23-24 島田麻央

2008年10月30日生まれ

ジュニア2ーズン目

シーズン獲得賞金:$20,000

世界ランキング:22位

シーズンランキング:19位

シーズンベストスコア 218.36(3位) 世界ジュニア選手権

ショートプログラムシーズンベスト 73.78 JGP Osaka

フリーシーズンベスト 145.76 世界ジュニア選手権

スピンレベル4率 54/60 = 90.0%(国際大会 29/30 = 96.7%)

ステップレベル4率 3/10 = 30.0%(国際大会 3/5 = 60.0%)

スピンオールレベル4 6/9(国際大会4/5)

スピンステップオールレベル4  2/9(国際大会:2/5)

ジャンプ要素回転不足率 14/104=13.5%(国際大会7/50 = 14.0%)

ジャンプ回転不足なし 1/9(国際大会1/5)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/9(国際大会0/5)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL 木下トロフィー 1 192.05 67.93 124.12
DL 西日本中小学生競技会 1 137.59   137.59
JGP JGP Osaka 1 213.86 73.78 140.08
JGP JGP Armenia 1 209.81 73.14 136.67
RT 西日本選手権 1 212.85 73.21 139.64
NJ 全日本ジュニア 1 201.33 63.34 137.99
DL 京都府中学校総体 1 140.79   140.79
JGPF Junior Grand Prix Final 1 206.33 68.27 138.06
NC 全日本選手権 3 202.18 65.23 136.95
Others Youth Olympic 1 196.99 71.05 125.94
WJ World Junior 1 218.36 72.60 145.76

昨季はジュニア全勝。勝てなかったのはシニアカテゴリーの全日本だけ。最強ジュニアの名をほしいままにしての今期はジュニア2シーズン目です。

まずは国内戦で8月上旬木下トロフィーから。日本のジュニア勢は上位そろい踏みの豪華メンバーでしたがしっかり優勝。ついで翌週にはフリーだけの試合、西日本中小学生競技会。ここではトリプルアクセルを今季初成功、4回転もq付ながら着氷と本格シーズンイン前に上々の仕上がりを見せます。

 

ジュニアグランプリシリーズは9月中旬まで待たされての4戦目、大阪から。ショートプログラムは見事なノーミスで73.78 いきなりパーソナルベストを記録します。2位と10.36差の首位でフリーに進めばもう優勝は問題ありません。後は何点取るか、というフリーは4回転こそダウングレードの転倒となったものの、あとはトリプルアクセル含めノーミス。140.08を出してトータル213.86 国際大会初戦から210点台を出して2位に25.71差をつけて圧勝です。

2戦目は10月頭。ジュニアグランプリシリーズ最終戦アルメニアです。ショートは73.14でまたも圧倒的な首位に立つと、フリーはトリプルアクセルがアンダーローテーション、4回転は転倒となりますが、試合としては問題なし。136.67でトータル209.81 ジュニアグランプリシリーズ2連勝で、今期もファイナル進出を決めます。

 

10月後半から11月は国内戦へ。ブロック大会はスキップしましたが、西日本選手権には出場。212.85で問題なく勝ちます。そして全日本ジュニアへ。このショートでフリップをまさかのステップアウトでコンビネーション付かず。63.34の4位スタートは驚きでしたが首位とは1.96差。フリーで137.99を出して問題なく逆転優勝、2連覇を果たし、世界ジュニア代表内定となりました。

 

翌週に京都府中学校総体を滑って、その次はいよいよジュニアグランプリファイナル。2戦2勝でスコアも最高値ということでショートは最終滑走で登場。コンビネーションジャンプはしっかり決めたのですが、今度は単独ルッツでまさかのステップアウト。68.27は2位発進となりますが首位とは0.81差の僅差です。フリーは今季初のトリプルアクセルと4回転、両方成功。これで逆に驚いてしまったのか、あるいは体力面、精神面の消耗が大きかったのか、次のルッツからのコンビネーションでアンダーローテーションが入り、後半の単独ループが1回転になるミス。大技2本決めた割にはスコア伸びず138.06でトータル206.33 最終滑走のシンジア選手を待ちます。シンジア選手もチャンスが見えて少し硬かったでしょうか、細かくいつもより点数を削られてスコア伸びず。結果、島田麻央選手がジュニアグランプリファイナル2連覇を果たしました。

 

