鍵山優真 19-20

2003年5月5日生まれ

ジュニア4シーズン目

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所属:星槎国際高等学校横浜

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シーズン獲得賞金:$24,500

世界ランキング:31位

シーズンランキング:17位

シーズンベストスコア 270.61 (7位) 四大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 91.61 四大陸選手権

フリーシーズンベスト 179.00 四大陸選手権

ショートプログラム楽曲: ドラマ「砂の器」より

フリープログラム楽曲: Tucker

スピンレベル4率 54/66=81.8%(国際試合31/36=86.1%)

ステップレベル4率 3/22=13.6%(国際試合3/12=25.0%)

スピンオールレベル4 4/11 (国際試合2/6)

スピンステップオールレベル4 0/11(国際試合0/6)

ジャンプ回転不足率  7/110=6.36%(国際試合5/60=8.33%)

ジャンプ回転不足なし試合 5/11(国際試合2/6)

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/11

 

 ●鍵山優真選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
DL 関東サマートロフィー 1 230.41 73.64 41.72 31.92 156.77 84.27 73.50
JGP JGP Courchevel 1 234.87 80.61 43.94 36.67 154.26 78.68 75.58
JGP JGP Baltic Cup 2 245.35 84.72 46.82 37.90 160.63 83.79 76.84
RT 関東選手権 1 236.85 76.50 40.91 35.59 160.35 86.69 73.66
RT 東日本選手権 1 244.68 85.95 47.10 38.85 158.73 80.83 77.90
NJ 全日本ジュニア 1 251.01 79.92 41.52 38.40 171.09 90.09 81.00
JGPF JGP Final 4 227.09 71.19 34.01 37.18 155.90 80.96 75.94
NC 全日本選手権 3 257.99 77.41 40.49 36.92 180.58 99.10 81.48
Others Youth Olympic  1 239.17 72.76 36.92 36.84 166.41 86.93 79.48
4CC Four Continents 3 270.61 91.61 52.39 39.22 179.00 95.28 83.72
WJ World Junior  2 231.75 85.82 46.93 38.89 145.93 68.65 78.28

鍵山選手は躍進のシーズンだったのですが、出場試合数自体もかなりの数ありました。

まず初戦は調整試合。8月頭のサマートロフィー。230.41はジュニアとしてはかなりの高得点。前シーズンの世界ジュニア優勝スコアが230.32ですので、国内のそれもローカル大会の参考記録ではありますが、初戦からそれを上回る得点を出しました。

 

ここからが本番、というのがジュニアグランプリの2戦。初戦は234.87で圧勝。現行ルールでのジュニア最高スコアをマークしました。

2戦目はショートフリー、両方揃えての245.35のパーソナルベスト。しかしここで、サムソノフ選手が250.51というジュニア最高記録を更新したため、2位にとどまるという結果になりました。

 

ここでいったん国内に戻ります。関東選手権、東日本選手権と調整レベルの2試合はともに優勝。全日本ジュニア。佐藤駿選手との一騎打ちを、ショートはまずまず、そしてフリーはノーミスで演じて、国際参考記録ながら250点に乗せて優勝。世界ジュニアの代表権を確保します。

 

優勝候補として臨んだジュニアグランプリファイナルはショートでアクセルが決まらず6位スタートとなり、フリーで巻き返すも4位止まり。惜しい試合となりました。

 

ここから、ジュニアシニアの行ったり来たりが始まります。

 

年内最後はシニアカテゴリーの全日本選手権。昨シーズンに最終グループに入って名を売り出した大会で今シーズンは最終グループ入りならず。ジュニアグランプリファイナルに続いてアクセルが決まらなかったことが響いての7位発進でしたが、フリーではノーミスでの技術点トップスコアで総合3位表彰台に上ります。この成績により四大陸選手権の代表まで手に入れました。

 

