18-19女子シングルショートプログラム

前回はトータルスコアについてみましたので、今回はショートプログラムについて見たいと思います。

 

対象とする大会はトータルスコアの時と同じです。

左から二番目のJ/Sはジュニアかシニアかの区分け。ショートプログラムのスコアはTSSの欄です。TESは技術点、PCSは演技構成点です。Deductionは減点。

 

  J/S Event Name Nation TSS TES PCS Deduction
1 S World Team Trophy Rika KIHIRA JPN 83.97 48.17 35.80 0.00
2 S Grand Prix Final Rika KIHIRA JPN 82.51 47.36 35.15 0.00
3 S World Championships Alina ZAGITOVA RUS 82.08 44.72 37.36 0.00
4 S Rostelecom Cup Alina ZAGITOVA RUS 80.78 43.53 37.25 0.00
5 S World Team Trophy Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 80.54 45.86 34.68 0.00
6 S Nebelhorn Trophy Alina ZAGITOVA RUS 79.93 43.53 36.40 0.00
7 S Grand Prix Final Alina ZAGITOVA RUS 77.93 42.10 35.83 0.00
8 S World Team Trophy Kaori SAKAMOTO JPN 76.95 40.95 36.00 0.00
9 S World Championships Kaori SAKAMOTO JPN 76.86 41.98 34.88 0.00
10 J Junior Grand Prix Final Alena KOSTORNAIA RUS 76.32 43.43 32.89 0.00
11 S NHK Trophy Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 76.17 43.18 32.99 0.00
12 S NHK Trophy Satoko MIYAHARA JPN 76.08 40.33 35.75 0.00
13 S World Championships Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 75.96 41.78 34.18 0.00
14 S UNIVERSIADE Mai MIHARA JPN 75.92 41.64 34.28 0.00
15 S European Championship Alina ZAGITOVA RUS 75.00 38.60 36.40 0.00
16 S World Team Trophy Bradie TENNELL USA 74.81 40.10 34.71 0.00
17 J Amber Cup Alexandra TRUSOVA RUS 74.74 44.06 30.68 0.00
18 J Junior Grand Prix Final Alexandra TRUSOVA RUS 74.43 42.88 31.55 0.00
19 S World Championships Evgenia MEDVEDEVA RUS 74.23 37.60 36.63 0.00
20 S Skate Canada Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 74.22 42.39 31.83 0.00
21 J JGP Armenia Cup Alexandra TRUSOVA RUS 74.19 44.18 30.01 0.00
22 S Four Continents Bradie TENNELL USA 73.91 40.59 33.32 0.00
23 S Skate America Satoko MIYAHARA JPN 73.86 39.42 34.44 0.00
24 S Finlandia Trophy Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 73.83 42.03 31.80 0.00
25 S Four Continents Kaori SAKAMOTO JPN 73.36 39.98 33.38 0.00
26 J JGP Bratislava Anna SHCHERBAKOVA RUS 73.18 43.40 29.78 0.00
27 S World Championships Eunsoo LIM KOR 72.91 40.43 32.48 0.00
28 S European Championship Sofia SAMODUROVA RUS 72.88 39.25 33.63 0.00
29 J World Junior Championships Anna SHCHERBAKOVA RUS 72.86 41.53 31.33 0.00
30 J World Junior Championships Alexandra TRUSOVA RUS 72.49 41.15 31.34 0.00
31 S Nebelhorn Trophy Loena HENDRICKX BEL 71.50 39.94 31.56 0.00
32 S GOLDEN SPIN Bradie TENNELL USA 71.50 40.22 31.28 0.00
33 S Skate America Kaori SAKAMOTO JPN 71.29 37.92 33.37 0.00
34 S World Championships Mariah BELL USA 71.26 39.11 32.15 0.00
35 J JGP Cup of Austria Alena KOSTORNAIA RUS 71.08 41.05 30.03 0.00
36 S Autumn Classic Evgenia MEDVEDEVA RUS 70.98 36.78 34.20 0.00
37 S Finlandia Trophy Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 70.95 38.65 32.30 0.00
38 S Nebelhorn Trophy Mai MIHARA JPN 70.94 39.06 31.88 0.00
39 S World Championships Rika KIHIRA JPN 70.90 36.92 33.98 0.00
40 S World Team Trophy Mariah BELL USA 70.89 37.23 33.66 0.00
41 S Ondrej Nepela Trophy Rika KIHIRA JPN 70.79 40.67 31.12 1.00
42 S Grand Prix Final Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 70.65 38.25 32.40 0.00
43 S World Championships Satoko MIYAHARA JPN 70.60 36.37 34.23 0.00
44 S World Championships Sofia SAMODUROVA RUS 70.42 38.71 31.71 0.00
45 S NHK Trophy Mai MIHARA JPN 70.38 37.70 32.68 0.00
46 S Tallinn Trophy Serafima SAKHANOVICH RUS 70.33 39.49 30.84 0.00
47 S Challenge Cup Amber GLENN USA 70.25 38.89 31.36 0.00
48 S UNIVERSIADE Stanislava KONSTANTINOVA RUS 70.25 37.93 32.32 0.00
49 J JGP Czech Alena KOSTORNAIA RUS 70.24 39.47 30.77 0.00
50 S Grand Prix Final Kaori SAKAMOTO JPN 70.23 37.23 33.00 0.00
51 J JGP Czech Ting CUI USA 70.20 40.43 29.77 0.00
52 S Nebelhorn Trophy Mariah BELL USA 70.02 39.18 30.84 0.00
53 S Four Continents Mariah BELL USA 70.02 38.47 31.55 0.00

70点以上のスコアを並べると20人で53例ありました。

 

80点以上は3人で5回。ショートプログラムスコアは紀平選手がワンツーを占めました。ショートプログラムが苦手な印象の紀平選手ですが、ノーミス演技をした場合は誰も勝てない点数が出ます。アクセルジャンプがトリプルで、3F-3Tが入り、単独ジャンプは3Lzという構成。これを上回るには現行ルール上ではセカンド3Loを入れて1.1倍ボーナスタイムをコンビネーションにする、というもの以外にありません。ほぼ限界に近い構成です。(現行ルールではショートプログラムに四回転を入れることは出来ません)

かつて浅田真央選手が15-16シーズンに、3A、3F-3Lo,3Lzというほぼ究極構成に挑んだのが、紀平選手を上回る過去の唯一の例です。ただし、浅田選手はこの構成でノーミス演技を完成させることは出来ませんでした。

というわけで、技術点TESのワンツーも紀平選手です。48.17というショートプログラムの技術点は、3Aなしではどんな構成でもGOEオール+5を出しても届かない、という点数になっています。したがって、ノーミス紀平梨花ショートプログラムの技術点で勝てる選手は基本的にいません。

ノーミス紀平梨花に技術点で唯一勝てる可能性があるのは、3Aを構成に入れているトゥクタミシェワ選手です。国別対抗戦ではノーミス演技で80点を上回ってきました。ただ、トゥクタミシェワ選手はショートプログラムではコンビネーションジャンプが3T-3Tという難度低めなものになっています。基礎点でいえば紀平選手と比べて1.1低くなります。したがって、GOEで上回っていかないと紀平選手に並ぶことは出来ません。また、トゥクタミシェワ選手は意外とPCSが伸びない選手です。PCSのベストは国別対抗戦の34.68ですが、同じ試合で紀平選手は35.80を出しています。

トゥクタミシェワ選手を上回ってショートのスコアで3位4位に入っているのはザギトワ選手です。ザギトワ選手はPCSが高く、37点を超えるスコアを出しているのは彼女だけです。世界選手権で出した技術点44.72も、トリプルアクセルなしの選手の最高点でした。ザギトワ選手のジャンプ構成は、3Lz-3Lo,2A,3Fです。3Aなしでこれより基礎点を挙げるには3Lz-3Loを1.1倍のところに持ってくる、以外にありません。3Aなしのほぼ最高難度です。スピンステップすべてレベル4前提で基礎点が33.23 GOEオール満点の時の技術点は47.13です。 紀平選手の48.17という国別対抗戦の時のスコアに、GOE満点でも1点ほど足りません。PCSの差で補えるのは1.5~2点ほどという状態なので、ノーミス紀平梨花と五分に戦うには、GOEが満点近い水準が求められるのですが、世界選手権では7つの要素の平均GOEが4.127という驚異的な数字を出して、ショートプログラムスコア82.08を叩き出し、ノーミス紀平梨花とだってそんなに遜色なく戦える、ということを示しました。

 

75~80点を出したのは7人で10例あります。複数回だしているのはザギトワ選手が3回、坂本選手が2回です。ザギトワ選手のショートプログラムスコアは、自身の5番目のスコアでも75.00、4番目だと77.93 悪い時でも恐ろしく高いスコアになってます。

3A持ちとセカンドループのザギトワ選手に次ぐ、ベストスコア4番目は坂本花織選手でした。3Aなしでセカンドループなしの選手の中の最高点なのですが、これを3Lzもなしで出しているのはちょっと興味深い現象です。坂本選手のジャンプ構成は、3F-3T,2A,3Loになっていて、基礎点31.49しかありません。現在の、世界の上位で戦う選手の中ではたいしたことない、というよりはっきり言うと見劣りする、と言ってしまえるような構成です。それでも、世界選手権では技術点41.98 これより高いスコアは今シーズンのシニア選手としては、紀平選手、トゥクタミシェワ選手、ザギトワ選手の三人しか出しておらず4番目のスコアです。また、国別対抗戦ではPCS36.00を出していて、今シーズンこれより高いPCSはザギトワ選手とメドベージェワ選手しか出しておらず3番手になりました。豪快なジャンプ、というのを持ち味としてジュニアからシニアに上がってきた選手、というはずだったような気がしますが、今シーズンは出来栄えの良さと演技構成点という総合力で上位に入ってくる選手だった、という形になっています。

坂本選手の下に、ジュニアの最高位としてジュニアグランプリファイナルのコストルナヤ選手、76.32が入ります。ジャンプの構成は2A,3F,3Lz-3T 3Aとセカンドループなしでの最高構成で基礎点が33.01あります。それによって出した技術点43.43というのは確かに高い点数なのですが、PCSが32.89となっていました。これが、シニア選手と比べると見劣りしてしまうのは確かなのですが、ジュニアの中ではトップ。ただ一人、平均8点台を意味する32点を上回るスコアを出しました。世界ジュニアに出ていたらどうなっていたか見てみたかったのですが、ケガでの欠場は残念でした。

その次の位置に、宮原選手、トゥルシンバエワ選手と三原選手が続きます。ジャンプの構成が宮原選手は3Lz-3T,2A,3Fで基礎点32.53 トゥルシンバエワ選手は、3Lz,2A,3S-3Tで基礎点31.85 三原選手は3Lz-3T,2A,3Fで32.33 宮原選手と三原選手で同じジャンプ構成なのに基礎点が違うのは、スピンの構成の差です。三人ともベストな演技をすると技術点が40点台に乗ってきています。ただ、ベストな演技があまりできていない、というべきかベストでないと40点に乗れないというべきか、75点を超えるスコアを出せたのは1回だけでした。宮原選手は6試合中4試合でコンビネーションジャンプが回転不足、三原選手も5試合中3試合でコンビネーションジャンプの回転不足です。安定して75点以上を出すには、コンビネーションジャンプの安定化が求められそうです。また、三原選手はベストスコアのユニバーシアードこそPCS34.28でしたが、他の試合では33点以下に抑えられていて、ここが上位との差になっています。

 

73,74点台が7人で11例ありました。

ここでようやく、日露+エテリ以外で、北米からブレイディテネル選手が入ってきます。国別対抗戦の74.81だけでなく、四大陸選手権の73.91というスコアもあります。

メドベージェワ選手もここにいます。世界選手権の74.23が今シーズンのベストスコアです。ジャンプの構成が3F-3T,2A,3Loでルッツなしの坂本選手と同じ構成でした。世界選手権がベストスコアですがコンビネーションジャンプが回転不足扱いで基礎点が30.14しかなく技術点が37.60とそれほど高くありませんでした。一方PCSが36.63 今シーズンこれを超えるPCSはザギトワ選手しか出していません。技術点が伸びない中で高いPCSにより上位に粘って入ってきた、というのが現実で、まだまだ本調子ではない、というように見えます。

