グランプリファイナル23 男子シングル展望

グランプリファイナルの展望、最終回はシニアの男子シングルになります。

 

○今季の成績

Event Pl Name Nation Total SP FS
Skate America 1 Ilia MALININ USA 310.47 104.06 206.41
Grand Prix de France 1 Adam SIAO HIM FA FRA 306.78 101.07 205.71
Grand Prix de France 2 Ilia MALININ USA 304.68 101.58 203.10
Trophee Metropole Nice 1 Adam SIAO HIM FA FRA 298.61 109.04 189.57
Cup of China 1 Adam SIAO HIM FA FRA 298.38 91.21 207.17
NHK Trophy 1 Yuma KAGIYAMA JPN 288.39 105.51 182.88
NHK Trophy 2 Shoma UNO JPN 286.55 100.20 186.35
Shanghai Trophy 1 Adam SIAO HIM FA FRA 282.80 84.00 198.80
Autumn Classic 1 Ilia MALININ USA 281.68 100.87 180.81
Cup of China 2 Shoma UNO JPN 279.98 105.25 174.73
Nebelhorn Trophy 1 Adam SIAO HIM FA FRA 279.57 95.17 184.40
Skate America 2 Kevin AYMOZ FRA 279.09 97.34 181.75
Grand Prix Espoo 1 Kao MIURA JPN 274.56 93.54 181.02
Grand Prix de France 3 Yuma KAGIYAMA JPN 273.14 97.91 175.23
Finlandia Trophy 1 Kao MIURA JPN 267.81 90.95 176.86
Lombardia Trophy 1 Yuma KAGIYAMA JPN 265.59 91.47 174.12
Skate Canada 2 Kao MIURA JPN 257.89 80.80 177.09
Grand Prix Espoo 3 Kevin AYMOZ FRA 250.03 73.94 176.09
Autumn Classic 2 Kevin AYMOZ FRA 237.35 72.58 164.77

今期は早くも300点超えがあります。マリニン選手にアダムシャオイムファ選手。グランプリシリーズで300点超えても優勝できない、なんていう試合もありました。

鍵山選手と宇野選手が280点台で続きます。2人とも300点を超えたことはありますが、グランプリシリーズでそこまで出したことはありません。エイモズ選手がシーズンベスト5番目で三浦選手が1番低いことになりますが、まだシーズン序盤でしたので12月にどこまで上げてこられるか、というところ。

ショートで100点超えも4人、フリー200点超えは2人。180点までは全員出しています。かなり高いレベルの勝負になりそうです。

 

ショートプログラムの構成

  Ilia Adam Yuma Shoma Kevin Kao
MALININ SIAO HIM FA KAGIYAMA UNO AYMOZ MIURA
1 4T 4Lz 4S 4F 4T+3T 4S+3T
2 4Lz+3T 3A 4T+3T 4T+3T 3A 3A
3 CCSp4 4T+3T CCSp4 FCSp4 CCSp4 FCSp4
4 3A FCSp4 3A 3A 3Lz 4T
5 FSSp4 CCoSp4 FSSp4 StSq3 FSSp4 StSq4
6 StSq4 StSq4 StSq4 CSSp4 CCoSp4 CCoSp4
7 CCoSp4 CSSp4 CCoSp4 CCoSp4 StSq4 CSSp
Base 47.60 46.80 45.80 46.50 41.79 42.95
TES 60.20 57.70 59.75 59.17 51.48 51.79
PCS 43.86 43.37 45.76 46.08 45.86 41.75
Total 104.06 101.07 105.51 105.25 97.34 93.54

ショートから4回転2本が基本です。エイモズ選手のみ4回転1本になり基礎点が低くなります。

マリニン選手とアダムシャオイムファ選手はルッツとトーループ、宇野選手はフリップとトーループ、鍵山選手と三浦選手はサルコウトーループです。アダムシャオイムファ選手は前半にジャンプを固めていて1.1倍ジャンプがありません。その分基礎点がマリニン選手より下がります。三浦選手はスピン零点があって基礎点下がっていますが、きちんとレベル4を取れれば3.00基礎点が上がって45.95になります。4回転2本ある5人は技術点はほぼ出来栄えの差ということになるかと思われます。

