ジュニアグランプリファイナル25 男子シングル展望

今回から4回にわけてファイナルの展望をしていきます。ジュニア男子、ジュニア女子、シニア男子、シニア女子の順です。

というわけで今回は男子のジュニアになります。

 

○今季の成績

Event Pl Name Nation Total SP FS
JGP Riga 1 Rio NAKATA JPN 246.94 88.72 158.22
JGP Bangkok 1 Rio NAKATA JPN 246.20 83.56 162.64
JGP Ankara 1 Minkyu SEO KOR 243.27 81.46 161.81
JGP Baku 1 Minkyu SEO KOR 236.45 82.67 153.78
JGP Varese 1 Taiga NISHINO JPN 233.50 75.97 157.53
JGP Varese 2 Habin CHOI KOR 232.19 77.76 154.43
JGP Gdansk 1 Habin CHOI KOR 227.26 78.53 148.73
JGP Abu Dhabi 1 Lucius KAZANECKI USA 219.63 73.01 146.62
JGP Gdansk 2 Taiga NISHINO JPN 219.35 78.81 140.54
JGP Abu Dhabi 2 Denis KROUGLOV BEL 218.19 75.30 142.89
JGP Baku 2 Denis KROUGLOV BEL 213.47 73.75 139.72
Volvo Open Cup 1 Denis KROUGLOV BEL 209.28 72.52 136.76
Robin Cousins Cup 1 Denis KROUGLOV BEL 203.95 65.64 138.31
JGP Ankara 3 Lucius KAZANECKI USA 202.67 70.71 131.96

全員今期の出場試合はジュニアカテゴリーのものだけです。クルグロフ選手のみはジュニアグランプリシリーズ以外の試合も2試合あります。他の5選手はジュニアグランプリシリーズ2試合のみの出場となっています。

シーズンベスト1位は中田璃士選手です。今期は246点台2試合とかなり強いです。しかしながらそれに肉薄するのがソミンギュ選手。240点台をソミンギュ選手も出しています。ジュニアで240点台の選手が2人出てくるのは記憶にありません。

3番手は西野太翔選手になっていますが、ここもチェハビン選手が肉薄していて230点台にいます。西野選手はセカンドベストの方は219.35と少し落ちる形です。

日韓の優勝争い、日韓の表彰台争い、という構図に見える状況になっていて、5番目のカザネツキ選手、6番目のクルグロフ選手は210点台のスコアに留まります。

ショート80点台を持っているのも中田選手とソミンギュ選手の2人です。2人とも2試合とも80点台です。西野選手とチェハビン選手は70点台後半まで出ます。クルグロフ選手は70点台中盤まであり、カザネツキ選手は70点台前半です。ショートの時点でトータルスコアの序列と同じような並びになってきます。

フリーは中田選手とソミンギュ選手が160点台のベストスコアを持ち、西野選手は150点台後半、チェハビン選手は150点台前半です。カザネツキ選手は140点台後半、クルグロフ選手は140点台前半、ということでフリーのスコアもトータルスコアの序列とほぼ同じです。

 

○今期技術点ベストのショートプログラムの構成

  Rio NAKATA Minkyu SEO Taiga NISHINO Habin CHOI Lucius KAZANECKI Denis KROUGLOV
1 3A 3A 3A 3A 3Lo 3A
2 3Lo 3Lo 3F+3Tq 3Lo 3A 3Lz+3T
3 CCSp4 CCSp4 CCSp4 FSSp4 CCSp3 CCSp3
4 3F+3T CCoSp4 3Lo 3Lz+3T 3Lz+3T 3Lo
5 FSSp4 3F+3T FSSp4 CCSp3 StSq3 StSq4
6 StSq3 FSSp4 StSq4 StSq3 FSSp4 FSSp4
7 CCoSp4 StSq4 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4
Base 36.35 36.95 36.49 36.61 36.61 36.69
GOE 10.63 7.60 5.09 6.32 3.29 4.21
PCS 41.74 38.12 37.23 35.60 33.11 34.40
Total 88.72 82.67 78.81 78.53 73.01 75.30