エテリジュニア三人衆のうち、トゥルソワ選手とシェルバコワ選手の二人はここに入ってきます。トゥルソワ選手は74点台が3回。75点を超えるスコアは出せませんでしたが、安定感は高かったです。ジャンプ構成が2A,3F,3Lz-3Lo 後半ルッツループで3A抜きの理論上最高難度。基礎点33.78はザギトワ選手のそれを0.55上回り、3Aなし選手の中では最高値です。この最高難度構成をジャンプミスなしで今シーズンの国際大会3試合でこなしたのですが、世界ジュニアだけはコンビネーションが3Lz-3Tに難度を下げていました。1.1倍ジャンプを3Lz-3Tにするのが安全策って、なにがんだか・・・。

シェルバコワ選手も2A,3F,3Lz-3Loが基本構成なのですが、すべての試合でステップがレベル3しか取れておらず、基礎点は33.18に留まり、トゥルソワ選手とは差があります。また、世界ジュニアではコンビネーションのセカンドをトーループにしていました。セカンドループはそれまでの国際試合3試合でショートでは1度しか決めることができていませんでしたので、シェルバコワ選手にとっては安定して飛べるジャンプではない、ということかもしれません。このあたりの安定度でトゥルソワ選手と差が見られます。

 

71,72点台は9人で9例です。ここがベストスコアになる選手はイムウンス選手、サムドゥロワ選手、ルナヘンドリックス選手、マライアベル選手の四人。ようやく日露以外の選手が普通に何人も入ってくるようになりました。

アルトゥニアンコーチのところにいるイムウンス選手とマライアベル選手が、世界選手権のショートプログラムでベストスコアを出して、仲良く最終グループに入っていた時のスコアがこの71,72点台に入っています。二人ともコンビネーションは3Lz-3Tで単独3Fという上位選手の比較的オーソドックスなジャンプ構成ですが、イムウンス選手は1.1倍が2A、マライアベル選手は3Fが入るところが違います。このあたりの選手はなかなかパーフェクトな滑りができていなくて、イムウンス選手はスピンステップすべてレベル4という試合がなく、ベストスコアの時もステップはレベル3、ベル選手はレベルをどこかで取りこぼすかオールレベル4の時は回転不足が出るか、という形なのですが、世界選手権だけはオールレベル4の回転不足なしで上位に入ってきました。来シーズンはどっちが上に行きますかねこの二人。

サムドゥロワ選手のヨーロッパ選手権で優勝した時のショートが72.88で、今シーズン上から28番目のスコアでした。ロシア選手中ショートのベストスコアは7番目。技術点が40点に乗っておらず、PCSも最高で33.63となると、ちょっとこのままではロシアの上位として来年戦うのは苦しい、という水準になってしまいます。

 

70~71点のところに18例あります。ここがベストスコアなのはサハノビッチ選手、アンバーグレン選手、コンスタンティノワ選手、ティンクイ選手の4人です。

ロシア二人アメリカ二人。アメリカの方の二人はあまり知名度のない選手が70点台のスコアを出しています。

アンバーグレン選手は今シーズン、チャレンジャーシリーズ1試合とその他B級大会としてチャレンジカップに出ていました。チャレンジカップで70.25のベストスコアを出し、紀平選手を抑えてのまさかの首位スタート。フリーは回転不足三つなどで沈み、総合でも表彰台に乗れず仕舞いでしたが、総合180点台に乗せたので、来シーズンはグランプリシリーズに出てくるかもしれません。全米選手権は7位に入った選手です。

ティンクイ選手は、読み方これでいいのか怪しいですが、ジュニアカテゴリーではエテリ三人衆の次、4番目のスコアである70.20を出しています。実際、世界ジュニアも3位表彰台。2002年9月生まれの16歳ですので、来シーズンはシニアに上がってくるのではないかと思われます。グランプリシリーズも2戦もらえるでしょう。アメリカの女子は、現在は日露に少し遅れを取っている感じがありますが、この辺の層の選手は流石に次々と出てきますね。

そして、この中に転倒したのに入っている選手がただ一人います。紀平梨花選手が、オンドレイネペラ杯で転倒があったにもかかわらず70.79のスコアを出しています。多くの選手にとっては、ノーミスで滑ってやっと70点台、というスコアであるのに、彼女はそれが転倒しても出せてしまうことがある、という基礎点の高さ、トリプルアクセル以外の要素の加点の大きさを持っています。

 

70点以上のスコアを出したのは全部で20選手。ロシア9人、日本4人、米国4人、カザフスタン、韓国、ベルギーが1人づつ。

回数で見るとロシア25回、日本15回、米国9回、カザフスタン2回、韓国とベルギーは1回づつ

 

ロシアがやっぱり強いですね・・・。日本が4人しかいない、というのはやや意外な感じはします。世界のトップで戦えていたのは三原選手まで、という形になるでしょうか。

ショートプログラムで差がついてしまうと、紀平選手くらいの爆発力がある場合以外は、もうほとんどそこで勝負あり、となってしまうので、世界のトップで戦うには最低でも70点は欲しいところ。さらに世界の表彰台を争うには75点レベルは欲しくて、そうなると、技術点40点演技構成点35点、というのが一つの基準になってきそうです。

 

 

 

 

18-19女子シングルスコアランキング

国別対抗戦が終わり、フィギュアスケートのシーズンは基本的には終了しました。国内のローカル大会は一部あるようですが、それはまあ、横に置いておいていいでしょう

 

シーズンが終わったので、今シーズンを振り返っていきたいと思います。

まずはトータルスコアのを見ていきたいと思います。女子シングルで200点以上のスコアを並べてみました。

 

ベストスコアではなく、条件を満たせば複数回でも載っています。

対象となる大会は、チャレンジャーシリーズ、(ジュニア)グランプリシリーズ(ファイナル含む)、四大陸選手権/ヨーロッパ選手権ユニバーシアード、(ジュニア)世界選手権、国別対抗戦および、2月3月に日本人選手が出場したB級大会数試合まで含みます。このうちユニバーシアードはISU公認大会ではないので、ISUのベストスコアにはカウントされません。

 

一番左はスコア順位で、その右のJ/Sは、JuniorのJとSeniorのSです。

200点以上のスコアをすべて並べました。延べ65人が200点以上を出していますが、実人数としては19人になります。

 

  J/S Event Name Nation Total
1 S Nebelhorn Trophy Alina ZAGITOVA RUS 238.43
2 S World Championships Alina ZAGITOVA RUS 237.50
3 S World Team Trophy Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 234.43
4 S Grand Prix Final Rika KIHIRA JPN 233.12
5 S Grand Prix Final Alina ZAGITOVA RUS 226.53
6 S World Team Trophy Bradie TENNELL USA 225.64
7 S World Championships Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 224.76
8 S NHK Trophy Rika KIHIRA JPN 224.31
9 S World Championships Evgenia MEDVEDEVA RUS 223.80
10 S World Team Trophy Kaori SAKAMOTO JPN 223.65
11 S World Championships Rika KIHIRA JPN 223.49
12 S Rostelecom Cup Alina ZAGITOVA RUS 222.95
13 J World Junior Championships Alexandra TRUSOVA RUS 222.89
14 S World Championships Kaori SAKAMOTO JPN 222.83
15 S World Team Trophy Rika KIHIRA JPN 222.34
16 S Four Continents Championships Rika KIHIRA JPN 221.99
17 J Amber Cup Alexandra TRUSOVA RUS 221.44
18 J JGP Armenia Cup Alexandra TRUSOVA RUS 221.00
19 S UNIVERSIADE Mai MIHARA JPN 220.68
20 J World Junior Championships Anna SHCHERBAKOVA RUS 219.94
21 S Skate America Satoko MIYAHARA JPN 219.71
22 S NHK Trophy Satoko MIYAHARA JPN 219.47
23 S NHK Trophy Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 219.02
24 S Ondrej Nepela Trophy Rika KIHIRA JPN 218.16
25 J Junior Grand Prix Final Alena KOSTORNAIA RUS 217.98
26 S World Championships Satoko MIYAHARA JPN 215.95
27 S Grand Prix Final Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 215.32
28 S GP Helsinki Alina ZAGITOVA RUS 215.29
29 J Junior Grand Prix Final Alexandra TRUSOVA RUS 215.20
30 S UNIVERSIADE Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 214.77
31 S Skate America Kaori SAKAMOTO JPN 213.90
32 S European Championship Sofia SAMODUROVA RUS 213.84
33 S World Championships Bradie TENNELL USA 213.47
34 S Grand Prix Final Kaori SAKAMOTO JPN 211.68
35 S Nebelhorn Trophy Mai MIHARA JPN 209.22
36 S World Championships Sofia SAMODUROVA RUS 208.58
37 S Challenge Cup Rika KIHIRA JPN 208.34
38 S World Championships Mariah BELL USA 208.07
39 S Four Continents Championships Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 207.46
40 S World Team Trophy Sofia SAMODUROVA RUS 207.45
41 S Four Continents Championships Mai MIHARA JPN 207.12
42 S Four Continents Championships Kaori SAKAMOTO JPN 206.79
43 S Autumn Classic Bradie TENNELL USA 206.41
44 S Lombardia Trophy Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 206.07
45 S World Team Trophy Mariah BELL USA 206.06
46 S France de Patinage Rika KIHIRA JPN 205.92
47 S UNIVERSIADE Stanislava KONSTANTINOVA RUS 205.91
48 S World Championships Eunsoo LIM KOR 205.57
49 J JGP Bratislava Anna SHCHERBAKOVA RUS 205.39
50 S Autumn Classic Evgenia MEDVEDEVA RUS 204.89
51 S Bavarian Open Satoko MIYAHARA JPN 204.56
52 S Grand Prix Final Sofia SAMODUROVA RUS 204.33
53 S NHK Trophy Mai MIHARA JPN 204.20
54 S Nebelhorn Trophy Loena HENDRICKX BEL 204.16
55 J JGP Cup of Austria Alena KOSTORNAIA RUS 203.50
56 S Skate Canada Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 203.32
57 S Skate Canada Mako YAMASHITA JPN 203.06
58 S Finlandia Trophy Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS 202.85
59 S France de Patinage Mai MIHARA JPN 202.81
60 S Tallinn Trophy Serafima SAKHANOVICH RUS 202.62
61 S GOLDEN SPIN Bradie TENNELL USA 202.41
62 S Four Continents Championships Bradie TENNELL USA 202.07
63 S Grand Prix Final Satoko MIYAHARA JPN 201.31
64 S US International Satoko MIYAHARA JPN 201.23
65 S Finlandia Trophy Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 200.74

ベストスコアはザギトワ選手ですが、チャレンジャーシリーズのネーベルホルン杯、というのはちょっと残念な感じです。せっかくなので世界選手権で超えておいてほしかった気はしますが、スコア1位も2位もザギトワ選手なわけですから、なんだかんだでやっぱり強かったなあ、という感じになりますでしょうか。

それに次ぐのは国別対抗戦でショートフリー1本づつトリプルアクセルを決めたトゥクタミシェワ選手。この選手が世界選手権に出られないわけですから、ロシアはとんでもない国ですね・・・。卓球中国みたいなことになってます。もうしばらくしたら、元ロシア国籍のカタール人とか、元ロシア国籍のバーレーン人とかが多発するんでしょうか。

紀平選手のグランプリファイナルのスコアが4番手。ここまでが230点越えです。世界選手権でベストは出せませんでしたが、シーズン中盤の山場でベストスコアを出して勝ったのですから、紀平選手も紀平選手で強さはありました。

 

220点台が結構人数いて延べ15人。紀平選手が4回いたりして、実人数としては8人です。

国別対抗戦で高スコアを出したブレイディテネル選手が北米選手の最高点で全体の6番目のスコアになりました。世界選手権2位相当のスコアです。はっきり言ってしまうと、あの緩い空気の国別対抗戦で出したスコアというのは、世界選手権で出すスコアとはだいぶ価値が違うとは思うのですが、自分のできるベストの滑りができれば世界選手権で表彰台に乗ることができるレベルにいる、ということを感じられたというのはあったかと思うので、そういう価値はあったのだろうと思います。