PCSは宇野選手が1位でエイモズ選手と鍵山選手が続きます。ここまで45点超えで9点平均を上回ります。マリニン選手が4番目でアダムシャオイムファ選手は5番目になっています。三浦選手はまだ少し他の選手よりPCSで劣るという扱いです。

何人100点を超えてくるでしょうか。

 

○フリーの構成

  Ilia Adam Yuma Shoma Kevin Kao
MALININ SIAO HIM FA KAGIYAMA UNO AYMOZ MIURA
1 3A 4Lz 4S 4Loq 4T 3A+1Eu+3S
2 4Lz 4T+2T 4T+1Eu+2S 4Fq 3Lz+3T 4T+3T
3 3Lo 3A+2A 3Lo 3A 3Aq+2A 4S
4 4S 4S FCSSp4 3A+2A 3Lo FCSp1
5 CCSp4 4T 3A+2A StSq4 FCCoSp4 3A
6 StSq4 3A 3A 4Tq+3T StSq4 StSq3
7 4Lz+1Eu+3S StSq4 3Lz+2T 2T 3A+1Eu+3S 4T
8 4T+3T 3Lz+1Eu+3S ChSq1 4Tq+2T 3Lz 3Lo+2A
9 ChSq1 FCCoSp4 3F FCSp4 3F! 3F
10 3Lz+3A ChSq1 StSq4 CSSp3 CCSp4 CSSp2
11 FSSp4 CCoSp4 CCoSp4 ChSq1 CCoSp4 ChSq1
12 CCoSp4 CSSp4 FCCoSp4 CCoSp4 ChSq1 CCoSp4V
Base 98.99 91.22 76.65 85.38 79.30 82.63
TES 118.64 115.70 93.27 94.94 88.51 96.80
PCS 87.77 90.01 90.61 92.41 93.24 84.22
Total 206.41 205.71 182.88 186.35 181.75 181.02

フリーは4回転が乱れ飛びます。3種類4本がマリニン選手、アダムシャオイムファ選手、宇野選手の3人。三浦選手は2種類3本、鍵山選手は2種類2本、エイモズ選手は1種類1本です。鍵山選手とエイモズ選手は種類を増やさずもう1本4回転を増やすことは可能です。

マリニン選手は昨シーズンより構成を落としています。この構成ではノーミスなのでこれ以上基礎点は上がりません。アダムシャオイムファ選手はセカンド2回転を3回転にすることが可能です。鍵山選手もセカンドサードの2回転を3回転にすることでも基礎点上がります。宇野選手は単独になった2回転のところなにか3連続を入れることで90点を優に超える基礎点に出来ます。エイモズ選手はノーミスなのでこのままでは基礎点上がりません。三浦選手はスピンステップのレベルがひどいので、これをレベル4揃えるだけで3.47基礎点が上がります。

フリーのPCSはエイモズ選手が1位です。ただ周りもPCSが高いのでこのメンバーの中に入ると4回転が1本なことをPCSで補う、とはいきません。宇野選手が2番目、鍵山選手にアダムシャオイムファ選手まで1項目9点平均を超えます。三浦選手はフリーもPCS6番目。もう少しPCSで稼ぎたいところでしょうか。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア

Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
Ilia MALININ 310.47 131.63 116.39 24.35 24.10 14.00
Adam SIAO HIM FA 306.78 133.38 107.52 25.14 24.83 15.91
Ilia MALININ 304.68 130.04 116.39 22.65 24.87 11.73
Adam SIAO HIM FA 298.61 138.23 110.84 9.71 26.19 16.64
Adam SIAO HIM FA 298.38 134.90 106.22 16.23 25.90 16.13
Yuma KAGIYAMA 288.39 136.37 91.95 18.87 26.29 15.91
Shoma UNO 286.55 139.40 101.84 5.40 25.23 15.68
Adam SIAO HIM FA 282.80 128.57 106.55 11.02 24.00 15.66
Ilia MALININ 281.68 123.92 107.03 16.90 22.35 11.48
Shoma UNO 279.98 136.35 95.35 11.00 25.48 12.80
Adam SIAO HIM FA 279.57 125.35 109.76 4.99 24.12 15.35
Kevin AYMOZ 279.09 139.10 90.39 7.58 25.43 16.59
Kao MIURA 274.56 125.97 101.85 18.34 15.09 13.31
Yuma KAGIYAMA 273.14 132.80 81.15 18.61 24.92 15.66
Kao MIURA 267.81 124.91 98.87 11.08 18.81 15.14
Yuma KAGIYAMA 265.59 135.50 72.48 17.23 25.73 14.65
Kao MIURA 257.89 123.69 91.82 9.08 20.19 14.11
Kevin AYMOZ 250.03 133.40 71.13 8.46 21.63 15.41
Kevin AYMOZ 237.35 129.41 67.62 0.63 24.39 16.30

PCSはショートフリー合わせると宇野選手がNHK杯で139.40まで出していて1位です。エイモズ選手も139.10があって2位。アダムシャオイムファ選手は138.23がありますがこれはB級大会。鍵山選手が136.37があってISU公認試合で平均9点を超えてきているのはこの3人までです。

ジャンプの基礎点はマリニン選手が突出していて116.39 2番手のアダムシャオイムファ選手で110.84がありますが、これはB級大会なので109.76の方を採用すると6.63の差が出ます。三浦選手と宇野選手は101点台。宇野選手はノーミスならもう少し出ます。鍵山選手はまだ91.95と90点台前半、エイモズ選手も90.39とこちらも90点台までです。ジャンプで少し差が出ます。

ジャンプの加点はマリニン選手、アダムシャオイムファ選手は20点を超える出来があります。鍵山選手、三浦選手は18点台があります。宇野選手は11.00が今シーズン最高。ジャンプ回転問題が取りざたされましたが、まあ、もう少し加点は欲しいですよね。

スピンは鍵山選手が26.29と1位のスコアを持っています。アダムシャオイムファ選手も26点台を出します。宇野選手、エイモズ選手は25点台まで。マリニン選手も24点台は出してきます。三浦選手は・・・、一番良くて20.19 悪い時はスピンで4回転1本差分くらい差が付くというもったいないことになっています。

ステップ系要素はアダムシャオイムファ選手、エイモズ選手、フランス勢2人が16点台と高い評価です。宇野選手、鍵山選手に三浦選手も15点台まで出します。マリニン選手は14点まで。11点台も2試合あり苦手分野になっているようです。

 

シニアは男子も日本勢が3人出場です。昨年は4人でしたので減っているとも言いますが、それでも半分日本勢となりました。フランスが2人にアメリカ1人。ショート100点台を出せる4人の優勝争いでしょうか。ショートでミスした人はまず脱落。フリーは200点を今期出しているのは2人ですが、200点実績は4人あります。鍵山選手は構成が低いですが出来栄えはかなり出してくる。4回転3本にまでしてくれば勝機もあるかもしれませんが、2本だとさすがに3人全員崩れてくれないと勝ちまではとどかなさそうです。宇野選手はノーミスすればやっぱり勝てますが、実はノーミスはあまりないです。

大きなタイトルはまだないマリニン選手、ヨーロッパ選手権を獲ったので次はもう1段階上のグレードを勝ちたいアダムシャオイムファ選手。この2人が今シーズン強いですが、その強さを12月にも出すことができるか? 

三浦選手も表彰台まではチャンスありそうです。昨季はチャンスだったのですが表彰台には届かず。エイモズ選手はかつて表彰台に乗ったこともありますが再びそこまでたどり着けるか。

シーズン中盤の大一番。中国開催ですが、中国勢はジュニアシニア全種目で出場者なし。そのあたりで盛り上がりはいくらか心配。今期のステップ評価上位5選手が集まっていますので、勝負とは別に演技が非常に楽しめる試合にもなるかと思われます。