12月はもう1試合。唯一出場出来るシニアカテゴリーの試合、全日本選手権です。通常、ジュニアカテゴリーの選手は前半グループでショートを滑るのですが、昨季3位表彰台の島田選手はカテゴリー関係なくシード扱いで後半グループ、21番滑走で出てきます。昨季は入れなかったショートからのトリプルアクセルを今回は初投入。これを成功させ、さあ、ジュニアの全日本優勝あるか? という立ち上がりだったのですが、ジュニアグランプリファイナルから鬼門になっているルッツでまさかの転倒。コンビネーション入らずで65.23の7位スタート。首位とは13.55差となり初優勝は難しくなりました。フリーは第3グループ最終滑走で登場。トリプルアクセルをまたも成功させますが、4回転はアンダーローテーションで転倒。さらに後半のループがまたも1回転になるというミスが出て136.95 本人比では今一つなスコアですがトータル202.18で首位に立ち、最終グループ6人を待ちます。最終的には千葉選手、坂本選手が上に行って今期も3位。2大会連続表彰台を確保しました。

 

今期は4年に1度のイベント、一生に一度だけ出場可能なユースオリンピックがあります。ここのところ3大会ミスが出ていたショートプログラムでしたが、今回はほぼノーミスで乗り切り71.05と首位に立ちます。2位とは3.82差、3位のシンジア選手とは4.57差。しっかり滑れば勝てる、という状況でフリーを迎えます。フリーは最終滑走ではないですが、先にシンジア選手が滑ったのを見ての滑走順。首位に立つには120.79でよいという状況ですのでこれは楽勝かとも思われる展開だったのですが、トリプルアクセルにqが付き、4回転トーループはダウングレードで転倒。その後もアンダーローテーション2つに!1つと、遠目に完璧ながら判定としては珍しく苦しい滑り。それでも125.94は出して首位に立つと最終滑走を待って優勝。人生で1回だけのチャンスをしっかりつかみとりました。

 

そして、2連覇のかかる世界ジュニア。ショートプログラムでは、なぜかユースオリンピックから!が付くようになったフリップで今回も!が付きました。ノーミスの素晴らしい滑りに見えたものの、その分加点が抑えられて72.60 0.88差の2位で折り返します。フリーはシンジア選手が調子よさそうですし、大技2本を両方失敗すると連覇が怪しくなるというプレッシャーのかかる状況です。そんな中、トリプルアクセルをステップアウト。4回転を転倒すると連覇が危ない、という厳しい状況でクリーンに決めてきます。中盤、少し硬かったでしょうか、加点がいつもより少なめでしたがジャンプをすべて終わった後の2つのスピンは素晴らしく、145.76まで出してトータル218.36  最終滑走を待った後、2連覇が確定。今期もジュニア全勝で終えることが出来ました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
木下トロフィー 192.05 107.18 85.87 72.85 2.03 24.34 7.96
西日本中小学生競技会 137.59 77.28 60.31 57.91 3.49 12.05 3.83
JGP Osaka 213.86 117.95 96.91 72.85 9.20 26.16 9.74
JGP Armenia 209.81 115.99 94.82 74.65 5.62 26.53 9.19
西日本選手権 212.85 118.39 95.46 76.25 9.11 24.44 8.59
全日本ジュニア 201.33 109.33 93.00 68.65 6.14 25.78 8.76
京都府中学校総体 140.79 78.26 62.53 56.37 5.06 12.50 4.33
Junior Grand Prix Final 206.33 112.33 94.00 72.13 5.98 25.19 9.03
全日本選手権 202.18 111.92 92.26 69.63 4.44 25.44 12.41
Youth Olympic 196.99 104.19 93.80 70.14 -0.01 25.25 8.81
World Junior 218.36 122.89 95.47 78.15 10.02 25.08 9.64

トータルスコアは190点台が2試合、200点一桁が4試合、210点台が3試合あります。シーズンベストは218.36 当然ジュニアとして1位です。

技術点は110点台が多いです。世界ジュニアは122.89 全選手中1位になっています。

PCSの方は90点台が標準で1番いいのはJGP大阪で96.91 1項目平均8点に到達しています。これはジュニアとしても2番目になります。

ジャンプの基礎点は70点台が多く、世界ジュニアでは78.15まで出しています。これは全選手中断トツの1位。2位でもミアカリン選手がB級大会で出した72.41で大差あります。