坂本選手も国別対抗戦がベストスコアになりましたが、こちらはそのスコアでも世界選手権の4位相当。今シーズンは国際試合では勝ち切れませんでしたね。

ジュニアのトップは上から13番目でトゥルソワ選手の世界ジュニア優勝スコアが入りました。ここに単純にジュニアにはない要素のコレオシークエンス分が上乗せされる、と考えた場合、世界選手権2位相当のスコアにまでは計算上確実になります。ジュニアはシェルバコワ選手、コストルナヤ選手と合わせて三強というような扱いがありますが、220点を超えるスコアを出したのはトゥルソワ選手のみで、しかも3回も出しています。頭一つくらいは抜けている、と見た方がいいかもしれません。

ISU公認スコアではないですが、三原選手のユニバーシアード優勝スコアが220点を超えて全体の19番目となりました。

220点を超えるスコアを複数回出しているのは、紀平選手5回、ザギトワ選手4回、トゥルソワ選手3回、坂本選手2回の4人です。

 

210点台に延べ15人。ここで初めて名前が出てくるのはシェルバコワ選手、宮原選手、コストルナヤ選手、サムドゥロワ選手の4人。ここまでは日露+トゥルシンバエワ選手+テネル選手のみ。トゥルシンバエワ選手はエテリ帝国の一員になってますので、日露と無関係な選手はテネル選手しかいないんですね。

宮原選手は210点台後半のスコアを3回出しているのですが、シーズン中盤以降今一つ振るいませんでした。むしろジャンプ矯正中でよくここまでの点が出たというべきなんでしょうか。

世界ジュニア二位のシェルバコワ選手、ジュニアグランプリファイナル優勝のコストルナヤ選手のスコアがそれぞれこの210点台にいるのですが、二人とも210点を超えたのはその一回のみです。ジュニアグランプリファイナルで2位に敗れたトゥルソワ選手のスコアも210点台ですが、それ以外で220点台を連発したのと比べると、これらの二人はちょっと落ちるし、安定感にも欠けた、というのがジュニアシーズンの結果でした。シニアに上がって三人がどうなるか。ジュニア最終年の紀平選手の安定感の欠け方なんてこんなもんじゃなかったというところから次のシーズンがあれだったわけで、ジュニア→シニアでどれだけ変わるかは全く分からない部分はありますから、楽しみでもあり怖くもあります。

サムドゥロワ選手のヨーロッパ選手権優勝スコアが213.84で全体の32番目。いろいろなめぐりあわせと、本人がここにぴったりと合わせたことで見事に勝ったわけですが、同じロシアの選手の中で見てこのベストスコアは今シーズンの7番目です。来シーズンはこのままだとちょっと苦しいわけですが、シーズン始まる前の段階では今シーズンだって、サムドゥロワ選手がここまで伸びてヨーロッパ選手権に勝つ、とはほとんどだれも思ってなかったでしょうから、来シーズンももう一伸びして夢よ再び、という線もないではないんでしょうか

国別対抗戦は別枠、と考えるなら、北米選手のトップスコアは世界選手権7位のテネル選手213.47というのが上がってきます。

 

200点一けた台のスコアは延べ31人が出しています。

三原選手の名前がここに4つ入ってきます。200点未満の試合はなし。安定感があるとみるか爆発力が足りないと見るか。今シーズンは日本では三強に割って入ることができず世界選手権の出場権を得られませんでした。220点を出したユニバーシアードくらいのスコアで行けるといいのですが、まだ公認スコア的には200点台一桁の選手、という扱いになります。

ロシア勢ではここで初めて入ってきた名前として、コンスタンティノワ選手とサハノビッチ選手があります。ただ、コンスタンティノワ選手はユニバーシアードであって公認スコアではありません。サハノビッチ選手は202.62で何とか200点に乗るのがやっとで、かつ、タリントロフィーという、グランプリシリーズの裏でやっていたチャレンジャーシリーズの一試合で出したスコアです。ロシアの上位7人とはこの二人は少し差がありそうで、来シーズン以降苦しいでしょうか。また、ロシアのジュニア勢はエテリ帝国三人衆以外もジュニアグランプリシリーズは席巻していたのですが、200点台に入ってくることはなく、190点台以下のスコアでした。ここもやはり差がありそうです。

 

北米勢ではマライアベル選手がここに入ってきます。208.07で世界選手権9位。二週間置いて国別対抗戦でも206.06を出して、200点台の力が付きました、というのを見せています。北米勢で200点を超えるスコアを出したのは、今シーズンは結局テネル選手とベル選手の二人だけでした。

アジア勢では205.57で世界選手権10位のイムウンス選手がいます。日本人選手ではグランプリシリーズデビュー戦で203.06を出し表彰台に乗った山下選手も入っています。日本人選手は彼女を含めて5人が200点オーバーを出しました。

ロシア以外の欧州勢では、チャレンジャーシリーズでのみですが、ベルギーのルナヘンドリックス選手が204.16を出しています。

 

200点以上を出したのはロシア9人、日本5人、米国2人、カザフスタン、韓国、ベルギーが1人づつ。合計19人。国籍の偏りが非常に強いです。190点以上に広げても増える国籍はフィンランドとカナダまで。180点まで降りると、スイス、イタリア、フランスが入ってきます。

回数で見るともっと極端になります。200点以上を出したのがロシアは27回、日本が25回、米国7回、カザフスタン4回、韓国ベルギー1回づつ。回数で見ると日本がロシアに匹敵してたりして、シニア限定だと日本の方が多かったりもするあたりも面白いところですが、それ以上に、日露以外との差というのが際立っています。

 

200点以上のスコアを出した19人のうち、世界選手権がベストスコアという選手は4人、世界ジュニアがベストスコアな選手が2人いました。そういうタイミングでベストスコアが出せるといいですね。

 

 

 

フィギュアスケート18-19賞金ランキング(男子シングル 個人)

 今回は男子シングルの賞金ランキングを出してみました

女子シングルと同様、男子シングルでも国別対抗戦の賞金は除外して、個人戦で稼いだ金額のみで見てみます

 

 

WC:世界選手権 WJ:世界ジュニア

4CC:4大陸選手権、EC:ヨーロッパ選手権

GP:グランプリシリーズ JGP:ジュニアグランプリシリーズ (ファイナル含む)

CS:チャレンジャーシリーズ

 

CHFはスイスフランですが、合計計算時には1CHF=1$で計算しています

 

PL Name Nation Prize Money WC/WJ 4CC/EC GP/JGP CS
1 Nathan CHEN USA $125,000 $64,000 $0 $61,000  
2 Shoma UNO JPN $94,000 $19,000 $21,000 $54,000  
3 Yuzuru HANYU JPN $83,000 $47,000 $0 $36,000  
4 Vincent ZHOU USA $49,000 $33,000 $11,000 $5,000  
5 Junhwan CHA KOR $36,000 $0 $3,000 $30,000 CHF3000
6 Michal BREZINA CZE $32,000 $0 $0 $32,000  
7 Boyang JIN CHN $29,000 $11,000 $16,000 $2,000  
8 Alexander SAMARIN RUS $28,000 $0 $16,000 $12,000  
9 Keegan MESSING CAN $26,000 $0 $7,000 $19,000  
10 Sergei VORONOV RUS $25,000 $0 $0 $25,000  
11 Matteo RIZZO ITA $23,000 $0 $11,000 $12,000  
11 Mikhail KOLYADA RUS $23,000 $8,000 $5,000 $6,000 CHF4000
13 Javier FERNANDEZ ESP $21,000 $0 $21,000 $0  
14 Jason BROWN USA $20,000 $0 $5,000 $13,000 CHF2000
15 Tomoki HIWATASHI USA $14,000 $10,000 $0 $4,000  
16 Morisi KVITELASHVILI GEO $13,000 $0 $0 $13,000  
17 Stephen GOGOLEV CAN $10,000 $2,000 $0 $8,000  
18 Kazuki TOMONO JPN $9,000 $0 $0 $9,000  
18 Kevin AYMOZ FRA $9,000 $0 $7,000 $2,000  
18 Daniel GRASSL ITA $9,000 $5,000 $3,000 $1,000  
18 Petr GUMENNIK RUS $9,000 $0 $0 $9,000  
22 Roman SAVOSIN RUS $8,000 $7,000 $0 $1,000  
23 Adam SIAO HIM FA FRA $7,000 $1,000 $0 $6,000  
24 Koshiro SHIMADA JPN $6,500 $0 $0 $6,500  
25 Camden PULKINEN USA $5,500 $0 $0 $5,500  
26 Dmitri ALIEV RUS $5,000 $0 $0 $5,000  
27 Artur DANIELIAN RUS $4,000 $4,000 $0 $0  
28 Nam NGUYEN CAN $2,000 $0 $0 $2,000  
28 Andrew TORGASHEV USA $2,000 $0 $0 $2,000  
28 Andrei MOZALEV RUS $2,000 $0 $0 $2,000  
31 Mitsuki SUMOTO JPN $1,500 $0 $0 $1,500  
31 Kirill IAKOVLEV RUS $1,500 $0 $0 $1,500  
31 Yuma KAGIYAMA JPN $1,500 $0 $0 $1,500  
34 Yuto KISHINA JPN $1,000 $0 $0 $1,000  
34 Joseph PHAN CAN $1,000 $0 $0 $1,000  
34 Iliya KOVLER CAN $1,000 $0 $0 $1,000  

男子シングルで賞金を獲得したのは36人です

10万ドルを超える賞金を稼いだのは一人だけ。5万ドル以上で3人です。賞金だけで活動費用が賄えているのはこの上位3人まででしょうか。1万ドル以上で17人。

 

ロシアが最多の9人、日本が7人、アメリカ6人、カナダ5人、フランスとイタリアが2人づつで、韓国、チェコ、中国、スペイン、グルジアが各1人づつ。合計11か国の選手が賞金を獲得しています。男子で複数の選手が賞金を獲得した国が、そのままイコールで国別対抗戦の出場国になっています。

 

賞金ランキング1位のネイサンチェン選手は今シーズン全勝ですが四大陸選手権を欠場しました。大きな賞金の大会を一つ欠場しながらも1位、とも言えますし、それを欠場しているので、女子の1位のザギトワ選手よりも獲得賞金が少ない、とも言えます

2位は宇野選手。今シーズン出るべき大会のすべて出たのはトップ選手の中では宇野選手くらいでした。あのレベルの選手でそれだけ試合に出ても、獲得賞金が10万ドルに満たないというのが一つの現実としてあります。

3位は羽生選手。グランプリファイナルと四大陸選手権欠場ですが、賞金ランキングで見ると3番目。グランプリシリーズ2勝と世界選手権2位という三つを合わせるとこれくらいの位置になるようです

 

日本人のシニア選手では二人の他に、友野選手がグランプリシリーズ2戦で9,000ドルを獲得して18位の位置にいます。田中刑事選手は獲得賞金ゼロです。ただ、国別対抗戦でチームとして得た賞金を人数割りして割り当てをもらえる、と考えた場合には2万ドルちょっとの額を得られるので、友野選手より実質的には大きな金額を得ることになります

日本選手で賞金を得た後の四選手はジュニアの選手です。

 

ジュニアの獲得賞金トップはアメリカの樋渡選手。世界ジュニア優勝の賞金で稼いで全体の15番目でした。

 

賞金を獲得した選手を全て並べてもこれだけにしかならないし、10万ドル以上の賞金を獲得したのは1人だけ、というのも、日本でのフィギュアスケートの人気を考えるとかなり寂しい数字に思えます

 

 なお、各大会の賞金は、フィギュアスケートの賞金(18-19シーズン)のエントリーをご覧ください。 

フィギュアスケート18-19賞金ランキング(女子シングル 個人)

 

フィギュアスケート女子シングルの18-19シーズン賞金ランキングを出してみました
実際には、国別対抗戦も賞金が出るので、その分も加算されることになるのですが、あれは団体戦なのでちょっと別扱いでまた考えたいと思います。

 

WC:世界選手権 WJ:世界ジュニア
4CC:4大陸選手権、EC:ヨーロッパ選手権
GP:グランプリシリーズ JGP:ジュニアグランプリシリーズ (ファイナル含む)
CS:チャレンジャーシリーズ