年が明けてからはジュニアカテゴリーのユースオリンピックに出場。今度はショートでコンビネーションジャンプ転倒で点が伸びませんでしたが、フリーは大きなミスなくまとめて逆転優勝。一生に一度のチャンス、ユースオリンピックのタイトルを手に入れました。

 

シニアカテゴリーに戻っての四大陸選手権。ここで、始めて四回転がショートに投入され、ショートの難易度はここ数試合より高い構成だったのですが、今度こそノーミスで91.61のパーソナルベスト更新。5位で折り返すと、フリーも大きなミスなくまとめこちらもパーソナルベスト。トータル270.61で3位表彰台となりました。

 

シーズン最後はジュニアカテゴリーに戻っての世界ジュニア。ショートでしっかり滑っての85.82はジュニアカテゴリーでの国際大会自己ベストで首位発進。このタイトルも持っていくか、とも期待されたのですが、珍しくフリーで四回転転倒、トリプルアクセルも不発で点を伸ばせず、シーズンワーストの145.93で終わってしまい、最終的に2位。世界ジュニアのタイトルは獲得できず、ジュニア最後の試合をいい形で終わることは出来ませんでした。

 

 ●鍵山優真選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
DL 関東サマートロフィー 1 230.41 125.99 105.42 97.49 21.09 7.41
JGP JGP Courchevel 1 234.87 122.62 112.25 89.42 24.48 8.72
JGP JGP Baltic Cup 2 245.35 130.61 114.74 96.42 24.48 9.71
RT 関東選手権 1 236.85 127.60 109.25 97.33 22.99 7.28
RT 東日本選手権 1 244.68 127.93 116.75 97.85 22.31 7.77
NJ 全日本ジュニア 1 251.01 131.61 119.40 101.57 22.40 7.64
JGPF JGP Final 4 227.09 114.97 113.12 83.84 23.79 7.34
NC 全日本選手権 3 257.99 139.59 118.40 103.40 23.53 12.66
Others Youth Olympic 1 239.17 123.85 116.32 90.18 24.51 9.16
4CC Four Continents 3 270.61 147.67 122.94 110.29 24.14 13.24
WJ World Junior 2 231.75 115.58 117.17 82.86 24.00 8.72

要素別の得点を見ると、基本的にはTESの方がPCSより高くなっています。結果の悪かったジュニアグランプリファイナルではTESとPCSが拮抗、また世界ジュニアではPCSの方が高くなる、という形になりました。

PCSは一番良かった四大陸選手権で122.94 5項目平均8.0を超えるスコアが出てきています。ジュニアカテゴリーでの国際試合では世界ジュニアの117.17 この117.17でジュニアとしての今シーズンのPCS最高点です。したがって、122.94はジュニアカテゴリーの年代の選手としては極めて高いスコアと言えます。

 

ジャンプで得た得点は四大陸選手権で110.29 国内2戦も含め、いい試合では100点を超えてきます。110.29というスコアは今シーズンの全選手の中で4位という極めて高いスコアでした。宇野選手のチャレンジカップが109.29でしたので、ジャンプのスコアとしては宇野選手のシーズンベストの上まで行っています。

 

スピンはユースオリンピックの24.51が最高。24点台を頻繁に出しています。24.51は全体の10位台のスコアでした。

 

ステップ系要素は、シニアの試合で四大陸の13.24が最高。ジュニアのコレオ抜き構成ではジュニアグランプリで9.71というのがあります13点台は普通のスコアで、トップ選手として見た場合は、あまり高いとは言えません。ジュニアで9.71を出せるのは、ジュニアとして見た場合には高いスコアです。

 

 ●鍵山優真選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
関東サマートロフィー 1 56.67 58.18 70.01 52.10 51.00 50.37
JGP Courchevel 1 57.81 56.29 63.60 62.69 59.12 54.51
JGP Baltic Cup 2 60.48 56.22 72.47 62.69 64.32 56.02
関東選手権 1 58.31 58.03 70.09 58.03 50.15 52.69
東日本選手権 1 60.31 54.22 78.12 55.91 54.28 57.24
全日本ジュニア 1 61.92 59.06 73.38 56.19 53.33 58.85
JGP Final 4 55.83 52.69 63.63 60.53 50.77 55.04
全日本選手権 3 63.70 58.81 76.15 59.72 55.95 58.24
Youth Olympic 1 58.91 56.69 63.78 62.78 60.15 56.98
Four Continents 3 66.92 63.97 74.77 61.62 58.69 60.99
World Junior 2 57.01 53.86 60.14 61.19 58.99 57.50

