21-22 カレンチェン

1999年8月16日生まれ

シニア7シーズン目

シーズン獲得賞金:$2,000

世界ランキング:10位

シーズンランキング:14位

シーズンベストスコア 202.49 (34位) フィンランディア杯

ショートプログラムシーズンベスト 68.74 スケートカナダ

フリーシーズンベスト 134.99 フィンランディア杯

ショートプログラム楽曲:レクイエム

フリープログラム楽曲:バタフライラバーズ

スピンレベル4率 43/48=89.6%

ステップレベル4率 11/16=68.8%

スピンオールレベル4 3/7

スピンステップオールレベル4  3/7

ジャンプ要素回転不足率 20/80=25.0%

ジャンプ回転不足なし 0/7

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/7

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS Autumn Classic 4 173.00 58.01 114.99
CS Finlandia Trophy 6 202.49 67.50 134.99
GP Skate Canada 10 183.41 68.74 114.67
GP Internationaux de France 5 194.00 64.67 129.33
NC US Championships 2 213.85 74.55 139.30
OG OlympicGames Team 5 65.20 65.20  
OG OlympicGames Team 4 131.52   131.52
OG Olympic Games 16 179.93 64.11 115.82
WC World Championships 8 192.51 66.16 126.35

昨シーズン世界選手権4位。この立場でカレンチェン選手は今シーズンに入りました。初戦は9月のオータムクラシック。あれ? 173.00? ショートもフリーも点が伸びず。大丈夫かなあ? というシーズンインでした

10月に入ってフィンランディア杯。ここで200点を出して、まあまあ、ちゃんと、力はある、ある、大丈夫、というのを感じさせてくれました。

グランプリ2戦は10位と5位。元々あまりフランプリシリーズに合わせてくる選手ではなく、過去の最高位も5位ですし、特に心配する必要はないのかもしれませんが、有力4人で3枠を争うアメリカ、大丈夫?? という部分もありました。

そして年が明け全米選手権。ブレイディテネル選手がケガで間に合わず欠場。さらにはアリサリュウ選手がショート終わってコロナで離脱。ちょっと拍子抜けな展開でしたが、しっかりと2位を確保し2度目のオリンピック出場権を得ました。

オリンピックは団体戦から登場。平昌の時には最優秀枠取り係として3枠確保に貢献しながら団体戦は他の二人が出てメダルをもらえなかったのですが、今回はショートフリー共に滑って表彰台に貢献。まだメダルは届いていないようですが、銀か、場合によっては金か、いずれにしてもオリンピックメダルを手に入れることになりました。出来が良かったかというとそうでもないですが、ショートで彼女が崩れていたらトータルで日本に負けていましたから、2位以内確保への貢献度は十分にあります。

ただ、団体戦で2本滑ったことで調整も難しかったでしょうか、個人戦は16位に終わりました。

シーズン最後の世界選手権。枠取りもあるのでさぼれません。ショートは8位スタートで第3グループに入ります。フリー、シーズン最後のバタフライラバーズ。今シーズン苦しんだループを構成から外すという手に出たのですが、もう一つ苦しんだフリップにも嫌われ思うようにスコアは伸ばせませんでした。結局トータル8位。なんだかんだで上位入賞、という見方もできますが、本人としてはもう少し上が望める試合でしたので残念ではありました。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Autumn Classic 4 173.00 79.76 94.24 53.24 -9.96 23.50 12.98
Finlandia Trophy 6 202.49 99.24 104.25 55.53 1.99 26.45 15.27
Skate Canada 10 183.41 84.60 100.81 48.45 -4.07 25.69 14.53
Internationaux de France 5 194.00 95.33 99.67 59.70 -1.17 23.98 12.82
US Championships 2 213.85 109.69 104.16 63.05 5.41 25.60 15.63
OlympicGames Team 5 65.20 32.72 33.48 17.95 -2.44 12.08 5.13
OlympicGames Team 4 131.52 65.68 65.84 44.12 -0.55 12.65 9.46
Olympic Games 16 179.93 82.85 99.08 46.91 -2.14 24.19 13.89
World Championships 8 192.51 93.03 99.48 53.13 -0.15 25.23 14.82