CHFはスイスフランですが、合計計算時には1CHF=1$で計算しています

PL Name Nation Prize Money WC/WJ 4CC/EC GP/JGP CS
1 Alina ZAGITOVA RUS $134,000 $64,000 $16,000 $54,000  
2 Rika KIHIRA JPN $101,000 $19,000 $21,000 $61,000  
3 Elizabet TURSYNBAEVA KAZ $67,000 $47,000 $16,000 $2,000 CHF2000
4 Sofia SAMODUROVA RUS $47,000 $0 $21,000 $26,000  
5 Kaori SAKAMOTO JPN $46,000 $11,000 $7,000 $28,000  
6 Evgenia MEDVEDEVA RUS $45,000 $33,000 $0 $12,000  
7 Elizaveta TUKTAMYSHEVA RUS $43,000 $0 $0 $39,000 CHF4000
8 Satoko MIYAHARA JPN $42,000 $8,000 $0 $34,000  
9 Mai MIHARA JPN $27,000 $0 $11,000 $16,000  
10 Stanislava KONSTANTINOVA RUS $22,000 $0 $7,000 $15,000  
11 Bradie TENNELL USA $20,000 $0 $5,000 $12,000 CHF3000
12 Alexandra TRUSOVA RUS $19,000 $10,000 $0 $9,000  
13 Mako YAMASHITA JPN $13,000 $0 $0 $13,000  
14 Anna SHCHERBAKOVA RUS $13,000 $7,000 $0 $6,000  
15 Viveca LINDFORS FIN $11,000 $0 $11,000 $0  
16 Alena KOSTORNAIA RUS $10,000 $0 $0 $10,000  
17 Eunsoo LIM KOR $9,000 $0 $0 $9,000  
18 Mariah BELL USA $8,000 $0 $3,000 $5,000  
19 Yuna SHIRAIWA JPN $7,000 $2,000 $0 $5,000  
20 Laurine LECAVELIER FRA $7,000 $0 $5,000 $2,000  
21 Alena KANYSHEVA RUS $7,000 $0 $0 $7,000  
22 Anastasia TARAKANOVA RUS $6,500 $0 $0 $6,500  
23 Alexia PAGANINI SUI $6,000 $0 $3,000 $3,000  
24 Ting CUI USA $5,000 $5,000 $0 $0  
25 Kseniia SINITSYNA RUS $5,000 $4,000 $0 $1,000  
26 Yelim KIM KOR $4,000 $0 $0 $4,000  
27 Anna TARUSINA RUS $3,000 $0 $0 $3,000  
28 Loena HENDRICKX BEL $2,000 $0 $0 $2,000  
29 Young YOU KOR $2,000 $1,000 $0 $1,000  
30 Yuhana YOKOI JPN $1,000 $0 $0 $1,000  
31 Rion SUMIYOSHI JPN $1,000 $0 $0 $1,000  
32 Shiika YOSHIOKA JPN $1,000 $0 $0 $1,000  
33 Haein LEE KOR $1,000 $0 $0 $1,000  
34 Viktoria VASILIEVA RUS $1,000 $0 $0 $1,000  

 

女子シングルで今シーズン賞金を獲得したのは34名です。1万ドル以上が16名。10万ドル以上は2名。賞金だけでは、上位2名以外は、活動費を賄うだけで精いっぱい、という程度の額しかないように見えます。
ロシアから13名、日本が9名。この22名で全体の三分の二を占めます。そのほかは韓国4名、米国3名、カザフスタンフィンランド、フランス、スイス、ベルギーが各1名。
全部で9か国の選手のみが賞金を得ています。

 

上位10人まではロシア5人と日本4人とカザフスタンのトゥルシンバエワ選手。日露とエテリ、ということで、この10人が今シーズンの主役でしたかね。
ジュニアのトップは12位のトゥルソワ選手。ある意味でこの人も今シーズンの主役だった気もしますが、ジュニアなんで、本当の主役になるのは来シーズン、ということになりますでしょうか。

 

結局賞金ランキングでも一位はザギトワ選手。なんだか不安定だったシーズン中盤もありましたが、それでも国際試合は2位にはなってました。世界選手権ではちゃんと勝利、ということで賞金ランキングでは1位。ロシア国内で負けても関係ないです、こういうところでは。
紀平選手が二位。国際試合全勝で最終戦を迎えましたが、世界選手権で勝てないと、賞金的にはこうなります。
三位は四大陸、世界選手権と2位に入ったトゥルシンバエワ選手。グランプリシリーズで表彰台に縁がないのに、世界選手権でメダルを取る、というのはカザフスタンの特性なんでしょうか。

 

日本では人気のフィギュアスケートですが、選手たちが得る賞金というのは一シーズンでこの程度でしかない、という現実があります。もう少し、世界的に集金力を上げて、選手たちに還元できるような、そんなサイクルができるといいのですが、なかなかそううまくいかないようです。

 

 

なお、各大会の賞金は、フィギュアスケートの賞金(18-19シーズン)のエントリーをご覧ください。 

 

世界フィギュア19 男子シングル3

男子シングル編の最後

今回は、要素ごとの高評価者を見ていきます

 

左から、ショートorフリー、名前、国、要素順、要素名、回転不足などの情報、基礎点、1.1倍ボーナスタイムなら*が付く、加点としてのGOE、得点、ときて、一番右の列は、9人のジャッジが付けた+5~-5のGOE評価が入ります。右から三列目のGOEは実際に増減される点数であり、一番右の者とは意味が異なります。

 

 

四回転ルッツ 全選手

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Nathan CHEN USA 1 4Lz   11.50   4.76 16.26 4.222
FS Vincent ZHOU USA 1 4Lz+3T   15.70   3.94 19.64 3.444
FS Alexander SAMARIN RUS 1 4Lz+3T   15.70   3.61 19.31 3.222
SP Vincent ZHOU USA 1 4Lz+3T   15.70   3.12 18.82 2.444
SP Nathan CHEN USA 2 4Lz   11.50   2.63 14.13 2.222
FS Boyang JIN CHN 1 4Lz   11.50   2.46 13.96 2.111
SP Boyang JIN CHN 1 4Lz   11.50   -5.75 5.75 -4.778

今大会、四回円ルッツを試みたのは4人で7回。コンビネーションで入れたつわものも二人で3回あります。

最高評価はフリーでネイサンチェン選手が飛んだもの。GOE平均4.222を四回転ルッツで出す、というのはとてつもないことです。これ以外でも、今大会は4人で6回、四回転ルッツの成功ジャンプがありました。基本的には冒頭に飛ぶジャンプとなっていまうが、ネイサンチェン選手のみ、ショートプログラムで2つ目の要素に入れています。

 

四回転フリップ 全選手

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Nathan CHEN USA 2 4F   11.00   2.04 13.04 1.889
SP Alexander SAMARIN RUS 2 4F+2T   12.30   0.00 12.30 0.000
FS Shoma UNO JPN 2 4F< < 8.25   -4.13 4.12 -4.889
SP Shoma UNO JPN 1 4F< < 8.25   -4.13 4.12 -5.000

四回転フリップはルッツより少なくて3人で4回。成功ジャンプは2つでした。これもネイサンチェン選手が評価トップです。宇野選手は2回試みて2回とも回転不足、ショートでは転倒。フリーも転倒カウントはされなかったですが、減点は満額されてしまいました。

 

四回転ループ 全選手 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Yuzuru HANYU JPN 1 4Lo   10.50   3.45 13.95 3.222

四回転ループはフリーの羽生選手のみ。十分な加点をもらっての成功でした。これが入ったことで、今大会は二大会ぶりに、五種類の成功四回転が揃った大会となりました。

 

四回転サルコウ 平均GOEがプラス 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Vincent ZHOU USA 2 4S   9.70   3.19 12.89 3.333
FS Nam NGUYEN CAN 2 4S   9.70   3.33 13.03 3.333
FS Nam NGUYEN CAN 1 4S+3T   13.90   2.77 16.67 2.889
FS Michal BREZINA CZE 1 4S+2T   11.00   2.63 13.63 2.667
FS Keiji TANAKA JPN 1 4S+2T   11.00   2.36 13.36 2.333
SP Nam NGUYEN CAN 1 4S+3T   13.90   1.94 15.84 2.000
SP Michal BREZINA CZE 1 4S+2T   11.00   0.69 11.69 0.667

四回転サルコウは延べ16選手が要素に入れていて、加点が付いたのは上記7名でした。要素に入れたというのは、エレメント表に4Sと入っているものであり、回転不足の<や<<が入っていても含みますが、本人は4Sに挑んだつもりでも、回転が抜けて3Sになった2Sになった、というものは含みません。以下、すべての要素で同じです

4Sの最高評価は表彰台に乗ったビンセントゾー選手と、上位には上がってこられなかったですがナムグエン選手が入っています。ナムグエン選手は4Sからのコンビネーションジャンプとしても最高評価ですし、ショートフリーで合計3回跳んだすべてで平均GOEが2.0以上と、クリーンな四回転サルコウを飛びました。

今シーズン好調だったブレジナ選手もショートフリーのコンビネーションジャンプ2回とも成功。上位進出はなりませんでしたが、田中選手もフリーのコンビネーションはクリーンに入れていました

 

四回転トーループ 平均GOE2.5以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Yuzuru HANYU JPN 6 4T   9.50   3.80 13.30 4.000
FS Nathan CHEN USA 3 4T   9.50   3.39 12.89 3.667
FS Nathan CHEN USA 7 4T+3T   15.07 x 3.39 18.46 3.556
FS Shoma UNO JPN 3 4T   9.50   3.26 12.76 3.444
FS Yuzuru HANYU JPN 7 4T+3A+SEQ   15.40 x 3.12 18.52 3.222
FS Mikhail KOLYADA RUS 1 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.222
FS Andrei LAZUKIN RUS 1 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.222
SP Matteo RIZZO ITA 1 4T   9.50   2.85 12.35 3.000
SP Yuzuru HANYU JPN 3 4T+3T   15.07 x 2.71 17.78 2.889
SP Shoma UNO JPN 2 4T+2T   10.80   2.71 13.51 2.889
FS Vladimir LITVINTSEV AZE 1 4T   9.50   2.58 12.08 2.667
SP Kevin AYMOZ FRA 1 4T   9.50   2.58 12.08 2.556
FS Brendan KERRY AUS 1 4T   9.50   2.58 12.08 2.556

四回転トーループに挑んだのはショートフリー合わせて延べ41人です。

最高評価は羽生選手のフリーの単独ジャンプ。平均GOE4.0を叩き出しました。上位には羽生選手ネイサンチェン選手宇野選手あたりの名前が並びます。羽生選手の4T-3Aというオリジナルな高難度コンビネーションは、平均GOE3.222をもらった素晴らしいものではあったのですが、スコアとしてはネイサンチェン選手の4T-3Tとほぼ変わらなくなってしまっています。シークエンスであることの不利さ、というのが効いていまして、シークエンスは基礎点0.8倍というルールはどうなんだ、と少し考えさせられる部分です。

上位選手は、この四回転トーループを演技後半に入れて1.1倍、しかもコンビネーションで入れてきたりしています。四回転トーループというのはトップ選手にとってはそれくらい普通のジャンプになってきているようです。以前、宇野選手が全日本選手権で、2A-4Tというものを申請要素として入れていたことがありましたが、コンビネーションの二つ目に4Tが入ってくるような時代が来るんでしょうか。

 

トリプルアクセル 平均GOE3.0以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Yuzuru HANYU JPN 2 3A   8.00   3.43 11.43 4.333
SP Shoma UNO JPN 4 3A   8.80 x 3.09 11.89 3.889
FS Nathan CHEN USA 4 3A   8.00   2.97 10.97 3.778
FS Mikhail KOLYADA RUS 7 3A   8.80 x 3.20 12.00 3.778
SP Mikhail KOLYADA RUS 4 3A   8.80 x 2.97 11.77 3.556
SP Nathan CHEN USA 1 3A   8.00   2.74 10.74 3.333
FS Kevin AYMOZ FRA 3 3A   8.00   2.63 10.63 3.333
SP Boyang JIN CHN 4 3A   8.80 x 2.51 11.31 3.222
SP Jason BROWN USA 2 3A   8.00   2.51 10.51 3.111
SP Matteo RIZZO ITA 2 3A   8.00   2.51 10.51 3.111
SP Keegan MESSING CAN 3 3A   8.00   2.51 10.51 3.111
FS Shoma UNO JPN 9 3A+1Eu+3F   15.18 x 2.40 17.58 3.000
FS Michal BREZINA CZE 8 3A   8.80 x 2.40 11.20 3.000