偏差値に直すとトータルスコアはシーズンベストの四大陸では60台後半まで出していました。満足いく結果にならなかった試合では50台半ばにとどまります。

ジャンプはしっかりとベルト基礎点から偏差値60台ですが、基本的には50代後半くらいまでです。ジャンプのGOEは高く、国内参考記録ながら偏差値70台後半もありますし、四大陸選手権でも70台半ばまでの偏差値がありました。悪い試合でも偏差値60に乗せていて、ジャンプの出来栄えは良いことがわかります。

 

スピンはシーズン後半には偏差値60台に乗ってきました。

ステップ系要素はコレオ補正を加えると偏差値60台に乗ってくることもありますが、多くは50台です。

PCSも四大陸で偏差値60に乗せましたが、基本は50台です

 

この偏差値票のすごいところは、50を下回るものが一つもない、というのを言えると思います。これはトップ選手でも限られた選手しか出せませんし、ジュニアカテゴリーでこれだけのトータルバランスを安定して出せる選手というのもなかなかいません。

 

鍵山優真スケート偏差値

 レーダーチャートは右下に凸。トップ選手が好スコアを出すときの形になっています。

ただ、さすがにネイサンチェン選手や羽生結弦選手と比べると、凸で無い部分、スピンステップPCSといったベースが低めな位置になります。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 4T   9.50   3.26 12.76 3.444
Four Continents 2 3A   8.00   2.63 10.63 3.222
Four Continents 3 CCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
Four Continents 4 3Lz!+3T ! 11.11 x 0.67 11.78 1.000
Four Continents 5 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.444
Four Continents 6 FSSp4   3.00   0.81 3.81 2.667
Four Continents 7 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
Four Continents   TES   42.21   10.18 52.39  

シーズン最高基礎点のショートプログラムは、四回転を入れられるシニアカテゴリーの試合で42.21まで出しました。

四回転はトーループ一本で、コンビネーションを1.1倍に配置する構成です。今シーズン全体で14位の基礎点構成でした。

四回転をトーループ一本でこれより基礎点を上げるには、四回転トーループからのコンビネーションで1.1倍にする、以外に手はありません。そうなってくると考えることは、二種類目の四回転ということになります。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 4T+2T   10.80   3.26 14.06 3.444
Four Continents 2 3Lo   4.90   1.54 6.44 3.111
Four Continents 3 4T   9.50   2.85 12.35 3.000
Four Continents 4 3A+1Eu+3S   12.80   2.51 15.31 3.111
Four Continents 5 FCSp4   3.20   0.73 3.93 2.222
Four Continents 6 CSSp4   3.00   0.39 3.39 1.333
Four Continents 7 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.444
Four Continents 8 3F+3T   10.45 x 2.04 12.49 3.778
Four Continents 9 3Lz! ! 6.49 x 0.67 7.16 1.222
Four Continents 10 3A   8.80 x -1.49 7.31 -1.778
Four Continents 11 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.667
Four Continents 12 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.556
Four Continents   TES   79.74   15.54 95.28  

フリーの最高基礎点は79.74 これは全体15位の構成。基礎点構成ではショートもフリーも全体の10位台半ばくらいでした。

四回転は一種類。二回飛ぶジャンプは四回転トーループトリプルアクセル。3回転ジャンプの余り要素なし。四回転一本で組める理想構成となっています。

後はステップレベル4にして基礎点0.6上がれば80.34 というのがこの構成の理想形です。

1.1倍部分にコンビネーションが一つだけというのはやや弱い構成かな、という部分はありますが、トリプルアクセルからの三連続を1.1倍に持ってきたとして、上がる基礎点は0.48 確実性との天秤掛けたらそれをするのが得か損か、ということになるでしょうか。