ジャンプの加点は二桁はなかなか出せませんが世界ジュニアでは10.02まで達しました。こちらはジュニアで2番目、全選手中では3番目です。高難度ジャンプが構成に入ってGOEはマイナスになることも多い中でこの出来は素晴らしいです。

スピンは25点台が標準で、JGPアルメニアでは26.53まで出しました。これも全選手中1位です。

ステップ系要素はシニアルールの全日本で12.41でした。これは平凡なスコアです。ジュニアルールの試合ではJGP大阪の9.74が最高。これはジュニアの中でも3番目というスコアです。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
木下トロフィー 62.34 72.95 59.77 66.45 53.77 55.15
JGP Osaka 70.37 72.95 74.47 73.79 68.77 64.24
JGP Armenia 68.88 74.87 67.13 75.28 62.35 62.52
西日本選手権 70.00 76.58 74.28 66.85 57.50 63.05
全日本ジュニア 65.75 68.46 68.20 72.26 59.66 61.02
Junior Grand Prix Final 67.60 72.18 67.87 69.88 63.92 61.85
全日本選手権 66.07 69.51 64.71 70.89 56.18 60.41
Youth Olympic 64.16 70.05 55.59 70.12 59.31 61.68
World Junior 72.03 78.61 76.15 69.44 68.82 63.06

偏差値で見るとトータルスコアは70前後が多いです。世界ジュニアで72まで出しました。

ジャンプの基礎点も70台に乗せていて、世界ジュニアでは78.61と70台後半まで出しています。加点の方は60台が多いですがこちらも70台まで出していることもあって、世界ジュニアでは76.15と70台後半です。

スピンも70台が多く、ジュニアグランプリのアルメニアでは75.28まで出しました。

ステップ系要素はジュニア補正を入れた後でも偏差値70には届かず、最高で世界ジュニアの68.82です。ステップはレベル3の時も多いので50台の偏差値も目立ちます。

PCSもジュニアのため偏差値的には60台前半まで。1番高くてもジュニアグランプリ大阪の64.24でした。

高いレベルが揃っていますがその中でステップがやや落ちます。PCSもジュニアなのでやや落ちるという構図です。一方、ジャンプとスピンは驚異的な偏差値を誇っています。

 

島田麻央選手の要素別偏差値 23-24

レーダーチャートは右寄り。ジャンプに偏っているというかジャンプがすごすぎます。下も凹んでいるわけではないです。左側はジュニアが伸ばすのは苦しい項目。こちらはさすがにまだ膨らんできていません。シニアになったらどんなPCSが付くのか見てみたいですが、まだ2シーズンジュニアが続きます。

 

●シーズン最高の基礎点構成

JGP 大阪 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.80 4.10 2.444
2 3F+3T   9.50   1.51 11.01 2.778
3 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.778
4 3Lz   6.49 X 1.94 8.43 3.333
5 FSSp4   3.00   0.94 3.94 3.222
6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556
7 CCoSp4   3.50   1.70 5.20 4.778
  TES   32.39   9.23 41.62  

ショートプログラムの最高基礎点は32.39 これが複数回ありました。ここに載せているのはその中で最高技術点だったジュニアグランプリ大阪のものです。

ジュニアは単独ルッツ強制、アクセルもトリプルは飛べない。コンビネーションでセカンドループ持っていないとフリップトーループが選択される。スピンステップオールレベル4 ここから基礎点上げるにはコンビネーションを1.1倍に持ってくる、という手はあります。後はセカンドループ習得、ということになりますが島田選手にとってはそれよりも4回転の安定化に練習時間を割きたいだろうと思われます。

なお、全日本選手権トリプルアクセルを構成に入れたので基礎点はかなり高くなるはずだったのですが、コンビネーションジャンプが入らなかったことで30.99と低い基礎点に終わっています。ノーミスで基礎点満額入ったら37.51というすごいものになるはずでした。それをこなす力は十分に既にありますので、シニアに上がったら本当にその構成でノーミスして技術点50点近いスコアを出してくる可能性もあります。

 

○世界ジュニア フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   -1.14 6.86 -1.556
2 4T   9.50   2.31 11.81 2.444
3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
4 FCCoSp3   3.00   0.51 3.51 1.778
5 3F+2A+SEQ   8.60   0.53 9.13 1.000
6 3S+3T+2T   10.78 x 0.68 11.46 1.556
7 3Lo   5.39 x 1.33 6.72 2.667
8 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
9 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 2.778
10 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
11 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
  TES   71.06   11.10 82.16  