トリプルアクセルを要素に入れたのは、シークエンスの二つ目に入れたという羽生選手のものまで含めて、ショートフリー合計で延べ76人でした。上記は、羽生選手のシークエンスは除いて、一つ目のジャンプで3Aが入っている要素の中から、GOE平均3.0以上のものを抜き出しています。

3Aの評価トップは羽生選手。ここでも一人だけ4.0を超えてきています。2位が宇野選手ですが、三番目にトリプルアクセルが苦手とされてきたネイサンチェン選手が入ってきています。ネイサンチェン選手は2回跳んだトリプルアクセルがどちらも平均GOE3.0を上回っていて、もはや弱点とはとても言い難い出来になっていました。

高難度ジャンプが苦手とされるジェイソンブラウン選手も、ショートプログラムでは平均GOE3.111と大きな加点をもらい、ショート2位スタートの一つの要因となっていました。

3Aからのコンビネーションでは、宇野選手の三連続が最高点です。今シーズンこの3連続が今一つうまく決まっていませんでしたし、今大会ジャンプが今一つ決まらず表彰台に乗れなかった宇野選手ですが、見せ場の三連続はしっかり決めてくれました

トップテン選手以外では、フランスのケビンエイモス選手が4Tに続いて3Aでも入ってきています。この辺の高難度ジャンプを成功させたことで、11位まで順位を持ってこられたことが見て取れます。ブライアンジュベール選手を生んだフランスの次のトップ選手として、高難度ジャンプ大会に参入していってもらえると、上位選手のバリエーションが広がって、それも楽しいな、と思えます。

 

3連続ジャンプ 平均GOE2.0以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Shoma UNO JPN 9 3A+1Eu+3F   15.18 x 2.40 17.58 3.000
FS Yuzuru HANYU JPN 9 3A+1Eu+3S   14.08 x 2.17 16.25 2.667
FS Mikhail KOLYADA RUS 8 3S+1Eu+2S   6.71 x 1.17 7.88 2.667
FS Matteo RIZZO ITA 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.29 12.40 2.333
FS Kevin AYMOZ FRA 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.21 12.32 2.333
FS Deniss VASILJEVS LAT 7 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.43 13.20 2.333
FS Jason BROWN USA 9 3Lz+3T+2Lo   12.98 x 1.43 14.41 2.222
FS Morisi KVITELASHVILI GEO 3 3F+1Eu+3S   10.10   1.14 11.24 2.111

3連続ジャンプはフリーの重要要素なので、試みた勝った人は24人いるはずなのですが、実際に要素に入ったのは19人でした。

最高評価は3Aのところで上げましたが宇野選手。二番手も羽生選手で日本人選手が並び、コリヤダ選手も羽生選手と同評価でした。ただ、コリヤダ選手は難度が極端に低いですけど・・・。

3連続ジャンプは1.1倍ボーナスタイムに入れる選手が多いです。意外とここには、高難度ジャンパーの名前が入ってきていなくて、ネイサンチェン選手は0.667、ビンセントゾー選手は3つ目の3Fが回転不足で-0.222、ボーヤンジン選手は3A起点で序盤に入れてきたものの1.556にとどまりました。難しいジャンプを飛ぶ、というのとコンビネーションで3っつしっかり飛ぶ、というのは、また少し違う技術だったりするんでしょうか。でも2連続のコンビネーションは4Lzからでも決めてきたりするんですけどね。

 

 

CCoSp レベル4で平均GOE3.5以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Nathan CHEN USA 12 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.111
FS Yuzuru HANYU JPN 12 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
SP Jason BROWN USA 4 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
SP Shoma UNO JPN 7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.000
SP Keegan MESSING CAN 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Jason BROWN USA 12 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
SP Nathan CHEN USA 7 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.889
SP Yuzuru HANYU JPN 7 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.889
FS Shoma UNO JPN 12 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 3.889
FS Keegan MESSING CAN 12 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.667

CCoSp チェンジフットコンビネーションスピン。ショートフリーで述べ58選手が試みて45選手がレベル4獲得。最高評価はネイサンチェン選手と羽生結弦選手。この二人はこういうところでもしっかり強いですねえ。ジェイソンブラウン選手はショートフリー共に平均GOE4.0以上で揃えてきました。各要素のGOEの高さがジェイソンブラウン選手の勝負ポイントです。今大会上位進出できませんでしたが、キーガンメッシング選手もショート、フリー共にGOEが3.5以上で、美しいスピンを見せてくれました

CCoSpはショートもフリーも、プログラムの最後に入れる選手が多いですね。

 

 

CCSp レベル4で平均GOE3.0以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Jason BROWN USA 6 CCSp4   3.20   1.42 4.62 4.333
FS Nathan CHEN USA 5 CCSp4   3.20   1.23 4.43 3.778
FS Mikhail KOLYADA RUS 11 CCSp4   3.20   1.19 4.39 3.778
SP Mikhail KOLYADA RUS 3 CCSp4   3.20   1.10 4.30 3.333
FS Kevin AYMOZ FRA 5 CCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000

CCSp チェンジフットキャメルスピン。ショートフリー合わせて延べ14選手が試みて、レベル4は12選手が得ました。

最高点はジェイソンブラウン選手。フリーでジェイソンブラウン選手の名前がありませんが、これは加点が少なかったのではなく、フリーではこのスピンは入れていないためです。

コリヤダ選手の名前がショートフリー共にあります。

 

CSSp レベル4で平均GOE2.5以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Yuzuru HANYU JPN 5 CSSp4   3.00   1.24 4.24 4.222
FS Vincent ZHOU USA 12 CSSp4   3.00   0.86 3.86 2.889
SP Keegan MESSING CAN 5 CSSp4   3.00   0.77 3.77 2.667

CSSp チェンジフットシットスピン。ショートフリーで延べ35人が試み、延べ24人がレベル4。最高評価は羽生選手で、突出して高いです。一人だけ平均GOE4.0以上。3.0以上も羽生選手のみです。実は宇野選手がショートでこのスピンを入れていて平均GOE3.556なのですが、レベルを取りこぼして3だったりしました。フリーでは羽生選手はこのスピンは構成に入れていません。

 

FCoSp レベル4で平均GOE2.5以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Nathan CHEN USA 11 FCCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.778
FS Yuzuru HANYU JPN 3 FCCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.222
FS Shoma UNO JPN 5 FCCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.222
FS Vincent ZHOU USA 9 FCCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.889

FCoSp フライングコンビネーションスピン フリーで12人が試みて7人がレベル4

面白いことに、総合の上位4選手がそのままこのスピンでも上四人として名前が並んでいます。トップはネイサンチェン選手。FCoSpとしての平均GOEはジェイソンブラウン選手の3.889というのが実はGOEとしてはトップだったのですが、レベル3という取りこぼしがあり残念でした。ジェイソンブラウン選手は、ここのレベルの取りこぼし分だけで、今回9位だった総合成績が、8位に出来るところでした

 

FCSp レベル4で平均GOE3.0以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Jason BROWN USA 4 FCSp4   3.20   1.33 4.53 4.111
FS Shoma UNO JPN 4 FCSp4   3.20   1.19 4.39 3.667
SP Yuzuru HANYU JPN 4 FCSp4   3.20   1.14 4.34 3.556
SP Keegan MESSING CAN 2 FCSp4   3.20   1.10 4.30 3.444
SP Shoma UNO JPN 3 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.111

FCSp フライングキャメルスピン。ショートフリーで述べ39人が試み、29人がレベル4でした。評価トップはジェイソンブラウン選手。ブラウン選手は評価の高い要素が多いです。キーガンメッシング選手の名前もまた出てきました。今大会は15位に終わりましたが、一つ一つの要素では高評価を得たものが多い選手です。

 

FCSSp 全選手 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Yuzuru HANYU JPN 11 FCSSp4   3.00   1.11 4.11 3.778

FCSSp フライングチェンジフットシットスピン。今大会でこれが要素に入っていたのは羽生選手のみでした。こういうところのユニーク性、というのはもう少し取り上げられていい部分かもしれないとも思います。

 

 

FSSp レベル4で平均GOE3.0以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Keegan MESSING CAN 4 FSSp4   3.00   1.11 4.11 3.667
FS Mikhail KOLYADA RUS 4 FSSp4   3.00   1.07 4.07 3.556
SP Nathan CHEN USA 5 FSSp4   3.00   1.03 4.03 3.444
FS Kevin AYMOZ FRA 10 FSSp4   3.00   0.94 3.94 3.222
SP Jason BROWN USA 3 FSSp4   3.00   0.94 3.94 3.111
SP Mikhail KOLYADA RUS 6 FSSp4   3.00   0.94 3.94 3.111
SP Michal BREZINA CZE 4 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
FS Michal BREZINA CZE 4 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000

FSSp フライングシットスピン。 ショートフリーで18選手が試み、14選手がレベル4

評価トップはキーガンメッシング選手。メッシング選手はスピンの高評価が多いです。ジェイソンブラウン選手もやはり名前を連ねてきていますが、むしろ平均GOE3点台前半というのは、ブラウン選手にしては低い、とも言えそうです。羽生選手、宇野選手はこのスピンを要素として入れていません。

 

 

 

ステップ レベル4 で平均GOE3.5以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Nathan CHEN USA 6 StSq4   3.90   1.84 5.74 4.556
SP Jason BROWN USA 7 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.222
SP Yuzuru HANYU JPN 6 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.222
FS Nathan CHEN USA 6 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.222
FS Kevin AYMOZ FRA 12 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
FS Shoma UNO JPN 11 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
SP Shoma UNO JPN 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
FS Michal BREZINA CZE 5 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.667
SP Mikhail KOLYADA RUS 5 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
FS Matteo RIZZO ITA 11 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556

ステップはショートフリー共に全選手の必須要素です。延べ59選手が試みて21選手がレベル4となっています。

最高評価はネイサンチェン選手のショートプログラム。ネイサンチェン選手はショートフリー共に平均GOEが4点台となっています。羽生選手とブラウン選手はショートでは高評価、フリーでも平均GO4.0と評価は良かったのですがレベル3になっています。ステップは上位選手でもレベルの取りこぼしが多い要素です。ステップでレベル4だったのがうれしい、というコメントはよく聞かれますね。

 

コレオシークエンス 平均GOE3.5以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Jason BROWN USA 5 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.444
FS Yuzuru HANYU JPN 10 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.333
FS Michal BREZINA CZE 11 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.333
FS Nathan CHEN USA 10 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.111
FS Shoma UNO JPN 6 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.889
FS Keegan MESSING CAN 11 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.889

コレオシークエンスはフリーの必須要素です。レベルの判定はありません。最高評価はブラウン選手。4人のジャッジが+5をつけています。キーガンメッシング選手も高評価で名前を連ねてきました。ブレジナ選手も含め、こういった選手が上位に入ってきてくれると、ジャンプ派と演技派のバランスが取れて面白いんだけどなあ、と思う部分はあります。

 

 

全要素から平均GOE4.0以上 

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Nathan CHEN USA 6 StSq4   3.90   1.84 5.74 4.556
SP Jason BROWN USA 1 3F   5.30   2.35 7.65 4.444
FS Jason BROWN USA 5 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.444
SP Jason BROWN USA 6 CCSp4   3.20   1.42 4.62 4.333
SP Yuzuru HANYU JPN 2 3A   8.00   3.43 11.43 4.333
FS Yuzuru HANYU JPN 10 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.333
FS Michal BREZINA CZE 11 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.333
SP Jason BROWN USA 7 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.222
SP Yuzuru HANYU JPN 5 CSSp4   3.00   1.24 4.24 4.222
SP Yuzuru HANYU JPN 6 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.222
FS Nathan CHEN USA 1 4Lz   11.50   4.76 16.26 4.222
FS Nathan CHEN USA 6 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.222
FS Nathan CHEN USA 10 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.111
FS Nathan CHEN USA 12 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.111
FS Yuzuru HANYU JPN 12 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
FS Jason BROWN USA 4 FCSp4   3.20   1.33 4.53 4.111
SP Jason BROWN USA 4 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
SP Jason BROWN USA 5 3Lz+3T   11.11 x 2.36 13.47 4.000
SP Shoma UNO JPN 7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.000
SP Keegan MESSING CAN 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Yuzuru HANYU JPN 4 StSq3   3.30   1.32 4.62 4.000
FS Yuzuru HANYU JPN 6 4T   9.50   3.80 13.30 4.000
FS Kevin AYMOZ FRA 12 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
FS Jason BROWN USA 11 StSq3   3.30   1.32 4.62 4.000
FS Jason BROWN USA 12 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Keegan MESSING CAN 1 3Lz   5.90   2.36 8.26 4.000