 

やはり、ここから基礎点を上げていくには二種類目の四回転、というのが望まれるという段階にきているように見えます。

 

●平均GOE+3.400以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Final FS 8 3F+3T   10.45 x 2.12 12.57 4.000
全日本ジュニア FS 2 3F   5.30   2.12 7.42 4.000
全日本ジュニア FS 8 3F+3T   10.45 X 2.12 12.57 4.000
World Junior SP 2 3A   8.00   3.09 11.09 3.889
JGP Baltic Cup SP 1 3A   8.00   3.09 11.09 3.778
JGP Baltic Cup FS 1 4T+2T   10.80   3.53 14.33 3.778
JGP Baltic Cup FS 8 3F+3T   10.45 x 1.97 12.42 3.778
Four Continents FS 8 3F+3T   10.45 x 2.04 12.49 3.778
全日本ジュニア SP 4 3Lz+3T   11.11 X 2.12 13.23 3.714
全日本ジュニア FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   2.88 15.68 3.714
JGP Baltic Cup FS 9 3Lz   6.49 x 2.19 8.68 3.667
全日本選手権 FS 8 3F+3T   10.45 X 2.20 12.65 3.667
全日本ジュニア FS 1 4T+2T   10.80   3.42 14.22 3.571
JGP Courchevel FS 11 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.556
JGP Baltic Cup SP 5 StSq3   3.30   1.23 4.53 3.556
JGP Final FS 2 3F   5.30   1.89 7.19 3.556
Youth Olympic FS 8 3F+3T   10.45 x 1.97 12.42 3.556
JGP Courchevel FS 3 4T   9.50   3.26 12.76 3.444
JGP Baltic Cup SP 3 CCSp4   3.20   1.14 4.34 3.444
Four Continents SP 1 4T   9.50   3.26 12.76 3.444
Four Continents FS 1 4T+2T   10.80   3.26 14.06 3.444
World Junior SP 3 CCSp4   3.20   1.10 4.30 3.444
World Junior SP 5 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.444

ここから先は国際大会と全日本及び全日本ジュニアからのみ拾っていきます。国内のその他の試合を入れると、試合数が多く拾われるものが多すぎるためです。

 

評価が高い要素にはジャンプが並びます。踊れるジュニア、というような定評があるような気がしますが、GOE見るとジャンプの評価が高いです。

平均GOE+4.000に達した要素が、国内だけでなく国際大会でも一つありました。+4まで出した要素を持つ選手はシニアでも決して多くはありません。

評価の高い要素として、3回転-3回転やトリプルアクセル、四回転からのコンビネーションに3連続ジャンプと、決して難易度が低いとは言えないジャンプが並んでいます。

スピンは最高で+3.556 ステップも+3.556 悪くはないですが、ジャンプと比べるとまだ伸びしろがあるようです。

 

よく見ると、シニアの試合はあまり評価の高い要素が多くはないんですね。トータルスコアは高かったのですが、各要素の評価はジュニアの試合の方が高い。不思議なものですが、質というものを見ると、シニア基準ではちょっと厳し目になるんでしょうか。

 

