.20   -1.15 10.05 -1.571
Asian Open Figure SP 2 3A   8.00   -1.76 6.24 -2.143
Asian Open Figure FS 4 3A   8.00   -1.76 6.24 -2.286
JGP Final SP 1 3A   8.00   0.91 8.91 1.222
JGP Final FS 4 3A< 6.40   -2.93 3.47 -4.444
Europe Championships SP 2 3A< 6.40   -0.64 5.76 -0.889
Europe Championships FS 4 3A   8.00   0.91 8.91 1.111
World Junior SP 1 3A   8.00   2.06 10.06 2.333
World Junior FS 4 3A< 6.40   -0.82 5.58 -1.222

トリプルアクセルもフリーで2回飛ぶことはなく、ショートフリーで1回づつという要素になっています。

7試合で14回飛んで、5回が回転不足。それ以外のGOEマイナスも3回あるので成功ジャンプは6回。成功率は5割弱となっています。

もう少し成功率が欲しいジャンプでしょうか。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup FS 4 3Lo+1Eu+3S   9.70   0.84 10.54 1.667
JGP Egna FS 4 3Lo+1Eu+3S   9.70   0.98 10.68 2.000
Ice Star FS 4 3A<+1Eu+3S 11.20   -1.15 10.05 -1.571
Asian Open Figure FS 9 3Lz+1Eu+3F   12.87 x -0.83 12.04 -1.429
Europe Championships FS 9 3Lz+1Eu+3S< 10.82 x -0.59 10.23 -1.000
World Junior FS 7 3Lo+1Eu+3S   10.67 x 0.98 11.65 2.000

三連続ジャンプは様々バリエーションあります。ループから、ルッツから、トリプルアクセルから。1.1倍に入れたり入れなかったり。三つ目サルコウだけでなく三つ目フリップというのもあります。

回転不足があったのは2回。GOEマイナスは3回。成功は3回で成功率5割。

大きな失敗にはなっていないので、得点源にすることは出来ているのかな、とは感じます。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup SP 5 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.556
JGP Baltic Cup FS 9 StSq3   3.30   0.66 3.96 2.000
JGP Egna SP 5 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.778
JGP Egna FS 9 StSq3   3.30   0.57 3.87 1.667
Ice Star SP 5 StSq3   3.30   0.66 3.96 2.143
Ice Star FS 8 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.000
Ice Star FS 10 StSq3   3.30   0.66 3.96 2.000
Asian Open Figure SP 5 StSq2   2.60   0.47 3.07 1.857
Asian Open Figure FS 8 ChSq1   3.00   0.70 3.70 1.286
Asian Open Figure FS 10 StSq2   2.60   0.42 3.02 1.571
JGP Final SP 5 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.444
JGP Final FS 9 StSq2   2.60   0.26 2.86 1.000
Europe Championships SP 5 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.000
Europe Championships FS 8 ChSq1   3.00   0.86 3.86 1.667
Europe Championships FS 10 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.000
World Junior SP 5 StSq3   3.30   0.75 4.05 2.333
World Junior FS 9 StSq3   3.30   0.47 3.77 1.444

ステップ系要素はGOEが+1台も多く、良い時に+2代前半まではとれるというくらいです。

レベル4率も20%台であまり高くありません。苦手な要素となっています。

 

一方でスピンはレベル4率90.8%と90%台に乗っています。90%台あればトップ選手と肩を並べる領域です。加点はものすごく多く取れているというほどではないですが、ある程度しっかり取れていて、結果として一番いい時は全体で11位の得点にまでなっている。

目立ちにくいのですけれど、グラスル選手の得意要素になっているのがスピンです。

 

 

2002年生まれ。日本で言えばこの4月に高校三年生になった、という年齢のグラスル選手です。スケート齢でいえば、チャジュンファン選手と同じ、ということで、同世代でシニアで活躍している選手もいますが、まだまだジュニアカテゴリーにどっぷりつかっていてもおかしくない年齢。そんな年齢ですが、今シーズンはジュニアシニア掛け持ちの多忙なスケジュールをこなしていました。

ジャンプの構成は正直、いまいち理解できない不思議構成。四回転でルッツフリップループと並べてサルコウトーループがない、というのはよくわかりませんが、高難度ジャンプを上から攻略しているので、四回転5種類を最初にそろえる可能性のある候補の一人になっています。

ただ、トリプルアクセルを含め、基礎点の高いジャンプの成功率がまだまだ低いのが現実。若いので本人の水準よりやや難しい、チャレンジプログラムにしている、というのはあると思うので、この先完成度の向上も期待したいです。

イタリアはマッテオリッツォ選手に次いで、このグラスル選手が出てきました。枠が二つあればとりあえず十分ですが、二人とも結構崩れることの多い選手なので、二人崩れて枠が一つに、というシーズンもまだ生じてしまいそう。

来シーズンそうなって、オリンピックのイタリア枠が1にならないことを祈ります。