構成は今期の出場試合の中で技術点最高の試合を拾っています。基礎点高かったけれど技術点低かったというものよりも、基礎点が低くても技術点が高い方を優先しています。また、技術点低かったけどPCSが高くてスコアとしては高かった試合よりも、技術点が高かった試合の方を優先としています。

ショートは男子でも4回転を使えませんので構成に差はあまりありません。全員基礎点は36点台です。今期のジュニアはループ指定なので単独ループは全員飛びます。アクセルはトリプルを全員飛べます。コンビネーションはフリップからが中田選手、ソミンギュ選手、西野選手、ルッツからがチェハビン選手、カザネツキ選手、クルグロフ選手です。スコア高い3人がフリップからで低い方の3人がルッツから、というのはちょっと意外な印象です。

スピンステップオールレベル4で入っているのはソミンギュ選手のみ。その分基礎点はソミンギュ選手が1番高いです。レベル4が揃わないのはシニア含めて男子の課題・・・。

PCSは中田選手のみ40点台があります。ソミンギュ選手、西野選手は30点台後半、チェハビン選手は中盤までで、カザネツキ選手、クルグロフ選手は30点台前半です。PCSもシンプルに上位のスコアを持つ選手が強いという構図になっています。

 

○今期技術点ベストのフリーの構成

  Rio NAKATA Minkyu SEO Taiga NISHINO Habin CHOI Lucius KAZANECKI Denis KROUGLOV
1 4S 3A+3T 4T 4Lz 4T+3T 3A
2 4T 3A 4S 4T 4Tq 3Lz+3T
3 3A+1Eu+3S 3F+2T 3F!+3T 3Aq+2A 3A 3Lo
4 CCSp3 3Lo 3Aq+1Eu+3S 3Lz+3T 3S CCoSp3
5 3F+3T FCSp3 FCSp4 FCSp4 FCCoSp4 3F+2T
6 3F ChSq1 ChSq1 3A 3Lz+3T 3Lz
7 3Lo+2A 3Lz 3A< 3Lz 3F+2A+2A 3Lo+2A+2A
8 3Lo 3F+2A+2A 3Lo+2A 3F!+1Eu+3S FSSp3 CCSp4
9 CCoSp4 3S 3Lz CCoSp4 ChSq1 FCCoSp4
10 ChSq1 CCoSp4 CSSp4 ChSq1 3Lo ChSq1
11 FSSp4 CSSp4 CCoSp4 FCCoSp2V CCoSp4 3S
Base 74.04 68.31 76.75 80.38 77.69 66.17
GOE 11.24 15.15 7.02 4.12 1.27 6.63
PCS 78.36 78.35 73.76 71.93 67.66 65.51
Total 162.64 161.81 157.53 154.43 146.62 138.31

フリーは4回転投入可能です。中田選手と西野選手がサルコウトーループ1本づつ、チェハビン選手はルッツとトーループ、カザネツキ選手はトーループ2本、ソミンギュ選手とクルグロフ選手は4回転無しです。中田選手はトリプルアクセルが1本でルッツも無し。そのため4回転2本ありますが基礎点は4回転入りの4選手中1番低くなります。全日本ジュニアでは4回転2種類3本+トリプルアクセル2本でしたがファイナルでもそれを見せてくるかどうか。

ソミンギュ選手は4回転無しでシーズンベストの161.81を出しています。加点が15.15と大きいです。4回転サルコウを次の試合で試していましたがうまくいっていませんでした。1本入ってくるだけでも大きいですが、まだリスクの大きい状態。どういう選択をしてくるか?