全要素での最高評価は、ネイサンチェン選手のショートプログラムのステップでした。その下にジェイソンブラウン選手の名前が三つ、羽生選手の名前が二つ並びます。ショートフリー、二つ滑った選手は全部で19の要素をこなします。その中で、平均GOEが4.0以上の要素として、ジェイソンブラウン選手は9つと最多、羽生結弦選手が7つ、ネイサンチェン選手が5つ、名前を連ねています。平均GOEが4.0以上の要素があった選手は7人だけ。いかにこの3人の各要素の質が高いかがうかがわれます。これだけ、各要素の質の高さを備えながら、総合9位に終わったジェイソンブラウン選手。現代フィギュアスケートで、いかに4回転ジャンプの影響度が大きいか。それが如実に現れた結果、と言えるでしょうか。

 

 

 

 

世界フィギュア19 男子シングル2

今回は男子シングルの2回目として、各選手がどんな傾向の点の取り方をしたのかというのを見ていきます。女子シングル2と同じ流れです

 

ショートプログラム

 

Jump

基礎点

Jump

GOE

Spin

基礎点

Spin

GOE

Step

基礎点

Step

GOE

PCS 減点
Nathan CHEN 34.57 7.68 9.70 3.29 3.90 1.84 46.42 0.00
Jason BROWN 24.41 7.22 9.70 3.76 3.90 1.67 46.15 0.00
Yuzuru HANYU 23.07 6.14 9.70 3.73 3.90 1.62 46.71 0.00
Vincent ZHOU 31.78 3.99 9.70 1.84 3.90 1.28 41.68 0.00
Matteo RIZZO 28.61 6.96 9.70 2.13 3.90 1.11 40.96 0.00
Shoma UNO 27.85 1.67 9.30 3.34 3.90 1.45 44.89 1.00
Kevin AYMOZ 28.40 2.92 9.70 1.83 3.90 1.34 40.15 0.00
Michal BREZINA 25.10 2.97 9.70 2.44 3.90 1.28 41.57 0.00
Boyang JIN 31.10 -1.61 9.70 2.08 3.30 0.80 39.89 1.00
Mikhail KOLYADA 20.20 2.77 9.70 3.19 3.90 1.39 43.08 0.00

まず目につくのは、羽生選手のジャンプの基礎点の低さ。四回転ジャンプが一つ抜けて零点になる、というのはこういうことなわけです。

逆に、ルッツまで含めてジャンプをすべて決めるとネイサンチェンの基礎点になります。その差11.5 これがもうあまりにも大きすぎました。

そして、宇野選手の回転不足×転倒に、3T→2T というのはGOEまで考えると、四回転サルコウが一つ消えるよりさらに大きな痛手になっています。

宇野選手はもう一つ問題があって、上位10選手中、ただ一人、スピンのレベル取りこぼしがありました。

ジェイソンブラウン選手はスピンの加点、ステップの加点で最高点です。さらにジャンプも基礎点が低いにもかかわらず加点がネイサンチェンに次ぐ二番目。ショートプログラムの完成度の高さは驚異的でした

 

 

  Jump Spin Step PCS 減点
Nathan CHEN 42.25 12.99 5.74 46.42 0.00
Jason BROWN 31.63 13.46 5.57 46.15 0.00
Yuzuru HANYU 29.21 13.43 5.52 46.71 0.00
Vincent ZHOU 35.77 11.54 5.18 41.68 0.00
Matteo RIZZO 35.57 11.83 5.01 40.96 0.00
Shoma UNO 29.52 12.64 5.35 44.89 1.00
Kevin AYMOZ 31.32 11.53 5.24 40.15 0.00
Michal BREZINA 28.07 12.14 5.18 41.57 0.00
Boyang JIN 29.49 11.78 4.10 39.89 1.00
Mikhail KOLYADA 22.97 12.89 5.29 43.08 0.00

基礎点とGOEを合わせるとこうなります

ショートプログラムの得点としては、ネイサンチェン選手は突出していましたが、ジャンプ以外の得点はそうでもないことが見て取れます。ショートの点差はとにかくジャンプの点差でした。ただ、2番手以下の争いの中では、ジャンプで点が取れなかった羽生選手が、スピンステップPCS、特にPCSトップなことに救われて3位に入ってきている、という姿も見えます。羽生選手のスピンステップPCSを考えると、ジャンプは難易度をやや下げても100点までは楽に届くのですが、そういう計算をする選手、ではないですね。

 

 

フリープログラム

 

Jump

基礎点

Jump

GOE

Spin

基礎点

Spin

GOE

Step

基礎点

Step

GOE

PCS 減点
Nathan CHEN 77.29 18.96 10.20 4.08 6.90 3.81 94.78 0.00
Yuzuru HANYU 72.11 14.61 10.00 3.71 6.30 3.53 95.84 0.00
Vincent ZHOU 68.28 10.16 9.70 2.55 6.30 2.72 87.28 0.00
Shoma UNO 65.01 0.62 10.20 3.74 6.90 3.43 89.02 0.00
Boyang JIN 67.97 7.00 9.70 2.23 6.30 2.61 82.64 0.00
Mikhail KOLYADA 58.48 8.79 9.20 3.33 6.30 2.77 89.34 0.00
Alexander SAMARIN 65.27 3.06 8.90 2.06 6.30 2.06 81.30 1.00
Michal BREZINA 49.77 8.90 9.13 2.68 6.90 3.60 87.34 1.00
Andrei LAZUKIN 59.12 7.09 9.70 1.71 6.30 2.21 78.56 0.00
Matteo RIZZO 60.33 2.25 9.20 2.17 6.90 2.46 81.98 1.00

続いてフリー。

フリーではすべてにわたってネイサンチェン選手の強さが目立ちました。

ジャンプの基礎点、GOE、スピンの基礎点GOE、ステップの基礎点GOEとすべてトップです。かろうじてPCSだけは羽生選手が上を行っていますが、1点程度の差で2番目です。

羽生選手はジャンプはある程度仕方ないにしても、スピンステップでネイサンチェン選手に後れを取った、というのは残念な結果でした。この辺は、ケガで滑り込みが出来ていなかったことに由来する部分があるようにも感じます。やっぱり、来年の枠が二つになってでも、出場権与えずに、強制的に休ませた方が選手寿命考えるとよかったんじゃ・・・、という気がしたりしなかったり。

宇野選手はジャンプのGOEが上位選手中最低の数値です。今大会、ジャンプの精度が悪すぎました。勝ちたい、と言い始めて最初の大会で勝てるほど世の中甘くはなかった、ということでしょうか。

ショートで出遅れたコリヤダ選手がフリーで挽回してきましたが、採点を見ると、ジャンプはやっぱり抜けちゃって稼げていない、という姿が見えます。ジャンプ基礎点が上位10選手中9番目。PCSが宇野選手より上に行って3位なあたりに救われて、6位にまで入ってきましたが、ジャンプの構成が今一つだったでしょうか。ラズキン選手もジャンプの基礎点が低め。二人とも4回転2本入っているにもかかわらず、こうなってしまうのは、コンビネーションジャンプの入れ方が今一つな構成なために見えます。その辺をもう少しうまく出来たら、6位と10位ではなく、5位と8位くらいにはすぐなれたポイント差ですので、ロシアは来年3枠取れたかもしれないのになあ、と残念な部分ではあります

 

また、スピンのレベル4率、ステップのレベル4率が女子と比べると低くなっています。男子の方が、高難度ジャンプの習得に時間を取られ、スピンステップのレベルへ向ける力が削がれがちなところがあるんでしょうか

 

  

  Jump Spin Step PCS 減点
Nathan CHEN 96.25 14.28 10.71 94.78 0.00
Yuzuru HANYU 86.72 13.71 9.83 95.84 0.00
Vincent ZHOU 78.44 12.25 9.02 87.28 0.00
Shoma UNO 65.63 13.94 10.33 89.02 0.00
Boyang JIN 74.97 11.93 8.91 82.64 0.00
Mikhail KOLYADA 67.27 12.53 9.07 89.34 0.00
Alexander SAMARIN 68.33 10.96 8.36 81.30 1.00
Michal BREZINA 58.67 11.81 10.50 87.34 1.00
Andrei LAZUKIN 66.21 11.41 8.51 78.56 0.00
Matteo RIZZO 62.58 11.37 9.36 81.98 1.00

基礎点とGOEを合わせるとこんな感じです。スピンの2番目は宇野選手、ステップの2番目はブレジナ選手でした。ブレジナ選手は4回転にトリプルアクセルまではうまく飛んだのに、3回転のコンビネーションジャンプがきめられず、ジャンプの点を大きく減らしてしまったのが大変痛かったです。そこさえ決まれば5位までは入ってこられる点数でした。

 

 

Jump

基礎点

Jump

GOE

Spin

基礎点

Spin

GOE

Step

基礎点

Step

GOE

PCS 減点
Nathan CHEN 111.86 26.64 19.90 7.37 10.80 5.65 141.20 0.00
Yuzuru HANYU 95.18 20.75 19.70 7.44 10.20 5.15 142.55 0.00
Vincent ZHOU 100.06 14.15 19.40 4.39 10.20 4.00 128.96 0.00
Shoma UNO 92.86 2.29 19.50 7.08 10.80 4.88 133.91 -1.00
Boyang JIN 99.07 5.39 19.40 4.31 9.60 3.41 122.53 -1.00
Mikhail KOLYADA 78.68 11.56 18.90 6.52 10.20 4.16 132.42 0.00
Matteo RIZZO 88.94 9.21 18.90 4.30 10.80 3.57 122.94 -1.00
Michal BREZINA 74.87 11.87 18.83 5.12 10.80 4.88 128.91 -1.00
Jason BROWN 70.55 7.50 19.40 7.65 10.20 5.20 134.65 -1.00
Andrei LAZUKIN 87.07 11.28 19.40 3.34 9.60 2.96 115.09 0.00

総合の上位10選手の、ショート、フリー合わせたそれぞれのスコアです

ジャンプの基礎点だけで100点を超えている選手が二人。ボーヤンジン選手もほぼ100点です。羽生選手はジャンプの基礎点が全体の四番目。宇野選手はジャンプの基礎点で5番目な上に、GOEがほとんど稼げなかったのですから、さすがに苦しい展開となりました。

スピンを、ショートフリーすべてレベル4でしっかり揃えた選手、というのが5人だけで、上位10選手の中でも半分しかいません。また、ステップでショートフリーレベル4を並べたのは4人でさらに減ります。

男子は女子と比べてレベルの取りこぼしが目立ちました

 

  Jump Spin Step PCS 減点 Total Scores
Nathan CHEN 138.50 27.27 16.45 141.20 0.00 323.42
Yuzuru HANYU 115.93 27.14 15.35 142.55 0.00 300.97
Vincent ZHOU 114.21 23.79 14.20 128.96 0.00 281.16
Shoma UNO 95.15 26.58 15.68 133.91 -1.00 270.32
Boyang JIN 104.46 23.71 13.01 122.53 -1.00 262.71
Mikhail KOLYADA 90.24 25.42 14.36 132.42 0.00 262.44
Matteo RIZZO 98.15 23.20 14.37 122.94 -1.00 257.66
Michal BREZINA 86.74 23.95 15.68 128.91 -1.00 254.28
Jason BROWN 78.05 27.05 15.40 134.65 -1.00 254.15
Andrei LAZUKIN 98.35 22.74 12.56 115.09 0.00 248.74

基礎点とGOEを合わせるとこうなります。ジャンプだけで100点を超えたのは四人。その中でもネイサンチェン選手は突出しています。

ジャンプスピンステップとネイサンチェン選手が一位。PCSのみ羽生選手が一位です。PCSの三位はジェイソンブラウン選手。四回転とはいわないので、トリプルアクセルまででいいので、三本しっかり決めてくれれば、表彰台争いができるチャンスくらいまでは今回あったんですけどねえ。