フリーは基礎点71.06 ジュニアルールながらこれが今期の全選手中最高基礎点になります。ステップレベル4を足せれば74.96まで出る計算です。スピンのレベル3が1つありますがこれをレベル4に出来ると0.50基礎点がさらに上がります。シニアルールだった全日本は4回転でアンダーローテーション、ループが抜け1回転で基礎点削られていたため67.14にとどまっています。

2回飛ぶジャンプがルッツとトーループ。3S+3T+2Tを3F+1Eu+3Sに替えることで0.33基礎点を上げられますが誤差の範囲でしょうか。シークエンスのアクセルを1.1倍に持って行っても基礎点押し上げ効果は同じだけあります。あるいは、ダブルアクセルが1つ余っているので、3連続をシークエンスのアクセル2つにして、2連続はセカンド3回転2つにして基礎点を上げるという手段もあります。

最近の滑り、成功率からすると、4回転トーループを外してトリプルアクセル2本にした方が安定感は増しそうです。その場合、ルッツ2本を維持しようとするとセカンド3回転が2回は使えないので、3連続で3つ目サルコウにする構成が選ばれると思われますが、その場合、トリプルアクセルのセカンドで2Tだとあまり基礎点が伸びない、という問題があって、トリプルアクセル2本構成はリスクとリターンがいまいち見合わないところもあります。

 

○平均GOE4.000以上(国際大会と全日本より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
JGP Osaka SP 7 CCoSp4   3.50   1.70 5.20 4.778
JGP Armenia SP 7 CCoSp4   3.50   1.75 5.25 4.778
JGP Osaka FS 10 CCoSp4   3.50   1.70 5.20 4.778
JGP Armenia FS 10 CCoSp4   3.50   1.65 5.15 4.667
World Junior FS 10 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
JGP Armenia FS 11 LSp4   2.70   1.23 3.93 4.556
World Junior SP 7 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
Youth Olympic SP 7 CCoSp4   3.50   1.55 5.05 4.333
全日本ジュニア FS 11 LSp4   2.70   1.13 3.83 4.286
Junior Grand Prix Final FS 10 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.222
JGP Armenia SP 3 LSp4   2.70   1.16 3.86 4.222
全日本選手権 FS 11 CCoSp4   3.50   1.55 5.05 4.222
全日本ジュニア FS 10 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.143
全日本ジュニア SP 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.143
JGP Osaka FS 11 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
World Junior FS 11 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
Junior Grand Prix Final SP 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
全日本選手権 SP 7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.000
全日本ジュニア SP 3 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.000

高評価要素はスピンが並びます。4回転とトリプルアクセルで有名な島田麻央選手。スピンはそれを上回る評価を受けています。ジュニアグランプリアルメニアではショートの足替えコンビネーションスピンで満点でした。

足替えコンビネーションスピンは今季の国際大会で平均GOEが+4に達しなかったのはユースオリンピックの1つだけ。他はすべて+4.000以上のレベル4 驚異的な評価を受けています。

レイバックスピンで高評価の選手というのは割とこれまでもいたのですが基礎点は2.70 足替えのコンビネーションスピンは基礎点3.50あるので、これで高評価を受けるとスピン1つで5点取れます。平均GOE+4.778が3つあるこのスピンは全選手中スピンで1位の評価です。レイバックスピンはJGPアルメニアで+4.556もらいましたがこれは全レイバックスピン中2位の評価。上記にはありませんが、フライングシットスピンも+3.333があって全体1位です。唯一、フライングの足替えコンビネーションスピンだけは苦手というほどではないですがあまり順位は高くありませんでした。

 

○4回転トーループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
木下トロフィー FS 2 4T<< << F 4.20   -2.10 2.10 -5.000
西日本中小学生競技会 FS 2 4Tq q 9.50   -0.32 9.18 -0.200
JGP Osaka FS 2 4T<< << F 4.20   -2.10 2.10 -5.000
JGP Armenia FS 2 4T< F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
西日本選手権 FS 2 4T< < F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
全日本ジュニア FS 2 4T<< << F 4.20   -2.10 2.10 -5.000
京都府中学校総体 FS 2 4T< 7.60   -2.28 5.32 -3.000
Junior Grand Prix Final FS 2 4T   9.50   2.17 11.67 2.222
全日本選手権 FS 2 4T< < F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
Youth Olympic FS 2 4T<< F 4.20   -2.10 2.10 -5.000
World Junior FS 2 4T   9.50   2.31 11.81 2.444