●四回転トーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel FS 1 4T+2T   10.80   -0.41 10.39 -0.333
JGP Courchevel FS 3 4T   9.50   3.26 12.76 3.444
JGP Baltic Cup FS 1 4T+2T   10.80   3.53 14.33 3.778
JGP Baltic Cup FS 3 4T   9.50   2.58 12.08 2.556
JGP Final FS 1 4T+2T   10.80   2.85 13.65 3.111
JGP Final FS 3 4T   9.50   -4.34 5.16 -4.556
Youth Olympic FS 1 4T   9.50   0.54 10.04 0.444
Youth Olympic FS 3 4T+2T   10.80   2.85 13.65 2.889
Four Continents SP 1 4T   9.50   3.26 12.76 3.444
Four Continents FS 1 4T+2T   10.80   3.26 14.06 3.444
Four Continents FS 3 4T   9.50   2.85 12.35 3.000
World Junior FS 1 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000
World Junior FS 3 4T+2T   10.80   2.04 12.84 2.111
全日本ジュニア FS 1 4T+2T   10.80   3.42 14.22 3.571
全日本ジュニア FS 3 4T   9.50   2.66 12.16 2.857
全日本選手権 SP 2 4T   9.50   2.85 12.35 2.667
全日本選手権 FS 1 4T+2T   10.80   3.39 14.19 3.222
全日本選手権 FS 3 4T   9.50   3.66 13.16 3.333

鍵山選手は昨シーズンまで四回転がありませんでした。

四回転が入ったのは今シーズンから。シーズン初めからフリーで2本入れていました。シニアの試合ではショートにも入れて合計3本。

これらグレードの高い8試合で16回飛んで、回転不足一回、それ以外のGOEマイナスが2回。したがって13/16が成功という、高い成功率を誇りました。これが今シーズンの鍵山選手の躍進を支えましたが、最後の最後、世界ジュニアで回転不足の転倒、となったのが痛かった・・・。

 

●アクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel SP 1 3A   8.00   2.63 10.63 3.333
JGP Courchevel FS 4 3A+1Eu+2S   9.80   0.80 10.60 1.000
JGP Baltic Cup SP 1 3A   8.00   3.09 11.09 3.778
JGP Baltic Cup FS 4 3A< 6.40   -2.83 3.57 -4.333
JGP Final SP 1 2A<< <<  1.10   -0.55 0.55 -5.000
JGP Final FS 4 3A+1Eu+2S   9.80   1.49 11.29 1.889
Youth Olympic SP 2 3A   8.00   2.29 10.29 2.778
Youth Olympic FS 4 3A+1Eu<<+2S <<  9.30   -1.03 8.27 -1.222
Youth Olympic FS 10 3A   8.80 x 2.06 10.86 2.444
Four Continents SP 2 3A   8.00   2.63 10.63 3.222
Four Continents FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   2.51 15.31 3.111
Four Continents FS 10 3A   8.80 x -1.49 7.31 -1.778
World Junior SP 2 3A   8.00   3.09 11.09 3.889
World Junior FS 4 3A<+1Eu+3S 11.20   -1.01 10.19 -1.444
World Junior FS 10 1A   1.21 x 0.08 1.29 0.778
全日本ジュニア SP 1 3A   8.00   -1.60 6.40 -2.143
全日本ジュニア FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   2.88 15.68 3.714
全日本選手権 SP 1 A* * 0.00   0.00 0.00  
全日本選手権 FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   2.74 15.54 3.000
全日本選手権 FS 10 3A   8.80 X 2.29 11.09 2.444

トリプルアクセルはシーズン前半はショートフリー一本づつ。全日本からフリーに二本入れる構成になりました。

上記8試合で20回飛んで2回転以下のアクセルになったもの3回、回転不足2回、コンビネーションの後ろで回転不足が1回、それ以外のGOEマイナスが2回で、成功ジャンプは12/20と6割でした。四回転よりもトリプルアクセルの方が成功率が低くなっています。

トリプルアクセルが3本そろったのは四大陸選手権だけ。四回転とトリプルアクセルがきっちりそろえばあそこまで行ける、というのを示した試合でした。

 

●3連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel FS 4 3A+1Eu+2S   9.80   0.80 10.60 1.000
JGP Baltic Cup FS 10 3Lo+1Eu+2S   7.37 x 1.61 8.98 3.222
JGP Final FS 4 3A+1Eu+2S   9.80   1.49 11.29 1.889
Youth Olympic FS 4 3A+1Eu<<+2S <<  9.30   -1.03 8.27 -1.222
Four Continents FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   2.51 15.31 3.111
World Junior FS 4 3A<+1Eu+3S 11.20   -1.01 10.19 -1.444
全日本ジュニア FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   2.88 15.68 3.714
全日本選手権 FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   2.74 15.54 3.000