 

  Jump Spin Step PCS 減点 順位
Nathan CHEN 1 1 1 2 1 1
Yuzuru HANYU 2 2 5 1 1 2
Vincent ZHOU 3 7 8 6 1 3
Shoma UNO 7 4 2 4 6 4
Boyang JIN 4 8 9 9 6 5
Mikhail KOLYADA 8 5 7 5 1 6
Matteo RIZZO 6 9 6 8 6 7
Michal BREZINA 9 6 2 7 6 8
Jason BROWN 10 3 4 3 6 9
Andrei LAZUKIN 5 10 10 10 1 10

要素グループ別に上位10選手内で順位をつけたもの。

宇野選手はジャンプの失敗をスピンステップPCSで何とかカバーしたものの、上位3人との差は大きくて4位に留まった、というところでしょうか。ボーヤンジン選手は本人比ではジャンプも満足がいく水準ではありませんでしたが、それなりには点が出て全体の4番目。ただ、スピンステップPCSが伸びずに表彰台争いとはだいぶ離れた五番目で終わっていました。

ステップで2位のスコアを上げているのはブレジナ選手。ショートフリー共にレベル4で加点も十分も取った結果こうなりました。ステップで点が取れる選手は見ていて映えます。

 

  Jump Spin Step PCS 減点  
Nathan CHEN 60.45 4.53 3.89 26.11 1.00 95.98
Yuzuru HANYU 37.88 4.40 2.79 27.46 1.00 73.53
Vincent ZHOU 36.16 1.05 1.64 13.87 1.00 53.72
Shoma UNO 17.10 3.84 3.12 18.82 0.00 42.88
Boyang JIN 26.41 0.97 0.45 7.44 0.00 35.27
Mikhail KOLYADA 12.19 2.68 1.80 17.33 1.00 35.00
Matteo RIZZO 20.10 0.46 1.81 7.85 0.00 30.22
Michal BREZINA 8.69 1.21 3.12 13.82 0.00 26.84
Jason BROWN 0.00 4.31 2.84 19.56 0.00 26.71
Andrei LAZUKIN 20.30 0.00 0.00 0.00 1.00 21.30

各要素グループで、上位10選手中10位の選手と、自分の得点との差を並べたのがこの表です。

ジャンプだけで60点もの大差がついているのが分かります。それに対して、スピンは最大で4.53、ステップは3.89と、それほど差が付きません。PCSでも27.46までです。ジャンプでいかに差が付くか、というのが分かります。

女子と比べても、男子のジャンプ大会色は色濃いなあ、というのが感じられる結果でした。

 

 

世界フィギュア19 女子シングル3

今回は女子シングルの最終

各要素ごとの高得点者を見ていきます。

 

すべて共通で、左端にショートプログラムかフリーか、2列目が名前、3列目国籍、4列目は要素の順番。5列目は要素名、6列目は回転不足やエッジ不正などのマークが配置されます。7列目は基礎点、8列目はジャンプの1.1倍のところにはXマークが付きます。9列目がGOEでこれは点数としてのGOEです。10列目はスコア、基礎点+GOEが入ります。

11列目、一番右端は-5から+5までのGOEの採点が入ります。9列目のGOEは加点減点の点数そのものですが、一番右側のGOEは加点減点する際の係数にあたるものです。

以下、GOE〇〇以上、という表記が頻繁に出てきますが、そのGOEはこの右端の列の数値を意味します。

 

トリプルアクセル以上の高難度ジャンプ

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Rika KIHIRA JPN 1 3A+3T   12.20   2.86 15.06 3.556
FS Rika KIHIRA JPN 2 3A   8.00   -3.66 4.34 -4.444
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 1 4S   9.70   1.11 10.81 1.111

紀平選手のトリプルアクセルとトゥルシンバエワ選手の四回転サルコウ。紀平選手の成功した方のジャンプはすごい加点が付いています。この要素が今大会の単独要素での最高点となっています。

トゥルシンバエワ選手の四回転サルコウは、回転が足りていただけでなく、回転が足りて転倒しなかっただけでなく、GOEもプラスになっていて、本当の意味での成功ジャンプでの四回転認定となりました

 

三回転-三回転で平均GOE3.5以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Alina ZAGITOVA RUS 1 3Lz+3Lo   10.80   2.44 13.24 4.222
SP Gabrielle DALEMAN CAN 1 3T+3T   8.40   1.80 10.20 4.222
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 4 3S+3T   9.35 x 1.78 11.13 4.111
SP Kaori SAKAMOTO JPN 1 3F+3T   9.50   2.12 11.62 3.889
FS Alina ZAGITOVA RUS 2 3Lz+3T   10.10   2.28 12.38 3.889
FS Evgenia MEDVEDEVA RUS 2 3S+3Lo   9.20   1.82 11.02 3.667
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 7 3S+3T   9.35 x 1.54 10.89 3.667
FS Kaori SAKAMOTO JPN 1 3F+3T   9.50   1.89 11.39 3.667
FS Rika KIHIRA JPN 1 3A+3T   12.20   2.86 15.06 3.556


恐ろしいことにここに3A-3Tが入っているという・・・

名前が二つあるのは、ザギトワ、トゥルシンバエワ、坂本花織。トゥルシンバエワ選手は3S-3Tと、やや難度は低めではありますが、二つとも1.1倍ボーナスタイムのものです

トップはザギトワ選手のルッツループ。最高難度のコンビネーションがGOEも最高というのがすごい。また、デールマン選手の代名詞、3T-3TもGOEは全体トップで並んでいます。

 

3連続ジャンプで平均GOE2.0以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Kaori SAKAMOTO JPN 7 2A+3T+2T   9.68 x 1.62 11.30 3.889
FS Rika KIHIRA JPN 9 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.77 11.56 3.000
FS Alina ZAGITOVA RUS 8 3F+2T+2Lo   9.13 x 1.36 10.49 2.556
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 9 2A+1Eu+3S   8.91 x 1.04 9.95 2.444
FS Evgenia MEDVEDEVA RUS 3 3F+2T+2T   7.90   1.21 9.11 2.222
FS Eunsoo LIM KOR 7 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.86 8.89 2.000

3-3-2や、3-1-3みたいな3連続はいないんですね。3連続は坂本選手のGOEが突出していましたが、2Aスタートなので加点の絶対値やスコアでは3Lz起点の紀平選手の方が上です

 

単独のトリプルルッツ 平均GOE2.5以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Rika KIHIRA JPN 4 3Lz   6.49 x 2.28 8.77 3.889
FS Evgenia MEDVEDEVA RUS 1 3Lz   5.90   2.11 8.01 3.667
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 1 3Lz   5.90   2.19 8.09 3.556
FS Kaori SAKAMOTO JPN 3 3Lz   5.90   1.60 7.50 2.778
FS Eunsoo LIM KOR 1 3Lz   5.90   1.52 7.42 2.556

実は3Lz-3Loのザギトワ選手のGOEの方が、単独3Lzの最高点の紀平選手より上だったりします。

坂本選手はショートフリー合わせて3Lzは一本しかなく、苦手なジャンプなのだろうと推察されるのですが、平均GOEは4位でそんなに悪くはありません

 

 

 

単独のトリプルフリップ 平均GOE3.0以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Alina ZAGITOVA RUS 6 3F   5.83 x 2.20 8.03 4.000
SP Eunsoo LIM KOR 4 3F   5.30   1.97 7.27 3.667
FS Rika KIHIRA JPN 7 3F   5.83 x 1.89 7.72 3.556
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 3 3F   5.30   1.74 7.04 3.222
SP Mariah BELL USA 5 3F   5.83 x 1.67 7.50 3.111
FS Evgenia MEDVEDEVA RUS 8 3F   5.83 x 1.59 7.42 3.000
FS Mariah BELL USA 9 3F   5.83 x 1.59 7.42 3.000

単独ルッツよりも飛ぶ選手が多く、また平均GOEも高め。

1.1倍ボーナスタイムに飛んでGOEも高め、という選手が多いですね。

 

単独のダブルアクセル 平均GOE3.0以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Kaori SAKAMOTO JPN 2 2A   3.30   1.27 4.57 3.889
FS Kaori SAKAMOTO JPN 2 2A   3.30   1.27 4.57 3.889
SP Alina ZAGITOVA RUS 4 2A   3.30   1.13 4.43 3.556
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 2 2A   3.30   1.13 4.43 3.444
SP Evgenia MEDVEDEVA RUS 2 2A   3.30   1.08 4.38 3.444
FS Alina ZAGITOVA RUS 1 2A   3.30   1.13 4.43 3.444
FS Bradie TENNELL USA 1 2A   3.30   1.13 4.43 3.444
SP Bradie TENNELL USA 4 2A   3.30   1.04 4.34 3.333
FS Alina ZAGITOVA RUS 4 2A   3.30   1.08 4.38 3.333
SP Anita OSTLUND SWE 1 2A   3.30   0.99 4.29 3.000

単独のダブルアクセルは、全選手の中で紀平選手だけが飛んでいません。逆に言えば、それ以外の選手には必ず入っている要素ですし、選手によってはショートフリー合わせて3本入っていることもあります。

そういった要素で、坂本選手が上から二つを占めています。ザギトワ選手は飛んだ3回全部入っています。高難度のコンビネーションを飛ぶ一方で、フリーでは単独2Aが2本もはいっています。これは、高難度コンビネーションがありつつ、3A以上のジャンプがないことで、飛ぶジャンプが足りずに2Aを単独で2回跳ぶという形になるためかと思われます。GOEを考えると、2A-3Tを入れたりする方がお得な部分もあるのですが、そういう作戦は現状選ばれていません

また、ダブルアクセルで高いGOEを出せる選手は、誰も1.1倍ボーナスタイムに単独ダブルアクセルを入れたりしない、というのも見て取れます。

 

 

全ジャンプ要素で平均GOE3.5以上のもの

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Kaori SAKAMOTO JPN 5 3Lo   5.39 x 2.38 7.77 4.667
SP Alina ZAGITOVA RUS 1 3Lz+3Lo   10.80   2.44 13.24 4.222
SP Gabrielle DALEMAN CAN 1 3T+3T   8.40   1.80 10.20 4.222
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 4 3S+3T   9.35 x 1.78 11.13 4.111
SP Alina ZAGITOVA RUS 6 3F   5.83 x 2.20 8.03 4.000
SP Evgenia MEDVEDEVA RUS 4 3Lo   5.39 x 1.96 7.35 4.000
SP Kaori SAKAMOTO JPN 1 3F+3T   9.50   2.12 11.62 3.889
SP Kaori SAKAMOTO JPN 2 2A   3.30   1.27 4.57 3.889
SP Rika KIHIRA JPN 4 3Lz   6.49 x 2.28 8.77 3.889
FS Alina ZAGITOVA RUS 2 3Lz+3T   10.10   2.28 12.38 3.889
FS Kaori SAKAMOTO JPN 2 2A   3.30   1.27 4.57 3.889
FS Kaori SAKAMOTO JPN 7 2A+3T+2T   9.68 x 1.62 11.30 3.889
SP Eunsoo LIM KOR 4 3F   5.30   1.97 7.27 3.667
FS Evgenia MEDVEDEVA RUS 1 3Lz   5.90   2.11 8.01 3.667
FS Evgenia MEDVEDEVA RUS 2 3S+3Lo   9.20   1.82 11.02 3.667
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 7 3S+3T   9.35 x 1.54 10.89 3.667
FS Kaori SAKAMOTO JPN 1 3F+3T   9.50   1.89 11.39 3.667
SP Alina ZAGITOVA RUS 4 2A   3.30   1.13 4.43 3.556
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 1 3Lz   5.90   2.19 8.09 3.556
FS Alina ZAGITOVA RUS 3 3S   4.30   1.47 5.77 3.556
FS Rika KIHIRA JPN 1 3A+3T   12.20   2.86 15.06 3.556
FS Rika KIHIRA JPN 7 3F   5.83 x 1.89 7.72 3.556

ジャンプ要素で平均GOE最高値は、坂本選手のショートプログラムの単独トリプルループでした。9人のジャッジのうち7人が+5を付けた素晴らしいジャンプです。

この中に、坂本選手は6つ、ザギトワ選手5つが含まれます。紀平選手、トゥルシンバエワ選手、メドベージェワ選手は3つづつです。上位5選手はジャンプの加点をしっかりもらえていることが垣間見えます。