トータルスコアでは全米選手権で213.85まで出ましたが、国際大会で200点に乗せたのは結局フィンランディア杯の1度だけでした。

技術点が100点に届いていない一方、PCSは100点に乗せることが多く届かなくても99点台。TESよりPCSの方で稼いでいる構図です。

ジャンプの基礎点は全米選手権で63点台まで出しました。他は50点台までです。ジャンプの加点はマイナスが多く苦しみました。

スピンはフィンランディア杯で26.45 これは今シーズン3位。上にいるのはワリエワ、シェルバコワ、2選手だけです。

ステップ系要素もフィンランディア杯の15.27が最高。米国選手ではトップのスコアでした。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
Autumn Classic 4 53.62 52.09 35.66 58.85 58.23 59.38
Finlandia Trophy 6 61.63 53.80 55.73 68.03 67.34 66.06
Skate Canada 10 56.45 48.52 45.55 65.67 64.40 63.76
Internationaux de France 5 59.32 56.92 50.42 60.34 57.59 63.00
US Championships 2 64.71 59.42 61.47 65.39 68.78 66.00
Olympic Games 16 55.50 47.37 48.79 61.00 61.85 62.61
World Championships 8 58.92 52.01 52.13 64.23 65.55 62.88

偏差値で見ると200点に乗せたフィンランディア杯でトータルスコアが60に乗りました。

ジャンプの基礎点は偏差値50前後が多いです。ジャンプの加点も50前後、あまり今シーズンうまくいきませんでした。

スピンはフィンランディア杯で偏差値68.03 ステップでもフィンランディア杯で67.34 偏差値60台後半まで出していて高い評価です。

トータルスコアで伸び悩みましたが、スピンステップは今シーズンも世界の中で上位の優れた評価を受けています。

21-22シーズン カレンチェン要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートで見ると左側に寄った形になります。ジャンプで今シーズン苦しんだというのがはっきり出ているレーダーチャートです。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○オリンピック団体戦 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T< 9.26   -0.84 8.42 -1.333
2 2A   3.30   0.85 4.15 2.667
3 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
4 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
5 3Loq q 5.39 x -2.45 2.94 -5.000
6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
7 LSp3   2.40   0.82 3.22 3.444
  TES   30.95   1.77 32.72  

ショートプログラムの最高基礎点は結局30.95でした。全米選手権では32.09あったのですが、国際大会で回転不足で基礎点が削られここまでしか出ていません。それでもトリプルアクセル無し組とは基礎点差が3点未満ですので、ショートは出来栄え勝負で太刀打ちできます。

 

○オリンピック団体戦 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A+3T   7.50   0.90 8.40 2.111
2 3F!q ! 5.30   -1.14 4.16 -2.222
3 3Sq q 4.30   -0.43 3.87 -1.000
4 3Lo< 3.92   -1.12 2.80 -2.889
5 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.667
6 FCCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
7 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.01 10.80 1.889
8 3Lz   6.49 x 0.93 7.42 1.556
9 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
11 3Loq+2T q 6.82 x -0.70 6.12 -1.444
12 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.667
  TES   60.72   4.96 65.68  

フリーの最高基礎点は60.72 これもオリンピックの団体戦で出したスコアです。2回飛ぶジャンプはルッツとループ。今シーズンループに苦しみましたがフリップも苦手なのでループを2回入れざるを得ない、というのがあったようです。基礎点60点まであれば、やはりトリプルアクセル無し組となら出来栄え勝負も可能です。ただ、今シーズンは余りそちらの方も伸びなかったのが苦しいところでした。

ただ、それでも7試合中3試合でスピンステップオールレベル4 ジャンプ以外のところでは稼いでいました。

 