今期すべての試合で4回転トーループをフリー2つ目の要素として組み入れました。11回飛んでGOEプラスの成功は2回でした。成功率は2割弱。この2割弱をジュニアグランプリファイナルと世界ジュニアに合わせてきたのは素晴らしいです。世界ジュニアの平均GOE+2.444は今季4回転を決めた3選手の中でも最高評価でした。

転倒までは織り込み済みで問題ないと思うのですが、ダウングレード4回は点がほとんど入ってこないので痛い。アンダーローテーションも4回あり、基礎点満額入ったのが3回だけ。大事な試合で決まっているのでいいと見るか、基礎点は満額入るくらいまでは回ってほしいと見るか。昨季はアンダーローテーションは多かったですがダウングレードはありませんでした。回る力が落ちているのか、年々判定が厳格になってきているということなのか。

少なくとも、安定して決まるジャンプではなくハイリスクハイリターンである、というのが現状の島田選手にとっての4回転となっています。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
木下トロフィー FS 1 3Aq q 8.00   -2.67 5.33 -3.400
西日本中小学生競技会 FS 1 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
JGP Osaka FS 1 3A   8.00   1.37 9.37 1.556
JGP Armenia FS 1 3A< 6.40   -0.73 5.67 -1.222
西日本選手権 FS 1 3A   8.00   1.28 9.28 1.429
全日本ジュニア FS 1 3A   8.00   1.44 9.44 1.714
京都府中学校総体 FS 1 3A   8.00   1.60 9.60 1.800
Junior Grand Prix Final FS 1 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
全日本選手権 SP 1 3A   8.00   1.71 9.71 2.111
全日本選手権 FS 1 3A   8.00   1.83 9.83 2.222
Youth Olympic FS 1 3Aq q 8.00   -0.23 7.77 -0.111
World Junior FS 1 3A   8.00   -1.14 6.86 -1.556

トリプルアクセルは全試合フリーの最初の要素で入っています。シニアカテゴリー唯一の試合である全日本ではショートにも入れました。12回飛んでGOEプラスの成功ジャンプが8回。成功率3分の2 これはトリプルアクセルの成功率としては極めて高い部類に入ります。GOEマイナスでもアンダーローテーションが付いたのは1度だけ。転倒なし。ダウングレード無し。12回すべてでダブルアクセルの満点よりも高い得点になっています。

トリプルアクセルの方は島田選手にとって完全に計算できる要素です。

 

○3回転-3回転を含む要素(国際大会+全日本)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
JGP Osaka SP 2 3F+3T   9.50   1.51 11.01 2.778
JGP Osaka FS 3 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.222
JGP Osaka FS 6 3S+3T+2T   10.78 X 0.98 11.76 2.222
JGP Armenia SP 2 3F+3T   9.50   1.51 11.01 2.778
JGP Armenia FS 3 3Lz+3T   10.10   1.01 11.11 1.667
JGP Armenia FS 6 3S+3T+2T   10.78 x 0.74 11.52 1.778
全日本ジュニア FS 3 3Lz+3T   10.10   1.65 11.75 2.571
全日本ジュニア FS 6 3S+3T+2T   10.78 X 0.86 11.64 2.000
Junior Grand Prix Final SP 2 3F+3T   9.50   1.29 10.79 2.556
Junior Grand Prix Final FS 3 3Lz<+3T 8.92   -0.47 8.45 -1.000
Junior Grand Prix Final FS 6 3S+3Tq+2T q 10.78 x -0.68 10.10 -1.556
全日本選手権 FS 3 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
全日本選手権 FS 6 3S+3T+2T   9.80   0.98 10.78 2.222
Youth Olympic SP 2 3F!+3T ! 9.50   0.53 10.03 1.000
Youth Olympic FS 3 3Lzq+3T< 9.26   -1.60 7.66 -2.667
Youth Olympic FS 6 3S<+3T<+2T 8.91 x -1.13 7.78 -3.222
World Junior SP 2 3F!+3T ! 9.50   0.68 10.18 1.222
World Junior FS 3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
World Junior FS 6 3S+3T+2T   10.78 x 0.68 11.46 1.556