一方で、宮原選手の名前が一つも入ってきていない、というあたりが、今回6位に留まったことの大きな要因に見えます。ヨーロッパ選手権を勝ったサムドゥロワ選手も名前がありませんし、上位を狙ったテネル選手もいません。ジャンプで加点を取れないと、表彰台を争うのは難しい、ということの表れかと思われます

 

CCoSp レベル4で平均GOE3.5以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Alina ZAGITOVA RUS 7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
FS Bradie TENNELL USA 12 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
SP Bradie TENNELL USA 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 3 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.889
SP Evgenia MEDVEDEVA RUS 6 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.778
SP Rika KIHIRA JPN 5 CCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
FS Loena HENDRICKX BEL 5 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.556

チェンジフットコンビネーションスピンCCoSpは、ショートフリー合わせて延べ60人が実施しました。ショートフリー合わせて延べ64人ですから、ほとんどの選手が要素に入れています。

こういうところでもザギトワ選手が一番上に来ます。ただ、ショートだけで、フリーの平均GOEは+2台でした。ショートフリー共に+4以上を並べたのはテネル選手です

 

CSp 全選手

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Evgenia MEDVEDEVA RUS 5 CSp4   2.60   0.85 3.45 3.333
SP Natasha MCKAY GBR 4 CSp4   2.60   0.59 3.19 2.333
SP Dasa GRM SLO 3 CSp4   2.60   0.56 3.16 2.111
SP Julia SAUTER ROU 5 CSp4   2.60   0.48 3.08 1.778
FS Natasha MCKAY GBR 5 CSp4   2.60   0.30 2.90 1.222

キャメルスピンCSpは延べ5選手が実施。少ないので全選手上げておきます。全選手レベル4で、メドベージェワ選手が平均GOEトップでした。レベル4でも基礎点が2.60なので、あまり選ばれないスピンなのですが、メドベージェワ選手がなぜか要素として入れています

 

FCCoSp レベル4で平均GOE3.0以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Alina ZAGITOVA RUS 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Kaori SAKAMOTO JPN 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Bradie TENNELL USA 11 FCCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.667
FS Evgenia MEDVEDEVA RUS 10 FCCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.000

フライングチェンジフットコンビネーションスピンFCCoSpは16人が実施し、レベル4を13人が取りました。ここのトップはザギトワ、トゥルシンバエワ、坂本花織と+4.0を持っています。最後の要素としてこれを持ってきている選手が多いです。

 

FCSp レベル4で平均GOE3.0以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Alina ZAGITOVA RUS 2 FCSp4   3.20   1.37 4.57 4.333
FS Alina ZAGITOVA RUS 5 FCSp4   3.20   1.28 4.48 4.111
SP Kaori SAKAMOTO JPN 6 FCSp4   3.20   1.14 4.34 3.444
SP Eunsoo LIM KOR 2 FCSp4   3.20   1.10 4.30 3.444
SP Bradie TENNELL USA 2 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.333
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 5 FCSp4   3.20   1.10 4.30 3.333

フライングキャメルスピンFCSpは延べ31選手が試みて30選手がレベル4でした。

ここでもトップはザギトワ選手。ショートフリー共に平均GOE4.0超えです。

 

 

FCSSp 全選手

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Alaine CHARTRAND CAN 11 FCSSp4   3.00   0.73 3.73 2.444
FS Eliska BREZINOVA CZE 10 FCSSp3   2.60   0.15 2.75 0.556

フライングチェンジフットシットスピンFCSSpは2人が要素として入れて1人がレベル4でした。チャートランド選手がレベル4になっています

 

FSSp レベル4で平均GOE2.5以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Kaori SAKAMOTO JPN 4 FSSp4   3.00   1.03 4.03 3.333
SP Evgenia MEDVEDEVA RUS 3 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.111
FS Rika KIHIRA JPN 10 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
SP Mariah BELL USA 4 FSSp4   3.00   0.86 3.86 2.889
FS Sofia SAMODUROVA RUS 5 FSSp4   3.00   0.77 3.77 2.667
SP Rika KIHIRA JPN 3 FSSp4   3.00   0.73 3.73 2.556

フライングシットスピンFSSpは延べ23人が要素として入れて22人がレベル4

多数の選手が要素として入れているにもかかわらず、GOEが+4に到達した選手はいませんでした。上位選手の中では、ザギトワ選手、トゥルシンバエワ選手に宮原選手はこのスピンを要素として入れていません。

 

LSp レベル4でGOE平均3.5以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Satoko MIYAHARA JPN 12 LSp4   2.70   1.27 3.97 4.667
SP Satoko MIYAHARA JPN 7 LSp4   2.70   1.20 3.90 4.444
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 7 LSp4   2.70   1.16 3.86 4.333
SP Alina ZAGITOVA RUS 5 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
SP Rika KIHIRA JPN 7 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
SP Bradie TENNELL USA 6 LSp4   2.70   1.08 3.78 3.889
FS Loena HENDRICKX BEL 10 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
FS Rika KIHIRA JPN 8 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.778
FS Bradie TENNELL USA 5 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.778
SP Mariah BELL USA 6 LSp4   2.70   0.96 3.66 3.667
SP Loena HENDRICKX BEL 7 LSp4   2.70   0.96 3.66 3.667

レイバックスピンLSpは延べ49選手が試みて41選手がレベル4取得

レイバックスピンと言えば宮原選手。今回は満点こそ出せませんでしたが、ショート、フリー、どちらも最高点でした。ただ、スピンの中では基礎点が低いんですよねレイバックスピン・・・。

 

SSp 全選手

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Alexandra FEIGIN BUL 12 SSp4   2.50   0.50 3.00 1.889
SP Sophia SCHALLER AUT 6 SSp4   2.50   0.07 2.57 0.333

シットスピンSSpは2選手が実施し二人ともレベル4でした

 

 

全スピン要素 平均GOE4.0以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Satoko MIYAHARA JPN 12 LSp4   2.70   1.27 3.97 4.667
SP Satoko MIYAHARA JPN 7 LSp4   2.70   1.20 3.90 4.444
SP Alina ZAGITOVA RUS 2 FCSp4   3.20   1.37 4.57 4.333
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 7 LSp4   2.70   1.16 3.86 4.333
SP Alina ZAGITOVA RUS 5 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
SP Alina ZAGITOVA RUS 7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
FS Alina ZAGITOVA RUS 5 FCSp4   3.20   1.28 4.48 4.111
FS Bradie TENNELL USA 12 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
SP Bradie TENNELL USA 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Alina ZAGITOVA RUS 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
FS Kaori SAKAMOTO JPN 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000

 スピンの中で最高GOEなのは宮原選手のレイバックスピン。ただ、基礎点が低いという弱点があり、スピン要素での最高点は、ザギトワ選手、テネル選手のチェンジフットコンビネーションスピンでした。

スピンはショートフリー通じて合計6回実施される要素ですが、ザギトワ選手はそのうち5つで平均GOE4.0以上ということでここに乗ってきています。意外なのは、メドベージェワ選手は一つもここに入ってきませんでした。紀平選手も無し。サムドゥロワ選手もいません。

 

ステップ レベル4でGOE平均3.5以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
SP Alina ZAGITOVA RUS 3 StSq4   3.90   1.78 5.68 4.556
SP Evgenia MEDVEDEVA RUS 7 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 6 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 11 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
FS Kaori SAKAMOTO JPN 5 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
SP Satoko MIYAHARA JPN 6 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.778
SP Kaori SAKAMOTO JPN 4 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
FS Alina ZAGITOVA RUS 11 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556
FS Evgenia MEDVEDEVA RUS 11 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556

 
ステップはショートフリー共に全選手が実施しますので、延べ64人が行い、レベル4は35選手。レベル4を取るのが割と難しいとされてきたステップで今大会はレベル4率が50%を超えました。

最高点はザギトワ選手のショートプログラム。ついでメドベージェワ選手までが4.0を超えています。四回転を飛んだ跳んだと騒がれたトゥルシンバエワ選手ですが、実はフリーの中ではステップ最高点です。ショートもフリーもステップで大きな加点を出していまして、4回転を飛んだというだけで表彰台に乗ったわけではありません。

坂本選手もショートフリー共に名前が入ってきていて、ステップでちゃんと5点台半ばの点を取っています

今回は紀平選手がここでも名前が入ってきませんでした

 

 

コレオシークエンス GOE平均3.0以上

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Kaori SAKAMOTO JPN 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 6 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.667
FS Satoko MIYAHARA JPN 9 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.667
FS Mariah BELL USA 11 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.667
FS Alina ZAGITOVA RUS 6 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444
FS Bradie TENNELL USA 10 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
FS Rika KIHIRA JPN 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.222
FS Gabrielle DALEMAN CAN 11 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.111

コレオシークエンスはフリーにのみある要素で全24選手が実施です。

最高点は坂本選手でした。坂本選手は、ステップ2つとコレオという踊るパートがすべて5点以上の要素となりました。二番目はトゥルシンバエワ選手に宮原選手とマライアベル選手。トゥルシンバエワ選手はステップと並んでここでも上位に名前があり、四回転サルコウだけではない、ということがしっかりと表れています。

意外なのはメドベージェワ選手の名前がないあたりでしょうか。メドベージェワ選手のコレオはGOE平均2.444 全選手の中で10番目とあまり高くありませんでした。

上位選手ではほかにサムドゥロワ選手も名前がありません。サムドゥロワ選手は、ステップでもスピンでもジャンプでも名前が出てこず、全体的に今大会は加点が得られない滑りとなっていました。

 

平均GOE4.0以上の全要素

  Name Nation   Elements    BaseValue   GOE Scores  
FS Satoko MIYAHARA JPN 12 LSp4   2.70   1.27 3.97 4.667
SP Kaori SAKAMOTO JPN 5 3Lo   5.39 x 2.38 7.77 4.667
SP Alina ZAGITOVA RUS 3 StSq4   3.90   1.78 5.68 4.556
SP Satoko MIYAHARA JPN 7 LSp4   2.70   1.20 3.90 4.444
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 7 LSp4   2.70   1.16 3.86 4.333
SP Alina ZAGITOVA RUS 2 FCSp4   3.20   1.37 4.57 4.333
SP Gabrielle DALEMAN CAN 1 3T+3T   8.40   1.80 10.20 4.222
SP Alina ZAGITOVA RUS 1 3Lz+3Lo   10.80   2.44 13.24 4.222
SP Evgenia MEDVEDEVA RUS 7 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
SP Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 4 3S+3T   9.35 x 1.78 11.13 4.111
FS Bradie TENNELL USA 12 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
SP Alina ZAGITOVA RUS 5 LSp4   2.70   1.12 3.82 4.111
SP Alina ZAGITOVA RUS 7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
FS Alina ZAGITOVA RUS 5 FCSp4   3.20   1.28 4.48 4.111
FS Kaori SAKAMOTO JPN 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
FS Kaori SAKAMOTO JPN 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
SP Evgenia MEDVEDEVA RUS 4 3Lo   5.39 x 1.96 7.35 4.000
FS Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
SP Bradie TENNELL USA 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
SP Alina ZAGITOVA RUS 6 3F   5.83 x 2.20 8.03 4.000
FS Alina ZAGITOVA RUS 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000

全要素の中で最高のGOEを得たのは、坂本選手の単独トリプルループと宮原選手のレイバックスピンでした。

ショートとフリー合わせると、各選手は19の要素をこなすわけですが、その中でザギトワ選手は8要素でGOEの平均が4.0以上、トゥルシンバエワ選手と坂本選手が3要素で4以上、メドベージェワ、宮原、テネルの三選手は2要素で4以上となっていました。

ザギトワ選手の洗練さが突出しているのが分かります。また、坂本選手が+4以上になった要素は、ジャンプ、スピン、コレオと、タイプの違う三つになっていて、様々な要素で点が取れる選手になってきた、というのが見て取れます。

 

紀平選手が、GOE4以上の要素、というのが一つもありませんでした。この辺が、最終的に表彰台に乗れなかった僅差の中では大きく響いている部分ですし、また、トリプルアクセルが入らないとザギトワ選手との差が大きい、ということが明確に表れてしまった部分になります