中止かどうかはコロナの数ではなく国の性質による

日本は結構コロナにおびえていますが、世界の中で見れば絶対数も少なく、小康状態にある、対応優良国です。

フィギュアスケートスケートカナダについでフランス杯も中止になりました

そんなこともあるので、世界でどんな感じなのかを見てみます

情報出どころは、いつものようにWorldometer です

 

各国のコロナウイルスのアクティブ感染者数

 前回もそうでしたが、これまでの感染者数ではなく、その時点での感染者数、アクティブ感染者数を並べています。

並べた国は、フィギュアスケートグランプリシリーズの開催地6カ国と、四大陸選手権ヨーロッパ選手権の開催予定国の合計8カ国です。世界ジュニアは中国なのでこの中に含まれます。世界選手権はスウェーデンなのですが、この国はアクティブ感染者数を公開していないためグラフを作成できませんでした。

 

アメリカが多いのは、アクティブだけでなく絶対数でもそうなのですが、実際には8月頃からアクティブ感染者数は横ばいで二カ月近く来ていました。それが10月半ばからまた増加傾向になっています。ロシアも5月以降横ばい傾向だったのが10月から増加傾向。そして目立って増えているのがフランスです。トータル感染者数ではまだロシアより少ないですが、アクティブ感染者の数ではすでにロシアを大きく上回っています。そりゃあ、グランプリシリーズは中止もするわ・・・、といったことは読み取れます

グラフとしてまともに読み取れるのはこの三カ国しかないので、拡大したものを別に示します

各国のコロナウイルスアクティブ感染者数

縦軸を5万人までにしました。感染者の多い国は振り切れてしまっていますが、そうではない国はやっとこれで読み取れるようになりました

 

カナダは7月に一度急激に減っていますが、これはカウント方法をおそらく変えたということなのでしょう。それを横においても、夏場は横ばいから減少傾向だったのが9月に入って増加傾向になっていました。それでもアメリカなんかと比べるとだいぶすくなんですけどね。

中国は今は安定して数百人しかいません。落ち着いている状態。

オーストラリアも決して多くはないです。

 

各国、人口がだいぶ違う中で絶対数を比べてもしかたない、という考え方もあるので、人口で割ったものもグラフとして作りました

各国の人口あたりのコロナウイルスアクティブ感染者数

 人口当たりに直すと、フランスはすでにアメリカよりも多くのアクティブ感染者がいる状態になっています。今現在、60人に一人がコロナに掛っている、というような状態になっています。なかなかすごい状態です

そして、人口当たりにしたときに目立ってきたのがクロアチア。それも、ここ数日で一気に伸びてきています。人口当たりではロシアを上回るところまで来ました

人口当たりでみても中国はもちろん、日本はかなり少ない水準ですし、オーストラリアも1万人当たり0.5人ほどでずっと推移していますし、だいぶ抑え込めている状態です

 

さて、こんな状態なのですが、大会を中止することを決めたのは、フランス、カナダ、オーストラリアです。アメリカはスケートアメリカを決行しました。中国、日本も開催予定ですし、ロシアも開催予定。クロアチアはまだ来年の試合ですが、特に中止発表は出ていません。クロアチアでは12月に、伝統のゴールデンスピンという大会もあるのですが、これも今のところ中止とは言われていません

 

こうやってみると、各大会の開催可否は、コロナがどれだけ広がっているか、というよりも、その大会の価値をどれだけ認めているか、の影響を強く受けているように感じられます。価値、には商業的な、の意味も含みますけれど

 

早々と四大陸選手権の中止を決めたオーストラリア。どう考えても、オーストラリアにとって、フィギュアスケートという競技が大きな価値を持っている、という風には思えません。割と気安く中止の判断を下しやすかったのではないかと思われます

フランスは、オーストラリアほどスケートの価値が低い国ではないとは思いますが、ほかの競技と比べればやや落ちるのかな、とは感じられます。テニスの全仏オープン、感染がかなり拡大してきていましたが最後までやり通しました。サッカーの国内リーグは5,000人までと絞って入るものの観客入れてやっていますし、国際大会であるチャンピオンズリーグのホームゲームも行われています。屋内屋外の差こそあれ、サッカーはそうやって続けているのにフィギュアスケートは中止されました

ロシアやアメリカは、感染者数で見ればすごい数いますが、無観客ながら開催される。アメリカなんかは特に商業主義なところもあり、なるべくイベントは開催する方向でしょうし、ロシアにとってのフィギュアスケートの大切さはかなり強い。

 

そんな感じで、単純に感染がどの程度広がっているかではなく、競技の価値をどの程度認められているか、というのが開催可否へ大きな影響を与えている、というのは見て取れます

というわけで、日本でのフィギュアスケートの位置づけを考えると、NHK杯はたぶんそのままやるでしょう

気になるのはクロアチアフィギュアスケートのこの国での価値、とか考えつつ感染者推移を見ていると、ヨーロッパ選手権中止するんじゃないかな、というようなことを感じます

 

世界ジュニアは中国。中国では卓球の国際大会が再開され11月には行われるようですが、中国での卓球の価値とフィギュアスケートの価値、を考えると・・・、あんまり参考にはならないでしょうか。グランプリシリーズは実質国内大会化されているので問題なく開催するのでしょうが、国際大会である世界ジュニアを中国が開催するかどうか? 結構疑問なところ

 

世界選手権はスウェーデン。ここは、コロナを放置するというすごい動きをした国なので、どういう判断をするのか全然読めないのですが、新規感染者数はヨーロッパの他の国の例にもれずやはり増えてきています。ただ、あまり死んでいない。

今シーズンはオリンピックの枠が決まる、ということもあって他のどのシーズンよりも中止にしづらい。ということも併せて、なんとなく開催するんじゃないかという気もします。ただ、開催されても怖くて選手を派遣しづらい。でも、オリンピックの枠取りがかかる。さあ、どうする? みたいな状態に追い込まれそうな・・・

 

感染者数少なめで、その競技がその国で高い価値を認められていて、商業主義も強めな国、という条件がそろっていると、中止にならずに開催されるのではないか、と思われる

それって実は、日本にとってのオリンピック、なわけですが、そっちもどうですかねえ。商業主義の権化みたいなイベントなので、世界がこんな状態でもやるんじゃないかと見ているのですが、どうなることやら