島田選手はセカンド3回転がショートフリーで3回あります。1つは3連続。全日本ジュニアと全日本はショートで3-3が入っていませんが、これも跳ぼうとしたはずとしてカウントすると、今期主要大会で21回のうちGOEプラスの成功は15回。成功率71.4% 全スケーター基準で見るとかなり高い成功率ですが、本人比では昨季の90%近い成功率から落ちています。

3連続ジャンプは3S+3T+2Tで6番目の要素として入れています。これは7回飛んで5回がGOEプラスです。本人比でまずまず位の成功率でした。

 

○ルッツを含む要素(国際大会+全日本)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
JGP Osaka SP 4 3Lz   6.49 X 1.94 8.43 3.333
JGP Osaka FS 3 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.222
JGP Osaka FS 9 3Lz   6.49 X 1.18 7.67 2.111
JGP Armenia SP 4 3Lz   6.49 x 1.85 8.34 3.222
JGP Armenia FS 3 3Lz+3T   10.10   1.01 11.11 1.667
JGP Armenia FS 9 3Lz   6.49 x 1.43 7.92 2.444
全日本ジュニア SP 4 3Lz   6.49 X 2.12 8.61 3.571
全日本ジュニア FS 3 3Lz+3T   10.10   1.65 11.75 2.571
全日本ジュニア FS 9 3Lz   6.49 X 1.53 8.02 2.571
Junior Grand Prix Final SP 4 3Lz   6.49 x -1.43 5.06 -2.333
Junior Grand Prix Final FS 3 3Lz<+3T 8.92   -0.47 8.45 -1.000
Junior Grand Prix Final FS 9 3Lz   6.49 x 1.60 8.09 2.667
全日本選手権 SP 4 3Lz<+COMBO < F 5.19 X -2.36 2.83 -5.000
全日本選手権 FS 3 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
全日本選手権 FS 10 3Lz   6.49 X 1.77 8.26 3.000
Youth Olympic SP 4 3Lz   6.49 x 1.85 8.34 3.222
Youth Olympic FS 3 3Lzq+3T< 9.26   -1.60 7.66 -2.667
Youth Olympic FS 9 3Lz   6.49 x 1.35 7.84 2.333
World Junior SP 4 3Lz   6.49 x 1.77 8.26 3.000
World Junior FS 3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
World Junior FS 9 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 2.778

島田選手は今季主要大会でルッツをショートフリー合わせて3回づつ、合計21回飛びました。GOEプラスの成功ジャンプは17回。ルッツの成功率としてはかなり高いものです。ただ、シーズン中盤はルッツに苦しめられました。ジュニアグランプリファイナルはショートで決まらず2位スタートになる要因に。全日本も転倒。ユースオリンピックはショートは決めたもののフリーでqがつき次のセカンドが不十分な形になりました。

多くの選手にとってはルッツが一番難易度が高く練習でも手を掛ける要素と想像されるのですが、島田選手にとっては4回転とトリプルアクセルがあって、その下の3番目の要素です。練習時間あまり割けないのではないかと思われる中で高い成功率。そして、平均GOEも+3台が多く、ジュニアグランプリ大阪では+3.333をもらいました。これは今季の全選手のルッツの中で2位にあたります。ルッツも高評価をもらえる要素です。

 

島田選手は今季でジュニア2シーズン目。ここまでジュニアの試合全勝を続けています。勝てなかったのはシニアカテゴリーの試合である全日本選手権のみです。従来のルールなら来期からシニアに上がるところでしたが現行ルールではあと2シーズンジュニアが続きます。今期ユースオリンピックまで勝ってしまったので、ジュニアでやることはもう何もない・・・。とりあえず、史上初の世界ジュニア3連覇というのを目指すことになりますが、これまでは2連覇した選手はシニアに上がっていたので、目標として意欲がわくものになるかどうか。ただ、シンジア選手、上薗選手、中井選手、このあたりもジュニアにいますので、連勝を続けるのは簡単ではありません。4回転、どの程度安定して飛べるようになるか。あるいはジャンプのピークは今なのか。ジュニアあと2年も長いですが、オリンピックまで最短6年も長い。主役なようで主役でない立場で来期も続いていきます。