3連続ジャンプは基本的にはトリプルアクセルから飛びます。一試合だけループから後半に飛んでいるものがありますが、これはおそらくリカバリーです。

回転不足が2つありましたが、あとの6回は成功で成功率は6/8=75%

トリプルサルコウは余っているジャンプなので3連続の三つ目が2回転サルコウになるのは、安全策なのか失敗なのかわかりませんが、シーズン序盤は2回転でした。ユースオリンピックは失敗でしょう。

シーズン中盤から三つ目がトリプルサルコウになっていった、というのは、今シーズン途中の成長と言えるのでしょう。サルコウは2回転と3回転で3点違います。結構大きな価値があります。

 

●セカンド3回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel SP 4 3Lz!+3T ! 11.11 x -0.67 10.44 -1.000
JGP Courchevel FS 8 3F!+3T ! 10.45 x 0.61 11.06 1.222
JGP Baltic Cup SP 4 3Lz!+3T ! 11.11 x 0.84 11.95 1.333
JGP Baltic Cup FS 8 3F+3T   10.45 x 1.97 12.42 3.778
JGP Final SP 4 3Lz!+3T ! 11.11 x 0.59 11.70 1.000
JGP Final FS 8 3F+3T   10.45 x 2.12 12.57 4.000
Youth Olympic FS 8 3F+3T   10.45 x 1.97 12.42 3.556
Four Continents SP 4 3Lz!+3T ! 11.11 x 0.67 11.78 1.000
Four Continents FS 8 3F+3T   10.45 x 2.04 12.49 3.778
World Junior SP 4 3Lz!+3T ! 11.11 x 1.01 12.12 1.778
World Junior FS 8 3F+3T   10.45 x 1.51 11.96 2.778
全日本ジュニア SP 4 3Lz+3T   11.11 X 2.12 13.23 3.714
全日本ジュニア FS 8 3F+3T   10.45 X 2.12 12.57 4.000
全日本選手権 SP 4 3Lz!+3T ! 11.11 X 1.01 12.12 1.667
全日本選手権 FS 8 3F+3T   10.45 X 2.20 12.65 3.667

3回転-3回転はショートで必須的に入れてフリーも一つ入ります。ショートはルッツから、フリーはフリップから。

上記8試合で15回要素として入っていて、GOEマイナスは1回だけ。高確率で成功させています。ユースオリンピックのショートは2つ目が2回転になっていたので、上記リストにありませんが、実際にはそのジャンプが一番失敗したセカンド3回転のコンビネーションともいえるのでしょう。

エッジの!マークは結構な数付いています。ルッツでつくことが多いですが、フリップでも1つ。上記リストにはありませんが、単独のトリプルルッツでeがついたこともありましたし、比較的ルッツの方がエッジをクリアに出来ていない部分があるようです。

 

鍵山選手は今シーズン、ジャンプの回転不足が極めて少なかったです。シーズン通して110回のジャンプ要素で7回のみ。このジャンプの安定感が今シーズンの好成績を支えました。

ただ、世界ジュニアフリーで、四回転が回転不足から転倒、トリプルアクセルも回転不足があり、画竜点睛を欠く結果になってしまったのは残念。この二つのジャンプをしっかり決めていれば、世界ジュニアのタイトルが手に入っていました。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel SP 5 StSq3   3.30   1.04 4.34 3.222
JGP Courchevel FS 7 StSq3   3.30   1.08 4.38 3.222
JGP Baltic Cup SP 5 StSq3   3.30   1.23 4.53 3.556
JGP Baltic Cup FS 7 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.333
JGP Final SP 5 StSq2   2.60   0.59 3.19 2.333
JGP Final FS 7 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.556
Youth Olympic SP 5 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.667
Youth Olympic FS 7 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
Four Continents SP 5 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.444
Four Continents FS 7 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.444
Four Continents FS 11 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.667
World Junior SP 5 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.444
World Junior FS 7 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
全日本ジュニア SP 5 StSq3   3.30   1.06 4.36 3.286
全日本ジュニア FS 7 StSq2   2.60   0.68 3.28 2.571
全日本選手権 SP 5 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.222
全日本選手権 FS 7 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.222
全日本選手権 FS 11 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.333