○平均GOE3.600以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy SP 7 LSp4   2.70   1.26 3.96 4.500
Finlandia Trophy FS 12 LSp4   2.70   1.22 3.92 4.500
Skate Canada SP 7 LSp4   2.70   1.20 3.90 4.444
US Championships SP 3 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
US Championships SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.111
Skate Canada FS 12 LSp3   2.40   0.99 3.39 4.000
US Championships FS 10 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.889
World Championships SP 7 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
World Championships FS 12 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
Finlandia Trophy SP 3 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 3.875
Finlandia Trophy FS 9 CCoSp4   3.50   1.34 4.84 3.875
Skate Canada SP 3 CCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
Skate Canada FS 9 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.778
US Championships FS 12 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.778
Autumn Classic SP 7 LSp3   2.40   0.91 3.31 3.714
Skate Canada FS 10 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.667
Internationaux de France FS 12 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.667
OlympicGames Team FS 12 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.667
Finlandia Trophy SP 4 StSq4   3.90   1.43 5.33 3.625
Finlandia Trophy FS 5 StSq4   3.90   1.37 5.27 3.625

平均GOE○○以上、というのは選手ごとに閾値は変えています。200点前後の選手の場合、この閾値は2点台半ばくらいなことが多いのですが、カレンチェン選手は3.600で切ってもこれだけの数の要素が拾われました。

上位にはスピンが並びます。スピンランク3位ですからこうなって当然と言えば当然ではあります。平均GOEが+4.000以上は全米選手権とフィンランディア杯スケートカナダ。オリンピックと世界選手権が入ってこないのは残念ではありました。

 

○3回転-3回転の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Autumn Classic FS 2 3Lz+3T<< <<  7.20   -2.83 4.37 -4.714
Finlandia Trophy FS 2 3Lz+3Tq q 10.10   0.20 10.30 0.250
Skate Canada FS 2 3Lz+3T< 9.26   -1.01 8.25 -1.667
US Championships SP 1 3Lz+3Tq   10.10   -0.34 9.76 -0.556
OlympicGames Team SP 1 3Lz+3T< 9.26   -0.84 8.42 -1.333
Olympic Games SP 1 3Lz+3Tq q 10.10   -0.08 10.02 -0.333
World Championships SP 1 3Lz+3Tq q 10.10   0.08 10.18 0.111

3回転-3回転はシーズン前半はフリーに入れていましたが、後半はショートの冒頭の要素となりました。すっきりきれいな成功はありませんが、転倒まではいかず、回転不足だけどqで耐えることが多い、というシーズン後半でした。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Autumn Classic FS 7 2A+1Eu+3S< 7.96 x -0.76 7.20 -2.143
Finlandia Trophy FS 7 2A+1Eu+3S   8.91 x 1.51 10.42 3.500
Skate Canada FS 7 2A<+1Eu+3S< 7.24 x -1.03 6.21 -3.000
Internationaux de France FS 7 3Lzq+1Eu+3S< 10.82 x -2.02 8.80 -3.556
US Championships FS 7 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.77 11.56 3.000
OlympicGames Team FS 7 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.01 10.80 1.889
Olympic Games FS 7 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.01 10.80 1.556
World Championships FS 7 3Lzq+2T+2Lo q 9.79 x -0.67 9.12 -1.111

3連続ジャンプは、シーズン前半はダブルアクセル起点の3つ目サルコウ。子のサルコウで回転不足が目立ったためか、シーズン後半はルッツ起点で2回転を2つ付ける形にかえています。この変更は成功だったようです。世界選手権では軽いGOEマイナスがつきましたが、基礎点を削られることはなく、計算できる得点源となりました。

 

 

回転不足が課題の選手では元々ありましたが、今シーズンはそれが大事な場面で目立ってしまったように感じます。2大会続けてオリンピックの枠取りに貢献しました。前回大会はその報酬を受け取れなかった感じですが、今回は団体メダルという報酬を得ました。スピンステップが魅力の選手、それがあるのでジャンプで崩れても200点前後までもってきてそれなりの順位に残ってきます。

シーズン前半はたいていスコアが伸びてこずに目立たない立ち位置になるのですが、来シーズンは出来ればグランプリシリーズからの活躍を期待したいです。