チェハビン選手は4回転ルッツ持ちで基礎点は1位です。4回転は結構決まるのですが、そこで力を使ってしまうのか、中盤以降で完璧な演技は出来てきていません。その辺が加点がひとけた前半に留まる要因です。4回転込みでノーミスしてくると、基礎点高いので一気に頂点に絡んでくる力はあります。

西野選手はただ一人スピンオールレベル4を出しています。細かく点が取れる。シーズンベスト時はトリプルアクセルがアンダーローテーションでした。ノーミスすれば160点が見えていて、上位2人と同程度のスコアは出せます。

カザネツキ選手は4回転2本ありますがトリプルアクセルは1本です。トリプルアクセルは転倒はしないまでもあまり成功率は高くない現状があって、トーループ2本構成にしているようです。それでもジュニアで戦うには基礎点は十分あります。苦手のアクセル決まれば150点は見えます。

クルグロフ選手はちょっと構成的には厳しいです。トリプルアクセルも1本だけです。ただ、直近のボルボオープンカップではトリプルアクセル2本構成にまではしてきていました。映像見られていませんが、最後のサルコウさえミスしなければシーズンベスト相当のスコアになっていたようです。140点台中盤くらいまでは見えています。最後の要素がジャンプというのは、GOE±3で1.1倍無制限ルール時代にはまあまあ見かけましたが、最近はほとんどいない貴重品。特徴的な構成となっています。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア

Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
Rio NAKATA 246.94 123.46 73.39 16.77 23.91 9.41
Rio NAKATA 246.20 118.68 85.09 13.81 21.28 8.34
Minkyu SEO 243.27 116.93 79.36 15.80 22.46 8.72
Minkyu SEO 236.45 114.11 81.43 8.45 23.93 9.53
Taiga NISHINO 233.50 109.48 86.94 6.88 21.94 8.26
Habin CHOI 232.19 107.07 92.81 6.80 19.98 7.53
Habin CHOI 227.26 105.07 90.04 2.64 21.53 7.98
Lucius KAZANECKI 219.63 100.77 89.10 2.19 20.58 6.99
Taiga NISHINO 219.35 108.62 87.10 -7.14 22.94 8.83
Denis KROUGLOV 218.19 104.93 76.96 7.05 20.65 8.60
Denis KROUGLOV 213.47 101.40 76.96 6.99 20.16 7.96
Denis KROUGLOV 209.28 97.08 80.06 3.89 20.24 8.01
Denis KROUGLOV 203.95 95.73 76.96 2.47 20.72 8.07
Lucius KAZANECKI 202.67 98.53 88.02 -7.83 18.75 7.20

PCSは中田選手、ソミンギュ選手、西野選手、チェハビン選手の順です。技術点だとソミンギュ選手と中田選手に差があまりありません。

ジャンプの基礎点はチェハビン選手が最も高くなります。その次がカザネツキ選手で、西野選手、中田選手と続く構図です。一方、加点の方は中田選手とソミンギュ選手が二桁稼いでいて大きいです。西野選手とカザネツキ選手は大きなマイナスの試合もありました。

スピンはソミンギュ選手と中田選手が23.点台後半まで出していてかなり高いです。西野選手が22点台があり、チェハビン選手は21点台、カザネツキ選手、クルグロフ選手は20点台までです。

ステップ系要素もソミンギュ選手と中田選手が9点台と強く、西野選手とクルグロフ選手は8点台があり、チェハビン選手とカザネツキ選手は7点台に留まる形です。

ジャンプの基礎点だけ中田選手はちょっと落ちるのですが他は全項目強い。全日本ジュニアの構成で入ればジャンプの基礎点も強いわけで盤石なわけですが、ケガ明けであの構成を2試合続けてくるでしょうか?

 

男子は日韓以外も2人いますが、それでも女子と同じように日韓決戦に見えます。230点以上が4人、240点以上が2人。史上まれにみるハイレベルな争いです。

中田選手の2年ぶりの優勝なるか? それを誰かが阻止するのか? また、かつて佐藤駿選手が出した255.11という歴代最高スコアを超える選手は出るのか?

ジュニアシニア合わせた全8種目のなかで、一番最初に決着がつく、男子ジュニアです。