ステップ系要素は、まだレベル4率はそれほど高くありません。シーズン通じてだと13.6% 国際試合だけでも25% 不思議なものでレベル4もらえたのは国際試合だけだったりします。

ただ、GOEは高めなものが割ともらえていました。+3を超える評価も珍しくありません。

評価が低めだったのは四大陸選手権全日本選手権。シニアに混ざると、そんなに褒めることでも、という扱いなのか。ただそれでも、+2台はもらえています。

 

スピンのレベル4率は80%台ありました。トップ層は90%超えますので盤石ではないですが、これくらいのレベル4率があれば、スピンオールレベル4という試合も普通に作れます。

 

 

今シーズン大躍進を見せた鍵山選手。実はジュニアグランプリに出たのも昨シーズンから。そのジュニアグランプリあたりから急成長を見せてもらったような気がします。男子では、この高校に入ったあたりで急に伸びてくる選手、というのが数年に一人くらい出てくる感じがします。宇野選手も高校に入ったあたりでトリプルアクセルと四回転を急に飛べるようになって、世界レベルになったような覚えがあります。女子とは逆に、この時期にジャンプが飛べるような体格になって来る、というのがあるんでしょうか。

その昨シーズンの成長が今シーズンにうまい形でつながりました。全日本ジュニアが5位なのに、全日本で6位に入り、世界ジュニアの切符こそ回ってこなかったものの、シーズン後半の国際大会の派遣をもらって、シニアの国際大会のスコアを手に入れます。

これを持っていたことで、今シーズンの全日本で表彰台に乗った後、四大陸の出場権を得ることが出来ました。いわゆるミニマムスコアを、昨シーズンのシニアのB級大会に出たことで手に入れていました。

今シーズンの結果も来シーズンにつながるものでしょう。世界ジュニア表彰台はグランプリシリーズの椅子を一つほぼ確定させますし、四大陸のシーズンベストはISUランク6位ですから、これもグランプリの椅子を回してくれる。ほぼグランプリシリーズの椅子を2つ確保した状態でシニアに上がれる日本の男子、というのは宇野選手以来になります。

 

今シーズンのショートプログラムはドラマ「砂の器」より。昨シーズンフリーの龍馬伝もそうなのですが、そういった日本ローカルのドラマものを選ぶ当たりは、まだ世界への意識が弱いのかな、と思う部分はありました。羽生選手の「SEIMEI」のような、「和」ということなら話は少し違うのですが、和物であって和な感じでもない。実際、昨シーズン終わった時点では、まだ、世界ジュニア出場、くらいが目標な位置にも見えたので、世界で戦う選曲みたいなところまでは行ってなかったのかもしれません

というところからの急成長でのジュニア、ではなくシニアのチャンピオンシップである四大陸選手権の3位表彰台でした。これは日本人選手の中で今シーズン3番目のスコアでもありました。親子2代でのオリンピックにぐっと近づく結果。

 

ただ、ジュニアカテゴリーが主戦場なこともあり、セカンドベストは国際舞台では245.35になります。これを超えるスコアは今シーズンの日本人選手としては5人が出しています。同世代の佐藤駿選手以外のライバルもまだ多い。先が楽しみな選手なのは間違いないですが、オリンピック確実というほど図抜けているわけでもない。

 

来シーズンはシニアに上がることを明言しました。

グランプリファイナルの表彰台、さらには世界選手権の切符、というあたりが具体的な目標になってくると思いますが、それも含めて、国際舞台での活躍を期待したいと思います。